JP2001192957A - 積層板用不織布 - Google Patents

積層板用不織布

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JP2001192957A
JP2001192957A JP2000000070A JP2000000070A JP2001192957A JP 2001192957 A JP2001192957 A JP 2001192957A JP 2000000070 A JP2000000070 A JP 2000000070A JP 2000000070 A JP2000000070 A JP 2000000070A JP 2001192957 A JP2001192957 A JP 2001192957A
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nonwoven fabric
binder
resin
carboxy
epoxy resin
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JP2000000070A
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English (en)
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Hiroshi Shinozuka
啓 篠塚
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不織布の耐溶剤強度、プリント配線板としての
積層板状態における半田耐熱性をさらに改善すること。 【解決手段】繊維と繊維同士を結合するバインダーとか
らなる積層板用不織布であって、バインダーが主剤とし
てカルボキシ変性エポキシ樹脂、硬化剤としてオキサゾ
リン系反応性ポリマーおよびブロックイソシアネート樹
脂を主成分として構成される積層板用不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、電気絶縁性
を要求される積層板用不織布に関するものであり、さら
に詳しくはプリント配線板、絶縁板等に用いられる積層
板用不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 通常プリント配線板、絶縁板等に用い
る不織布は、ガラスやセラミックなどの無機繊維または
テトロンやアラミドやフッ素などの有機繊維を湿式法ま
たは乾式法でシート化し、このシートにバインダーを添
加し、乾燥、キュアーして不織布とする。バインダーと
しては、自己架橋性アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、
フェノール系樹脂、水溶性シリコーン樹脂等が考えられ
るが、積層板成形後の耐熱性や電気絶縁性の評価におい
ては、エポキシ系樹脂が良好な実績を持ち、この理由で
広く一般的に用いられている。
【0003】これらエポキシ系の不織布用バインダーの
一つとして、カルボキシ変性エポキシ樹脂がある。カル
ボキシ変性エポキシ樹脂の第一の特徴としては自己乳化
性があることであり、乳化剤を使用しないことから、電
気絶縁性に有利になる点である。第二の特徴としては、
硬化反応が非常に速いため、工場での工程上、即硬化性
が要求される不織布バインダー用途に向いている点であ
る。そこで不織布用バインダーとして、カルボキシ変性
エポキシ樹脂を使いたいという要望が強い。
【0004】またバインダー用カルボキシ変性エポキシ
樹脂の硬化剤としては、硬化速度の高いメラミン系樹脂
(アミノ樹脂に含まれる)をはじめ、この他脂肪族ポリ
アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ポリアミドアミ
ン、第1〜3アミン、アミノ樹脂、酸無水物、3フッ化ホ
ウ素錯化合物、メルカプタン、フェノール樹脂、ポリイ
ソシアネート、イミダゾール、ケチミン、ヒドラジド、
エポキシ系の樹脂などが使用可能である。
【0005】しかしながら、これらの硬化剤をカルボキ
シ変性エポキシ樹脂に用いて形成した不織布と、ガラス
クロス基材を、それぞれエポキシ樹脂ワニスをマトリッ
クスとして積層板に成形して比較すると、不織布の積層
板はガラスクロス基材の積層板に対して電気絶縁性で数
倍から数十倍の電気伝導性を示し、半田耐熱試験では、
かなり短時間の前処理(煮沸、PCTによる吸水処理)で、
デラミネーションやミーズリング等の膨れを生じるとい
う欠点を有していた。
【0006】この原因の一つとして、エポキシ樹脂中に
導入されている、親水性のカルボキシル基の残存が考え
られ、従来の硬化剤処方では、上記目標物性の達成は困
難であった。
【0007】そこで本発明者らは、積層板用不織布に用
いるバインダーに関して、主剤であるカルボキシ変性エ
ポキシ樹脂に対して、硬化剤にオキサゾリン系反応性ポ
リマーを用いることで、積層板形成後の耐熱性および電
気絶縁性を飛躍的に改善することに成功した。
【0008】しかし、この改善にも幾つかの問題があっ
た。第一に、主剤であるカルボキシ変性エポキシ樹脂に
対して、硬化剤にオキサゾリン系反応性ポリマーを用い
た場合、メラミン等を硬化剤とする場合よりもバインダ
ーの強度が若干低下する傾向があるという点である。し
たがって、次のプリプレグ製造の工程ではワニス連続含
浸時の耐溶剤強度が若干低く、連続含浸時にシートが切
れる危険があった。このため、不織布製品の扱いやすさ
の観点から、強度を高めるための何らかの手段が待たれ
ていた。
【0009】第二に、この構成のバインダーは、半田耐
熱試験で良好な成績を収めるにもかかわらず、依然とし
てバインダー樹脂の硬化物自体の吸水率は高いという点
である。樹脂中の水分は、半田耐熱試験時のデラミネー
ションやミーズリング等の膨れ破壊を発生させる根本的
な原因であり、また銅マイグレーション等の長期信頼試
験に関しても悪影響を及ぼす。このため、さらなる高性
能化のためには、バインダー樹脂自体の吸水率を低下さ
せる何らかの手段が必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、主剤
のカルボキシ変性エポキシ樹脂に対し、硬化剤としてオ
キサゾリン系反応性ポリマーを用いた積層板用不織布の
バインダーに関し、硬化剤を工夫することにより、不織
布の耐溶剤強度および、プリント配線板或いは絶縁板と
しての積層板状態における半田耐熱性をさらに改善する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は積層板用不
織布に用いるバインダーに関して、主剤であるカルボキ
シ変性エポキシ樹脂と硬化剤であるオキサゾリン系反応
性ポリマーの組み合わせに対し、さらに硬化剤としてブ
ロックイソシアネート樹脂を追加することで、不織布の
耐溶剤強度および、積層板形成後の積層板の半田耐熱性
が飛躍的に向上することを見出して、本発明に到達し
た。
【0012】本発明の第1の発明は、繊維と繊維同士を
結合するバインダーとからなる積層板用不織布であっ
て、バインダーが主剤としてカルボキシ変性エポキシ樹
脂、硬化剤としてオキサゾリン系反応性ポリマーおよび
ブロックイソシアネート樹脂を主成分として構成される
積層板用不織布に関するものである。 本発明の第2の
発明は、上記第1の発明においてバインダーのカルボキ
シ変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基のモル数と、オ
キサゾリン系反応性ポリマー中のオキサゾリン基のモル
数の割合が100:20〜100:100である積層板用不織布に関
するものである。
【0013】本発明の第3の発明は、上記第1又は第2
の発明においてバインダーのカルボキシ変性エポキシ樹
脂中の水酸基のモル数と、ブロックイソシアネート樹脂
中の再生イソシアネート基のモル数の割合が100:20〜10
0:150である積層板用不織布に関するものである。 本
発明の第4の発明は、上記第1〜第3のいづれかの発明
において積層板用不織布の構成が繊維80〜97重量%、バ
インダー20〜3重量%である積層板用不織布に関するもの
である。 本発明の第5の発明は、上記第1〜第4のい
づれかの発明に記載された積層板用不織布からつくられ
たプリント配線板または絶縁板に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、主体繊維同士を
結合するバインダーの主剤としては、不織布形成時に即
硬化性を発現し、かつ積層板成形後の耐熱性や電気絶縁
性の評価において一定レベルの特性を示す、カルボキシ
変性エポキシ樹脂を用いる。本発明におけるカルボキシ
変性エポキシ樹脂とは、主鎖のエポキシ樹脂にアクリル
系ビニル共重合体を導入し、このビニル共重合体にカル
ボキシル基が結合しているものをいい、アクリル変性エ
ポキシ樹脂、アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、カルボキシ変性ビスフェノールA型アクリレート
樹脂等を含む。カルボキシ変性エポキシ樹脂の状態はエ
マルジョンが一般的であるが、水溶液を用いても良い。
エマルジョンとしては、自己乳化タイプ、および乳化剤
を使用するタイプいずれでも良いが、自己乳化タイプが
電気特性的により好ましい。
【0015】本発明では第1の硬化剤成分として、オキ
サゾリン系反応性ポリマーを用いる。オキサゾリン系反
応性ポリマーは、主鎖のポリマー鎖(アクリル系、スチ
レン系など)にオキサゾリン基がグラフトされた分子構
造であり、カルボキシル基、酸無水物、芳香族チオール
基などと架橋反応またはグラフト反応する。硬化後は耐
水性、耐溶剤性、耐熱性、強度等が向上する。特にカル
ボキシル基との反応性は、他の硬化剤(エポキシ、メラ
ミン、ブロックイソシアネート等)と比較しても高い。
反応は次式のように等モルで進行し、80℃以上でアミド
エステル結合を形成するが、反応に伴う副生成物は発生
しない。
【0016】
【化1】
【0017】実際のカルボキシル基を有する水系樹脂と
の反応では、カルボキシル基がアミン中和してある場
合、オキサゾリン基がカルボン酸塩と反応しにくい性質
を利用して、アミンの種類(揮発性)を変えることで、
反応性をコントロールする事ができる。
【0018】本発明では2つ目の硬化剤成分として、ブ
ロックイソシアネート樹脂を用いる。ブロックイソシア
ネート樹脂の構造は、イソシアネート基をブロック剤で
マスクしたポリイソシアネート樹脂である。イソシアネ
ートとしてはHDI系(ヘキサメチレンジイソシアネー
ト等)、TDI系(トリレンジイソシアネート等)、X
DI系(キシリレンジイソシアネート等)、MDI系
(ジフェニルメタンジイソシアネート等)などがあり、
ブロック剤としてはオキシムやラクタム等が使用され
る。ブロックイソシアネート樹脂は120〜180℃程
度に加熱することにより、ブロック剤が解離してイソシ
アネート基が再生し(再生イソシアネート基)、水酸基
等の活性水素基に反応することでウレタン結合を生成
し、架橋構造を形成する。
【0019】
【化2】
【0020】本発明における硬化剤(架橋剤)と主剤の
重要な関係は、以下の通りである。即ち本発明で用いる
1つ目の硬化剤成分であるオキサゾリン系反応性ポリマ
ーは、主剤であるカルボキシ変性エポキシ樹脂のカルボ
キシル基と反応し架橋構造を形成し、2つ目の硬化剤成
分であるブロックイソシアネート樹脂は、主剤であるカ
ルボキシ変性エポキシ樹脂の水酸基と反応し架橋構造を
形成する。この結果、2種類の硬化剤成分と主剤の配合
比を適当に調整することによって、主剤であるカルボキ
シ変性エポキシ樹脂のもつ親水性官能基(カルボキシル
基と水酸基)の殆どすべてを架橋反応させることで封じ
ることが理論上可能となる。
【0021】従って、本発明者らが以前考案したカルボ
キシ変性エポキシ樹脂とオキサゾリン系反応性ポリマー
だけの構成によるバインダー樹脂と比較して、本発明の
バインダー樹脂は架橋密度が高くなるため、不織布自体
の高強度化が可能で、また親水性官能基が大幅に減少す
るため、積層板状態での吸水率が低下し、半田耐熱性が
向上するのである。
【0022】本発明における硬化剤として、オキサゾリ
ン系反応性ポリマー、ブロックイソシアネート樹脂とと
もに他の硬化剤を併用してもよい。他の併用硬化剤の可
能性としては、エポキシ基に反応するアミン系(反応後
水酸基が生じる)等や、水酸基に反応するメラミン系、
フェノール系、イソシアネート系、酸無水物等を用いる
ことが考えられ、その組み合わせによっては本発明バイ
ンダー樹脂の能力を更に引き上げる効果も期待できる
が、その他の硬化剤の使用も可能である。
【0023】本発明で用いる1つ目の硬化剤成分である
オキサゾリン系反応性ポリマーは、カルボキシ変性エポ
キシ樹脂中のカルボキシル基のモル数と、オキサゾリン
系反応性ポリマー中におけるオキサゾリン基のモル数の
割合が、100:20〜100:100になるようにカルボキシ変性
エポキシ樹脂と混合する。硬化剤に他の硬化剤を併用し
て用いる場合においても、上記のモル比とすることが好
ましい。
【0024】オキサゾリン系硬化剤のオキサゾリン基の
モル数の割合が下限に満たないと、未反応のカルボキシ
ル基が残るため、本発明の耐熱性向上に関する効果が減
少し好ましくない。また上限を超えると、オキサゾリン
系反応性ポリマーの骨格成分であるアクリル鎖がバイン
ダー樹脂中に相対的に多くなり、エポキシ鎖が相対的に
減少することから、バインダー樹脂の主鎖自体の耐熱性
が低下し好ましくない。なお、オキサゾリン基自体は親
水性ではないが、上限を超えて多く混合してもプリプレ
グ作成、プレス工程においてマトリックス樹脂との反応
が殆ど期待できないので、バインダー樹脂とマトリック
ス樹脂の界面接着強度アップに関して効果は殆ど期待で
きない。
【0025】本発明で用いる2つ目の硬化剤成分である
ブロックイソシアネート樹脂は、カルボキシ変性エポキ
シ樹脂中の水酸基のモル数と、ブロックイソシアネート
樹脂中における再生イソシアネート基のモル数の割合
が、100:20〜100:150になるようにカルボキシ変性エポ
キシ樹脂と混合する。硬化剤として他の硬化剤を併用し
て用いる場合においても、上記のモル比とすることが好
ましい。
【0026】ブロックイソシアネート樹脂中の再生イソ
シアネート基のモル数の割合が下限に満たないと、未反
応の水酸基が残るため本発明の耐熱性向上に関する効果
が減少し好ましくない。また上限を超えると、ブロック
イソシアネート樹脂の骨格成分であるポリイソシアネー
トがバインダー樹脂中に相対的に多くなり、エポキシ鎖
が相対的に減少することから、バインダー樹脂の主鎖自
体の耐熱性が低下し好ましくない。なお、カルボキシ変
性エポキシ樹脂中の水酸基のモル数と再生イソシアネー
ト基のモル数の割合が100:100〜100:150の場合は、マト
リックス樹脂にビスフェノールA型エポキシ樹脂等の水
酸基を持つものを使用したとき、プリプレグ作成、プレ
ス工程においてマトリックス樹脂中の水酸基とバインダ
ー樹脂中の再生イソシアネート基が反応するので、バイ
ンダー樹脂とマトリックス樹脂の界面接着強度向上の効
果が期待できる。
【0027】本発明においては、必要に応じてバインダ
ーにカップリング剤、硬化促進剤等を適量添加して用い
ると効果的である。特にガラス繊維を用いる不織布の場
合は、シランカップリング剤が効果的であり、半田耐熱
性および電気絶縁性が向上する。またオキサゾリン系反
応性ポリマーにアミン系の硬化剤を併用する場合、フェ
ノール、クレゾール、サリチル酸等の硬化促進剤を用い
ると反応性が向上し、硬化速度向上の必要がある場合に
特に有効である。
【0028】本発明で使用する繊維としては、有機系ま
たは無機系から選ばれたチョップドストランド、カット
ファイバー、パルプ、ステープル等が用いられる。繊維
の種類は1種類でも良いし、多種類のブレンドでも良
い。繊維の成分は各種ガラス繊維、各種合成高分子繊
維、無機繊維等のいずれでもよいが、電気絶縁材料に使
用可能な絶縁性を有し、かつその融点は半田耐熱温度
(260℃)より高い300℃程度以上であることが必要であ
る。
【0029】具体的には、電器絶縁用Eガラス、セラミ
ック、パラ系アラミド、メタ系アラミド、PEEK(ポ
リエーテルエーテルケトン)、PPO(ポリフェニレン
オキサイド)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミ
ドイミド)、PPS(ポリパラフェニレンサルファイ
ド)、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール)、液晶ポリエステル等の繊維が該当するが、これ
に限定するものではない。
【0030】本発明において、繊維は全体の構成要素と
して80〜97重量%含有、バインダー樹脂は全体の構成要
素として20〜3重量%含有するように配合する。本発明に
おいてバインダー樹脂はカルボキシ変性エポキシ樹脂、
オキサゾリン系反応性ポリマー、ブロックイソシアネー
ト樹脂より構成され、必要に応じ併用硬化剤、カップリ
ング剤、硬化促進剤等を加えたものである。バインダー
樹脂が3重量%に満たないと不織布の強度が低下し、エポ
キシワニスを含浸してプリプレグとする工程で紙切れ等
の不都合を生じたり、不織布表面にケバが発生したりし
て好ましくない。またバインダー樹脂が20重量%を超え
ると、不織布のしなやかさが失われるなどの不都合が生
じる。
【0031】本発明における不織布の形成方法は特に限
定せず、湿式法または乾式法のいずれの方法を用いても
よいが、より高密度の基材とするためには湿式法を採用
するのがよい。
【0032】シート化した不織布にバインダーを添加す
る方法は、スプレーして散布する方法、シート化した不
織布をバインダー液に含浸する方法、シート化した不織
布にバインダー液をコートする方法等があり、またそれ
らの方法の組み合わせでもよい。バインダー添加後、熱
風やドラムドライヤーなどにより乾燥、硬化させる。
【0033】以上のようにして作成した不織布基材を、
マトリックスの樹脂ワニスに含浸する。樹脂にはエポキ
シ樹脂を用いるのが通常であるが、PPE(PPO)樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂なども使用できる。ワニ
ス濃度は適宜調製し、含浸で付いた余剰分はローラーで
挟んで落とすか、或いはワニス粘度が低い場合には不織
布ごと縦に吊るして重力で落とし、必要量を不織布中に
残すようにする。ワニスを含浸した不織布を130〜160℃
程度の条件下で乾燥キュアーし、Bステージにしてプリ
プレグとする。このプリプレグを数枚積層し(プリント
配線板の場合は表面に銅箔を重ねる)、150〜220℃程度
で加圧しながら熱成形して絶縁版またはプリント配線板
を得る。
【0034】
【実施例】次に本発明を以下の実施例にしたがって具体
的に説明する。
【0035】実施例1 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
95重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとオキサゾリ
ン系反応性ポリマー(日本触媒製、WS-500、水溶
液タイプ)とブロックイソシアネート樹脂(大日本イン
キ製、CR-62B、エマルジョンタイプ)およびジア
ミノシランカップリング剤を有効成分重量比63:1
6:20:1で混合したバインダー液を作成し(カルボ
キシル基:オキサゾリン基=100:100、水酸基:
再生イソシアネート基=100:100)、対不織布有
効固形分5重量%となるようスプレー法でこのシートに
散布し、160℃で15分間乾燥・キュアして目付80
g/m2の不織布を得た。この不織布の構成を表1、紙
質を表2に示す。この不織布にエポキシ樹脂ワニスを含
浸して余剰分を取り除き、140℃で5分間乾燥・熱硬
化してプリプレグとした。次に、このプリプレグを4枚
積層して180℃で1時間熱プレスにより硬化し、厚さ
0.6mmの積層板を得た。この積層板について半田耐熱
性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0036】実施例2 コポリパラフェニレン・3,4' オキシジフェニレン・
テレフタラミド(パラ系アラミド樹脂)のチョップドス
トランド(帝人株式会社製、繊維径φ12μm、繊維長
3mm )を85重量%(対不織布)湿式法でシート化
した。一方、カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョン
とオキサゾリン系反応性ポリマー(日本触媒製、WS-
500、水溶液タイプ)とブロックイソシアネート樹脂
(大日本インキ製、CR-62B、エマルジョンタイ
プ)を有効成分重量比68:8:24で混合したバイン
ダー液を作成し(カルボキシル基:オキサゾリン基=1
00:50、水酸基:再生イソシアネート基=100:
120)、対不織布有効固形分15重量%となるようス
プレー法でこのシートに散布し、160℃で15分間乾
燥・キュアして目付80g/m2の不織布を得た。この
不織布の構成を表1、紙質を表2に示す。以下実施例1
と同様にしてプリプレグを作成し、同様に評価した。結
果を表3に示す。
【0037】実施例3 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
90重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとオキサゾリ
ン系反応性ポリマー(日本触媒製、WS-500、水溶
液タイプ)とブロックイソシアネート樹脂(大日本イン
キ製、CR-62B、エマルジョンタイプ)およびジア
ミノシランカップリング剤を有効成分重量比77:1
2:10:1で混合したバインダー液を作成し(カルボ
キシル基:オキサゾリン基=100:80、水酸基:再
生イソシアネート基=100:50)、対不織布有効固
形分10重量%となるようスプレー法でこのシートに散
布し、160℃で15分間乾燥・キュアして目付80g
/m2の不織布を得た。この不織布の構成を表1、紙質
を表2に示す。以下実施例1と同様にしてプリプレグを
作成し、同様に評価した。結果を表3に示す。
【0038】比較例1 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
95重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとメチロール
メラミン系硬化剤(水溶液)とジアミノシランカップリ
ング剤を有効成分重量比72:27:1で混合したバイ
ンダー液を作成し、対不織布有効固形分5重量%となる
ようスプレー法でこのシートに散布し、160℃で15
分間乾燥・キュアして目付80g/m2の不織布を得
た。この不織布の構成を表1、紙質を表2に示す。以下
実施例1と同様にしてプリプレグを作成し、同様に評価
した。結果を表3に示す。
【0039】比較例2 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
90重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとポリエーテ
ルジアミン硬化剤(活性水素当量58)とジアミノシラ
ンカップリング剤を有効成分重量比86:13:1で混
合したバインダー液を作成し、対不織布有効固形分10
重量%となるようスプレー法でこのシートに散布し、1
60℃で15分間乾燥・キュアして目付80g/m2
不織布を得た。この不織布の構成を表1、紙質を表2に
示す。以下実施例1と同様にしてプリプレグを作成し、
同様に評価した。結果を表3に示す。
【0040】比較例3 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
90重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとオキサゾリ
ン系反応性ポリマー(日本触媒製、WS-500、水溶
液タイプ)とジアミノシランカップリング剤を有効成分
重量比84:15:1で混合したバインダー液を作成し
(カルボキシル基:オキサゾリン基=100:95、水
酸基:再生イソシアネート基=100:0)、対不織布
有効固形分10重量%となるようスプレー法でこのシー
トに散布し、160℃で15分間乾燥・キュアして目付
80g/m2の不織布を得た。この不織布の構成を表
1、紙質を表2に示す。以下実施例1と同様にしてプリ
プレグを作成し、同様に評価した。結果を表3に示す。
【0041】比較例4 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13mm)を
90重量%(対不織布)湿式法でシート化した。一方、
カルボキシ変性エポキシ樹脂エマルジョンとブロックイ
ソシアネート樹脂(大日本インキ製、CR-62B、エ
マルジョンタイプ)およびジアミノシランカップリング
剤を有効成分重量比79:20:1で混合したバインダ
ー液を作成し(カルボキシル基:オキサゾリン基=10
0:0、水酸基:再生イソシアネート基=100:10
0)、対不織布有効固形分10重量%となるようスプレ
ー法でこのシートに散布し、160℃で15分間乾燥・
キュアして目付80g/m2の不織布を得た。この不織
布の構成を表1、紙質を表2に示す。以下実施例1と同
様にしてプリプレグを作成し、同様に評価した。結果を
表3に示す。
【0042】
【測定方法及び評価方法】官能基比率:バインダー樹脂
の反応性官能基量の比である。 不織布の耐溶剤強度(kgf/15mm):アセトン中に5分浸
漬後、測定した引っ張り強度である。スパンは100mm、
引張り速度は10mm/minである。 積層板の耐熱性試験:積層板に煮沸処理およびプレッシ
ャークッカー(121℃、2気圧)処理による吸水処理を施
し、JIS C-6481に定める半田耐熱試験(260℃、20秒間
浸漬)後に発生する膨れの状況を評価した。 評価基準 n=3で欠点ゼロを3点、欠点少数を2点、
欠点多数を1点、全面に欠点発生を0点として、その合
計点を評価点とする。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明による積層板用不織布は、不織布
としての耐溶剤強度を向上させつつ、積層板状態におけ
る吸水処理後での半田耐熱性が非常に優れる特徴を持
つ。これは、バインダー樹脂の主剤であるカルボキシ変
性エポキシ樹脂の構造中に存在するカルボキシル基に対
してオキサゾリン系反応性ポリマーを架橋させ、水酸基
に対してブロックイソシアネート樹脂を架橋させたため
である。本発明によるこの架橋構造が形成されることに
よって、バインダー樹脂自体の強度が向上して不織布強
度(耐溶剤強度)が向上し、ワニス含浸工程での操作性
が大幅に安定した。かつ、架橋構造によってバインダー
樹脂中の親水基が減少するため吸水率が低下し、半田耐
熱試験時において積層板中にミーズリングやブリスター
状の膨れによる破壊が発生するのを大幅に低減できた。
また、バインダー樹脂表面にイソシアネートの反応性活
性基を残存させることで、バインダー樹脂とマトリクス
樹脂の界面の結合力を向上させることが可能である。こ
の結果、半田耐熱試験時における脱水応力に十分対抗で
きる樹脂強度(特に最も弱いと考えられるバインダー樹
脂とマトリクス樹脂の界面接着強度)が得られ、積層板
中にミーズリングやブリスター状の膨れによる破壊が発
生するのをさらに低減することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 179/04 C09J 179/04 A Fターム(参考) 4F072 AB02 AB04 AB05 AB06 AB08 AB09 AB29 AC06 AC08 AD23 AE01 AG03 AH02 AH22 AL13 4F100 AB17B AG00 AK31A AK31H AK47 AK51A AK51H AK53A AL06A BA02 CA02A DG15A DH01A EJ82A GB43 JB07 JB20 JG04 JJ03 JK01 JK06 YY00A YY00H 4J040 EC311 EF151 EF332 EF351 EH022 GA07 KA16 LA07 LA08 LA09 MB02 NA11 NA20 4L047 AA05 BC09 BC12 CC16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維と繊維同士を結合するバインダーとか
    らなる積層板用不織布であって、バインダーが主剤とし
    てカルボキシ変性エポキシ樹脂、硬化剤としてオキサゾ
    リン系反応性ポリマーおよびブロックイソシアネート樹
    脂を主成分として構成される積層板用不織布。
  2. 【請求項2】バインダーのカルボキシ変性エポキシ樹脂
    中のカルボキシル基のモル数と、オキサゾリン系反応性
    ポリマー中のオキサゾリン基のモル数の割合が100:20〜
    100:100である請求項1に記載された積層板用不織布。
  3. 【請求項3】バインダーのカルボキシ変性エポキシ樹脂
    中の水酸基のモル数と、ブロックイソシアネート樹脂中
    の再生イソシアネート基のモル数の割合が100:20〜100:
    150である請求項1又は2に記載された積層板用不織
    布。
  4. 【請求項4】積層板用不織布の構成が繊維80〜97重量
    %、バインダー20〜3重量%である請求項1〜3のいづれ
    かに記載された積層板用不織布。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載された積層
    板用不織布からつくられたプリント配線板または絶縁
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004300617A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Dainippon Ink & Chem Inc 繊維バインダー用熱硬化性樹脂組成物水分散体およびその製造方法

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