JP2001181552A - 水性ステイン組成物およびその組成物を用いた基材の着色方法 - Google Patents
水性ステイン組成物およびその組成物を用いた基材の着色方法Info
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Abstract
下のアクリル樹脂からなる水性樹脂(A)および水分散
着色剤(B)を含有してなり、かつ、pHが7以下であ
ることを特徴としている。また、本発明の基材の着色方
法は、基材たとえば多孔質部材の表面に、上記水性ステ
イン組成物を塗布し、その後硬化させることを特徴とし
ている。 【効果】上記組成物は、基材、特に木質素材等の多孔質
部材に塗装した場合、目ブクレが生じにくいという効果
がある。また、上記着色方法によれば、目ブクレが殆ど
認められない木質素材等の多孔質部材の塗装品が得られ
る。
Description
びその組成物を用いた基材の着色方法に関し、さらに詳
しくは、基材、特に木質素材等の多孔質部材に塗装した
場合に、目ブクレが生じにくい水性ステイン組成物、お
よびその組成物を用いた基材の着色方法に関する。
木目模様、質感等を活かすために着色剤を充填塗装した
後、その塗装部を含む木材表面全面に透明塗料を塗装す
ることが広く行なわれている。上記着色剤として、従来
は、有機溶剤を溶媒あるいは分散媒とする有機溶剤系着
色剤が多用されている。
系着色剤は、公害防止、危険防止および省資源等の観点
から好ましくない。しかも、導管部分に充填された着色
剤の乾燥硬化に長時間を要し、また、この硬化した着色
剤が透明塗膜に移行して「にじみ」が発生し易いなどの
欠点がある。特開平6−207133号公報には、上記
のような欠点を解消した多孔質素材の着色方法として、
「表面に多孔部を有する素材の主として孔部分を着色す
るにあたり、着色剤として、着色顔料または染料を分散
させた水性着色ステインを使用する、多孔質素材の着色
方法」が開示されている。
着色方法により、木材等の多孔質部材表面に塗装をする
と、目ブクレが生じ易いという問題がある。多孔質部材
たとえば木質フロアー(フローリングボード)は、その
表面に薄い化粧単板を貼り付けており、その化粧単板の
厚さにより、通称厚単板(1.0〜3.0mm程度の厚
さ)と薄単板(0.2mm程度の厚さ)に分類されてい
る。中でも、厚単板は、素材に水性ステインを塗布する
と目ブクレ(化粧単板表面の導管部分に水が浸入したと
きに起こる木質繊維の膨潤)を起こし易い性質があり、
仕上がり状態に問題がある。このような目ブクレの原因
は、木質繊維すなわちセルロース繊維間への水分子の浸
入による膨潤である。特にアルカリ性側ではアルカリセ
ルロースの生成のより木質繊維が膨潤し易い傾向にあ
る。従来市販されている水性樹脂、たとえば水溶性アク
リル樹脂や、ディスパージョン型アクリル樹脂は、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を含む共重合体の
カルボキシル基をアンモニア、アミン等でアルカリ性、
通常pH8〜9に調製して水溶性化あるいはディスパー
ジョン化されている。従来の水性ステイン組成物は、こ
のようなアルカリ性の水溶性あるいはディスパージョン
型アクリル樹脂を含有しているため、木質素材表面に、
この水性ステイン組成物を塗布すると、アルカリセルロ
ースが生成し、その結果、目ブクレが起きるという問題
があった。
テイン組成物およびその組成物を用いた基材の着色方法
の出現が望まれている。
問題を解決しようとするものであって、目ブクレが生じ
にくい水性ステイン組成物およびその組成物を用いた基
材の着色方法を提供することを目的としている。
H7以下のアクリル樹脂からなる水性樹脂(A)および
水分散着色剤(B)を含有してなり、かつ、pHが7以
下であることを特徴としている。また、本発明に係る基
材の着色方法は、基材の表面に、pH7以下のアクリル
樹脂からなる水性樹脂(A)および水分散着色剤(B)
を含有してなり、かつ、pHが7以下である水性ステイ
ン組成物を、塗布し、その後硬化させることを特徴とし
ている。
ン組成物およびその組成物を用いた基材の着色方法につ
いて具体的に説明する。まず、本発明に係る水性ステイ
ン組成物について説明する。本発明に係る水性ステイン
組成物は、具体的には、水性樹脂(A)および水分散着
色剤(B)を水に混合分散してなり、紫外線硬化型の水
性樹脂(A)を使用する場合には、必要に応じてさらに
光重合性モノマー、光増感剤等も含有していてもよい。
好ましくは2〜6、特に好ましくは3〜5のアクリル樹
脂である。本発明で用いられるアクリル樹脂は、水溶性
樹脂あるいは水分散性樹脂(エマルジョン型およびコロ
イダルディスパージョン型樹脂を含む)であり、親水基
の有無を問わず、また硬化方式も特に限定されず、常温
硬化型、加熱硬化型あるいは光硬化型などのいずれでも
よく、また1液型、2液硬化型のいずれであってもよ
い。このようなアクリル樹脂は、紫外線照射により硬化
する、重合性不飽和基を有する不飽和樹脂であってもよ
い。
えばスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル等の
硬質の非官能性単量体、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル等の軟質
の非官能性単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸等のカルボキシル基含有官能性単量体、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピル等のヒドロキシ基含有官能性単量体、(メ
タ)アクリル酸アミド等のアミド基含有官能性単量体、
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有官
能性単量体などを適宜組み合わせて、ラジカル重合反応
を行ない、得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合
体を部分的に酸で加水分解したり、あるいは上記ラジカ
ル重合反応により得られた(メタ)アクリル酸共重合体
の過剰のカルボキシル基を一部エステル化するなどして
pHを7以下に調整することにより得ることができる。
たとえば、アクリル樹脂に、(メタ)アクリル酸を直接
またはポリイソシアネート化合物等を介して付加させて
側鎖および/または末端に重合性不飽和二重結合を導入
した不飽和アクリル樹脂;ウレタン変性アクリル樹脂
に、(メタ)アクリル酸を付加させて側鎖および/また
は末端に重合性不飽和二重結合を導入した不飽和アクリ
ル樹脂などが挙げられる。
キシル基、アミノ基等の親水基を有する樹脂は、そのま
ま水に溶解あるいは分散させることができる。また、親
水基を有しない樹脂は、乳化剤などを用いて水中に分散
させることができる。本発明で用いられるアクリル樹脂
は、アニオン系、ノニオン系およびカチオン系のいずれ
でもよい。
化型の樹脂である場合、従来公知の架橋剤(硬化剤)、
たとえばメラミン樹脂、ポリアミン、アミンアダクト、
ポリアミド、ブロックポリイソシアネート化合物など
を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択して併用
することができる。また、アクリル樹脂が上記不飽和樹
脂の紫外線硬化型樹脂である場合、この不飽和樹脂の他
に、重合性不飽和二重結合を有する光重合性モノマーお
よび/または光増感剤を、本発明の目的を損なわない範
囲で併用することができる。
体的には、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、さらには、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレー
トなどを挙げることができる。上記光増感剤としては、
具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-メチルベン
ゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、
ベンジルジメチルケタール、アントラキノン、メチルア
ントラキノン、ジアセチルアセトフェノン、ジフェニル
スルフィド、アントラセンなどが挙げられる。
7以下の水溶性あるいは水分散性のアクリル樹脂を水性
樹脂(A)として用い、その組成物全体のpHも7以下
であるため、アルカリセルロースに起因する木質繊維の
膨潤はなく、目ブクレの発生を抑制することができる。
また、本発明で用いられるpH7以下のアクリル樹脂
は、分散安定性が良好で、少なくとも1カ月間は貯蔵可
能であるので、実用上問題は生じない。
公知の水分散性の着色顔料や、水可溶性の染料を使用す
ることができる。水分散着色剤(B)は、有機系、無機
系、天然物、合成物のいずれでもよい。これらの水分散
着色剤(B)は、単独で、あるいは2種以上組み合わせ
て使用することができる。
は、酸化チタン、カーボンブラック、ナフトールレッ
ド、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、弁柄等を挙げることができる。ま
た、水可溶性の染料としては、具体的には、ダイレクト
スカーレット、ダイレクトオレンジR、ダイレクトファ
ストオレンジWS、クリンフェニンG、ダイレクトダー
クグリーンB、ダイレクトブラウンKGG、ダイレクト
ブルーBB、ダイレクトブラックEX、ローゼリン、ア
シッドアゾルビン、アシッドオレンジB、メタニルエロ
ー、ブリリアントミリンググリーンB、アシッドブラウ
ンR、アシッドブルーブラック10B等を挙げることが
できる。
ステイン組成物中に、通常0.1〜50重量%、好まし
くは0.1〜30重量%、特に好ましくは0.5〜20
重量%の割合で存在している。水性ステイン組成物 本発明に係る水性ステイン組成物は、上記のような水性
樹脂(A)および水分散性着色剤(B)を含有してい
る。この組成物のpHは7以下、好ましくは2〜6、特
に好ましくは3〜5である。
のような水性樹脂(A)および水分散着色剤(B)、さ
らには必要に応じて光重合性モノマー、光増感剤を、従
来公知の方法で混合攪拌して得ることができる。本発明
に係る水性ステイン組成物中に、上記各成分の他に、必
要に応じて、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、ぬれ剤、増
粘剤等の水性塗料に添加される従来公知の添加剤を、本
発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
て説明する。本発明に係る基材の着色方法では、基材の
表面に、上述した本発明に係る水性ステイン組成物を塗
布し、その後硬化させる。本発明で用いられる基材は、
多孔質部材あってもよいし、多孔質部材でなくてもよ
い。多孔質部材は、少なくともその表面が多孔質であれ
ばよく、その内部が多孔質でなくてもよいし、また多孔
質であってもよい。本発明においては、多孔質部材表面
の孔の大きさは、特に制限されない。このような多孔質
部材としては、具体的には、木質素材;発泡プラスチッ
ク素材;スレート、コンクリート、セメント製品等の無
機質素材などが挙げられる。これらの多孔質部材の形状
は、特に制限はなく、たとえば板状、シート状、棒状、
曲板状であってもよく、また、これらの形状の組み合わ
せた形状であってもよい。また、これらの多孔質部材
は、その表面にV字またU字等の溝が1本または複数本
形成されていてもよい。
に係る水性ステイン組成物の塗装時における粘度は、被
塗装物たとえば多孔質部材の種類、使用する塗装機、塗
装場における雰囲気温度等によっても異なるが、太佑機
材(株)製ザンカップZc#2で、通常6〜30秒であ
り、固形分は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜2
0重量%である。
ーコーター、エアースプレーガン、エアレススプレーガ
ン等の塗装機で、多孔質部材等の基材表面に、水性ステ
イン組成物を塗布する。水性ステイン組成物の塗布量
は、その組成物の種類および基材たとえば多孔質部材の
種類等により異なるが、多孔質部材がたとえば突き板合
板である場合、ウェット状態での塗布量は通常1〜47
g/m2、好ましくは5.5〜27.5g/m2である。
テイン組成物を塗布した後、必要に応じて、多孔質部材
表面に塗布された余分な水性ステイン組成物をワイピン
グして、多孔質部材表面の孔部以外に塗着した水性ステ
イン組成物を除去するとともに、その余分な水性ステイ
ン組成物を多孔質部材の孔内部に充填する。このワイピ
ングは、たとえばリバースロールコーター、ブラシワイ
ピング、布製ベルトワイピングなどの装置を用いて行な
われる。
布した後、または上記ワイピングを行なった後、多孔質
部材の表面に形成された塗布膜、さらには孔内部に充填
された水性ステイン組成物を硬化させる。本発明では、
使用する水性ステイン組成物の種類によって、その硬化
方法を適宜選択し、上記の塗布膜等を室温で放置して硬
化させるか、あるいは加熱して硬化させるか、または紫
外線を照射して硬化させる。
性ステイン組成物の硬化塗膜の上に、さらにクリヤー塗
膜を形成することが好ましい。上記クリヤー塗膜形成に
使用されるクリヤー塗料としては、従来公知のクリヤー
塗料、たとえばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする、
常温硬化型、加熱硬化型もしくは紫外線硬化型の水性塗
料または有機溶剤型塗料が挙げられる。
H7以下のアクリル樹脂からなる水性樹脂(A)および
水分散着色剤(B)を含有し、かつ、この組成物のpH
が7以下であるので、基材特に木質素材等の多孔質部材
に塗装した場合、目ブクレが生じにくいという効果があ
る。
記水性ステイン組成物を用いるので、目ブクレが殆ど認
められない木質素材等の多孔質部材の塗装品が得られ
る。
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
固形分50.5%、pH=4、粘度1500cPs)3
0重量部と水50重量部をディスパーサーで攪拌しなが
ら、水分散着色剤(オリエント化学社製着色加工顔料、
商品名マイクロピグモ エロー3重量部と、商品名マイ
クロピグモ レッド2重量部と、商品名マイクロピグモ
ブラック1重量部と、商品名マイクロピグモ ホワイ
ト4重量部との混合物)10重量部を添加し、pH5の
水性ステイン組成物を得た。
床材(フローリングボード)の表面にスポンジロールコ
ーターを用い、27.5g/m2の塗布量で塗布した
後、80℃で1分間、熱風乾燥した。次いで、その水性
ステイン組成物の塗膜上に、UV下塗り塗料(商品名
オーレックスNo.837F−4QD、中国塗料(株)
製)をロールコーターを用い、22g/m2の塗布量で
塗布してUV硬化させた後、さらにUV中塗り塗料(商
品名 オーレックスNo.677B、中国塗料(株)
製)、UV上塗り塗料(商品名 オーレックスNo.8
58G−30、中国塗料(株)製)を順次、UV下塗り
塗料の場合と同様に塗布、UV硬化させ、木質床材塗装
品を得た。
レの発生状態を観察した。目ブクレの抑制効果は、木材
の導管部分への水の浸入による膨潤具合(フクレ)で評
価した。
代わりに、水性樹脂(水溶性スチレンアクリル樹脂、固
形分35%、pH=7、粘度2600cPs)を用いた
以外は、実施例1と同様にして、水性ステイン組成物を
得た。以下、実施例1と同様にして、目ブクレの抑制効
果を評価した。
代わりに、水性樹脂(水溶性スチレンアクリル樹脂、固
形分35%、pH=9、粘度2500cPs)を用いた
以外は、実施例1と同様にして、水性ステイン組成物を
得た。以下、実施例1と同様にして、目ブクレの抑制効
果を評価した。
Claims (2)
- 【請求項1】pH7以下のアクリル樹脂からなる水性樹
脂(A)および水分散着色剤(B)を含有してなり、か
つ、pHが7以下であることを特徴とする水性ステイン
組成物。 - 【請求項2】基材の表面に、pH7以下のアクリル樹脂
からなる水性樹脂(A)および水分散着色剤(B)を含
有してなり、かつ、pHが7以下である水性ステイン組
成物を、塗布し、その後硬化させることを特徴とする基
材の着色方法。
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