JP3745453B2 - 多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法 - Google Patents

多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法に関し、さらに詳しくは、特に木質素材等の多孔質部材に対する密着性に優れ、平滑性に優れた塗膜を形成できるような多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらの塗料を用いた多孔質部材の塗装方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、木材等の塗装では、その木目模様を活かし、かつ素材の耐久性を増すために、着色ステイン塗装と紫外線硬化型塗料による塗装とが組合されて行われている。
【0003】
着色ステインとしては、油性のものと水性のものとがあげられ、これらのうちでは、顔料系油性ステインは、着色むらが生じにくく、耐候性もよいため多用されていた。
【0004】
しかしながら、近年では、環境汚染対策等が特に重要視されるようになっており、油性の着色ステインに替わって、着色顔料または染料と、水希釈可能な樹脂とを主成分として含有する着色ステインが使用され始めている。
【0005】
ところで、着色ステインが塗布される木材等は多孔質であるため、水性の着色ステインを木材の導管部に塗布すると導管の深部にまで浸透し、その結果、塗布された水性着色ステインの乾燥が不十分となりやすい。
【0006】
このため、水性着色ステインが塗布された木材表面に、例えば紫外線硬化型塗料を上塗りしたのち紫外線照射すると、導管部に目ブクレやザラツキが生じ易く、しかも塗膜の木材表面への付着性や耐クラック性も不十分となり易いという問題点があった。
【0007】
例えば、特開平6-207133号公報には、「表面に多孔部を有する素材の主として孔部分を着色するにあたり、着色剤として、着色顔料または染料を分散させた水性着色ステインを使用する多孔質素材の着色方法」が開示されている。しかしながら該公報に記載の方法で木材等の表面塗装をしたのち、上記のような紫外線硬化型塗料を上塗りし紫外線照射すると、上記のように導管部に目ブクレやザラツキが生じ易く、しかも塗膜の木材表面への付着性や耐クラック性も不十分であるとの問題点があった。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、例えば多孔質部材に塗装しても目ブクレやザラツキが生じにくく、密着性に優れ、しかも平滑性に優れ、その上耐クラック性にも優れた塗膜を形成できるような多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらの塗料を用いた多孔質素材の塗装方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る多孔質部材用水性着色ステイン組成物は、着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂と、石膏類とを含有することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る紫外線硬化型塗料組成物は、紫外線硬化型樹脂と吸水剤とを含有することを特徴としている。
本発明に係る多孔質部材の塗装方法は、
(i)着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂と、石膏類とを含有する多孔質部材用水性着色ステイン組成物と、
(ii)紫外線硬化型樹脂と吸水剤とを含有する紫外線硬化型塗料組成物とを、
任意の順序でそれぞれ1回以上塗布することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る多孔質部材用水性着色ステイン組成物あるいは紫外線硬化型塗料組成物によれば、例えば木材、セメント製品(例:スレート、コンクリートブロック)等の多孔質素材に塗装しても目ブクレやザラツキが生じにくく、密着性、平滑性に優れ、その上耐クラック性にも優れた塗膜を形成できる。特に、上記多孔質部材用水性着色ステイン組成物および紫外線硬化型塗料組成物を、上記のような方法で多孔質素材に塗装すると、上記のような密着性、平滑性、耐クラック性に優れ、ステインの滲みのない塗膜を多孔質素材表面に形成できる。
【0012】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法について、具体的に説明する。
【0013】
[多孔質部材用水性着色ステイン組成物]
本発明に係る多孔質部材用水性着色ステイン組成物(水性着色ステイン組成物)は、着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂(水希釈性樹脂、水性樹脂とも言う)と、石膏類とを含有している。
【0014】
このような水性着色ステイン組成物は、多孔質素材に塗装しても目ブクレやザラツキが生じにくく、密着性、平滑性に優れ、その上耐クラック性にも優れた塗膜を形成できる。
【0015】
着色顔料または染料としては、従来より公知のものを使用でき、有機系、無機系、天然物、合成物の何れであってもよく、またこれらを組み合わせて用いることもできる。
水溶性あるいは水分散性樹脂(水性樹脂)
水溶性あるいは水分散性樹脂(両者をまとめて、「水性樹脂」とも言う)としては、親水基を有していてもよく、有していなくてもよく、また硬化(乾燥)形式は特に限定されず、例えば常温硬化型、加熱硬化型あるいは光(例:紫外線)硬化型などの何れであってもよく、また1液型硬化型、2液硬化型の何れであってもよいが、中でも紫外線硬化型の樹脂を用いると迅速硬化処理による塗装・硬化時間の短縮化および多孔質部材の目ブクレ、ザラツキの改良に特に効果的である。
【0016】
このような水性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。さらにこれらの水性樹脂は、後述するような重合性不飽和結合(例:炭素・炭素二重結合)を有するものであってもよい。
【0017】
これらの水性樹脂のうち、親水基、例えば水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2)などを有しているものは、特に乳化剤や分散剤を用いることなくそのまま水(あるいは水性着色ステイン組成物)中に溶解または分散させることができるが、親水基を有していない樹脂では乳化剤や分散剤を併用することにより乳化・分散させることができる。
【0018】
これらの水性樹脂は、上記のように常温あるいは加熱下に乾燥硬化できるものでもよく、または紫外線照射によって硬化できるもの(紫外線硬化型)であってもよいが、紫外線硬化型の場合は、重合性不飽和結合を有する単量体などの架橋剤が水性着色ステイン組成物に配合されることが望ましい。
【0019】
紫外線硬化型の水性樹脂(紫外線硬化型プレポリマー)を含有する水性着色ステイン組成物は、工程・工期の短縮および目ブクレ、ザラツキの改良に特に効果的であり、このような紫外線照射硬化型の水性着色ステイン組成物では、上記着色顔料または染料と、石膏類と、水性樹脂であり紫外線硬化型樹脂でもある下記の重合性不飽和結合含有樹脂とに加えて、重合性不飽和結合を有する単量体、光開始剤(光反応開始剤、光増感剤ともいう)が含まれていることが好ましい。
【0020】
このような重合性不飽和結合含有樹脂としては、アクリル基、ビニル基等の活性二重結合を有する樹脂のようにラジカル重合にて硬化されるもの、エポキシ基含有樹脂のようにカチオン重合にて硬化されるもの、チオール基と二重結合基との付加反応にて硬化されるものなどがあり、
このような樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などがあげられる。
【0021】
これらの不飽和結合含有樹脂の数平均分子量は、通常特に限定されないが、約1000〜100,000(10万)であることが好ましく、重合性不飽和結合(例:炭素−炭素二重結合)は1分子中に1個、好ましくは2個以上存在していることが好ましい。
【0022】
重合性不飽和結合を有する単量体としては、通常、1分子中に1個あるいは2個以上の重合性不飽和結合を有する分子量1000以下の化合物が用いられ、具体的には、例えば、N−ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン、フェノキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどがあげられる。
【0023】
これらの単量体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
光反応開始剤(光増感剤)としては、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタールなどがあげられ、これらの光反応開始剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0024】
このような紫外線硬化型の水性着色ステイン組成物では、重合性不飽和結合含有樹脂(イ)は、重合性不飽和結合含有樹脂(イ)と重合性不飽和結合を含有する単量体(ロ)との合計100重量%中に、60〜100重量%((ロ)は残部量である40〜0重量%)、好ましくは80〜90重量%((ロ)は残部量である20〜10重量%)となるような量で含まれていることが望ましい。
【0025】
光反応開始剤は、上記(イ)と(ロ)の合計100重量%に対して、0.1〜10重量%が好ましく、さらに望ましくは1〜5重量%の量で水性着色ステイン組成物中に含まれていることが好ましい。
石膏類
上記石膏類としては、無水石膏、半水石膏、結晶石膏が挙げられ、好ましくは無水石膏、半水石膏が望ましく用いられる。このような石膏類は、多孔質素材の穴(例:木材の導管部)を塞ぐためか、あるいは半水石膏などの吸水性のためか、その理由は定かではないが、このような石膏類、中でも無水石膏、半水石膏を含有する多孔質部材用水性着色ステイン組成物は、木材等の被塗物表面への付着性や表面のザラツキ防止能等の点で優れている。
【0026】
このような本発明に係る水性着色ステイン組成物は、必要により、水で希釈して用いることができる。また、本発明に係る水性着色ステイン組成物には、通常の水性着色ステインに含有されるような各種成分が配合されていてもよく、このような成分としては、沈殿防止剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤類、体質顔料、有機溶剤などがあげられる。
【0027】
本発明では、このような水性着色ステイン組成物を多孔質部材に塗布しているが、この水性着色ステイン組成物の塗布(さらには硬化)に先立ち、あるいは水性着色ステイン組成物の塗布後(さらには硬化後)に、あるいは水性着色ステイン組成物の塗布前と塗布後に、透明塗膜形成塗料を塗装してもよい。該透明塗膜形成塗料としては、有機溶剤系塗料、水溶性あるいは水分散性塗料などがあられ、具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を主成分とする常温硬化型、加熱硬化型、紫外線硬化型等の各種塗料があげられ、好ましくは下記のような紫外線硬化型塗料組成物が用いられる。
【0028】
[紫外線硬化型塗料組成物]
本発明に係る紫外線硬化型塗料組成物は、上記のような紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型プレポリマー)と、下記の吸水剤(脱水剤)とを含有している。
【0029】
特に、このような紫外線硬化型塗料組成物(ii)と上記水性着色ステイン組成物(i)とを任意の順序で、それぞれ1回以上多孔質部材に塗装すると、多孔質部材に対する密着性に優れ、平滑性に優れた塗膜を形成できる。
【0030】
吸水剤(脱水剤)としては、具体的には、例えば、前記石膏類のうちの無水石膏、半水石膏の他、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等があげられ、これらのうちでは、無水石膏、半水石膏、ゼオライトが得られる塗膜の塗装面への付着性向上やザラツキ防止能等の点で好ましく用いられる。
【0031】
このような紫外線硬化型塗料組成物中には、上記吸水剤は、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で、換言すれば、該紫外線硬化型塗料組成物中の紫外線硬化型樹脂100重量部あたり、上記吸水剤は、通常、0.2〜40重量部、好ましくは1〜20重量部の量で、含有されていることが好ましい。
【0032】
また上記紫外線硬化型樹脂は、このような紫外線硬化型塗料組成物中に、通常、10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%の量で含有されていることが好ましい。
【0033】
本発明に係る紫外線硬化型塗料組成物には、上記したような重合性不飽和二重結合を有する単量体が通常10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%の量で、換言すれば、紫外線硬化型塗料組成物中の紫外線硬化型樹脂100重量部あたり、該単量体が通常20〜180重量部、好ましくは60〜140重量部の量で、
光重合開始剤(光開始剤)が通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で、換言すれば、紫外線硬化型塗料組成物中の紫外線硬化型樹脂100重量部あたり、該光重合開始剤が通常0.2〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の量で含まれていることが好ましい。
【0034】
本発明に係る紫外線硬化型塗料組成物には、さらには、体質顔料、有機溶剤などが含まれていてもよい。
[塗装方法]
本発明では、上記多孔質部材用水性着色ステイン組成物(i)(水性着色ステイン)と、上記紫外線硬化型塗料組成物(ii)(紫外線硬化型塗料)とを、任意の順序でそれぞれ1回以上塗布する。
【0035】
すなわち、水性着色ステイン組成物(i)と塗重ねて使用される脱水剤含有の紫外線硬化型塗料組成物(ii)は、水性着色ステイン組成物(i)の塗装前に塗布してもよく、塗装後に塗布してもよく、あるいは水性着色ステイン組成物(i)の塗装前と後との両方に塗装してもよく、同一の組成物(i)あるいは(ii)は、それぞれ2度以上繰り返して塗布してもよい。
【0036】
本発明の好ましい態様においては、例えば、木材、セメント製品等の多孔質部材表面に、多孔質部材用水性着色ステイン組成物(i)、好ましくは紫外線硬化型の水性着色ステイン組成物(i)を塗布し、硬化させた後、紫外線硬化型塗料組成物(ii)を塗布し硬化させることが望ましい。本発明では、このように紫外線硬化型塗料組成物(ii)を塗布硬化させた後、さらに紫外線硬化型塗料組成物(ii)を重ね塗りし、硬化させてもよい。
【0037】
本発明において水性着色ステイン組成物(水性着色ステイン)を塗装する際には、ハケ、スプレー、ロールコーター、スポンジロールコーター等の通常の塗装機が使用できる。水性着色ステインの塗布量としては1〜10g/尺2[11〜110g/m2]、望ましくは2〜5g/尺2[22〜55g/m2]が好ましい。次いで表面に塗布された水性着色ステインをリバースコーターなどで素材表面内部に充填すると共に残部をかきとる。さらに必要に応じてロールコーターにて補色塗装が行われる。水性着色ステイン組成物の硬化方法は、水性着色ステインの成分組成によって任意に選択でき、例えば、常温下での自然乾燥、加熱下での強制乾燥、または紫外線照射により硬化させることができる。
【0038】
水性着色ステイン(i)と塗重ねて使用される、脱水剤含有の紫外線硬化型塗料(ii)を塗装する際には、スプレー、ロールコーター、カーテンフローコーター等の通常の塗装機が使用できる。紫外線硬化型塗料組成物の塗布量としては1〜20g/尺2、望ましくは2〜10g/尺2が好ましい。
【0039】
上記紫外線硬化型塗料(ii)の塗膜を硬化させる線源としては、水銀ランプ、あるいは鉄、ガリウム等が封入されたメタルハライドランプを使用することができる。これらのランプの波長としては、通常紫外領域(例:100〜400nm)が採用でき、塗膜の迅速硬化性を考慮すると、250〜400nmの範囲が望ましい。またこのような紫外線の照射時間はランプの波長にもよるが、通常1〜10秒の範囲が好ましく、1〜10秒の範囲では塗膜の硬化性、光線照射量が好適であり、塗膜に変色、脆化を生ずることもない。
【0040】
このような方法で多孔質素材に、上記石膏類を配合してなる水性着色ステイン組成物と、脱水剤を配合してなる紫外線硬化型塗料組成物とを組合せて塗装することにより、目ブクレやザラツキが生じにくく、密着性に優れ、しかも平滑性に優れ、その上耐クラック性にも優れた塗膜を形成できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る水性着色ステイン組成物には、着色顔料または染料と、水希釈可能な樹脂とともに、石膏類が含有されているので、木材、発泡プラスチック等の天然・合成有機系多孔質素材、セメント製品(例:スレート、コンクリートブロック)等の無機系多孔質素材等に塗装しても目ブクレやザラツキが生じにくく、密着性、平滑性に優れ、その上耐クラック性にも優れ、良好な仕上がりの塗膜を形成できる。さらに、本発明に係る水性着色ステイン組成物では、水を溶媒あるいは分散媒としているので、動植物への危険性が少なく環境保護の面からも好ましい。
【0042】
特に、上記多孔質部材用水性着色ステイン組成物と紫外線硬化型塗料組成物とを、上記のように少なくとも1回以上任意の順序で多孔質素材に塗布すると、上記のような密着性、平滑性、耐クラック性に優れ、ステインの滲みもない塗膜を多孔質素材表面に形成できる。
【0043】
本発明に係る上記何れの組成物も、また塗装方法も、木材、セメント製品(例:スレート、コンクリートブロック)等の多孔質素材、特に木質の住宅部材、床材、家具等の塗装に好適に用いられる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明に係る水性ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらの塗装方法についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定されるものではない。
【0045】
なお以下の実施例、比較例に記載した水性ステイン組成物あるいは紫外線硬化型塗料組成物の組成値は、特にその趣旨に反しない限り、すべて重量部表示で示す。
[試験方法]
以下の実施例、比較例で用いた試験方法は、下記の通り。
▲1▼塗装板の仕上がり外観:目ハジキ、ザラツキなどの有無で評価した。
▲2▼初期付着量:「ゴバン目セロテープ剥離、2mm幅×100目」とは、JISK5400 ゴバン目テープ法に準じて試験し、塗膜残存数χ/100にて評価した。
▲3▼寒・熱繰り返し試験:
塗装板を、「60℃で2時間保持した後、−20℃で2時間保持」する操作を2回繰り返し、外観(クラック、ふくれ、しわ、変色や目やせ)特にクラックの有無を調べた。
【0046】
Figure 0003745453
▲4▼耐水性試験:
塗装板を、「60℃の温水中に1時間保持した後、60℃の空気中に2時間保持」する操作を2回繰り返し、外観(クラック、ふくれ、はがれ、ならびに著しい変色及びつやの変化)を評価した。
【0047】
Figure 0003745453
【0048】
【実施例1】
[水性着色ステイン組成物の調製]
ウレタンアクリレート樹脂40部に対して水60部の割合で、ウレタンアクリレート樹脂を水に乳化分散させた水性樹脂(荒川化学製:ビームセット EM−90)50部、ポリエチレングリコールジアクリレート(第一工業製薬製:ニューフロンティア PE−300)10部、光反応開始剤2部(チバガイギー製:イルガキュアー184)、無水石膏20部、黄色顔料9部、赤色顔料3部、黒色顔料4部、白色顔料2部(以上いずれの顔料もオリエント化学製:マイクロピグモ)を撹拌機で混合し水性着色ステイン組成物を得た。
[紫外線硬化型塗料の調製]
ウレタンアクリレート樹脂(日本合成製:紫光UV−7500B)30部、ポリエステルアクリレート樹脂(東亜合成製:アロニックスM−7100)20部、トリプロピレングリコールジアクリレート(ダイセルUCB:TRPGDA)36部、無水石膏10部、光反応開始剤4部を撹拌機で混合し紫外線硬化型塗料を得た。
[塗装]
ナラ突板貼り合板にハケで上記水性着色ステイン組成物を塗装し、ウエスにてふき取った後、80W/cm水銀ランプを3秒間照射し硬化させた。
【0049】
このように紫外線硬化処理された合板表面に、次いでロールコーターにて上記紫外線硬化型塗料を2g/尺2[約22g/m2]塗装し、80W/cm水銀ランプを5秒間照射し硬化させた。
【0050】
次いで、このように紫外線硬化処理された紫外線硬化型塗膜表面をサンドペーパー(#320)にて軽く研磨した。
このように研磨処理した後、さらに、上記と同様の方法で紫外線硬化型塗料を2g/尺2[約22g/m2]塗装し、80W/cm水銀ランプを5秒間照射して塗装板を得た。
【0051】
このようにして得られた塗装板について各種試験を行ったところ、仕上がり外観は良好(目ハジキ、ザラツキなど:無し)であり、初期付着量(ゴバン目セロテープ剥離、2mm幅×100目)は100/100であり、寒・熱繰り返し試験(「60℃×2時間保持した後、−20℃×2時間保持」を2回繰り返す)では、クラックは認められず外観は(4)であり、耐水性試験(「60℃温水×1時間保持した後、60℃空気×2時間保持」を2回繰り返す)の、評価も(4)となった。
【0052】
結果を表1に示す。
【0053】
【比較例1】
[水性着色ステイン組成物の調製]
実施例1の[水性着色ステイン組成物の調製]において、無水石膏を用いなかった以外は、実施例1と同様にして水性着色ステイン組成物を調製した。
[紫外線硬化型塗料の調製]
実施例1の[紫外線硬化型塗料の調製]において、無水石膏を用いなかった以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型塗料を調製した。
[塗装]
ナラ突板貼り合板に、実施例1と同一の塗装方法で水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料を塗装して、塗装板を得た。
【0054】
このようにして得られた塗装板について各種試験を行ったところ、仕上がり外観は不良(目ハジキ、ザラツキなど:有り)であり、初期付着量(ゴバン目セロテープ剥離、2mm幅×100目)は40〜50/100であり、寒・熱繰り返し試験(「60℃×2時間保持した後、−20℃×2時間保持」を2回繰り返す)では、クラックが100〜200mm認められ外観評価は(1)であり、耐水性試験(「60℃温水×1時間保持した後、60℃空気×2時間保持」を2回繰り返す)では、評価は(4)となった。
【0055】
結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003745453

Claims (3)

  1. 着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂と、石膏類とを含有することを特徴とする多孔質部材用水性着色ステイン組成物。
  2. 紫外線硬化型樹脂と吸水剤とを含有することを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物。
  3. (i)着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂と、石膏類とを含有する多孔質部材用水性着色ステイン組成物と、
    (ii)紫外線硬化型樹脂と吸水剤とを含有する紫外線硬化型塗料組成物とを、
    任意の順序でそれぞれ1回以上塗布することを特徴とする多孔質部材の塗装方法。
JP14043196A 1996-06-03 1996-06-03 多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法 Expired - Fee Related JP3745453B2 (ja)

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