JP2001191759A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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- B60C15/0009—Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap features of the carcass terminal portion
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
ヤを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも1枚のカーカスプライ2を本
体部2aと巻返し部2bとで構成し、カーカスプライ2の巻
返し部2bに、ビードコア4の周りにその外周面に沿って
それに巻付く巻込み部6を設け、ビード部1に、ビード
コア4の周りに巻返された少なくとも1層のワイヤーチ
ェーファー5を埋設し、ワイヤーチェーファー5は、そ
の始端8を、第1リムライン位置9にてビード部外面13
にたてた法線nからタイヤ径方向10の外方に測った最短
距離Lが15〜25mmの範囲内に位置するように配置し、
その終端11を、ビードコア4の径方向最外端位置12から
ビード部外面13に対して引いた垂線mと前記法線nとで
挟まれた範囲内に位置するように配置することを特徴と
する。
Description
ヤ、とくには、プライコードの引抜けと、カーカスプラ
イの巻返し部の端縁位置でのセパレーションの発生を防
止するとともに、高負荷荷重作用下におけるリムフラン
ジを支点とするビード部の曲げ変形によるビード部故障
を有効に抑制して、ビード部耐久性の向上を図った空気
入りタイヤを提供することにある。尚、この発明は、ト
ラックやバスなどのように高荷重・高内圧条件下で使用
される、いわゆる重荷重用空気入りラジアルタイヤに適
用するのが好適である。
際のプライコードの引抜けを防止すべく、通常は、図4
(a)に示すように、カーカスプライ100 を、ビード部101
のビードコア102 の周りで、タイヤ幅方向の内側から
外側へ大きく巻き返し、その巻返し部103 をゴム質中に
埋込み固定することとしている。
ド部構造を有する従来タイヤは、タイヤの負荷転動時、
特に高負荷荷重作用時にサイドウォール部104 が大きく
曲げ変形するのに伴って、カーカスプライ100 に図4(a)
の矢印方向に引抜き力Fが作用するとともに、カーカス
プライ100 の巻返し部103 の端縁位置105 には、これを
境としてタイヤ径方向の内外側に剛性段差が生じ、前記
端縁位置105 及びその近傍に繰返し応力集中が生じるこ
とによって、プライコードのゴム質からのセパレーショ
ンが発生し易く、このセパレーションが、図4(b)に示す
ようなビード部クラックCrの原因になるという問題があ
った。
耐久性を向上させるための手段として、図5(a)に示すよ
うに、カーカスプライ106 の巻返し部107 に、ビードコ
ア108 の周面に沿ってそれに巻付く巻込み部109 を設け
ることが有用であることを、本願人は既に出願した特願
平11−19847 号の明細書等において提案した。
ファー等の補強層を配設しない場合には、タイヤに高負
荷荷重が作用した場合には、図9(b)の2点鎖線で示すよ
うにリムフランジ110 を支点として矢印Aの方向に大き
な曲げ変形が生じ、この曲げ変形の繰返しにより、リム
フランジと接触するタイヤのビード部にクラックが入り
やすい状況にあり、そのクラックが進展して、最悪の場
合にはビード部故障に至る危険性がある。
のビード部耐久性を向上させるための手段としては、図
6(a)に示すように、ビード部に、カーカスプライ110 の
外側位置にビードコア111 の周りにタイヤ幅方向の内側
から外側に向かって巻き返された少なくとも1層の補強
層112 を配設することによって、タイヤに高負荷荷重作
用下におけるビード部の曲げ変形を抑制することが有用
である。
の端縁位置によっては、その端縁位置113 に応力が集中
して、かかる位置113 でビード部クラックCr等の故障が
発生するおそれがあり、結果として、ビード部耐久性を
有効に高めることができなかった。
の引抜けと、カーカスプライの巻返し部の端縁位置での
セパレーションの発生を防止するとともに、特に高負荷
荷重作用下におけるリムフランジを支点とするビード部
の曲げ変形によるビード部故障を有効に抑制して、ビー
ド部耐久性の向上を図った空気入りタイヤを提供するこ
とにある。
め、この発明の空気入りタイヤは、スチールコードから
なる少なくとも一枚のカーカスプライを、トレッド部か
らサイドウォール部を経てビード部までトロイダルに延
在する本体部と、ビード部に埋設したビードコアの周り
に巻き返してなる巻返し部とで構成してなる空気入りタ
イヤにおいて、カーカスプライの巻返し部に、ビードコ
アの周りにその外周面に沿ってそれに巻付く巻込み部を
設け、ビード部に、カーカスプライの本体部から巻返し
部に向かってビードコアの周りにタイヤ幅方向の内側か
ら外側に向かって巻返された少なくとも1層のワイヤー
チェーファーを埋設し、ワイヤーチェーファーは、カー
カスプライの本体部側にある始端を、第1リムライン位
置にてビード部外面にたてた法線からタイヤ径方向外方
に測った最短距離が15〜25mmの範囲内に位置するよう
に配置し、カーカスプライの巻返し部側にある終端を、
ビードコアの径方向最外端位置からビード部外面に対し
て引いた垂線と前記法線とで挟まれた範囲内に位置する
ように配置したものである。
は、タイヤを標準リムに装着し、最高空気圧及び最大負
荷能力を適用したときのタイヤ外表面におけるリムとの
接触部分のタイヤ径方向最外端を意味する。
は、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて巻返すことに
よって形成される場合の他、タイヤ幅方向の外側から内
側に向けて巻返すことによって形成される場合も含まれ
る。
両端が切断された多数本のスチールコードを実質的にラ
ジアル配置したもののみならず、一本のスチールコード
を、カーカスプライの巻返し部分で折り返して、タイヤ
周方向へ迂曲させながら延在させたものをも含むものと
する。
でのセパレーションの発生をより一層抑制する必要があ
る場合には、カーカスプライの巻返し部側に、ワイヤ−
チェーファーの終端を覆う少なくとも1枚の有機繊維チ
ェーファー配置することが好ましく、また、有機繊維チ
ェーファーの有機繊維コードは、ワイヤーチェーファー
のスチールコードの配設方向に対し15〜75°の角度で配
設することがより好適である。
位置でのセパレーションをより一層抑制する必要がある
場合には、カーカスプライの本体部とワイヤーチェーフ
ァーの始端側部分との間に、緩衝ゴム層を配設すること
が好ましく、そのとき、ワイヤーチェーファーの始端位
置における緩衝ゴム層のゴム厚さは、タイヤ幅方向断面
で見て、1.5 〜2.0 mmであることがより好適である。
ことがより好適である。
面に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明に
従う空気入りタイヤのビード部の断面の一例を示したも
のであり、図中1はビード部、2はカーカスプライ、3
はサイドウォール部、4はビードコア、5はワイヤーチ
ェーファーである。
好適には実質的にラジアル方向(具体的には、タイヤ赤
道面に対して70〜90°の方向)に配列されたスチールコ
ードをゴム引きした少なくとも一枚のカーカスプライ2
を、トレッド部(図示せず)からサイドウォール部3を
経てビード部1までトロイダルに延在する本体部2aと、
ビード部1に埋設したビードコア4の周りに巻き返して
なる巻返し部2bとで構成し、また、カーカスプライ2の
クラウン部(図示せず)には、トレッド部を補強するた
め、1枚以上のコードゴム引き層からなるベルト(図示
せず)を配置する。
カーカスプライ2をビードコア4の周りに巻き付けるビ
ード構造を採用するとともに、さらにタイヤに高負荷荷
重が作用した際のビード部の曲げ変形を抑制するために
適正化を図ったワイヤーチェーファー5を配設すること
にあり、より具体的には、カーカスプライ2の巻返し部
2bに、ビードコア4の周りにその外周面に沿ってそれに
巻付く巻込み部6を設け、この構成を採用することによ
って、ビード部耐久性を格段に向上させることができ
る。
周りに巻付けることによって、カーカスプライ2の引抜
けとカーカスプライ2の巻返し端縁位置8でのセパレー
ションの発生が防止でき、また、通常の巻返し構造を有
する従来タイヤ(図4(a))に比べると、ビード部が格段
に補強される。
荷荷重が作用した場合、リムフランジを支点とする大き
な曲げ変形を有効に抑制することはできず、この曲げ変
形の繰返しにより、リムフランジ14と接触するタイヤの
ビード部1にクラックが入りやすい状況にある。
て、さらに、ビード部1にて、カーカスプライ2の本体
部2aから巻返し部2bに向かってビードコア4の周りにタ
イヤ幅方向7の内側から外側に向かって巻返された少な
くとも1層のワイヤーチェーファー5を配設し、かつ、
ワイヤーチェーファー5は、カーカスプライ2の本体部
2a側にある始端8を、第1リムライン位置9にてビード
部1の外面13に引いた法線nからタイヤ径方向10の外方
に測った最短距離Lが15〜25mmの範囲内に位置するよ
うに配置し、カーカスプライ2の巻返し部2b側にある終
端11を、ビードコア4の径方向最外端位置12からビード
部1の外面13に対して引いた垂線mと前記法線nとで挟
まれた範囲内に位置するように配置することにあり、こ
の構成によって、前記曲げ変形を有効に抑制することが
でき、この結果、ビード部耐久性を格段に向上させるこ
とができる。
記最短距離Lが15〜25mmの範囲内に位置するように配
置することに限定した理由は、前記最短距離Lが15mm未
満だと、プライの周方向変形を十分に抑制することがで
きず、ビード部の曲げ剛性が大きくなって、ビード部故
障が生じやすくなるからであり、前記最短距離Lが25mm
よりも大きくなると、特に偏平タイヤにおいて、フレッ
クスゾーンに始端8が近づき、ワイヤーチェーファー5
の始端8位置に応力が集中してセパレーションが起こり
やすくなるからである。
を、ビードコア4の径方向最外端位置12からビード部1
の外面13に対して引いた垂線mと前記法線nとで挟まれ
た範囲内に位置するように配置する理由は、前記終端11
が前記垂線mよりもタイヤ径方向10の下方にあると、カ
ーカスプライ2の巻返し部2bを十分に保護することがで
きず、終端11と巻返し部2bの間で界面セパレーションが
生じやすくなるからであり、前記終端11が前記法線nよ
りもタイヤ径方向10の上方にあると、前記終端11位置に
大きなせん断ひずみが作用してビード部故障が起こりや
すくなるからである。
ることによって、ビード部耐久性を格段に向上させるこ
とができる。
ライの巻返し部2b側に、図2に示すように、ワイヤ−チ
ェーファー5の終端14を覆う少なくとも1枚(図2では
2枚)の有機繊維チェーファー15a,15b を配置すること
ができ、この構成を採用すれば、ワイヤーチェーファー
5の終端位置14でのせん断ひずみをより一層抑制するこ
とができ、ビード部耐久性はさらに向上する。
有機繊維コード16は、ワイヤーチェーファー5のスチー
ルコード17の配設方向に対し15〜75°の角度で配設すれ
ば、ワイヤーチェーファー5の終端側部分5bに種々の方
向から作用する力に対して有機繊維チェーファーの有機
繊維コードが負担することができ、その結果、ワイヤー
チェーファー5の終端位置14でのせん断ひずみをより一
層抑制することができる。
8でのセパレーションをより一層抑制する必要がある場
合には、カーカスプライ2の本体部2aとワイヤーチェー
ファー5の始端側部分5aとの間に、図3に示すような緩
衝ゴム層18を介挿することが好ましい。
における緩衝ゴム層18のゴム厚さtは、タイヤ幅方向断
面で見て、1.5 〜2.0 mmであることが好ましい。前記ゴ
ム厚さtが1.5mm 未満だと、緩衝ゴム層18を設けたこと
によるセパレーション抑制効果が十分に得られないから
であり、前記ゴム厚さtが2.0mm よりも厚いと、ワイヤ
ーチェーファー5による周方向変形抑制効果が十分に得
られなくなるおそれがあるからである。
一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更
を加えることができる。
し、ビード部耐久性を評価したので以下で説明する。
TBR 315/60R22.5であり、ワイヤーチェ
ーファー5の始端位置8及び終端位置14、緩衝ゴム18の
配設の有無及びそのゴム厚さt、有機繊維チェーファー
の配設の有無及びそのコードの配設角度については表1
に示す。
有し、かつワイヤーチェーファーを設けるが、ワイヤー
チェーファーの始端位置8及び終端位置11のいずれか一
方がこの発明の適正範囲外である比較タイヤ(比較例1
〜5)と、カーカスプライを通常の巻返し構造とする従
来タイヤ(従来例)についても試作した。
9.00×22.5のリムに装着し、ビード部耐久性を評価し
た。ビード部耐久性は、周方向変形測定試験とビード耐
久ドラム試験とを行い、それらの結果から評価した。周
方向変形測定試験は、フリーでタイヤを上から66.15 k
Nの力で平押しする条件下で周方向変位量を測定し、そ
の測定値から評価した。ビード耐久ドラム試験は、タイ
ヤ内圧:900 kPa、タイヤ負荷荷重:66.15 kNの条件
下で、回転ドラム上を60km/hの速度でタイヤを走行
させ、タイヤに故障が生じたときの走行距離を測定し、
この測定値から評価した。表1にそれらの評価結果を示
す。尚、表1中の数値は、いずれも従来例を100とした
指数比で示してあり、周方向変形指数は小さいほど優れ
ており、また、ビード耐久ドラム試験指数は大きいほど
優れている。
は、従来例に比べてビード部耐久性に優れている。一
方、比較例1〜5は、ビード耐久ドラム試験において、
特異故障が生じた。
れた空気入りタイヤの提供が可能になった。尚、この発
明は、トラックやバスなどのように高荷重・高内圧条件
下で使用される、いわゆる重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに適用するのが好適である。
リム組みした状態で示した横断面図である。
図である。
けるビード構造を採用したときの問題点を説明するため
の図である。
イヤーチェーファーの終端位置で生じる問題点を説明す
るための図である。
ムの厚さ L 法線nからタイヤ径方向に測った最短距離
Claims (6)
- 【請求項1】 スチールコードからなる少なくとも一枚
のカーカスプライを、トレッド部からサイドウォール部
を経てビード部までトロイダルに延在する本体部と、ビ
ード部に埋設したビードコアの周りに巻き返してなる巻
返し部とで構成してなる空気入りタイヤにおいて、 カーカスプライの巻返し部に、ビードコアの周りにその
外周面に沿ってそれに巻付く巻込み部を設け、 ビード部に、カーカスプライの本体部から巻返し部に向
かってビードコアの周りにタイヤ幅方向の内側から外側
に向かって巻返された少なくとも1層のワイヤーチェー
ファーを埋設し、 ワイヤーチェーファーは、カーカスプライの本体部側に
ある始端を、第1リムライン位置にてビード部外面にた
てた法線(n)からタイヤ径方向外方に測った最短距離
(L)が15〜25mmの範囲内に位置するように配置し、
カーカスプライの巻返し部側にある終端を、ビードコア
の径方向最外端位置からビード部外面に対して引いた垂
線(m)と前記法線(n)とで挟まれた範囲内に位置す
るように配置することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 カーカスプライの巻返し部側に、ワイヤ
−チェーファーの終端を覆う少なくとも1枚の有機繊維
チェーファー配置する請求項1に記載した空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】 有機繊維チェーファーの有機繊維コード
は、ワイヤーチェーファーのスチールコードの配設方向
に対し15〜75°の角度で配設する請求項2に記載した空
気入りタイヤ。 - 【請求項4】 カーカスプライの本体部とワイヤーチェ
ーファーの始端側部分との間に、緩衝ゴム層を介挿する
請求項1、2又は3に記載した空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 ワイヤーチェーファーの始端位置におけ
る緩衝ゴム層のゴム厚さは、タイヤ幅方向断面で見て、
1.5 〜2.0 mmである請求項4に記載した空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項6】 前記タイヤは重荷重用タイヤである請求
項1〜5のいずれか1項に記載した空気入りタイヤ。
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