JPH10182857A - プリプレグ及び積層板 - Google Patents
プリプレグ及び積層板Info
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- JPH10182857A JPH10182857A JP34420896A JP34420896A JPH10182857A JP H10182857 A JPH10182857 A JP H10182857A JP 34420896 A JP34420896 A JP 34420896A JP 34420896 A JP34420896 A JP 34420896A JP H10182857 A JPH10182857 A JP H10182857A
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- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/0366—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
Abstract
製造することができ、また吸湿特性の高い積層板を形成
することができるプリプレグを提供する。 【解決手段】 全芳香族ポリエステル繊維で形成される
不織布に樹脂を含浸させて得られるプリプレグに関す
る。引張強度が2.5kg/cm以上で、樹脂バインダ
ー量が全体の15重量%以下である不織布を用いる。不
織布の引張強度を2.5kgf/cm以上にすることに
よって、不織布に樹脂を含浸させる際にかかる力で不織
布が破損しないようにすることなどができる。また不織
布の樹脂バインダー量を15重量%以下にすることによ
って、樹脂バインダーによる吸湿を低減することができ
る。
Description
の製造に用いられるプリプレグ、及びこのプリプレグで
形成される積層板に関するものである。
張積層板としては、ガラス布の基材にエポキシ樹脂を含
浸してプリプレグを形成し、このプリプレグを積層して
製造されるガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板が主流
となっているが、最近では積層板の軽量化、低誘電率
化、レーザー加工性の向上などの要望から、有機繊維を
用いて基材を形成することが行なわれている。ここで使
用される有機繊維としては、有機繊維の中でもとりわけ
吸湿率が小さくほぼ0の全芳香族ポリエステル繊維が好
ましく、このような吸湿率の小さい全芳香族ポリエステ
ル繊維で基材を形成することによって、積層板(プリン
ト配線板)の吸湿時の特性の劣化が少なくなるのであ
る。
に対する要求は著しく厳しくなっており、スルーホール
などの孔の小径化、回路パターンのファイン化などに対
応することは必須となっている。従って積層板の基材に
は均一性が高いレベルで要求されており、このために繊
維長が短く且つ繊維径が小さい繊維を用いて形成される
地合いの良い不織布を基材として用いることが行なわれ
ている。そして一般的に短繊維を用いた不織布を形成す
るにあたっては、湿式製法と呼ばれる方法が採用されて
いる。
される不織布を基材とした場合、プリプレグを形成する
際の樹脂含浸時における不織布の引張強度が問題とな
る。不織布の強度を確保するためには樹脂バインダーを
増量して加熱重合させる方法が一般的であるが、不織布
に含まれる樹脂バインダーの量が少ない場合、特に常態
での引張強度が2.5kg/cm未満のような不織布の
場合、不織布にかかる張力等による劣化が著しく、樹脂
の連続含浸が行なえなくてプリプレグを製造することが
できないという問題があった。また樹脂含浸時の劣化を
防ぐために樹脂バインダーの量を多くすると、樹脂バイ
ンダーの大きな吸湿性のために吸湿率の小さい全芳香族
ポリエステル繊維を用いても不織布の吸湿率が大きくな
り、従ってこの不織布を基材とした積層板(プリント配
線板)の吸湿特性(吸湿時の高周波特性や吸湿時の耐熱
性)が低くなるという問題があった。
あり、不織布に樹脂を連続含浸させることによって製造
することができ、また吸湿特性の高い積層板を形成する
ことができるプリプレグを提供することを目的とするも
のである。本発明は、吸湿特性の高い積層板を提供する
ことを目的とするものである。
のプリプレグは、全芳香族ポリエステル繊維で形成され
る不織布に樹脂を含浸させて得られるプリプレグにおい
て、引張強度が2.5kg/cm以上で、樹脂バインダ
ー量が全体の15重量%以下である不織布を用いて成る
ことを特徴とするものである。
は、請求項1の構成に加えて、p−ヒドロキシ安息香酸
と2−ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸の共重合
体で構成される全芳香族ポリエステル繊維を用いて不織
布を形成して成ることを特徴とするものである。また本
発明の請求項3に記載のプリプレグは、請求項1又は2
の構成に加えて、熱変形温度が異なる二種類以上の全芳
香族ポリエステル繊維を用いると共に熱カレンダーを施
して不織布を形成して成ることを特徴とするものであ
る。
は、請求項3の構成に加えて、熱変形温度の低い方の全
芳香族ポリエステル繊維を全繊維量に対して30〜70
重量%含有させて不織布を形成して成ることを特徴とす
るものである。また本発明の請求項5に記載のプリプレ
グは、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、繊維
長が3〜12mmで繊維径が1〜10dpfの全芳香族
ポリエステル繊維を全繊維量に対して90重量%以上含
有させた不織布を用いて成ることを特徴とするものであ
る。
は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、熱カレ
ンダーの後に無圧下で加熱処理を施して不織布を形成し
て成ることを特徴とするものである。また本発明の請求
項7に記載のプリプレグは、請求項1乃至6のいずれか
の構成に加えて、150〜280℃の温度で30〜15
0kg/cmの線圧で熱カレンダーを施し、この後、2
00〜320℃の温度で5〜30分間の無圧下で加熱処
理を施して不織布を形成して成ることを特徴とするもの
である。
は、請求項1乃至7のいずれかの構成に加えて、樹脂と
してエポキシ樹脂を用いて成ることを特徴とするもので
ある。本発明の請求項9に記載の積層板は、請求項1乃
至8のいずれかに記載のプリプレグと金属箔とを積層成
形して成ることを特徴とするものである。
する。全芳香族ポリエステル繊維は、芳香族ポリエステ
ル繊維のうち主鎖中に脂肪族炭化水素を有さないもので
あり、例えば芳香族ジカルボン酸と芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸の少なくとも一方と芳香族ジオールとを適宜組
み合わせて重合させて得られるものを使用することがで
き、特にp−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシナフ
タレン−2−カルボン酸の共重合体、もしくはp−ヒド
ロキシ安息香酸とテレフタル酸と4,4’−ジヒドロキ
シビフェニルとの共重合体などが、低吸湿性、強度、電
気絶縁性、耐熱性等の特性に優れており好ましい。
織布を形成する一つの方法としては、熱カレンダーで熱
変形する全芳香族ポリエステル繊維を少なくとも一種類
用いて、熱変形温度が異なる複数種の全芳香族ポリエス
テル繊維を短くカットして混合し、この全芳香族ポリエ
ステル繊維を水に分散してスラリーを調製し、これに樹
脂バインダーを添加した後、進行する抄造ベルト等に連
続的に抄造して乾燥することによってシート状の集合体
を形成し、この後、集合体を一対のロール間に挟んで熱
カレンダーを施すものである。熱カレンダーで熱変形す
る全芳香族ポリエステル繊維としては、熱変形温度が3
00℃以下のものを用いるのが好ましい。また樹脂バイ
ンダーとしては、水溶性の熱硬化性樹脂を用いることが
でき、水溶性メラミン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶
性フェノール樹脂などを例示することができる。
ステル繊維は全芳香族ポリエステル繊維の全量に対して
30〜70重量%含有させることができる。熱変形する
全芳香族ポリエステル繊維の割合が30重量%未満であ
れば、樹脂バインダー的な役割を持たせる全芳香族ポリ
エステル繊維が少な過ぎて、不織布の引張強度が低下す
る恐れがある。また熱変形する全芳香族ポリエステル繊
維の割合が70重量%を超えると、熱変形する全芳香族
ポリエステル繊維が多過ぎて、プリプレグを形成する際
の樹脂含浸性が著しく損なわれる恐れがある。
ステル繊維の種類によって異なるが、温度は150〜2
80℃、線圧は30〜150kg/cm(あるいはkg
f/cm)にするのが好ましく、これらの条件を調整す
ることによって所望の密度及び厚みの不織布を得ること
ができる。上記熱カレンダー工程において、温度が低過
ぎると、樹脂バインダーと全芳香族ポリエステル繊維の
密着が十分に行なわれず、不織布の強度が低下する恐れ
があり、また温度が高過ぎると、全芳香族ポリエステル
繊維の変形が過度に行なわれ、プリプレグを形成する際
の樹脂の含浸性が低下する恐れがある。さらに上記熱カ
レンダー工程において、圧力が低過ぎると、樹脂バイン
ダーと全芳香族ポリエステル繊維の密着が十分に行なわ
れず、不織布の強度が低下する恐れがあり、また圧力が
高過ぎると、全芳香族ポリエステル繊維の変形が著しく
進行して、プリプレグを形成する際の樹脂の含浸性が低
下する恐れがある。
ポリエステル繊維を用いることによって、熱カレンダー
で熱変形した全芳香族ポリエステル繊維に樹脂バインダ
ー的な役割、つまり繊維を密着させる役割を持たせるこ
とができ、樹脂バインダー量を全体の2〜15重量%と
低くしても常態での抄造方向の引張強度が2.5kg/
cm(あるいはkgf/cm)以上の不織布を形成する
ことができる。尚、引張強度は高ければ高いほど好まし
いので上限は特に設定されないが、実用上、5.0kg
/cmを超える引張強度は不要である。
て不織布を形成する他の方法としては、全芳香族ポリエ
ステル繊維を短くカットして水に分散してスラリーを調
製し、これに樹脂バインダーを添加した後、進行する抄
造ベルト等に連続的に抄造して乾燥することによってシ
ート状の集合体を形成し、この後、集合体を一対のロー
ル間に挟んで上記と同様の熱カレンダーを施し、この後
さらに無圧下で加熱処理を集合体に施すものである。
200〜320℃、時間が5〜30分の無圧下で行なう
ことができる。温度が200℃よりも低くかったり時間
が5分よりも短かったりすると、樹脂バインダーや全芳
香族ポリエステル繊維の重合度を高めることができず、
不織布の引張強度が小さくなる恐れがある、また温度が
320℃よりも高かったり時間が30分よりも長かった
りと、加熱処理に使うエネルギーが多くなったり生産性
が低下したりして経済的に不利となる恐れがある。
て、集合体中の樹脂バインダーの重合度を高めることが
できると共に全芳香族ポリエステル繊維の重合度を高め
て芳香族ポリエステル繊維の強度を大きくすることがで
き、樹脂バインダー量を全体の1〜15重量%と低くて
も常態での抄造方向の引張強度が2.5kg/cm以上
の不織布を形成することができる。尚、引張強度は高け
れば高いほど好ましいので上限は特に設定されないが、
実用上、5.0kg/cmを超える引張強度は不要であ
る。
いて不織布を形成する他の方法としては、上記二つの方
法を併用したものであって、熱カレンダーで熱変形する
全芳香族ポリエステル繊維を少なくとも一種類用いて、
熱変形温度が異なる複数種の全芳香族ポリエステル繊維
を短くカットして混合し、この全芳香族ポリエステル繊
維を水に分散してスラリーを調製し、これに樹脂バイン
ダーを添加した後、進行する抄造ベルト等に連続的に抄
造して乾燥することによってシート状の集合体を形成
し、この後、集合体を一対のロール間に挟んで熱カレン
ダーを施し、この後さらに無圧下で加熱処理を集合体に
施すものである。温度条件等の製造条件は上記と同様に
設定することができる。
って、集合体中の樹脂バインダーの重合度を高めること
ができると共に全芳香族ポリエステル繊維の重合度、特
に熱変形温度の低い方の全芳香族ポリエステル繊維の重
合度を高めてこの全芳香族ポリエステル繊維の強度を大
きくすることができ、樹脂バインダー量が全体の1〜1
5重量%と低くても常態での抄造方向の引張強度が2.
5kg/cm以上の不織布を形成することができる。
尚、引張強度は高ければ高いほど好ましいので上限は特
に設定されないが、実用上、5.0kg/cmを超える
引張強度は不要である。
る場合、積層板にレーザー加工で孔を形成することがあ
るが、孔の形状は不織布の地合いに大きく影響される。
そこで不織布には、繊維長が3〜12mmで繊維径が1
〜10dpfの全芳香族ポリエステル繊維を90重量%
以上含有させるのが好ましい。またこのような繊維長及
び繊維径を有する全芳香族ポリエステル繊維のみで不織
布を形成してもよく、従って上限は100重量%であ
る。
てこれに樹脂を含浸させるさせることによって、プリプ
レグを形成することができる。樹脂としては熱硬化性樹
脂や熱硬化性樹脂を使用することができるが、安価で接
着性が良好なエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。熱硬
化性樹脂を用いてプリプレグを形成するにあたっては、
熱硬化性樹脂を溶解させた樹脂ワニス中に不織布を通過
させた後、縦型ドライヤー等の乾燥機に通して加熱乾燥
工程を行い、この加熱で溶媒を除去すると共に熱硬化性
樹脂をBステージ化するようにして行なうことができ
る。またプリプレグは、例えば樹脂ワニスを通過した直
後の不織布を二本のロール間に通過させ、このロール間
の間隙を任意に調整することによって所望の樹脂含有量
に調整することができる。
kg/cm以上の不織布を基材として用いるので、樹脂
含浸時等のプリプレグの製造工程でかかる力で不織布が
破損しないないようにすることができ、基材に熱硬化性
樹脂を連続含浸させることによって製造することができ
るものである。本発明の積層板は、上記のようにして得
られたプリプレグを複数枚積層し、この片面あるいは両
面に銅箔等の金属箔を重ねて加熱加圧して形成されるも
のである。この際の加熱加圧条件は、プリプレグの樹脂
の種類によって異なるが、エポキシ樹脂の場合では例え
ば温度を170〜200℃前後、圧力を10〜50kg
/cm2 、最高温度での保持時間を50〜120分にそ
れぞれ設定することができる。
の非常に小さい全芳香族ポリエステル繊維を用いると共
に樹脂バインダー量を15重量%以下にして不織布を形
成し、これに樹脂を含浸させてプリプレグを作成し、こ
のプリプレグを積層して形成されているので、吸湿率を
小さくすることができ、吸湿性、高周波特性、耐熱性が
高い積層板やプリント配線板を形成することができるも
のである。アラミド繊維よりも吸湿率の非常に小さい全
芳香族ポリエステル繊維で不織布を形成し、吸湿率を小
さくすることができ、吸湿特性(吸湿時における耐熱性
や高周波特性など)を高くすることができる。
繊維「ベクトランHT」(p−ヒドロキシ安息香酸と2
−ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸の共重合体で
熱変形温度が320℃付近、繊維長5mm、繊維径5d
pf)と、株式会社クラレ製の全芳香族ポリエステル繊
維「ベクトランNT」(p−ヒドロキシ安息香酸と2−
ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸の共重合体で熱
変形温度が270℃付近、繊維長5mm、繊維径5dp
f)を表1の割合で混合し、これを水に分散させると共
に樹脂バインダーとして水溶性エポキシ樹脂を繊維に対
して5重量%添加してスラリーを調製し、このスラリー
を抄造してシート状の集合体を形成すると共に集合体を
加熱乾燥し、この後、温度200℃、線圧100kg/
cmの熱カレンダーを施して不織布を形成した。
(東都化成株式会社製、品番YDCN−220)を10
重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都
化成株式会社製、品番YDB−500K)を3重量部、
硬化剤としてジシアンジアミドを0.5重量部、硬化促
進剤としてベンジルジメチルアミンを0.2重量部、溶
剤としてメチルエチルケトンを50重量部それぞれ配合
してエポキシ樹脂ワニスを調製した。
に連続塗工して含浸させ、160℃で7分間加熱するこ
とによって、樹脂含有量(樹脂量)が55重量%のプリ
プレグを得た。このプリプレグを8枚重ね合わせ、その
両側にそれぞれ厚み35μmの銅箔を重ね、これを18
0℃、40kg/cm2 、90分の条件で加熱加圧成形
することによって、厚み0.8mmの両面銅張積層板を
得た。
の条件でプリプレグ1枚重ねの厚み0.1mmの両面銅
張積層板を得た。 (実施例2)ポリフェニレンオキサイド(日本GE株式
会社製「ノリルPX9701」)を30重量部と、スチ
レン・ブタジエン・ブロックコポリマー(旭化成工業株
式会社製「ソルプレンT406」を5重量部と、架橋性
モノマーとしてトリアリルイソシアヌレート(日本化成
株式会社製「TAIC」)を35重量部と、反応開始剤
として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン(日本油脂株式会社製「PH25
B」)を1重量部とを配合し、これに溶剤としてトリク
ロロエチレンを70重量部添加して混合することによっ
て、ポリフェニレンオキサイド樹脂ワニスを調製した。
ニスを実施例1と同様の不織布に連続塗工して含浸さ
せ、実施例1と同様にして両面銅張積層板とレーザ加工
性評価用の両面銅張積層板を得た。 (実施例3)住友化学工業株式会社製の全芳香族ポリエ
ステル繊維「エコノール」(p−ヒドロキシ安息香酸と
テレフタル酸と4,4’−ジヒドロキシビフェニルとの
共重合体で熱変形温度が300℃以上、繊維長5mm、
繊維径5dpf)を水に分散させると共に樹脂バインダ
ーとして水溶性エポキシ樹脂を繊維に対して12重量%
添加してスラリーを調製し、このスラリーを抄造してシ
ート状の集合体を形成すると共に集合体を加熱乾燥し、
この後、温度200℃、線圧100kg/cmの熱カレ
ンダーを施し、この後、無圧下で250℃、20分間の
加熱処理を施して不織布を形成した。
シ樹脂ワニスを用いてプリプレグを実施例1と同様にし
て形成し、このプリプレグを用いて実施例1と同様にし
て両面銅張積層板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層
板を得た。 (実施例4)全芳香族ポリエステル繊維「エコノール」
の代わりに、実施例1に示す株式会社クラレ製の全芳香
族ポリエステル繊維「ベクトランHT」を用いた以外は
実施例3と同様にして両面銅張積層板とレーザ加工性評
価用の両面銅張積層板を得た。
表1のように変更した以外は実施例4と同様にして両面
銅張積層板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層板を得
た。 (実施例6)二種類の全芳香族ポリエステル繊維の配合
割合と樹脂バインダー量を表1のように変更した以外は
実施例1と同様にして両面銅張積層板とレーザ加工性評
価用の両面銅張積層板を得た。
芳香族ポリエステル繊維を表1の割合で混合し、これを
水に分散させると共に樹脂バインダーとして水溶性エポ
キシ樹脂を繊維に対して2重量%添加してスラリーを調
製し、このスラリーを抄造してシート状の集合体を形成
すると共に集合体を加熱乾燥し、この後、温度200
℃、線圧100kg/cmの熱カレンダーを施し、この
後、無圧下で250℃、20分間の加熱処理を施して不
織布を形成した。
シ樹脂ワニスを用いてプリプレグを実施例1と同様にし
て形成し、このプリプレグを用いて実施例1と同様にし
て両面銅張積層板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層
板を得た。 (比較例1)実施例1と同様の全芳香族ポリエステル繊
維「ベクトランHT」を水に分散させると共に樹脂バイ
ンダーとして水溶性エポキシ樹脂を繊維に対して20重
量%添加してスラリーを調製し、このスラリーを抄造し
てシート状の集合体を形成すると共に集合体を加熱乾燥
し、この後、温度200℃、線圧100kg/cmの熱
カレンダーを施して不織布を形成した。
シ樹脂ワニスを用いてプリプレグを実施例1と同様にし
て形成し、このプリプレグを用いて実施例1と同様にし
て両面銅張積層板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層
板を得た。 (比較例2)実施例1と同様の二種類の全芳香族ポリエ
ステル繊維を表1の割合で混合し、これを水に分散させ
ると共に樹脂バインダーとして水溶性エポキシ樹脂を繊
維に対して10重量%添加してスラリーを調製し、この
スラリーを抄造してシート状の集合体を形成すると共に
集合体を加熱乾燥し、この後、温度200℃、線圧10
0kg/cmの熱カレンダーを施し、この後、無圧下で
250℃、20分間の加熱処理を施して不織布を形成し
た。
シ樹脂ワニスを用いてプリプレグを実施例1と同様にし
て形成し、このプリプレグを用いて実施例1と同様にし
て両面銅張積層板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層
板を得た。 (比較例3)全芳香族ポリエステル繊維の繊維長と繊維
径及び樹脂バインダー量を表1のように変更した以外は
比較例1と同様にして両面銅張積層板とレーザ加工性評
価用の両面銅張積層板を得た。
うに変更した以外は比較例1と同様にして両面銅張積層
板とレーザ加工性評価用の両面銅張積層板を得た。
度を測定した。不織布の抄造方向に長く、長さ150m
m、巾15mmのサンプルを作成し、島津製作所(株)
製のオートグラフAGS−500Bを用いて、チャック
間距離100mm、引張速度100mm/minの条件
でサンプルの破断強度を測定した。尚、測定は常態及び
樹脂ワニスの浸漬を想定してメチルエチルケトン浸漬後
(MEKを注いだシャーレにサンプルの中間部分を3秒
間浸漬)の二条件下で行った。
4の積層板について以下の性能を測定・評価した。結果
を表2に示す。 (1)吸湿率の測定 積層板の表面の銅をエッチングで除去した後、50mm
×50mmにカットしてサンプルを形成し、50℃、2
4時間の乾燥を施した後のサンプルの重量を測定し、こ
の後、60℃、95%の雰囲気下で96時間吸湿させ、
その重量変化より吸湿率を測定した。
トリップラインを形成し、常態(20℃、65%の雰囲
気下で96時間調湿後)及び吸湿処理(60℃、95%
の雰囲気下で96時間処理)後の各データを測定した。
測定には、HP社のネットワークアナライザー8510
Bを用いた。
×50mmにカットしてサンプルを形成し、煮沸水中で
の吸水処理を、なし、2時間、4時間で各々6サンプル
ずつ行い、この処理の後、サンプルを260℃の半田槽
中に20秒間浸漬して膨れの発生の有無を確認した(表
2中、膨れ無しを○で、膨れ有りを×でそれぞれ示し
た)。
製炭酸ガスレーザー加工機ML505GTを用いて、パ
ルス幅50μsec、周波数500Hz、パルスエネル
ギー20mJ/パルスの加工条件で、150μmのレー
ザー孔を加工した。加工後、孔をレーザー光の入射側よ
り光学顕微鏡にて観察した。形状(真円に近いか)及び
繊維ケバの発生の有無について観察した。
ると、樹脂バインダー量の少ない実施例1乃至7であっ
ても比較例1とほぼ同等の引張強度を有することが判
る。つまり熱変形温度の低い全芳香族ポリエステル繊維
のバインダー的な役割、及び熱カレンダー後の無圧下で
の加熱処理による樹脂バインダーと全芳香族ポリエステ
ル繊維の重合度の向上によって、樹脂バインダーの低減
させても不織布の強度が確保されると言える。一方、熱
変形温度の低い全芳香族ポリエステル繊維を用いず、ま
た熱カレンダー後の無圧下での加熱処理も施さないで樹
脂バインダー量を低減させた比較例4では、引張強度が
低すぎて樹脂ワニス通過時に破損等が発生し、連続塗工
での樹脂浸漬を行うことができなかった。
ると、樹脂バインダー量の少ない実施例1乃至7は樹脂
バインダー量の多い比較例1よりも、積層板の吸湿特性
(Δε、吸湿率、吸湿耐熱性)が高いことが判る。また
熱変形温度の低い全芳香族ポリエステル繊維の含有量が
70重量%を超える比較例2では、積層板中にボイドが
残る事になり、この結果、実施例1乃至7よりも吸湿特
性が低下しているのが判る。また含浸樹脂として汎用の
エポキシ樹脂は勿論使用可能であるが、樹脂を他の種類
に変えることによって誘電特性や吸湿率等の性能を向上
させる事が可能である。さらに実施例1乃至7と比較例
3を対比すると判るように、繊維径や繊維長を小さくす
ることにより、不織布の地合をさらに向上させることが
でき、積層板としての加工性を向上させることができ
る。
発明は、全芳香族ポリエステル繊維で形成される不織布
に樹脂を含浸させて得られるプリプレグにおいて、引張
強度が2.5kgf/cm以上で、樹脂バインダー量が
全体の15重量%以下である不織布を用いたので、不織
布の引張強度を2.5kgf/cm以上にすることによ
って、不織布に樹脂を含浸させる際にかかる力で不織布
が破損しないようにすることなどができ、不織布に樹脂
を連続含浸させることによって製造することができるも
のであり、また不織布の樹脂バインダー量を15重量%
以下にすることによって、樹脂バインダーによる吸湿を
低減することができ、吸湿特性の高い積層板を形成する
ことができるものである。
−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシナフタレン−6
−カルボン酸の共重合体で構成される全芳香族液晶ポリ
エステル繊維を用いて不織布を形成したので、低吸湿
性、強度、電気絶縁性、耐熱性等の特性を高くすること
ができる物である。また本発明の請求項3に記載の発明
は、熱変形温度が異なる二種類以上の全芳香族ポリエス
テル繊維を用いると共に熱カレンダーを施して不織布を
形成したので、熱カレンダーで熱変形した全芳香族ポリ
エステル繊維に樹脂バインダー的な役割、つまり繊維を
密着させる役割を持たせることができ、樹脂バインダー
量が全体の15重量%以下で引張強度が2.5kg/c
m以上の不織布を用いて形成することができるものであ
る。
変形温度が低い方の全芳香族ポリエステル繊維を全繊維
量に対して30〜70重量%含有させると共に樹脂バイ
ンダー量を全体の2〜15重量%含有させて不織布を形
成したので、熱カレンダーで熱変形した全芳香族ポリエ
ステル繊維に樹脂バインダー的な役割、つまり繊維を密
着させる役割を持たせることができ、樹脂バインダー量
が全体の15重量%以下で引張強度が2.5kg/cm
以上の不織布を用いて形成することができるものであ
る。
維長が3〜12mmで繊維径が1〜10dpfの全芳香
族ポリエステル繊維を全繊維量に対して90重量%以上
含有させて不織布を形成したので、不織布の地合を向上
させることができ、レーザー加工による孔の形状を良好
にすることができると共にケバの発生を防止することが
できるものである。
カレンダーの後に無圧下で加熱処理を施して不織布を形
成したので、樹脂バインダーの重合度を高めることがで
きると共に全芳香族ポリエステル繊維の重合度を高めて
この全芳香族ポリエステル繊維の強度を大きくすること
ができ、樹脂バインダー量が全体の15重量%以下で引
張強度が2.5kg/cm以上の不織布を用いて形成す
ることができるものである。
求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、150〜28
0℃の温度で30〜150kg/cmの線圧で熱カレン
ダーを施し、この後、200〜320℃の温度で5〜3
0分間の無圧下で加熱処理を施して不織布を形成したの
で、樹脂バインダーの重合度を高めることができると共
に全芳香族ポリエステル繊維の重合度を高めてこの全芳
香族ポリエステル繊維の強度を大きくすることができ、
樹脂バインダー量が全体の15重量%以下で引張強度が
2.5kg/cm以上の不織布を用いて形成することが
できるものである。
脂としてエポキシ樹脂を用いたので、安価で接着性を良
好にすることができるものである。本発明の請求項9に
記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のプリ
プレグと金属箔とを積層成形したので、全芳香族ポリエ
ステル繊維を用いて樹脂バインダー量が全体の15重量
%以下の不織布を基材として用いることによって、吸湿
特性を高くすることができるものである。
Claims (9)
- 【請求項1】 全芳香族ポリエステル繊維で形成される
不織布に樹脂を含浸させて得られるプリプレグにおい
て、引張強度が2.5kg/cm以上で、樹脂バインダ
ー量が全体の15重量%以下である不織布を用いて成る
ことを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項2】 p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキ
シナフタレン−6−カルボン酸の共重合体で構成される
全芳香族液晶ポリエステル繊維を用いて不織布を形成し
て成ることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 熱変形温度が異なる二種類以上の全芳香
族ポリエステル繊維を用いると共に熱カレンダーを施し
て不織布を形成して成ることを特徴とする請求項1又は
2に記載のプリプレグ。 - 【請求項4】 熱変形温度が低い方の全芳香族ポリエス
テル繊維を全繊維量に対して30〜70重量%含有させ
ると共に樹脂バインダー量を全体の2〜15重量%含有
させて不織布を形成して成ることを特徴とする請求項3
に記載のプリプレグ。 - 【請求項5】 繊維長が3〜12mmで繊維径が1〜1
0dpfの全芳香族ポリエステル繊維を全繊維量に対し
て90重量%以上含有させて不織布を形成して成ること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプリプ
レグ。 - 【請求項6】 熱カレンダーの後に無圧下で加熱処理を
施して不織布を形成して成ることを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載のプリプレグ。 - 【請求項7】 150〜280℃の温度で30〜150
kg/cmの線圧で熱カレンダーを施し、この後、20
0〜320℃の温度で5〜30分間の無圧下で加熱処理
を施して不織布を形成して成ることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかに記載のプリプレグ。 - 【請求項8】 樹脂としてエポキシ樹脂を用いて成るこ
とを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプリ
プレグ。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のプリ
プレグと金属箔とを積層して成ることを特徴とする積層
板。
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---|---|---|---|
JP34420896A JP3806200B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | プリプレグ及び積層板 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182857A true JPH10182857A (ja) | 1998-07-07 |
JP3806200B2 JP3806200B2 (ja) | 2006-08-09 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146060A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-22 | Hitachi Chem Co Ltd | プリプレグ及び積層板 |
WO2009062873A1 (en) * | 2007-11-13 | 2009-05-22 | Abb Research Ltd | Electrical insulation system |
JP2020090089A (ja) * | 2018-10-23 | 2020-06-11 | 株式会社クラレ | 複合シート |
-
1996
- 1996-12-24 JP JP34420896A patent/JP3806200B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002146060A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-22 | Hitachi Chem Co Ltd | プリプレグ及び積層板 |
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WO2009062543A1 (en) * | 2007-11-13 | 2009-05-22 | Abb Research Ltd | Fiber-reinforced composite system as electrical insulation |
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