JP2001193776A - 複合防振ブッシュ - Google Patents

複合防振ブッシュ

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JP2001193776A
JP2001193776A JP2000139158A JP2000139158A JP2001193776A JP 2001193776 A JP2001193776 A JP 2001193776A JP 2000139158 A JP2000139158 A JP 2000139158A JP 2000139158 A JP2000139158 A JP 2000139158A JP 2001193776 A JP2001193776 A JP 2001193776A
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rubber
retaining
elastic body
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JP2000139158A
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English (en)
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Yasukuni Wakita
安國 脇田
Hiroshi Ono
宏 大野
Hakuyo Okawa
博用 大川
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防振ブッシュにおいて、車両でのゴツゴツ感の
解消と耐久性の向上を図る。 【解決手段】内外筒間のゴム状弾性体4に形成されたす
ぐり部5に、ゴム状弾性体4と異質な低発泡性のウレタ
ンエラストマー部材6を挿入し、ゴム単体では得られな
いばね特性を発揮させ、かつ耐久性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のサスペン
ションなどに使用される防振ブッシュに関するもので、
ゴム状弾性体と樹脂エラストマーとを組み合わせた複合
防振ブッシュに係るものである。
【0002】
【従来技術】自動車のサスペンションアームなどに用い
られる防振ブッシュは、内筒と外筒との間に、これらを
連結するゴム状弾性体が介在されたものが一般的であ
り、良好な操縦安定性と乗り心地性を満足し、かつ耐久
性にも優れたブッシュの提供が望まれている。
【0003】一般的に、防振ブッシュに硬いゴムを使用
すると、操縦安定性が増すが、ゴムが硬いためゴツゴツ
感が増大し乗り心地性が悪くなる。逆に、柔らかいゴム
を使用すると、ゴツゴツ感は解消できるが、走行時にフ
ニャフニャ感が出て操縦安定性が低下することになる。
従って、ゴムの硬さが防振ブッシュの振動系に影響を及
ぼすことになる。
【0004】従来の防振ブッシュには、これらの操縦安
定性と乗り心地性の両特性を満足させるため、内外筒間
のゴム状弾性体のゴムの硬さにより左右方向の剛性を上
げて操縦安定性を確保し、また、上下方向にすぐり穴を
形成して非線形なばね特性を発揮させ、乗り心地性を向
上させたものが知られている。
【0005】図10は内外筒の間のゴム状弾性体に、外
筒に接して一対のすぐり部が形成された従来例1の防振
ブッシュを示し、同図(a)はその断面図を、(b)は
その荷重−撓み線図である。この従来例1の防振ブッシ
ュ100は、内筒101と外筒102との間にゴム状弾
性体103が介在され、ゴム状弾性体103には外筒1
02に接して上下一対の円弧状すぐり部104が形成さ
れている。
【0006】この防振ブッシュの上下方向の静的ばね特
性は、同図(b)のごとく、内外筒101、102の上
下方向の相対変位に対して、すぐり部104の存在によ
り、小荷重入力時には柔らかいばね特性となるが、大荷
重入力時にはすぐり部が変形して押し潰された後、急激
に立ち上がるばね特性となるので、その立ち上がり部
(変曲点)106において車両のショック感が大きくな
り、乗り心地性に難点があった。
【0007】これを解決するため、図11のごとく、円
弧状すぐり部104の周壁の一部を外筒側に突出させて
突起部105を形成した従来例2の防振ブッシュ100
も知られている。図11(a)は従来例2の防振ブッシ
ュの断面図、(b)はその荷重―撓み線図である。この
従来例2の防振ブッシュでは、図10に示す従来例1の
ばね特性に比べて、突起部105の存在により、内外筒
101、102の上下方向の相対変位に対して、突起部
105が変形初期から外筒102の内周面に接触するた
め、すぐり部104が押し潰された後の立ち上がり部1
06aも緩やかになり、車両のショック感が少なくなる
といった特性を有している。
【0008】しかしながら、従来例2の防振ブッシュに
おいては、突起部105の外筒102との接触面積が少
ないため、その接触面圧が高くなり過ぎて、ゴム状弾性
体の耐久性に劣るといった難点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、操縦安定性及び乗り心地性の両特性を満足し得ると
共に、耐久性についても十分満足し得る防振ブッシュの
提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、従来例2のようなす
ぐり部における突起部を廃止し、これに代わり、すぐり
部にゴム状弾性体と異質な低発泡性樹脂エラストマー部
材を挿入することにより、樹脂エラストマーによる非線
形なばね特性とゴム状弾性体単体のばね特性とが有機的
に結合され、操縦安定性、すなわち、しっかりとした走
行安定性を確保すると共に、ゴツゴツ感も解消し、かつ
耐久性も十分確保できるようにした。
【0011】この樹脂エラストマー部材は、その主構成
成分により、ゴムスチレン系、オレフィン系(TP
O)、塩ビ系、ウレタン系(TPU)、エステル系(T
PEE)、アミド系(TPAE)などに分類されるが、
いずれの素材を用いてもゴム状弾性体単体のばね特性と
異なるばね特性を発揮できる。特に、耐久性及び機械的
強度に優れたウレタンエラストマーが好適である。
【0012】この樹脂エラストマーとして、無発泡のも
のや高発泡性のものを採用することも考えられるが、無
発泡のものは剛性が高くなり過ぎ、すぐり部のないゴム
状弾性体とあまり変わらないばね特性となり、また、高
発泡性(発泡率40%以上)の場合、耐久性に劣るばか
りか、すぐり部に樹脂エラストマーを充填しない従来例
1のばね特性とあまり変わらない特性となる。これに対
し、低発泡性の樹脂エラストマーを採用した場合、従来
例2と同様なばね特性が得られると共に、動ばね特性と
して5Hz〜20Hzの周波数域における減衰特性が良
好となり、車両のゴツゴツ感が解消されるとの知見が得
られた。
【0013】その良好なばね特性が得られる発泡度合い
は、ウレタンエラストマーの場合、無発泡の場合の比重
が約1.0に対し、比重0.2〜0.7の範囲で良好な
結果が得られた。比重0.2未満であると、高発泡とな
り、すぐり部にエラストマーを充填しない場合と同様な
ばね特性となり、また比重0.7を超えると、すぐり部
がない場合と同様なばね特性となり、乗り心地性能とし
て良好な結果が得られなかった。さらに、ウレタンエラ
ストマーの好ましい発泡度は、比重0.3〜0.6であ
る。また、ウレタンエラストマーの硬度は、JISC
20度〜80度が好適であり、さらに好ましくは40〜
70度の範囲である。
【0014】ゴム状弾性体は、樹脂エラストマーを除い
た概念であり、主構成成分として、天然ゴムあるいは各
種合成ゴムが用いられる。このゴム状弾性体は、内外筒
を加硫接着し、内筒又は外筒からの振動入力に対して減
衰性能を発揮するものである。
【0015】すぐり部は、ゴム状弾性体の軸方向一端側
から他端側に向けて形成された空隙であるが、その形成
位置は、内外筒間のゴム状弾性体に形成されるものなら
ば特に限定されず、内筒の上下部位あるいは左右部位の
いずれであってもよい。例えば、乗り心地性能を向上さ
せる場合、内筒の上下方向に形成すれば、非線形のばね
特性が得られる。また、半径方向における形成部位とし
ては、内筒に接して形成する態様、外筒に接して形成す
る態様、さらにはその中間位置に形成する態様のいずれ
であってもよいが、後述するエラストマーの挿入操作上
の観点から、外筒に接して形成される態様が好適であ
る。
【0016】すぐり部の形成個数は、要求特性に応じて
1個ないし複数個形成されるもので、特に限定されるも
のでない。すぐり部の形状及び大きさに関しても、要求
特性に応じたものであればよく、例えば、軸方向からみ
て円弧状あるいは扇形のいずれであってもよい。また、
すぐり部の軸方向長さも特に限定されるものではない
が、後述するエラストマー部材の挿入方式の場合、軸方
向に貫通したすぐり部が好適である。
【0017】この樹脂エラストマー部材をすぐり部に挿
入する手法として、ゴム状弾性体の加硫成形時に樹脂エ
ラストマーをインサートして発泡成形する成形時挿入方
式や、エラストマーのみを別体で発泡成形し、これをす
ぐり部に挿入する成形後挿入方式のいずれをも採用可能
である。ただ、後者の成形後挿入方式を採用した方が、
要求特性に合わせてエラストマー部材の厚みや大きさを
容易に調整できる点で好適である。
【0018】この成形後挿入方式を採用する場合には、
成形時挿入方式と異なり、エラストマー部材がすぐり部
から抜け出るのを防止する手段を採用するのが好適であ
る。この抜け止め手段の一つとしては、エラストマー部
材の板厚をすぐり部の穴径よりもわずかに大径に設定し
て、すぐり部に圧入する構成が例示できる。
【0019】また、この圧入方式と併用又は単独で、軸
方向に長い板状のエラストマー部材の軸方向後端側にす
ぐり部の穴径よりも大径に形成された抜け止め部と、エ
ラストマー部材の前端部に内筒に嵌合可能に形成された
嵌合穴とを備え、エラストマー部材の前端部を内筒で拘
束し、後端部をすぐり部の軸方向端部で拘束するように
した構成も採用可能である。
【0020】さらに、第3の抜け止め手段として、エラ
ストマー部材の軸方向前後端に形成された抜け止め部
と、エラストマー部材をすぐり部に貫通した後、すぐり
部を抜け止め部よりも小径に縮径する予備圧縮手段とか
ら構成した態様も例示できる。すなわち、エラストマー
部材の前後両端部に貫通部よりも大径に形成して抜け止
め部とし、一端側の抜け止め部をすぐり部を貫通させた
後、すぐり部を縮径させる予備圧縮手段を講じて、すぐ
り部の穴径を抜け止め部の径よりも小径に縮径すれば、
エラストマー部材のすぐり部からの抜け出しを防止でき
る上、エラストマー部材の挿入方向は、前後いずれの方
向からでも挿入可能となり、挿入作業が容易に行える。
【0021】この場合、抜け止め部は、縮径前のすぐり
部の穴径よりも小径であれば、挿入作業を容易に行える
利点があるが、これに限らず、すぐり部の穴径と同径又
はわずかに大径に形成して圧入により挿入できる態様で
あってもよい。また、予備圧縮手段としては、外筒を半
径方向に絞り加工するか、又は薄肉の内筒の場合には、
内筒を拡径加工して、ゴム状弾性体を縮径する手法が例
示できる。
【0022】また、第4の抜け止め手段としては、低発
泡性樹脂エラストマー部材の軸方向中央部に形成された
抜け止め部と、すぐり部の軸方向中央部に抜け止め部を
係止可能に形成された凹部と、エラストマー部材をすぐ
り部に貫通した後、すぐり部を縮径する予備圧縮手段と
から構成すれば、すぐり部の軸方向両側に抜け止め部が
露出しないので、外観的にも優れている。
【0023】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1は第1の
実施形態を示す複合防振ブッシュの断面図、図2は同じ
くその左側面図、図3は低発泡性樹脂エラストマー部材
の側面図、図4は同じくその平面図である。
【0024】図示のごとく、本実施形態の防振ブッシュ
1は、サスペンションアームの連結部に取り付けられる
ものであって、車両ブラケット(図示略)にボルト等に
より取り付けられる内筒2と、この内筒2の周囲に配置
されサスペンションアームの連結筒(図示略)に内嵌さ
れる外筒3と、これら内外筒2、3の間に加硫接着され
たゴム状弾性体4と、このゴム状弾性体4に形成された
すぐり部5と、このすぐり部5に挿入された低発泡性の
ウレタンエラストマー部材6とを備えている。
【0025】内筒2は、筒状に形成された金属などの剛
性部材であって、内部に車両ブラケットに固定するため
のボルト貫通穴7が形成されている。
【0026】外筒3は、薄肉円筒状に形成された金属な
どの剛性部材であって、内筒の軸方向長さよりも短く形
成され、後述するウレタンエラストマー部材6の抜け止
め部が車両ブラケットと干渉しないようにされている。
また、外筒3は、その内面に加硫接着されるゴム状弾性
体4の耐久性を上げるために、ゴム状弾性体4の加硫接
着後、又はすぐり部5にウレタンエラストマー6を挿入
後に絞り加工が施されて縮径され、サスペンションアー
ムの連結筒に内嵌圧入される。
【0027】ゴム状弾性体4は、天然ゴム又は合成ゴム
からなり、内外筒2,3の間に介在されて両者を加硫接
着するものである。すぐり部5は、ゴム状弾性体4の内
筒2を挟んだ上下両側に軸方向に貫通形成されたもの
で、ゴム状弾性体4の半径方向において外筒3に接して
円弧状に形成されている。
【0028】低発泡性のウレタンエラストマー部材6
は、ゴム状弾性体4のすぐり部5に対して後付けするタ
イプのものであって、軸方向に長く形成され板厚がすぐ
り部5の半径方向幅よりも小に設定された板状部11
と、その軸方向後端側にすぐり部5の穴径(半径方向
幅)よりも厚肉大径の抜け止め部12と、内筒2に嵌合
するために、板状部11に連続する軸方向前端部14に
形成された長穴状の嵌合穴13とを備え、これらが一体
的に成形されている。これらのウレタンエラストマー部
材6は、内外筒2,3の加硫接着後に、一対のすぐり部
5に夫々圧入されて、すぐり部5からの抜けを防止する
構造となっている。
【0029】表1は、車両の減衰特性、特にゴツゴツ感
の解消と、良好な製品強度が得られるウレタンエラスト
マーについて、その発泡度と硬度をパラメータとして実
験を行った結果を示すものである。ウレタンエラストマ
ーの実施例1〜6として、比重0.2〜0.7、JIS
C硬度を20〜80の範囲で変えたものを用意し、ま
た、比較例1として比重0.1、硬度10度のものを、
比較例2として比重0.8、硬度90度のものを夫々用
意して、ゴツゴツ感及び製品強度について評価した。
【0030】
【表1】
【0031】表1の通り、比重0.2〜0.7のエラス
トマー部材の場合、ゴツゴツ感が解消され、また製品強
度としても合格レベルに達していた。さらに、比重0.
3〜0.6のエラストマー部材の場合、特に減衰特性に
優れていた。
【0032】これに対し、比較例1は高発泡性であり、
硬度も小さい(JISC10度)ため、ゴツゴツ感が解
消されず、製品強度も不合格であった。また、比較例2
は、発泡度が低く、また硬度も大(JISC90度)で
あったため、製品強度としては良好であるが、ゴツゴツ
感が解消されなかった。
【0033】なお、本実施の形態では、図3のごとく、
すぐり部5に圧入する板状部11と、嵌合穴13が形成
された前端部14とを同一肉厚に設定したが、これに限
らず、すぐり部5の半径方向幅及び要求特性に応じて、
板状部11の肉厚を厚くしてもよい。
【0034】[第2の実施形態]図5は第2の実施形態
を示す複合防振ブッシュの断面図である。この実施形態
の防振ブッシュ1は、ゴム状弾性体4の半径方向におい
て内筒2側に接してすぐり部5を形成し、このすぐり部
5にウレタンエラストマー部材6を挿入したもので、ウ
レタンエラストマー部材6は、ゴム状弾性体の加硫成形
時にインサート成形する手法を採用している。その他の
構成は図1及び図2に示す実施形態と同様である。
【0035】上記のように、内筒側2にすぐり部5を形
成した場合であっても上記外筒側にすぐり部5を形成し
た場合と同様な減衰特性及び製品強度を得ることができ
る。
【0036】[第3の実施形態]図6〜図8は第3の実
施形態を示すもので、図6(a)は絞り加工前の複合防
振ブッシュの側面図、同図(b)は同図(a)のA−A
断面図である。図7(a)はエラストマー部材の挿入後
に絞り加工した状態を示す複合防振ブッシュの側面図、
同図(b)は同図(a)のD−D断面図である。図8
(a)はエラストマー部材の平面図、(b)はその側面
図である。
【0037】図示のごとく、低発泡性のウレタンエラス
トマー部材6は、ゴム状弾性体4のすぐり部5に対して
後付けするタイプのものであって、板厚がすぐり部5の
半径方向幅よりも小に設定された板状部11と、その軸
方向前後両端部に形成された厚肉の抜け止め部21,2
2とを備えている。
【0038】そして、エラストマー部材6の一端側の抜
け止め部21をすぐり部5に貫通させた後、外筒3を半
径方向に絞り加工(又は薄肉の内筒の場合には内筒を拡
径加工)して、ゴム状弾性体4を縮径することで、すぐ
り部5を縮径させエラストマー部材6の抜け止めを図っ
ている。
【0039】本実施形態では、抜け止め部21,22の
肉厚が、縮径前のすぐり部5の穴径(半径方向幅)より
も小径に設定され、すぐり部5への挿入作業が容易に行
えるようになっている。また、外筒の絞り率は6〜7%
に設定され、これにより、抜け止め部21、22の肉厚
がすぐり部5の縮径後の穴径よりも大になるように設定
されている。
【0040】なお、本実施形態の場合、内筒の軽量化と
ばね特性の要求に応じて、内筒2の周囲にバルク状の合
成樹脂製筒材23が外嵌固定されている。また、ゴム状
弾性体4の軸方向端部には、車両ブラケットとの軸方向
当たりを規制するストッパゴム部25が突出されてい
る。その他の構成は、上記第1の実施形態と同様である
ため省略する。
【0041】上記構成においては、エラストマー部材6
の抜け止め部21,22の肉厚を縮径前のすぐり部5の
穴径(半径方向幅)よりも小径に設定しているので、エ
ラストマー部材6のすぐり部5への挿入作業を容易に行
える。この際、エラストマー部材6の挿入方向は、前後
いずれの方向からでも挿入可能となり作業の容易化が図
れる。
【0042】しかも、エラストマー部材6の挿入後は、
一般的に行われる絞り加工による予備圧縮を利用して、
すぐり部5を縮径してエラストマー部材6の抜け止め部
21,22の肉厚よりも小径にするため、エラストマー
部材6のすぐり部5からの抜け出しも防止できることに
なる。その他の作用は上記第1の実施形態と同様であ
る。
【0043】[第4の実施形態]図9は第4の実施形態
を示す複合防振ブッシュの断面図である。図示のごと
く、本実施形態では、低発泡性樹脂エラストマー部材6
の軸方向中央部に板状部20よりも肉厚の抜け止め部3
0が突出形成され、すぐり部5の軸方向中央部に抜け止
め部30を係止可能とする凹部31が形成され、エラス
トマー部材6をすぐり部5に貫通した後、すぐり部5を
縮径することによりエラストマー部材6のすぐり部5か
らの抜け止めを図っている。
【0044】本実施形態においても、第3の実施形態と
同様に、抜け止め部21,22の肉厚が、縮径前のすぐ
り部5の穴径(半径方向幅)よりも小径に設定され、す
ぐり部5への挿入作業が容易に行えるようになってい
る。凹部31の形成は、すぐり部5の中子に軸直角方向
に出退自在な凸部を設け、加硫成形後に凸部を中子に没
入させ、その後中子を軸方向に抜き出すようにすれば容
易に成形できる。なお、すぐり部5の縮径は外筒3の絞
り加工などによって行うが、その絞り率は第3の実施形
態と同様に6〜7%に設定し、これにより、抜け止め部
30が凹部31に係合して、すぐり部5から抜け出ない
ようにすればよい。
【0045】上記構成においては、第3の実施形態と異
なり、エラストマー部材6の抜け止め部がすぐり部5の
軸方向両側に露出しないので外観的にも優れた防振ブッ
シュを提供することができる。
【0046】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を
加えることができるのは勿論である。例えば、第3の実
施形態及び第4の実施形態において、エラストマー部材
の抜け止め部の肉厚(径)を縮径前のすぐり部5の穴径
(半径方向幅)よりも小径に設定したが、これに限ら
ず、すぐり部5の穴径と同径か又はわずかに大径に設定
して、すぐり部に圧入状態で挿入させるようにしてもよ
いことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、ゴム状弾性体のすぐり部に、ゴム状弾性体と異
質の低発泡性樹脂エラストマー部材を挿入したので、ゴ
ム状弾性体単独では得られない減衰特性が得られ、車両
でのショック感を解消してかつ耐久性も大幅に向上させ
ることができる。しかも、樹脂エラストマー部材に抜け
止め手段を講じたので、使用時におけるエラストマー部
材の抜け出しが防止できるといった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の複合防振ブッシュの断面図
【図2】同じくその左側面図
【図3】低発泡性樹脂エラストマー部材の側面図
【図4】同じくその平面図
【図5】他の実施の形態を示す複合防振ブッシュの断面
【図6】(a)は絞り加工前の複合防振ブッシュの側面
図、(b)は同図(a)のA−A断面図
【図7】(a)はエラストマー部材の挿入後に絞り加工
した状態を示す複合防振ブッシュの側面図、同図(b)
は同図(a)のD−D断面図
【図8】(a)はエラストマー部材の平面図、(b)は
その側面図
【図9】第4の実施形態を示す複合防振ブッシュの断面
【図10】(a)は従来例1の防振ブッシュの断面図、
(b)はその荷重−撓み線図
【図11】(a)は従来例2の防振ブッシュの断面図、
(b)はその荷重−撓み線図
【符号の説明】
1 防振ブッシュ 2 内筒 3 外筒 4 ゴム状弾性体 5 すぐり部 6 ウレタンエラストマー 11 板状部 12 抜け止め部 13 嵌合穴 14 前端部
フロントページの続き (72)発明者 大川 博用 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA02 BA19 BD02 BD05 DA10 EA17 3J059 AB11 AE01 AE10 BA42 BC05 BC11 BC19 GA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内外筒間のゴム状弾性体に軸方向に開口す
    るすぐり部が形成され、該すぐり部に前記ゴム状弾性体
    と異質な低発泡性樹脂エラストマー部材が挿入された複
    合防振ブッシュ。
  2. 【請求項2】低発泡性樹脂エラストマー部材が比重0.
    2〜0.7のウレタンエラストマーである請求項1記載
    の複合防振ブッシュ。
  3. 【請求項3】前記すぐり部が外筒に接して形成されたも
    のである請求項1記載の複合防振ブッシュ。
  4. 【請求項4】前記低発泡性樹脂エラストマー部材が前記
    ゴム状弾性体と別体で成形され、前記低発泡性樹脂エラ
    ストマー部材を前記すぐり部から抜け出すのを防止する
    抜け止め手段が設けられた請求項1,2又は3記載の複
    合防振ブッシュ。
  5. 【請求項5】前記抜け止め手段は、前記低発泡性樹脂エ
    ラストマー部材を前記すぐり部に圧入すべく、その板厚
    を前記すぐり部の穴径よりもわずかに大径に設定したこ
    とである請求項4記載の複合防振ブッシュ。
  6. 【請求項6】前記抜け止め手段は、前記軸方向に長い板
    状の低発泡性樹脂エラストマー部材の軸方向後端側に前
    記すぐり部の穴径よりも大径に形成された抜け止め部
    と、前記エラストマー部材の前端部に前記内筒に嵌合可
    能に形成された嵌合穴とを備えた請求項4又は5記載の
    複合防振ブッシュ。
  7. 【請求項7】前記抜け止め手段は、前記低発泡性樹脂エ
    ラストマー部材の軸方向前後端に形成された抜け止め部
    と、前記エラストマー部材をすぐり部に貫通した後、該
    すぐり部を前記抜け止め部よりも小径に縮径する予備圧
    縮手段とから構成された請求項4記載の複合防振ブッシ
    ュ。
  8. 【請求項8】前記抜け止め手段は、前記低発泡性樹脂エ
    ラストマー部材の軸方向中央部に形成された抜け止め部
    と、前記すぐり部の軸方向中央部に前記抜け止め部を係
    止可能に形成された凹部と、前記エラストマー部材をす
    ぐり部に貫通した後、該すぐり部を縮径する予備圧縮手
    段とから構成された請求項4記載の複合防振ブッシュ。
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