JPWO2008102456A1 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

基板の上方に記録層、保護層及び潤滑層が積層された磁気記録媒体は、保護層と接する側の潤滑層はボンド層により形成されると共に、磁気記録媒体の表面側の潤滑層はボンド層より保護層に対する結合力が弱いモバイル層により形成され、モバイル層の表面の凸部の高さは約0.3nm以下である。

Description

本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法に係り、特に潤滑層を備えた磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
磁気ディスクに代表される磁気記録媒体に対しては、年々記録密度を向上する要求が高まっている。このような磁気記録密度の向上に伴い、磁気ディスク表面からのヘッドの浮上量は約10nmと非常に小さくなってきた。このため、ヘッドの浮上量のマージンも小さくなり、記録又は再生時にヘッドが磁気ディスクの表面に接触しやすくなってきている。又、ダイナミック・フライング・ハイト(DFH)機能を持ったヘッドでは、素子部の突き出しによりヘッドの浮上量は随時変動し、浮上量は数nmレベルまで低下している。
水平又は垂直磁気記録方式を採用する一般的な磁気ディスクは、基板上に下地層、記録層、保護層及び潤滑層が積層された構成を有する。磁気ディスクの表面部分に設けられた潤滑層は、保護層上に潤滑層を例えばディップ処理により塗布した後にベーク工程により潤滑層の分子の配向を向上させて形成される。この結果、保護層側の潤滑層は固定的層(以下、ボンド層と言う)で構成され、磁気ディスクの表面側の潤滑層は流動的層(以下、モバイル層と言う)で構成される。ボンド層は、ベーク工程により例えばダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)からなる保護層により強固に結合されるので、たとえヘッドが磁気ディスク表面と接触しても剥がれる可能性は低い。又、ボンド層の膜厚は、ベーク工程により増加する。他方、モバイル層は、ヘッドが磁気ディスク表面と接触した際に剥がれやすく、ヘッドに付着する可能性が高い。これは、モバイル層がボンド層のように保護層に強固に結合されていない潤滑層の表面部分であり、且つ、表面が理想的な平面ではなく凹凸部を有するため、非常に小さな浮上量のヘッドと表面の凸部とが接触しやすいことによる。しかし、磁気ディスクの耐久性を確保するためにはモバイル層が必要である。
このようなヘッドとモバイル層との接触により、所謂ヘッド・ディスク・インターフェアランス(HDI)が生じる。HDIは、モバイル層上に異物が存在する場合等にも生じ、剥がれたモバイル層はそのような異物ともなり得る。図1は、モバイル層のヘッドへの付着を説明する断面図である。図1において、磁気ディスクは、記録層1、保護層2及び潤滑層3を有し、潤滑層3はボンド層3Aとモバイル層3Bとからなる。3B−1は、ヘッド6に付着したモバイル層3Bを示し、4はモバイル層3B上に存在する異物を示す。
特許文献1〜4には、潤滑層を備えた各種磁気記録媒体やその製造方法が提案されている。
特開平3−153645号公報 国際公開WO01/001403号公報 特開2006−12215号公報 特開2006−48801号公報
潤滑層のモバイル層の膜厚は、ヘッドへの付着を抑制するという観点からは薄い方が望ましいが、モバイル層が設けられないと磁気記録媒体の耐久性は低下してしまう。そこで、モバイル層の膜厚を薄く制御することが望ましいが、従来の製造方法ではモバイル層の膜厚を薄く、且つ、安定に制御することはできなかった。
このため、従来の磁気記録媒体では、潤滑層の表面部分を形成するモバイル層がヘッドに付着しやすく、この傾向は特にヘッドの浮上量が減少するにつれて顕著になるという問題があった。
そこで、本発明は、ヘッドの浮上量が減少しても、潤滑層の表面部分を形成するモバイル層のヘッドへの付着を抑制可能な磁気記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題は、基板の上方に記録層、保護層及び潤滑層が積層された磁気記録媒体であって、該保護層と接する側の潤滑層はボンド層により形成されると共に、磁気記録媒体の表面側の潤滑層は該ボンド層より該保護層に対する結合力が弱いモバイル層により形成され、該モバイル層の表面の凸部の高さは約0.3nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体により達成できる。
上記の課題は、磁気記録媒体の保護層上に潤滑層を形成する形成工程を含む磁気記録媒体の製造方法であって、該保護層と接する側の潤滑層はボンド層により形成されると共に、磁気記録媒体の表面側の潤滑層は該ボンド層より該保護層に対する結合力が弱いモバイル層により形成され、該モバイル層の膜厚を減少させるリンス工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によって達成できる。
形成工程は、潤滑層を保護層にディップ処理により塗布し、ベーク処理によりボンド層の保護層に対する結合力を増加させると共にボンド層の膜厚を増加させるようにしても良く、この場合、潤滑層はフッ素系材料からなり、リンス工程はフッ素系溶媒又は純水に磁気記録媒体を浸漬するようにしても良い。
他方、形成工程及びリンス工程は、磁気記録媒体を潤滑剤上にリンス液が入れられた単一の処理槽にディップすることで、潤滑層を保護層に塗布すると共にモバイル層の膜厚をリンス液により減少させるようにしても良い。
本発明によれば、ヘッドの浮上量が減少しても、潤滑層の表面部分を形成するモバイル層のヘッドへの付着を抑制可能な磁気記録媒体及びその製造方法を実現することができる。
モバイル層のヘッドへの付着を説明する断面図である。 本発明の磁気記録媒体の基本構成を示す断面図である。 ヘッドの浮上量に対するモバイル層比率の依存性を示す図である。 磁気記録媒体の耐久性に対するモバイル層比率の依存性を示す図である。 実施例の磁気記録媒体の製造方法を説明する図である。 他の実施例の磁気記録媒体の製造方法を説明する図である。 従来例の潤滑層表面の状態を説明する図である。 実施例の潤滑層表面の状態を説明する図である。 従来例及び実施例の磁気ディスクに対してピン・オン・ディスク(Pin On Disk)耐久試験を行った結果のプロットを示す図である。 従来例及び実施例の磁気ディスクに対して実機のヘッドを用いて耐久試験を行った結果のプロットを示す図である。
符号の説明
9 基板
10 下地層
11 記録層
12 保護層
13 潤滑層
13A ボンド層
13B モバイル層
16 ヘッド
20 磁気記録媒体
31 処理槽
32 ベークチャンバ
33 リンス層
41 処理槽
本発明の磁気記録媒体は、図2に示す如き基本構成を有する。磁気記録媒体20は、基板9上に下地層10、記録層11、保護層12及び潤滑層13が積層された構成を有する。磁気記録媒体20は例えば磁気ディスクであり、水平又は垂直磁気記録方式を採用する。記録層11は磁性材料からなり、保護層12は例えばDLCからなる。潤滑層13は、保護層12に対して良好に結合したボンド層13A及び保護層12に対する結合力がボンド層13Aより弱いモバイル層13Bにより形成されており、モバイル層13Bの表面は従来例と比べると平坦であり、膜厚も薄い。例えば、ボンド層13Aの膜厚の潤滑層13の総膜厚に対する比率は約70%以下であり、モバイル層13Bの膜厚の潤滑層13の総膜厚に対する比率は約30%以下である。
本発明では、潤滑層13のモバイル層13Bの膜厚をリンス工程により減少させてモバイル層13Bの表面の平坦度を向上するので、モバイル層13Bの表面の凹凸を減少し、且つ、モバイル層13Bの膜厚を安定に制御することができる。このため、ヘッド16の浮上量が減少しても、潤滑層13の表面部分を形成するモバイル層13Bのヘッド16への付着を抑制可能となる。更に、モバイル層13Bの膜厚を薄く、且つ、安定に制御することができるので、磁気記録媒体20の耐久性を確実に確保することができる。
尚、記録層11と基板9との間の構成は、図2に示す構成に限定されないことは言うまでもない。
図3はヘッドの浮上量に対するモバイル層比率の依存性を示す図である、図4は磁気記録媒体20の耐久性に対するモバイル層比率の依存性を示す図である。図3及び図4は、磁気記録媒体20が磁気ディスクの場合の特性を示し、横軸のモバイル層比率はモバイル層13Bの膜厚の潤滑層13の総膜厚に対する比率を示す。図3の縦軸はタッチダウン・アンド・テイクオフ試験のテイクオフ回転数を示し、図4の縦軸はピン・オン・ディスク(Pin On Disk)耐久試験の回数を示す。又、図3におけるプロットは、ヘッド16が磁気ディスクと接触しない点を、ボンド層13Aの膜厚が約0.6nm〜約1.2nmでモバイル層13Bの膜厚が約0.1nm〜約0.5nmの場合について示す。
図3からわかるように、モバイル層比率が増加するとテイクオフ回転数が上昇し、ヘッド16は高回転で無ければ浮上出来なくなり(浮上性が悪化し)、モバイル層13Bのヘッド16への付着も増加する。又、図4からわかるように、モバイル層比率が低下すると、膜破断までのパス回数が低下し、磁気ディスクの耐久性も劣化する。このように、モバイル層13Bのヘッド16への付着の抑制と、磁気ディスクの耐久性とは、モバイル層比率の依存性で見るとトレードオフの関係にある。モバイル層比率は、トレードオフを考慮すると約5%〜約40%であることが望ましく、潤滑層13の総膜厚を例えば約1.7nm以下に抑えるには、約5%〜約30%であることが更に望ましい。更に、モバイル層13Bの表面の凸部の高さを例えば約0.3nm以下に抑えるには、モバイル層比率は約5%〜約10%であることが望ましい。
次に、磁気記録媒体20が磁気ディスクの場合の製造方法を説明する。
図5は、本実施例の磁気記録媒体の製造方法を説明する図である。図5に示すように、スパッタ処理等により基板9上に保護層12までが既に積層されているものとする。
ステップST1では、例えばDLCからなる保護層12までが前工程で形成された磁気ディスクをフッ素系材料からなる潤滑剤が入れられた処理槽31にX1方向へディップしてX2方向へ引き上げるディップ処理を行うことで、潤滑層13を保護層12上に塗布する。フッ素系材料は、例えばフォンブリンZ-Tetraol、Z-Dol又はAM3001(いずれもソルベイソレイクシス社製)である。ステップST1は、最終的なモバイル層比率が約5%〜約40%となるように磁気ディスクの処理槽31内での待機時間等を制御した。
ステップST2では、ベークチャンバ32内で潤滑層13が塗布された磁気ディスクを加熱する周知のベーク処理を行うことで、潤滑層12の分子の配向を向上させる。この結果、保護層12側の潤滑層13はボンド層13Aで構成され、磁気ディスクの表面側の潤滑層13はモバイル層13Bで構成される。ボンド層13Aは、ベーク工程により保護層により強固に結合される。この例では、ステップST1,ST2が潤滑層13を形成する形成工程を構成する。
ステップST3では、ベーク処理後の潤滑層13を形成された磁気ディスクをフッ素系溶媒又は純水からなるリンス液が入れられたリンス槽33にX3方向へディップしてX4方向へ引き上げるリンス処理を行うことで、モバイル層13Bの膜厚を減少させてモバイル層13Bの表面の平坦度を向上する。この結果、モバイル層13Bの表面の凹凸は減少し、且つ、モバイル層13Bの膜厚は安定に制御される。フッ素系溶媒は、例えばFC77/FC3255/HFE7300(スリーエム社製)、Vertrel-XF(デュポン社製)、H-Galden(ソルベイソレイクシス社製)である。リンス工程を構成するステップST3の後、磁気ディスクは試験等を行う次工程で処理される。尚、単一の槽を、処理槽31及びリンス槽33として用いても良いことは言うまでもない。
本実施例では、リンス液がフッ素系溶媒の場合にその揮発を抑えるために、リンス槽33内のリンス液を約20℃〜約25℃の範囲に保った。又、磁気ディスクをディップする際にリンス液の液面波の影響を受けないように、リンス槽33内での磁気ディスクの待機時間は約10秒〜約30秒とした。更に、磁気ディスクを引き上げる際にリンス液の液面波の影響を受けないように、引き上げ速度は約50mm/sec〜約200mm/secに設定した。又、磁気ディスクのリンス槽33内での待機中に、超音波発振によりリンス処理の促進を図った。
これにより、ボンド層13Aの膜厚は約0.6nm〜約1.2nmでモバイル層13Bの膜厚は約0.1nm〜約0.5nmの磁気ディスクが作成された。本発明者らによる実験結果によれば、潤滑層13の総膜厚を例えば約1.7nm以下に抑えるためには、モバイル層比率が約5%〜約30%であることが更に望ましいことが確認された。更に、モバイル層13Bの表面の凸部の高さを例えば約0.3nm以下に抑えるには、モバイル層比率は約5%〜約10%であることが望ましいことも確認された。
図6は、他の実施例の磁気記録媒体の製造方法を説明する図である。図6に示すように、スパッタ処理等により基板9上に保護層12までが既に積層されているものとする。
例えばDLCからなる保護層12までが前工程で形成された磁気ディスクに対しては、単一の処理槽41を用いて形成工程及びリンス工程が同時行われる。処理槽41には、フッ素系材料からなる潤滑剤42とリンス液43とが入れられている。従って、磁気ディスクを処理槽31にX5方向へディップしてX6方向へ引き上げるディップ処理を行うことで、ディップ時に潤滑層13を保護層12上に塗布すると共に、引き上げ時に潤滑層13に対するリンス処理が行われる。潤滑層13に用いられるフッ素系材料及びリンス液に用いられるフッ素系溶媒や純水は、上記実施例の場合と同様のものが使用可能である。この場合、上記実施例と比較すると磁気ディスクを短時間、且つ、低価格で作成することができる。
尚、図6の実施例の場合、ベーク処理は行われないので、ボンド層13Aの保護層12に対する結合力はベーク処理を行った場合と比べると多少小さくなるが、実用上は特に問題はない。又、ベーク処理を行わないので、ボンド層13Aの膜厚を増加させることはないが、リンス処理によりモバイル層13Bの膜厚を減少させることでボンド層13Aの相対的な膜厚を増加させることができるので、問題はない。
図7は従来例の潤滑層表面の状態を説明する図であり、図8は実施例の潤滑層表面の状態を説明する図である。
図7は、図5に示すステップST1,ST2のみを用いた従来の製造方法により、上記実施例と同様の条件下で作成した磁気ディスクの潤滑層表面の状態を示す。図7中、左側の(a)は光学的表面解析(OSA:Optical Surface Analysis)により得られた潤滑層の表面の平面イメージを示し、白い部分が平坦な表面を示し、暗い部分の色が黒くなる程潤滑層を形成するモバイル層の表面の凸部の高さが高いことを示す。図7中、右側の(b)は磁気ディスクの断面を拡大してモバイル層の表面部分を示し、モバイル層の表面の凸部の高さ(即ち、上記平坦な表面からの高さ)の最大値が約3nmであることがわかる。この場合、ヘッドの浮上量が例えば10nm以下であると、ヘッドが潤滑層に接してモバイル層がヘッドの付着する確率が高くなる。
他方、図8は、図5に示すステップST1〜ST3を用いた実施例の製造方法、或いは、図6に示す他の実施例の製造方法により作成した磁気ディスクの潤滑層13の表面の状態を示す。図8中、左側の(a)は光学的表面解析(OSA:Optical Surface Analysis)により得られた潤滑層13の表面の平面イメージを示し、白い部分が平坦な表面を示し、暗い部分の色が黒くなる程潤滑層13を形成するモバイル層13Bの表面の凸部の高さが高いことを示す。図8中、右側の(b)は磁気ディスクの断面を拡大してモバイル層13Bの表面部分を示し、モバイル層13Bの表面の凸部の高さ(即ち、上記平坦な表面からの高さ)の最大値が約0.3nmであることがわかる。この場合、モバイル層13Bの表面の凸部の高さの最大値が従来の製造方法を用いた場合の約1/10に抑制されているので、例えばヘッド16の浮上量が10nm以下であっても、ヘッド16が潤滑層13に接してモバイル層13Bがヘッド16の付着する確率が非常に低くなることが確認された。
図9は、図5に示すステップST1,ST2のみを用いた従来の製造方法により上記実施例と同様の条件下で作成した磁気ディスクと、図5に示すステップST1〜ST3を用いた実施例の製造方法、或いは、図6に示す他の実施例の製造方法により作成した磁気ディスクに対して、図4の場合と同様なピン・オン・ディスク(Pin On Disk)耐久試験を行った結果のプロットを示す図である。図9中、縦軸は試験回数を示し、C1は従来の製造方法により作成した磁気ディスクに対する耐久試験結果の平均値、C2は実施例の製造方法により作成した磁気ディスクに対する耐久試験結果の平均値を示す。図9からもわかるように、実施例の如きリンス処理を行うことによる磁気ディスクの耐久性の著しい低下は見られなかった。
図10は、図5に示すステップST1,ST2のみを用いた従来の製造方法により上記実施例と同様の条件下で作成した磁気ディスクと、図5に示すステップST1〜ST3を用いた実施例の製造方法、或いは、図6に示す他の実施例の製造方法により作成した磁気ディスクに対して、実機のヘッド16を用いて耐久試験を行った結果のプロットを示す図である。図10中、縦軸は試験回数を示し、C11は従来の製造方法により作成した磁気ディスクに対する耐久試験結果の平均値、C12は実施例の製造方法により作成した磁気ディスクに対する耐久試験結果の平均値を示す。図10からもわかるように、実機ヘッド16を用いた場合でも、実施例の如きリンス処理を行うことによる磁気ディスクの耐久性の低下は見られず、むしろ多少向上することが確認された。
つまり、上記各実施例によれば、ヘッド16の浮上量が減少しても、潤滑層13の表面部分を形成するモバイル層13Bのヘッド16への付着を抑制可能となることが確認された。更に、モバイル層13Bの膜厚を薄く、且つ、安定に制御することができるので、磁気ディスクの耐久性を確実に確保することができることも確認された。
本発明は、特にヘッドの浮上量が非常に小さい構成の磁気ディスク装置等の各種磁気記憶装置に適用可能である。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。

Claims (14)

  1. 基板の上方に記録層、保護層及び潤滑層が積層された磁気記録媒体であって、
    該保護層と接する側の潤滑層はボンド層により形成されると共に、磁気記録媒体の表面側の潤滑層は該ボンド層より該保護層に対する結合力が弱いモバイル層により形成され、
    該モバイル層の表面の凸部の高さは約0.3nm以下であることを特徴とする、磁気記録媒体。
  2. 該モバイル層の膜厚の該潤滑層の総膜厚に対する比率は、約5%〜約10%であることを特徴とする、請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 該潤滑層はフッ素系材料からなることを特徴とする、請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 磁気記録媒体の保護層上に潤滑層を形成する形成工程を含む磁気記録媒体の製造方法であって、
    該保護層と接する側の潤滑層はボンド層により形成されると共に、磁気記録媒体の表面側の潤滑層は該ボンド層より該保護層に対する結合力が弱いモバイル層により形成され、
    該モバイル層の膜厚を減少させるリンス工程を含むことを特徴とする、磁気記録媒体の製造方法。
  5. 該形成工程は、該潤滑層を該保護層にディップ処理により塗布し、ベーク処理により該ボンド層の該保護層に対する結合力を増加させると共に該ボンド層の膜厚を増加させることを特徴とする、請求項4記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 該潤滑層はフッ素系材料からなり、該リンス工程は該フッ素系溶媒又は純水に該磁気記録媒体を浸漬することを特徴とする、請求項5記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 該モバイル層の膜厚の該潤滑層の総膜厚に対する比率が約5%〜約40%となるように該形成工程及び該リンス工程が行われることを特徴とする、請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 該リンス工程は、該モバイル層の表面の凸部の高さを約0.3nm以下に制御することを特徴とする、請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 該ボンド層の膜厚は約0.6nm〜約1.2nm、該モバイル層の膜厚は約0.1nm〜約0.5nmとなるように該形成工程及び該リンス工程が行われることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 該形成工程及びリンス工程は、該磁気記録媒体を潤滑剤上にリンス液が入れられた単一の処理槽にディップすることで、該潤滑層を該保護層に塗布すると共に該モバイル層の膜厚をリンス液により減少させることを特徴とする、請求項4記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 該潤滑剤はフッ素系材料からなり、該リンス液は該フッ素系溶媒又は純水からなることを特徴とする、請求項10記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 該モバイル層の膜厚の該潤滑層の総膜厚に対する比率が約5%〜約40%となるように該形成工程及び該リンス工程が行われることを特徴とする、請求項11記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 該リンス工程は、該モバイル層の表面の凸部の高さを約0.3nm以下に制御することを特徴とする、請求項12記載の磁気記録媒体の製造方法。
  14. 該ボンド層の膜厚は約0.6nm〜約1.2nm、該モバイル層の膜厚は約0.1nm〜約0.5nmとなるように該形成工程及び該リンス工程が行われることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
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