JP2001182824A - 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機のクリープ力制御装置

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JP2001182824A JP36804499A JP36804499A JP2001182824A JP 2001182824 A JP2001182824 A JP 2001182824A JP 36804499 A JP36804499 A JP 36804499A JP 36804499 A JP36804499 A JP 36804499A JP 2001182824 A JP2001182824 A JP 2001182824A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車両用自動変速機のクリープ力制
御装置に関し、クリープ力制御時にエンジン回転数が変
動した際の制御の安定化を図る。 【解決手段】 自動変速機が走行レンジであるときに所
定の条件が成立すると、実スリップ量変化率算出手段3
1によりエンジン側回転部材と変速機側回転部材との間
の実スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtが検出さ
れるとともに、目標スリップ量変化率設定手段32によ
りエンジン側回転部材と変速機側回転部材との間の目標
スリップ量変化率dNslp /dtが設定される。そし
て、フィードバック制御手段33により、実スリップ量
変化率d(Ne−Nt)/dtが目標スリップ量変化率
dNslp /dtとなるように摩擦要素の係合力がフィー
ドバック制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機が走行
レンジで停車した場合に、トルクコンバータによるクリ
ープ力を低減するようにした、車両用自動変速機のクリ
ープ力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両に備えられた
トルクコンバータ式の自動変速機において、シフトレン
ジが走行レンジ(以下、Dレンジという)のままで停車
すると、低速段(例えば、第1速段)を達成するために
係合されていた摩擦要素(以下、フォワードクラッチと
いう)をスリップさせて、ニュートラル状態に近づける
ように制御する技術が提案されている。
【0003】このような制御は、一般にアイドルニュー
トラル制御又はクリープ力制御と呼ばれるものであり、
このようなアイドルニュートラル制御以下、単にニュー
トラル制御というを停車中に実行することで、トルクコ
ンバータを介して伝達されるエンジントルクを減少させ
て、燃料消費量及びアイドル振動の低減を図ることがで
きる。ニュートラル制御の開始条件としては、例えば、
車速0km/h,フットブレーキ操作中,スロットル開
度0%及び第1速段達成から所定時間経過しているこ
と、等が設定されており、上記全ての条件が成立する
と、コントローラからの指令に基づきニュートラル制御
が開始される。
【0004】また、フットブレーキ操作の解除,アクセ
ルペダルの操作,車速が所定値以上となった、等のニュ
ートラル制御解除条件がいずれか1つでも成立すると、
ニュートラル制御が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なニュートラル制御中にアクセルペダルが踏み込まれた
場合には、速やかにニュートラル制御を解除して従来の
Dレンジでの発進性と同等の発進性を確保する必要があ
る。このためには、ニュートラル制御解除時の駆動力発
生レスポンスを高め且つフォワードクラッチ係合時のシ
ョックを極力小さくしたい。
【0006】そこで、ニュートラル制御中において、ト
ルクコンバータ内のスリップ比、即ちエンジン回転速度
Neとタービンランナの回転速度(タービン回転速度)
Ntとの比(Nt/Ne)が目標値となるように、フォ
ワードクラッチの係合力をフィードバック制御すること
が考えられる。このように構成すれば、トルクコンバー
タ内のスリップ状態をニュートラル状態に近い状態に保
持しながら、従来のDレンジでの発進時と同等のレスポ
ンスを得ることができる。
【0007】この場合、エンジン回転速度はアイドル状
態で略一定であることから、目標スリップ量はタービン
ランナの回転速度変化率dNt/dtと略等しいので、
これをフィードバック制御の制御対象としてフォワード
クラッチに対する係合力をデューティ制御することが考
えられる。ここで、図5(a)〜(c)は、このような
ニュートラル制御時の特性を説明するための図であっ
て、(a)はエンジン回転速度Ne及びタービン回転速
度Ntを示す図、(b)はタービン回転速度変化率(タ
ービン変化率)を示す図、(c)はフォワードクラッチ
のデューティ率及びフォワードクラッチの係合圧を示す
図である。
【0008】図5(a)に示すように、アイドル時であ
っても、例えばエアコンのオンオフやパワーステアリン
グの操作等の外乱要因によりエンジン回転速度Neは変
動する。ニュートラル制御中にこのようなエンジン回転
変動が生じると、初期はトルクコンバータ内のオイル
(ATF)を介してタービンライナにもエンジン回転速
度変動が伝達され、タービン回転速度Ntも上昇する。
【0009】ところが、回転速度比が目標回転速度比と
なっても、このときタービン回転速度変化率dNt/d
tが変動するため、目標のタービン回転速度変化率に対
して差が生じる。このとき、この差(目標タービン回転
速度変化率−実タービン回転速度変化率)に対してフィ
ードバック制御が実行されるので、タービン回転速度が
急激に変化し、回転速度比が目標値から離れてハンチン
グが生じるという課題がある。
【0010】例えば、エンジン回転速度の影響によりタ
ービン回転速度変化率が目標値に対して大きくなると、
図5(c)に示すように、デューティ率が変化(この場
合デューティ率は増大する)して、フォワードクラッチ
クラッチが係合側に制御されることになる。これによ
り、タービン回転速度の増加が抑制されることになる
が、このとき、タービン回転速度変化率をフィードバッ
ク制御しているので、一旦タービン回転速度変化率が目
標値に対して大きく外れると、目標値自体が変動して
(図中のTa参照)、Ta以降はハンチングが生じてし
まう。
【0011】また、その後、エンジン回転速度に対する
外乱要因がなくなっていても、このフォワードクラッチ
クラッチの係合力の変動により逆にエンジン回転速度が
変動してしまい、速度比が変動しやはりハンチングが生
じるのである。本発明は、このような課題に鑑み創案さ
れたもので、アイドル時の制御の安定化を図るようにし
た、車両用自動変速機のクリープ力制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置は、
自動変速機のシフトレンジが走行レンジであるときに所
定の条件が成立すると、走行時に係合される摩擦要素の
係合力を低下させてクリープ力を低下させる。そして、
目標スリップ量変化率設定手段により、自動変速機の入
力側に設けられた流体継手におけるエンジン側回転部材
と変速機側回転部材との間の目標スリップ量変化率が設
定されるとともに、実スリップ量変化率算出手段によ
り、エンジン側回転部材と変速機側回転部材との間の実
スリップ量変化率が検出される。そして、フィードバッ
ク制御手段により、この実スリップ量変化率が、目標ス
リップ量変化率となるように、摩擦要素の係合力がフィ
ードバック制御される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置
について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図
である。図1に示すように、自動変速機1はエンジン2
と結合された状態で図示しない車両に搭載されている。
エンジン2の出力軸2aはトルクコンバータ(流体継
手)3を介して変速機構4に連結され、その変速機構4
は図示しないディファレンシャルギアを介して車両の駆
動輪と接続されている。
【0014】また、エンジン2の出力軸2aは、トルク
コンバータ3のポンプインペラ3aに接続されており、
この出力軸2aの回転に伴いポンプインペラ3aが回転
すると、ATF(オートマチック・トランスミッション
・フルード)を介してタービンランナ3bが回転駆動さ
れ、その回転が変速機構4に伝達されるようになってい
る。
【0015】詳細は説明しないが、変速機構4は、複数
組の遊星歯車機構及びそれらの構成要素(サンギア,ピ
ニオンギア及びリングギア)の動作を許容又は規制する
クラッチやブレーキ類から構成されており、これらのク
ラッチやブレーキの係合状態を油圧源(オイルポンプ)
から供給されるATFにより適宜切り換えて、所望の変
速段を達成するようになっている。なお、この変速機構
4の構造については、一般に広く知られたものであるの
で、フォワードクラッチ7以外の構成については図示を
省略する。
【0016】このような自動変速機1において、シフト
レンジがNレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行
レンジ)に切換えられたとき、変速機構4は発進に備え
るために第1速段に切り換えられるが、このときには、
Nレンジでの各種の摩擦係合要素の係合状態に対して、
さらにフォワードクラッチ7(摩擦要素)を係合するこ
とで第1速段が実現されるようになっている。
【0017】一方、車室内には、図示しない入出力装
置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記
憶装置(ROM,RAM,BURAM等),中央処理装
置(CPU)及びタイマカウンタ等を備えたA/T−E
CU(自動変速機制御ユニット、以下、単にECUとい
う)11が設置されており、後述する各種センサからの
情報に基づいて各種の制御信号が設定されて、自動変速
機1の総合的な制御が行なわれるようになっている。
【0018】ECU11の入力側には、エンジン2の回
転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ12、タ
ービンランナ3bの回転速度Nt(即ち、フォワードク
ラッチ7の入力回転速度)を検出するタービン回転速度
センサ13、車両の走行速度(車速)Vsを検出する車
速センサ14、ブレーキ装置のブレーキオイルの圧力
(流体圧)が所定値よりも大きくなるとオン信号を出力
するブレーキ圧スイッチ20、エンジン2のスロットル
開度θTH(=アクセル操作量)を検出するスロットルセ
ンサ16、ATFの油温TOIL を検出する油温センサ1
7、及び運転者にて選択されたシフトポジション(例え
ば、Nレンジ,Dレンジ,Pレンジ及びRレンジ等)を
検出するためのシフトポジションセンサ18等が接続さ
れている。
【0019】そして、ECU11では、スロットルセン
サ16で検出されたスロットル開度θTH及び車速センサ
14で検出された車速Vsを用いて図示しない変速マッ
プから目標変速段を設定し、この目標変速段を達成すべ
く変速機構4のクラッチ及びブレーキの係合状態を切り
換えて変速制御を実行するようになっている。また、E
CU11の出力側には、上述のオイルポンプからの作動
油を切換制御して変速機構4のクラッチやブレーキの係
合要素を作動させるための多数のソレノイドや圧力調整
弁(プレッシャコントロールバルブ)が接続されてい
る。なお、図1中では、このような多数のソレノイドや
圧力調整弁のうち、フォワードクラッチ7の係合状態を
切り換えるソレノイド19及び圧力調整弁21のみを図
示しており、他のソレノイド及び圧力調整弁については
図示を省略する。
【0020】ソレノイド19はECU11によりその作
動が制御されるようになっており、このソレノイド19
の作動に応じて圧力調整弁21へのパイロット圧供給状
態が調整されるようになっている。また、本実施形態で
はデューティ率が増加するほど、圧力調整弁21へのパ
イロット圧の供給量が低下するような特性に設定されて
いる。
【0021】また、ソレノイド19により圧力調整弁2
1へパイロット圧が供給されると、圧力調整弁21のス
プール21aが図中左側に移動して、フォワードクラッ
チ7のライン圧が排出されて、フォワードクラッチ7の
係合力が低下するようになっている。また、これとは逆
に、ソレノイド19によりパイロット圧が排出される
と、フォワードクラッチ7にライン圧が供給されるよう
になっている。このように、ソレノイド19のデューテ
ィ率を制御することで、フォワードクラッチ7の係合力
を調整できるようになっているのである。
【0022】次に、ニュートラル制御(クリープ力制
御)について簡単に説明すると、このニュートラル制御
は、Dレンジで走行中の車両が停止したときにフォワー
ドクラッチ7の係合力を低下させてニュートラル状態に
近い状態に制御するものであり、摩擦係合要素としての
フォワードクラッチ7をスリップさせることでニュート
ラル制御(クリープ力制御)が実行されるようになって
いる。
【0023】本実施形態ではニュートラル制御の開始条
件として以下の(1)〜(3)条件が設定されている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオン(ブレーキ圧が所
定値Pa以上)。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル非操作(ス
ロットル開度が所定量以下)が検出された。 (3)車速センサ14により検出された車速Vsが所定
値未満。
【0024】そして、以上の条件が全て成立したと判定
されると(つまり、車両が走行状態からほぼ停止状態に
移行したと推測されると)、ニュートラル制御が開始さ
れるようになっている。そして、以上の条件が全て成立
したと判定されると(つまり、車両が走行状態からほぼ
停止状態に移行したと推測されると)、ニュートラル制
御が開始されるようになっている。
【0025】〔ニュートラル制御の突入制御〕このとき
の動作の概要を簡単に説明すると、まずエンジン回転速
度センサ12で検出されたエンジン回転速度Ne及び油
温センサ17で検出されたATF油温T0IL に基づいて
フォワードクラッチ7のソレノイド19のデューティ率
Dのスリップ直前値DN が設定される。これにより、ニ
ュートラル制御の開始条件の成立直後にソレノイド19
のデューティ率Dが100%からスリップ直前値DN ま
でステップ状に減少する。これにより、圧力制御弁21
のスプール21aに作用するパイロット圧供給量が増加
して、フォワードクラッチ7のライン圧が急激にドレー
ンされて係合力が低下するのである。
【0026】その後、フォワードクラッチ7は次第に解
放側に向かって制御され、このときまでフォワードクラ
ッチ7を介して駆動輪側と接続され係合状態で停止保持
されていたタービンランナ3bが回転し始める。そし
て、タービン回転速度Ntが上昇してスリップ判定値N
t0を越えると、トルクコンバータ3のスリップ量ΔN
(=Ne−Nt)を予め設定された目標値にすべく、ソ
レノイド19のデューティ率Dがフィードバック制御さ
れるのである。そして、この目標値となったとき、後述
するニュートラル制御の定常制御へ移行する。
【0027】一方、ニュートラル制御の解除条件は以下
のように設定されており、そのいずれかが満たされたと
き、つまり運転者の発進意志が推測されるときに解除条
件が成立したと判定され、ECU11により、ニュート
ラル制御が解除されるようになっている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオフ(ブレーキ圧が所
定値Pa未満)になった場合。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル操作(スロ
ットル開度θthが所定値以上)が検出された場合。 (3)車速センサ14で検出された走行速度Vsが所定
値以上になった場合。
【0028】そして、上記の3つの条件のうち1つでも
成立すれば、ニュートラル制御が解除されるようになっ
ているのである。 〔ニュートラル制御の解除制御〕ニュートラル制御を解
除する場合には、徐々にソレノイド19のデューティ率
Dを上昇させてタービン回転速度Ntを減少させ、フォ
ワードクラッチ7を係合側に向かって制御する。そし
て、エンジン回転速度センサ12とタービン回転速度セ
ンサセンサ13とからの情報に基づいて同期判定が行な
われ、タービンランナ3bの回転速度Ntがエンジン回
転速度Neと同期したと判定されると、所定時間経過後
にソレノイド19のデューティ率が100%に設定され
る。
【0029】〔ニュートラル制御の定常制御〕次に、本
発明の要部である定常制御にいて説明すると、図2に示
すように、ECU11内には、ポンプインペラ(エンジ
ン側回転部材)3aとタービンランナ(変速機側回転部
材)3bとの間の実際のスリップ量変化率を検出する実
スリップ量変化率算出手段31と、ポンプインペラ3a
とタービンランナ3bとの間の目標スリップ量変化率を
設定する目標スリップ量変化率設定手段32と、上記実
スリップ量変化率が目標スリップ量変化率となるように
フォワードクラッチ7の係合力をフィードバック制御す
るフィードバック制御手段33とが設けられている。
【0030】そして、ニュートラル制御中は、このフィ
ードバック制御手段33によりソレノイド19のデュー
ティ率がフィードバック制御されることにより、常にエ
ンジン回転速度(ポンプインペラ回転速度)Neとター
ビン回転速度Ntとの比が一定となるようにフォワード
クラッチ7が制御されて、安定したニュートラル制御が
実行されるようになっている。
【0031】ここで、実スリップ量変化率算出手段31
は、実スリップ量算出部31a及び実スリップ量変化率
算出部31bをそなえている。このうち、実スリップ量
算出部31aは、エンジン回転速度センサ12で得られ
るエンジン2の回転速度(即ち、ポンプインペラ3aの
回転速度)Neとタービン回転速度センサ13で得られ
るタービンランナ3bの回転速度Ntとから、トルクコ
ンバータ3内におけるポンプインペラ3aとタービンラ
ンナ3bとの間の実際のスリップ量Ne−Ntを算出す
るものであり、また、実スリップ量変化率算出部31b
は、実スリップ量算出部31aで算出された実スリップ
量を時間微分することにより実スリップ量変化率d(N
e−Nt)/dtを算出するものである。
【0032】また、目標スリップ量変化率設定手段32
は、目標タービン回転速度算出部32a,目標スリップ
量算出部32b,スリップ量偏差算出部32c及び目標
スリップ量変化率設定部32dをそなえており、この目
標スリップ量変化率設定手段32では、目標速度比ηと
エンジン回転数Neとに基づいて、上記スリップ量変化
率に対する目標値(目標スリップ量変化率)dNslp /
dtを設定するようになっている。なお、目標速度比と
は、トルクコンバータ3内におけるエンジン回転速度N
eとタービン回転速度Ntとの比であって、ここでは一
定値が適用されている。
【0033】以下、目標スリップ量変化率設定手段32
について説明すると、目標タービン回転速度算出部32
aは、エンジン回転速度Neに目標速度比ηを乗じるこ
とにより目標のタービン回転速度Ntoを算出するもの
である。また、目標スリップ量算出部32bは、エンジ
ン回転速度Neから上記目標タービン回転速度Ntoを
減じることによりトルクコンバータ3の目標スリップ量
Nsi(=Ne−Nto)を設定するものである。
【0034】また、スリップ量偏差算出部32cは、ポ
ンプインペラ3aとタービンランナ3bとの実スリップ
量Ne−Ntと、上記目標スリップ量算出部32bで算
出された目標スリップ量Nsiとの偏差(Ne−Nt−
Nsi)を算出するものであり、さらに、目標スリップ
量変化率設定部32dは、上記スリップ量偏差算出部3
2cで算出された上記偏差に基づいて、図示しないマッ
プ等から目標スリップ量変化率dNslp /dtを設定す
るものである。つまり、目標スリップ量変化率設定手段
32には、実スリップ量と目標スリップ量との偏差をパ
ラメータとして、目標スリップ量変化率dNslp /dt
を設定するためのマップ又は計算式が格納されており、
この偏差に基づいて目標スリップ量変化率dNslp /d
tが設定されるようになっている。また、具体的には、
偏差が大きくなるほど目標スリップ量変化率dNslp /
dtも大きく設定されるようになっている。
【0035】そして、フィードバック制御手段33で
は、上記実スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtと
目標スリップ量変化率dNslp /dtとの偏差Sが0と
なるように、ソレノイド19のデューティ率Dを設定す
るようになっており、これにより、実スリップ量変化率
と目標スリップ量変化率とが一致するようにフォワード
クラッチ7の係合力がフィードバック制御されるのであ
る。そして、このようなフィードバック制御を実行する
ことにより、ニュートラル制御中にエンジン回転速度変
動が生じても安定した制御を実行することができるよう
になっているのである。
【0036】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変
速機のクリープ力制御装置は、上述のように構成されて
いるので、その動作を図3を用いて簡単に説明すると以
下のようになる。まず、ニュートラル制御の実行中にお
いて、何らかの外乱によりエンジン回転速度Neが変動
すると(ステップA100)、ATFを介してタービン
ランナ3bにポンプインペラ3aの回転駆動力が伝達さ
れて、タービン回転速度Ntがエンジン回転速度Neの
影響を受けて上昇する(A200)。
【0037】このとき、図2に示すように、実スリップ
量変化率算出手段31により、ポンプインペラ3aとタ
ービンランナ3bとの間の実際のスリップ量変化率が算
出されるとともに、目標スリップ量変化率設定手段32
により、ポンプインペラ3aとタービンランナ3bとの
間の目標スリップ量変化率が設定される。そして、フィ
ードバック制御手段33により、実スリップ量変化率が
目標スリップ量変化率となるように、スリップ量変化率
を制御対象としてソレノイド19のデューティ率がフィ
ードバック制御される(ステップA300)。
【0038】そして、これによりエンジン回転速度Ne
とタービン回転速度Ntとの比が一定となるようにフォ
ワードクラッチ7の係合力がフィードバック制御され
て、安定したニュートラル制御が実行されることになる
(ステップA400)。図4(a)〜(c)は、このよ
うなニュートラル制御時の特性を説明するための図であ
って、(a)はエンジン回転速度Ne及びタービン回転
速度Ntを示す図、(b)はスリップ量変化率の特性を
示す図、(c)はフォワードクラッチのデューティ率及
びフォワードクラッチの係合圧を示す図である。
【0039】図4(a)に示すように、エンジン回転速
度Neが上昇すると、タービン回転速度Ntは最初はこ
れにつられて上昇する。そして、このようにエンジン回
転速度Neが変動すると、ECU11により、エンジン
回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差(実スリ
ップ量)と、この偏差の目標値(目標スリップ量)との
差に応じて目標スリップ量変化率が設定される。例え
ば、実スリップ量と目標スリップ量との偏差が小さい
と、図4(b)に示すように、目標スリップ量変化率が
0に設定される。なお、図4(b)では、実スリップ量
の変化率が0(即ち、実スリップ量が一定)であるた
め、実スリップ量変化率と目標スリップ量変化率との特
性が重なっている場合を示している。
【0040】そして、この場合には、図4(c)に示す
ように、フォワードクラッチのデューティ率が略一定値
に設定され、これにより、フォワードクラッチの係合力
(係合圧)も略一定となり、回転速度比が略一定に保持
される。また、エンジン2に対する外乱要因が取り除か
れてエンジン回転速度変動がなくなると、このエンジン
回転速度に応じてタービン回転速度変動もなくなり、こ
の場合にも速度比を一定に保持することができるのであ
る。したがって、回転速度比が目標値から外れることな
く、安定したフィードバック制御を実行することができ
るのである。
【0041】また、実スリップ量と、目標スリップ量と
の差が大きい場合には、目標スリップ量変化率が大きく
設定される。つまり、この場合には、目標スリップ量の
変化率を大きく設定することで、実スリップ量を速やか
に目標スリップ量に近づけることができる。このよう
に、ニュートラル制御中に、エンジン回転速度Neとタ
ービン回転速度Ntとの速度比を一定に保持するように
したフィードバック制御において、フィードバック制御
の制御対象をスリップ量変化率として、実スリップ量変
化率と目標スリップ量変化率との偏差がなくなるように
フォワードクラッチ7の係合力を制御することにより、
タービン回転速度変化率を制御対象とした場合のよう
に、タービン回転速度が急激に変化して回転速度比が目
標値から離れてハンチングが生じるといった課題を解決
することができ、安定したフォワードクラッチ制御を行
なうことができるという利点を有している。
【0042】なお、本発明の車両用自動変速機のクリー
プ力制御装置は、上述の実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可
能である。例えば、無段変速機の前後段を切り換えるた
めに遊星歯車機構と摩擦クラッチとをそなえたものにお
いては、このクラッチを同様に制御することで無段変速
機に入力されるトルクを低減でき、無段変速機がベルト
式であればベルトやプーリの耐久性を向上させることが
できる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用自
動変速機のクリープ力制御装置によれば、動変速機のシ
フトレンジが走行レンジであるときに所定の条件が成立
して、走行時に係合される摩擦要素の係合力を低下させ
てニュートラル状態に近い状態に制御されている際に、
エンジン回転速度が外乱要因により変動しても、エンジ
ン側回転部材と変速機側回転部材との回転速度比を目標
とする速度比に保持することができ、制御の安定化を図
ることができるという利点があるほか、コストの増加を
招くこともないという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の要部の機能を説明するための模
式的なブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の動作を説明するための図であ
る。
【図4】(a)〜(c)は本発明の一実施形態にかかる
車両用自動変速機のクリープ力制御装置の作用を説明す
るための特性図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の車両用自動変速機の
クリープ力制御装置を創案する過程で案出された装置の
作用を説明するための特性図である。
【符号の説明】
1 自動変速機 7 フォワードクラッチ(摩擦要素) 3 トルクコンバータ(流体継手) 3a ポンプインペラ(エンジン側回転部材) 3b タービンランナ(変速機側回転部材) 31 実スリップ量変化率算出手段 32 目標スリップ量変化率設定手段 33 フィードバック制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機のシフトレンジが走行レンジ
    であるときに所定の条件が成立すると、走行時に係合さ
    れる摩擦要素の係合力を低下させてクリープ力を低下さ
    せるように構成された車両用自動変速機のクリープ力制
    御装置において、 該自動変速機の入力側に設けられた流体継手におけるエ
    ンジン側回転部材と変速機側回転部材との間の実スリッ
    プ量変化率を算出する実スリップ量変化率算出手段と、 該エンジン側回転部材と該変速機側回転部材との間の目
    標スリップ量変化率を設定する目標スリップ量変化率設
    定手段と、 該実スリップ量変化率算出手段で検出される実スリップ
    量変化率が、該目標スリップ量設定手段で設定される目
    標スリップ量変化率となるように、該摩擦要素の係合力
    をフィードバック制御するフィードバック制御手段とを
    そなえたことを特徴とする、車両用自動変速機のクリー
    プ力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009180288A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Fuji Heavy Ind Ltd 自動変速機のニュートラル制御装置

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