JPH09272842A - 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法 - Google Patents

明色塗膜形成性組成物及びその使用方法

Info

Publication number
JPH09272842A
JPH09272842A JP8084982A JP8498296A JPH09272842A JP H09272842 A JPH09272842 A JP H09272842A JP 8084982 A JP8084982 A JP 8084982A JP 8498296 A JP8498296 A JP 8498296A JP H09272842 A JPH09272842 A JP H09272842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
coating film
polymerizable
composition
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8084982A
Other languages
English (en)
Inventor
Shizuo Shimooka
静夫 下岡
Hideoki Tsuji
秀興 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo NSC KK
Original Assignee
Kanebo NSC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo NSC KK filed Critical Kanebo NSC KK
Priority to JP8084982A priority Critical patent/JPH09272842A/ja
Publication of JPH09272842A publication Critical patent/JPH09272842A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】湿潤下地及び高湿度雰囲気下での硬化性に優
れ、かつ安価で自由な色調(特に明色)の塗膜形成材料
を提供する 【解決手段】塗膜形成材料の必須構成成分として、(メ
タ)アクリル酸エステルを主成分とした液状重合性膜形
成剤成分(A)と、これに重合開始剤成分(B)、及び
水硬化性を有し、白色度の高い、石膏、高炉スラグ、白
色セメント等の粉体成分(C)を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜防水材、塗床
材等として用いられる塗膜を形成する明色舗装塗膜形成
性組成物及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート、アスファルト、金属等の
床面、屋上あるいは外壁のコーティング材として、メチ
ルメタクリレート(以下「MMA」と略す)系シロップ
組成物が、優れた耐候性、耐薬品性及び速硬化性を有す
るものとして賞用されている。上記MMA系シロップ組
成物は、MMA単独重合体をMMA単量体に溶解する
か、あるいはMMA単量体単独又は上記単量体と他のビ
ニル重合性単量体とを部分重合して得られるMMA系モ
ノマー、あるいはプレポリマーさらにはビニルエステル
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を反応成分として含有
し、空気遮断剤としてパラフィンワックスを含有するも
のである。上記組成物を、単独あるいは、硅石分、炭酸
カルシウム、石英粉等の増量材、べんがら、フタロシタ
ニンブルー等の着色剤と混合して塗工すると、上記パラ
フィンワックスが塗膜表面に浮いて薄膜を作り、空気が
遮断された状態でラジカル重合反応が進行、完結し、常
温で耐候性及び、耐薬品性に非常に優れた硬化皮膜が得
られる。
【0003】しかしながら、上記MMA系シロップ組成
物を用いて、湿潤下地あるいは湿度の高い雰囲気下で塗
膜を形成すると、重合反応層が湿気との接触により硬化
が不充分となり、基材との密着性に問題が生じることが
ある。また、硬化時の収縮率が大きいため、下地の種類
によっては塗膜の反りや歪みが生じるという問題も生じ
る。これらの問題を解決するため、我々は特願平4−1
78355号において、重合性膜形成剤及び重合開始剤
の混合物を基材表面に塗工する際に、予め混合物にセメ
ント成分を添加する方法を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法にお
いて、重合性膜形成剤及び重合開始剤の混合物にセメン
ト成分を添加し、塗工、硬化して得られる塗膜の仕上が
り色は、比較的暗色系に限られ、自由に明るい調色を施
して基材表面の塗工を仕上げるためには、セメント粉体
の他に酸化チタン等の白色系顔料を多量に添加するか、
あるいは、得られた硬化塗膜の上に、さらに一層別に準
備したトップコート用塗料を塗工する必要がある。この
うち多量の酸化チタンを添加する方法は、組成物がコス
トアップとなるばかりでなく、施工現場で粉体としてま
たはベーストナーとして、重合性膜形成剤等と混合する
際、長時間、充分に攪拌、混合しないと顔料が充分に分
散せず、均一な色の塗膜が得ることが困難である。又、
重合性膜形成剤成分(A)に予め顔料を添加すると、長
期間の保存中に顔料が沈降分離して、施工に際し色むら
の発生原因となる恐れがある。さらに多様なユ−ザ−の
指定色に対し小回りのきく対応がしづらくなり、コスト
アップの要因ともなる。本発明は、このような事情に鑑
みなされたもので、湿潤下地及び高湿度雰囲気下での硬
化性に優れ、かつ安価で自由な色調(特に明色)の塗膜
形成材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は塗膜の形成を
ラジカル重合系で行う塗膜形成において、湿潤下地及び
多湿雰囲気下での硬化性に優れ、安価でかつ明るい色調
の塗膜を得るために一連の研究を重ねた結果、本発明に
到達した。
【0006】本発明の塗膜形成材料は、液状重合性膜形
成剤成分(A)と、これに重合開始剤成分(B)、及び
水硬化性を有し、白色度の高い粉体成分(C)を含む成
分を用いることによって得られる。重合性膜形成剤及び
重合開始剤を用いて、基材表面に塗膜を形成する際に、
水硬化性を有し、白色度の高い粉体を混合すると、湿潤
下地及び高湿度雰囲気下においても水硬化成分が湿気を
吸収して充分な硬化が起こり、かつ従来のポルトラント
セメント等を混合する場合に比較し、著しく白色度の高
い塗膜が形成されることによる。特に、白色度の高い粉
体を使用することにより、白色や明色系等の着色が必要
な外観特性が要求される用途に広く利用可能となる。
【0007】前記液状重合性塗膜形成剤成分(A)は下
記の(a)〜(e)の成分から構成される。 (a)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸、メタクリル酸の少なくとも
一種以上。 (b)上記(a)成分に可溶な重合体。 (c)上記(a)成分に可溶な可塑剤。 (d)1分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有
する化合物。 (e)40℃以上の融点を有する、パラフィンワックス
の少なくとも一種以上。 上記(a)〜(e)を含む(A)成分は、明色塗膜のバ
インダーとなる樹脂成分を形成する。
【0008】本発明においては、水硬化性を有し、白色
度の高い粉体成分(C)が、石膏、高炉スラグ、白色セ
メントのうちから選ばれた、少なくとも1種以上を使用
することが好ましい。本発明の組成物の配合比率は
(C)成分の混合量が、(A)成分である重合性膜形成
剤100重量部に対して、20〜200重量部の範囲に
設定されているものであることが好ましい。
【0009】本発明の組成物は、重合開始剤成分として
硬化剤と硬化促進剤の2成分レドックス系重合開始剤成
分を使用し、前記(C)水硬化性を有し、白色度の高い
粉体成分を含む成分〔I〕と重合性塗膜形成剤成分
(A)を含む成分〔II〕、及び硬化剤の3成分タイプ
として製造されるものであることが好ましい。使用に際
して〔I〕、〔II〕及び硬化剤を混合すると(A)、
(B)、を含む本発明の組成物が形成される。なお、硬
化剤だけでも重合性塗膜形成剤成分(A)の重合を進行
させる能力があり、硬化促進剤は必須成分ではない。ま
た、硬化剤成分は施工直前に混合することが好ましい。
このような場合、重合開始剤成分(B)、特に硬化剤成
分は、通常〔I〕成分、〔II〕成分と比較して配合量
が少なく、施工現場のようなラフな計量、攪拌では硬化
速度、硬化物の物性にバラツキが生じやすい。従って、
使用に際して成分〔I〕と成分〔II〕を現場で正袋単
位で混合し、塗工することが適している。通常は、重合
性塗膜形成剤成分(A)を含む成分〔II〕には、微量
の重合禁止剤が配合される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の塗膜形成材料は、液状の
重合性膜形成剤成分(A)と、これに重合開始剤成分
(B)及び成分(C)すなわち水硬化性を有し、白色度
の高い粉体を用い、少なくともこれの成分をを混合して
得られる。上記液状重合性塗膜形成剤成分(A)はさら
に下記の(a)〜(e)の原料成分から構成される。 (a)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸、メタクリル酸の少なくとも
一種 (b)上記(a)成分に可溶な重合体 (c)上記(a)成分に可溶な可塑剤 (d)1分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有
する化合物 (e)40℃以上の融点を有する、パラフィンワックス
の少なくとも一種
【0011】上記(a)成分は、重合して塗膜の骨格を
構成するものである。アクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等があげ
られる。また。メタクリル酸エステルとしては、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸
イソボニル等があげられる。これらは単独で、もしくは
2種以上が併せて用いられる。なかでも、単独重合体の
ガラス転移温度が80℃以上のモノマー(例えばメタク
リル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル等)、及び単独
重合体のガラス転移温度が0℃以下のモノマー(例えば
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ラウリル等)とを組合せた混合物が、得られ
る塗膜に適度な強度と柔軟性を付与することができ、好
適である。単独重合体のガラス転移温度が80℃以上の
モノマー(M)と単独重合体のガラス転移温度が0℃以
下のモノマー(N)の混合割合は、重量比で、M/N=
30/70〜85/15の割合に設定することが好適で
ある。この範囲を越えると、それぞれの単独重合体の特
性が強く表れて好ましくない。
【0012】なお、上記(a)成分の(A)成分中の含
有量は、適宜に設定することができるが、特に、35〜
85重量%(以下単に「%」と略す)に設定することが
好ましく、より好ましくは45〜75%に設定すること
である。即ち、(a)成分が35%未満では、得られる
塗膜形成性組成物の粘度が高くなって塗工作業性、セル
フレベリング性(均一厚みの膜を形成する能力)が低下
する傾向がみられ、逆に85%を越えると硬化性が悪く
なる傾向が認められる。45〜75%の範囲内であれ
ば、特にバランス良く安定した塗工作業性、セルフレベ
リング性並びに硬化性を有する組成物が得られる。
【0013】上記(b)成分である重合体は、組成物の
粘度調節、ポリマー分の存在による硬化時間の短縮及び
塗膜の強度と柔軟性のバランスによる耐久性の向上とし
て添加されるものであって、上記(a)成分に可溶でな
ければならない。このような重合体としては、アクリル
系重合体、ウレタン樹脂、ウレタンプレポリマ−、アク
リルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロック共重合
体、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリ
ンゴム等の重合体の中から選定することができる。例え
ばアクリル系重合体としてはメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタク
リル酸tーブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル等のモノマーの単独重合体、あるいはこれらの2種
以上を組合せてなる共重合体があげられる。なかでも、
メタクリル酸メチル重合体、メタクリル酸メチルと単独
重合体のガラス転移温度の低いモノマー(例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ラウリル等)との共重合体を用いる
ことが好適である。そして、これらの重合体の分子量は
2000〜8000であることが好適である。2000
以下の場合には目的とする重合硬化性の改良等の効果が
十分でなく、また、8000以上になると組成物の粘度
が高くなり、塗工作業性が低下する。
【0014】前記(b)成分として使用可能なビニルエ
ステル樹脂としては分子末端に(メタ)アクリレート基
を有する反応性オリゴマーであるエポキシアクリレー
ト、及び/または分子末端に(メタ)アクリレート基を
有するポリエステルアクリレートが公知であり、本発明
において使用することができる。ここに、分子末端に
(メタ)アクリレート基を有するエポキシアクリレート
とは、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独または
ビスフェノールタイプのエポキシとノボラックタイプの
エポキシ樹脂とを混合した、平均エポキシ当量が好まし
くは150〜450の範囲にあるエポキシ樹脂と不飽和
一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られ
るエポキシビニルエステルである。(なお、(メタ)ア
クリレート基はアクリレート基、メタクリレート基の少
なくとも1種を示す。) 上記エポキシアクリレートの合成原料として使用される
ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂として代表的なも
のを例示すると、エピクロルヒドリンとビスフェノール
AもしくはビスフェノールFとの反応により得られる、
実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリ
シジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒ
ドリンとビスフェノールAもしくはビスフェノールFと
の反応により得られるジメチルグリシジルエーテル型の
エポキシ樹脂あるいはビスフェノールAのアルキレンオ
キサイド付加物とエピクロルヒドリンもしくは、メタエ
ピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などがあ
る。上記エポキシアクリレートの合成原料として使用す
る不飽和一塩基酸として代表的なものには、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、
モノプロピルマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−
エチルヘキシル)マレートなどがある。なお、これらの
不飽和一塩基酸は単独でも2種以上混合しても使用でき
る。
【0015】分子末端に(メタ)アクリレート基を有す
るポリエステルアクリレートとは、1分子中に少なくと
も1個の(メタ)アクリル酸エステル基を含有する飽和
もしくは不飽和ポリエステル、もしくはこれらと重合性
不飽和モノマーとの混合溶液である。ここにおいて使用
するポリエステルは、グリコール成分、トリオール成分
等のポリオール成分と二塩基酸、三塩基酸成分等の多塩
基酸とのエステル化反応により得られるものである。必
要により、モノエポキサイド化合物、エポキシ化合物、
イソシアネート化合物を併用してもよい。前記ポリエス
テル合成原料のグリコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール等に代
表されるアルキレングリコール類、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等に代表されるポリオキ
シアルキレングリコール類、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS等に代表される2価フェ
ノールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドに
代表されるアルキレンオキサイドとの付加反応生成物な
どが使用可能である。また、ポリエステル合成原料のグ
リコール以外のポリオール類としては、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,
2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールな
どがある。また、前記ポリエステル合成原料の酸成分と
して使用できる二塩基酸もしくは酸無水物としては、i
−フタル酸、o−フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロルフタル
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸などがあり、三塩基酸としては、トリメリ
ット酸、アコニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カ
ルボキシ−3−メチル1,2,3,6ヘキサヒドロフタ
ル酸などがある。さらに多塩基酸としてはピロメリット
酸なども使用可能である。これらのポリオール類、多塩
基酸の原料は、最終的に得られる塗膜の特性、用途等を
考慮し適宜選択し、ポリエステルが合成される。
【0016】なお、上記(b)成分の含有量は重合体の
種類、重合度により適宜に設定することができるが、液
状の重合性塗膜形成剤成分(A)中、10〜60に設定
することが好ましく、15〜35%に設定することがよ
り好ましい。重合度の低いビニルエステル樹脂を使用す
る場合は30〜60%が好適である。すなわち、(b)
成分が10%未満では得られる塗膜形成性組成物の硬化
性が悪くなる傾向がみられ、逆に35%を越えると塗膜
形成性組成物の粘度が上昇して塗工作業性とセルフレベ
リング性が低下する傾向がみられるからである。
【0017】上記(c)成分である可塑剤は、塗膜形成
性組成物の粘度調節及び硬化物の可塑化による下地面へ
の追従性の向上を目的として添加されるものであって、
上記(b)成分と同様、(a)成分に可溶でなければな
らない。このような可塑剤としては、例えばジブチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、オクチル
デシルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソ
デシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタ
ル酸エステル酸、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、
オクチルデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセ
バケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアゼレート、ポリオキシプロピレングリコール、塩素
化パラフィン、アジピン酸系やアゼライン酸系、セバシ
ン酸系、フタル酸系のポリエステル系高分子可塑剤、エ
ポキシ化油やエポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ系
高分子可塑剤等があげられる。これらは単独で、もしく
は2種以上を併せて使用することができる。なお、上記
(c)成分の含有量も適宜に設定されるが、特に液状の
重合性膜形成剤成分(A)中、2〜15%に設定するこ
とが好ましく、5〜10%に設定することがより好まし
い。添加量が2%未満では、硬化物の下地への追従性が
不充分となる傾向がみられる。15%以上添加すると、
組成によってはブリード、粘度低下等の問題を起こす場
合がある。
【0018】このように、本発明の塗膜形成用組成物で
は、上記(a)〜(c)成分の相互の含有比率を変える
ことによって、塗工作業性、セルフレベリング性及び硬
化性に影響を付与する粘度を好ましい範囲に調節するこ
とができ、かつ硬化物の強度と柔軟性のバランスを同じ
く好ましい範囲に調節することができる。
【0019】また、前記(d)成分である1分子中に少
なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物は、上記
(a)成分の重合体を架橋させ、硬化物の耐久性を向上
させる目的で添加されるものであって、この架橋により
塗膜表面の耐薬品性、耐汚染性も向上する。このような
化合物としては、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールメタクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリ
コールジメタクリレート、トリオキシエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラオキシエチレングリコール
ジメタクリレート、ポリオキシエチレングリコールジメ
タクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジメ
タクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、アリルメタクリレート、
ジアリルフマレート等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上を併せて使用することができる。なお、
上記(d)1分子中に少なくとも2個の重合性二重結合
を有する化合物の含有量も適宜に設定することができる
が、含有量が多過ぎると硬化物の柔軟性を損なうため、
上記(a)〜(c)成分の合計量100重量部(以下
「部」と略す)に対して0.1〜10部に設定すること
が好ましく、より好ましくは1〜5部である。すなわち
0.1部未満では架橋密度が低く、硬化性、耐久性が悪
くなり、逆に10部を越えると架橋密度が高くなりす
ぎ、柔軟性が悪化する傾向がみられる。
【0020】前記(C)成分、すなわち水硬化性を有
し、白色度の高い粉体としては、塗膜形成材内部及び、
下地水分、大気中水分と反応し、水分による重合反応阻
害、下地との接着性不良を減少し、同時に硬化時の収縮
をも低減すると共に、舗装塗膜の仕上がり色調が、明色
となる粉体に限られる。このような粉体としては、石
膏、高炉スラグ、白色セメント等及びこれら粉体の混合
物が有効である。なお、このような粉体に多少の不純物
が含まれていても差し支えないが、ポルトランドセメン
トの如く、不純物として、例えば酸化鉄(Fe23)、
酸化マンガン(MnO)などの呈色成分が概して1%以
上含有されているものは望ましくない。例えば、高炉ス
ラグに含まれるFe23は0.2〜0.7%、白色セメ
ントに含まれるFe23は0.2%である。これに対
し、普通のセメントは、酸化鉄を3%程度含有する。な
お(C)成分の配合適量は粉体の種類、粒度、目的とす
る色調、塗膜物性により異なるが、配合量が多過ぎると
流動性が低下し、形成される塗膜も固くなる。従って、
上記(a)〜(e)成分の合計量、100部に対して2
0〜200部に設定することが好ましく、特に好ましく
は50〜150部である。すなわち、20部未満では、
水硬化性を有し、白色度の高い粉体を配合した効果であ
る、水分を吸収し重合反応の阻害を減少させることが困
難となり、塗膜の隠蔽性も弱く、目的とする安価な明色
塗膜が得られにくい。逆に200部を越えると、得られ
る塗膜形成用組成物流動性が悪化して塗膜も固くなり、
均一な塗膜が得られにくい。
【0021】前記(B)成分、すなわち重合開始剤とし
ては、粉体状及び液状のいずれであってもよい。そし
て、本発明の塗膜形成用組成物の硬化は、通常、硬化剤
と硬化促進剤との組合せからなるレドックス系触媒を用
いて、−30〜50℃の温度範囲で2時間以内に硬化さ
せることによって行われる。このようなレドックス系触
媒としては、各種のものを用いることができるが、上記
硬化促進剤として第3級アミン、硬化剤として有機化酸
化物の組合せを用いるのが好適である。上記第3級アミ
ンとしては、窒素原子に直接少なくとも1個の芳香族残
基が結合しているものを用いるのが好ましく、特にN−
ジメチルアニリン、N−ジメチル−p−トルイジン、N
−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N−ジ−2−
ヒドロキシプロピル−p−トルイジン等が挙げられ、単
独でもしくは2種以上を併せて使用する。
【0022】また、上記有機過酸化物としては、過酸化
ベンゾイルを用いるのが好ましい。さらに、上記過酸化
ベンゾイルを用いる際には、取り扱い上の危険を回避す
るために、不活性の液体または固体によって濃度30〜
50%に希釈されたペースト状または粉末状のものを用
いることがより好ましい。このような固体としては、リ
ン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化アルミニウム等が使用される。
【0023】本発明の塗膜形成性組成物は、施工生産性
を考慮すると硬化時間が短いことが好ましい。しかし、
屋上床や外壁面をコーティングする場合には、塗工後、
組成物の硬化前に塗膜表面を平滑に塗り広げる時間が必
要であり、可使時間及び硬化時間が短過ぎると、塗工作
業が困難になり均一良好な塗膜が得られない。したがっ
て、作業に応じた可使時間が得られ、しかも施工効率が
低下しない程度の短い時間で硬化するように、使用する
硬化剤及び硬化促進剤の配合量が調整される。例えば、
可使時間を5〜30分、硬化時間を10〜90分になる
ように設定することが好適である。このような可使時間
及び硬化時間を達成するために、組成物の温度あるいは
塗工時の気温に応じて、使用する硬化剤及び硬化促進剤
量の少なくとも一方を適宜に調節する必要がある。この
ため、本発明においては、硬化剤として有機過酸化物
(50%濃度)を使用する場合には、本発明の塗膜形成
用組成物中、0.5〜10%に設定するのが好ましく、
より好ましくは1〜5%である。また、硬化促進剤とし
て、第3級アミンを使用する場合は、上記と同様0.1
〜6%に設定するのが好ましく、より好ましくは0.3
〜4%である。
【0024】本発明の塗膜形成性組成物には、(A)成
分、(C)成分及び重合開始剤(B)成分以外に、必要
に応じて、耐候性の向上のために紫外線吸収剤を添加す
ることができる。
【0025】上記紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキ
シ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン等の2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン及びこれらの誘導体、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2〔2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(2,2’−ジメチル
プロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、あるいはこ
れらのハロゲン誘導体等のベンゾトリアゾール誘導体、
あるいはフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニ
ルサリシレート等のサリシル酸のエステル類等をあげる
ことができる。これら紫外線吸収剤は、上記(a)〜
(e)成分の合計量100部に対して0.01〜5部の
範囲で添加することが好ましい。
【0026】本発明の塗膜成形用組成物の硬化性を安定
化させる目的で、トリブチルホスファイト、トリ(2−
エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、トリステアリルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト等のホ
スファイト類を添加することができる。
【0027】さらに、形成される塗膜を整える目的で、
各種の消泡剤及びレベリング剤を添加することができ、
また塗膜形成用組成物の貯蔵安定性を向上させる目的
で、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、2,
4−ジメチル−6−(t−ブチル)フェノールのような
重合抑制剤を重合性塗膜形成剤に添加することができ
る。
【0028】また、高湿雰囲気下、又は湿潤下地上での
重合性膜形成剤の硬化性、下地との密着性を高める目的
で、合成ゼオライト、酸化カルシウム、ポルトラントセ
メント、急結セメント、ジェットセメント、水硬性石
灰、のような吸湿作用のある粉体を、目的とする色調が
得られる範囲内で混合使用することができる。
【0029】本発明の塗膜形成用組成物には、前記粉体
以外に、目的に応じて増量剤、顔料を適宜に配合するこ
とができる。また、上記増量剤としては、炭酸カルシウ
ム、硅砂粉、水酸化アルミニウム等があげられる。ま
た、上記顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、カ
ーボンブラック、クロムバーミリオン、ベンガラ、フラ
イアッシュ、有機系顔料、無機系顔料等があげられる。
ただし、これら増量剤及び顔料の配合の合計量は、本発
明の塗膜形成用組成物100部に対して0〜100部の
割合で配合するのが好適である。添加しない場合は、成
分(C)に基づく白色の塗膜が得られる。
【0030】本発明に使用する前記の粉体、特に無機粉
体を混合するに際し、粉体と重合性塗膜形成剤との親和
性を改良するため、粉体を界面活性剤やカップリング剤
で処理し、また特に(A)成分側にこれらの薬剤を配合
しておいてもよい。
【0031】本発明の塗膜形成用組成物は、例えばつぎ
のようにして製造される。すなわち、前記(a)〜
(e)成分を配合し混合して液状重合性膜形成剤(A)
成分を作成する。ついで、この液状重合性膜形成剤
(A)成分と、重合開始剤(B)成分と水硬化性を有
し、白色度の高い粉体(C)と、必要に応じて適宜に配
合される他の成分とを配合し混合することにより塗膜形
成用組成物が製造される。(B)成分として2成分タイ
プのレドックス系重合開始剤を使用する場合には、少な
くとも4成分を混合することもありうる。また、請求項
4記載のように、予め3成分としておき、この3成分を
使用時に混合してもよい。この3成分を混合すると、速
やかに前記(a)成分と(d)成分との重合反応が開始
され、空気中及び下地との接触面及び組成物中の水分と
水硬化性を有し白色度の高い粉体との水和反応が同時に
進行する。あるいは、本発明の組成物と硬化剤を混合す
るだけでも、常温で緩やかであるが硬化が進行する。し
たがって、前記(a)〜(e)成分からなる重合性膜形
成剤(A)成分と硬化促進剤を第一成分として予め混合
する。一方、前記粉体(C)成分と硬化剤成分を予め混
合する。そして、上記両者を別々に貯蔵し、使用前に3
成分を混合して使用することができる。この方法は塗工
に際しての作業を単純化することができ好ましい。
【0032】本発明の塗膜形成用組成物を用いての塗膜
の製造は、例えばつぎのようにして行われる。すなわ
ち、上記塗膜形成用組成物を準備する。そして、これを
用いて、基材表面に塗工する。上記塗工方法としては、
スプレー、レーキ、金ゴテ、刷毛塗り等のの方法があげ
られる。また、塗工に際しては、必要に応じて下地とな
る基材にプライマー処理を施した後、この上に上記塗膜
形成用組成物を塗工することが好ましい。
【0033】また、上記塗膜形成用組成物を塗工する際
に、寒冷紗、ガラス繊維等のクロス、不織布を併用し、
これらの塗膜強化材料に塗膜形成用組成物を含浸させ、
塗工硬化層とすることも有効である。
【0034】このような塗膜形成用組成物の塗工対象と
なる基材としては、例えばコンクリート、アスファル
ト、鋼板、及びアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂等の塗工面等の床、屋上、壁面等があげられ、組成
物はこれらのアンダーコート材料、トップコート材料等
として用いられる。
【0035】本発明の組成物を製造するための装置とし
ては、一般に混合装置として使用されるものは使用可能
であり、窒素置換の可能なタンク等の攪拌装置などが例
示できる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水硬化
性を有し、白色度の高い粉体成分(C)が吸湿硬化性及
び収縮低下機能を有するため、これを用いて塗膜を形成
すると、高湿雰囲気下であっても上記成分(C)が湿気
を吸収して充分な硬化がなされる。そして、このような
充分な硬化により形成された塗膜は、硬化収縮による反
りや歪みやクラックの発生が抑制されると共に、従来の
セメント粉体等では不可能であった、明色塗膜が安価で
かつ容易に得ることが可能となる。
【0037】
【実施例】下記に示す各成分量を攪拌機と加熱ジャケッ
トを備えた溶解槽に仕込み、均一に混合した。(以下重
量部は単に「部」と表示する。)
【0038】(配合例) メタクリル酸メチル 55.5 部 アクリル酸2−エチルヘキシル 15 ジオクチルフタレ−ト 6 エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト 2 N−ジ(2−ヒドロキシプロピル) 0.5 −p−トルイジン ハイドロキノン 0.01
【0039】この混合物に、メタクリル酸メチル(MM
A)とアクリル酸ブチル(BA)の共重合体(MMA/
BA:80/20重量比、数平均分子量:5000)2
0重量部を添加し、溶解した。さらに、この混合物を5
0℃に昇温し、パラフィンワックス(融点:54〜56
℃)1重量部を添加、完全溶解し、粘度1600cps
/20℃の重合性塗膜形成剤成分(A)の例として(A
−1)を得た。この配合は、硬化促進剤を含んでおり、
請求項(5)記載の成分〔II〕にも相当する。この
(A−1)100部に、(C)成分として高炉スラグ
(新日鉄化学製)100部を混合した。さらに結晶水を
有する無機粉体(炭酸マグネシウム)で処理された50
%純分の過酸化ベンゾイル(以下「BPOパウダ−」と
略す)5部を加え、均一に混合した後、水中に5分間浸
漬したのち15分間風乾したスレ−ト板上に厚みが2m
mとなる様にヘラで塗工し、温度25℃、湿度80%雰
囲気中で20分間放置して、良好な硬化塗膜を得た。更
に1日常温で養生後、この塗膜表面の明度(L値)をカ
ラ−メ−タ−(日本電色製、ZE2000型)を用いて
測定したところ、L値は52.0であった。又、塗膜形
成用組成物の塗工作業性、硬化性について以下の様に評
価した。
【0040】〔塗工作業性の評価〕上記重合性塗膜形成
剤(A−1)と粉体(高炉スラグ)と重合開始剤(BP
Oパウダ−)とを混合した塗膜形成用組成物100g
を、スレ−ト板上に流したとき、直径が20cm以上に
円板上に広がったものを○、20cm未満のものを×と
した。
【0041】〔硬化性の評価〕上記の常温1日養生後の
塗膜表面明度(L)値を測定したテストピ−スの表面の
硬度をD型ショア−硬度計を用いて測定し、硬度が50
以上のものを○、49〜35のものを△、34以下のも
のを×とした。
【0042】〔実施例2〜11〕実施例1と同様にし
て、別表1の如く重合性塗膜形成剤(A−1成分)とB
POパウダ−(B成分)と水硬化性白色粉体、一部の実
施例についてはカラ−ベ−ストナ−(御国色素製)とを
配合し、硬化塗膜の表面の明度(L値)を測定した結果
を表1に示す。
【0043】〔比較例1〜8〕実施例1と同様にして、
別表1の如く重合性塗膜形成剤(A−1)とBPOパウ
ダ−(B成分)と水硬化性粉体、及び一部の実施例につ
いてはカラ−ベ−ストナ−(御国色素製)とを配合し、
硬化塗膜の表面の明度(L値)を測定した結果を同じく
表1に示す。ポルトランドセメント等、酸化鉄、酸化マ
ンガンなどの暗色呈色成分含量の多い粉体を用いた塗膜
形成用配合組成(比較例4〜8)では高いL値が得られ
なかった。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果より、本発明にかかる実施例
は、いずれも塗工作業性、得られる塗膜の表面明度(白
色度を反映する。)共に優れたものであった。
【0046】〔実施例12〜18〕まず、以下の様にし
て、ビニルエステル樹脂の成分であるエポキシアクリレ
−ト、及び空乾性を有する飽和ポリエステルを作成し
た。
【0047】(エポキシアクリレ−トの作成)攪拌機、
温度計、冷却コンデンサ−、ガス導入管を具備した四つ
口フラスコにビスフェノ−ルAとエピクロルヒドリンと
の反応により得られたエポキシ当量265のエポキシ樹
脂(DER337,ダウケミカル社製)133部、メタ
クリル酸43部、ハイドロキノンモノメチルエ−テル
0.24部、エステル化触媒としてトリエチルメチルア
ンモニウムヨ−ダイド1.69部を仕込み、空気中で1
10℃、5時間反応させ、反応率99.8%,粘度55
ポイズの微褐色の液状エポキシアクリレ−トを得た。
【0048】(飽和ポリエステルの作成)テレフタ−ル
酸2.0モル、ジエチレングリコ−ル1.5モル、ペン
タエリスリト−ルトリアリルエ−テル1.0モル通常行
われる条件および方法(例えば、プラスチック材料講座
10,第38頁記載,日刊工業新聞社発行)で、加熱脱
水縮合させて、酸価20(mgKOH/g)の飽和ポリ
エステルを得た。次に前述のエポキシアクリレ−ト(E
成分とする)と飽和ポリエステル(P成分とする)と
を、重量比で、E成分/P成分=80/20の割合で混
合した。一方、メタクリル酸メチル(MMA),アクリ
ル酸n−ブチル(BA),アクリル酸2−エチルヘキシ
ル(2HEA)を、MMA/BA/2EHA=60/2
0/20の重量割合で混合したものを重合性不飽和モノ
マ−(M成分)とした。このM成分100部を40℃に
加温し、これに、前述のE成分/P成分=80/20比
混合による樹脂40部、ハイドロキノンモノメチルエ−
テル0.1部、ナフテン酸コバルト0.5部、及びN−
ジメチル−p−トルイジン0.2部を添加し均一に溶解
した後、冷却して重合性塗膜形成剤(A−2)を調製し
た。一方、表2に示す割合で(実施例1)で用いたBP
Oパウダ−と各種粉体とを均一に混合して、夫々の実施
例に該当する硬化開始用粉体混合物を調製した。これら
の硬化開始用粉体混合物と、先に調製した重合性塗膜形
成剤(A−1)とを、夫々表2に示す割合で混合し、
(実施例1)と同様にして硬化塗膜を作成し、塗膜表面
の明度(L値)を測定した結果を表2に示す。
【0049】(実施例19〜21)市販されている重合
性塗膜形成剤リゴラック2360F(昭和高分子製、不
飽和ポリエステル樹脂)100部を50℃に昇温し、パ
ラフィンワックス(融点:54〜56℃)1部、及びN
−ジメチル−p−トルイジン0.2部を添加、完全溶解
し、粘度300cps/25℃の重合性塗膜形成剤(A
−3)成分を得た。又、市販されている重合性塗膜形成
剤シリカルR61(三井石油化学製、アクリル樹脂、粘
度:300cps/20℃)を、重合性塗膜形成剤(A
−4)成分として供試した。一方、表2に示す割合で
(実施例1)で用いたBPOパウダ−と各種粉体とを均
一に混合して、各々の実施例に該当する硬化開始用粉体
混合物を調整した。これらの硬化開始用粉体混合物と、
先に調整した重合性塗膜形成剤(A−3)及び(A−
4)とを、夫々表2に示す割合で混合し、(実施例1)
と同様にして硬化塗膜を作成し、塗膜表面の明度(L
値)を測定した。又、(実施例1)と同様にして硬化性
及び、塗工作業性を評価した。前記実施例19〜21に
対して比較例9〜14を同じく表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果においても、本発明の実施例
は、ポルトランドセメト、ジェットセメントのように酸
化鉄成分を1%以上含むものを使用した場合と比較し
て、白色度を示すL値が高く、外観性に優れた塗膜が得
られることが分かる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)重合性塗膜形成剤成分、(B)重合
    開始剤成分、(C)水硬化性を有し、白色度の高い粉体
    成分を含む、明色塗膜形成性組成物。
  2. 【請求項2】(C)水硬化性を有し、白色度の高い粉体
    成分が、石膏、高炉スラグ、白色セメントのうちから選
    ばれた、少なくとも1種以上である請求項1記載の明色
    塗膜形成性組成物。
  3. 【請求項3】前記(A)重合性塗膜形成剤成分が、
    (a)アクリル酸、メタアクリル酸もしくはこれらのア
    ルキルエステルの1種以上、(b)前記(a)成分に可
    溶な重合体、(c)前記(a)成分に可溶な可塑剤、
    (d)1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する化
    合物、及び(e)40℃以上の融点を有するパラフィン
    ワックス、を含む液状組成物である請求項1記載の明色
    塗膜形成性組成物。
  4. 【請求項4】前記(C)成分の混合量が、前記(A)成
    分である重合性膜形成剤100重量部に対して、20〜
    200重量部に設定されている請求項1記載の明色塗膜
    形成性組成物。
  5. 【請求項5】前記重合開始剤成分(B)が硬化剤成分と
    硬化促進剤の2成分レドックス系重合開始剤成分であ
    り、前記(C)水硬化性を有し、白色度の高い粉体成分
    を含む成分〔I〕と前記重合性塗膜形成剤成分(A)及
    び前記硬化促進剤を含む成分〔II〕、並びに前記硬化
    剤成分の3成分よりなる請求項1〜4のいずれかに記載
    の明色塗膜形成性組成物。
  6. 【請求項6】使用に際して前記成分〔I〕、成分〔I
    I〕、及び硬化剤成分を混合し、塗工する、請求項4記
    載の明色塗膜形成性組成物の使用方法。
JP8084982A 1996-04-08 1996-04-08 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法 Pending JPH09272842A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8084982A JPH09272842A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8084982A JPH09272842A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09272842A true JPH09272842A (ja) 1997-10-21

Family

ID=13845830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8084982A Pending JPH09272842A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09272842A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09316385A (ja) * 1996-06-03 1997-12-09 Chugoku Marine Paints Ltd 多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法
WO2013054896A1 (ja) * 2011-10-14 2013-04-18 三菱レイヨン株式会社 ラジカル重合型アクリル系樹脂組成物、防水材組成物、および積層体とその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09316385A (ja) * 1996-06-03 1997-12-09 Chugoku Marine Paints Ltd 多孔質部材用水性着色ステイン組成物、紫外線硬化型塗料組成物ならびにこれらを用いた塗装方法
WO2013054896A1 (ja) * 2011-10-14 2013-04-18 三菱レイヨン株式会社 ラジカル重合型アクリル系樹脂組成物、防水材組成物、および積層体とその製造方法
CN103842432A (zh) * 2011-10-14 2014-06-04 三菱丽阳株式会社 自由基聚合型丙烯酸系树脂组合物、防水材料组合物和层积体及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5971316A (ja) 水分散性被覆組成物
JP2009161589A (ja) シラップ組成物、その硬化物および被覆方法
JP4813647B2 (ja) 低臭気樹脂組成物およびそれを含む被覆材およびそれを用いた被覆工法
JP2015229683A (ja) シラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法
JP3326529B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
JP5128379B2 (ja) 配合物およびその硬化物
JPH09272842A (ja) 明色塗膜形成性組成物及びその使用方法
JP3269483B2 (ja) 土木建築材用被覆組成物、これを用いた土木建築材及び土木建築物
JP2000026558A (ja) 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた防水材施工方法並びに樹脂コンクリート施工方法
JPH10306239A (ja) 抗菌性塗料
JP4378608B2 (ja) 土木建築材用被覆組成物、舗装材及びこれを用いた舗装体
JP3244077B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
WO2017017128A1 (en) Coating compositions
JPS6410024B2 (ja)
JP3019412B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
JP2564077B2 (ja) 合成樹脂系塗膜の製法およびそれに用いる合成樹脂系塗膜形成用薬剤
JPH11209431A (ja) アクリル系シラップ組成物
JPH11228645A (ja) アクリル系シラップ組成物
JP3047425B2 (ja) 土木建築材用被覆組成物、これを用いた土木建築材及び土木建築物
JP3017842B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその施工方法
JP2001026607A (ja) アクリル系シラップ組成物
JP2001200020A (ja) アクリル系シラップ組成物
JP2001040163A (ja) アクリル系シラップ組成物
JPH032212A (ja) 樹脂組成物、塗料、舖装材及び舖装構造体
JPH0220657B2 (ja)