JPH11260709A - 露光装置および該露光装置に用いられるマスク - Google Patents

露光装置および該露光装置に用いられるマスク

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JPH11260709A
JPH11260709A JP10076573A JP7657398A JPH11260709A JP H11260709 A JPH11260709 A JP H11260709A JP 10076573 A JP10076573 A JP 10076573A JP 7657398 A JP7657398 A JP 7657398A JP H11260709 A JPH11260709 A JP H11260709A
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JP
Japan
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mask
light
pattern
deep ultraviolet
ultraviolet light
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JP10076573A
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Toshiji Nakajima
利治 中島
Tadashi Nagayama
匡 長山
Hirohisa Tani
裕久 谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマレーザ光のような深紫外光の照射に
対して劣化しにくい指標パターンの設けられた投影露光
装置。 【解決手段】 露光光源(1)から供給された深紫外光
で所定の転写用パターンが形成されたマスク(107)
を照明し、マスクの転写用パターン像を投影光学系(1
06)を介して感光性の基板(102)上に投影する露
光装置である。深紫外光の照射を受ける位置に指標パタ
ーン(19、20)を配置するとともに、この指標パタ
ーンを経由した深紫外光を検出する検出系(23〜3
0)を配置している。指標パターンの遮光部または反射
部は、深紫外光の照射に対する耐久性がクロムよりも実
質的に高い材料で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイス等の
製造に使用される露光装置および該露光装置に用いられ
るマスクに関し、特に露光光として深紫外光を用いる投
影露光装置において深紫外光の照射を受けるパターンの
形成材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス(LSI等の半導体素
子、薄膜磁気ヘッド、CCD等の撮像素子のような半導
体装置)の製造に使用される投影露光装置の露光工程で
は、半導体デバイスの各レイヤを形成すべきパターンに
投影倍率をかけたパターンの形成されたマスクを紫外光
などで照明し、マスクパターンを投影光学系を介してウ
エハのような感光性基板に転写する。半導体デバイスの
レイヤ数は10〜20程度であり、各レイヤのパターン
形成に際して1台の投影露光装置を使用するようにライ
ンを組んだ複数の投影露光装置でレイヤを重ねることも
あれば、パターンの異なるマスクを順次交換しながら1
台の投影露光装置だけでレイヤを重ねることもある。
【0003】なお、照明光(露光光)の照射を繰り返す
ことによりマスクパターンが劣化する(たとえばマスク
パターンの遮光部の線幅が細くなる)ことがあるので、
マスクの交換が定期的に必要である。また、製造すべき
半導体デバイスを変える場合にも、マスクの交換が必要
である。マスクを交換する際には、複数のマスクがスト
ックされているマスクライブラリから所定のマスクを選
択し、選択したマスクをマスクローダで搬送してマスク
ステージ上に載置する。しかしながら、マスクをマスク
ステージ上に単に載置しただけでは、マスクのXY座標
(XY平面での回転を含む位置)は投影光学系を介して
対向するウエハステージのXY座標と一致しない。
【0004】そこで、マスクのXY座標とウエハステー
ジのXY座標とを一致させるために、通常は以下のよう
なアライメント動作を行う。すなわち、アライメントに
際して、投影光学系に向かう照明光をシャッターで遮断
し、シャッターで反射された照明光をウエハステージの
内部あるいはウエハステージ上へ導き、ウエハステージ
上においてウエハと同じ高さに設置された指標パターン
板をウエハステージの内部から上向きに照明する。ウエ
ハステージ上の指標パターン板とマスクとは投影光学系
に関して共役位置にあるので、ウエハステージ上の指標
パターン板に描かれている指標パターンの像が投影光学
系を介してマスク上に形成される。
【0005】こうして、マスク上に描かれたアライメン
トマークを指標パターン像で照明し、指標パターン像と
アライメントマーク像とを重ね合わせた合成像を形成す
る。この合成像をCCDなどを介して観察し、ウエハス
テージ上の指標パターンとマスク上のアライメントマー
クとの位置合わせ(XY平面での回転を含む位置合わ
せ)を行うことにより、マスクのウエハステージに対す
るアライメントが終了する。上述のようなアライメント
に使用される指標パターンの遮光部は、遮光率が高く且
つエッチング工程などによりパターン形成が容易である
という理由により、マスクの転写パターンの遮光部と同
様に、クロム膜で形成されている。
【0006】また、半導体デバイスの製造に使用される
投影露光装置において、マスクに描かれたパターンを投
影光学系を介してウエハ上に像として忠実に再現するこ
とが重要である。従来より、ウエハ上に形成されるパタ
ーン像の評価方法として、感光剤(レジスト)を塗布し
たウエハ上にマスクパターンを実際に露光し、現像して
得られるレジスト像を走査型電子顕微鏡などで観察する
方法が行われている。しかしながら、この評価方法で
は、焼き付け工程、現像工程、および検査工程の3工程
が必要であり、投影光学系の調整時にはこの3工程を何
度も繰り返さなければならないため、非常に多くの時間
がかかってしまうという不都合があった。また、使用す
るレジストや露光条件によって評価結果が変動するの
で、投影光学系単体の評価が難しいという不都合があっ
た。そこで、上述の不都合を解消するために、投影露光
装置には、投影光学系を介して形成されるマスクパター
ンの空間像を計測する空間像計測系が搭載されている。
【0007】空間像計測系では、たとえばラインアンド
スペースパターンが解像対象パターンとして形成された
マスクを用い、照明光学系を介した光源からの光でマス
クパターンを均一に照明する。マスクパターンを透過し
た光は、投影光学系を介してウエハステージ上のウエハ
の露光面の高さ位置にマスクパターンの空間像を形成す
る。一方、ウエハステージ上には、ナイフエッジパター
ンが指標パターンとして形成された指標パターン板が設
けられている。なお、ナイフエッジパターンの形成位置
とウエハステージ上のウエハの露光面の高さ位置とはほ
ぼ一致している。
【0008】空間像計測系では、たとえばウエハステー
ジを所定方向に移動させることによって、マスクパター
ンの空間像に対してナイフエッジを走査させ、ナイフエ
ッジを介した空間像からの光をフォトマル(光電子倍増
管)で受光する。フォトマルの出力信号に基づいて、空
間像の強度分布を走査方向に沿って積分した光量分布が
得られ、この光量分布を時間で微分することによって空
間像の強度分布を測定する。こうして測定された空間像
の強度分布に基づいて、フォーカス位置の計測、投影光
学系の収差の計測、倍率誤差の計測、照明テレセントリ
シティの計測などが行われる。上述のような空間像計測
に使用される指標パターン(ナイフエッジパターン)の
遮光部も、遮光率が高く且つエッチング工程などにより
パターン形成が容易であるという理由により、マスクの
転写パターンの遮光部と同様に、クロム膜で形成されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半導体デバイスの性能
向上のために、半導体デバイスを構成するパターンの線
幅はより細くなる傾向がある。したがって、半導体デバ
イスの製造に使用される投影露光装置では、その解像力
を向上させる必要がある。投影露光装置の解像力Rは、
次の式(1)で規定される。 R=kλ/NA (1) ここで、kは投影露光装置に固有の比例定数であり、λ
は露光光(照明光)の波長であり、NAは投影光学系の
開口数である。式(1)を参照すると、投影露光装置の
解像力を向上させるには露光光の波長を短くすることが
有利であることがわかる。
【0010】そこで、投影露光装置の露光光として、水
銀ランプのg線(436nm)、i線(365nm)、
あるいはKrFを媒体とするエキシマレーザ光(248
nm)などが従来より用いられている。しかしながら、
投影露光装置の解像力を更に向上させるために、ArF
を媒体とするエキシマレーザ光(193nm)を露光光
として用いる投影露光装置も実用化されつつある。さら
に将来的には、F2 を媒体とするエキシマレーザ光(1
57nm)を露光光として用いる投影露光装置も実現さ
れる可能性もある。しかしながら、露光光の波長を短く
することにより、解像力が向上するという利点もある
が、以下のような不都合も発生する。
【0011】KrFエキシマレーザあるいはArFエキ
シマレーザからの高出力レーザ光が微小な部品の機械的
な微細加工にも用いられているように、エキシマレーザ
光の照射が部材に少なからずダメージを与えることがあ
る。すなわち、従来技術において説明したアライメント
系や空間像計測系に用いられる指標パターンの遮光部を
構成するクロム膜においても、エキシマレーザ光の照射
によりダメージが発生することがある。指標パターンの
遮光部を構成するクロム膜に発生するダメージは、クロ
ム膜の遮光率の変化、パターンの線幅の変化、ナイフエ
ッジパターンの形状の変化などを引き起こし、その結果
アライメント精度が低下したり空間像の計測誤差が増大
したりするという不都合が起こる。
【0012】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、エキシマレーザ光のような深紫外光の照射に
対して劣化しにくいパターンの設けられた露光装置およ
び該露光装置に用いられるマスクを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1発明では、深紫外光でマスクを照明
し、該マスク上に形成された転写用パターンの像を投影
光学系を介して感光性基板上に投影する露光装置におい
て、前記深紫外光の照射を受ける位置に指標パターンを
配置するとともに、該指標パターンを経由した前記深紫
外光を検出するための検出系を配置し、前記指標パター
ンの遮光部または反射部は、前記深紫外光の照射に対す
る耐久性がクロムよりも実質的に高い材料で形成されて
いることを特徴とする露光装置を提供する。
【0014】第1発明の好ましい態様によれば、前記感
光性基板を保持するための基板ステージを配置し、前記
指標パターンは、前記基板ステージ上において前記感光
性基板の露光面に対応する位置に配置され、前記検出系
は、前記基板ステージに対する前記マスクのアライメン
トのために、前記マスク上に形成されたアライメントマ
ークと前記指標パターンとの双方を経由した前記深紫外
光を検出する。
【0015】また、本発明の第2発明では、深紫外光で
マスクを照明し、該マスク上に形成された転写用パター
ンを感光性基板に転写する露光装置に用いられるマスク
において、前記転写用パターンの遮光部または反射部
は、前記深紫外光の照射に対する耐久性がクロムよりも
実質的に高い材料で形成されていることを特徴とするマ
スクを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】一般に、投影露光装置では、基板
ステージに対するマスクのアライメントに際してエキシ
マレーザ光のような深紫外光の照射を受ける基準マーク
のような指標パターンの描かれた指標パターン板が基板
ステージ上に設けられている。また、投影光学系を介し
て形成される所定のパターンの空間像の計測に際して深
紫外光の照射を受けるナイフエッジパターンのような指
標パターンの描かれた指標パターン板が基板ステージ上
に設けられている。さらに、空間像の計測に際して深紫
外光の照射を受ける計測用のラインアンドスペースパタ
ーンのような指標パターンの描かれた指標パターン板が
マスクステージ上に設けられることもある。なお、本発
明において、深紫外光とは約300nm以下の波長を有
する紫外光をいうものとする。
【0017】本発明の露光装置では、深紫外光の照射を
受けるこれらの指標パターンの遮光部または反射部を、
深紫外光の照射に対してクロムよりも耐久性の高い材料
で形成している。したがって、深紫外光の照射に対し
て、本発明の露光装置に設けられた指標パターンはクロ
ム膜を用いた従来の指標パターンよりも劣化しにくい。
すなわち、本発明の指標パターンでは、遮光率または反
射率の変化、パターンの線幅の変化、パターンの形状の
変化などが起こりにくい。その結果、本発明では、劣化
しにくい指標パターンを介してアライメントや空間像計
測などを精度良く行うことができる。また、基板ステー
ジ上またはマスクステージ上において指標パターン板の
交換頻度が減り、さらに適切な材料を選定することによ
り露光装置の寿命期間に亘って指標パターン板の交換の
必要性をなくすることも可能になる。
【0018】また、本発明のマスクでは、転写用パター
ンの遮光部または反射部を、深紫外光の照射に対してク
ロムよりも耐久性の高い材料で形成している。したがっ
て、深紫外光の照射に対して、本発明のマスクはクロム
膜を用いた従来のマスクよりも劣化しにくい。その結
果、本発明では、マスクの劣化しにくいパターンを介し
て、性能の高い半導体デバイスを製造することができ
る。また、マスクの劣化しにくいパターンを介してアラ
イメントなどを精度良く行うことができる。さらに、パ
ターンが劣化しにくいので、マスクの寿命を向上させる
こともできる。
【0019】たとえばエキシマレーザ光の照射に対して
クロムよりも耐久性の高い材料を選定する基準として、
単発のLDT値(Laser Damage Threshold値)を採用す
ることができる。LDT値は、レーザ照射に対して、遮
光率(または反射率)の変化、損傷、基板からの膜の剥
がれなどがないことを観察することによって測定するこ
とができる。石英ガラス基板上に形成した100nm程
度の厚さのクロム膜およびアルミニウム膜のArFエキ
シマレーザ光に対する単発のLDT値は、以下の表
(1)に示す通りである。
【表1】クロム膜 約50mJ/cm2 アルミニウム膜 約200mJ/cm2
【0020】表(1)に示すように、ArFエキシマレ
ーザ光の照射に対して、クロムよりもアルミニウムのほ
うが耐久性がかなり高いことがわかる。エキシマレーザ
光を繰り返し照射する長期照射の場合のLDT値は、一
般的に単発のLDT値よりもかなり小さくなる傾向があ
る。しかしながら、エキシマレーザ光の照射回数がそれ
ほど多くない場合には、単発のLDT値における大小関
係が長期照射の場合においても保たれるため、エキシマ
レーザ光の照射に対する耐久性の基準として単発のLD
T値を用いることができる。したがって、本発明では、
エキシマレーザ光のような深紫外光の照射に対してクロ
ムよりも耐久性の高い材料の一例として、アルミニウム
を提案することができる。
【0021】なお、エキシマレーザ光を照射したときの
ダメージ発生の原因として、物質内に熱が溜まること、
石英ガラス基板と膜物質との間に応力が働くこと、膜物
質の融解が起こることなどが挙げられる。したがって、
熱伝導率、レーザ光の吸収係数、比熱、密度、線膨張係
数、融点などのような物質の特性を考慮して、アルミニ
ウム以外にも、エキシマレーザ光の照射に対してクロム
よりも耐久性の高い物質も考えられる。すなわち、エキ
シマレーザ光の照射に対して耐久性の高い物質として、
Ti、W、Fe、Ni、Cu、Si、Mo、Ag、P
t、Au、Ir、Bなどの物質およびこれらの物質の酸
化物あるいは窒化物を使用することも可能である。
【0022】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1実施例にかかる露光装置
の構成を概略的に示す図である。第1実施例は、本発明
をステージ発光型のアライメント系を備えた投影露光装
置に適用した例である。図1では、投影光学系106の
光軸AXに平行にZ軸が、光軸AXに垂直な面内におい
て図1の紙面に平行にX軸が、光軸AXに垂直な面内に
おいて図1の紙面に垂直にY軸がそれぞれ設定されてい
る。図1の投影露光装置は、露光光を供給するためのエ
キシマレーザ光源1を備えている。エキシマレーザ光源
1から射出された光は、シャッター2が光路から退避し
た状態(不図示)では、第1フライアイレンズ201に
入射する。
【0023】第1フライアイレンズ201に入射した光
束は、第1フライアイレンズ201を構成する複数のレ
ンズエレメントにより分割され、第1フライアイレンズ
201の射出側の焦点面に複数の光源像を形成する。複
数の光源像からの光束は、リレーレンズ202を介し
て、第2フライアイレンズ203に入射する。第2フラ
イアイレンズ203に入射した光束は、第2フライアイ
レンズ203を構成する複数のレンズエレメントにより
分割され、第1フライアイレンズ201を構成するレン
ズエレメントの数と第2フライアイレンズ203を構成
するレンズエレメントの数との積で表される多数の光源
像からなる二次光源を形成する。
【0024】二次光源からの光束は、マスクブラインド
204により制限された後、コンデンサーレンズ205
およびダイクロイックミラー206を介して、所定の転
写パターンが形成されたマスク107を重畳的に照明す
る。こうして、第1フライアイレンズ201および第2
フライアイレンズ203を含む照明光学系の作用によ
り、エキシマレーザ光源1の射出口における照度ムラを
補正して照度の均一な照明光をマスク107に照射する
ことができる。また、マスク107と光学的に共役な位
置に配置されたマスクブラインド204の作用により、
マスク107における照明範囲が、ひいては後述するウ
エハ102における露光範囲が規定される。
【0025】マスク107は、XY平面内においてマス
クステージ109上に支持されている。マスクステージ
109のXY座標、ひいてはマスク107のXY座標
は、不図示のマスクステージ用レーザ干渉計により常時
計測されている。また、図2に示すように、マスク10
7のパターン領域PAのX方向に沿った両端部には、十
字型のアライメントマーク21および22がそれぞれ形
成されている。なお、各アライメントマークは、マーク
部が光を遮光または反射するように構成された、いわゆ
る残しパターンからなる。マスク107の転写パターン
を透過した光束は、投影光学系106を介して、感光性
基板であるウエハ102に達する。こうして、ウエハ1
02上には、マスク107の転写パターンの像が形成さ
れる。
【0026】ウエハ102はウエハホルダ103に吸引
保持され、このウエハホルダ103を介してXY平面内
においてウエハステージ105上に支持されている。ウ
エハステージ105は、XY平面内において二次元的に
ウエハ102の位置決めを行うXYステージ、Z方向に
沿ってウエハ102の位置決めを行うZステージ、およ
びウエハ102の傾斜角の補正を行うレベリングステー
ジ等から構成されている。ウエハステージ105のXY
座標、ひいてはウエハ102のXY座標は、不図示のウ
エハステージ用レーザ干渉計により常時計測されてい
る。したがって、ウエハステージ105を、ひいてはウ
エハ102をXY平面内において二次元的に駆動制御し
ながら投影露光を行うことにより、ウエハ102の各露
光領域にマスク107の転写パターンを逐次露光するこ
とができる。
【0027】ウエハステージ105上のウエハホルダ1
03の近傍には、たとえばガラス基板からなる指標パタ
ーン板104が設けられている。なお、指標パターン板
104の上面は、ウエハ102の露光面とほぼ同じ高さ
(Z方向にほぼ同じ位置)に設定されている。また、指
標パターン板104の上面には、図3に示すように、遮
光部(図中斜線部で示す)31が形成され、例えばX軸
に沿って中心対称な2カ所の領域に矩形状の光透過部3
2および33が形成されている。そして、矩形状の光透
過部32および33の内部には、たとえば二重四角形状
の残しパターン(マーク部が遮光または反射)からなる
基準マーク19および20が指標パターンとして形成さ
れている。
【0028】マスク107を交換したときには、マスク
107のXY座標とウエハステージ105のXY座標と
の位置合わせを行うことが必要になる。また、マスク1
07を交換しない場合でも、一定の時間間隔毎にマスク
107のXY座標とウエハステージ105のXY座標と
の位置合わせを行うことが必要になる。そこで、図1の
投影露光装置には、ウエハステージ105に対するマス
ク107のアライメントマークの相対位置を検出するた
めのアライメント系が設けられている。
【0029】アライメント系では、図1に示すようにシ
ャッター2が光路中に設定されている状態において、エ
キシマレーザ光源1からの光がアライメント系の光路へ
導かれる。シャッター2を介して導かれたアライメント
照明光は、全反射プリズム3および4を介してフライア
イレンズ5に入射し、フライアイレンズ5の射出側の焦
点面に複数の光源像を形成する。複数の光源像からの光
は、集光レンズ6を介して、回転拡散板7に入射する。
そして、拡散板回転機構8により回転可能に構成された
回転拡散板7の拡散作用により、後述する被照射面とし
ての基準マーク(19、20)に形成されるスペックル
等による影響を除去し、基準マーク(19、20)上に
均一な照射面を形成することができる。
【0030】回転拡散板7から射出された照明光(拡散
光)は、第1リレーレンズ系(9および10)とウエハ
ステージ105上に形成された導光開口部108とを介
して、ウエハステージ105の内部へ導かれる。すなわ
ち、指標パターン板104の中心が投影光学系106の
光軸AXとほぼ一致したときに、第1リレーレンズ系
(9および10)を介した照明光が導光開口部108を
介してウエハステージ105の内部に配置された第2リ
レーレンズ系(11および13)へ導かれるように、指
標パターン板104と導光開口部108との位置関係が
規定されている。また、回転拡散板7および第1リレー
レンズ系(9および10)は、部材101の内部におい
て一体的に保持されている。
【0031】こうして、導光開口部108を介してウエ
ハステージ105の内部へ導かれた照明光は、第2リレ
ーレンズ系(11および13)とその内部の光路中に配
置された全反射プリズム12とを介して、光ファイバー
からなるライトガイド14に入射する。こうして、ライ
トガイド14の入射端には、所定の開口数および所定の
径を有する光源像が形成される。なお、ライトガイド1
4として、複数のファイバー素線をランダムに束ねるこ
とによって構成された、いわゆるランダムライトガイド
を用いることが好ましい。フライアイレンズ5、回転拡
散板7およびランダムライトガイドの相乗効果により、
ライトガイド14の射出端には良質な二次光源が得られ
る。また、フライアイレンズに代えて、ライトガイド1
4の入射端を傾斜させてもよい。
【0032】ライトガイド14の入射端に入射した光
は、分岐された2つの射出端へ導かれる。そして、ライ
トガイド14の一方の射出端からの光は、折り曲げミラ
ー15およびコンデンサーレンズ17を介して、指標パ
ターン板104に形成された一方の基準マーク19を均
一に照明する。また、ライトガイド14の他方の射出端
からの光は、折り曲げミラー16およびコンデンサーレ
ンズ18を介して、他方の基準マーク20を均一に照明
する。
【0033】こうして、一対の基準マーク19および2
0は下方から透過照明され、基準マーク19および20
を透過した光は、投影光学系106を介して、マスク1
07の下面(転写パターンの形成面)に形成された対応
するアライメントマーク22および21を照明する。こ
こで、アライメント照明光は露光光と同じ波長を有して
おり、アライメントに際して指標パターン板104の中
心を投影光学系106の光軸AXに対して位置決めして
いる。したがって、アライメントマーク22および21
の上には、対応する基準マーク19および20の像が重
なって形成される。すなわち、基準マーク19および2
0の像により、対応するアライメントマーク22および
21の照明が行われる。
【0034】アライメントマーク21を介した照明光
は、光路偏向用の折り曲げミラー23で反射された後、
第1対物レンズ24と第2対物レンズ29とからなる結
像光学系を介して、2次元CCD等からなる2次元撮像
素子25の撮像面に基準マーク20とアライメントマー
ク21との合成像を形成する。また、アライメントマー
ク22を介した照明光は、光路偏向用の折り曲げミラー
26で反射された後、第1対物レンズ27と第2対物レ
ンズ30とからなる結像光学系を介して、2次元CCD
等からなる2次元撮像素子28の撮像面に基準マーク1
9とアライメントマーク22との合成像を形成する。図
4は、2次元撮像素子25および28の撮像面に形成さ
れる基準マークとアライメントマークとの合成像を模式
的に示す図である。
【0035】2次元撮像素子25および28からの2次
元画像データに基づいて、例えば目視観察により基準マ
ークを指標としてアライメントの位置ずれが検出され
る。さらに、その2次元画像データに画像処理を施すこ
とにより、アライメントマークの位置ずれがウエハステ
ージ105上のX座標およびY座標に沿った位置ずれ量
として検出される。そして、マスク107上に形成され
た2つのアライメントマーク21および22のウエハス
テージ105に対する位置ずれ量に基づいて、マスク1
07のウエハステージ105に対する位置関係(XY平
面における2次元的な位置ずれ量、およびZ軸回りの回
転角)が求められる。
【0036】次いで、マスク107のウエハステージ1
05に対する位置関係が所望の許容範囲内に収まるよう
に、マスクステージ109を駆動してマスク107を適
宜移動させる。そして、マスク107のウエハステージ
105に対する位置関係を再計測し、計測した位置関係
が所望の許容範囲内に収まっていることを確認して、ア
ライメントが終了する。
【0037】第1実施例では、指標パターン板104に
描かれた指標パターンである基準マーク19および20
の遮光部が、エキシマレーザ光の照射に対してクロムよ
りも高い耐久性を有するアルミニウムで形成されてい
る。したがって、第1実施例では、クロム膜を用いた従
来の基準マークよりも劣化しにくい基準マーク19およ
び20を介して長期間の使用後もアライメントを精度良
く行うことができる。また、ウエハステージ105上に
おいて指標パターン板104の交換頻度が減り、場合に
よっては投影露光装置の寿命期間に亘って指標パターン
板104の交換の必要性をなくすることも可能になる。
【0038】また、第1実施例では、マスク107に描
かれた転写パターンおよびアライメントマーク21およ
び22の遮光部が、エキシマレーザ光の照射に対してク
ロムよりも高い耐久性を有するアルミニウムで形成され
ている。したがって、第1実施例の投影露光装置に用い
られるマスク107は、エキシマレーザ光の照射に対し
て、クロム膜を用いた従来のマスクよりも劣化しにく
い。その結果、第1実施例の投影露光装置では、マスク
107の劣化しにくい転写パターンを介して、性能の高
い半導体デバイスを製造することができる。また、マス
ク107の劣化しにくいアライメントマーク21および
22を介して長期間の使用後もアライメントを精度良く
行うことができる。さらに、パターンが劣化しにくいの
で、マスク107の寿命を向上させることができる。な
お、以上の第1実施例では、図1に示すように、第2リ
レーレンズ系(11〜13)、ライトガイド14、偏向
ミラー(15、16)およびコンデンサーレンズ(1
7、18)等の導光光学系をウエハステージ105の内
部に設けた例を示したが、図13に示すように、この導
光光学系(11〜18)をウエハステージ105上に沿
って配置(ウエハホルダ103の側面に沿って配置)
し、導光光学系(11〜l8)を介した光がウエハステ
ージ105上に配置された基準マーク(19、20)を
照明するように構成しても良い。さらには、導光光学系
(11〜18)の一部をウエハステージ105上に沿っ
て配置し、導光光学系(11〜18)の残りの一部をウ
エハステージ105の内部に配置した構成としても良
い。
【0039】図5は、本発明の第2実施例にかかる露光
装置の構成を概略的に示す図である。第2実施例は、本
発明を落射照明型のアライメント系を備えた投影露光装
置に適用した例である。第2実施例における投影露光装
置本体の構成および動作は第1実施例と同じである。し
かしながら、第1実施例のアライメント系では照明光を
ウエハステージの内部あるいはウエハステージ上へ導き
指標パターンである基準マークおよびアライメントマー
クを下方から照明しているが、第2実施例のアライメン
ト系では照明光をマスク側へ導きアライメントマークお
よび基準マーク落射照明している。図5において、第1
実施例の構成要素と同様の機能を有する要素には図1と
同じ参照符号を付している。以下、第1実施例との相違
点に着目して第2実施例を説明する。
【0040】第2実施例のアライメント系では、図5に
示すようにシャッター2が光路中に設定されている状態
において、エキシマレーザ光源1からの光がアライメン
ト系の光路へ導かれる。シャッター2を介して導かれた
アライメント照明光は、全反射プリズム3を介してフラ
イアイレンズ5に入射し、フライアイレンズ5の射出側
の焦点面に複数の光源像を形成する。複数の光源像から
の光は、集光レンズ6を介して、回転拡散板7に入射す
る。
【0041】回転拡散板7から射出された照明光(拡散
光)は、リレーレンズ系(9および10)を介して、マ
スクステージ109の周辺に設置されたライトガイド1
4に入射する。ライトガイド14の入射端に入射した光
は、分岐された2つの射出端に導かれる。そして、ライ
トガイド14の一方の射出端からの光は、ハーフミラー
31、第1対物レンズ24および折り曲げミラー23を
介して、マスク107の下面に形成されたアライメント
マーク21を均一に落射照明する。また、ライトガイド
14の他方の射出端からの光は、ハーフミラー32、第
1対物レンズ27および折り曲げミラー26を介して、
マスク107の下面に形成されたアライメントマーク2
2を均一に落射照明する。
【0042】ここで、アライメントマーク21および2
2は、第1実施例と同様に、図2に示す十字型のパター
ンから構成されている。しかしながら、第1実施例では
十字型のパターン部分を構成する膜が遮光膜として機能
しているが、第2実施例では反射膜として機能する。し
たがって、アライメントマーク21からの反射光は、折
り曲げミラー23で反射された後、第1対物レンズ24
と第2対物レンズ29とからなる結像光学系を介して、
2次元CCD等からなる2次元撮像素子25の撮像面に
アライメントマーク21の像を形成する。また、アライ
メントマーク22からの反射光は、折り曲げミラー26
で反射された後、第1対物レンズ27と第2対物レンズ
30とからなる結像光学系を介して、2次元CCD等か
らなる2次元撮像素子28の撮像面にアライメントマー
ク22の像を形成する。
【0043】一方、アライメントマーク21および22
を透過した光は、投影光学系106を介して、指標パタ
ーン板104の上面に形成された対応する基準マーク2
0および19を照明する。ここで、基準マーク19およ
び20は、第1実施例と同様に、図3に示す二重四角形
状のパターンから構成されている。しかしながら、第1
実施例では二重四角形状のパターン部分を構成する膜が
遮光膜として機能しているが、第2実施例では反射膜と
して機能する。
【0044】したがって、基準マーク20からの反射光
は、投影光学系106を介してマスク107の下面に一
旦像を結んだ後、折り曲げミラー23および結像光学系
(24および29)を介して2次元撮像素子25の撮像
面に基準マーク20の像を形成する。また、基準マーク
19からの反射光は、投影光学系106を介してマスク
107の下面に一旦像を結んだ後、折り曲げミラー26
および結像光学系(27および30)を介して2次元撮
像素子28の撮像面に基準マーク19の像を形成する。
【0045】このように、2次元撮像素子25の撮像面
には基準マーク20とアライメントマーク21との合成
像が形成され、2次元撮像素子28の撮像面には基準マ
ーク19とアライメントマーク22との合成像が形成さ
れる。ただし、第1実施例では指標パターンを透過した
光により合成像が形成されているのに対し、第2実施例
では指標パターンで反射された光により合成像が形成さ
れている。したがって、第2実施例において観察される
合成像は、図4において明暗を反転させた合成像とな
る。以下、2次元撮像素子25および28からの2次元
画像データに基づいて、第1実施例と同様に、ウエハス
テージ105に対するマスク107のアライメントが行
われる。
【0046】第2実施例では、指標パターン板104に
描かれた指標パターンである基準マーク19および20
の反射部が、エキシマレーザ光の照射に対してクロムよ
りも高い耐久性を有するアルミニウムで形成されてい
る。したがって、第2実施例でにおいても第1実施例と
同様に、クロム膜を用いた従来の基準マークよりも劣化
しにくい基準マーク19および20を介して長期間の使
用後もアライメントを精度良く行うことができるととも
に、ウエハステージ105上における指標パターン板1
04の交換頻度を減らすことができる。
【0047】また、第2実施例では、マスク107に描
かれた転写パターンの遮光部およびアライメントマーク
21および22の反射部が、エキシマレーザ光の照射に
対してクロムよりも高い耐久性を有するアルミニウムで
形成されている。したがって、第2実施例においても第
1実施例と同様に、マスク107の劣化しにくい転写パ
ターンを介して安定した性能の半導体デバイスを製造す
ることができるとともに、マスク107の劣化しにくい
アライメントマーク21および22を介して長期間の使
用後もアライメントを精度良く行うことができる。
【0048】図6は、本発明の第3実施例にかかる露光
装置の構成を概略的に示す図である。第3実施例は、本
発明を空間像計測系を備えた投影露光装置に適用した例
である。第3実施例における投影露光装置本体の構成お
よび動作は第1実施例と同じである。しかしながら、第
1実施例では投影露光装置本体にアライメント系が付設
されているが、第2実施例では投影露光装置本体に空間
像計測系が付設されている。図6において、第1実施例
の構成要素と同様の機能を有する要素には図1と同じ参
照符号を付している。以下、第1実施例との相違点に着
目して第3実施例を説明する。
【0049】第3実施例において、エキシマレーザ光源
1から射出された光は、第1フライアイレンズ201、
リレーレンズ202および第2フライアイレンズ203
を介して、第2フライアイレンズ203の射出側の焦点
面に多数の光源像からなる二次光源を形成する。二次光
源からの光束は、マスクブラインド204、コンデンサ
ーレンズ205およびダイクロイックミラー206を介
して、マスク107を重畳的に照明する。マスク107
を透過した光は投影光学系106を介してウエハ102
に達し、ウエハ102上にはマスク107のパターン像
が形成される。
【0050】ウエハステージ105上のウエハホルダ1
03の近傍には、たとえばガラス基板からなる指標パタ
ーン板51が設けられている。なお、指標パターン板5
1の上面は、ウエハ102の露光面とほぼ同じ高さ(Z
方向にほぼ同じ位置)に設定されている。また、指標パ
ターン板51は、図7に示すように、露光光を透過する
光透過部71と露光光を遮光する遮光部72とから形成
されている。そして、透過部71と遮光部72との境界
線は、Y方向に沿って延びるナイフエッジ73を構成し
ている。すなわち、指標パターン板51に描かれた指標
パターンは、ナイフエッジパターンである。
【0051】したがって、指標パターン板51の中心が
投影光学系106の光軸AXとほぼ一致したとき、投影
光学系106を介して形成されたマスクパターンの空間
一次像からの光は、指標パターン板51に形成されたナ
イフエッジパターン50を介して、ウエハステージ10
5の内部に配置された第1リレーレンズ系(52および
54)に入射する。なお、第1リレーレンズ系(52お
よび54)の一方のレンズ52と他方のレンズ54との
間の光路中には、光路偏向用の反射ミラー53と空間一
次像からの光を拡散するための拡散板61とが配置され
ている。こうして、第1リレーレンズ系(52および5
4)および拡散板61を介した空間一次像からの光は、
光ファイバーからなるライトガイド55に入射する。
【0052】ライトガイド55の内部を伝搬した光は、
反射ミラー56、第2リレーレンズ系(57および5
8)の一方のレンズ57、およびウエハステージ105
に形成された開口部108を介して、ウエハステージ1
05の外部へ導き出される。ウエハステージ105の外
部へ導き出された光は、第2リレーレンズ系(57およ
び58)の他方のレンズ58を介して、受光センサとし
てのフォトマル(光電子増倍管)60で受光される。上
述したように、レンズ52とレンズ54との間には拡散
板61が配置されているので、フォトマル60の感度ム
ラによる計測精度の悪化を回避することができる。
【0053】図8は、第3実施例においてマスク107
に形成された空間像計測用のパターンを模式的に示す図
である。図8に示すように、マスク107のパターン領
域PAには、Y方向に沿って延びた矩形状の光透過部8
1がX方向に沿って所定ピッチで配列されている。すな
わち、空間像計測用のマスクパターンは、X方向に沿っ
たラインアンドスペースの抜きパターンである。空間像
の計測に際しては、投影光学系106の下方に指標パタ
ーン板51が位置するように、ウエハステージ105を
移動させる。この状態において、指標パターン板51上
には、投影光学系106を介してマスク107のパター
ンの空間一次像が形成される。
【0054】この状態で、ウエハステージ105をX方
向に沿って移動させてマスクパターンの空間一次像に対
して指標パターン板51のナイフエッジパターン50を
走査しながら、ナイフエッジを介した空間一次像からの
光をフォトマル60で受光する。この場合、フォトマル
60からの出力に基づいて、図9に示すように上り階段
状の光量分布(空間像の強度分布を走査方向に沿って積
分した光量分布)が得られる。なお、図9において、横
軸は時間であり、縦軸は光量である。得られた光量分布
を時間で微分することによって、図10に示すように、
空間一次像の時間に関する強度分布(縦軸が強度で横軸
が時間)を検出することができる。
【0055】さらに、図10の空間一次像の時間に関す
る強度分布とウエハステージ用のレーザ干渉計からの位
置情報とに基づいて時間情報を位置情報に換算し、図1
1に示すように、空間一次像の位置に関する強度分布
(縦軸が強度で横軸がX方向位置)を検出する。こうし
て検出された強度分布は、投影光学系106を介して実
際に形成される空間像の強度分布とほぼ一致している。
【0056】こうして、計測された空間像の情報に基づ
いて、投影光学系106の各種収差(球面収差、コマ収
差、像面湾曲、非点収差、ディストーション)、倍率誤
差、フォーカス位置の誤差、テレセントリシティの誤差
などを測定することができる。すなわち、第3実施例で
は、空間像計測系が投影露光装置本体に付設されている
ので、空間像の計測を定期的に行うことにより、上述の
各種収差、倍率誤差、フォーカス位置の誤差、テレセン
トリシティの誤差の経時変化を計測することができる。
また、エキシマレーザ光の照射による各種収差、倍率誤
差、フォーカス位置の誤差、テレセントリシティの誤差
の変動を計測することもできる。
【0057】また、第3実施例では、指標パターン板5
1に描かれた指標パターンであるナイフエッジパターン
50の遮光部が、エキシマレーザ光の照射に対してクロ
ムよりも高い耐久性を有するアルミニウムで形成されて
いる。したがって、第3実施例では、クロム膜を用いた
従来のナイフエッジパターンよりも劣化しにくいナイフ
エッジパターン50を介して長期間の使用後も空間像の
計測を精度良く行うことができるとともに、ウエハステ
ージ105上における指標パターン板51の交換頻度を
減らすことができる。また、第3実施例では、マスク1
07に描かれた計測用パターンの遮光部が、エキシマレ
ーザ光の照射に対してクロムよりも高い耐久性を有する
アルミニウムで形成されている。したがって、第3実施
例では、マスク107の劣化しにくい計測用パターンを
介して空間像の計測を精度良く行うことができる。な
お、以上の第3実施例では、図6に示すように、第1リ
レーレンズ系(52〜54)、拡散板61、ライトガイ
ド55および偏向ミラー56等の導光光学系(52〜5
6、61)並びに第2リレーレンズ系の一部57をウエ
ハステージ105の内部に設けた例を示したが、図14
に示すように、この導光光学系(52〜57、61)お
よび第2リレーレンズ系の一部57をウエハステージ1
05上に沿って配置(ウエハホルダ103の側面に沿っ
て配置)し、導光光学系(52〜57、61)および第
2リレーレンズ系の一部57を介した光をウエハステー
ジ105の外部に配置された受光センサ60へ導くよう
に構成しても良い。さらには、導光光学系(52〜5
7、61)および第2リレーレンズ系の一部57からな
る光学系の一部をウエハステージ105上に沿って配置
し、導光光学系(52〜57、61)および第2リレー
レンズ系の一部57からなる光学系の残りの一部をウエ
ハステージ105の内部に配置した構成としても良い。
【0058】図12は、本発明の第4実施例にかかる露
光装置の構成を概略的に示す図である。第4実施例は、
第3実施例と類似の構成を有する。しかしながら、第3
実施例ではマスク上に描かれたパターンの空間像を計測
しているが、第4実施例ではマスクステージ上に設けら
れた指標パターン板上に描かれたパターンの空間像を計
測している。図12において、第1実施例の構成要素と
同様の機能を有する要素には図6と同じ参照符号を付し
ている。以下、第3実施例との相違点に着目して第4実
施例を説明する。
【0059】第4実施例では、マスクステージ109が
X方向に移動可能に構成され、マスクステージ109上
にはガラス基板からなる指標パターン板110が設けら
れている。なお、指標パターン板110の下面は、マス
ク107のパターン形成面とほぼ同じ高さ(Z方向にほ
ぼ同じ位置)に設定されている。また、指標パターン板
110の下面には、図8に示す空間像計測用のパターン
111が形成されている。したがって、空間像の計測に
際しては、投影光学系106の上方に指標パターン板1
10が位置するようにマスクステージ109を移動させ
るとともに、投影光学系106の下方に指標パターン板
51が位置するようにウエハステージ105を移動させ
る。この状態において、指標パターン板51上には、投
影光学系106を介して指標パターン板110の計測用
パターン111の空間一次像が形成される。以下、第4
実施例においても、第3実施例と同様の動作にしたがっ
て、空間像の計測が行われる。
【0060】第4実施例では、指標パターン板51に描
かれた指標パターンであるナイフエッジパターン50の
遮光部および指標パターン板110に描かれた指標パタ
ーンである計測用パターン111の遮光部が、エキシマ
レーザ光の照射に対してクロムよりも高い耐久性を有す
るアルミニウムで形成されている。したがって、第4実
施例では、クロム膜を用いた従来のナイフエッジパター
ンおよび計測用パターンよりも劣化しにくいナイフエッ
ジパターン50および計測用パターン111を介して長
期間の使用後も空間像の計測を精度良く行うことができ
る。また、ウエハステージ105上における指標パター
ン板51の交換頻度およびマスクステージ109上にお
ける指標パターン板110の交換頻度を減らすことがで
きる。
【0061】なお、上述の各実施例では指標パターンの
遮光部または反射部をアルミニウムで形成しているが、
エキシマレーザ光のような深紫外光の照射に対してクロ
ムよりも耐久性の高い他の物質(たとえばチタンなど前
に列挙した物質)を使用することもできる。また、上述
の各実施例ではエキシマレーザ光源を備えた投影露光装
置を例にとって本発明を説明しているが、エキシマレー
ザ光以外の他の深紫外光を露光光として供給する光源を
備えた露光装置に対しても本発明を適用することができ
る。
【0062】さらに、上述の各実施例ではアライメント
系を備えた投影露光装置や空間像計測系を備えた投影露
光装置を例にとって本発明を説明しているが、深紫外光
の照射を受けるように構成された指標パターンの設けら
れた他の一般的な露光装置に対しても本発明を適用する
ことができる。また、上述の各実施例では、投影露光装
置に用いられるマスクを例にとって本発明を説明してい
るが、マスクと基板とを密着させて露光するコンタクト
方式の露光装置に用いられるマスクに対しても本発明を
適用することができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置
では、劣化しにくい指標パターンを介してアライメント
や空間像計測などを精度良く行うことができる。また、
基板ステージ上またはマスクステージ上において指標パ
ターン板の交換頻度が減り、場合によっては装置の寿命
期間に亘って指標パターン板の交換の必要性をなくする
ことも可能になる。
【0064】また、露光装置に用いられる本発明のマス
クでは、マスクの劣化しにくいパターンを介して、安定
した性能の半導体デバイスを製造することができる。ま
た、マスクの劣化しにくいパターンを介してアライメン
トなどを精度良く行うことができる。さらに、パターン
が劣化しにくいので、マスクの寿命を向上させることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる露光装置の構成を
概略的に示す図である。
【図2】第1実施例においてマスク107の下面に形成
されたアライメントマークを示す図である。
【図3】第1実施例において指標パターン板104の上
面に形成された基準マークを示す図である。
【図4】第1実施例において2次元撮像素子25および
28の撮像面に形成される基準マークとアライメントマ
ークとの合成像を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかる露光装置の構成を
概略的に示す図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかる露光装置の構成を
概略的に示す図である。
【図7】第3実施例において指標パターン板51の上面
に形成されたナイフエッジパターンを示す図である。
【図8】第3実施例においてマスク107に形成された
空間像計測用のパターンを模式的に示す図である。
【図9】第3実施例においてフォトマル60からの出力
に基づいて得られる光量分布を示す図である。
【図10】図9の光量分布を時間で微分することによっ
て得られる空間一次像の時間に関する強度分布を示す図
である。
【図11】図10の時間に関する強度分布から得られる
空間一次像の位置に関する強度分布を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例にかかる露光装置の構成
を概略的に示す図である。
【図13】図lに示した露光装置の変形例の構成を概略
的に示す図である。
【図14】図6に示した露光装置の変形例の構成を概略
的に示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 シャッター 3、4 全反射プリズム 5 フライアイレンズ 6 コンデンサーレンズ 7 回転拡散板 9、10 第1リレーレンズ系 11、13 第2リレーレンズ系 14 ライトガイド 17、18 コンデンサーレンズ 19、20 基準マーク 21、22 アライメントマーク 24、27 第1対物レンズ 25、28 2次元撮像素子 29、30 第2対物レンズ 201 第1フライアイレンズ 203 第2フライアイレンズ 204 マスクブラインド 205 コンデンサーレンズ 206 ダイクロイックミラー 102 ウエハ 103 ウエハホルダ 104 指標パターン板 105 ウエハステージ 106 投影光学系 107 マスク 109 マスクステージ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深紫外光でマスクを照明し、該マスク上
    に形成された転写用パターンの像を投影光学系を介して
    感光性基板上に投影する露光装置において、 前記深紫外光の照射を受ける位置に指標パターンを配置
    するとともに、該指標パターンを経由した前記深紫外光
    を検出するための検出系を配置し、 前記指標パターンの遮光部または反射部は、前記深紫外
    光の照射に対する耐久性がクロムよりも実質的に高い材
    料で形成されていることを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記感光性基板を保持するための基板ス
    テージを配置し、 前記指標パターンは、前記基板ステージ上において前記
    感光性基板の露光面に対応する位置に配置され、 前記検出系は、前記基板ステージに対する前記マスクの
    アライメントのために、前記マスク上に形成されたアラ
    イメントマークと前記指標パターンとの双方を経由した
    前記深紫外光を検出することを特徴とする請求項1に記
    載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記深紫外光を前記基板ステージの内部
    または前記基板ステージ上へ導入し、前記基板ステージ
    の内部または前記基板ステージ上へ導入された前記深紫
    外光を前記指標パターンに照射するための光照射系を配
    置し、 前記検出系は、前記光照射系によって照明された前記指
    標パターンからの光を前記投影光学系および前記マスク
    上に形成されたアライメントマークを介して受光するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記深紫外光を前記マスク上に形成され
    たアライメントマークへ導き、前記アライメントマーク
    を落射照明するとともに前記アライメントマークおよび
    前記投影光学系を介して前記指標パターンを落射照明す
    るための落射照明系を配置し、 前記検出系は、前記落射照射系によって照明された前記
    アライメントマークおよび前記指標パターンからの各反
    射光をそれぞれ受光することを特徴とする請求項2に記
    載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記感光性基板を保持するための基板ス
    テージおよび前記マスクを保持するためのマスクステー
    ジをそれぞれ配置し、 前記指標パターンは、前記基板ステージ上において前記
    感光性基板の露光面に対応する位置に配置され、 前記検出系は、前記投影光学系の結像面に形成される所
    定の空間像を計測するために、前記マスクのパターンと
    前記指標パターンとの双方、または前記マスクステージ
    上に配置された基準パターンと前記指標パターンとの双
    方を経由した前記深紫外光を検出することを特徴とする
    請求項1に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記投影光学系の光軸を横切るように前
    記基板ステージを移動させる駆動系を配置し、 前記指標パターンは、前記深紫外光を透過させる透過部
    と前記深紫外光を遮光する遮光部との境界線から形成さ
    れたナイフエッジを有し、 前記検出系は、前記マスクのパターンまたは前記マスク
    ステージ上に配置された基準パターンを介した前記深紫
    外光を、前記駆動系によって移動する前記指標パターン
    を通して受光することを特徴とする請求項5に記載の露
    光装置。
  7. 【請求項7】 深紫外光でマスクを照明し、該マスク上
    に形成された転写用パターンを感光性基板に転写する露
    光装置に用いられるマスクにおいて、 前記転写用パターンの遮光部または反射部は、前記深紫
    外光の照射に対する耐久性がクロムよりも実質的に高い
    材料で形成されていることを特徴とするマスク。
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