JP2001200020A - アクリル系シラップ組成物 - Google Patents

アクリル系シラップ組成物

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JP2001200020A
JP2001200020A JP2000010348A JP2000010348A JP2001200020A JP 2001200020 A JP2001200020 A JP 2001200020A JP 2000010348 A JP2000010348 A JP 2000010348A JP 2000010348 A JP2000010348 A JP 2000010348A JP 2001200020 A JP2001200020 A JP 2001200020A
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acrylic syrup
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JP2000010348A
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Takayuki Makino
隆之 槇野
Toshio Takemoto
俊夫 竹本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化物の耐候性が良好で経時的な黄変が起ら
ず、可使時間が制御されたアクリル系シラップ組成物の
提供。 【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸エステル、
(B)(A)成分に可溶なアクリル系重合体、(C)
(A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分子中に少なくと
も2個の重合性結合を有する化合物、(E)過酸化物(e
-1)、スルフィン酸類および/またはスルホキシル酸塩
(e-2)、金属化合物(e-3)および水(e-4)からなる重合開
始剤を含有するアクリル系シラップ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系シラッ
プ組成物に関するものであり、特に土木建築用途で使用
される被覆材として好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートやアスファルト等の路面あ
るいは床面や壁面の塗装被覆に用いられる樹脂として
は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等が知られている
が、エポキシ系樹脂は、1回の塗工による厚塗りが困難
であり、耐久性が弱い。また、硬化速度が遅く施工時間
が長くなる等の欠点がある。
【0003】一方、アクリル系シラップ樹脂は、一回の
塗工での厚塗りが可能であり、硬化時間が短く耐久性に
優れている。アクリル系シラップを重合せしめる重合開
始剤としては、例えば、特公平1−21343号公報
に、有機過酸化物と第三アミンからなるレドックス系重
合開始剤を使用した壁面コーティングまたは道路マーキ
ング組成物が開示されている。
【0004】しかしながら、このようなアクリル系シラ
ップに有機過酸化物と第三アミンからなるレドックス系
重合開始剤を使用すると、アミンを助触媒とするため耐
候性が悪く、経時的に硬化物が黄変するという問題があ
った。
【0005】この問題点を解決する方法として、例え
ば、特公昭50−22586号公報には、アクリル系シ
ラップの重合開始剤として、過酸化物、硫黄化合物、金
属化合物および水からなる重合開始剤を用いることが開
示されている。
【0006】しかしながら、この重合開始剤は、硬化物
の経時的な黄変の抑制に効果を有するものの、重合速度
が非常に速く、これをアクリル系シラップに添加する
と、すぐに増粘、硬化してしまう。そのため、このよう
な重合開始剤を含むアクリル系シラップ樹脂を土木建築
用途で使用するには、可使時間(施工時間)が短かすぎ
て実用化できないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、耐候性が良好で経時的に黄変がない硬化物が得られ
る、可使時間(施工時間)の制御が可能な、コンクリー
トやアスファルト等の路面あるいは床面や壁面の塗装被
覆等のような土木建築用途に好適に用いることができる
アクリル系シラップ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、アクリル系シラ
ップ組成物を硬化するのに使用される重合開始剤をスル
フィン酸類またはスルホキシル酸塩の中から選ばれた少
なくとも1種の硫黄原子含有化合物を含む特定の構成成
分で構成にすることにより、上記の目的が達成できるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(A)(メタ)アク
リル酸エステル、(B)(A)成分に可溶なアクリル系
重合体、(C)(A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分
子中に少なくとも2個の重合性結合を有する化合物、
(E)過酸化物(e-1)、スルフィン酸類および/または
スルホキシル酸塩(e-2)、金属化合物(e-3)および水(e-
4)からなる重合開始剤を含有してなるアクリル系シラッ
プ組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の組成物において、(A)
成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、その具体例としては、例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸t−ブチル、アクリル酸2―エチルヘキシルなどの
アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ト
リデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル
等のメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0011】これらの中でも、ホモポリマーとしてのガ
ラス転移温度(以下、Tgという。)が80℃以上であ
る、例えばメタクリル酸メチルと、ホモポリマーとして
のTgが0℃以下である、例えばアクリル酸2−エチル
ヘキシルとの混合物が好適に使用される。
【0012】(A)成分の使用割合は、施工に際しての
塗工作業性の観点から、(A)成分〜(C)成分の合計
量を100重量部としたとき30〜85重量部の範囲と
することが好ましく、より好ましくは51〜85重量部
の範囲である。(A)成分の使用割合が30重量部より
少ないと組成物の粘度が上昇して施工作業性が低下する
傾向にあり、一方使用割合が85重量部を超えると組成
物の粘度が低下して塗工作業性は向上するものの重合硬
化性が低下する傾向にある。
【0013】本発明の組成物において、(B)成分とし
て用いられるアクリル系重合体は、(A)成分に可溶で
あることが必要である。なお、本発明においては「可
溶」とは分散も含むものとする。(B)成分の具体例と
しては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等から選ば
れた単量体の単独重合体もしくは共重合体が挙げられ
る。
【0014】特に好ましくは、メタクリル酸メチルの単
独重合体や、メタクリル酸メチルとホモポリマーとして
のTgが低い単量体、例えば、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ラウリルとの共重合体が挙げら
れる。
【0015】(B)成分の使用割合は施工に際しての塗
工作業性の観点から、(A)〜(C)成分の合計量を1
00重量部としたとき、1〜60重量部の範囲であるこ
とが好ましく、より好ましくは10〜45重量部の範囲
である。(B)成分の使用割合が1重量部より少ない
と、組成物の粘度が低下して塗工作業性は向上するもの
の重合硬化性が低下する傾向にあり、一方使用割合が6
0重量部を超えると、硬化時間は短縮されるが、組成物
の粘度が上昇し、塗工作業性が低下する傾向にある。
【0016】(C)成分の可塑剤としては、例えば、ジ
ブチルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジ2−
エチルヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレー
ト、ジn−デシルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル
類、ジ2−エチルヘキシルアジペート、オクチルジデシ
ルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、ジブ
チルセバケート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、ポ
リプロピレングリコール、塩素化パラフィン;アジピン
酸系、アゼライン酸系、セバチン酸系、フタル酸系のポ
リエステル系可塑剤;エポキシ化油、エポキシ化脂肪酸
エステル等のエポキシ系高分子可塑剤等から選ばれる少
なくとも一種または二種以上の混合物が挙げられる。こ
れらは樹脂相の粘度調節または硬化物の可塑化による路
面への追随性の向上を目的として添加される。
【0017】本発明において可塑剤の使用量は特に限定
されないが、樹脂相の粘度調節または硬化物の可塑化に
よる路面への追随性を向上させるためには、(A)〜
(C)成分の合計量を100重量部としたとき0.1〜
24重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5
〜20重量部の範囲である。可塑剤の使用割合が25重
量部を超えると、得られる硬化物の外観が低下する傾向
にある。
【0018】本発明の組成物において、(D)成分とし
て用いられる1分子中に2個以上の重合性結合を有する
化合物は、硬化に際して硬化物の耐久性を向上させる成
分である。
【0019】(D)成分の具体例としては、例えば、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
クリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼンを挙げることがで
きる。これらは単独であるいは2種以上を併用して用い
ることができる。
【0020】(D)成分の使用割合は特に限定されない
が、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して
0.1〜50重量部の範囲とすることが好ましい。さら
に好ましくは、1〜40重量部の範囲である。(D)成
分の使用割合が0.1重量部より低いと重合硬化性が低
下する傾向にあり、使用割合が50重量部を超えると硬
化物の柔軟性が低下する傾向にある。
【0021】本発明の組成物において、(E)成分とし
て用いられる重合開始剤は、過酸化物(e-1)、特定の硫
黄原子含有化合物(e-2)、金属化合物(e-3)および水(e-
4)の4成分で構成される。この(E)成分の使用量は特
に限定されないが、(A)〜(C)成分の合計量100
重量部に対して0.01〜15重量部の範囲であること
が特に好ましい。
【0022】過酸化物(e-1)としては、特に限定されな
いが、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−アミルパ
ーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシサクシン
酸、t−アミルサクシン酸などのパーオキシエステルが
特に好ましい。
【0023】過酸化物(e-1)の使用割合は、(A)〜
(C)成分の合計量100重量部に対して0.01〜1
5重量部となる範囲が好ましく、より好ましくは0.1
〜10重量部の範囲である。過酸化物の使用割合が15
重量部を超えると可使時間が短くなり、硬化物の分子量
が低下し、さらに強度が低下する傾向にあるためであ
り、過酸化物の使用割合が0.01重量部より少ない
と、シラップの十分な硬化性が得られなくなる傾向にあ
る。
【0024】本発明は、重合開始剤の構成成分としてス
ルフィン酸類またはスルホキシル酸塩(e-2)を用いる
と、可使時間を自在に制御し、かつ硬化時間を短時間に
することが可能であることを見いだしたことに特徴があ
る。
【0025】このスルフィン酸類としては特に限定され
ないが、例えば、p−トルエンスルフィン酸メチル、p
−トルエンスルフィン酸エチル、p−トルエンスルフィ
ン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウムな
どは、水への溶解性に優れるので好適である。また、ス
ルホキシル酸塩としては特に限定されないが、例えば、
スルホキシル酸ナトリウム・ホルムアルデヒド(通称:
ロンガリット)は水への溶解性に優れるので好適であ
る。
【0026】この(e-2)成分の使用量は特に限定されな
いが、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対し
て0.01〜10重量部の範囲であることが好ましく、
より好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。これ
は、硫黄原子含有化合物の使用量が0.01重量部より
少ないと硬化性が低下する傾向にあり、硫黄化合物の含
有量が10重量部を超えると、硫黄化合物を含有するビ
ニル系重合体の重合が困難になったり、得られるシラッ
プ組成物の臭気が強くなる傾向にあるためである。
【0027】金属化合物(e-3)としては、特に限定され
ない。本発明において金属化合物を構成する金属として
は、特に周期律表のI−A族金属およびII−A族金属な
らびに亜鉛、鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、
銅およびアルミニウムの中から選ばれた少なくとも1種
であることが好ましい。金属化合物の具体例としては、
例えば金属の酸化物または水酸化物、ナトリウム、カリ
ウム、または亜鉛の炭酸塩、ナトリウム、カリウム、
銅、ストロンチウム、マグネシウム、鉛、コバルトおよ
びマンガンの酢酸塩、ナトリウムおよびカリウムの酸性
フタル酸塩、重炭酸塩、安息香酸塩、りん酸塩等を挙げ
ることができる。これらのうち特に、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム等がより好ましい。
【0028】金属化合物(e-3)の使用割合は特に限定さ
れないが、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に
対して0.01〜10重量部の範囲であることが好まし
く、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。こ
れは、金属化合物の使用割合が10重量部を超えても
0.01重量部より少なくてもシラップの硬化性が不十
分となる傾向にある。
【0029】水(e-4)は、スルフィン酸類又はスルホキ
シル酸塩を溶解させる溶媒として必要であることから、
重合を阻害しない程度に少量添加する。
【0030】水(e-4)の使用割合は、メタクリル酸エス
テル類とは相溶しないが重合を阻害しない範囲内で使用
すればよいが、(A)〜(C)成分の合計量100重量
部に対して0.05〜5重量部の範囲とすることが好ま
しく、より好ましくは0.5重量部〜3重量部の範囲で
ある。これは、水の使用割合が5重量部を超えても、
0.05重量部より少なくてもシラップの硬化性が不十
分となる傾向にある。
【0031】本発明の組成物には、必要に応じて、塗膜
表面における酸素の重合禁止効果を抑え、耐汚染性の向
上を目的として、パラフィンワックスおよび/またはワ
ックスを添加することができる。ここでいうパラフィン
および/またはワックスとしては、特に限定されず、例
えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ス
テアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられ、融点の異なる
2種以上を併用することもできる。
【0032】本発明においてパラフィンおよび/または
ワックスの使用量は特に限定されないが、(A)〜
(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜5重
量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部の範囲であ
る。パラフィンおよび/またはワックスの使用量が5重
量部を超えると塗膜表面の外観を損なう傾向にある。
【0033】また、本発明の組成物には、下地に対する
接着性の安定化や充填剤との接着強度の耐久性を向上さ
せる目的で、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のシランカップリング剤を添加することがで
きる。
【0034】また、本発明の組成物の硬化性を安定化さ
せる目的で、トリブチルフォスファイト、トリ(2−エ
チルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファ
イト、トリステアリルフォスファイト、トリス(ノニル
フェニル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイ
トなどのフォスファイト類を、硬化塗膜の表面外観を整
える目的で各種の消泡剤およびレベリング剤を、本発明
の組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノ
ン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2、4、−ジメ
チル−t−ブチルフェノールのような重合抑制剤を添加
することができる。
【0035】本発明のアクリル系シラップ組成物は、一
般には骨材その他の充填剤と混合した配合物として塗工
に供せられるが、骨材としては平均粒子径が10μm以
上で吸油量が25ccアマニ油/100g以下のものが
好ましい。これらの骨材の具体例としては、砂、硅砂、
石英砂、これらを着色したものあるいは焼成したもの、
石英粉、硅砂粉などの岩石粉、着色した磁器、陶器素地
を焼成硬化して粉砕したもの、亜鉛白、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、ガラスビーズ等が挙げられる。粒径の異
なる骨材の組み合わせが、塗工作業性、セルフレベリン
グ性の向上のために好ましい。
【0036】また、配合物に揺変性を付与するための充
填剤としてアエロジルのようなシリカ粉末などを添加す
ることもできる。充填剤としては前記の外に、着色顔料
や染料を用いることができ、例えば、酸化チタン、硫酸
バリウム、カーボンブラック、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン等が用いられる。これら充
填剤の添加量は特に限定されるものではないが、一般に
は本発明の組成物100重量部に対し、900重量部ま
での範囲で配合すると各種物性のバランスが良好な塗膜
を得られる傾向にある。
【0037】本発明の組成物と添加剤、骨材等の充填剤
を混合した配合物は、コンクリート、アスファルト、鋼
板などの床面、または壁面等の被覆に用いられるが、施
工に際しては必要に応じて床面、壁面などの下地にプラ
イマー処理を施し、その上にこの配合物を塗工すること
が好ましい。
【0038】施工方法としてはスプレー方式、金鏝仕上
げ、刷毛塗り、ローラーコーティング等の方法を用いる
ことができる。骨材を混合しない、あるいは一部のみ混
合した配合物を塗工し、硬化する前に骨材を撒布するこ
とにより、塗膜表面に骨材を一部突出させノンスリップ
性を付与することも可能である。骨材をあらかじめ混合
する配合物においては、骨材の種類と量は塗工の目的に
応じて選択される。
【0039】スプレー、刷用塗り、ローラーコーティン
グなどの施工方法によれば、比較的薄い塗膜、すなわち
0.2〜1mmの塗膜を施工することができるが、この
ような目的の場合には、骨材量は本発明の組成物100
重量部に対し30〜100重量部の範囲とすることが好
ましい。
【0040】より厚い塗膜、すなわち1〜30mmの塗
膜を施工する場合には金鏝仕上げが好ましく、骨材量は
本発明の組成物100重量部に対し100〜900重量
部の範囲とするのが好ましい。この場合滑らかな塗膜表
面を目的とする場合には骨材量を100重量部程度に少
なくすることが好ましく、また、塗膜の厚みを厚くした
い場合には経済的観点から骨材量900重量部程度に多
くすることが好ましい。しかしながら、900重量部を
超える骨材量の使用量は配合物の硬化性が悪くなるので
好ましくない。
【0041】さらに、施工方法に合わせて本発明の組成
物を二液型(主剤と硬化剤)として使用することもでき
る。
【0042】本発明の組成物は、化合物の組み合わせに
より、−30℃〜50℃の温度範囲で2時間以内に硬化
させることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。なお、実施例中、比較例中の「部」は重量部を表
す。また、本実施例中で「可使時間」とは、アクリル系
シラップ組成物の粘度が上昇し始めるまでの時間を、
「硬化時間」とは、アクリル系シラップ組成物が完全に
重合硬化するまでの時間をそれぞれ意味する。
【0044】[実施例1] メタクリル酸メチル 60部 2−エチルヘキシルアクリレート 5部 トリエチレングリコールジメタクリレート 5部 ジオクチルテレフタレート 5部 パラフィンワックス(融点47℃) 0.25部 パラフィンワックス(融点66℃) 0.25部 からなる混合物を50℃に加温し攪拌しながらポリメチ
ルメタクリレート30重量部を少量ずつ添加し溶解させ
た後、室温まで冷却してアクリル系シラップを得た。そ
の後、それに水0.2部、水酸化マグネシウム0.2
部、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム0.4部を加
えて攪拌混合した。続いてt−ブチルパーオキシマレイ
ン酸(以下、PMAという)0.6部を加えてアクリル
系シラップ組成物を調製し、攪拌後速やかにポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETという)フィルム上に
厚さ約3mmになるように20℃で施工したところ、t
−ブチルパーオキシマレイン酸添加後、約12分の可使
時間が得られ、約35分で硬化した。硬化物は白色であ
った。この硬化物について耐候性試験を行ったところ、
100時間後、500時間後においても色調は変化せず
白色のままであった。硬化物の黄色度の指標を示すイエ
ローインデックス(以下、YI値という。)は初期(0
時間)が4.2、100時間後が5.0、そして500
時間後が5.5であった。なお、耐候性試験は、スガ試
験機(株)製のサンシャインウエザオメーターを使用
し、ブラックパネル温度63℃、雨ありで行った。
【0045】[実施例2〜12]アクリル系シラップの
組成および重合開始剤の組成を表1、表2に示すように
変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して硬
化物を製造し、実施例1と同様な方法でYI値と可使時
間、硬化時間を測定した。結果は表3に示した。
【0046】[比較例1] メタクリル酸メチル 60部 2−エチルヘキシルアクリレート 5部 トリエチレングリコールジメタクリレート 5部 ジオクチルテレフタレート 5部 からなる混合物を50℃に加温し攪拌しながらポリメチ
ルメタクリレート30重量部を少量ずつ添加し溶解させ
た後、室温まで冷却してアクリル系シラップを得た。そ
の後、それにジメチルp−トルイジン1部を加えて攪拌
混合した。続いて過酸化ベンゾイル1部を加えてアクリ
ル系シラップ組成物を調製し、攪拌後速やかにPETフ
ィルム上に厚さ約3mmになるように20℃で施工した
ところ、過酸化ベンゾイル添加後、約15分の可使時間
が得られ、約30分で硬化した。硬化物は黄色であっ
た。この硬化物について実施例1と同様にして耐候性試
験を行ったところ、色調は徐々に黄変し、YI値は初期
が20.2、100時間後が44.3、500時間後は
63.1であった。
【0047】[比較例2〜4]アクリル系シラップの組
成および重合開始剤の組成を表1、表2に示すように変
更する以外は実施例1と同様な方法でYI値と可使時
間、硬化時間を測定した。結果を表3に示した。
【0048】[実施例13]実施例1で使用した組成物
70部に対し、硅砂粉25部、アエロジル200(日本
アエロジル社製)1部を添加して、攪拌し混合物を得
た。この混合物をプライマーを塗布したスレート板に厚
さ1mmに金鏝を用いて塗布し20℃で硬化させ塗膜を
形成させた。この混合物を得てからの可使時間は約20
分であり、また硬化時間は約45分であった。この硬化
物について耐候性試験を行ったところ、100時間後、
500時間後においても色調および表面状態に変化はな
かった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】なお、表1〜3で用いられる略記号は以下
のものを表す。 *1:ジオクチルフタレート *2:融点47℃のパラフィンワックス0.25部と6
6℃のパラフィンワックス0.25部との混合物 MMA:メタクリル酸メチル EHA:2−エチルヘキシルアクリレート 重合体:ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量:
約4〜5万) 可塑剤:ジオクチルテレフタレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート 9PG:ポリプロピレングリコールジメタクリレート PMA:t−ブチルパーオキシマレイン酸 PSA:t−ブチルパーオキシサクシン酸 ロンガリッド:スルホキシ酸ナトリウム・ホルムアルデ
ヒド BPO:過酸化ベンゾイル DMPT:ジメチルパラトルイジン
【0053】
【発明の効果】本発明は、耐候性が良好で経時的に硬化
物の黄変がなく、可使時間(施工時間)が制御された、
コンクリートやアスファルト等の路面あるいは床面や壁
面の塗装被覆等のような土木建築用途に好適に用いるこ
とができるアクリル系シラップ組成物を見いだしたもの
であり、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AE042 BG001 BG041 BG051 BG061 CD162 CH012 CH053 DE029 DE049 DE209 DE229 DE249 DH049 EA058 ED037 EG029 EG039 EG049 EG079 EH076 EH097 EH108 EH137 EH149 EK009 EK059 EV199 EV219 FD022 FD027 GH00 4J015 BA07 BA14 4J026 AA45 BA07 BA27 BA28 BA29 BA30 BA50 BB01 BB03 DB05 DB06 DB15 DB19 DB26 GA07 4J038 CG141 CG142 CH031 CH032 CH041 CH042 FA111 FA112 FA131 FA132 FA141 FA142 FA151 FA152 FA161 FA162 FA171 FA172 HA166 HA276 HA416 JA43 JA66 JC10 JC13 KA03 KA06 KA10 PB05 PC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(メタ)アクリル酸エステル、
    (B)(A)成分に可溶なアクリル系重合体、(C)
    (A)成分に可溶な可塑剤、(D)1分子中に少なくと
    も2個の重合性結合を有する化合物、(E)過酸化物(e
    -1)、スルフィン酸類および/またはスルホキシル酸塩
    (e-2)、金属化合物(e-3)および水(e-4)からなる重合開
    始剤を含有してなるアクリル系シラップ組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の割合が30〜85重量部、
    (B)成分の割合が1〜60重量部、(C)成分の割合
    が0.1〜24重量部の合計100重量部に対して、
    (D)成分の割合が0.1〜50重量部および(E)成
    分の割合が0.01〜15重量部である請求項1記載の
    アクリル系シラップ組成物。
  3. 【請求項3】 重合開始剤(E)中の過酸化物(e-1)
    が、パーオキシエステルであることを特徴とする請求項
    1または2記載のアクリル系シラップ組成物。
  4. 【請求項4】 重合開始剤(E)中の金属化合物(e-3)
    が、周期律表のI−A族金属およびIIA族金属ならびに
    亜鉛、鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、銅およ
    びアルミニウムの中から選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1〜3記載のアクリル系シラッ
    プ組成物。
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