JP2001199212A - タイヤ滑り止め具およびこれに用いる連結具 - Google Patents

タイヤ滑り止め具およびこれに用いる連結具

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JP2001199212A
JP2001199212A JP2000008357A JP2000008357A JP2001199212A JP 2001199212 A JP2001199212 A JP 2001199212A JP 2000008357 A JP2000008357 A JP 2000008357A JP 2000008357 A JP2000008357 A JP 2000008357A JP 2001199212 A JP2001199212 A JP 2001199212A
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JP2000008357A
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Manabu Ooto
学 大音
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑り止め具の構成片を連結具で連結すると
き、連結孔からの破断を防止する。 【解決手段】 ネット構成片6の帯状部14に形成した
連結孔14Bに、連結具7のフック部7Aを挿入係止し
てカシメ止めするとき、帯状部14を抱き込んでカシメ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ滑り止め具
およびこれに用いる連結具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤに巻回装着して用いるタイヤ用滑
止め装置として、ネット構造やラダー構造又はこれらの
複合構造を具備しつつ、全体がタイヤのトレッド面を被
覆可能なように略帯状に形成されたゴム製又は樹脂製の
装置本体(タイヤ滑り止め具)を有したものは、今日で
は広く知られるところとなっているが、このタイプの滑
止め装置の中には、更に、装置本体(タイヤ滑り止め
具)がその長手方向を複数の本体構成片(滑り止め要
素)に分割(分散)されているタイプがある(特開平9
−156334号公報、特開平11−139124号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した、いわゆる分
割式の装置本体では、その幅方向外側に本体構成片同士
を連結する連結具が設けられているが、この連結具は、
図16(1)(2)に示す構成であった。図16におい
て、滑り止め要素の端部における帯状部Aにはこの厚み
方向に連結孔A1が形成されており、この連結孔A1に
連結具Bの両端に形成したフック部B1を挿入係止して
カシメ止めしているとともに、両フック部B1を連結部
B2にて連結した構成であった。
【0004】この従来の構成では、両フック部B1が連
結孔A1をカシメ止めしていることから、帯状部Aにお
ける部分A2の周長L1が帯状部Aの周長(帯幅)Lの
半分程度となり、この状態で滑り止め具をタイヤに巻回
装着して使用しているときの遠心力等で滑り止め要素が
浮上したり、空転したりしたときの連結強度は部分A2
の周長L1に支配されて連結孔A1が破断され易いとい
う課題があった。このため、帯状部Aの厚みTを相当部
厚く(通常より10mm)することによって部分A2の
断面積を増大して連結強度を確保しようとすると、現有
金型の改造が必要となり、投資費用が嵩むし、既に製作
済の加硫片を利用できず廃棄しなければならないという
無駄があった。
【0005】なお、特開平11−139124号公報で
開示の技術は滑り止め要素を折り畳み方向へ回動可能に
する閉ループ部を連結具の両端に形成したものであり、
コンパクトに折畳んで収納が容易ではあるものの、回動
(折り畳み)の繰り返しで摩耗することから、連結強度
は低いというものであった。本発明は、連結具によるカ
シメ止めを従来の連結孔カシメ止めを従来の連結孔カシ
メ止め(図16(1))から帯状部抱き込みのカシメ止
めとすることによって、連結強度は帯状部全体の断面で
確保しつつ現有金型を利用できるようにしたタイヤ滑り
止め具および連結具を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤ2の左
右ショルダーを含むトレッドを被覆した状態でタイヤ周
方向に分散(分割)して配列される滑り止め要素6と、
タイヤ周方向で隣接する滑り止め要素6の対向する帯状
部14を互いに連結する連結具7を備えているタイヤ滑
り止め具3であって、前述の目的を達成するために、次
の技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に係る
タイヤ滑り止め具における前記連結具7は、帯状部14
にこの厚み方向に形成した連結孔14Bに挿入されて係
止するフック部7Aを両端部に備え、このフック部7A
で帯状部14を抱き込んで両フック部7Aを連結する連
結部7Bを備えていることを特徴とするものである。
【0007】このように連結具7のフック部7Aは帯状
部14を抱き込んでいることから、連結強度は帯状部1
4の全体における断面積となってその強度の増進が図
れ、連結孔14Bの破断等が確実に阻止されて耐久性が
大幅に向上するだけでなく、滑り止め要素6を加硫金型
で加硫成形するにあたっても現有金型が採用可能となっ
たのである。連結具7の両端フック部7Aはこれで帯状
部14を抱き込んでいることを必須とするが、この抱き
込みに際してカシメ止めすることが望ましい(請求項
2)。
【0008】このようにカシメ止めすることによって、
連結孔14B、帯状部14等とフック部7Aの妄動が抑
えられて連結強度が向上するとともに、破断を確実に阻
止するのである。前記両フック部7Aは、連結孔14B
に対して表側から挿入されて帯状部14を抱き込んでカ
シメ止めされているとともに両フック部7Aを連結する
連結部7Bは帯状部14の裏側に位置されていることが
推奨される(請求項3)。このように構成することによ
って、タイヤ2に巻回装着したとき、タイヤ2のショル
ダー又はサイドウォールにフック部7Aが接触すること
はなく、これ故、当該部分(タイヤ外表面)に不測の摺
り傷等が形成されることもないのである。
【0009】なお、両フック部7Aを連結孔14Bに対
して裏側から挿入し、連結部7Bを帯状部14の表側に
位置させることを排除するものではない。更に、前記両
フック部7Aは連結孔14Bへの挿入部を基点として左
右方向外方にはすかい(斜交)して配置されて帯状部1
4を抱き込んでおり、両フック部7Aを連結する連結部
7Bはタイヤ周方向と平行に延伸されていることが推奨
される(請求項4)。このように、両フック部7Aをは
すかい(斜交)にすることによって、帯状部14を抱き
込んでの抱き込み長さが長くなって、カシメ止めしたと
きはより一層の連結強度が確保されるのである。
【0010】なお、両フック部7Aと連結部7Bとをタ
イヤ周方向と平行に位置(配置)させることを排除する
ものではない。請求項5に係る本発明の連結具7は、滑
り止め要素6の端部の帯状部14に形成した連結孔14
Bに挿入されて該帯状部14を抱き込んでカシメ止めす
るフック部7Aを両端に備え、この両フック部7Aを互
いに連結する連結部7Bを備えていることを特徴とする
ものであり、この際、前記両フック部7Aはこれをカシ
メ止めする前の形態が帯状部14を抱き込むように開放
されていて連結孔14Bへの挿入部7Dが両フック部7
Aの自由端に鈎状に形成されていることが推奨される
(請求項6)。
【0011】このように構成したことによって、連結孔
14Bへの挿入係止、帯状部14の抱き込み(カシメ止
めの有無は問わない)等が容易、確実になり、延いて
は、連結強度が充分に確保されるのである。前述した連
結具7は、硬質樹脂成形品、強化繊維入(グラスファイ
バー等)の樹脂成形品等で構成することも可能である
が、スチール、ステンレス等の金属棒材で作成すること
が望ましい(請求項7)。棒材(樹脂製、金属製)につ
いては、これを角棒とすることもできるが丸棒(楕円半
弧形)にすることによって、タイヤ外表面への摺り傷防
止の点で有利となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1及び図2並びに図5で示すよ
うに、本実施形態のタイヤ滑り止め装置1は、タイヤ2
の外周を被覆する帯状のネット本体(滑り止め具)3
と、このネット本体3の幅方向一端側(タイヤ2の内
側)に連結された非伸長ロープよりなる内側緊締索4
と、ネット本体3の幅方向他端側(タイヤ2の外側)に
掛止されて同他端側をタイヤ中心方向へ引っ張る外側緊
締索5と、を備えている。
【0013】前記ネット本体3は、その長手方向(タイ
ヤ周方向)に6枚のネット構成片(ネット構成要素)6
を並設(分散)して構成してある分割型とされており、
各ネット構成片6のネット長手方向両端縁は、横方向
(タイヤ幅方向)に帯状として延伸された帯状部14と
され、その幅方向一端側では内側緊締索4を介して互い
に連結され、その幅方向他端側では連結金具7によって
タイヤ周方向で隣接する対向した帯状部14が互いに連
結されている。また、ネット本体3の長手方向中央部に
おけるネット構成片6間は若干間隔を広くとってあり、
この部分では、ネット構成片6は連結金具7を用いずに
幅方向一端側だけが内側緊締索4で連結されている。な
お、長手方向中央部の前記間隔は後述する接地用の開口
部8を構成している。
【0014】図1,2に示すように、各ネット構成片6
は、所定のネット模様に張りめぐらした芯材(図示略)
に合成ゴム又は天然ゴム等の非金属製の弾性材料を被覆
することにより形成されている。ネット構成片6の幅方
向中央部は、タイヤトレッドに対応して地面に接地する
トレッド対応領域(接地領域)9とされ、このトレッド
対応領域9の幅方向両側が、タイヤ2のショルダー部に
対応するショルダー部対応領域10とされ、このショル
ダー対応領域10の幅方向両側が、タイヤのサイドウォ
ール部に対応して前記内側緊締索4及び外側緊締索5が
連結される内連結部12及び外連結部13が設けられた
サイドウォール対応領域11とされていて、内・外連結
部12,13には連結金具7、内・外連結具15,16
等が掛止(カシメ止め)されることから、図3で示すよ
うにやや厚肉に形成されている。
【0015】なお、前記トレッド対応領域9は、タイヤ
滑り止め装置1の主たる滑り止め機能を果たす部分であ
り、該部分に複数のスパイクピン9aが埋設されてい
る。前記ネット構成片6の長手方向両端は、幅方向に真
っ直ぐに伸びる細帯状に形成されており、この帯状部1
4の幅方向他端側(タイヤ2の外側)に、各ネット構成
片6を相互に連結する前記連結金具7が設けられてい
る。そして、ネット構成片6のタイヤ周方向中央でトレ
ッド対応領域9からショルダー対応領域10にかかる位
置にあるネット交差部には、幅方向外方及び前後方向に
向けて傾斜しながら延伸する傾斜部が連設されており、
この傾斜部の前後端が前記帯状部14の両端に連設され
ている。
【0016】すなわち、本発明に係る滑り止め具3は、
タイヤ2の左右ショルダーを含むトレッドを被覆した状
態でタイヤ周方向に分散して(分割)して配列される滑
り止め要素6と、タイヤ周方向で隣接する滑り止め要素
6の対向する帯状部14を互いに連結する連結具7を備
えている。図3(1)〜(4)で示す第1の実施形態に
おいて、前記連結具7は、帯状部14の厚肉部14Aに
おいて、この厚み方向に形成した連結孔14Bに挿入さ
れて係止するフック部7Aを両端部に備え、このフック
部7Aで帯状部14、すなわち厚肉部14Aを抱き込ん
で両フック部7Aを連結する連結部7Bを備えている。
【0017】すなわち、フック部7Aは従来例(図16
参照)のように連結孔抱き込み形式ではなく、帯状部1
4抱き込み形式であることから、連結強度は帯状部14
の断面全体で受け止めることとなって連結強度が増大
し、連結孔14Bの破断を防止しているのである。フッ
ク部7Aは帯状部(厚肉部)14を抱き込む(取り囲
む)だけでも良いが、図3(3)で示すように両フック
部7Aは帯状部14を抱き込んでカシメ止めされている
ことが有利であり、このように、両フック部7Aをカシ
メ止めすることによってフック部7Aの妄動が抑えられ
て連結強度は確保されている。
【0018】更に、図3(1)〜(4)において、両フ
ック部7Aは連結孔14Bに対して表側から挿入されて
帯状部14を抱き込んでカシメ止めされているととも
に、両フック部7Aを連結する連結部7Bは帯状部14
の裏側に位置されている。このように、連結部7Bを帯
状部14の裏側とすることによって、タイヤ2のショル
ダー乃至サイドウォールへの摺り傷発生を抑制できるの
である。勿論、図示省略しているが、両フック部7Aを
連結孔14Bに対して裏側から挿入し、連結部7Bを帯
状部14の裏側とすることも可能である。
【0019】更に、図3(1)で示すように、両フック
部7Aは連結孔14Bへの挿入部を基点として左右方向
外方にはすかい(斜交)して配置されて帯状部14を抱
き込んでおり、両フック部7Aを連結する連結部7Bは
タイヤ周方向と平行(直線状)に延伸されている。これ
によって、フック部7Aの抱き込み長さ(カシメ止め長
さ)が大きくなるとともに、フック部7Aの根元(連結
部7Bとの接続部)7Cが滑り止め要素6のコーナ窓部
6Bに位置して連結強度はより一層向上できるのであ
る。
【0020】勿論図4(1)(2)で示す第2の実施の
形態のように、フック部7Aと連結部7Bとをタイヤ周
方向と平行(フック部7Aと連結部7Bが重なり合う)
とするものであっても良い。ここに、本発明に係る連結
具7は、滑り止め要素6の端部の帯状部14に形成した
連結孔14Bに挿入されて該帯状部14を抱き込んでカ
シメ止めするフック部7Aを両端に備え、この両フック
部7Aを互いに連結する連結部7Bを備えている。
【0021】更に、図3(4)で示すように、両フック
部7Aはこれをカシメ止めする前の形態が帯状部14を
抱き込むように開放されていて連結孔14Bへの挿入部
7Dが両フック部7Aの自由端にて鈎状に形成されてい
る。これによって、連結孔14Aに対する挿入係合が容
易、確実でしかもカシメ止め加工も確実となって、帯状
部14の変形、損傷を防止できるのである。前記連結具
7は、硬質樹脂、強化繊維入り硬質樹脂で作成すること
も可能であるが、スチール、ステンレス等の金属材料で
作成することが望ましく、また、樹脂製、金属製であっ
ても断面角の棒材又は板材で作成することもできるが、
断面丸(円、楕円、半円を含む)の棒材で作成すること
が連結孔14B、帯状部14の損傷防止の点で有利であ
るし、更に、金属棒材のときはこの表面に防錆処理(樹
脂コーティング等)をしておくことが有利となる。
【0022】また、帯状部14における厚肉部14A
は、図3、図4に示すいずれの実施形態においても、表
側に隆起することによって厚肉とすることが有利であ
る。すなわち、表側に隆起させて厚肉部14Aとするこ
とでタイヤ外表面に対する接触面が平滑面(平坦面)と
なって該外表面の摺り傷を抑制できるとともに、タイヤ
2に巻回装着して使用しているとき、帯状部14等の反
転(表裏入れ替り)を防止できるからである。但し、本
発明においては裏側に隆起した厚肉部であっても良い
し、表・裏双方に隆起した厚肉部であっても構わない。
【0023】このように、厚肉部14Aとすることによ
って、外連結具15をカシメ止めするための連結孔14
Cの孔破断も防止できて有利であり、この意味からも、
図1・2で示す内連結具16をカシメ止めする部分も厚
肉部とすることが推奨される。図1・2を参照して既述
すると、帯状部14の幅方向他端側(タイヤ外側)に
は、外側緊締索5を掛止するための掛止フック(外連結
具)15が設けられており、この帯状部14の一端部と
掛止フック15とによって前記外連結部13が構成され
ている。また、帯状部14の幅方向一端側(タイヤ内
側)には、内側緊締索4を連結するためのフック金具よ
りなる内連結具16が設けられており、この内連結具1
6と帯状部14の他端部とによって前記内連結部12が
構成されている。
【0024】更に、ネット構成片6のネット長手方向中
央部には、前記傾斜部の中途から該傾斜部と反対方向に
傾斜しながら幅方向外方に突出する前後対の掛止片17
が設けられており、この前後対の掛止片17の先端は互
いに交差して略V字をなし、この交差部分にも前記掛止
フック15及び内連結具16がかしめ止めされていて、
この交差部分も厚肉化することが推奨される。従って、
この掛止片17及びこれに取り付けられた内外連結具1
5,16も前記内連結部12及び外連結部13を構成し
ており、1枚のネット構成片6に対してネット長手方向
両端部と中央部との3箇所に、内連結部12及び外連結
部13が形成されている。
【0025】図1及び図2に示すように、ネット長手方
向端部寄りの各2枚ずつのネット構成片6については、
その内連結具16が内側緊締索4に対してカシメ固定さ
れ、この内連結具16が帯状部14及び掛止片17に対
してカシメ固定されて、これら各4枚のネット構成片6
は内側緊締索4のロープ長手方向に移動できないよう固
定されている。他方、ネット長手方向中央の開口部8を
挟んだ2枚のネット構成片6については、開口部8と反
対側に位置する1つの内連結部12aの連結具16が内
側緊締索4にカシメ固定され、この内連結具16が帯状
部14にカシメ固定されている。
【0026】ネット構成片6の展開状態において、ネッ
ト長手方向中央における内外連結部12,13の掛止片
17は、ネット長手方向両端における内外連結部12,
13の帯状部14の端部位置よりも幅方向中央寄り(接
地領域寄り)に配置されている。従って、3箇所の内外
連結具15,16に連結された内側緊締索4及び外側緊
締索5はネット構成片6の展開状態において若干の角度
だけ幅方向内方側へ屈曲するようになっている。図1及
び図2に示すように、前記開口部8の両側に位置する両
ネット構成片6,6における帯状部14のタイヤ外側に
対応する端部はこれ又厚肉部とされていて、前記掛止フ
ック15とは別に、後述する締め付け装置43の第1・
2フック体45,46のフック45C、46Cを掛止す
るための引っ掛け孔(引っ掛け部)18が形成されてい
る。
【0027】他方、ネット本体3の長手方向両端側の2
枚のネット構成片6,6は、そのネット長手方向外端の
外連結部13を構成する掛止フック15は設けられてお
らず、この部分には、後述するバックル装置27の連結
フック41が係合される係合孔19が形成されている。
前記内側緊締索(索状体)4は張力を受けても実質的に
伸びない非伸長ロープよりなり、その一端に、後述する
接続バックル71の雄部材72が連結されている。ま
た、内側緊締索4の他端には、同接続バックル71の雌
部材73が連結されている。
【0028】本実施形態では、前記外側緊締索5として
ストッパ機構付きのものが採用されている。図6および
図7に示すように、この外側緊締索5は、内径ループ部
23と外径ループ部24とを折り返し部25を介して内
外二重ループ状に接続してなるロープ部材26と、この
ロープ部材26の折り返し部25がその長さ方向に移動
自在に挿通されたバックル装置27と、このバックル装
置27内に設けられたストッパー機構28と、を備えて
いる。
【0029】このうち、ロープ部材26は、内径ループ
部23から折り返し部25を経て外径ループ部24の一
部が張力を受けても実質的に伸びない一本の非伸長ロー
プ29で構成され、外径ループ部24の残りの一部がゴ
ム等の弾性材よりなる一本の弾性ロープ30で構成され
ている。なお、上記非伸長ロープ29(内側緊締索4の
場合も含む)及び弾性ロープ30における「ロープ」と
は、紐状の長尺体という程度の意味で使用しており、そ
の材質や断面形状を特に限定するために使用しているも
のではない。従って、この場合の「ロープ」には、断面
丸形のものは勿論のこと、断面が偏平なベルトないしバ
ンド状のものも含まれるものである。
【0030】図7に示すように、バックル装置27は、
前記折り返し部25の挿通部32を幅方向両側に有する
ケーシング33と、このケーシング33内に揺動自在に
枢着された左右一対の巻き付け片34と、この各巻き付
け片34の下部にそれぞれ揺動自在に枢着された左右一
対のストッパー片35と、このストッパー片35をロー
プ解除方向へ移動させるスイッチ部材36と、を備えて
いる。このうち、左右の巻き付け片34には、挿通部3
2に挿通された前記折り返し部25が巻き付けられ、ス
トッパー片35の上面には、巻き付け片34に巻き付い
ている折り返し部25に当接する歯部37が形成されて
いる。また、ストッパー片35の枢着部には、その歯部
37を前記折り返し部25の下面側へ向かって付勢する
ばね部材38が設けられている。
【0031】そして、これら巻き付け片34、ストッパ
ー片35及びばね部材38により、ロープ部材26が内
径ループ部23の拡径方向(図7の矢印A方向)へ移動
するのを規制するが、外径ループ部24の拡径方向(図
7の矢印B方向)へ移動するのは許容する前記ストッパ
ー機構28が構成されている。すなわち、巻き付け片3
4に巻き付いている折り返し部25を図7の矢印A方向
に引っ張っても、ストッパー片35の歯部37が当該折
り返し部25に対してますます食い込むことになるの
で、折り返し部25を当該矢印A方向へ移動させること
はできない。
【0032】他方、巻き付け片34に巻き付いている折
り返し部25を図7の矢印B方向に引っ張ると、ストッ
パー片35の歯部37が折り返し部25から解除される
ので、折り返し部25を当該矢印B方向へ強制的に移動
させることができる。ケーシング33の中央部には、前
記スイッチ部材36が上下スライド自在に設けられ、こ
のスイッチ部材36の下端は、各ストッパー片35の対
向内側に突設された解除部40に当接している。このた
め、スイッチ部材36を下方に移動させると、解除部4
0が下方に移動してストッパー片35の歯部37が折り
返し部25から解除され、ストッパー片35によるロー
プの移動規制を解除することができる。
【0033】なお、ケーシング33の上面には、ネット
本体3側の前記係合孔19に着脱自在に引っ掛けられる
二股状の連結フック41が揺動自在に設けられている。
図5に示すように、本実施形態のタイヤ滑り止め装置1
は、ネット本体3の幅方向外側縁をタイヤ周方向に締め
付ける締め付け装置43を備えており、本実施形態にお
いては、この締め付け装置43を、前記開口部8の両側
に位置するネット構成片6,6の幅方向外側端同士を互
いに締め付けて当該開口部8の拡大を規制するために使
用している。
【0034】図5(2),図8〜図12(1)(2)で
に示すように、この締め付け装置43は、装置本体44
と、一対(第1・2)のフック体45,46および第3
フック体52とを有している。装置本体44は、硬質プ
ラスチック金属又はこれらの複合材料等によりある程度
の厚みをもった方形の板状片として形成されたもので、
その板面中央部には工具係合部47が設けられており、
またこの工具係合部47の左右両側部には第1・2フッ
ク体45,46を揺動自在に保持するための枢支基部4
8が設けられている。
【0035】工具係合部47は、この形成位置を中心と
して装置本体44を転回させるときに、適宜の転回操作
工具(図示略)を係合させるための部位とするところで
あって、例えば転回操作工具が先端を角棒状としたもの
であれば、工具係合部47もこれに対応する(嵌合可能
な)角孔として形成される。図8に示すように、本実施
形態における工具係合部47は、装置本体44を表裏方
向に貫通する貫通孔よりなり、この貫通孔は操作工具の
先端と同じ断面の角孔部47Aと、この角孔部47Aよ
りも小径の円形に形成された小孔部47Bとを有する段
差付き孔に形成されている。
【0036】このように、本実施形態では、工具係合部
47が装置本体12を表裏方向に貫通する貫通孔よりな
るので、同係合部47内に氷雪が溜まって操作工具を挿
通できなくなるのを未然に防止することができる。ま
た、その貫通孔はが角孔部47Aよりも小径の小孔部4
7Bを有する段差付き孔に形成されているので、装置本
体44の表面側から挿通した操作工具の先端が貫通孔の
段差部(小孔部の周辺)に当たって同本体44の裏面側
から突き出ることがなく、操作工具の先端でタイヤを傷
めることもなくなる。
【0037】なお、装置本体44は、工具係合部47の
挿通側の面44Aを外へ向け、他方の面44Bをタイヤ
へ当接させる向きで使用するようになっている。そこで
以下では、説明の便宜上、工具係合部47の挿通側の面
44Aを「正面」と言い、他方面44Bを「裏面」と言
うものとする。図8〜図12で示すように、本第1実施
形態において枢支基部48は、装置本体44の対角部に
おいて肉厚方向に貫通する貫通孔48Aとこの貫通孔4
8Aの正面44Aで突出した円形部48Bで形成されて
いる。
【0038】そして、装置本体44の正面44Aでは、
この枢支基部48の開口まわりに正面視でJ型の段差部
49が形成されている。この段差部49は、枢支基部4
8(貫通孔48A)の開口縁部のうち一点と接線状に外
接する水平方向に延伸した第1段差部49Aとこの一端
で起立した円弧状のガイド段差部49Bとで構成されて
おり、第1・2フック体45,46を伸張状態から貫通
孔48Aを中心として折り込み状態に切り替えるとき、
第1・2フック体45,46の抜止め部(フック)45
A,46Aがガイド段差部49Bによって案内されつつ
第1段差部49Aに当接すると、抜止め部45A,46
Aを介して折り込み状態を保持するようになっている。
【0039】上記第1・2フック体45,46は、金属
製線材を折り曲げるか又は高強度プラスチックにより形
成されたものであって、その基部に枢軸部45B,46
Bを介して形成した抜止め部45A,46Aを装置本体
44の裏面44B側から枢支基部48の貫通孔48Aに
挿通して揺動自在に係合されている。そして、図8〜1
0で示すように、第1・2フック体45,46の先端部
にはフック部45C,46Cが設けられている。またフ
ック体45,46の根元部には、上記のように装置本体
44の枢支基部48が貫通孔48Aとして形成されてい
ることに伴い、枢軸部45B,46Bを介してフック形
の抜止め部(基端部)45A,46Aが設けられたもの
となっている。
【0040】フック部45C,46Cは、図1,図2お
よび図11(1)(2)で示すように、開口部8におい
て相対するネット構成片6の連結片6Aに形成した係合
孔18に係止されるものであり、そのフック部(フッ
ク)45C,46Cの一方は、図11(1)(2)で示
すように角形に折曲して回動自在としてカシメ止めされ
ており、他方のフック部は対応する係止孔18Aに係脱
自在として係合され、このため、挿脱を容易にすべく先
端は外方に折曲されている(図11参照)。このよう
に、フック部45C,46Cのいずれか一方をネット体
3に回動(揺動)自在に係止しておくことにより、締め
付け装置43自体を紛失することはなく、しかも取扱い
および格納も容易となる。
【0041】いま、第1・2フック体45,46が図1
1(1)(2)で示すように、その一方のフック45C
が係止孔18にカシメ止めされていて装置本体44の左
右両側方へ延び出す伸長状態にあるものとして、他方の
フック46Cを係止孔18Aに挿通係合した状態から装
置本体44を工具係合部47まわりで正面44Aに形成
した矢示記号44Cで示すように180°転回させたと
すると、フック体45,46は、図5(2)および図
8,9で示すように、工具係合部47を挟んだ近接位置
で相互並行する折り込み状態へと切り替えられることに
なり、ネット本体の開口部8を縮小するかたちでネット
本体3をタイヤ2に締め付け装着することになる。
【0042】また、装置本体44をこれと逆向きに18
0°転回させたとすると、第1・2フック体45,46
は、図5(2)で示す折り込み状態から伸長状態(図1
0)へ切り替えられることになる。ここで、装置本体4
4の裏面44Bには、第1・2フック体45,46が伸
長状態から折り込み状態とされるときには乗り越えが容
易でありながら、折り込み状態から伸長状態とされると
きには乗り越えにある程度の力が必要とされたストッパ
50,51が装置本体44の対角部にそれぞれ突設され
ている。
【0043】このストッパ50,51は図9で示すよう
に装置本体44の辺部から突隆(T)されていて折り込
み状態の第1・2フック体45,46が離脱するのに対
抗すべく剛性が上げられているとともに、折り込み時の
ガイド面50A,51Aはそれぞれ傾斜面とされて乗り
越えを容易にしているとともに、裏面44Bに対して近
接して折込まれたときは、係合面50B,51Bとの係
合によって折り込み状態を保持して装置本体44の不測
の反転が防止され、さらに、ストッパ50,51の突出
端50C,51Cが面部に形成されていてタイヤ2との
接触圧をおさえ、該タイヤ2の損傷を防止している。
【0044】更に、第1・2フック体45,46は、図
9等で示すように「く」字状に折曲されており、このよ
うな折曲構造にしておくと、図8で示すように両フック
体45,46を折り込み状態としたとき(ネット本体を
締め付けたとき)、これら両フック体45,46におけ
る枢軸部45B,46Bの各中心間を結ぶ仮想線Tに対
して、各フック部45C,46Cはこの仮想線Tを超え
て折り込まれるような位置関係となる。そのため、両フ
ック体45,46のフック部45C,46Cに対し、滑
止め本体6の被連結部6Aを介して相反する引張力Pが
作用するときでも、これらの引張力Pが、第1・2フッ
ク体45,46を伸長状態へ戻すように作用することは
なく、むしろ、フック体45,46に対して、それらの
折り込み度を強めるように作用することになって、この
ため、両フック体45,46のフック部45C,46C
に対し、滑止め本体3の被連結部6Aを介して相反する
引張力Pが作用するときでも、これらの引張力Pが、フ
ック体45,46を装置本体44から更に剥がすように
作用することはなく、装置本体44の反転が防止でき
て、ネット体3の締め付け状態をタイヤ2が走行中であ
っても確実に維持する。
【0045】また、第1・2体45,46の中途折曲部
45D,46Dがストッパ50,51によって折込み状
態を確実に維持する(図9参照)。更に、装置本体44
には、この他、フック形体をした第3フック体52が装
置本体44の左右中央部でかつ上・下のいずれかに偏っ
て位置に設けられている。この第3フック52は、滑止
め本体3の幅方向外側に取り付けられた掛止フック15
と同じように、タイヤへの装着時に外側緊締索5によっ
て巻き締められるようになっており、走行中における締
め付け装置43の跳ね上がりを防止できるものである。
【0046】この第3フック体52は、装置本体44に
対して植え込み状(部分的インサート)の構造で固定し
てもよいが図12(1)(2)で示すように、その先端
のフック52Aがタイヤ周方向に揺動自在であるととも
にタイヤ内外方向に対しても揺動自在としてその基部5
2Bが装置本体44に形成した取付孔52Cに挿支係合
されている。図12(1)で示す周方向揺動範囲Xは7
0°〜100°とされており、このため揺動規制部52
Dが略三角二辺として形成されてあり、基部52Bは取
付孔52Cに枢着した状態で装置本体44の裏面44B
から突出しないように設定され、ここに、装置本体44
が転回されるとき、第1・2フック体45,46と第3
フック体52とが干渉しないものとされている。
【0047】一方、内外方向揺動範囲Yは10°〜30
°とされており、このように第3フック体52のフック
52Aが周方向および内外方向に揺動することによっ
て、該フック52Aに掛止される外側緊締索5は、掛止
フック15と同一平面上に位置することとなり、装着状
態(図5(2)参照)において外側緊締索5の張力によ
って装置本体44の過度の傾きを防止して外側緊締索5
の外れを確実に防止し、しかも、装置本体44は第1〜
3フック体45,46,52の係合によってバランス良
く装着状態(図5(2)参照)を維持し、ここに、タイ
ヤ2の走行中(回転中)においてのネット本体3の弛
み、遠心力によるふくれ等が確実に阻止され、ネット本
体3による滑り止め機能を充分に発揮するとともに、ネ
ット体3の耐久性も向上するのである。
【0048】第3フック体52のフック52Aは、図5
(2)で示すように装着状態において求心線(タイヤ放
射線)に対して10〜35°を有するように折曲(Z)
され、図5(2)で示すように、締め付け装置43を装
着したとき(ネット本体を締め上げたとき)、装置本体
44がやや傾斜してもフック52Aからの外側緊締索5
の外れを防止しており、このため、取付孔52Cの端面
(裏面44B側)は楕円形に形成されている。更に、フ
ック52Aには、図12(2)で示すようにゴム等の弾
性ロープ30と非伸長性のロープ(テープ)29とが掛
止めされるものであることから、掛止幅は両者29,3
0を並列したときこれらが重ならないように8から12
mm程度とされ、フック52Aの先端は8〜14mm程
度でかつ最先端は内向に折曲され、両者29,30の外
れを防止している。
【0049】このようにすると、フック52Aに対する
両者29,30の掛止が困難になるのを、フック52A
を求心線に対して折曲Zすることによって、掛止困難性
を防止しているのである。更に、図10(1)(2)で
示すように、ストッパ50,51には第1・2フック体
45,46を近接状態で折り込んだとき、該第1・2フ
ック体45,46が外れ難くなるように、台座突起53
と収まり凹部54が形成されている。図では一方のスト
ッパ51に台座突起53および収まり凹部54を形成し
ているが、両ストッパ50,51に形成することは自由
である。
【0050】また、第3フック体52の基部52Bの先
端には、取付孔52Cからの抜止めのためのリベット頭
52E形成されている(図12(2)参照)。一方、図
13に示すように、本実施形態のタイヤ滑り止め装置1
は、索状体の両端接続をワンタッチで簡単に行える接続
バックル71を備えており、本実施形態においては、こ
の接続バックル71を前記内側緊締索4の両端を接続す
るために使用している。図14及び図15に示すよう
に、この接続バックル71は、前記内側緊締索4の一端
に連結された雄部材72と、同緊締索4の他端に連結さ
れかつ雄部材72を着脱自在に挿通することのできる雌
部材73と、を備えている。
【0051】このうち、雄部材72は、ほぼ方形に形成
された取付体74と、この取付体74の先端面に突設さ
れた挿入ピン75とを備えている。この挿入ピン75
は、円柱状に形成された先端部76と、断面正方形状に
形成された根元部77とから段付き棒状に形成されてお
り、その先端部76に係合周溝78を備えている。他
方、雌部材73は、上記挿入ピン75が挿通される挿通
孔79を有する取付体80と、この取付体80内に揺動
自在に枢着された操作部材81と、を備えている。挿通
孔79の開口側は、前記挿入ピン75の根元部77が丁
度嵌まり込む断面正方形状に形成されており、挿通孔7
9の奥側は、下方に拡大されて操作部材81の収納スペ
ースとされている。
【0052】操作部材81は、挿入孔79に挿入された
挿入ピン75に係合して同ピン75を抜け止めする抜け
止め部82を上端部に備え、この抜け止め部82を挿入
ピン75から離脱させるリリース部83を下端部に備え
ている。すなわち、この操作部材81は、抜け止め部8
2が取付体80の内部に位置しかつリリース部83が取
付体80の外部に露出するように同取付体80に挿通さ
れており、中央部を貫通する支点ピン84により挿入ピ
ン75の挿通方向に対して傾斜した状態で上下揺動自在
に雌部材73の取付体80に枢着されている。また、支
点ピン84には、当該操作部材81の抜け止め部82を
挿入ピン75側へ付勢するばね部材85が巻き付けられ
ている。
【0053】また、本実施形態では、雄部材72の挿入
ピン75と雌部材73の挿入孔79は、それらの中心線
が内側緊締索4の延長線とほぼ一致するように各取付体
74,80に対してそれぞれ配置されている。前記雄部
材72及び雌部材73の各取付体74,80には、内側
緊締索4の各端部が挿通されるU字孔86が形成され、
このU字孔86に挿通された内側緊締索4の挿通端を締
め金具87で縛り付けることにより、雄部材72及び雌
部材73が内側緊締索4の一端及び他端にそれぞれ連結
されている。また、各取付体74,80は、ネット構成
片6の帯状部14に前記内連結具16を介して固定され
ている。
【0054】本実施形態の接続バックル71によれば、
図14に示す離脱状態から、雄部材72の挿入ピン75
を雌部材73の挿入孔79に挿入して行くと、操作部材
81の抜け止め部82がいったん下方揺動して挿入ピン
75の係合周溝78に嵌合し、この係合によって挿入ピ
ン75が挿入孔79から抜け止めされて両部材72,7
3が瞬時に接続される。このため、雄部材72を雌部材
73に強制的に挿通させるだけで、内側緊締索4の両端
接続とネット本体3の帯状部14同士の接続をワンタッ
チで行うことができる。
【0055】また、挿入ピン75の根元部77が挿入孔
79の開口側に嵌合することによって、雄部材72が雌
部材73に対して相対回動が規制された状態で接続され
るので、接続後における内側緊締索4の捩じれが有効に
防止される。更に、雄部材72の挿入ピン75と雌部材
73の挿入孔79の中心線が内側緊締索4の延長線とほ
ぼ一致しているので、内側緊締索4に作用する張力によ
り雄部材72と雌部材73の接続部分に分離方向のモー
メントが発生することがなく、内側緊締索4に発生した
過大な張力によって当該接続バックル71が不意に外れ
るのが防止される。
【0056】なお、雄部材72を雌部材73から離脱す
るには、操作部材81のリリース部83を押し上げて両
者を強制的に引き離せばよい。上記接続バックル71に
おいて、挿通ピン75の根元部77及び挿入孔79の開
口側の断面形状は、正方形以外の形状を採用することも
できる。次に、上記タイヤ滑り止め装置1のタイヤ2に
対する装着方法について説明する。まず、タイヤ滑り止
め装置1をタイヤ2の裏側に通し、タイヤ2の接地部分
にネット本体3中央の前記開口部8が対応するようにし
て、地面上に車両前後方向に渡るように滑り止め装置1
を敷き、内側緊締索4の両端を持ち上げながら、その一
端の雄部材72に他端の雌部材73を接続する。
【0057】このとき、開口部8に隣接するネット構成
片6は、その開口部8側の2つの内連結部12bを介し
て内側緊締索4に対して長手方向に連結されているた
め、これらのネット構成片6を撓ませて開口部8を押し
拡げることで、タイヤ接地部分を避けながら容易に内側
緊締索4を輪状に連結できるとともに、タイヤ2に対し
て偏心することなく適正な位置に滑り止め装置1を装着
することができる。そして、上記のように接続バックル
71によって内側緊締索4を連結したのち、ネット本体
3の幅方向他端縁をタイヤ2の外側に引っ張り出して同
本体3をタイヤ2の外周に沿わせ、外側緊締索5のバッ
クル装置27の連結フック41をネット構成片6の係合
孔19にそれぞれ引っ掛けるようにする。
【0058】その後、図10、図11(1)(2)に示
す前記した要領により、開口部8の両側に位置するネッ
ト構成片6,6の外側端部同士を締め付け装置43によ
って連結して締め付け、図5に示すように、外側緊締索
5のケーシング33の両側から延設されている非伸長ロ
ープ29及び弾性ロープ30を、ネット本体3の各掛止
フック15に上から順に引っ掛けるとともに、第3フッ
ク体52のフック52Aに引っ掛けることにより、タイ
ヤ2への装着が完了する。なお、非伸長ロープ29及び
弾性ロープ30を引っ掛ける前に、締め付け装置43に
よる開口部8の引き締めを行うこともできる。
【0059】この場合、図13に示すように、タイヤ滑
り止め装置1を装着した後のタイヤ内側では、内側緊締
索4が、各ネット構成片6の3箇所の内連結部12で屈
曲する円形に近い多角形状を描くように配置され、各ネ
ット構成片6の幅方向内側縁をタイヤ中心方向へ引っ張
っている。一方、タイヤ滑り止め装置1を装着した後の
タイヤ外側では、図5に示すように、外側緊締索5の中
途部が各掛止フック15および第3フック体52に掛止
されているとともに、開口部8の両側のネット構成片
6,6が締め付け装置43における装置本体44の転回
による第1・2フック体45,46の折り込みによって
締め付けられているので、弾性ロープ30の弾性力によ
り、各ネット構成片6の外側縁がタイヤ中心方向に引っ
張られるとともに、開口部8の両側に位置するネット構
成片6同士が互いに引き寄せられる方向に常に引っ張ら
れることになる。
【0060】また、図5に示すように、開口部8の途中
で締め付け装置43の第3フック52に外側緊締索5を
掛止することにより、外側緊締索5によって締め付け装
置43がタイヤ中心方向に引っ張られるので、締め付け
装置43がネット本体から外れにくくなるとともに、当
該開口部8を広く取っても外側緊締索5を掛止する間隔
がいびつになるのを防止することができる。本発明は、
上記実施形態に限定されるものではなく、冒頭の特許請
求の範囲の意味に含まれる限度で種々の変更が可能であ
る。
【0061】例えば、上記実施形態では、ネット本体3
が6枚のネット構成片6で構成された分割タイプのもの
を例示したが、接続バックル71及び締め付け装置43
は帯状に一体に形成されたネット本体を有するタイヤ滑
り止め装置1にも採用することができる。また、接続バ
ックル71は、内側緊締索4の接続だけでなく、ネット
本体3の幅方向外側に沿って設けられる外側緊締索の両
端接続にも使用できるし、締め付け装置43は、上記の
ようにネット本体3の幅方向外側縁をタイヤ周方向に締
め付けるだけでなく、例えば実登2549893号公報
に示すようにネット本体3をタイヤ中心方向に締め付け
るために使用することもできる。
【0062】更に、ネット構成片6としては、前記した
ようなネット模様のもの以外に、内部に複数のラダー状
部を備えたものや、ネット状部とラダー状部とを組み合
わせたものを採用することができる。また、ネット構成
片6として、芯材にゴム等の弾性材料を被覆したものに
限らず、弾性材料内にレーヨン,ポリアミド系繊維,ポ
リエステル系繊維,ポリオレフィン系繊維,ポリウレタ
ン系繊維,綿,羊毛,ガラス繊維,カーボン繊維,ロッ
クウール,アスベスト等の有機、無機の各種短繊維を混
入したものとしてもよく、また、樹脂材料にて成形した
ものを採用してもよい。
【0063】前記内連結部12や外連結部13の数も上
記に限らず変更可能で、また、内側緊締索4としては一
本の長尺のものを使用するに限らず、各ネット構成片6
に対応する短尺のものを長手方向に連結したものとして
もよい。また、開口部8の帯状部14における被連結部
6Aは左右方向外方に延伸して手で引っ張って引込むこ
とを容易としているが、延伸させなくともよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ネット本体(滑り止め具)を構成する構成要素を連結具
で連結(接続)したとき、連結孔の破断(帯状体の破
断)を確実に防止できて、タイヤ走行中における滑り止
め機能は確実で、車体の損傷等を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】展開状態にある本発明のタイヤ滑り止め装置の
左半分を示す平面図である。
【図2】展開状態にある本発明のタイヤ滑り止め装置の
右半分を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の主要部を示し、(1)
は平面(表面)図、(2)は底面(裏面)図、(3)は
断面図、(4)はカシメ前の連結具である。
【図4】本発明の第2実施形態の主要部を示し、(1)
は平面(表面)図、(2)は底面(裏面)図である。
【図5】(1)はタイヤ滑り止め装置が装着されたタイ
ヤの外側の全体側面図であり、(2)は要部拡大図であ
る。
【図6】外側緊締索の全体構造図である。
【図7】外側緊締索のバックル装置の拡大断面図であ
る。
【図8】折り込んだ状態にある締め付け装置の正面図で
ある。
【図9】折り込んだ状態にある締め付け装置の背面図で
ある。
【図10】(1)は開いた状態にある締め付け装置の背
面図、(2)は要部の拡大図である。
【図11】締め付け装置の操作手順を示し、(1)は説
明正面図、(2)は説明底面図である。
【図12】第3フック体の部分を示し、(1)は正面
図、(2)は側面図である。
【図13】タイヤ滑り止め装置が装着されたタイヤの内
側の全体側面図と要部拡大図である。
【図14】接続前における接続バックルを拡大した側面
断面図である。
【図15】接続後における接続バックルを拡大した側面
断面図である。
【図16】従来例を示し、(1)は断面図、(2)はカ
シメ前の連結具である。。
【符号の説明】
1 タイヤ滑り止め装置(タイヤ滑り止め具) 2 タイヤ 3 ネット本体 4 内側緊締索(索状体) 5 外側緊締索 6 構成要素 7 連結具 7A フック部 7B 連結部 14 帯状部 14B 連結孔 15 掛止フック(外連結具) 18 引っ掛け孔(引っ掛け部) 43 締め付け装置 44 装置本体 45 第1フック体 46 第2フック体 47 工具係合部 52 第3フック体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ(2)の左右ショルダーを含むト
    レッドを被覆した状態でタイヤ周方向に分散(分割)し
    て配列される滑り止め要素(6)と、タイヤ周方向で隣
    接する滑り止め要素(6)の対向する帯状部(14)を
    互いに連結する連結具(7)を備えているタイヤ滑り止
    め具(3)であって、 前記連結具(7)は、帯状部(14)にこの厚み方向に
    形成した連結孔(14B)に挿入されて係止するフック
    部(7A)を両端部に備え、このフック部(7A)で帯
    状部(14)を抱き込んで両フック部(7A)を連結す
    る連結部(7B)を備えていることを特徴とするタイヤ
    滑り止め具。
  2. 【請求項2】 両フック部(7A)は帯状部(14)を
    抱き込んでカシメ止めされていることを特徴とする請求
    項1に記載のタイヤ滑り止め具。
  3. 【請求項3】 両フック部(7A)は連結孔(14B)
    に対して表側から挿入されて帯状部(14)を抱き込ん
    でカシメ止めされているとともに両フック部(7A)を
    連結する連結部(7B)は帯状部(14)の裏側に位置
    されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ滑
    り止め具。
  4. 【請求項4】 両フック部(7A)は連結孔(14B)
    への挿入部を基点として左右方向外方にはすかい(斜
    交)して配置されて帯状部(14)を抱き込んでおり、
    両フック部(7A)を連結する連結部(7B)はタイヤ
    周方向と平行に延伸されていることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のタイヤ滑り止め具。
  5. 【請求項5】 滑り止め要素(6)の端部の帯状部(1
    4)に形成した連結孔(14B)に挿入されて該帯状部
    (14)を抱き込んでカシメ止めするフック部(7A)
    を両端に備え、この両フック部(7A)を互いに連結す
    る連結部(7B)を備えていることを特徴とするタイヤ
    滑り止め具(3)に用いる連結具。
  6. 【請求項6】 両フック部(7A)はこれをカシメ止め
    する前の形態が帯状部(14)を抱き込むように開放さ
    れていて連結孔(14B)への挿入部(7D)が両フッ
    ク部(7A)の自由端に鈎状に形成されていることを特
    徴とする請求項5に記載の連結具。
  7. 【請求項7】 両フック部(7A)と連結部(7B)は
    金属丸棒材で作成されていることを特徴とする請求項5
    又は6に記載の連結具。
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