JP2001194591A - 深紫外光を光源とする顕微鏡 - Google Patents

深紫外光を光源とする顕微鏡

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JP2001194591A JP2000000818A JP2000000818A JP2001194591A JP 2001194591 A JP2001194591 A JP 2001194591A JP 2000000818 A JP2000000818 A JP 2000000818A JP 2000000818 A JP2000000818 A JP 2000000818A JP 2001194591 A JP2001194591 A JP 2001194591A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】深紫外を光源とした顕微鏡において、深紫外光
による試料の損傷を制限する。 【解決手段】観察対象に深紫外光を照射して観察データ
を取得する顕微鏡において、該観察対象の所定の位置に
設けられたパターンの線幅を測定し、該パターンの線幅
が所定の制限値に達した場合に、該観察対象への深紫外
光の照射を停止する制御部を有することを特徴とする。
本発明によれば、観察対象の所定の位置に設けられたパ
ターンの線幅が所定の制限値に達した場合に、観察対象
への深紫外光の照射を停止するので、観察対象が制限値
以上に損傷を受けることを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深紫外光を光源と
する顕微鏡に関し、特に、深紫外光が試料に与える損傷
を制限できる顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡により試料の微細構造を観察する
場合、その解像力δは、 δ=λ/2NA …… (1) で表わされる。ここに、λは顕微鏡の照明光の波長であ
り、NAは対物レンズの開口数である。(1)式に示される
ように、顕微鏡の解像力δを上げるには、照明光の波長
λを短くするか、対物レンズの開口数NAを大きくすれば
よい。
【0003】観察対象が細胞等の生体試料の場合は、照
明光の波長λを紫外域以下にまで短くすると、光化学反
応等により生体試料そのものが損傷してしまう。このた
め、照明光の波長λを短くすることはあまり得策ではな
く、一般に、対物レンズの開口数NAを大きくして解像力
δを上げることが行われる。
【0004】一方、観察対象が材料等の無機物で、大幅
な解像力δの向上を図る必要がある場合は、対物レンズ
の開口数NAを大きくするとともに照明光の波長λを短く
することが行われる。
【0005】例えば、半導体ウエハ等を観察する分野で
は、集積回路に代表される微細構造のスケールは縮小の
一途をたどっており、半導体プロセスにおいてライン&
スペースと呼称される微細構造の繰り返し周期構造は、
0.25μm を下回るような領域に突入している。
【0006】このような微細構造を観察するために、近
年、波長λが300nm 以下の深紫外光を照明光とした顕微
鏡が使用され、例えば、光源としてNd-YAGレーザの4倍
高調波であるλ=266nm の深紫外光を連続発振させるレ
ーザを使用し、かつNA=0.9程度の高開口数の対物レン
ズを使用して、0.10μm 程度の解像力δを得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、照明光の
波長λを深紫外化することにより解像力δは大幅に向上
するが、同時に深紫外光による試料の損傷という問題も
無視することができなくなる。すなわち、材料等の無機
物は、生体試料に比べて深紫外光による損傷が少ない
が、例えば、観察対象が半導体ウエハ上のレジストパタ
ーンであり、かつレジストの露光波長と顕微鏡の照明光
の波長が接近している場合は、観察に費やされた照明光
の光量が大きいと、観察期間中のレジストパターンの損
傷を無視することができない。
【0008】特に、共焦点型レーザ走査顕微鏡の場合に
は、微小面積にレーザ光が収束されるために、試料に照
射される単位面積当たりのエネルギーが大きくなり、試
料が受ける損傷の度合いが大きくなる。
【0009】そこで、本発明の目的は、深紫外を光源と
した顕微鏡において、深紫外光による試料の損傷を制限
することができる顕微鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一つの側面は、観察対象に深紫外光を照
射して観察データを取得する顕微鏡において、該観察対
象の所定の位置に設けられたパターンの線幅を測定し、
該パターンの線幅が所定の制限値に達した場合に、該観
察対象への深紫外光の照射を停止する制御部を有するこ
とを特徴とする。
【0011】本発明によれば、観察対象の所定の位置に
設けられたパターンの線幅が所定の制限値に達した場合
に、観察対象への深紫外光の照射を停止するので、観察
対象が制限値以上に損傷を受けることを防止することが
できる。
【0012】また、上記の発明の好ましい態様として、
前記制御部は、前記パターンの線幅が所定の制限値に達
した場合に、前記観察データと前記パターンの線幅デー
タとを表示し、オペレータに観察を継続するか否かを問
い合わせることを特徴とする。
【0013】本発明によれば、パターンの線幅が所定の
制限値に達した場合に、オペレータに観察を継続するか
否かを問い合わせるので、観察中に誤って損傷が進行し
てしまうことを防止することができる。
【0014】また、上記の発明の好ましい態様として、
前記制御部は、取得したデータを送信可能な外部装置に
接続されており、前記パターンの線幅が所定の制限値に
達した場合に、前記観察データと前記パターンの線幅デ
ータとを該外部装置に送信することを特徴とする。
【0015】本発明によれば、測定が完了していない試
料に関する情報を、次の工程で活用することができるの
で、検査工程の信頼性を向上させることができる。
【0016】更に、上記の目的を達成するために、本発
明の別の側面は、観察対象に深紫外光を照射して観察デ
ータを取得する顕微鏡において、該観察対象に深紫外光
を照射することにより発生する損傷の進行速度を、該観
察対象の所定の位置に設けられたパターンの線幅を測定
することによって求め、該損傷の進行速度が所定の進行
速度になるように、該観察対象に照射する深紫外光の強
度を調整する制御部を有することを特徴とする。
【0017】本発明によれば、試料の損傷の進行速度を
モニタしながら、照明光の光量を調整するので、観察範
囲内に複数の測定個所があり、その測定にかなりの時間
を必要とする場合に、損傷制限値を越さずにすべての測
定個所を測定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】図1は、本発明の実施の形態による共焦点
型レーザ走査顕微鏡の構成図である。共焦点型レーザ走
査顕微鏡は、共焦点の位置に微小開口を置くことによ
り、凹凸のある試料のピントの合った面の画像だけを抜
き出し、いわゆる光学的断層像を形成することができ
る。
【0020】図1の共焦点型レーザ走査顕微鏡におい
て、深紫外レーザ101 から出射されたレーザ光102 は、
シャッタ103 を通過し、減光フィルタ切換ユニット104
内の減光フィルタにて適正な光量に調整される。そし
て、ミラー121 、122 で反射され、ビームエキスパンダ
105 にてビーム径が拡大されて、対物レンズ110 の瞳径
を満たすビーム径の光束106 になる。
【0021】光束106 は、ビームスプリッタ107 を透過
した後、可動ミラー123 、124 を有する2次元スキャナ
ユニット108 にて互いに直角な方向に二次元的に走査さ
れる。そして、ミラー125 で反射され、リレーレンズ10
9 を経て対物レンズ110 で集光されて、試料111 上に微
小スポット光112 として結像される。
【0022】微小スポット光112は、試料111 上を2次
元的に走査され、試料111の表面で反射する。反射光
は、対物レンズ110 、リレーレンズ109 、ミラー125 、
2次元スキャナユニット108 を通過し、ビームスプリッ
タ107で反射されて静止光ビーム113 となる。
【0023】静止光ビーム113 は、集光レンズ114 によ
って集光され、ピンホール115 を通り抜けた光のみが検
出器116 にて光電変換される。検出器116 の出力信号
は、画像処理装置117 にて画像信号に変換され、試料11
1 の画像が画像ディスプレイ118 に映し出される。
【0024】共焦点型レーザ走査顕微鏡は、ピンホール
115 によってピントはずれの光がほとんど排除されるの
で、試料111 に凹凸がある場合は、試料111 の所定の高
さにピントの合った、いわゆる光学的断層像を鮮明に観
察することができる。
【0025】制御部119 は、画像処理装置117の制御を
行うと共に、深紫外光による試料111の損傷を制限する
ために、試料111 の損傷が所定の制限値に達した場合
に、シャッタ103 を閉じて深紫外光の照射を停止し、試
料111 が制限値以上に損傷されることを防止する。
【0026】また、減光フィルタ切換ユニット104 によ
り深紫外光の光量を制御し、試料111 の損傷の進行速度
を調整する。これにより、測定個所が多く測定に時間が
かかる場合であっても、損傷が制限値に達する前にすべ
ての測定個所の測定が完了できる測定時間を確保するこ
とができる。なお、共焦点型レーザ走査顕微鏡は、高画
質を保証するために除振台120 の上に置かれる。
【0027】図2は、本発明の実施の形態における一括
照明型顕微鏡の構成図である。一括照明型顕微鏡は、試
料全体に均一な深紫外光を照射するので、スポット光を
照射する共焦点型レーザ走査顕微鏡に比べ、深紫外光に
よる試料の損傷を少なくすることができる。なお、一括
照明型顕微鏡は、ケーラー照明型顕微鏡とも呼ばれる。
【0028】図2の一括照明型顕微鏡において、深紫外
レーザ201 から出射されたレーザ光202 は、シャッタ20
3 を通過し、減光フィルタ切換ユニット204 内の減光フ
ィルタにて適正な光量に調整される。そして、ミラー21
9 、220 で反射され、ビームエキスパンダ205 にてビー
ム径が拡大され、対物レンズ209 の瞳径を満たすビーム
径の光束206 となる。
【0029】光束206 は、リレーレンズ207 を通過後、
ビームスプリッタ208 にて反射され、対物レンズ209 に
より均一な照明光211 (実線)となって、試料210 上に
照射される。試料210 からの反射光212 (破線)は、対
物レンズ209及びビームスプリッタ208 を透過し、第2
対物レンズ213 によってCCD(Charge Coupled Device)
カメラ214 上に結像される。CCD カメラ214 上の像
は、光電変換された後、画像処理装置215 にて画像信号
に変換され、画像ディスプレイ216 に映し出される。
【0030】制御部217 は、共焦点型レーザ走査顕微鏡
の場合と同様に、試料210の損傷が所定の制限値に達し
た場合に、シャッタ203 を閉じて試料210へ照射される
深紫外光を遮断し、試料が制限値以上に損傷されること
を防止する。また、減光フィルタ切換ユニット204 によ
り深紫外光の光量を制御し、損傷が制限値に達するまで
の時間を調整する。一括照明型顕微鏡も、高画質を保証
するために除振台218の上に置かれる。
【0031】次に、本発明の実施の形態における第1の
測定フローチャートを図3に従って説明する。本実施の
形態の顕微鏡で試料を観察するには、まず、試料の特定
の観察範囲を画像ディスプレイに表示する(ステップS
1)。
【0032】図4は、顕微鏡で観察する試料および観察
範囲の説明図である。ここでは、試料として半導体ウエ
ハ301上のレジストパターンを観察する場合を示す。半
導体ウエハ301には回路パターンに対応するレジストパ
ターンが形成されるが、図4では説明のために、3種類
の線幅を有するレジストパターン(黒線)を示す。
【0033】半導体ウエハ301には、生産工程において
レジストパターンが所定の線幅に形成されているかを検
査するため、通常、複数の測定個所305,306,307,308,30
9が設定される。また、照明光によるレジストパターン
の損傷をモニタするため、少なくとも一カ所、損傷モニ
タ個所303が設けられる。
【0034】従って、顕微鏡では、測定個所305,306,30
7,308,309及び損傷モニタ個所303を含む範囲を観察範囲
302とし、この観察範囲302を画像ディスプレイに表示し
てレジストパターンの幅を測定する。なお、測定個所が
観察範囲302以外の場所に設定されている場合は、顕微
鏡の観察範囲302をその測定個所に移動して観察を行
う。
【0035】このように観察範囲302には複数の測定個
所があるが、それぞれの測定個所は、ナノメータ単位の
超微細のパターン等である為に、微小な凹凸があっても
対物レンズに対する焦点距離が異なってしまうことが多
い。このため、測定する特定の測定個所毎に焦点を合わ
せ(ステップS2)、その測定個所のレジストパターン
の幅を測定する(ステップS3)。
【0036】ここで、観察範囲302内 のレジストパター
ンの幅 を測定する方法の一例を示す。図5は、図4に
示した観察範囲302内 の1本の水平走査線304 に沿った
画像信号強度のグラフである。
【0037】即ち、縦軸は、画像信号強度をパーセント
表示しており、例えば、画像信号強度を8ビットの256
階調にデジタル変換した場合は、画像信号強度0を0
%、画像信号強度255を100%とする。また、横軸
は、画像の水平走査線304に沿った座標、即ちサンプリ
ング画素位置である。
【0038】図5において、画像信号強度が低い部分
(約5%)が、レジストパターンの幅に対応する。従っ
て、画像信号強度に所定のしきい値402 (図5では50
%)を設定し、画像信号強度のグラフ401 との交点403,
404 を求めれば、その交点に対応する横軸の位置405,40
6 を読むことができる。この横軸の位置405,406の間隔4
07 がレジストパターンの幅303 に相当する。
【0039】このようにレジストパターンにフォーカス
合せ動作等(測定前の準備動作)を行い、その幅を測定
する場合、共焦点型レーザ走査顕微鏡では、観察範囲30
2を深紫外レーザのスポット光で走査し、一括照明型顕
微鏡では、観察範囲302全体に一様な深紫外レーザ光を
照射する。従って、観察範囲302内のレジストパターン
は、フォーカス合せ動作及び測定動作において、観察時
間の経過とともに深紫外レーザ光により損傷を受け、そ
の幅が減少する。
【0040】そこで、測定個所のレジストパターンの幅
を測定するごとに、損傷モニタ個所303のレジストパタ
ーンにフォーカスを合わせてその幅を測定し(ステップ
S4)、損傷モニタ個所303のレジストパターンの幅が予
め設定された制限値に達したか否かを判断する(ステッ
プS5)。
【0041】この場合、損傷モニタ個所303のレジスト
パターンの幅が制限値に達していない場合(No)は、す
べての測定個所を測定したか否かを判断し(ステップS
6)、すべての測定個所を測定していない場合(No)
は、ステップS2に移行して新たな測定個所に焦点を合
わせ、その観察範囲302における測定を継続する(ステ
ップS3-S6)。
【0042】一方、ステップS6でその観察範囲302のす
べての測定個所を測定したと判断した場合(Yes)は、
半導体ウエハ301に設けられたすべての観察範囲を観察
したか否かを判断する(ステップS7)。この場合に、
すべての観察範囲を観察していない場合(No)は、ステ
ップS1に移行して新たな観察範囲の観察を開始するが
(ステップS2-S6)、すべての観察範囲を観察している
場合(Yes)は、照明光を遮断し(ステップS8)、観察
を終了する。
【0043】一方、ステップS5において、損傷モニタ個
所303のレジストパターンの幅が損傷制限値に達してい
ると判断した場合(Yes)は、測定が終了したレジスト
パターンの幅のデータと、損傷モニタ個所303の損傷度
合を表示し(ステップS9)、オペレータに測定を継続
するか否かの判断を求める(ステップS10)。
【0044】この場合、オペレータが測定を継続すると
決定した場合(Yes)は、ステップS6に移行し、その観
察範囲302での測定を継続するが、測定を継続しないと
決定した場合(No)は、測定が終了したレジストパター
ンの幅のデータと損傷度合を示すデータを次の検査工程
等に伝達し(ステップS11)、ステップS7に移行して他
の観察範囲に移行する。なお、すべての測定個所の測定
が完了していない半導体ウエハ301の処理は、次の検査
工程のオペレータの判断に委ねられる。
【0045】このように本実施の形態の顕微鏡では、観
察範囲のレジストパターンの幅を測定するたびに、損傷
モニタ個所303のレジストパターンの幅を測定する。そ
して、損傷モニタ個所303のレジストパターンの幅が、
あらかじめ制御部内に記憶された制限値、例えば、損傷
前の値の90%に達したときに、試料への深紫外レーザ
光の照射を停止する。
【0046】従って、試料の観察中に損傷が進み、本来
良品であるべき試料を不良品にしてしまうことを防止す
ることができる。また、測定が完了していない試料に関
する情報が次の工程に伝達されるので、検査工程の信頼
性を向上させることができる。
【0047】この場合、深紫外レーザ光を遮断する直前
の画像は記憶されており、深紫外レーザ光を遮断した後
は、記憶した画像を繰り返し表示する。このため試料の
観察に支障をきたすことはない。
【0048】なお、上記の実施の形態例では、観察範囲
302内の損傷モニタ個所303を1ケ所としたが、損傷モニ
タ個所を複数とし、その測定値の平均をとることにより
測定精度を向上させてもよい。また、測定個所を1回測
定するたびに損傷モニタ個所303の線幅を測定したが、
所定の測定時間、例えば10秒ごとに損傷モニタ個所303
の線幅を測定してもよい。
【0049】次に、本発明の実施の形態の第2の測定フ
ローチャートを図6に従って説明する。本実施の形態で
は、試料の損傷の進行速度をモニタしながら、照明光の
光量を調整する。本実施の形態によれば、観察範囲内に
複数の測定個所があり、その測定にかなりの時間を必要
とする場合に、損傷制限値を越さずにすべての測定個所
を測定することができる。
【0050】本実施の形態では、測定に先立ち、観察範
囲内の複数の測定個所を測定するのに要する測定時間
と、予め設定した損傷制限値とから仮想損傷速度を求め
る(ステップS21)。
【0051】図7により仮想損傷速度について説明す
る。ここでは、第1の測定方法の場合と同様に、図4に
示した観察範囲302内 の5個所の測定個所305,306,307,
308,309を測定する場合について説明する。この場合、
観察範囲302におけるすべての測定を完了するのに、例
えば1分程度の測定時間が必要であり、また、試料の損
傷が測定前の30%まで許容されると仮定する。
【0052】図7の縦軸は、損傷前の値に対する百分率
で表した試料の損傷度合であり、横軸は測定時間であ
る。図7において、5個所の測定個所を測定するのに必
要な測定時間503(例えば1分)と損傷制限値30%か
ら点509を求め、点509と原点を結ぶ。この点509と原点
を結ぶ直線(図7では点線で示す。)が、仮想損傷直線
501である。また、仮想損傷直線501の傾きが仮想損傷速
度である。
【0053】次に、第1の測定方法の場合と同様に、観
察範囲302を画像ディスプレイに表示し(ステップS2
2)、測定個所に焦点を合わせる(ステップS23)。ま
た、測定個所の幅を測定し(ステップS24)、損傷モニ
タ個所303にフォーカスを合わせてその幅を測定する
(ステップS25)。
【0054】次に、本実施の形態では、1個所の測定個
所の測定にかかった時間と損傷モニタ個所303の幅か
ら、実際に損傷が進行する速度である実測損傷速度を計
算し(ステップS26)、実測損傷速度と仮想損傷速度を
比較する(ステップS27)。
【0055】この場合、実測損傷速度が仮想損傷速度に
ほぼ等しい場合(Yes)は、照明光の強度は適切であ
り、試料の損傷が制限値に達する前に、すべての測定個
所の測定が完了すると考えられる。従って、第1の測定
方法の場合と同様に、すべての測定個所の幅を測定した
か否かを判断し(ステップS29)、更に、すべての観察
範囲を観察したか否かを判断して(ステップS30)測定
を継続する。また、すべての観察範囲の観察を終了した
場合は、照明光を遮断する(ステップS31)。
【0056】一方、ステップS27で実測損傷速度が仮想
損傷速度と等しくないと判断された場合(No)は、減光
フィルタにより照明光の強度を調整する(ステップS2
8)。即ち、実測損傷速度が仮想損傷速度より大きい場
合は、照明光の強度が強すぎる場合であり、試料の損傷
が損傷制限値に達するまでに、すべての測定個所の幅を
測定することができない。従って、この場合は照明光の
強度を低下させる。
【0057】一方、実測損傷速度が仮想損傷速度より小
さい場合は、照明光の強度が弱すぎる場合であり、画像
信号強度のSN比が低下し、必要とする測定精度を確保
することができない。従って、この場合は照明光の強度
を強める。
【0058】この場合の試料における損傷度合の変化を
図7により説明する。1回目の測定終了時刻505におけ
る損傷モニタ個所303の損傷度合を計算し、点510をプロ
ットする。この場合、原点と点510を結ぶ直線の傾きが
実測損傷速度である。1回目の測定では、実測損傷速度
が仮想損傷速度より大きく、このままの照明光の強度で
は、損傷制限値に達する前にすべての測定個所の測定を
完了することができない。従って、減光フィルタを調整
して照明光の強度を低下させる。
【0059】次に、2回目の測定終了時刻506における
損傷モニタ個所303の損傷度合を計算し、点511をプロッ
トする。この場合は、点510と点511を結ぶ直線の傾きが
実測損傷速度である。2回目の測定時の実測損傷速度は
1回目より低下しており、点511は仮想損傷直線501に近
づいている。
【0060】このように本実施の形態では、それぞれの
測定個所を測定するごとに損傷モニタ個所303の幅を測
定して損傷速度を計算し、実測損傷曲線504 をプロット
する。そして、この実測損傷曲線504が仮想損傷直線501
に近づくように減光フィルタを調整するので、損傷制
限値を超えずに、すべての測定個所の測定を完了させる
ことができる。
【0061】本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に
限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均
等物に及ぶものである。
【0062】
【発明の効果】以上、本発明によれば、観察対象の所定
の位置に設けられたパターンの線幅が所定の制限値に達
した場合に、観察対象への深紫外光の照射を停止するの
で、観察対象が制限値以上に損傷を受けることを防止す
ることができる。
【0063】また、本発明によれば、試料の損傷の進行
速度をモニタしながら、照明光の光量を調整するので、
観察範囲内に複数の測定個所があり、その測定にかなり
の時間を必要とする場合に、損傷制限値を越さずにすべ
ての測定個所を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】本発明の実施の形態の共焦点型レーザ走査顕微
鏡の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の一括照明型顕微鏡の構成
図である。
【図3】本発明の実施の形態の第1の測定フローチャー
トである。
【図4】観察する試料および観察範囲の説明図である。
【図5】画像信号強度による幅測定の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の第2の測定フローチャー
トである。
【図7】試料の損傷度合の説明図である。
【符号の説明】
101 、201 深紫外レーザ 103 、203 シャッタ 104 、204 減光フィルタ切換ユニット 105 、205 ビームエキスパンダ 107 、208 ビームスプリッタ 108 2次元スキャナユニット 109 、207 リレーレンズ 110 、209 対物レンズ 111 、210 試料 115 ピンホール 116 、214 検出器 117 、215 画像処理装置 118 、216 画像ディスプレイ 119 、217 制御部 120 、218 除振台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 21/36 G02B 21/36 Fターム(参考) 2F064 MM04 MM45 2F065 AA22 AA54 AA56 CC19 DD15 FF04 FF10 GG04 GG21 HH04 JJ03 JJ26 LL09 LL12 LL25 LL30 LL46 PP24 QQ05 QQ31 SS13 2H052 AA08 AC02 AC04 AC07 AC12 AC14 AC15 AC28 AC34 AD34 AF03 AF13 AF14 AF25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観察対象に深紫外光を照射して観察データ
    を取得する顕微鏡において、 該観察対象の所定の位置に設けられたパターンの線幅を
    測定し、該パターンの線幅が所定の制限値に達した場合
    に、該観察対象への深紫外光の照射を停止する制御部を
    有することを特徴とする顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記制御部は、前記パターンの線幅が所定の制限値に達
    した場合に、前記観察データと前記パターンの線幅デー
    タとを表示し、オペレータに観察を継続するか否かを問
    い合わせることを特徴とする顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記制御部は、取得したデータを送信可能な外部装置に
    接続されており、前記パターンの線幅が所定の制限値に
    達した場合に、前記観察データと前記パターンの線幅デ
    ータとを該外部装置に送信することを特徴とする顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】観察対象に深紫外光を照射して観察データ
    を所得する顕微鏡において、 該観察対象に深紫外光を照射することにより発生する損
    傷の進行速度を、該観察対象の所定の位置に設けられた
    パターンの線幅を測定することによって求め、該損傷の
    進行速度が所定の進行速度になるように、該観察対象に
    照射する深紫外光の強度を調整する制御部を有すること
    を特徴とする顕微鏡。
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