JP2001184622A - 磁気記録媒体とその製造方法、及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体とその製造方法、及び磁気記録装置

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JP2001184622A
JP2001184622A JP37320699A JP37320699A JP2001184622A JP 2001184622 A JP2001184622 A JP 2001184622A JP 37320699 A JP37320699 A JP 37320699A JP 37320699 A JP37320699 A JP 37320699A JP 2001184622 A JP2001184622 A JP 2001184622A
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lubricant
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JP37320699A
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Akiyoshi Iso
亜紀良 磯
Kazuo Futamura
和男 二村
Makoto Isozaki
誠 磯崎
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクト方式磁気ヘッドとともに用いる磁
気記録媒体の提供。 【解決手段】 非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
層、磁性層、カーボン保護層、および液体潤滑剤層が順
次積層されてなる磁気記録媒体において、前記液体潤滑
層が上層と下層との二層構造であることを特徴とする磁
気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータの外部
記憶装置を初めとする各種磁気記録装置に搭載される磁
気記録媒体、その製造方法、および前記磁気記録媒体を
用いた磁気記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの外部記憶装置として一般
的な固定磁気記録装置(ハードディスク等)に用いられ
る磁気記録媒体の膜構成を表わす模式的断面図を、図1
に示す。ガラスまたはAl等の基板1上に、Ni−Pま
たはAl等のような第1下地層2が形成された基体11
の上に、第2下地層3、単層の磁性層4(例えばCoC
rPtBまたはCoCrPtTa等)およびCを主とす
る保護層5が形成されており、さらにその上に、液体潤
滑剤からなる潤滑層6が形成されている。
【0003】そして、前述の磁気記録媒体の複数枚を1
つの装置内に設けて、固定磁気記録装置とし、パーソナ
ルコンピュータ用の大容量記憶装置などとして用いられ
ている。
【0004】一般的な固定磁気記録装置は、磁気記録媒
体回転時にヘッドが浮上し、回転停止時にはヘッドと磁
気記録媒体が接触するCSS(コントクト・スタート・
ストップ)方式が採用されている。この方式の場合、磁
気記録媒体の回転開始および停止時に、ヘッドは磁気記
録媒体表面と摺動し、それらの間に摩擦が生じる。この
ような摩擦等から磁性層14を保護するために、保護層
15が積層されており、さらに摩擦量そのもの低減のた
めに液体潤滑層16が積層されている。この液体潤滑層
16の設計においては、CSS時のスティクション値、
フリクション値がパラメータとして用いられる。本明細
書中において、スティクション値とは、歪みゲージを用
いて測定される媒体回転開始時(0〜300ms)の摩
擦力の最大値を意味し、およびフリクション値とは、媒
体回転開始後の一定時間(300〜500ms)の摩擦
力の平均値を意味する。特に一定時間停止後のスティク
ション値は、ヘッドと媒体との間の吸着傾向を知るため
の重要なパラメータであり、そのスティクション値を抑
えることが、液体潤滑層16の設計の重要な課題として
検討されてきている。
【0005】また近年、CSS方式に代わり、磁気記録
媒体回転停止時にヘッドが媒体と接触しないように、ヘ
ッド・パーキング用のランプを設けたランプロード方式
の固定磁気記録装置も採用されてきている。これらの方
式に用いられるヘッドは共に浮上型ヘッドである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これからの磁気記録媒
体は、高記録密度化のために、磁性層とヘッド間の距離
を狭くすることが要求されている。磁性層−ヘッド間距
離を狭くすることに伴い、カーボン保護層の薄膜化、ヘ
ッドの低浮上化が要求されている。
【0007】先に述べた浮上型ヘッドは、本来、磁気記
録媒体が回転している間は浮上しているので、回転中に
媒体表面と接触することは起こり得ないはずである。し
かし、媒体表面の小さなうねりや突起、また回転時の微
小な面ぶれ等の影響で、浮上量が安定せず、時には媒体
表面と接触することが起こり得る。さらにヘッドの低浮
上化が進むと、ますますヘッドの浮上量が安定しにくく
なり、また微小な浮上量の変化でも媒体表面とヘッドが
接触しやすくなる。
【0008】さらにヘッドの低浮上化を突き詰めて行く
と、最終的には非浮上型ヘッドが求められてくる。非浮
上型ヘッドを用いる場合、ヘッドと媒体表面が常に接触
しているため、媒体回転中においても摺動し続けること
になる。そのため、従来のCSS方式における液体潤滑
層の設計では、液体潤滑層の膜厚が薄すぎて、カーボン
保護層とヘッドの間にあるべき液体潤滑層が本来の潤滑
層の役目を果たせない。さらに、カーボン保護層とヘッ
ドが常に接触し摺動しつづけるため、媒体中のウエアー
(保護層の破綻を意味する。)、もしくはヘッドクラッ
シュといった障害が起こりやすくなる。これらの問題点
を解決するためには、媒体表面を保護する液体潤滑層の
再設計が要求される。その結果、液体潤滑剤層を従来の
膜厚よりも極端に厚く積層することが要求される。
【0009】非浮上型ヘッドを用い、へッドが常時液体
潤滑層の中を移動するコントクト方式の場合、吸着障害
が起こりにくい為、液体潤滑層を厚い膜厚で設計するこ
とが可能である。しかしながら、従来の塗布方法で液体
潤滑層を厚く均一に塗布することは困難である。
【0010】また、液体潤滑剤層中には、直下の保護層
に堅固に結合した潤滑剤と、保護層と結合していない潤
滑剤とが存在する。保護層と堅固に結合した潤滑剤は、
ヘッドと保護層との接触を抑える効果があり、一方、保
護層と結合していない潤滑剤は、ヘッドの摺動における
摩擦力を低減する効果がある。これら2種の潤滑剤を精
密に制御して層状とすることが必要であるが、その制御
はさらに困難である。
【0011】上記の点に鑑み、本発明は、コンタクト方
式に対応した磁気記録媒体とその製造方法、および磁気
記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性基体上に少なくとも非磁性下地層、磁性層、
カーボン保護層、および液体潤滑剤層が順次積層されて
なる磁気記録媒体において、前記液体潤滑層が上層と下
層との二層構造であることを特徴とする。
【0013】好ましくは、前記液体潤滑剤の下層は、溶
媒で希釈した液体潤滑剤をディップコート法またはスピ
ンコート法で前記保護層上に塗布して得られたボンデッ
ド層と第1フリー層とから成る第1の潤滑剤層におい
て、スピンコート法またはヴェーパー法により、前記第
1フリー層を除去して前記ボンデッド層のみを残して得
られたものであり、および前記液体潤滑剤の上層は、前
記下層の表面に溶媒で希釈した液体潤滑剤をスピンコー
ト法により塗布して得られたものであってもよい。
【0014】好ましくは、前記下層膜厚が2〜10nm
の範囲にあってもよい。
【0015】好ましくは、前記上層膜厚が0.5〜3n
mの範囲にあってもよい。
【0016】また、好ましくは、前記液体潤滑層の下層
が鎖状分子末端の少なくとも一方にアミン系官能基を有
する液体潤滑剤を含み、および前記液体潤滑層の上層が
パーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を含む2層構造
であってもよい。
【0017】あるいはまた、前記液体潤滑層の下層が鎖
状分子末端の少なくとも一方にアミン系官能基を有する
液体潤滑剤を含み、および前記液体潤滑層の上層がフェ
ニルエーテル系液体潤滑剤を含む2層構造であってもよ
い。
【0018】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁
性基体上に少なくとも非磁性下地層、磁性層、カーボン
保護層、および液体潤滑剤層が順次積層されて成り、前
記液体潤滑剤層が上層と下層とからなる二層構造を有す
る磁気記録媒体の製造方法であって、 1)溶媒で希釈した液体潤滑剤をディップコート法また
はスピンコート法で塗布してボンデッド層と第1フリー
層とから成る第1の潤滑剤層を形成する工程と、 2)スピンコート法またはヴェーパー法により、前記第
1フリー層を除去して前記ボンデッド層のみを残して、
前記下層を形成する工程と、 3)前記下層の表面に溶媒で希釈した液体潤滑剤をスピ
ンコート法により塗布して前記上層を形成する工程とを
具えたことを特徴とする。
【0019】さらに、本発明の磁気記録装置は、本発明
の磁気記録媒体を搭載したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体の液体潤滑
剤層以外の層は、当該技術において知られているいずれ
の方法を用いても形成することができる。すなわち、例
えばガラス材料またはAl合金からなる所要の平行度、
平面度および表面粗さに機械加工された非磁性の基板1
の表面に無電界メッキのような湿式成膜工程、または真
空中におけるスパッタ、蒸着等のようなドライ工程によ
りNi−PまたはAl膜からなる第1下地層2を形成し
て非磁性の基体11とする。この後、機械加工、レーザ
加工により、所定の平面度および表面粗さに再度加工す
る。その後、洗浄等により、基体11の表面を清浄な状
態とする。次に真空中にて、50〜300℃に加熱し、
基体に直流バイアス電圧を約−200V印加しながらD
Cスパッタ法を用い、表面にCrからなる膜厚約50n
mの第2下地層3、Coを主とするCoCrPtTa等
のような膜厚約30nmの磁性層4およびCを主とする
膜厚約10nmの保護層5を形成する。このようにして
得られた液体潤滑剤層を持たない磁気記録媒体半製品に
対して、液体潤滑剤層を塗布して本発明の磁気記録媒体
を形成することができる。
【0021】本発明の液体潤滑剤層は、上層22と下層
21との2層構造を有する。上層22は、フリー層とも
呼ばれる保護層と堅固に結合していない潤滑剤の層であ
り、その機能は、ヘッドとの摩擦量の低減である。一
方、下層21は、ボンデッド層とも呼ばれる保護層と堅
固に結合している潤滑剤の層であり、液体潤滑剤のマイ
グレーション抑制と、ヘッド摺動時のカーボン保護層と
ヘッドを接触させないことにある。下層としてボンデッ
ド層のみの層を形成することにより、ヘッドと直下の保
護層5との接触を抑える効果がある。しかしながら、ボ
ンデッド層のみでは、ヘッド摺動時の摩擦力が大きくな
りすぎるため、上層にフリー層を設けてその摩擦力を低
減することが有効である。
【0022】従来の方法により、液体潤滑剤層を塗布し
たときには、塗布した液体潤滑剤の性質に支配されてボ
ンデッド層およびフリー層が形成され、それらそれぞれ
の層の膜厚を制御することは困難である。また、上記の
ようにボンデッド層とフリー層では、その要求物性が異
なり、これを同時に満たす液体潤滑剤は見いだされてい
ない。
【0023】そこで、本発明においては、最初に液体潤
滑剤を塗布した後、その際に該潤滑剤層の外表面側に形
成される保護層と結合していない液体潤滑剤層(本明細
書中で、第1フリー層と称する)を、溶剤等で洗い落と
しボンデッド層のみとして下層21を形成する。さら
に、その上に液体潤滑層を塗布してフリー層である上層
22を形成する。この方法によって、ボンデッド層とフ
リー層が明確に分かれた2層構造の液体潤滑層を積層す
る磁気記録媒体が得られる。図2に、本発明の磁気記録
媒体の概略の斜視断面図を示す。
【0024】前述のように、ボンデッド層(下層)21
の主な機能は、液体潤滑剤のマイグレーション抑制と、
ヘッド摺動時のカーボン保護層とヘッドを接触させない
ことである。そのために必要なボンデッド層の膜厚は、
使用ヘッドや媒体の回転数などによって異なるが、磁性
層とヘッドのスペーシングや潤滑剤の凝集を考慮すると
2〜10nmが好ましい。この範囲内のボンデッド層を
形成することは、ディップコート方式、スピンコート方
式のどちらを用いても可能である。しかし、従来用いら
れてきたパーフルオロポリエーテル系の液体潤滑剤を用
いて、上記範囲内の膜厚の均一なボンデッド層を得るこ
とは難しい。そのようなボンデッド層を得るためには、
潤滑剤塗布後に150℃以上の温度に加熱することを必
要とし、その結果として、磁気記録媒体の磁気特性の変
化、および潤滑剤の分解等の問題がおこり得る。ここ
で、特開平11−172268に説明される鎖状分子末
端の少なくとも一方にアミン系官能基を有する液体潤滑
剤(以下、アミン含有液体潤滑剤と称する)を用いるこ
とでこの問題は解決される。
【0025】本発明において用いられるアミン含有液体
潤滑剤は、一般式(1)、(2)および(3)からなる
群から選ばれるパーフルオロポリエーテルを主鎖とする
構造を有し、その主鎖末端の少なくとも一方にアミン系
官能基を有する。
【0026】
【化1】 R12 C−(CF2 CF2 O)m −(CF2 O)n −CH22 (1) (式中、R1 およびR2 は同一もしくは異なった官能基
であり、R1 およびR2の少なくとも一方はアミン官能
基を含み、ならびにmおよびnはそれぞれ整数である)
【0027】
【化2】 F(CF2 CF2 CF2 O)m −CH23 (2) (式中、R3 はアミンを含む官能基であり、mは整数で
ある)
【0028】
【化3】 (式中、R4はアミンを含む官能基であり、mは整数で
ある)
【0029】これらのアミン含有液体潤滑剤は、主鎖末
端の少なくとも一方に有極性官能基を有する。一方、カ
ーボン保護層の表面は、反応性のカルボニル基やカルボ
キシル基、水酸基等の官能基を有する薄い酸化膜で一様
に覆われており、弱酸性を示すことが知られている。し
たがって、この弱酸性を示すカーボン保護層表面と密着
性および結合性に優れた潤滑剤層を得るためには、弱塩
基性を示す有極性官能基を保持するアミン含有液体潤滑
剤を適用することが最適であると考えられる。
【0030】ここで、弱塩基性を示す有極性官能基とし
ていかなる種類のものを選定するかは重要である。一般
に塩基性を示す官能基としてはアミンが挙げられる。塩
基性が比較的強い第1級アミンや第2級アミンを用いた
潤滑剤を保護層表面に付着した場合には、潤滑剤の結合
性は格段に高まる。しかし、大気中やディスクドライブ
内の有害な酸性ガスも引きつけ易くなるので、潤滑剤の
分解や磁気ヘッドへの汚れ転写等の現象を招き、その結
果として再生出力低下やヘッドクラッシュを引き起こす
ことになる。また、第1級もしくは第2級アミンをその
主鎖末端に保持するパーフルオロポリエーテルは化学的
に不安定であり、加温時や室温放置時に潤滑剤の変質が
生じる場合もある。
【0031】したがって、弱塩基性を示す有極性官能基
は、第3級アミンであることが好ましい。好ましい第3
級アミンとしては、例えば下記式で表されるものが挙げ
られる。
【0032】
【化4】 ただし、式中、R5、R6はH以外の官能基であり、R5
およびR6とは互いに結合して環を形成していてもよ
く、およびl,m,nはそれぞれ0以上の整数である。
【0033】第3級アミンの置換基誘導体R5、R6、R
7、およびR8は、カーボン保護層−潤滑剤層間の密着性
(物理吸着性)をさらに高めるために、カーボン保護層
グラファイト構造との間にπ−π*電子相互作用を持つ
共役系を含む置換基であることが望ましい。
【0034】弱塩基性第3級アミン官能基としては、例
えば、芳香環,芳香族炭化水素,芳香族アミン,芳香族
ジアミン等およびその他の芳香族誘導体、複素環,複素
環炭化水素,複素環アミン,複素環ジアミン等およびそ
の他の複素環誘導体、脂肪族炭化水素,脂肪族アミン等
およびその他の誘導体、脂環式炭化水素,脂環式アミン
等およびその他の誘導体が挙げられる。
【0035】以下に、好ましい弱塩基性の第3級アミン
官能基の具体例の構造式を示す。なお、式中lは1以上
の整数を、ならびに、mおよびnは0以上の整数を表わ
す。
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】パーフルオロポリエーテル主鎖末端の官能
基として上記第3級アミンを有するアミン含有液体潤滑
剤は、従来のパーフルオロポリエーテル系潤滑剤よりも
カーボン保護層との結合性が非常に強固になる。150
0未満の重量平均分子量(Mw)を有する液体潤滑剤
は、主鎖の長さが短く摩擦係数が大きいので好ましくな
い。従来のパーフルオロポリエーテルにおいては、その
重量平均分子量が5500を越えると、カーボン保護層
との結合性が低下して、ヘッド吸着現象を起こしやすく
なる。これに対して、本発明において用いられるアミン
含有液体潤滑剤は、重量平均分子量が1500〜150
00の高分子量においても、ヘッド吸着を起こさず、良
好な潤滑性能を得ることができる。
【0039】上記のアミン含有液体潤滑剤を用いること
で、上記範囲内膜厚における均一で且つより強固なボン
デッド層を容易に得ることが出来る。さらに、より強固
で均一なボンデッド層を得るには、前記潤滑剤を塗布
後、100〜140℃の温度で30〜60分間にわたっ
て加熱することが好ましい。
【0040】しかし、前述のように形成した液体潤滑剤
層には、カーボン保護層に堅固に結合していない潤滑
剤、すなわち第1フリー層が存在する。そこで、次に保
護層に強固に結合していない液体潤滑剤を洗い落とし、
ボンデッド層のみを有する磁気記録媒体半製品を作製す
る。
【0041】第1フリー層を除去するこの工程には、ス
ピンコート方式またはヴェーパー方式を用いることがで
きる。スピンコート方式とは、一定の周速または回転数
で基板を回転させ、フルオロカーボン系溶媒を内周から
外周にシークさせながら塗出させてフリー層を除去する
方式である。ヴェーパー方式とは、煙霧化させたフルオ
ロカーボン系溶媒の中に基板を浸漬し、一定の速度で引
き上げることにより、フリー層を除去する方式である。
前述のような工程を行うことにより、ボンデッド層を最
上層とする磁気記録媒体半製品を作製することができ
る。
【0042】次に、前述のようにボンデッド層を最上層
とする磁気記録媒体半製品表面に、フリー層を塗布す
る。液体潤滑剤のマイグレーションや凝集等を考慮する
と、0.5〜3nmの範囲の膜厚が適当である。フリー
層のための液体潤滑剤は、従来のパーフルオロポリエー
テル系の液体潤滑剤(たとえば、アウジモント社製Fomb
lin Z-DOLなど)を用いることもできる。しかし、特開
平11‐241082に説明されるフェニルエーテル系
液体潤滑剤を用いることで、潤滑剤の凝集を抑え、かつ
安定した摺動特性を得ることが可能である。
【0043】フリー層に用いるパーフルオロポリエーテ
ル系液体潤滑剤としては、少なくとも一方の末端基が有
極性末端基であり、重量平均分子量が1500〜550
0であることが好ましい。重量平均分子量が1500未
満の場合には、潤滑作用が不十分であり、一方、重量平
均分子量が5500を超えると、磁気ヘッドを吸着する
傾向になる。
【0044】好適には、前記フェニルエーテル系液体潤
滑剤は、(株)松村石油化学研究所製のS−3105
(式(7))、S−3101(式(8))、S−323
0(式(9))、S−3464(式(10))、S−3
466(式(11))、またはA2060のいずれかで
ある。
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】フリー層の液体潤滑層の塗布にはスピンコ
ート方式を用いることが好ましい。ディップコート方式
を用いた場合には、最初に塗布されたボンデッド層の潤
滑剤の剥離によりディップ溶液の潤滑剤濃度が変化する
可能性があり、ディップ溶液の濃度およびフリー層の膜
厚制御が困難となるおそれがある。
【0051】上記塗布方法を用いることで、ボンデッド
層とフリー層が明確に分かれた2層構造の厚膜液体潤滑
層を容易に得ることが出来る。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を記す。
【0053】[合成例1]鎖状分子末端にアミン系官能
基を有する液体潤滑剤を以下のように合成した。 a)トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフレ
ート)の合成
【0054】
【化12】Rf(CH2OH)2 + 2(CF3SO2)2 + 2Py → Rf(CH2O
SO2CF3)2 + 2Py・CF3SO3H 末端にヒドロキシル基(−OH)を有するパーフルオロ
エーテルであるアウジモント社製Fomblin Z-DOL(1
0.0g)およびピリジン(0.1g)を、HCFC2
25(80mL)中に溶解させた。無水トリフルオロメ
タンスルホン酸(1.0g)を、HCFC225(30
mL)中に溶解させ、この溶液を0℃に冷却し、そして
前記のFomblin Z-DOL溶液をゆっくりと添加した。その
反応混合物の温度を0℃以下に保持し、および10時間
にわたって攪拌した。NMRにより反応の終点を確認し
た。得られた反応混合物を純水を用いて洗浄し、そして
HCFC225を蒸留して除去して、目的とするトリフ
レート(8.8g)を得た。
【0055】このようにして得られたトリフレートに対
して、各種のアミノ基含有化合物を作用させて、目的と
する鎖状分子末端にアミン系官能基を有するパーフルオ
ロエーテル液体潤滑剤を調製することができる。
【0056】b)アミン系官能基の導入 オートクレーブに対して、前記で合成したトリフレート
(5.0g)、ジ(フェニルメチル)アミン(0.4
g)、およびHCFC225(50mL)を充填し、そ
してオートクレーブ内を窒素置換した。その後、オート
クレーブを90℃に加熱して、100時間にわたって反
応を行った。NMRにて、原料の消失を確認した。オー
トクレーブから反応混合物を取り出し、水およびエタノ
ールで洗浄し、そしてHCFC225を蒸留して除去し
て、目的とするジフェニルメチルアミノ基を鎖状分子末
端に有するパーフルオロエーテル(2.2g)を得た。
【0057】
【化13】Rf(CH2OSO2CF3)2 + 2HN-A2 → Rf(CH2N-A2)2
+ 2CF3SO3H (A=CH2C6H5)
【0058】[実施例1]上記方法により、2層構造の
液体潤滑層を積層させた磁気記録媒体を作製した。下層
に上記合成例1で合成したジ(フェニルメチル)アミノ
基を含有するパーフルオロエーテル液体潤滑剤をスピン
コート法にて塗布し、そして120℃の温度で40分間
にわたる加熱した。
【0059】次に、スピンコート方式を用いて、第1フ
リー層を除去する。基板を1800rpmで回転させ、
住友3M製フロリナートFC−77PCを用い、シーク
速度10mm/secで、基板全体を3回洗浄して、第
1フリー層を除去した。
【0060】さらに、上層として、アウジモント社製Fo
mblin Z-DOLをスピンコート法にて塗布して、磁気記録
媒体を作製した。膜厚測定にはFT−IRを使用し、そ
れぞれの膜厚は、下層は第1フリー層除去後で4nm、
上層は1nmであった。この媒体のシーク耐久試験の結
果を図3に示す。試験条件は、媒体回転数1000rp
m、ヘッドのシーク範囲は半径18〜47mmまで、シ
ーク周波数は100Hz、使用したヘッドは荷重3.5
gのGMRヘッド、試験環境は常温常湿であった。10
00分間にわたるシークにおいて、この磁気記録媒体は
破綻せずに、AE信号(ヘッド摺動時のアコースティッ
クエミッションを意味する)、スティクション値共に著
しい増大を示さない良好な結果を示した。
【0061】[実施例2]上記方法により、2層構造の
液体潤滑層を積層させた磁気記録媒体を作製した。下層
に上記合成例1で合成したジフェニルメチルアミノ基を
含有するパーフルオロエーテル液体潤滑剤をスピンコー
ト法にて塗布し、そして120℃の温度で40分間にわ
たる加熱した。
【0062】次に、スピンコート方式を用いて、第1フ
リー層を除去する。基板を1800rpmで回転させ、
住友3M製フロリナートFC−77PCを用い、シーク
速度10mm/secで、基板全体を3回洗浄して、第
1フリー層を除去した。
【0063】さらに、上層として、(株)松村石油研究
所製A2060をスピンコート法にて塗布して、磁気記
録媒体を作製した。膜厚測定にはFT−lRを使用し、
それぞれの膜厚は、下層は第1フリー層除去後で4n
m、上層は1nmであった。この媒体のシーク耐久試験
の結果を図4に示す。試験条件は、媒体回転数1000
rpm、ヘッドのシーク範囲は半径18〜47mmま
で、シーク周波数は100Hz、使用したヘッドは荷重
3.5gのGMRヘッド、試験環境は常温常湿であっ
た。1000分間にわたるシークにおいても、この磁気
記録媒体は破綻せずに、AE信号、スティクション値共
に著しい増大を示さない良好な結果を示した。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、コン
タクト方式において、ボンデッド層とフリー層が明確に
分かれた2層構造の液体潤滑層を積層することにより良
好なシーク摺動特性を持つ磁気記録媒体を提供すること
が出来る。この時、最初の液体潤滑剤塗布にはディップ
コート方式またはスピンコート方式を、第1フリー層を
洗い落とすにはスピンコート方式またはヴェーパー法式
を、上層の液体潤滑層の塗布にはスピンコート方式を用
いることで、ボンデッド層とフリー層が明確に分かれた
2層構造の厚膜液体潤滑層を容易に得ることが出来る。
また下層潤滑層には特開平11−172268に説明さ
れる鎖状分子末端の少なくとも一方にアミン系官能基を
有する液体潤滑剤を用いることが効果的である。さらに
上層に特開平11‐241082に説明されるフェニル
エーテル系液体潤滑剤を用いることでより安定した摺動
特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術の磁気記録媒体を表わす概略の斜視断
面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体を表わす概略の斜視断面
図である。
【図3】本発明の実施例1の媒体のシーク耐久特性を示
すグラフである。
【図4】本発明の実施例2の媒体のシーク耐久特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 第1下地層 3 第2下地層 4 磁性層 5 保護層 6 液体潤滑剤層 11 基体 21 液体潤滑剤層の下層(ボンデッド層) 22 液体潤滑剤層の上層(フリー層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 107/38 C10M 107/38 107/44 107/44 G11B 5/84 G11B 5/84 B // C10N 40:18 C10N 40:18 (72)発明者 磯崎 誠 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB08A BD06A BE02A BE07A BE26A CD04A CE19A PA16 5D006 AA01 AA02 AA05 AA06 DA03 5D112 AA07 AA11 AA24 BC01 BC02 CC01 CC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
    層、磁性層、カーボン保護層、および液体潤滑剤層が順
    次積層されてなる磁気記録媒体において、前記液体潤滑
    層が上層と下層との二層構造であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
    層、磁性層、カーボン保護層、および液体潤滑剤層が順
    次積層されて成り、前記液体潤滑剤層が上層と下層とか
    らなる二層構造を有し、 1)前記液体潤滑剤の下層が、溶媒で希釈した液体潤滑
    剤をディップコート法またはスピンコート法で前記保護
    層上に塗布して得られたボンデッド層と第1フリー層と
    から成る第1の潤滑剤層において、スピンコート法また
    はヴェーパー法により、前記第1フリー層を除去して前
    記ボンデッド層のみを残して得られたものであり、およ
    び、 2)前記液体潤滑剤の上層が、前記下層の表面に溶媒で
    希釈した液体潤滑剤をスピンコート法により塗布して得
    られたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記液体潤滑剤層の前記下層膜厚が2〜
    10nmの範囲にあることを特徴とする、請求項1また
    は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記液体潤滑剤層の前記上層膜厚が0.
    5〜3nmの範囲にあることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記液体潤滑層の下層が鎖状分子末端の
    少なくとも一方にアミン系官能基を有する液体潤滑剤を
    含み、および前記液体潤滑層の上層がパーフルオロポリ
    エーテル系液体潤滑剤を含む、2層構造であることを特
    徴とする請求項1〜4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記液体潤滑層の下層が鎖状分子末端の
    少なくとも一方にアミン系官能基を有する液体潤滑剤を
    含み、および前記液体潤滑層の上層がフェニルエーテル
    系液体潤滑剤を含む、2層構造であることを特徴とする
    請求項1〜4記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
    層、磁性層、カーボン保護層、および液体潤滑剤層が順
    次積層されて成り、前記液体潤滑剤層が上層と下層とか
    らなる二層構造を有する磁気記録媒体の製造方法であっ
    て、 1)溶媒で希釈した液体潤滑剤をディップコート法また
    はスピンコート法で塗布してボンデッド層と第1フリー
    層とから成る第1の潤滑剤層を形成する工程と、 2)スピンコート法またはヴェーパー法により、前記第
    1フリー層を除去して前記ボンデッド層のみを残して、
    前記下層を形成する工程と、 3)前記下層の表面に溶媒で希釈した液体潤滑剤をスピ
    ンコート法により塗布して前記上層を形成する工程とを
    具えたことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5または7のいずれかに記載
    の磁気記録媒体を搭載したことを特徴とする磁気記録装
    置。
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