JP2001180118A - 感光感熱記録材料 - Google Patents

感光感熱記録材料

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JP2001180118A
JP2001180118A JP36927699A JP36927699A JP2001180118A JP 2001180118 A JP2001180118 A JP 2001180118A JP 36927699 A JP36927699 A JP 36927699A JP 36927699 A JP36927699 A JP 36927699A JP 2001180118 A JP2001180118 A JP 2001180118A
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JP36927699A
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Hisato Nagase
久人 長瀬
Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地肌部の白色性が高く、コントラストに優れ
た画像を安定に形成でき、かつ形成画像を長期間安定に
保存しうる保存安定性(生保存性、画像保存性)に優れ
た感光感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも1種のジアゾニ
ウム塩と、該ジアゾニウム塩と反応して発色する少なく
とも1種のカプラーとを含む感光感熱記録層を有する感
光感熱記録材料であって、前記感光感熱記録層が、さら
に下記一般式(1)で表される化合物を含有する感光感
熱記録材料である〔R1、R2:アルキル基、アリール
基、R3:アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
n:0〜4の整数〕。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアゾニウム塩及
び該ジアゾニウム塩と反応して発色するカプラーを含む
感光感熱記録材料に関し、詳しくは、ステインの発生が
少なく、保存安定性に優れた感光感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩は、非常に化学的活性の
高い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基
を有する、いわゆるカプラーと呼ばれる化合物と反応し
て容易にアゾ染料を形成するとともに感光性をも有し、
光照射によって分解しその活性を失う。そこで、ジアゾ
ニウム塩は、ジアゾコピーに代表される光記録材料とし
て古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学
の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)p.8
9〜117、p.182〜201参照)。
【0003】さらに、光によって分解し活性を失う性質
を利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料
にも応用され、代表的なものとしては、ジアゾニウム塩
とカプラーを含む記録層を設けた記録材料を画像信号に
したがって加熱・反応させ、画像形成させた後、光照射
して画像を定着する光定着型の感熱記録材料が提案され
ている(佐藤弘次ら、「画像電子学会誌」第11巻 第
4号(1982) p.290〜296等)。
【0004】しかし、ジアゾニウム塩を発色成分として
用いたこれらの記録材料は、ジアゾニウム塩の化学的活
性が非常に高く、暗所であってもジアゾニウム塩が徐々
に熱分解してその反応性を失うので、記録材料としての
シェルフライフが短いという欠点があった。また、長期
保存によるジアゾニウム塩の分解により、着色のある分
解物(ステイン)が生成され、非画像部に不要な着色が
発生するといった欠点もあった。更に、非画像部のジア
ゾニウム塩を光照射により分解し、定着する際、着色し
たジアゾニウム塩の分解物が生成し、非画像部が着色し
てしまう欠点もあった。また、非画像部の耐光性が弱
く、定着後完成した画像を太陽光や蛍光灯下で長時間光
に曝しておくと、非画像部の着色が増大してしまうとい
った欠点もあった。また、画像部においてもその変色を
招く要因となっている。
【0005】このようなジアゾニウム塩の不安定さを改
善する手段としては、これまで様々な方法が提案されて
いる。その最も有効な手段の1つとして、ジアゾニウム
塩をマイクロカプセル中に内包させる方法がある。ジア
ゾニウム塩をマイクロカプセル化することにより、ジア
ゾニウム塩が、水や塩基といった分解を促進させる物質
から隔離されるため、その分解は著しく抑制され、これ
を用いた記録材料のシェルフライフも飛躍的に向上する
(宇佐美智正ら、「電子写真学会誌」第26巻第2号
(1987)p.115〜125)。
【0006】即ち、支持体上に、ジアゾニウム塩を含む
熱応答性マイクロカプセルと、該カプセル外にカプラー
とを発色主成分として含有した(感光)感熱記録層を設け
た感熱記録材料や感光感熱記録材料では、ジアゾニウム
塩を長期間安定に保持させることができると同時に、加
熱することにより容易に発色画像を形成できるうえ、さ
らに光照射することにより形成画像を定着処理すること
も可能となる。ジアゾニウム塩のマイクロカプセル化に
より、記録材料としての安定性を飛躍的に向上させるこ
とが可能となる。
【0007】しかし、ジアゾニウム塩をマイクロカプセ
ルに内包させてもジアゾニウム塩の分解は僅かに進行す
る。従って、感熱記録材料(感光感熱記録材料)として
の安定性は飛躍的な向上が見られるものの、ジアゾニウ
ム塩自体に起因する不安定さは完全には抑制されておら
ず、感熱記録材料等の十分な長期保存性を確保しうるま
でに至っていない。このジアゾニウム塩の光分解反応は
均一な反応ではなく、周囲の環境等により様々な分解生
成物を生じることが知られている。その生成物は、数十
種以上にも及び、その生成物中には、光分解ステインと
呼ばれる、特に可視領域に吸収を有する生成物も生成さ
れる。ここで、このステインの発生が著しいと、光定着
後の非画像部(地肌部)の白色度が低くなり、発色部と
のコントラストも低下する結果、記録材料自体の商品価
値を著しく損なうことになる。ところが、ジアゾニウム
塩の光分解反応は複雑であり、その生成物を特定するこ
とは難しいことから、光分解ステインの抑制は困難であ
った。
【0008】上記の通り、ジアゾニウム塩を発色成分と
して用いた記録材料においては、ジアゾニウム塩自身の
分解に伴う着色が発生し易いことから、非画像部(地肌
部)の白色性が高く、高コントラストな画像を安定に形
成でき、かつ形成画像を、変色や濃度変動による画像品
質の低下を伴うことなく長期間安定に保存しうる、保存
安定性(生保存性、画像保存性)により優れた(感光)感
熱記録材料は、未だ提供されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、高い保存安定性(生保存
性、画像保存性)を有しており、非画像部(地肌部)の
白色性が高く、コントラストに優れた画像を安定に形成
でき、かつ形成画像を、画像品質の低下を伴うことなく
長期間安定に保存しうる感光感熱記録材料を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に、少なくとも1種のジアゾニウム塩
と、該ジアゾニウム塩と反応して発色する少なくとも1
種のカプラーとを含む感光感熱記録層を有する感光感熱
記録材料において、前記感光感熱記録層が、下記一般式
(1)で表される化合物を含有することを特徴とする感
光感熱記録材料である。
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、R1、R2は、それぞれ独立にアル
キル基、アリール基を表し、R3は、アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基を表す。nは、0〜4の整数を表
し、nが2〜4の整数の場合、R3は同一でも異なって
いてもよい。〕
【0013】<2> 一般式(1)で表される化合物
が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1
>に記載の感光感熱記録材料である。
【0014】
【化7】
【0015】〔式中、R1、R2は、それぞれ独立にアル
キル基、アリール基を表し、R3は、アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基を表す。nは、0〜4の整数を表
し、nが2〜4の整数の場合、R3は同一でも異なって
いてもよい。〕
【0016】<3> ジアゾニウム塩が、一般式(1)
又は(2)で表される化合物とともにマイクロカプセル
に内包されている前記<1>又は<2>に記載の感光感
熱記録材料である。
【0017】<4> ジアゾニウム塩が、下記一般式
(3)又は(4)で表される化合物である前記<1>〜
<3>のいずれかに記載の感光感熱記録材料である。
【0018】
【化8】
【0019】〔式中、R11、R12、R13は、それぞれ独
立にアルキル基、アリール基を表し、X-は、陰イオン
を表す。〕
【0020】
【化9】
【0021】〔式中、R21、R22、R23は、それぞれ独
立にアルキル基、アリール基を表す。X-は、陰イオン
を表す。〕
【0022】<5> カプラーが、下記一般式(5)で
表される化合物又はその互変異性体である前記<1>〜
<4>のいずれかに記載の感光感熱記録材料である。
【0023】
【化10】
【0024】〔式中、E1及びE2は、それぞれ独立に電
子吸引性基を表し、E1及びE2は互いに結合して環を形
成してもよい。〕
【0025】<6> 感光感熱記録層が、さらに有機塩
基を含有する前記<1>〜<5>のいずれかに記載の感
光感熱記録材料である。
【0026】<7> マイクロカプセルを形成するカプ
セル壁が、ポリウレタン及び/又はポリウレアを成分と
して含む前記<3>〜<6>のいずれかに記載の感光感
熱記録材料である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の感光感熱記録材料においては、その感光
感熱記録層中に下記一般式(1)で表される化合物を含
有する。
【0028】
【化11】
【0029】前記一般式(1)中、R1及びR2は、それ
ぞれ独立にアルキル基、アリール基を表し、それぞれ置
換基を有していてもよい。前記アルキル基としては、総
炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチ
ル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル
基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマ
ルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノルマル
ドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、アリル
基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−
(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル
基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキシカルボニ
ルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ブトキシカ
ルボニルエチル基、2−イソプロピルオキシエチル基が
好適に挙げられる。
【0030】前記アリール基としては、総炭素数6〜3
0のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、4−
メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチル
フェニル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニ
ル基が好適に挙げられる。
【0031】前記置換基を有する場合の置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等
が挙げられる。上記のうち、前記R1、R2としては、ア
リール基が特に好ましい。
【0032】前記一般式(1)中のR3は、アルキル
基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、アシルオキシ基を表す。前記アルキル基
としては、置換基を有していてもよく、総炭素数1〜2
0のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル
基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブ
チル基、ターシャリーブチル基、ノルマルヘキシル基、
ノルマルオクチル基、ベンジル基、α−メチルベンジル
基、アリル基が好適に挙げられる。
【0033】前記アリール基としては、置換基を有して
いてもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好まし
い。例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−
メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−クロロ
フェニル基、2−クロロフェニル基が好ましい。
【0034】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、沃素原子が好ましく、フッ素原
子、塩素原子がより好ましい。
【0035】前記アルコキシ基としては、置換基を有し
ていてもよく、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ま
しい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロ
ピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチル
オキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ノルマルヘキ
シルオキシ基、ノルマルオクチルオキシ基、2−エチル
ヘキシルオキシ基、3,5,5,−トリメチルヘキシル
オキシ基、ノルマルドデシルオキシ基、シクロヘキシル
オキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、2−メ
トキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−フェ
ノキシエトキシ基、2−(2,5−ジ−ターシャリーア
ミルフェノキシ)エトキシ基、2−ベンゾイルオキシエ
トキシ基、メトキシカルボニルメチルオキシ基、メトキ
シカルボニルエチルオキシ基、ブトキシカルボニルエチ
ルオキシ基、2−イソプロピルオキシエチルオキシ基が
好適に挙げられる。
【0036】前記アリールオキシ基としては、置換基を
有していてもよく、総炭素数60〜20のアリールオキ
シ基が好ましい。例えば、フェノキシ基、4−メチルフ
ェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−クロロフェ
ノキシ基が好適に挙げられる。
【0037】前記アルコキシカルボニル基としては、置
換基を有していてもよく、総炭素数2〜20のアルコキ
シカルボニル基が好ましい。例えば、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシ
カルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノル
マルブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオ
キシカルボニル基、ノルマルヘキシルオキシカルボニル
基、ノルマルオクチルオキシカルボニル基、2−エチル
ヘキシルオキシカルボニル基、3,5,5,−トリメチ
ルヘキシルオキシカルボニル基、ノルマルドデシルオキ
シカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基、2−メトキシエトキシカルボニル基、2−エトキシ
エトキシカルボニル基、2−フェノキシエトキシカルボ
ニル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノ
キシ)エトキシカルボニル基、2−ベンゾイルオキシエ
トキシカルボニル基、メトキシカルボニルメチルオキシ
カルボニル基、メトキシカルボニルエチルオキシカルボ
ニル基、ブトキシカルボニルエチルオキシカルボニル
基、2−イソプロピルオキシエチルオキシカルボニル基
が好適に挙げられる。
【0038】前記アリールオキシカルボニル基として
は、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜20のア
リールオキシカルボニル基が好ましい。例えば、フェノ
キシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル
基、2−メチルフェノキシカルボニル基、2−クロロフ
ェノキシカルボニル基が好適に挙げられる。
【0039】前記アシルオキシ基としては、置換基を有
していてもよく、総炭素数2〜20のアシルオキシ基が
好ましい。例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオ
キシ基、ブタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、
オクタノイルオキシ基、2−エチルヘキサノイルオキシ
基、ドデカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、4−
メトキシベンゾイルオキシ基、2−メトキシベンゾイル
オキシ基、4−クロロベンゾイルオキシ基、2−クロロ
ベンゾイルオキシ基、4−メチルベンゾイルオキシ基、
2−メチルベンゾイルオキシ基が好適に挙げられる。
【0040】また、前記一般式(1)中のnは、0〜4
のいずれかの整数を表し、n=2〜4の場合、R3は互
いに同一であっても異なっていてもよい。前記置換基を
有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基等が挙げられる。
【0041】前記一般式(1)で表される化合物のう
ち、下記一般式(2)で表される化合物が特に好まし
い。尚、一般式(2)中のR1、R2、R3及びnは、前
記一般式(1)の場合と同義である。
【0042】
【化12】
【0043】以下に、前記一般式(1)又は(2)で表
される化合物の具体例を示すが、本発明においては、こ
れらに限定されるものではない。
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】前記一般式(1)又は(2)で表される化
合物の含有量としては、用いるジアゾニウム塩1gに対
して、1〜10gが好ましく、1〜5gがより好まし
い。前記含有量が、1g未満であると、安定して非画像
部の白色性が高く、高コントラストな画像を形成するこ
とができないことがあり、10gを超えると、画像の鮮
鋭度が低下することがある。
【0051】前記一般式(1)又は(2)で表される化
合物は、公知の方法により製造することが可能である。
以下に、カテコールジベンゾアート(前記例示化合物M
−1)、及びカテコールジ(2−メチルベンゾアート)
(前記例示化合物M−4)の製造例を示す。
【0052】[カテコールジベンゾアート;例示化合物
M−1]カテコール88.1g、(0.8mol)、ア
セトニトリル400mL、トリエチルアミン170.0
g(1.68mol)を1Lの反応容器に採り、氷浴下
で内温が約5℃になるまで冷却した。この中に、ベンゾ
イルクロリド236.2g(1.68mol)を内温2
0℃以下に保ちながら、約1時間半かけて滴下した。同
温度の下、さらに1時間撹拌した後、反応混合物を氷水
1.2L(リットル)に注いだ。2時間室温下で撹拌し
た後、析出した結晶を濾集し、この結晶を水及びメタノ
ールで洗浄し乾燥して、例示化合物M−1の粗体25
1.5gを得た。得られた結晶をメタノール500mL
にて再結晶し、前記例示化合物M−1の白色固体21
7.0g(0.68mol)を得た。
【0053】融点測定及びNMRの結果から、前記白色
固体が例示化合物M−1であることを確認した。即ち、
前記白色固体の融点は86〜87℃であった。また、1
H−NMR(CDCl3 :300MHz)解析により、
7.32−7.44ppm(m.8H),7.50−
7.58(m.2H),8.03(d.4H)の結果が
得られた。
【0054】[カテコールジ(2−メチルベンゾアー
ト);例示化合物M−4]カテコール55.1g、
(0.5mol)、アセトニトリル250mL、トリエ
チルアミン106.2g(1.05mol)を1Lの反
応容器に採り、氷浴下で内温が約5℃になるまで冷却し
た。この中に、o−トルイル酸クロリド162.3g
(1.05mol)を内温20℃以下に保ちながら、約
1時間半かけて滴下した。同温度の下、さらに1時間撹
拌した後、反応混合物を氷水1.0L(リットル)に注
いだ。1時間室温下で撹拌した後、析出した結晶を濾集
し、この結晶を水及びメタノールで洗浄し乾燥して、例
示化合物M−4の粗体157.5gを得た。得られた結
晶をメタノール300mLにて再結晶し、前記例示化合
物M−4の白色固体148.0g(0.43mol)を
得た。
【0055】融点測定及びNMRの結果から、前記白色
固体が例示化合物M−4であることを確認した。即ち、
前記白色固体の融点は55℃であった。また、1 H−N
MR(CDCl3 :300MHz)解析により、2.5
8ppm(s.6H),7.16−7.24(m.4
H),7.36−7.48(m.6H),8.03
(d.2H)の結果が得られた。
【0056】既述のように、特に芳香族環に−O−CO
−(アルキル基又はアリール基)基を持つ、上記一般式
(1)又は(2)で表される化合物は、同一層中にジア
ゾニウム塩と併用することにより、該ジアゾニウム塩自
体の分解生成物である着色ステインによる、非画像部の
白色性の低下を効果的に防止することができる。即ち、
生保存時の安定性が高く地肌部の白色度の高い画像を安
定に形成でき、また形成された画像は光照射下でも安定
で、濃度変動や変色等を伴うことなく長期間安定に保存
できる(画像保存性)。また、画像部における発色性の
向上にも寄与する。
【0057】尚、前記一般式(1)又は(2)で表され
る化合物は、ジアゾニウム塩と併用するに当り、必ずし
もジアゾニウム塩と共にマイクロカプセルに内包されて
いる必要はなく、カプセル外に含まれていてもよい。但
し、非画像部の白色性を安定かつ十分に確保し、高コン
トラストで堅牢性の高い(変色や濃度変動のない)画像
を安定に形成する観点からは、ジアゾニウム塩と共にマ
イクロカプセルに内包して含有させることが好ましい。
この場合、ジアゾニウム塩を溶解又は分散させうる溶媒
(オイル成分)として使用できる。
【0058】本発明の感光感熱記録材料の感光感熱記録
層には、発色成分として、少なくとも1種のジアゾニウ
ム塩と、該ジアゾニウム塩と反応して発色する少なくと
も1種のカプラーとを含有する。
【0059】本発明において、使用可能なジアゾニウム
塩としては、例えば、特願平10−187783号公
報、特願平10−151008号公報、特願平8−31
0133号公報、特願平5−122865号公報、特願
平6−306408号公報、特願平7−96671号公
報、特願平2−169489号公報等に記載のものを挙
げることができる。中でも、下記一般式(3)又は
(4)で表される化合物が好ましい。
【0060】
【化19】
【0061】前記一般式(3)中のR11は、アルキル基
又はアリール基を表す。R11で表されるアルキル基とし
ては、置換基を有していてもよく、総炭素数1〜30の
アルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、
ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル
基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、イ
ソブチル基、ノルマルペンチル基、2−ペンチル基、3
−ペンチル基、イソペンチル基、ノルマルヘキシル基、
ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,
5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シ
クロヘキシル基、ベンジル基、アリル基、2−クロロエ
チル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジ−ター
シャリーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイル
オキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキ
シカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、
2−イソプロピルオキシエチル基が好適に挙げられる。
【0062】R11で表されるアリール基としては、置換
基を有していてもよく、総炭素数6〜30のアリール基
が好ましい。例えば、フェニル基、4−メチルフェニル
基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4
−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基が好適に挙
げられる。
【0063】前記一般式(3)中のR12、R13は、それ
ぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。R12及び
13で表されるアルキル基としては、置換基を有してい
てもよく、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イ
ソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノル
マルペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イ
ソペンチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル
基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチル
ヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、
ベンジル基、アリル基、2−メトキシエチル基、2−エ
トキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(2,
5−ジ−ターシャリーアミルフェノキシ)エチル基、2
−ベンゾイルオキシエチル基、
【0064】メトキシカルボニルメチル基、メトキシカ
ルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−
イソプロピルオキシエチル基、2−(4−メトキシフェ
ノキシ)エチル基、3−(4−メトキシフェノキシ)プ
ロパン−2−イル基、N,N−ジ(ブチル)−カルバモ
イルメチル基、N,N−ジ(ヘキシル)−カルバモイル
メチル基、N,N−ジ(エチル)−カルバモイルメチル
基、ピペリジノカルボニルメチル基、2−{N,N−ジ
(ブチル)−カルバモイル}エチル基、1−{N,N−
ジ(ブチル)−カルバモイル}エチル基、ピロリジノカ
ルボニルメチル基が好適に挙げられる。
【0065】R12及びR13で表されるアリール基として
は、置換基を有していてもよく、総炭素数6〜30のア
リール基が好ましい。例えば、フェニル基、4−メチル
フェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基が
好適に挙げられる。
【0066】一般式(3)中のX-は、陰イオンを表
し、該陰イオンとしては、無機陰イオン及び有機陰イオ
ンの両者が上げられる。前記無機陰イオンとしては、ヘ
キサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、
塩化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオンが好適であ
り、前記有機陰イオンとしては、ポリフルオロアルキル
カルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イ
オン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオ
ン、テトラアリールボレートイオン等が好適である。中
でも特に、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水
素酸イオンが好ましい。
【0067】以下に、前記一般式(3)で表される化合
物の具体例(例示化合物A−1〜A−10)を示すが、
本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】次に、下記一般式(4)について説明す
る。
【化22】
【0071】前記一般式(4)中、R21、R22、R
23は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基を表す。
-は、陰イオンを表す。
【0072】R21、R22で表されるアルキル基として
は、置換基を有していてもよく、総炭素数1〜30のア
ルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、ノ
ルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル
基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、イ
ソブチル基、ノルマルペンチル基、2−ペンチル基、3
−ペンチル基、イソペンチル基、ノルマルヘキシル基、
ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,
5,−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シ
クロヘキシル基、ベンジル基、アリル基、2−クロロエ
チル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、2−イソプロピルオキシエチル基、2−アリルオキ
シエチル基、2−ブトキシエチル基、2−フェノキシエ
チル基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノ
キシ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メト
キシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル
基、ブトキシカルボニルエチル基が好適に挙げられる。
【0073】R21、R22で表されるアリール基として
は、置換基を有していてもよく、総炭素数6〜30のア
リール基が好ましい。例えば、フェニル基、4−メチル
フェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基が
好適に挙げられる。
【0074】R23で表されるアルキル基としては、置換
基を有していてもよく、総炭素数1〜30のアルキル基
が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプ
ロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブ
チル基、ノルマルペンチル基、2−ペンチル基、3−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ノルマルヘキシル基、ノル
マルオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5,
−トリメチルヘキシル基、ノルマルドデシル基、シクロ
ヘキシル基、ベンジル基、アリル基、2−メトキシエチ
ル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル
基、2−(2,5−ジ−ターシャリーアミルフェノキ
シ)エチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシ
カルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基が好
適に挙げられる。
【0075】R23で表されるアリール基としては、置換
基を有していてもよく、総炭素数6〜30のアリール基
が好ましい。例えば、フェニル基、4−メチルフェニル
基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4
−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基が好適に挙
げられる。
【0076】前記X-で表される陰イオンは、前記一般
式(3)におけるX-の場合と同義であり、中でも特
に、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イ
オンが好ましい。
【0077】以下に、前記一般式(4)で表される化合
物の具体例(例示化合物B−1〜B−10)を示すが、
本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0078】
【化23】
【0079】
【化24】
【0080】前記ジアゾニウム塩の含有量としては、感
光感熱記録層の固形分重量に対して、0.02〜5g/
2が好ましく、0.1〜4g/m2がより好ましい。前
記含有量が、0.02g/m2未満であると、発色濃度
が低下することがあり、5g/m2を超えると経済的に
好ましくない。
【0081】次に、上述のジアゾニウム塩と反応して発
色するカプラーについて説明する。前記カプラーとして
は、ジアゾニウム塩と反応して該ジアゾニウム塩を呈色
させる(即ち、色素を形成する)カプラーであれば広く
公知のものの中から、目的とする色相等に応じて適宜選
択することができる。例えば、ハロゲン化銀写真感光材
料用の、いわゆる4当量カプラーは全て前記カプラーと
して使用可能であり、カルボニル基の隣にメチレン基を
有する、いわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体等も好適に挙げられる。
【0082】前記カプラーの具体例としては、例えば、
レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナ
フタレン−6−スルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、1−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒ
ドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピ
ルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸
−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシ
ルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒ
ドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジス
ルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミ
ドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,
5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナ
フタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノ
プロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オク
チルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリ
ド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テ
トラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサン
ジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,
3−シクロヘキサンジオン、
【0083】5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフ
ェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジ−n−ドデ
シルバルビツール酸、1−n−オクチル−3−n−オク
タデシルバルビツール酸、1−フェニル−3−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
1,3−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)
バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラ
ゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3
−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリ
クロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロ
ン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2−〔3−
〔α−(2,4−ジ−tert−アルミフェノキシ)ブ
タンアミド〕ベンズアミド〕フェノール、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等が挙げられる。これらカプラーの
詳細については、特開平4−201483号公報、特開
平7−125446号公報、特開平7−96671号公
報、特開平7−223367号公報、特開平7−223
368号公報等に記載されている。
【0084】中でも、下記一般式(5)で表される化合
物、又は該化合物の互変異性体が好ましい。
【化25】
【0085】前記一般式(5)中、E1及びE2は、それ
ぞれ独立に電子吸引性基を表し、互いに同一であっても
異なっていてもよい。前記電子吸引性基は、Hamme
ttのσ値が正である置換基を指し、例えば、アセチル
基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル
基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピ
ルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル
基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾ
イル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のア
シル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシ
フェノキシカルボニル基等のオキシカルボニル基、カル
バモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N
−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル
基、N−2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニルカル
バモイル基、N−2,4−ビス(オクチルオキシ)フェ
ニルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカル
バモイル基、シアノ基、メタンスルホニル基、ベンゼン
スルホニル基、トルエンスルホニル基等のスルホニル
基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサ
ゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル基、
3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、
3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル
基等の複素環基が好適に挙げられる。
【0086】また、前記E1及びE2は、互いに結合して
環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環とし
ては、5員若しくは6員の炭素環又は複素環が好まし
い。
【0087】以下に、一般式(5)で表される化合物の
具体例を示すが、本発明においては、これらに限定され
るものではない。
【0088】
【化26】
【0089】
【化27】
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
【0092】
【化30】
【0093】感熱記録層中におけるカプラーの含有量と
しては、ジアゾニウム塩1重量部に対して、0.1〜3
0重量部が好ましい。
【0094】本発明においては、ジアゾニウム塩とカプ
ラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を
添加することが好ましい。前記有機塩基は、感光感熱記
録層中に、ジアゾニウム塩及びカプラーとともに含有さ
せるのが好ましく、単独で用いても2種以上併用しても
よい。前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリ
ジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン
類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒
素化合物等が挙げられる。また、特公昭52−4680
6号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57
−169745号公報、特開昭60−94381号公
報、特開昭57−123086号公報、特開昭58−1
347901号公報、特開昭60−49991号公報、
特公平2−24916号公報、特公平2−28479号
公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−
185430号公報に記載のものも使用可能である。
【0095】中でも特に、N,N′−ビス(3−フェノ
キシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′
−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキ
シプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス〔3−(p−
メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペ
ラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒド
ロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−ビス〔3−
(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラ
ジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3
−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β
−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリ
ン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−
プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホ
リノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等の
モルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピ
ペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキ
シルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン
等のグアニジン類等が好ましい。
【0096】所望により有機塩基を含有させる場合の、
感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジア
ゾニウム塩1重量部に対して、0.1〜30重量部が好
ましい。
【0097】本発明においては、前記有機塩基のほか、
発色反応を促進させる目的で、感光感熱記録層中に発色
助剤を加えることもできる。前記発色助剤とは、加熱記
録時の発色濃度を高くする、もしくは最低発色温度を低
くする物質であり、カプラー、有機塩基又はジアゾニウ
ム塩等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下
せしめる作用により、ジアゾニウム塩、有機塩基、カプ
ラー等を反応しやすい状況にするものである。
【0098】既述の通り、低エネルギーで迅速かつ完全
に熱印画が可能なように、前記発色助剤としては、例え
ば、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ
置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、芳香族
エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、ウレイ
ド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒドロキシ化合物
等が挙げられる。
【0099】また、発色画像の光及び熱に対する堅牢性
を向上させる、又は定着後の未印字部分(非画像部)の
光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化
防止剤等を用いることも好ましい。前記酸化防止剤とし
ては、例えば、ヨーロッパ公開特許、同第223739
号公報、同309401号公報、同第309402号公
報、同第310551号公報、同第310552号公
報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第343
5443号公報、特開昭54−48535号公報、同6
2−262047号公報、同63−113536号公
報、同63−163351号公報、特開平2−2626
54号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−
121449号公報、特開平5−61166号公報、特
開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814
262号、アメリカ特許第4980275号等に記載の
ものを挙げることができる。
【0100】更に、感熱記録材料や感圧記録材料におい
て既に用いられている、公知の各種添加剤を用いること
も有効である。前記各種添加剤の具体例としては、特開
昭60−107384号公報、同60−107383号
公報、同60−125470号公報、同60−1254
71号公報、同60−125472号公報、同60−2
87485号公報、同60−287486号公報、同6
0−287487号公報、同60−287488号公
報、同61−160287号公報、同61−18548
3号公報、同61−211079号公報、同62−14
6678号公報、同62−146680号公報、同62
−146679号公報、同62−282885号公報、
同63−051174号公報、同63−89877号公
報、同63−88380号公報、同63−088381
号公報、同63−203372号公報、同63−224
989号公報、同63−251282号公報、同63−
267594号公報、同63−182484号公報、特
開平1−239282号公報、同4−291685号公
報、同4−291684号公報、同5−188687号
公報、同5−188686号公報、同5−110490
号公報、同5−1108437号公報、同5−1703
61号公報、特公昭48−043294号公報、同48
−033212号公報等に記載の化合物を挙げることが
できる。
【0101】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0102】前記酸化防止剤及び各種添加剤の添加量と
しては、ジアゾニウム塩1重量部に対して、0.05〜
100重量部が好ましく、0.2〜30重量部がより好
ましい。
【0103】前記公知の酸化防止剤及び各種添加剤は、
ジアゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有させて
用いてもよいし、カプラー、有機塩基、その他の発色助
剤等と共に固体分散物として、又は適当な乳化助剤と共
に乳化物として、用いてもよいし、或いは、その両方の
形態を併用することもできる。また、前記酸化防止剤及
び各種添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。2種以上を組合わせて複数用いる場合に
は、アニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフ
ェノール類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導
体、リン化合物、硫黄化合物のように、構造的に分類し
互いに異なる構造のものを組合わせてもよいし、同一の
ものを組合わせてもよい。
【0104】さらに、前記酸化防止剤及び各種添加剤は
同一層に添加しなくてもよく、感光感熱記録層上に保護
層を設け、該保護層に添加若しくは存在させることもで
きる。
【0105】本発明の感光感熱記録材料には、記録後の
地肌部の黄着色を軽減する目的で、光重合性組成物等に
用いられる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生す
る化合物)を加えることができる。前記遊離基発生剤と
しては、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベン
ゾインエーテル類、ジアゾニウム塩、有機ジスルフィド
類、アシルオキシムエステル類等が挙げられる。その添
加量としては、ジアゾニウム塩1重量部に対して、遊離
基発生剤0.01〜5重量部が好ましい。
【0106】また同様に、黄着色を軽減する目的で、エ
チレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、
ビニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニル
モノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチ
レン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有す
る化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態
を持つものである。これらの例として、不飽和カルボン
酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコー
ルとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン
化合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジ
アゾニウム塩1重量部に対して0.2〜20重量部の割
合で用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジ
アゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有して用い
ることもできる。
【0107】さらに、酸安定剤として、クエン酸、酒石
酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加す
ることもできる。
【0108】感光感熱記録層に用いるバインダーとして
は、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等が挙げ
られる。前記水溶性高分子化合物としては、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプ
ン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリ
ン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチ
ル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド
等及びこれらの変成物等が挙げられ、前記ラテックス類
としては、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アク
リル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニル
エマルジョン等が挙げられる。
【0109】本発明の感光感熱記録材料には、その感光
感熱記録層中又はその他の層中に、顔料を含有させても
よい。前記顔料としては、有機、無機を問わず公知のも
のを使用することができ、例えば、カオリン、焼成カオ
リン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コ
ウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミ
ナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバ
ルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパー
ティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。また、
感光感熱記録層又は他の層中に、必要に応じて、公知の
ワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界
面活性剤、紫外線吸収剤及びその前駆体等各種添加剤を
使用することもできる。
【0110】本発明においては、感光感熱記録材料の生
保存性をより向上させうる点で、前記ジアゾニウム塩が
マイクロカプセルに内包されていることが好ましい。マ
イクロカプセルは、常温では物質非透過性であり、加熱
されると物質透過性となる高分子により形成されている
のが好ましく、特にそのガラス転移温度が60〜200
℃の高分子により形成されているのがより好ましい。前
記高分子としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタ
クリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体
及びこれらの混合系が挙げられ、中でも特に、ウレタン
及び/又はウレアを構成成分とする高分子(例えば、ポ
リウレタン、ポリウレア等)より形成されているのが好
ましい。
【0111】マイクロカプセルの形成方法としては、従
来公知の方法の中から適宜選択できるが、中でも、界面
重合法又は内部重合法が適している。カプセル形成方法
の詳細及びリアクタントの具体例については、米国特許
第3,726,804号、同第3,796,669号等
の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウレ
タンをマイクロカプセルの壁材として用いる場合は、ポ
リイソシアネート及びそれと反応してカプセル壁を形成
する第2物質(例えば、ポリオール、ポリアミン)を水
性媒体又はカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中
でこれらを乳化分散し、次いで加温することにより油滴
界面で高分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形
成する。尚、前記第2物質の添加を省略した場合でもポ
リウレアが生成する。
【0112】以下に、本発明におけるジアゾニウム塩内
包マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の
製造方法について、その一例を示す。まず、ジアゾニウ
ム塩を、カプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解ま
たは分散させる。この場合の有機溶媒としては、沸点1
00〜300℃の有機溶媒が好ましい。芯溶媒中には、
更に、多価イソシアネートが壁材として添加される(油
相)。
【0113】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン等の水溶性高分子を溶解した水溶液(水
相)を用意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザ
ー等の手段により乳化分散を行う。このとき、前記水溶
性高分子は、乳化分散を均一かつ容易にしうる保護コロ
イドとしての作用を有するとともに、乳化分散した溶液
を安定化させる分散媒としても作用する。乳化分散を更
に安定に行う目的で、油相あるいは水相の少なくとも一
方に界面活性剤を添加してもよい。
【0114】前記多価イソシアネートの使用量は、マイ
クロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚み
が0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散
粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分
散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネ
ートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。水
相中にポリオールを添加しておけば、多価イソシアネー
トとポリオールが反応してポリウレタン壁を形成するこ
ともできる。
【0115】また、反応速度を速めるためには、反応温
度を高く保つ、或いは、適当な重合触媒を添加すること
が好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反応触
媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミ
ン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタ
ンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
【0116】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネートとしては、3官能以上のイソシアネー
ト基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネ
ート化合物を併用してもよい。具体的には、キシレンジ
イソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート及びその水添
物、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート
を主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビュー
レットあるいはイソシヌレート)の他、トリメチロール
プロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート
等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能
としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールと
キシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート
とのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を
有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合
物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙
げられる。特開昭62−212190号公報、特開平4
−26189号公報、特開平5−317694号公報、
特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ま
しい。
【0117】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁
が形成される。
【0118】前記のジアゾニウム塩を溶解又は分散し、
マイクロカプセルの芯を形成する際に用いる疎水性の有
機溶媒としては、前記一般式(1)又は(2)で表され
る化合物、及びアルキルナフタレン、アルキルジフェニ
ルエタン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェ
ニル、アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン
酸エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エス
テル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭
酸エステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン
酸エステル類等、アクリル酸エステル類、メタクリル酸
エステル類等の他の有機溶媒が好適に挙げられ、中でも
特に、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物が
好ましい。また、前記一般式(1)又は(2)で表され
る化合物と、前記他の有機溶媒とを混合した混合溶媒で
あってもよい。さらに、前記疎水性の有機溶媒として、
前記他の有機溶媒若しくはこれらの混合溶液を用い、後
述するように、前記一般式(1)又は(2)で表される
化合物を水相中に添加し存在させることも可能である。
【0119】カプセル化しようとするジアゾニウム塩の
これらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いるジ
アゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用
することもできる。従って、ジアゾニウム塩としては、
これら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補助溶媒に対する
適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的に
は、これら溶剤に5%以上の溶解度を有していることが
好ましい。また、水に対する溶解度は1%以下が好まし
い。前記低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢
酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0120】油相を分散する水相(水溶性高分子水溶
液)に保護コロイドとして用いる水溶性高分子として
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、具体的には以下の
ものが挙げられる。前記水溶性高分子としては、公知の
アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中
から適宜選択することができる。
【0121】アニオン性高分子としては、天然、合成の
いずれのものも用いることができ、例えば、−COO
−、−SO2−等の連結基を有するものが挙げられる。
具体的には、カゼイン、アラビヤゴム、アルギン酸、ベ
クチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フタ
ル化ゼラチン等のゼラチン誘導体;硫酸化デンプン等の
澱粉誘導体;硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等
の半合成品、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体等の無水マレイン酸系(加水分解物を
含む)共重合体;ポリアクリル酸アミド及びその誘導
体、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸共重合体等のアクリル酸系(メタクリル酸系)重
合体及び共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ビ
ニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボ
キシ変成ポリビニルアルコール等の合成品、が挙げられ
る。
【0122】ノニオン性高分子としては、ポリビニルア
ルコール及びその変成物、ポリビニルピロリドン、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース等が挙げら
れる。また、両性高分子としては、ゼラチン等が挙げら
れる。中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニル
アルコールが好ましい。前記水溶性高分子は、0.01
〜10重量%の水溶液として用いられる。
【0123】前記水溶性高分子は、イソシアネート化合
物との反応性がないか、低いことが好ましく、例えば、
ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有する
ものは、予め変成する等して反応性をなくしておくこと
が必要である。
【0124】前記界面活性剤としては、アニオン性又は
ノニオン性の界面活性剤の中から、前記水溶性高分子と
作用し、沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使
用することができる。中でも、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸
ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール
(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル)等が好ましい。また、界面活性剤の添加量として
は、油相の重量に対して、0.1〜5%、特に0.5%
〜2%であることが好ましい。
【0125】乳化分散は、ホモジナイザー、マントンゴ
ーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル
等、公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、
カプセル壁形成反応を促進させるために、乳化物を30
〜70℃に加温する。また、反応中はカプセル同士の凝
集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率
を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0126】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩内包マイク
ロカプセルを得ることができる。
【0127】本発明に用いられるカプラーは、所望によ
り、有機塩基、その他の発色助剤等とともに、サンドミ
ル等により水溶性高分子とともに固体分散して用いるこ
ともできるが、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解
した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保
護コロイドとして有する水相中に混合し、乳化分散物と
することが好ましい。乳化分散を容易にする観点から、
界面活性剤を用いることが好ましい。
【0128】水に難溶性又は不溶性の有機溶剤として
は、例えば、特開平2−141279号公報に記載の高
沸点オイルの中から適宜選択することができる。中で
も、乳化分散物の乳化安定性の点で、エステル類が好ま
しく、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物、
リン酸トリクレジルがより好ましい。前記オイル同士、
又は他のオイルとの併用も可能である。
【0129】この有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤と
して補助溶剤を加えることもできる。該補助溶剤として
は、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル及びメチレンクロライド等が好適である。場合によ
り、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用い
ることもできる。
【0130】本発明の感光感熱記録材料は、ジアゾニウ
ム塩を内包するマイクロカプセル、カプラー、及び必要
に応じて、有機塩基、その他の添加物を含有する塗布液
(感光感熱記録層塗布液)を調製し、公知の塗布方法に
より紙や合成樹脂フィルム等の支持体の上に塗布し、乾
燥して形成する。前記感光感熱記録層の固形分重量とし
ては、2.5〜30g/m2が好ましい。
【0131】前記塗布方法としては、バー塗布、ブレー
ド塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーテ
ィング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗
布等が挙げられる。本発明の感光感熱記録材料において
は、マイクロカプセル、カプラー、有機塩基等が同一層
に含まれていてもよいが、別層に含まれるような積層型
の構成とすることもできる。また、支持体上に、特願昭
59−177669号公報等に記載の中間層を設けた
後、感光感熱記録層を塗布形成することもできる。
【0132】本発明の感熱記録材料には、必要に応じ
て、感光感熱記録層上にさらに保護層を設けてもよく、
該保護層は、必要に応じて二層以上積層してもよい。前
記保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変成ポリビニルアルコール、酢酸ビニル
−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコ
ール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラ
チン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン
酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物
ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体加水分解物、
【0133】ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピ
ロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸
ソーダ等の水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジ
エンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテ
ックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用
いられる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、よ
り保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤とし
ては公知の架橋剤を使用することができる。具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリン等
が挙げられる。
【0134】前記保護層には、さらに公知の顔料、金属
石鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤やその前駆
体等を含有させてもよい。尚、保護層は、前記成分を含
有する塗布液(保護層塗布液)を調製し、該塗布液を、
塗布・乾燥することにより形成できる。保護層塗布液の
塗布量(固形分)としては、0.2〜5g/m2が好ま
しく、0.5〜2g/m2がより好ましい。また、保護
層の層厚としては、0.2〜5μmが好ましく、0.5
〜2μmがより好ましい。
【0135】支持体としては、通常の感圧紙や感熱紙、
乾式や湿式のジアゾ複写紙等に用いられる紙支持体はい
ずれも使用することができる他、酸性紙、中性紙、コー
ト紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、プ
ラスチックフィルム等を使用することができる。支持体
のカールバランスを補正するため、あるいは裏面からの
耐薬品性を向上させる目的で、バックコート層を設けて
もよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わ
せてラベルの形態にしてもよい。このバックコート層に
ついても前記保護層と同様にして設けることができる。
【0136】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
尚、実施例中の「%」は、全て「重量%」を表す。 (実施例1) <感光感熱記録層塗布液の調製> −マイクロカプセル液Aの調製− 酢酸エチル16.4gに、既述の例示化合物A−1(ジ
アゾニウム塩)3.0gを溶解し、これに高沸点溶媒で
ある、既述の例示化合物M−1(一般式(2)で表され
る化合物)14gを添加し、加熱して均一に混合した。
【0137】上記混合物に、カプセル壁材としてキシリ
レンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物
(タケネートD110N:75重量%酢酸エチル溶液、
武田薬品工業(株)製)10gを添加し、均一に攪拌し
た。
【0138】得られた混合液を、フタル化ゼラチンの6
%水溶液54gとドデシルスルホン酸ナトリウムの2%
水溶液2gとを混合した溶液中に添加し、ホモジナイザ
ーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に水68
gを加えて均一に混合し、さらに撹拌しながら40℃に
加熱し、カプセルの平均粒子径が1.0μmとなるよう
に3時間カプセル化反応を行わせ、マイクロカプセル液
Aを得た。
【0139】−カプラー乳化分散液aの調製− 既述の例示化合物C−10(カプラー)2gと、1,
2,3−トリフェニルグアニジン2gと、トリクレジル
ホスフェート0.3gと、マレイン酸ジエチル0.1g
とを酢酸エチル10g中に溶解した。該溶液を、ゼラチ
ンの6%水溶液20gとドデシルスルホン酸ナトリウム
2%の水溶液2gとを混合した水溶液中に投入した後、
ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、カプラー乳化
分散液aを得た。
【0140】−感光感熱記録層塗布液(1)の調製− 先に調製した、ジアゾニウム塩を含有するマイクロカプ
セル液Aに、マイクロカプセルの固形分重量に対して4
0%に相当するSBRラテックス(SN−307,住友
ノーガタック(株)製)を添加し、その後、前記カプラ
ー乳化分散液aを、マイクロカプセル液Aに対して3/
2の割合(重量比)となるように混合し、感光感熱記録
層塗布液(1)を調製した。
【0141】<保護層塗布液の調製>イタコン酸変性ポ
リビニルアルコール(KL−318、(株)クラレ製)
6%水溶液100gと、エポキシ変性ポリアミド(FL
−71、東邦化学(株)製)30%分散液10gとを混
合した液に、ステアリン酸亜鉛40%分散液(ハイドリ
ンZ、中京油脂(株)製)15gを均一に混合し、保護
層塗布液(1)を得た。
【0142】<感光感熱記録材料の作製>上質紙にポリ
エチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、ワイヤ
ーバーで前記感光感熱記録層塗布液(1)、保護層塗布
液(1)の順に、順次塗布と乾燥(50℃)を行い、本
発明の感光感熱記録材料(1)を作製した。感光感熱記
録層、保護層の塗布量(固形分)は、各々15.0g/
2、1.2g/m2であった。
【0143】(実施例2)実施例1のマイクロカプセル
液Aの調製に用いた高沸点溶媒(例示化合物M−1)に
代えて、既述の例示化合物M−4(一般式(2)で表さ
れる化合物)を用いたこと以外、実施例1と同様にして
感光感熱記録層塗布液(2)を調製し、実施例1と同様
にして本発明の感光感熱記録材料(2)を作製した。感
光感熱記録層、保護層の塗布量(固形分)は、実施例1
と同様であった。
【0144】(実施例3)実施例1のマイクロカプセル
液Aの調製に用いた高沸点溶媒(例示化合物M−1)に
代えて、既述の例示化合物M−14(一般式(2)で表
される化合物)を用いたこと以外、実施例1と同様にし
て感光感熱記録層塗布液(3)を調製し、実施例1と同
様にして本発明の感光感熱記録材料(3)を作製した。
感光感熱記録層、保護層の塗布量(固形分)は、実施例
1と同様であった。
【0145】(比較例1)実施例1のマイクロカプセル
液Aの調製に用いた高沸点溶媒(例示化合物M−1)に
代えて、下記高沸点溶媒(1)を用いたこと以外、実施
例1と同様にして感光感熱記録層塗布液(4)を調製
し、実施例1と同様にして感光感熱記録材料(4)を作
製した。感光感熱記録層、保護層の塗布量(固形分)
は、実施例1と同様であった。
【0146】
【化31】
【0147】<発色濃度及び地肌部濃度の評価>上記よ
り得た、本発明の感光感熱記録材料(1)〜(3)、及
び感光感熱記録材料(4)を用い、サーマルヘッドKS
T型(京セラ(株)製)により下記[条件1]及び[条
件2]に従って画像記録と定着を行い、それぞれの発色
濃度及び地肌濃度(非画像部の濃度)について評価し
た。[条件1]単位面積当りの記録エネルギーが70m
J/mm2となるようにサーマルヘッドに対する印加電
力及びパルス幅を調整し、それぞれの感光感熱記録材料
に印字してマゼンタ画像を記録した。その後、各感光感
熱記録材料を、発光中心波長365nm、出力40Wの
紫外線ランプを用いて10秒間照射し定着した。定着
後、10分経過した後、各感光感熱記録材料の画像部の
発色濃度、及び地肌部の光学反射マゼンタ濃度を、X−
rite濃度計(X−rite社製)により測定した。
測定した結果を下記表1に示す。
【0148】[条件2]前記定着後の各感光感熱記録材
料を、さらにWeatherometer C165
(スガ試験機(株)製)により0.9W/m2で48時
間照射し、再度地肌部の光学反射マゼンタ濃度を、X−
rite濃度計(X−rite社製)により測定した。
測定した結果を下記表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】上記表1の結果から、ジアゾニウム塩を溶
解する高沸点溶媒(オイル成分)として、前記一般式
(1)又は(2)で表される化合物を含む本発明の感光
感熱記録材料(1)〜(3)では、発色濃度が高く、か
つ地肌部の白色性の高い画像を形成することができた。
しかも、定着後の形成画像は、光照射による地肌部の濃
度上昇が極めて小さく、画像保存性にも優れていた。一
方、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物を含
まない感光感熱記録材料(4)では、定着後の地肌部濃
度も高く、地肌部の白色性の高い画像は形成できなかっ
た。また、定着後の光照射による地肌部の濃度上昇も大
きく、画像保存性にも劣っていた。
【0151】(実施例4) <感光感熱記録層塗布液の調製> −マイクロカプセル液Bの調製− 酢酸エチル16.4gに、420nmに最大吸収波長を
有するジアゾニウム塩(前記例示化合物B−4)2.2
gと、ジアゾニウム塩(前記例示化合物B−1)2.2
gとを溶解し、これに高沸点溶媒である、既述の例示化
合物M−1(一般式(2)で表される化合物)9.8g
を添加し、加熱して均一に混合した。
【0152】上記混合物に、カプセル壁材としてキシリ
レンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物
(タケネートD110N:75重量%酢酸エチル溶液、
武田薬品工業(株)製)4.5gと、特願平5−233
536号公報の記載に従って合成したキシリレンジイソ
シアネート/ビスフェノールA付加物の30%酢酸エチ
ル溶液4.5gとを添加し、均一に攪拌した。
【0153】別途、ScraphA G−8(日本精化
(株)製)0.96gが添加された6%ゼラチン水溶液
77gを用意し、これに上記のジアゾニウム塩を含む混
合液(溶液)を添加し、ホモジナイザーにより乳化分散
した。得られた乳化液に水20gを加え均一化した後、
40℃にて攪拌しながら3時間カプセル化反応を行っ
た。その後、35℃に液温を下げ、イオン交換樹脂アン
バーライトIRA68(オルガノ(株)製)6.5g
と、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)1
3gとを加え、さらに1時間攪拌した。攪拌の後、イオ
ン交換樹脂を濾過し、マイクロカプセル液10gに対し
て0.4gの1%ハイドロキノン水溶液を添加し攪拌し
て、マイクロカプセル液Bを調製した。マイクロカプセ
ルの平均粒子径は0.8μmであった。
【0154】−カプラー分散液bの調製− 酢酸エチル10.5gに、既述の例示化合物C−1(カ
プラー)3.0g、トリフェニルグアニジン3.0g、
トリクレジルフォスフェート0.5g、マレイン酸ジエ
チルエステル0.24gを溶解した。
【0155】この溶液を、石灰処理ゼラチンの15%水
溶液49gと、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10
%水溶液9.5gと、水35gとを40℃下で均一に混
合した混合液中に添加し、ホモジナイザーを用いて40
℃、回転数10000rpmで10分間乳化分散した。
得られた乳化物を40℃でさらに2時間攪拌し酢酸エチ
ルを除去した後、揮散した酢酸エチルと水の重量分を加
水して補い、カプラー乳化分散液bを得た。
【0156】−感光感熱記録層塗布液(5)の調製− 前記マイクロカプセル液B3.6g、水10g、カプラ
ー乳化分散液b15gを均一に混合し、感光感熱記録層
塗布液(5)を調製した。
【0157】<感光感熱記録材料(5)の作製>上質紙
にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、
ワイヤーバーで前記感光感熱記録層塗布液(5)、前記
保護層塗布液(1)の順に、順次塗布と乾燥(50℃)
を行い、本発明の感光感熱記録材料(5)を作製した。
感光感熱記録層、保護層の塗布量(固形分)は、各々1
0.0g/m2、1.2g/m2であった。
【0158】(比較例2)実施例4のマイクロカプセル
液Bの調製に用いた高沸点溶媒(例示化合物M−1)に
代えて、前記高沸点溶媒(1)を用いたこと以外、実施
例4と同様にして感光感熱記録層塗布液(6)を調製
し、実施例4と同様にして感光感熱記録材料(6)を作
製した。感光感熱記録層、保護層の塗布量(固形分)
は、実施例4と同様であった。
【0159】<発色濃度及び地肌部濃度の評価>上記よ
り得た、本発明の感光感熱記録材料(5)及び感光感熱
記録材料(6)を用い、サーマルヘッドKST型(京セ
ラ(株)製)により下記[条件1]及び[条件2]に従
って画像記録と定着を行い、それぞれの発色濃度及び地
肌濃度(非画像部の濃度)について評価した。 [条件1]単位面積当りの記録エネルギーが35mJ/
mm2となるようにサーマルヘッドに対する印加電力及
びパルス幅を調整し、それぞれの感光感熱記録材料に印
字してイエロー画像を記録した。その後、各感光感熱記
録材料を、発光中心波長420nm、出力40Wの紫外
線ランプを用いて10秒間照射し定着した。定着後、1
0分経過した後、各感光感熱記録材料の画像部の発色濃
度、及び地肌部の光学反射イエロー濃度を、X−rit
e濃度計(X−rite社製)により測定した。測定し
た結果を下記表2に示す。
【0160】[条件2]前記定着後の各感光感熱記録材
料を、さらにWeatherometer C165
(スガ試験機(株)製)により0.9W/m2で48時
間照射し、再度地肌部の光学反射イエロー濃度を、X−
rite濃度計(X−rite社製)により測定した。
測定した結果を下記表2に示す。
【0161】
【表2】
【0162】上記表2の結果から、ジアゾニウム塩を溶
解する高沸点溶媒(オイル成分)として、前記一般式
(1)又は(2)で表される化合物を含む本発明の感光
感熱記録材料(5)では、発色濃度が高く、かつ地肌部
の白色性の高い画像を形成することができた。しかも、
定着後の形成画像は、光照射による地肌部の濃度上昇が
極めて小さく、画像保存性にも優れていた。一方、前記
一般式(1)又は(2)で表される化合物を含まない感
光感熱記録材料(6)では、定着後の地肌部濃度も高
く、地肌部の白色性の高い画像は形成できなかった。ま
た、定着後の光照射による地肌部の濃度上昇も大きく、
画像保存性にも劣っていた。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、高い保存安定性(生保
存性、画像保存性)を有しており、非画像部(地肌部)
の白色性が高く、コントラストに優れた画像を安定に形
成でき、かつ形成画像を、画像品質の低下を伴うことな
く長期間安定に保存しうる感光感熱記録材料を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 AA28 AA32 BB42 BB43 DD01 DD23 DD45 DD53 FF05 2H123 AC05 AC12 AC23 BA20 BB02 BB16 BB28 CA30 CB12 DA06 FA22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1種のジアゾニ
    ウム塩と、該ジアゾニウム塩と反応して発色する少なく
    とも1種のカプラーとを含む感光感熱記録層を有する感
    光感熱記録材料において、 前記感光感熱記録層が、下記一般式(1)で表される化
    合物を含有することを特徴とする感光感熱記録材料。 【化1】 〔式中、R1、R2は、それぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、ハロ
    ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキ
    シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
    オキシ基を表す。nは、0〜4の整数を表し、nが2〜
    4の整数の場合、R3は同一でも異なっていてもよ
    い。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物が、下記
    一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の
    感光感熱記録材料。 【化2】 〔式中、R1、R2は、それぞれ独立にアルキル基、アリ
    ール基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、ハロ
    ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキ
    シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
    オキシ基を表す。nは、0〜4の整数を表し、nが2〜
    4の整数の場合、R3は同一でも異なっていてもよ
    い。〕
  3. 【請求項3】 ジアゾニウム塩が、一般式(1)又は
    (2)で表される化合物とともにマイクロカプセルに内
    包されている請求項1又は2に記載の感光感熱記録材
    料。
  4. 【請求項4】 ジアゾニウム塩が、下記一般式(3)又
    は(4)で表される化合物である請求項1から3のいず
    れかに記載の感光感熱記録材料。 【化3】 〔式中、R11、R12、R13は、それぞれ独立にアルキル
    基、アリール基を表し、X-は、陰イオンを表す。〕 【化4】 〔式中、R21、R22、R23は、それぞれ独立にアルキル
    基、アリール基を表す。X-は、陰イオンを表す。〕
  5. 【請求項5】 カプラーが、下記一般式(5)で表され
    る化合物又はその互変異性体である請求項1から4のい
    ずれかに記載の感光感熱記録材料。 【化5】 〔式中、E1及びE2は、それぞれ独立に電子吸引性基を
    表し、E1及びE2は互いに結合して環を形成してもよ
    い。〕
  6. 【請求項6】 感光感熱記録層が、さらに有機塩基を含
    有する請求項1から5のいずれかに記載の感光感熱記録
    材料。
  7. 【請求項7】 マイクロカプセルを形成するカプセル壁
    が、ポリウレタン及び/又はポリウレアを成分として含
    む請求項3から6のいずれかに記載の感光感熱記録材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015155482A (ja) * 2008-12-31 2015-08-27 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット 置換フェニレン芳香族ジエステル

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