JP2001026607A - アクリル系シラップ組成物 - Google Patents

アクリル系シラップ組成物

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JP2001026607A
JP2001026607A JP11202547A JP20254799A JP2001026607A JP 2001026607 A JP2001026607 A JP 2001026607A JP 11202547 A JP11202547 A JP 11202547A JP 20254799 A JP20254799 A JP 20254799A JP 2001026607 A JP2001026607 A JP 2001026607A
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Japan
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weight
component
composition
acrylic
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JP11202547A
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English (en)
Inventor
Koji Nishida
耕二 西田
Takayuki Makino
隆之 槇野
Toshio Takemoto
俊夫 竹本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可使時間(施工時間)の制御が可能で、塗工
作業性に優れたアクリル系シラップ組成物の提供。 【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸エステル、
(B)(A)成分に可溶なアクリル系重合体、(C)
(A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分子中に少なくと
も2個の重合性結合を有する化合物、(E)40℃以上
の融点を有するパラフィンおよび/またはワックス、
(F)有機過酸化物と第3級アミン化合物からなる重合
開始剤、および(G)ラジカルトラップ剤を含有してな
るアクリル系シラップ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系シラッ
プ組成物に関するものであり、特に土木建築用途で使用
される被覆材として好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートやアスファルト等の路面あ
るいは床面や壁面の塗装被覆に用いられる樹脂として
は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等が知られてい
る。エポキシ系樹脂では、1回の塗工による厚塗りが困
難であり、耐久性が弱い。また、硬化速度が遅く施工時
間が長くなる等の欠点がある。
【0003】一方、アクリル系シラップ樹脂は、一回の塗工
での厚塗りが可能であり、硬化時間が短く耐久性に優れ
る。例えば、特公平1−21343号公報には、(メ
タ)アクリル酸エステルと、これに可溶なアクリル系重
合体からなるアクリル系シラップを使用した床および壁
面コーティングまたは道路マーキング組成物が開示され
ている。
【0004】しかしながら、このような有機過酸化物と第三
級アミンからなるレドックス系重合開始剤が使用する従
来のアクリル樹脂系道路マーキングや床コーティング用
組成物においては、アミンを助触媒とするため耐候性が
悪く、経時的に硬化物が黄変するという問題があった。
【0005】この問題点を解決する方法として、例えば、特
公昭50−22586号公報には、アクリル系シラップ
樹脂の重合開始剤として、過酸化物、硫黄化合物、金属
化合物および水からなる重合開始剤を用いることが開示
されている。
【0006】しかしながら、この重合開始剤は、硬化物の経
時的な黄変の抑制に効果を有するものの、重合速度が非
常に速く、これをアクリル系シラップ樹脂に添加する
と、すぐに増粘、硬化してしまう。そのため、このよう
な重合開始剤を含むアクリル系シラップ樹脂を土木建築
用途で使用するには、可使時間(施工時間)が短かすぎ
て実用化できないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、可使時間(施工時間)の制御が可能で、塗工作業性
に優れたアクリル系シラップ組成物を提供することにあ
る。特に、コンクリートやアスファルト等の道路マーキ
ングや床面や壁面へのコーティング用組成物を得るのに
好適に用いることができるアクリル系シラップ組成物に
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討を進めた結果、アクリル
系シラップ組成物を硬化するのに使用される重合開始剤
を特定の成分で構成することにより、上記の目的が達成
できることを見い出し本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、(A)(メタ)アクリル酸
エステル、(B)(A)成分に可溶なアクリル系重合
体、(C)(A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分子中
に少なくとも2個の重合性結合を有する化合物、(E)
40℃以上の融点を有するパラフィンおよび/またはワ
ックス、(F)有機過酸化物と第3級アミン化合物から
なる重合開始剤、および(G)ラジカルトラップ剤を含
有してなるアクリル系シラップ組成物にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の組成物において、(A)
成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル
酸2―エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−
ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチ
ルへキシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メ
タクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフル
フリル、メタクリル酸アリル等のメタクリル酸エステル
が挙げられる。
【0011】これらの中でも、ホモポリマーとしてのガラス
転移温度(以下、Tgという。)が80℃以上である、
例えば、メタクリル酸メチルと、ホモポリマーとしての
Tgが0℃以下である、例えば、アクリル酸2―エチル
ヘキシルとの混合物が好適に使用される。
【0012】(A)成分の使用割合は、施工時の塗工作業性
の観点から、(A)成分〜(C)成分の合計量を100
重量部としたとき30〜85重量部の範囲とすることが
好ましく、より好ましくは51〜85重量部の範囲であ
る。これは、(A)成分の使用割合が30重量部より少
ないと、組成物の粘度が上昇して施工作業性が低下する
傾向にあり、使用割合が85重量部を超えると、組成物
の粘度が低下して塗工作業性は向上するものの、重合硬
化性が低下する傾向にある。
【0013】本発明の組成物において、(B)成分として用
いられる、(A)成分に可溶なアクリル系重合体として
は、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸等から選ばれた単量体の単独重合体もしくは共重合体
を挙げることができる。好ましくは、メタクリル酸メチ
ルの単独重合体およびメタクリル酸メチルとポリマーの
Tgの低い単量体、例えば、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸i−ブチル、アクリル酸2―エチルヘキシル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2―エチルヘキ
シル、メタクリル酸ラウリルとの共重合体が例示され
る。
【0014】(B)成分の使用割合は施工時の塗工作業性の
観点から、(A)成分〜(C)成分の合計量を100重
量部としたとき、1〜60重量部の範囲であることが好
ましく、より好ましくは10〜35重量部の範囲であ
る。これは、(B)成分の使用割合が1重量部より少な
いと、組成物の粘度が低下して塗工作業性は向上するも
のの重合硬化性が低下する傾向にあり、使用割合が60
重量部を超えると、硬化時間は短縮されるが、組成物の
粘度が上昇し、塗工作業性が低下する傾向にある。
【0015】本発明において、(C)成分として用いられる
(A)成分に可溶な可塑剤としては、例えば、ジブチル
フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、
ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレート、
ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類、ジ
−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルジデシルア
ジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジブチ
ルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ポ
リプロピレングリコール、塩素化パラフィン、アジピン
酸系、アゼライン酸系、セバチン酸系およびフタル酸系
のポリエステル系可塑剤、エポキシ化油、エポキシ化脂
肪酸エステル等のエポキシ系高分子可塑剤等を挙げるこ
とができる。これらは1種または2種以上を混合して用
いることができる。
【0016】これらの可塑剤は、樹脂相の粘度調節または硬
化物の可塑化による路面への追随性の向上を目的として
添加されるため、その使用割合は、(A)成分〜(C)
成分の合計量を100重量部としたとき0.1〜25重
量部の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5〜
20重量部の範囲である。これは、(C)成分の使用割
合が0.1重量部より少ないと、得られる硬化物の下地
面への追随性の低下をまねく傾向にあり、使用割合が2
5重量部を超えると、得られる硬化物の外観が低下する
傾向にある。
【0017】本発明の組成物において、(D)成分として用
いられる1分子中に2個以上の重合性結合を有する化合
物は、硬化に際して硬化物の耐久性を向上させる成分で
ある。(D)成分の具体例としては、例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)クリレー
ト等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジビニルベンゼンを挙げることができる。こ
れらは単独であるいは2種以上を併用して用いることが
できる。
【0018】(D)成分の使用割合は(A)成分〜(C)成
分の合計量100重量部に対して0.1〜50重量部の
範囲とすることが好ましい。さらに好ましくは、1〜4
0重量部の範囲である。これは、(D)成分の使用割合
が0.1重量部より少ないと、重合硬化性が低下する傾
向にあり、使用割合が50重量部を超えると硬化物の柔
軟性が低下する傾向にある。
【0019】本発明の組成物において、(E)成分として用
いられる40℃以上の融点を有するパラフィンおよび/
またはワックスは、塗膜表面における酸素の重合禁止効
果を抑え、耐汚染性の向上させる成分である。(E)成
分の具体例としては、例えば、パラフィンおよび/また
はワックスとしては、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられ
るが、融点の異なる2種以上を併用することができる。
(E)成分の使用割合は、パラフィンおよび/またはワ
ックスの成分の使用割合は、(A)成分〜(D)成分の
合計量100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲と
することが好ましく、より好ましくは0.2〜2重量部
の範囲である。(E)成分の多量の使用は塗膜表面の外
観を損なう傾向にある。
【0020】本発明の組成物において、(F)成分として用
いられる重合開始剤は、有機過酸化物と第3級アミン化
合物の2成分で構成される。本発明では、硬化剤として
有機過酸化物を、促進剤として第3級アミンを組み合わ
せて用いることにより、重合速度を適度に抑制すること
ができ、土木建築用途等に適した可使時間を得ることが
可能となる。
【0021】有機過酸化物としては、特に限定されないが好
適なものとしては過酸化ベンゾイルが挙げられる。この
過酸化ベンゾイルは、取り扱い上の危険を避けるために
不活性の液体又は固体で希釈されたペースト状あるいは
粉末状の過酸化ベンゾイルを用いることが特に好まし
い。有機過酸化物(50重量%濃度)の使用割合は、
(A)成分〜(C)成分の合計量100重量部に対して
0.1〜10重量部の範囲とすることが好ましく、より
好ましくは1〜5重量部の範囲である。これは、有機過
酸化物の使用量が(A)成分〜(C)成分の合計量10
0重量部に対して10重量部を超えると、可使時間が短
くなり、硬化物の分子量が低下し、さらに強度が低下す
る傾向にあるためである。また、0.1重量部より少な
い場合は、十分な硬化性が得られなくなる傾向にあるた
めである。
【0022】第3級アミン化合物としては、特に好ましく
は、窒素原子に直接少なくとも1個の芳香族残基が結合
しているものを1種または2種以上を混合して用いるこ
とができる。第3級アミン化合物の具体例としては、例
えば、N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジメチ
ル−p−トルイジン、N,N’−ジ(ヒドロキシエチ
ル)−p−トルイジン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ
プロピル)−p−トルイジン等が挙げられ、これらを1
種または2種以上を混合して用いることが特に好まし
い。
【0023】第3級アミン化合物の使用割合は、(A)成分
〜(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜6
重量部の範囲とすることが好ましく、より好ましくは
0.3〜4重量部の範囲である。第3級アミン化合物の
使用量は0.1重量部より少ないと、硬化剤としての性
能を発揮させるには不十分である傾向にあり、6重量部
を超えると、過剰量の有機過酸化物が硬化物に残存する
傾向にある。
【0024】本発明の組成物において、(G)成分として用
いられるラジカルトラップ剤は、本発明の組成物の硬化
時間、特に施工時間(可視時間)を制御するもので、ラ
ジカルをトラップできるものであるならば特に限定され
ないが、特に安定ニトロキシラジカルが好適に使用でき
る。
【0025】本発明に好適に使用される安定ニトロキシラジ
カルの具体例としては、例えば、2,2,6,6−テト
ラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)およ
びその誘導体である、4−ベンゾオキシルオキシ−TE
MPO、4−メトキシ−TEMPO、4−カルボキシル
−4−アミノ−TEMPO、4−クロロ−TEMPO、
4−ヒドロキシルイミン−TEMPO、4−ヒドロキシ
−TEMPO、4−オキソ−TEMPO等;4−アミノ
−TEMPO、2、2、5、5−テトラメチル−1−ピ
ロリジニルオキシ(PROXYL)およびその誘導体で
ある3−カルボキシルPROXYL、3−カルバモイル
−PROXYL、2,2−ジメチル−4,5−シクロヘ
キシル−PROXYL、3−オキソ−PORXYL、3
−ヒドロキシルイミン−ROXYL、3−アミノメチル
−PROXYL、3−メトキシ−PROXYL、3−t
−ブチルPROXYL、3−マレイミド−PROXY
L、3,4−ジ−t−ブチル−PROXYL、3−カル
ボキシリック−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピ
ロリジニルオキシ等;ジアルキルニトロキサイドラジカ
ルおよびその誘導体であるジフェニルニトロキサイド、
ジ−t−ブチルニトロキサイド、t−ブチル−t−アミ
ルニトロキサイド等;4,4−ジメチル−1−オキサゾ
リジニルオキシ(DOXYL)およびその誘導体である
2−ジ−t−ブチルDOXYL、5−デカン−DOXY
L、2−シクロヘキサン−DOXYL等;およびこれら
の混合物等のニトロキサイド基含有化合物が挙げられ
る。これらは、1種または2種以上を混合して用いられ
る。(G)成分の使用割合は、−30〜50℃の温度範
囲で2時間以内に硬化させるには、(A)成分に対して
0.01〜1.5重量部の範囲が好ましく、0.3〜
1.0重量部の範囲が特に好ましい。
【0026】また、本発明の組成物においては、下地に対す
る接着性の安定化や充填剤との接着強度の耐久性を向上
させる目的でγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のシランカップリング剤を添加することがで
きる。
【0027】また、本発明の組成物に、硬化性を安定化させ
る目的で、トリブチルフォスファイト、トリ(2―エチ
ルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイ
ト、トリステアリルフォスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト
などのフォスファイト類、塗膜の表面外観を整える目的
で各種の消泡剤およびレベリング剤を、本発明の組成物
の貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノン、ヒド
ロキノンモノメチルエーテル、2,4―ジメチル−t−
ブチルフェノールのような重合抑制剤を添加することが
できる。
【0028】本発明の組成物は、一般には骨材その他の充填
剤と混合した配合物として塗工に供せられるが、骨材と
しては平均粒子径が10μm以上で吸油量が25ccア
マニ油/100g以下のものが好ましい。これらの骨材
の例としては、砂、硅砂、石英砂、これらを着色したも
のあるいは焼成したもの、石英粉、硅砂粉などの岩石
粉、着色した磁器、陶器素地を焼成硬化して粉砕したも
の、亜鉛白、炭酸カルシウム、アルミナ、ガラスビーズ
等が挙げられる。粒径の異なる骨材の組み合わせが塗工
作業性、セルフレベリング性向上のために好ましい。ま
た、配合物に揺変性を付与するための充填剤としてアエ
ロジルのようなシリカ粉末などを添加することもでき
る。充填剤としては前記の外に、着色顔料や染料を用い
ることができ、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、カ
ーボンブラック、クロムバーミリオン、ベンガラ、群
青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン等が用いられる。これら充填剤は、一般
には本発明の組成物100重量部に対し、0〜900重
量部の範囲を配合して塗工に供する。
【0029】本発明の組成物と添加剤、骨材等の充填剤を混
合した配合物は、コンクリート、アスファルト、鋼板な
どの床面、または壁面等の被覆に用いられるが、施工に
際しては必要に応じて床面、壁面などの下地にプライマ
ー処理を施し、その上にこの配合物を塗工することが好
ましい。
【0030】施工方法としてはスプレー方式、金鏝仕上げ、
刷毛塗り、ローラーコーティング等の方法を用いること
ができる。骨材を混合しない、あるいは一部のみ混合し
た配合物をあらかじめ塗工し、硬化する前に骨材を撒布
することにより、塗膜表面に骨材を一部突出させノンス
リップ性を付与することも可能である。骨材をあらかじ
め混合する配合物においては、骨材の種類と量は塗工の
目的に応じて選択される。スプレー、刷用塗り、ローラ
ーコーティングなどの施工方法によれば、比較的薄い塗
膜、すなわち0.2〜1mmの塗膜を施工することがで
きるが、このような目的に対する配合に際しては、骨材
量は本発明の組成物100重量部に対し30〜100重
量部の範囲とすることが好ましい。より厚い塗膜、すな
わち1〜30mmの塗膜を施工する場合には金鏝仕上げ
が好ましく、骨材量は本発明の組成物100重量部に対
し100〜900重量部の範囲とするのが好ましい。こ
の場合滑らかな塗膜表面を目的とする場合には骨材量を
100重量部程度に少なくすることが好ましく、また、
塗膜の厚みを厚くしたい場合には経済的観点から骨材量
900重量部程度に多くすることが好ましい。しかし9
00重量部を超える骨材量の使用量は配合物の硬化性が
悪くなるので好ましくない。
【0031】さらに、施工方法に合わせて本発明の組成物を
二液型(主剤と硬化剤)として使用することもできる。
【0032】本発明の組成物は、化合物の組み合わせによ
り、−30℃〜50℃の温度範囲で2時間以内に硬化さ
せることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもの
ではない。なお、実施例中、比較例中の「部」は重量部
を表す。また、本実施例中でいう「可使時間」とは、組
成物の粘度が上昇し始めるまでの時間を表し、「硬化時
間」とは、組成物が完全に重合硬化するまでの時間を表
す。
【0034】[実施例1]メタクリル酸メチル60部、2−
エチルヘキシルアクリレート10部、トリエチレングリ
コールジメタクリレート5部、ジオクチルテレフタレー
ト5部、パラフィンワックス(融点47℃)0.25
部、パラフィンワックス(融点66℃)0.25部、
2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキ
シ(以下、TEMPOと略す)0.08部からなる混合
物を50℃に加温し攪拌しながらポリメチルメタクリレ
ートを少量づつ25部添加した後、室温まで冷却してア
クリル系シラップを得た。その後、それにN,N’−ジ
(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン0.8部
を添加して攪拌混合した。続いて過酸化ベンゾイル粉末
(以下BPOと略す)1部を加えてアクリル系シラップ
組成物を調製し、攪拌後速やかにポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETと略す)フィルム上に厚さ約3m
mになるように施工したところ、40℃でBPO添加
後、約30分の可使時間が得られ、約40分で硬化し
た。
【0035】[実施例2、3]TEMPOの添加量を表1に
示す量にする以外は、実施例1と同様の方法で、組成物
を得て、PETフィルムに塗工し、可使時間および硬化
時間を測定した。その結果は、表1に示す。
【0036】[比較例1]TEMPOを添加しない以外は、
実施例1と同様の組成、方法で組成物を得た。この組成
物はPETフィルムに厚さ約3mmになるように施工す
ることは困難であり、厚さ約2mmで塗工し、可使時間
および硬化時間を測定した。その結果、可使時間は5
分、硬化時間は15分であった。
【0037】[実施例4]実施例1の組成物70部に対し、
硅砂粉25部とアエロジル200(日本アエロジル社
製)を1部添加して攪拌し混合物を得た。この混合物を
プライマー(三菱レイヨン社製、商品名:アクリトーン
フロアーFP−71)を塗布したスレート板上に厚さ1
mmに金鏝を用いて塗布し、室温において硬化させ塗膜
を形成した。可使時間は20分、硬化時間は40分であ
った。
【0038】
【表1】
【0039】なお、表1で用いられる略記号は以下のものを
表す。 TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペ
リジニルオキシ
【0040】
【発明の効果】本発明は、重合開始剤として、有機過酸
化物と第3級アミンを用いているため、可使時間(施工
時間)の制御が可能で、塗工作業性に優れたアクリル系
シラップ組成物であり、コンクリートやアスファルト等
の路面あるいは床面や壁面の塗装被覆等のような土木建
築用途に好適に用いることができ、工業上非常に有益な
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 303 B05D 7/24 303A C08F 2/42 C08F 2/42 4/32 4/32 220/12 220/12 C09D 4/02 C09D 4/02 7/12 7/12 Z A 133/04 133/04 191/06 191/06 Fターム(参考) 4D075 DB12 DC01 DC05 EB22 EB56 EC37 EC54 4J011 AA05 NB02 PA30 PA69 PA86 PB23 PB40 4J015 BA06 BA13 4J038 BA212 CB022 CG142 CH032 CH042 CJ132 DB242 DB472 DD002 FA042 FA121 FA122 FA131 FA141 FA151 FA161 JA09 JA27 JA38 JA59 JA61 JA66 JB06 JB21 KA02 KA03 KA10 NA23 PB05 PC04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(メタ)アクリル酸エステル、
    (B)(A)成分に可溶なアクリル系重合体、(C)
    (A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分子中に少なくと
    も2個の重合性結合を有する化合物、(E)40℃以上
    の融点を有するパラフィンおよび/またはワックス、
    (F)有機過酸化物と第3級アミン化合物からなる重合
    開始剤、および(G)ラジカルトラップ剤を含有してな
    るアクリル系シラップ組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の割合が30〜85重量部、
    (B)成分の割合が1〜60重量部、(C)成分の割合
    が0.1〜25重量部(ただし(A)〜(C)成分の合
    計量を100重量部とする。)、(D)成分の割合が
    (A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して0.
    1〜50重量部、(E)成分の割合が(A)〜(D)成
    分の合計量100重量部に対して0.1〜5重量部、
    (F)成分の重合開始剤における有機過酸化物(50重
    量%濃度)の割合が(A)〜(C)成分の合計量100
    重量部に対して0.1〜10重量部、第3級アミン化合
    物の割合が(A)〜(C)成分の合計量100重量部に
    対して0.1〜6重量部、(G)成分の割合が(A)成
    分に対して0.01〜1.5重量部である請求項1記載
    の組成物。
  3. 【請求項3】(G)ラジカルトラップ剤が、安定ニトロ
    キシラジカルの中から選ばれた少なくとも1種である請
    求項1または2記載の組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008031294A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Nisshin Steel Co Ltd 異臭の少ない塗膜形成用塗料組成物
WO2013054896A1 (ja) * 2011-10-14 2013-04-18 三菱レイヨン株式会社 ラジカル重合型アクリル系樹脂組成物、防水材組成物、および積層体とその製造方法
KR102205323B1 (ko) * 2020-08-06 2021-01-20 김영동 혼입골재 침강방지 및 논슬립이 향상된 미끄럼방지 조성물을 이용한 미끄럼방지 시공공법

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