JP2003026681A - ジアゾ化合物及び感熱記録材料 - Google Patents

ジアゾ化合物及び感熱記録材料

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JP2003026681A
JP2003026681A JP2001209183A JP2001209183A JP2003026681A JP 2003026681 A JP2003026681 A JP 2003026681A JP 2001209183 A JP2001209183 A JP 2001209183A JP 2001209183 A JP2001209183 A JP 2001209183A JP 2003026681 A JP2003026681 A JP 2003026681A
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JP2001209183A
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Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色濃度が充分高く、かつ、保存性の良好な
ジアゾ化合物を提供すること、および、該ジアゾ化合物
を利用した、発色性、耐光性、および生保存性に優れた
感熱記録材料を提供することである。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物であ
る。また、支持体上に、少なくとも、下記一般式(1)
で表されるジアゾ化合物と、該ジアゾ化合物と反応して
該ジアゾ化合物を呈色させるカプラーとを含有する感熱
記録層を設けた感熱記録材料である。 【化1】 [式中、Aは5員、又は6員の複素環を形成するのに必
要な原子群を表し、Bはアシル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルファモイル基、ジアルキルホスホ
ノ基、ジアリールホスホノ基を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾ色素の合成中
間体、分析試薬、あるいは感熱記録材料用素材として重
要なジアゾ化合物、およびそれを用いた感熱記録材料に
関する。より詳細には、350nmより長波長の光に対
して安定なジアゾ化合物、及び明室下においてもジアゾ
化合物の失活がなく、地肌着色の少ない感熱記録材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】ジアゾ化合物はアゾ色素の重要な合成中
間体として知られている。アゾ色素の合成法については
従来から種々の方法が知られており、「新実験化学講
座」(丸善株式会社)14−III巻1516〜1534頁
に記載されているように、酸化反応による合成、還元反
応による合成、置換反応による合成、付加反応による合
成、縮合反応による合成、その他の合成法が知られてい
る。しかしながら、アゾ色素の工業的製造方法として広
く利用されているのは、原料の入手容易性、コスト、収
率等の点から、ジアゾニウム塩とアニリン、フェノール
等のカプラーをアゾカップリングさせて製造する方法が
ほとんどである。しかしながらこの方法では、ジアゾニ
ウム塩の爆発をともなう危険性があった。したがって、
爆発のない安定なジアゾニウム塩の開発が要請されてい
た。
【0003】また、ジアゾニウム塩は、ビリルビンの定
量分析のための分析試薬としても知られており、重要な
化合物である。これに関しては、特開平11−2285
17号公報に記載がある。
【0004】また、ジアゾ化合物は非常に化学的活性の
高い化合物であり、フェノール誘導体や、活性メチレン
基を有する、所謂、カプラーと呼ばれる化合物と反応し
て、容易にアゾ染料を形成するとともに、感光性をも有
し、光照射によって分解し、その活性を失う。そこで、
ジアゾ化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料
として古くから利用されている(日本写真学会編「写真
工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)P
89〜P117、P182〜P201参照)。
【0005】更に、光によって分解して活性を失う性質
を利用して、最近では、画像の定着が要求される記録材
料にも応用され、代表的なものとして、ジアゾ化合物と
カプラーとを含む記録層を設けた記録材料を、画像信号
に従って加熱して、ジアゾ化合物とカプラーとを反応さ
せて、画像を形成させた後、光照射して画像を定着す
る、所謂、光定着型感熱記録材料が提案されている(佐
藤弘次ら:画像電子学会誌、第11巻、第4号(198
2)P290−P296)など)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジアゾ
化合物を発色要素として用いたこれらの記録材料は、ジ
アゾ化合物の化学的活性が非常に高く、ジアゾ化合物が
徐々に熱分解して、その反応性を失う場合がある。ま
た、前記記録材料を明所に長時間保存すると、ジアゾ化
合物の光分解が進み、保存後に画像記録を行うと、画像
部の発色濃度が低下する傾向がある。
【0007】本発明は、前記諸問題を解決することを課
題とする。即ち、発色濃度が充分高く、保存性が良好な
感熱記録材料用素材として、且つアゾ色素の合成中間体
あるいは分析試薬としても有用な、ジアゾ化合物を提供
すること、及び該ジアゾ化合物を利用した、発色性、耐
光性、生保存性、および明室下での取り扱い性に優れた
感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は、以下の発明により達成される。 <1> 本発明は、下記一般式(1)で表される化合物
である。
【化5】 [式中、Aは5員、又は6員の複素環を形成するのに必
要な原子群を表し、Bはアシル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルファモイル基、ジアルキルホスホ
ノ基、ジアリールホスホノ基を表す。] <2> 本発明は、下記一般式(2)で表される、<1>
に記載の化合物である。
【化6】 [式中、R1はアルキル基、アリール基を表し、Aは5
員、又は6員の複素環を形成するのに必要な原子群を表
す。] <3> 本発明は、下記一般式(3)で表される、<2>
に記載の化合物である。
【化7】 [式中、R1はアルキル基、アリール基を表し、R2は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表
し、R3は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。] <4> <1>ないし<3>のいずれかに記載の化合物
を、発色成分として用いる記録材料である。 <5> 本発明は、支持体上に、ジアゾ化合物及びカプ
ラーを含む感熱記録層を設けた感熱記録材料において、
該ジアゾ化合物が、<1>ないし<3>のいずれかに記
載の化合物である感熱記録材料である。 <6> 本発明は、前記カプラーが下記一般式(4)で表
される化合物である<5>に記載の感熱記録材料であ
る。
【化8】 [式中、E1、E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表
す。E1とE2が結合して環を形成しても良い。] <7> 本発明は、有機塩を含む<5>又は<6>に記
載の感熱記録材料である。 <8> 本発明は、<1>ないし<3>のいずれかに記
載の化合物が、マイクロカプセル中に内包されている<
5>ないし<7>のいずれかに記載の感熱記録材料であ
る。 <9> また本発明は、前記マイクロカプセルのカプセ
ル壁が、ポリウレタン及び/又はポリウレアを構成成分
として含むカプセル壁である<8>に記載の感熱記録材
料である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 ≪本発明のジアゾ化合物≫ <一般式(1)で表される化合物>
【0010】
【化9】
【0011】一般式(1)においてAが形成する5員、又
は6員の複素環は含窒素、含酸素、含イオウ複素環が好
ましい。これらは置換基を有していても良い。5員、又
は6員の含窒素複素環としては、ピロール類(2,3位
で縮環、又は3,4位で縮環)、ピラゾール類(2,3位
で縮環)、イミダゾール類(4,5位で縮環)、トリアゾ
ール類(4,5位で縮環)等が好ましい。これらはさらに
縮環していても良い。この場合にAを形成する含窒素複
素環としては、インドール類(2,3位で縮環)、インド
リジン類(2,3位で縮環)が特に好ましい。
【0012】5員、又は6員の含酸素複素環としては、
フラン類(2,3位で縮環)、オキサゾール類(4,5位
で縮環)、イソオキサゾール類(4,5位で縮環)等が好
ましい。これらはさらに縮環していても良い。
【0013】5員、又は6員の含イオウ複素環として
は、チオフェン類(2,3位で縮環)、チアゾール類
(4,5位で縮環)、イソチアゾール類(4,5位で縮環)
等が好ましい。これらはさらに縮環していても良い。
【0014】Bで表わされるアシル基は、総炭素数が2
から30のアシル基が好ましく、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブタノイル基、シクロヘキシルカルボニル基、
オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ドデカノ
イル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイ
ル基、4−メチルベンゾイル基、4−クロロベンゾイル
基、2,4ジクロロベンゾイル基、4−ブトキシベンゾ
イル基、4−オクチルオキシベンゾイル基、4−メトキ
シカルボニルベンゾイル基、2−メトキシカルボニルベ
ンゾイル基等が好ましい。総炭素数2から14のアシル
基が更に好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタ
ノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル
基、ドデカノイル基、4−ブトキシベンゾイル基、4−
メトキシカルボニルベンゾイル基が特に好ましい。
【0015】Bで表されるアルコキシカルボニル基は、
総炭素数が2から30のアルコキシカルボニル基が好ま
しく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、2−(2−エトキシ)エトキシ
カルボニル基、2−(2−クロロエトキシ)エトキシカ
ルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、シクロペン
チルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボ
ニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基が好ましい。総炭素数が2から13のアルコ
キシカルボニル基が更に好ましく、ブトキシカルボニル
基、2−(2−エトキシ)エトキシカルボニル基、オク
チルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボ
ニル基が特に好ましい。
【0016】Bで表されるカルバモイル基は、総炭素数
が1から30のカルバモイル基が好ましく、無置換のカ
ルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,
N−ジエチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバ
モイル基、ピロリジノカルボニル基、ピペリジノカルボ
ニル基、モルホリノカルボニル基、N’−アシルピペラ
ジノカルボニル基、N’−スルホニルピペラジノカルボ
ニル 基、ヘキサメチレンイミノカルボニル基が好まし
い。総炭素数が3から13のカルバモイル基が更に好ま
しく、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエ
チルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル
基、ピロリジノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
が特に好ましい。
【0017】Bで表されるアルキルスルホニル基、及び
アリールスルホニル基はR1SO2 -で表される基が好ま
しい。
【0018】Bで表されるスルファモイル基は、総炭素
数が0から30のスルファモイル基が好ましく、無置換
のスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル
基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,Nジブチ
ルスルファモイル基、ピロリジノスルホニル基、ピペリ
ジノスルホニル基、モルホリノスルホニル基、N’−ア
シルピペラジノスルホニル基、N’−スルホニルピペラ
ジノスルホニル 基、ヘキサメチレンイミノスルホニル
基が特に好ましい。
【0019】Bであらわされるジアルキルホスホノ基
は、総炭素数が2から30のジアルキルホスホノ基が好
ましく、ジメチルホスホノ基、ジエチルホスホノ基、ジ
ブチルホスホノ基が更に好ましい。中でも、ジメチルホ
スホノ基、ジエチルホスホノ基が特に好ましい。
【0020】Bで表されるジアリールホスホノ基は、総
炭素数が12から30のジアリールホスホノ基が好まし
く、ジフェニルホスホノ基、ジ(4−メチルフェニル)
ホスホノ基、ジ(3−メチルフェニル)ホスホノ基、ジ
(2−メチルフェニル)ホスホノ基が更に好ましい。中
でも、ジフェニルホスホノ基が特に好ましい。
【0021】<一般式(2)で表される化合物>
【化10】
【0022】一般式(2)において、R1で表されるア
ルキル基は、置換基を有していても、無置換でも良い。
総炭素数が1から30のアルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプ
ロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、
ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エチル
ヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、ノ
ルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、α
−メチルベンジル基、アリル基、2−フェノキシエチル
基、2−(2,5−ジーターシャリーアミノフェノキ
シ)エチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、メトキ
シカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、
ブトキシカルボニルエチル基、2−メタンスルホニルエ
チル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基が
好ましい。
【0023】前記R1で表されるアリール基は、置換基
を有していても、無置換でも良い。総炭素数が6から3
0のアルキル基が好ましく、例えばフェニル基、4−メ
チルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフ
ェニル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル
基、4−ニトロフェニル基、4−アセトアミドフェニル
基、2−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル
基、2−(n−オクチルオキシカルボニル)フェニル
基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)フェ
ニル基、2−(n−デシルオキシカルボニル)フェニル
基、3−(n−オクチルオキシカルボニル)フェニル
基、4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)フェ
ニル基、2−(2−(4−ブトキシフェノキシ)エトキ
シカルボニル)フェニル基、2−(エトキシカルボニ
ル)フェニル基、3−(エトキシカルボニル)フェニル
基、4−(エトキシカルボニル)フェニル基が好まし
い。
【0024】一般式(2)に示されるAは、一般式
(1)におけるAと同義であり、好ましい例も同様であ
る。
【0025】<一般式(3)で表される化合物>
【化11】
【0026】一般式(3)において、R2で表されるハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子が好ましい。中でも、塩素原子と臭素原子が
特に好ましい。
【0027】一般式(3)において、R2、及びR3で表さ
れるアルキル基は、置換基を有していても、無置換でも
良い。総炭素数が1から30のアルキル基が好ましく、
例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イ
ソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル
基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基、2−エ
チルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル
基、ノルマルドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル
基、α−メチルベンジル基、アリル基、2−クロロエチ
ル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、
2−フェノキシエチル基、2−(2,5−ジーターシャ
リーアミルフェノキシ)エチル基、2−ベンゾイルオキ
シエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカ
ルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、2−
イソプロピルオキシエチル基、2−メタンスルホニルエ
チル基、2−エトキシカルボニルメチル基、1−(4−
メトキシフェノキシ)−2−プロピル基、トリクロロメ
チル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0028】前記R2、及びR3で表されるアリール基
は、置換基を有していても、無置換でも良い。総炭素数
が6から30のアリール基が好ましく、例えば、フェニ
ル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、
2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ク
ロロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−アセトア
ミドフェニル基、4−オクタノイルアミノフェニル基、
4−(4−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル
基が特に好ましい。
【0029】一般式(3)に示されるR1は、一般式
(2)におけるR1と同義であり、好ましい例も同様で
ある。
【0030】≪化合物例≫以下に、本発明の一般式
(1)ないし一般式(3)のいずれかに表される、ジア
ゾニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】≪一般的合成方法≫一般式(1)ないし一般
式(3)のいずれかに表される化合物は、以下の方法で製
造することが可能である。すなわち、下記一般式(5)な
いし一般式(7)で表されるアニリンを、酸性溶媒中、亜
硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等
を用いてジアゾ化し、引き続き環化することにより得ら
れる。
【0037】
【化18】 [一般式(5)ないし一般式(7)に示すA、B、R1
2、R3はそれぞれ一般式(1)ないし一般式(3)に示し
たものと同義である。]
【0038】あるいは下記一般式(8)又は一般式(9)で
表されるトリアジノンを塩基性条件下、アシル化、スル
ホニル化等することにより得られる。
【0039】
【化19】 [一般式(8)又は一般式(9)に示すA、R2、R3はそれ
ぞれ一般式(1)ないし一般式(3)に示したものと同義で
ある。]
【0040】尚、本明細書において、アゾ化合物とは、
「Diazo Chemistry I Aromaticand Heteroaromatic
compounds」(Heinrich Zollinger著,VCH Verlag
sgesellschaft,Weimheim,1994)に従うものとす
る。
【0041】≪記録材料≫本発明の記録材料は、インク
ジェット記録材料(例えば記録用インクに本発明の化合
物を含有させ、一方の受像シートに本発明の化合物と反
応して発色するカプラーを含有させる方法。あるいは受
像シートに本発明の化合物を含有させ、一方の記録用イ
ンクに本発明の化合物と反応して発色するカプラーを含
有させる方法。)、感熱転写記録材料(例えば記録用イ
ンクリボンに本発明の化合物を含有させ、一方の受像シ
ートに本発明の化合物と反応して発色するカプラーを含
有させる方法。あるいは受像シートに本発明の化合物を
含有させ、一方の記録用インクリボンに本発明の化合物
と反応して発色するカプラーを含有させる方法。)、及
び以下に記載する感熱記録材料等がある。
【0042】≪感熱記録材料≫本発明の感熱記録材料
は、支持体上に、少なくとも、前記一般式(1)ないし
一般式(3)のいずれかで表されるジアゾ化合物と、該
ジアゾ化合物と反応して該ジアゾ化合物を呈色させるカ
プラーとを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料で
ある。前記一般式(1)ないし一般式(3)のいずれか
で表されるジアゾ化合物は、単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。尚、前記一般式(1)ないし
一般式(3)で表される化合物は、油状物であっても結
晶物であってもよいが、取り扱いが容易となるので、結
晶物を用いるのが好ましい。
【0043】前記ジアゾ化合物は、感熱記録層中におい
て0.02〜5g/m2含有されるのが好ましく、発色
濃度の点から、0.1〜4g/m2含有されるのが特に
好ましい。
【0044】<カプラー>本発明におけるカプラーとし
ては、前記ジアゾ化合物と反応して、該ジアゾ化合物を
呈色させる(即ち、色素を形成する)カプラーであれ
ば、広く使用できる。ハロゲン化銀写真感光材料用のい
わゆる4当量カプラーはすべてカプラーとして使用可能
である。目的とする色相に応じて、公知のカプラーから
選択することができる。例えば、カルボニル基の隣にメ
チレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノ
ール誘導体、ナフトール誘導体等が挙げられる。
【0045】具体例を挙げると、レゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホ
ン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンス
ルホン酸アニリド、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モ
ルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタ
レンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロ
キシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシル
オキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセト
アミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセト
アミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、
1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6
−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、
【0046】5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフ
ェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジ−n−ドデ
シルバルビツール酸、1−n−オクチル−3−n−オク
タデシルバルビツール酸、1−フェニル−3−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
1,3−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)
バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラ
ゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3
−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリ
クロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロ
ン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2−〔3−
〔α−(2,4−ジ−tert−アルミフェノキシ)ブ
タンアミド〕ベンズアミド〕フェノール、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等がある。これらカプラーの詳細に
ついては、特開平4−201483号公報、特開平7−
125446号公報、特開平7−96671号公報、特
開平7−223367号公報、特開平7−223368
号公報等に記載されている。
【0047】特に、下記一般式(4)で表される化合
物、あるいは該化合物の共鳴異性体を、カプラーとして
用いるのが好ましい。
【0048】
【化20】
【0049】前記一般式(4)中、E1およびE2で表さ
れる電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である
置換基をさし、これらは同一であっても異なっていても
よく、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ク
ロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチル
シクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピ
ルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニ
ル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノ
イル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4
−メトキシフェノキシカルボニル基等のオキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカ
ルバモイル基、N−2,4−ビス(ペンチルオキシ)フ
ェニルカルバモイル基、N−2,4−ビス(オクチルオ
キシ)フェニルカルバモイル基、モルホリノカルボニル
基等のカルバモイル基、シアノ基、メタンスルホニル
基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等の
スルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベ
ンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−
イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−
イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−
2−イル基等の複素環基が好ましい。
【0050】また、E1とE2が、結合して環を形成して
いてもよい。E1とE2で形成される環としては、5員な
いし6員の炭素環あるいは複素環が好ましい。
【0051】以下に、一般式(4)で表される化合物の
具体例を示すが、本発明に用いられるカプラーはこれら
に限定されるものではない。
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】<有機塩基>本発明においては、ジアゾ化
合物とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で
有機塩基を、添加してもよい。有機塩基は、感熱記録層
中に、ジアゾ化合物およびカプラーとともに、含有させ
るのが好ましい。これらの有機塩基は、単独で用いても
2種以上併用して用いることもできる。有機塩基として
は、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ア
ミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン
類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられる。特公
昭52−46806号公報、特開昭62−70082号
公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−
94381号公報、特開昭57−123086号公報、
特開昭58−1347901号公報、特開昭60−49
991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2
−28479号公報、特開昭60−165288号公
報、特開昭57−185430号公報に記載のものを使
用できる。
【0058】これらの中でも、特に、N,N′−ビス
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N′−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N′−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N′−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類、N
−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピ
ルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒ
ドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)
ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピ
ペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジ
ン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシル
フェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0059】感熱記録層中の、ジアゾ化合物およびカプ
ラーの含有量は、ジアゾ化合物1質量部に対して、カプ
ラーが、0.1〜30質量部であるのが好ましい。ま
た、所望により有機塩基を含有させる場合は、ジアゾ化
合物1質量部に対して、有機塩基は0.1〜30質量部
であるのが好ましい。
【0060】<その他の助剤>本発明においては、上記
した有機塩基の他にも、発色反応を促進させる目的で発
色助剤を加えることができる。発色助剤とは、加熱記録
時の発色濃度を高くする、もしくは最低発色温度を低く
する物質であり、カプラー、有機塩基、もしくは、ジア
ゾ化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を
低下せしめる作用により、ジアゾ化合物、有機塩基、カ
プラー等を反応しやすい状況にするものである。
【0061】本発明に用いられる発色助剤として、例え
ば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよう
に、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、
アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン
類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミ
ド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒドロ
キシ化合物等を加えることができる。
【0062】本発明の感熱記録材料においては、熱発色
画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、または、定
着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以
下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特
許、同第223739号公報、同309401号公報、
同第309402号公報、同第310551号公報、同
第310552号公報、同第459416号公報、ドイ
ツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48
535号公報、同62−262047号公報、同63−
113536号公報、同63−163351号公報、特
開平2−262654号公報、特開平2−71262号
公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61
166号公報、特開平5−119449号公報、アメリ
カ特許第4814262号、アメリカ特許第49802
75号等に記載されている。
【0063】更に、本発明においては感熱記録材料や感
圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加
剤を用いることも有効である。これらの各種添加剤の具
体例としては、特開昭60−107384号公報、同6
0−107383号公報、同60−125470号公
報、同60−125471号公報、同60−12547
2号公報、同60−287485号公報、同60−28
7486号公報、同60−287487号公報、同60
−287488号公報、同61−160287号公報、
同61−185483号公報、同61−211079号
公報、同62−146678号公報、同62−1466
80号公報、同62−146679号公報、同62−2
82885号公報、同63−051174号公報、同6
3−89877号公報、同63−88380号公報、同
63−088381号公報、同63−203372号公
報、同63−224989号公報、同63−25128
2号公報、同63−267594号公報、同63−18
2484号公報、特開平1−239282号公報、同4
−291685号公報、同4−291684号公報、同
5−188687号公報、同5−188686号公報、
同5−110490号公報、同5−1108437号公
報、同5−170361号公報、特公昭48−0432
94号公報、同48−033212号公報等に記載され
ている化合物を挙げることができる。
【0064】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0065】これらの酸化防止剤および各種添加剤の添
加量は、ジアゾ化合物1質量部に対して0.05〜10
0質量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜3
0質量部であることが好ましい。このような公知の酸化
防止剤および各種添加剤はジアゾ化合物と共にマイクロ
カプセル中に含有させて用いることも、あるいはカプラ
ーや有機塩基、その他の発色助剤と共に、固体分散物と
して、もしくは適当な乳化助剤と共に乳化物にして用い
ることも、あるいはその両方の形態で用いることもでき
る。また、酸化防止剤および各種添加剤は、単独で使用
しても、2種以上を併用してもよい。また、感熱記録層
の上に保護層を設け、該保護層に添加または存在させる
こともできる。
【0066】これらの酸化防止剤および各種添加剤は同
一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤お
よび各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、ア
ニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノー
ル類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、り
ん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異
なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを
複数組み合わせることもできる。
【0067】本発明の感熱記録材料には、記録後の地肌
部の黄着色を軽減する目的で光重合性組成物等に用いら
れる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合
物)を加えることができる。遊離基発生剤としては、芳
香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエー
テル類、ジアゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオ
キシムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジ
アゾ化合物1質量部に対して、遊離基発生剤0.01〜
5質量部が好ましい。
【0068】また同様に黄着色を軽減する目的で、エチ
レン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビ
ニルモノマーと呼ぶ)を用いることができる。ビニルモ
ノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレ
ン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する
化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態を
持つものである。これらの例として、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化
合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーはジア
ゾ化合物1質量部に対して0.2〜20質量部の割合で
用いる。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾ
化合物と共にマイクロカプセル中に含有して用いること
もできる。
【0069】本発明では以上の素材の他に酸安定剤とし
てクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロ
リン酸等を添加することができる。
【0070】<バインダー>感熱記録層のバインダーと
しては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類など
を使用することができる。水溶性高分子化合物として
は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼ
ラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エ
ピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水
マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、ラ
テックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテッ
クス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、
酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0071】<顔料>本発明の感熱記録材料には、感熱
記録層中に、あるいはその他の層中に顔料を含有させて
もよい。顔料としては、有機、無機を問わず公知のもの
を使用することができる。具体的には、カオリン、焼成
カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成
石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アル
ミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロ
バルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパ
ーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。ま
た、本発明の感熱記録材料には、感熱記録層中に、ある
いは他の層中に、必要に応じて、公知のワックス、帯電
防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外
線吸収剤及びその前駆体など各種添加剤を使用すること
ができる。
【0072】<マイクロカプセルの形成>感熱記録層に
おいて、ジアゾ化合物が、マイクロカプセルに内包され
ていると、感熱記録材料の生保存性がより向上するので
好ましい。マイクロカプセルの形成方法としては、従来
公知の方法を採用することができる。マイクロカプセル
は、常温では物質非透過性であり、加熱されると物質透
過性となる高分子から形成されているのが好ましい。特
にガラス転移温度が60−200℃の高分子から形成さ
れているのが好ましい。これらの例として、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ス
チレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレ
ート共重合体およびこれらの混合系をあげることができ
る。特に、マイクロカプセルが、ウレタンおよび/また
はウレアを構成成分とする高分子(例えば、ポリウレタ
ン、ポリウレア等)から形成されているのが好ましい。
【0073】マイクロカプセルの形成方法としては、界
面重合法および内部重合法が適している。カプセル形成
方法の詳細およびリアクタントの具体例については、米
国特許第3,726,804号、同第3,796,66
9号等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポ
リウレタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイ
ソシアネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成す
る第2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒
体またはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中で
これらを乳化分散し、次に加温することにより油滴界面
で高分子形成反応を起こしマイクロカプセル壁を形成す
る。なお上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレ
アが生成する。
【0074】以下に、本発明におけるジアゾ化合物内包
マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製
造方法の一例について述べる。まず、ジアゾ化合物を、
カプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解または分散
させる。この場合の有機溶媒としては、沸点100〜3
00℃の有機溶媒が好ましい。芯溶媒中には、更に、多
価イソシアネートが壁材として添加される(油相)。
【0075】一方、水相としては、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
【0076】多価イソシアネートの使用量は、マイクロ
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
【0077】水相中にポリオールを添加しておけば、多
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治編:ポリウ
レタンハンドブック、日刊工業新聞社(1987))。
【0078】マイクロカプセル壁の原料として用いる多
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとキシリレンジイソ
シアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体と
して多官能としたもの、トリメチロールプロパンなどの
ポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イ
ソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等
の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を
導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン
縮合物などが挙げられる。特開昭62−212190号
公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317
694号公報、特願平8−268721号公報等に記載
の化合物が好ましい。
【0079】更に、ポリオール又はポリアミンを、芯と
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
【0080】前記のジアゾ化合物を溶解し、マイクロカ
プセルの芯を形成するときの疎水性有機溶媒としては、
沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体的に
は、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、
アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、アル
キルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エステル
類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、フ
タル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エステル
類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル
類などが挙げられる。これらは2種以上混合して用いて
もよい。
【0081】カプセル化しようとするジアゾ化合物のこ
れらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いようと
するジアゾ化合物の溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に
併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル、アセトンなどが挙げられる。このため、
ジアゾ化合物はこれら高沸点疎水性有機溶媒、低沸点補
助溶媒に対する適当な溶解度を有していることが好まし
く、具体的には該溶剤に5%以上の溶解度を有している
ことが好ましい。水に対する溶解度は1%以下が好まし
い。
【0082】このようにして調製されたカプセルの油相
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0083】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.
1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好まし
い。
【0084】乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリ
ー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミルなど、
公知の乳化装置を用いることができる。乳化後は、カプ
セル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70
℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同
士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝
突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0085】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾ化合物内包マイクロ
カプセルを得ることができる。
【0086】<カプラーの分散>本発明に用いられるカ
プラーは、所望により、有機塩基、その他の発色助剤等
とともに、サンドミル等により水溶性高分子とともに固
体分散して用いることもできるが、水に難溶性又は不溶
性の有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又
は水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混合
し、乳化分散物とすることが好ましい。乳化分散を容易
にする観点から、界面活性剤を用いることが好ましい。
【0087】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル
が特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルと
の併用も可能である。
【0088】上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤
として補助溶剤を加えることもできる。このような補助
溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいもの
として挙げることができる。場合により、高沸点オイル
を含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
【0089】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができる。好ましい水溶性
高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、セルロース誘導体等を挙げることができる。
【0090】又水相に含有させる界面活性剤は、アニオ
ン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コ
ロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選
択して使用することができる。好ましい界面活性剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫
酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0091】<感熱記録層の形成>本発明の感熱記録材
料は、ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセル、カプ
ラー、及び所望により、有機塩基、その他の添加物を含
有した塗布液を調製し、紙や合成樹脂フィルム等の支持
体の上にバー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グ
ラビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、
ディップ塗布、カーテン塗布等の塗布方法により塗布乾
燥して、固形分2.5〜30g/m2の感熱層を設けるこ
とが好ましい。本発明の感熱記録材料においては、マイ
クロカプセル、カプラー、有機塩基などが同一層に含ま
れていてもよいが、別層に含まれるような積層型の構成
をとることもできる。また、支持体の上に特願昭59−
177669号明細書等に記載されているような中間層
を設けた後、感熱層を塗布することもできる。
【0092】本発明の感熱記録材料には、所望により、
感熱記録層上に、保護層を設けてもよい。保護層は必要
に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポリ
ビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、
カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、
スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より保
存安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては
公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−
メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホル
マリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタ
ルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等
の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが
挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤やその前駆体
等を含有させてもよい。尚、保護層は、前記成分を含有
する塗布液を調製し、該塗布液を、塗布・乾燥すること
によって形成することができる。保護層用塗布液の塗布
量は0.2〜5g/m2が好ましく、さらには0.5〜
2g/m2が好ましい。また保護層の膜厚は、0.2〜
5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ましい。
【0093】本発明の感熱記録材料の支持体としては、
通常の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙など
に用いられる紙支持体はいずれも使用することができる
他、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルム
ラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルムなどを使
用することができる。支持体のカールバランスを補正す
るため、あるいは裏面からの耐薬品性を向上させる目的
で、バックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤
層を介して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしても
よい。このバックコート層についても前記保護層と同様
にして設けることができる。
【0094】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 [合成例1] <化合物例D−5の合成>5−アミノ−4−カルバモイ
ル−1−フェニル−ピラゾール38.4g、濃塩酸5
7.7g、メタノール95mL、水95mLの混合物を
5℃に冷却した。この中へ、水50mLに亜硝酸ナトリ
ウム13.8gを溶解した溶液を滴下した。このとき発
熱し、内温は12℃まで上昇した。そのまま室温下1時
間撹拌した後、水180mLを加えさらに撹拌を続け
た。析出した結晶を濾集し、水で洗浄した後乾燥するこ
とで、8−フェニル−3,4−ジヒドロ−3H−ピラゾ
ロ[3,4−d][1,2,3]トリアジン−4−オンを2
7.4g得た。
【0095】上記で得た8−フェニル−3,4−ジヒド
ロ−3H−ピラゾロ[3,4−d][1,2,3]トリアジ
ン−4−オン6.4g、2−n−オクチルオキシ−5−
t−オクチルベンゼンスルホニルクロリド13.8g、
アセトニトリル60mLの混合物を5℃に冷却した。こ
こへトリエチルアミン3.3gを滴下し、5℃にて1時
間撹拌した。反応混合物へ水120mLを添加し、析出
した結晶を濾集した。酢酸エチル/メタノール=1/1
の混合液120mLから再結晶し、3−(2−n−オク
チルオキシ−5−t−オクチルベンゼンスルホニル)−
8−フェニル−3,4−ジヒドロ−3H−ピラゾロ
[3,4−d][1,2,3]トリアジン−4−オン(例示
化合物D−5)を11.5g得た。
【0096】前記化合物の構造は、NMRの測定で決定
した。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.78(s,9H)、
0.82(t,3H)、1.08−1.30(m,12
H)、1.42(s,6H)、1.58(m,2H)、
1.80(s,2H)、3.96(t,2H)、6.8
6(d,1H)、7.40−7.64(m,4H)、
8.14(dd,2H)、8.20(d,1H)、8.
32(s,1H)。
【0097】[合成例2] <例示化合物D−12の合成>合成例1と同様に8−フ
ェニル−6−メチル−3,4−ジヒドロ−3H−ピラゾ
ロ[3,4−d][1,2,3]トリアジン−4−オンを得
た。ここで得た8−フェニル−6−メチル−3,4−ジ
ヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d][1,2,3]トリ
アジン−4−オン13.6gと2−n−オクチルオキシ
カルボニルベンゼンスルホニルクロリド21.0g、ア
セトニトリル60mLの混合物を5℃に冷却した。ここ
へトリエチルアミン6.4gのアセトニトリル30mL
溶液を滴下し、5℃にて1時間撹拌した。反応混合物へ
水90mLを添加し、析出した結晶を濾集した。酢酸エ
チル/メタノール=1/2の混合液180mLから再結
晶し、3−(2−n−オクチルオキシカルボニルベンゼ
ンスルホニル)−6−メチル−8−フェニル−3,4−
ジヒドロ−3H−ピラゾロ[3,4−d][1,2,3]ト
リアジン−4−オン(例示化合物D−12)を20.3
g得た。
【0098】前記化合物の構造は、NMRの測定で決定
した。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(t,3H)、
1.18−1.46(m,12H)、1.68(m,2
H)、2.62(s,3H)、4.34(t,2H)、
7.42(t,1H)、7.54(t,2H)7.68
−7.81(m,3H)、8.16(dd,2H)、
8.58(dd,1H)。
【0099】[実施例1] <感熱記録材料の作成> (ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Aの調製)酢酸
エチル19gにジアゾ化合物(例示化合物D−5)2.
5g、トリクレジルホスフェート9.8gを添加して均
一に混合した。次いでこの混合液に壁材としてタケネー
トD110N(武田薬品工業製)7.6gを加え混合し
I液を得た。次にフタル化ゼラチンの8%水溶液46
g、水17.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
の10%水溶液1.8gの混合液に上記I液を添加しホ
モジナイザーを使用して40℃、10000rpmで1
0分間乳分散した。得られた乳化物に水20gを加えて
均一化した後、攪拌しながら40℃で3時間カプセル化
反応をおこなわせてカプセル液Aを得た。カプセルの粒
径は0.8〜1.0μmであった。
【0100】<カプラー乳化液Bの調製>酢酸エチル1
0.5gにカプラー(例示化合物C−11)3.4g、
トリフェニルグアニジン3g、トリクレジルホスフェー
ト0.5g、マレイン酸ジエチル0.24gを溶解しII
液を得た。次に石灰処理ゼラチンの15%水溶液49
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液
9.5g、水35gを40℃で均一に混合した中にII液
を添加しホモジナイザーを使用して40℃、10000
rpmで10分間乳化分散した。得られた乳化物を40
℃で2時間攪拌して酢酸エチルを除去後、蒸発した酢酸
エチルと水の量を加水によりおぎない、カプラー乳化液
Bを得た。
【0101】<感光感熱記録層塗布液Cの調製>カプセ
ル液A3.6g、水3.3g、カプラー乳化液B9.3
gを混合し、感光感熱記録層塗布液Cを得た。
【0102】<保護層塗布液Dの調製>イタコン酸変性
ポリビニルアルコール(KL−318;商品名、クラレ
株式会社製)6%水溶液100gとエポキシ変性ポリア
ミド(FL−71;商品名、東邦化学株式会社製)30
%の分散液10gとを混合した液に、ステアリン酸亜鉛
40%の分散液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式
会社製)15gを均一に混合し保護層塗布液Dを得た。
【0103】<塗布>上質紙にポリエチレンをラミネー
トした印画紙用支持体上にワイヤーバーで感熱記録層塗
布液C、保護層塗布液Dの順に順次塗布と50℃での乾
燥を行ない、目的の感熱記録材料を得た。固形分として
の塗布量は各々5.8g/m2 、1.2g/m2 であっ
た。
【0104】<発色試験>京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め、感熱記録材料に
熱印画し画像を得た。発色濃度およびカブリ濃度を測定
した。結果を表1に示す。
【0105】<耐光性試験>京セラ株式会社製サーマル
ヘッド(KST型)を用いて発色させた発色部を蛍光灯
試験機を用い、30000luxで24時間照射した
後、発色部の濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0106】<光安定性性試験>室内光に24時間曝し
た後に、発色試験を行なった。結果を表1に示す。
【0107】<濃度測定>発色濃度およびカブリ濃度は
MacbethRD918を用い、Yポジションでの濃
度を測定した。結果を表1に示す。
【0108】[実施例2]ジアゾ化合物として(例示化合
物D−5)2.6gの代わりに(例示化合物D−12)
2.2gを用いた他は、実施例1と同様にして感光感熱
記録材料を作成した。結果を表1に示す。
【0109】[実施例3]カプラーとして(例示化合物C
−11)3.4gの代わりに(例示化合物C−6)3.
3gを用いた他は、実施例1と同様にして感光感熱記録
材料を作成した。結果を表1に示す。
【0110】[実施例4]ジアゾ化合物として(例示化合
物D−5)2.6gの代わりに(例示化合物D−12)
2.2gを用いた他は、実施例3と同様にして感光感熱
記録材料を作成した。結果を表1に示す。
【0111】[比較例1]ジアゾ化合物としてとして(例
示化合物D−5)2.6gの代わりに2,4−(ジ−n
−オクチルオキシ)ベンゼンジアゾニウム ヘキサフル
オロホスフェート2.7gを用いた他は、実施例1と同
様にして感光感熱記録材料を作成した。結果を表1に示
す。
【0112】[比較例2]ジアゾ化合物としてとして(例
示化合物D−5)2.6gの代わりに2,4−(ジ−n
−ヘキシルオキシ)ベンゼンジアゾニウム ヘキサフル
オロホスフェート2.7gを用いた他は、実施例1と同
様にして感光感熱記録材料を作成した。結果を表1に示
す。
【0113】
【表 1】
【0114】
【発明の効果】本発明のジアゾ化合物を用いた感熱記録
材料は、発色濃度が高く、地肌のカブリも小さい。さら
に、発色画像の耐光性も高く、光に対する安定性も高
い。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物。 【化1】 [式中、Aは5員、又は6員の複素環を形成するのに必
    要な原子群を表し、Bはアシル基、アルコキシカルボニ
    ル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
    ルスルホニル基、スルファモイル基、ジアルキルホスホ
    ノ基、ジアリールホスホノ基を表す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される、請求項1に
    記載の化合物。 【化2】 [式中、R1はアルキル基、アリール基を表し、Aは5
    員、又は6員の複素環を形成するのに必要な原子群を表
    す。]
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で表される、請求項2に
    記載の化合物。 【化3】 [式中、R1はアルキル基、アリール基を表し、R2は水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表
    し、R3は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。]
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の化合物を、発色成分として用いる記録材料。
  5. 【請求項5】 支持体上に、ジアゾ化合物及びカプラー
    を含む感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該ジ
    アゾ化合物が、請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の化合物である感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 前記カプラーが下記一般式(4)で表され
    る化合物である請求項5に記載の感熱記録材料。 【化4】 [式中、E1、E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表
    す。E1とE2が結合して環を形成しても良い。]
  7. 【請求項7】 有機塩を含む請求項5又は請求項6に記
    載の感熱記録材料。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の化合物が、マイクロカプセル中に内包されている請
    求項5ないし請求項7のいずれかに記載の感熱記録材
    料。
  9. 【請求項9】 前記マイクロカプセルのカプセル壁が、
    ポリウレタン及び/又はポリウレアを構成成分として含
    むカプセル壁である請求項8に記載の感熱記録材料。
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