JP2001179162A - 板状体表面膜形成装置、方法及びこれらを用いて形成された表面膜を有する板状体 - Google Patents

板状体表面膜形成装置、方法及びこれらを用いて形成された表面膜を有する板状体

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JP2001179162A
JP2001179162A JP37012499A JP37012499A JP2001179162A JP 2001179162 A JP2001179162 A JP 2001179162A JP 37012499 A JP37012499 A JP 37012499A JP 37012499 A JP37012499 A JP 37012499A JP 2001179162 A JP2001179162 A JP 2001179162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンコート方式を踏襲しつつ、一層、効率
よく良好な表面膜を形成できるようにする。 【解決手段】 被膜液付与部200のノズル220を半
径方向幅Lが周方向幅Xより相対的に大きくなるように
構成し、該ノズル220を用いて被膜液(色素)を基板
1に付与する。これにより、被膜液の塗りムラ等を抑制
でき歩留まり性等を向上させることができ、従来のスピ
ンコート装置に比べて被膜液量を大幅に低減できる。ま
た、基板回転の遠心力で振り切るべき余剰被膜液量を低
減でき、かつ、余剰被膜液の基板1からの振り切り時間
も短縮できる。従って、従来に対して、一層、短時間で
歩留まり性良く板状体表面に表面膜を良好に形成するこ
とができると共に、製品品質の向上、製造時間の削減、
延いては製造・製品コストの低減等を促進できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状体{例えばD
VD(Digital Video Disk)、CD(Compact Disk)な
ど、光或いは磁気ディスク等の板状記録媒体などを含
む}の表面(表裏面の双方を含む概念である)に、液体
状又は流動体状の被膜材(以下、被膜液とも言う)を付
着させて表面膜(層)を形成するための装置及び方法、
及び当該装置或いは方法を用いて表面膜を形成された板
状体に関する。より詳しくは、DVD−R、CD−R等
の板状記録媒体の製造工程等において、被膜液を、板状
記録媒体基板の表面に付与(滴下、塗布、吐出、噴射
等)する一方で、該板状記録媒体基板を回転させ、該付
与された被膜液を、前記回転による遠心力で板状記録媒
体基板の表面に略均等に分布させ、板状記録媒体表面に
表面膜(層)を形成する所謂スピンコート技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、CD−R(DVD−R)用ディ
スク等は、射出成形機で成形された、例えばφ120m
m、厚さ1.2mm程度のポリカーボネート基板(以
下、単に基板或いはディスクとも言う)に、被膜液とし
ての記録層形成用の有機色素(以下、単に色素とも言
う)等を、スピンコートにより約0.2μm(ミクロ
ン;マイクロメーター)の厚さで略均等に塗布され、そ
の後、該形成された色素膜(記録層)上に反射膜をスパ
ッタ処理等により形成した後、外周色素除去工程、UV
(紫外線)保護膜塗布工程などを経て製造される。
【0003】なお、スピンコートとは、被処理体(例え
ば、ポリカーボネート基板)を回転させつつ、該被処理
体の表面に、液体状或いは流動体状の被膜材(例えば、
記録層形成用の有機色素)を、被処理体の内周側から滴
下等し、被処理体の回転に伴う遠心力を利用して、滴下
された被膜材を被処理体の表面に分布させることによ
り、被処理体の表面に膜或いは層(ここでは記録層)を
形成する表面膜(層)形成方法の1つである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CD−R
(DVD−R)用ディスク等に対してスピンコートを行
うスピンコート装置としては、例えば、図10に示すよ
うなものがある。
【0005】かかるスピンコート装置は、回転駆動部
(スピンナー部)10、被膜液付与部(ディスペンサー
部)20、ディスペンサーアーム部30、スピンナーハ
ウス部40、被膜液ドレイン部50、及びCPU、RO
M、RAM、入・出力インターフェース等を含んで構成
され各種制御を行う制御部(図示せず)等を含んで構成
されている。
【0006】前記回転駆動部10は、CD−R用ディス
クのポリカーボネート基板1を所定の固定手段(図示せ
ず)を介して着脱可能に載置するターンテーブル11
と、該ターンテーブル11を回転軸12を介して回転駆
動するスピンドルモータ13と、を含んで構成され、前
記制御部からの制御信号等に基づいて、前記固定手段の
着脱制御や前記スピンドルモータ13の回転制御等は実
行されるようになっている。
【0007】前記被膜液付与部(ディスペンサー部)2
0は、ディスペンサーボディ21と、該ディスペンサー
ボディ21に取り付けられ前記被膜液(記録層形成用の
有機色素)を前記ターンテーブル11上に載置され回転
される基板1に対して滴下(吐出)するためのニードル
ノズル(約0.3mmの内径を持つ)22と、前記ディ
スペンサーボディ21に内装されており且つ外部等から
色素を導く色素導管23と前記ニードルノズル22との
間に介装されて前記ニードルノズル22への色素の供給
・停止を切り換える開閉弁(図示せず)と、を含んで構
成されている。なお、前記開閉弁の切換制御(色素の供
給・停止制御)、言い換えれば色素付与制御は、前記制
御部からの制御信号に従って行われる。
【0008】前記被膜液付与部20は、ディスペンサー
アーム部30のアーム31の先端部に取り付けられてお
り、スピンコート時には、前記制御部からの制御信号に
基づき駆動モータ33により回転駆動されるディスペン
サーアーム駆動部32を介して、例えば、図11を参照
して説明すると、待機位置Aで上昇し所定内周位置(滴
下開始位置)Bへ移動(揺動中心軸34周りを揺動)
後、下降して、回転基板1に対して色素の滴下(吐出)
を開始する一方、所定外周位置(滴下終了位置)Cまで
色素を所定に滴下(吐出)しながら移動(揺動中心軸3
4周りに揺動)され、その後、再び上昇して前記待機位
置Aへ移動(揺動中心軸34周りに揺動)されて所定待
機高さ位置まで下降するようになっている。
【0009】なお、スピンナーハウス部40は、スピン
コート時の基板回転による遠心力で、基板1から離脱さ
れ振り切られた余剰の色素が、外部へ飛散することを防
止するため等のものであり、該スピンナーハウス40内
に配設されるバッファープレート41を介して、効率よ
く余剰色素を被膜液ドレイン部50へ回収できるように
構成されている。
【0010】ところで、前記記録層形成用色素は、CD
−R等の製造原価の多くを占めるほど高価であり、製造
コスト延いては製品コスト低減等のため、その使用量を
削減することが急務となっている。
【0011】しかしながら、上述したスピンコート方式
では、色素の滴下量の約90%が、基板回転による遠心
力で基板表面から離脱し(振り切られ)、被膜液ドレイ
ン部50へ排出されることとなり、製品コストを低減す
ることが難しいと言った実情がある。
【0012】即ち、塗りムラ等を抑制して歩留まり性を
良好に維持しつつ(製品個体間の品質バラツキなどを抑
制しつつ)、基板表面に薄膜を良好に形成するために
は、比較的多量の色素を基板内周側に滴下等したうえ
で、これを遠心力でムラ無く基板表面全体に色素を薄く
略均等に分配させることが必要とされる。つまり、上述
のスピンコート方式においては、比較的多量に色素を滴
下すること(主に、塗りムラを抑制して歩留まり性を維
持する等のため)、なお且つ、その約90%程度の色素
を基板表面から振り切ること(主に、略均一で且つ薄い
表面膜形成のため)が必要とされているのが実情であ
る。
【0013】なお、被膜液ドレイン部に回収された色素
の再利用も検討されてはいるが、現段階では、不純物の
混入を排除することが難しいため、品質管理などの面か
ら量産には採用し難いのが実情である。
【0014】ところで、色素塗布(記録層或いは表面膜
形成)方法としては、上記スピンコート方式以外の方法
も考えられないではないが、比較的短時間で、且つ、歩
留まり良く{製品品質を高レベルで略均一に維持しつつ
(製品個体間の品質バラツキ等を抑制しつつ)}、約
0.2μmの薄膜を基板の表面全体に略均等に形成する
ことが可能なスピンコート方式が、現状では量産等に適
しているものと考えられる。
【0015】本発明は、上述したような実情に鑑みなさ
れたもので、比較的短時間で歩留まり良く板状体表面に
表面膜(層)を形成可能なスピンコート方式を踏襲しつ
つ、より一層、効率よく良好な表面膜(層)を形成する
ことを可能とし、以て製品品質の向上、被膜液付与時
間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更
には製造・製品コストの低減等を促進することができる
ようにした板状体表面膜形成装置及び板状体表面膜形成
方法を提供することを目的とする。また、これら装置或
いは方法を用いて形成され、その膜厚が良好に均一化さ
れた表面膜を有する板状体を提供することも目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1又は
請求項5に記載の発明は、板状体表面に、被膜液付与部
を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された
被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に
制御しつつ、前記板状体表面に表面膜(表面層)を形成
する板状体表面膜形成装置又は方法において、前記被膜
液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体
半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における
周方向幅より大きくなるようにして、板状体表面に被膜
液を付与するようにする。
【0017】かかる構成によれば、板状体表面に付与さ
れる被膜液の板状体周方向幅に対して半径方向幅が相対
的に大きくなるように、被膜液を板状体に付与(滴下、
吐出、噴射、塗布等)することができるため、被膜液の
塗りムラ等を抑制でき歩留まり性等を向上させることが
でき、以て従来のスピンコート装置に比べて付与する被
膜液量を大幅に低減できることになる。そして、このよ
うに、板状体に付与される被膜液量を低減できれば、板
状体回転の遠心力で振り切るべき被膜液量を低減でき、
尚且つ、余剰被膜液の板状体からの振り切り時間も短縮
できることになる。更に、塗りムラ等の抑制により、膜
厚が略均一化された良好な薄膜形成のために必要な板状
体回転時間や板状体回転速度等を低減できることにもな
る。
【0018】従って、本発明によれば、従来に対して、
より一層、短時間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜
(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質
の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いて
は製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を
一層促進することが可能となる。
【0019】請求項2又は請求項6に記載の発明では、
前記半径方向幅が、板状体の被膜液を付与すべき領域の
略最内径位置から略最外径位置まで延びるようにする。
【0020】かかる構成とすれば、板状体表面に被膜液
を付与する際に、板状体と被膜液付与部とを相対的に少
なくとも1回転させれば、板状体表面全体に被膜液を付
与することができるため、短時間で歩留まり性良く板状
体表面に表面膜を良好に形成することができ、尚且つ、
製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜形成時間延い
ては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等
を一層促進することが可能となる。
【0021】なお、請求項3に記載の発明は、前記半径
方向幅及び前記周方向幅が、前記被膜液付与部の被膜液
を付与するための開口部の形状若しくは開口面積により
調整されることを特徴とする。また、請求項7に記載の
発明では、前記被膜液付与部の被膜液を付与するための
開口部の形状若しくは開口面積が所定に調整されてお
り、該調整された開口部を介して、板状体表面に被膜液
を付与するようにする。
【0022】かかる構成とすれば、比較的簡単かつ安価
な構成により、所定に(即ち、板状体表面に付与される
被膜液の板状体周方向幅に対して半径方向幅が相対的に
大きくなるように、或いは前記半径方向幅が、板状体の
被膜液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位
置まで延びるように)、板状体表面に被膜液を付与する
ことが可能となる。
【0023】ところで、請求項4又は請求項8に記載の
発明のように、前記開口部の半径方向幅が、板状体の被
膜液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置
まで延びており、前記開口部の周方向幅が、0.02m
m〜0.1mmの間に調整されることが好ましい。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求
項4の何れか1つに記載の板状体表面膜形成装置、又は
請求項5〜請求項8の何れか1つに記載の板状体表面膜
形成方法により、表面膜を形成された板状体を特徴とし
ている。
【0025】即ち、本発明に係る板状体表面膜形成装置
又は方法により表面膜を形成された板状体は、従来の装
置又は方法により表面膜を形成された板状体に比べ、板
状体表面に形成される膜厚の均一化が一層促進されるこ
とになる。従って、製品品質の向上が図れるのは勿論、
膜厚の薄膜化を一層促進することができ(最小膜厚部分
が平均膜厚側へ近づくため全体として薄膜化を促進して
も膜厚不良の発生を抑制できることになり)、以て、一
層、量産性の向上等に寄与する板状体を提供できること
になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】図1〜図5は、本発明の一実施の形態に係
るCD−R(或いはDVD−R等)用ディスク等のスピ
ンコート装置(板状体被膜形成装置)を示す。なお、本
実施の形態に係るスピンコート装置は、図10に示した
スピンコート装置に対して後述する被膜液付与部200
及びスピンコート処理のプロセス或いはスケジュール
(図6参照)等が異なるが、図10に示したスピンコー
ト装置と基本的な構成は同様であり、同様の要素につい
ては同一の符号を付すこととし、その説明を省略する場
合がある。
【0028】図1、図2に示すように、本実施の形態に
係るスピンコート装置は、回転駆動部(スピンナー部)
10、被膜液付与部(ディスペンサー部)200、ディ
スペンサーアーム部30、スピンナーハウス部40、被
膜液ドレイン部50、及びCPU、ROM、RAM、入
・出力インターフェース等を含んで構成され各種制御を
行う制御部(図示せず)等を含んで構成されている。
【0029】前記回転駆動部10は、図1、図2に示す
ように、CD−R用ディスクのポリカーボネート基板1
を所定の固定手段(図示せず)を介して着脱可能に載置
するターンテーブル11と、該ターンテーブル11を回
転軸12を介して回転駆動するスピンドルモータ13
と、を含んで構成され、図示しない制御部からの制御信
号等に基づいて、前記固定手段の着脱制御や前記スピン
ドルモータ13の回転制御(後述する図6のマップ等参
照)等が実行されるように構成されている。
【0030】そして、本実施の形態に係る被膜液付与部
(ディスペンサー部)200は、図1、図2、図3
(A)、図3(B)に示すように、ディスペンサーボデ
ィ210と、該ディスペンサーボディ210に取り付け
られ被膜液(本実施の形態では記録層形成用の有機色
素)を、前記ターンテーブル11上に載置された基板1
に対して付与するための開口部(以下、ノズルとも言
う)220と、前記ディスペンサーボディ210に内装
されており且つ外部等から色素を導く色素導管230と
前記ノズル220との間に介装されて前記ノズル220
への色素の供給・停止を切り換える開閉弁(図示せず)
と、を含んで構成されている。
【0031】なお、前記開閉弁の切換制御(色素の供給
・停止制御)、言い換えれば色素付与制御は、前記制御
部からの制御信号に基づいて行われるようになってい
る。例えば、前記制御部からの色素供給開始信号を受け
ると、ディスペンサーボディ210に内装される電磁弁
等が開弁駆動され、エア配管240からのエア圧(正圧
或いは負圧)の前記開閉弁への供給が開始される。これ
により、前記開閉弁は、通常は、例えば弾性付勢等され
て閉弁されているが、前記エア圧が前記弾性付勢力に対
抗して前記開閉弁の弁体(図示せず)を開弁駆動するこ
ととなり、前記色素導管230と前記ノズル220とが
連通され、以てノズル220からの色素の供給(付与)
が行われるようになっている。この一方、前記制御部か
ら色素供給停止信号を受けると、前記電磁弁が閉弁駆動
されてエア配管240からのエア圧(正圧或いは負圧)
の前記開閉弁への供給が停止され、これによりエア圧を
介して弾性付勢力に対抗して開弁されていた前記弁体が
閉弁されることとなり、前記色素導管230と前記ノズ
ル220との連通が遮断され、以てノズル220からの
色素の供給(付与)が停止されるようになっている。
【0032】ここにおいて、本実施の形態におけるノズ
ル220は、図10に示したニールノズル22とは構成
が異なっており、図3(A)に示すように、基板1の半
径方向に対して所定の色素付与幅Lを有して構成されて
いる。即ち、ノズル220は、スピンコート時に、基板
1の回転方向に対する色素付与幅(周方向幅)X{図3
(B)参照}に対して、基板1の半径方向に対する前記
塗布幅(半径方向幅)L{図3(A)参照}が相対的に
大きくなるように構成されている。
【0033】なお、該ノズル220は、例えば、図3
(A)、図3(B)に示すように、ノズルブロック22
0Aと、これに対面するノズルブロック220Bと、
を、所定厚さ(前記周方向幅Xに対応する)を有する略
コ字状のスペーサ(シム)220Cを間に挟んで固定
(ボルト260等による締結固定)する構成とすること
ができ、これにより、例えば周方向幅Xを比較的容易に
調整可能かつ安価な構成とすることができる。勿論、周
方向幅Xの調整を必要としない場合や、周方向幅X等を
異ならせた複数のノズル220を用意できる場合等は、
ノズルブロック220Aと220Bとスペーサ部分とを
一体的に形成することも可能である。
【0034】また、前記ノズル220は、図1〜図3に
おいては、前記ディスペンサーボディ210にアダプタ
250を介して取り付けられているが、該アダプタ25
0は前記ノズル220或いは前記ディスペンサーボディ
210と一体的に形成することもできるし、又は省略す
ることもできるものである。
【0035】ところで、本実施の形態においては、図3
(A)に示されるように、前記ノズル220の半径方向
幅(スペーサ220Cのコ字状開口部の開口幅)Lは、
基板1の半径方向における色素付与領域の幅(色素を付
与すべき最小半径(最内径)位置から最大半径(最外
径)位置までの間の距離)と略同じ幅に設定することが
できる。
【0036】また、図3(B)に示されるスペーサ22
0Cの厚さ(周方向幅X)は、塗りムラや膜厚不良等が
生じないように調整することができるが、例えば、0.
02mm≦X≦0.1mm程度の範囲に設定すること
が、良好な歩留まり性、膜厚形成等を達成できる点で好
ましい。
【0037】なお、ノズル220から付与される被膜液
(色素)は、所定圧(色素タンク側からノズル側に向け
て色素導管240内の色素に作用する正圧、例えば大気
圧。背圧とも言う。)を付与されて(加圧されて)滴下
される、或いは吐出される、或いは噴射されるように構
成することができる。前記被膜液付与部200は、ディ
スペンサーアーム部30の先端部に、3次元で位置を調
整可能なアダプタ35を介して取り付けられている。そ
して、制御部からの制御信号に基づき駆動モータ33に
より回転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を
介して、例えば、図4に示すように、待機位置Aと、所
定内周位置(色素付与開始位置)Bと、の間を移動(揺
動中心軸34周りを揺動)することができるように構成
されている。
【0038】なお、スピンナーハウス部40は、スピン
コート時の基板回転による遠心力で、基板1から離脱さ
れ振り切られた余剰の色素が、外部へ飛散することを防
止するためのものであり、該スピンナーハウス40内に
配設されるバッファープレート41を介して、効率よく
余剰色素を被膜液ドレイン部50へ回収できるように構
成されている。
【0039】ところで、本実施の形態におけるスピンコ
ート装置の全体構成は、図5に示すようになっており、
基板1のターンテーブル11への搬入は、ハンドリング
部60を介して行うことができる。該ハンドリング部6
0は、図示しない駆動モータを介して既知のピック&プ
レース装置(例えば所謂オシレートハンドラ)を駆動す
ることにより、或いは駆動モータ等を含む各種アクチュ
エータ等を組み合わせることにより構成することがで
き、例えば、ハンドリングアーム61を待機位置63か
ら搬入搬出位置64まで軸62周りに揺動させた後、吸
着位置まで下降し、ハンドリングアーム61の先端に配
設された所定の吸着手段(真空吸着など)で基板1を吸
着し、その後、ハンドリングアーム61を、ターンテー
ブル11の中心位置まで軸62周りに揺動させて解放位
置まで下降し、そこで前記吸着手段の真空状態を解除
し、基板1をターンテーブル1に載置(搬入)する。一
方、基板1のターンテーブル11からの搬出は、ハンド
リング部60を介して、ハンドリングアーム61を待機
位置63からターンテーブル11の中心位置まで軸62
周りに揺動させた後、吸着位置まで下降し、前記吸着手
段に処理済みの基板1を吸着し、その後、ハンドリング
アーム61を、搬入搬出位置64まで軸62周りに揺動
させて解放位置まで下降し、そこで前記吸着手段の真空
状態を解除し、基板1を搬入搬出位置64へ搬出させる
ように構成することができる。なお、搬入位置と、搬出
位置と、を異ならせることは勿論可能である。
【0040】ここにおいて、上述したような構成を備え
た本実施の形態に係るスピンコート装置においては、前
記制御部からの制御信号に基づいて、例えば、以下のよ
うに被膜液付与制御(スピンコート制御)を行う。
【0041】即ち、 基板1をターンテーブル11へ供給(載置)した
後、被膜液付与部200のノズル220は、図示しない
制御部からの制御信号に基づき駆動モータ33により回
転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を介し
て、例えば、図4を参照して説明すると、待機位置Aで
上昇し所定内周位置(色素付与開始位置)Bへ移動(揺
動中心軸34周りを揺動)後、所定高さ位置(色素付与
高さ位置)まで下降する。
【0042】 このとき、ターンテーブル11上に載
置された基板1は、図6に示すマップ(タイムチャート
或いはタイムスケジュール)に従って、回転駆動部10
のスピンドルモータ13により所定の低速で回転されて
おり、該回転中の基板1に対して前記ノズル220から
の被膜液(色素)の付与が開始される。
【0043】具体的には、例えば、図6に示されるよう
に、基板(ディスク)1を約120rpmで回転させた
状態で、ノズル220からの被膜液(色素)の付与が開
始される。
【0044】 本実施の形態においては、ノズル22
0からの被膜液の付与時間(滴下している時間、吐出或
いは噴射している時間)は、例えば、付与開始から基板
1が1〜2回転するまでの期間に設定されることができ
る。そして、ノズル220からの被膜液の付与終了後、
前記ノズル220は、前記ディスペンサーアーム駆動部
32を介して、再び上昇され、前記待機位置Aへ移動
(揺動中心軸34周りに揺動)されて、所定待機高さ位
置まで下降するように制御される。
【0045】具体的には、本実施の形態においては、ノ
ズル220の半径方向幅Lが、略被膜半径に等しいの
で、例えば、図6のマップに示すように、基板1が略2
回転する間(略0.5秒間)だけ、前記ノズル220か
ら色素を付与するようになっている。
【0046】 その後、被膜液(色素)を付与された
基板1は、所定膜厚形成のため或いは基板1の乾燥等の
ために、所定に高速回転され、所定時間経過後に基板1
の回転は終了され、以てスピンコート処理(被膜形成処
理)が完了されることになる。
【0047】具体的には、例えば、図6のマップに示す
ように、所定膜厚を形成するためや余剰色素を振り切る
等のために、約1200rpmまでリニアに基板回転速
度を上昇させた後、被膜液中の溶剤分の蒸発等を促進す
るために、約4000rpmまで基板回転速度を上昇さ
せ、所定時間経過後に、基板1の回転を停止させるよう
にすることができる。
【0048】このように、本実施の形態では、図10の
約φ0.3mmのニードルノズル22に代えて、周方向
幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きなノズル22
0を用いて被膜液(色素)を基板1に付与(滴下、吐
出、噴射、塗布等)するようにしたので、被膜液(色
素)の塗りムラ等を抑制でき歩留まり性を向上させるこ
とができるため、薄膜形成に本来必要な量に近い量の被
膜液を付与すれば良くなるので、従来のスピンコート装
置に比べて付与する被膜液量を大幅に低減できることに
なる。また、基板1に付与される被膜液(色素)量を低
減できれば、基板回転の遠心力で振り切るべき余剰被膜
液量を低減でき、かつ、余剰被膜液の基板1からの振り
切り時間も短縮できることになる。更に、塗りムラ等の
抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成のた
めに(言い換えれば、被膜液を基板上に略均等に外周側
へ拡張させる等のために)必要な基板を回転させる時間
や基板の回転速度等を低減できることになる。
【0049】従って、本実施の形態によれば、従来に対
して、より一層、短時間で歩留まり性良く基板表面に表
面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品
品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延
いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減
等を一層促進することが可能となる。
【0050】より詳細に言えば、図10に示したような
ニードルノズル22を用いたスピンコート装置では、比
較的小さな略円形の開口部から基板1に被膜液(色素)
を付与し、この滴下された被膜液を、遠心力を利用して
基板1の周方向において略均等に分布させつつ外周方向
(半径方向)へ向けて略均等に拡張させるようにするも
のであるが、この半径方向への拡張の際、被膜液は周方
向において良好に均等に分布し難いため、即ち、周方向
のある部分において先に遠心力のベクトル方向に進行し
た被膜液があると、これに他の被膜液(本来は、周方向
において均等に分布して半径方向に拡張されるべきも
の)が引きずられてしまうケースがある。
【0051】つまり、一旦、基板1の表面上に、ある被
膜液の流路ができてしまうと、本来外周方向に均等に拡
張されるべきはずの被膜液が、均等に拡張されずに、そ
の流路に集まってきてしまい、以て周方向において所々
に被膜液が付与(塗布)されない領域が生じ易くなる。
言い換えれば、基板1の中心から遠心力のベクトル方向
に延びる何条かの被膜液流路が出来てしまい、この各流
路間には、被膜液が付与され難くなる(即ち、塗りムラ
が生じる易くなる)場合がある。
【0052】このため、従来のスピンコート装置では、
かかる塗りムラ等を抑制して歩留まりを改善するため
に、比較的多量の被膜液を付与することにより、できる
限り、周方向おいて被膜液が略均等に分布され易くして
いるのである。即ち、被膜液の付与量を多めにすること
で、遠心力により形成される基板1上の被膜液の流路の
数を増加させると共に、1つ1つの流路の幅を大きく
し、基板表面上の被膜液進行方向に略直交する方向での
流路の合流等を促進させ、これにより、周方向における
被膜液の略均等な分布、延いては径方向における均等な
拡張を図っているのである。
【0053】従って、従来のスピンコート装置は、塗り
ムラ等を抑制して歩留まり性を所定に維持するために、
比較的多量の被膜液を付与する必要があり、結果とし
て、基板表面全体に所定の被膜厚さを達成するために本
来必要な被膜液量を大きく越えて被膜液を付与するた
め、基板回転の遠心力で余剰被膜液を多量に振り切る必
要があり、かつ、所定膜厚を形成するという面とも相俟
って、余剰被膜液の基板1からの振り切り時間を長くせ
ざるを得ないのである。なお、このことは、ディスペン
サーアーム31を揺動させて渦巻状(螺旋状)に被膜液
を滴下するスピンコート処理においても{後述する
(3)参照}、程度としては改善されるが、ニードルノ
ズル22を用いる以上、依然として残る問題である。
【0054】これに対し、本実施の形態のような周方向
幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きなノズル22
0を用いて被膜液を基板1に付与するようにすると、該
半径方向幅L分は、基板1の周方向に対して被膜液を良
好に略均等に分布させることが可能となる(分配でき
る)ため、従来のスピンコート装置に対して、効果的に
塗りムラ等を抑制できることとなり、既述した通り、従
来に対して、より一層、短時間で歩留まり性良く基板表
面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且
つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形
成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コス
トの低減等を一層促進することが可能となる。
【0055】ここで、比較等のため、図10に示したニ
ードルノズル22を用いたスピンコート装置におけるス
ピンコート処理の一例を説明しておく。
【0056】(1) 基板1をターンテーブル11へ供給
(載置)した後、被膜液付与部20のニードルノズル2
2は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて、駆
動モータ33により回転駆動されるディスペンサーアー
ム駆動部32を介して、例えば、図11に示すように、
待機位置Aで上昇し所定内周位置(色素付与開始位置)
Bへ移動(揺動中心軸34周りを揺動)後、所定高さ位
置(色素付与高さ)まで下降する。
【0057】(2) このとき、基板1は、図12に示す
マップ(タイムチャート或いはタイムスケジュール)に
従って、回転駆動部10のスピンドルモータ13により
所定の低速で回転されており、該回転中の基板1に対し
て前記ニードルノズル22からの被膜液(色素)の付与
が開始される。具体的には、例えば、図12に示される
ように、基板1を約300rpmで回転させた状態で、
ニードルノズル22からの被膜液(色素)の付与が開始
される。
【0058】(3) ニードルノズル22からの被膜液の
付与時間(滴下している時間、吐出している時間)は、
例えば、図12のマップに示すように、付与開始から約
2秒間であり、この間において、ニードルノズル22
は、被膜液(色素)を付与(滴下或いは吐出)しなが
ら、図11に示す所定外周位置(色素付与終了位置)C
まで、移動(揺動中心軸34周りに揺動)される。な
お、基板1は、この間において、図12のマップに従っ
て、約600rpmまで回転速度を上昇される。従っ
て、被膜液は、回転する基板表面上に渦巻状(螺旋状)
に付与されるようになっている。
【0059】そして、ニードルノズル22からの被膜液
の付与終了後、前記ニードルノズル22は、前記ディス
ペンサーアーム駆動部32を介して、再び上昇され、前
記待機位置Aへ移動(揺動中心軸34周りに揺動)され
て所定待機高さ位置まで下降するように制御される。
【0060】(4) その後、被膜液(色素)を付与され
た基板1は、所定膜厚形成のため或いは基板1の乾燥等
のために、図12に示すマップに従って、所定に高速回
転され、所定時間経過後に基板1の回転は終了され、以
てスピンコート処理(被膜形成処理)が完了されること
になる。
【0061】具体的には、図12のマップに示すよう
に、所定膜厚を形成するためや余剰色素を振り切る等の
ために、約1200rpmまでリニアに基板回転速度を
上昇させた後、被膜液中の溶剤分の乾燥を促進するため
に、約4000rpmまで基板回転速度を上昇させ、所
定時間経過後に、基板1の回転を停止させる。
【0062】なお、上述した図6及び図12のマップ
(タイムチャート或いはタイムスケジュール)に示され
た各値は、一例であり、所定の膜厚形成のため、所定の
歩留まり達成のため、所定の製造時間達成のため等、そ
の目的に応じて適宜変更されるものであると共に、基板
(ディスク)の外径、基板表面の表面粗さ、使用被膜液
の粘度、被膜液温度、被膜液の蒸発特性等によっても、
適宜変更されることは勿論である。
【0063】ところで、本実施の形態においては、ノズ
ル220の半径方向幅Lを、色素を付与すべき基板1の
領域の略最内径位置から略最外径位置までの幅とした
が、これに限定されるものではなく、これ(最内径から
最外径までの幅=L)より長くても、これ(最内径から
最外径までの幅=L)より短く(例えば、最内径位置を
起点として3/4L、2/3L、1/2L、1/3L、
1/4L等の幅を与えるなど)しても良いものである。
即ち、基板回転方向に対する色素付与幅(周方向幅)X
に対して、基板半径方向に対する色素付与幅(半径方向
幅)Lが相対的に大きくなるように基板に対して被膜液
を付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)できるものであれ
ば、本発明の範囲内である。
【0064】なお、ノズルの滴下孔、吐出孔、噴孔等
(即ち、開口部)の形状を、周方向幅Xに対して半径方
向幅Lが相対的に大きくなるように形成するものに限定
されるものではなく、被膜液の滴下角度、吐出角度、噴
射角度、或いは吐出圧、噴射圧等の被膜液付与特性を調
整することで、被膜液が、実質的に、周方向幅Xに対し
て半径方向幅Lが相対的に大きくなるように基板表面に
付与されるような場合も本発明に含まれるものである。
【0065】また、本実施の形態においては、ノズル2
20を用いた場合、被膜液付与期間を、被膜液の付与開
始後、基板1が約1回転〜2回転する間として説明した
が、これに限定されるものではない。即ち、所望の歩留
まり性、膜厚形成が達成されるのであれば、これ以下の
回転(例えば1/2回転)で被膜液の付与を停止するよ
うにしても良い。また、歩留まり性を更に向上させたい
場合には、2回転以上回転させてから被膜液の付与を停
止しても良いものである。
【0066】但し、本実施の形態のように、半径方向幅
Lを略最内径位置から略最外径位置までの幅とした場合
には、塗りムラを抑制して歩留まり性を良好としなが
ら、被膜液の付与量を効果的に低減できる点からは、被
膜液付与期間を、被膜液の付与開始後、基板1が約1回
転〜2回転する間とすることが好ましい。
【0067】そして、本実施の形態のように、被膜液
が、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きく
なるように付与される場合においても、被膜液付与中
に、ディスペンサーアーム31を揺動中心軸34周りに
揺動させ、回転する基板1の表面に渦巻状(螺旋状)に
被膜液を付与するようにすることも可能である。
【0068】また、本実施の形態では、被膜液付与時
に、被膜液付与部200(ノズル220)は所定内周位
置Bに固定し、基板1側を回転軸12周りに回転させる
ように説明したが、被膜液付与時において、被膜液付与
部200(ノズル220)を回転軸12周りに回転させ
る、或いは回転軸12周りに基板1を回転させると共に
被膜液付与部200も相対回転させるように構成するこ
とも可能である。
【0069】更に、本実施の形態の図4においては、被
膜液付与時に、ノズル220の半径方向幅Lの幅方向
が、揺動中心軸34と基板1の回転中心とを結ぶ直線と
略一致するような方向に配設されて説明されているが、
これに限定されるものではなく、図7(A)に示すよう
に、被膜液付与時に、ノズル220の半径方向幅L’の
長手方向が、揺動中心軸34と基板1の回転中心軸12
とを結ぶ直線と所定角度α(図で示す方向に対して逆向
き、即ち、−αであっても良い)で交差するような方向
に配設されることも可能である。
【0070】加えて、図7(B)に示すように、ノズル
220の基板1表面に対面する面の開口形状(開口面
積)を、基板1の回転中心から離れるに連れて幅が狭く
(開口面積が小さく)なるように形成することも可能で
ある。このようにすると、比較的大きな遠心力を受ける
基板1の外周側に付与される被膜液量を削減できるか
ら、所定被膜厚さを良好に達成しつつ、更に、基板回転
により基板1から離脱して(振り切られて)被膜液ドレ
イン部50へ排出される被膜液量を一層削減することが
可能となる。
【0071】この逆に、図7(C)に示すように、ノズ
ル220の基板1表面に対面する面の開口形状(開口面
積)を、基板1の回転中心に近づくに連れて幅が狭く
(開口面積が小さく)なるように形成することも可能で
ある。つまり、基板1の外周側は、基板1の一回転中に
被膜液を付与する面積が、内周側に比べて物理的に大き
いため、基板1の1回転中に付与する被膜液量は、所定
膜厚を良好に形成するためには、基板1の外周側の方
が、内周側に比べて多く必要となる。従って、このよう
に構成すると、所定膜厚を達成するのに必要な被膜液量
を、該当領域の被膜液付与面積に応じて適切に付与でき
ることになるから、基板表面全体において略均等な膜厚
をより一層形成し易くなる。
【0072】即ち、達成すべき目的等に応じて、ノズル
220の開口形状(開口面積)等は変更可能である。
【0073】また、例えば、図8に示すように、ニード
ルノズルを複数半径方向に並べることによって、周方向
幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きくなるように
被膜液を基板表面に付与するように構成することもでき
るものである。
【0074】加えて、図9に示すように、ノズル220
を周方向において異なる位置に複数配設することがで
き、これによれば、位置被膜液付与のための期間(時
間)を効果的に短縮できると共に、歩留まり性良く基板
表面に表面膜(層)を一層良好に形成することができる
こととなる。従って、製品品質の向上、被膜液付与時
間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更
には製造・製品コストの低減等を一層促進することが可
能となる。
【0075】ところで、図3(B)を参照して説明する
が、被膜液を基板に付与する際のノズル220先端と基
板表面との間の距離である色素付与高さ位置(被膜液付
与高さ位置)Hは、例えば、約250μm程度に設定す
ることができるが、基板表面の回転振れ等を考慮しつつ
約100〜50μm程度に設定し、これにより基板表面
上の被膜液厚を削減して被膜液付与量を一層削減するこ
ともできる。
【0076】更に、基板表面の回転振れを一層低減でき
れば、或いはノズル220の先端と基板表面との間で被
膜液に生じる圧力を所定に維持できるように前記回転振
れを吸収することができれば(例えば、ノズル220を
弾性的に支持する等)、一層被膜液付与高さを小さくし
て(例えば、最終的な膜厚である約0.2μm近傍の
値)、ノズル220の先端と基板表面との間に所定圧を
発生させつつ、ノズル220の先端で被膜液を基板表面
に塗り付けて行くようにすることも可能である。これに
よれば、一層、被膜液付与量を削減できるため、より一
層、短時間で歩留まり性良く基板表面に表面膜(層)を
良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、
被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時
間の削減、更には製造・製品コストの低減等を促進する
ことが可能となる。
【0077】ところで、上記実施の形態では、スピンコ
ート装置若しくは方法について説明したが、かかるスピ
ンコート装置(方法)により表面膜を形成された板状体
は、従来のスピンコート装置(方法)により表面膜を形
成された板状体に比べ、板状体表面に形成される膜厚の
均一化が一層促進されることになり、以て製品品質の向
上が図れるのは勿論、膜厚の薄膜化を一層促進すること
ができる(最小膜厚部分が平均膜厚側へ近づくため全体
として薄膜化を促進しても膜厚不良の発生を抑制できる
ことになる)。
【0078】なお、上記実施の形態では、板状体表面
(裏面も含む)に記録層を形成する場合について説明し
たが、本発明は、これに限定されるものではなく、例え
ば、光ディスクのUV保護層や、ウェハーのレジスト層
等の形成等にも適用できるものである。即ち、本発明
は、板状体表面に被膜液を、滴下、吐出、噴射、塗布等
により付着させて表面層(膜)を形成する場合に適用で
きるものである。
【0079】また、上記実施の形態では、円形の板状体
を例として説明しているが、板状体は、これに限定され
るものではなく、他の形状(四角、三角等)の板状体に
も本発明は適用できるものである。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
板状体表面に付与される被膜液の板状体周方向幅に対し
て半径方向幅が相対的に大きくなるように、被膜液を板
状体に付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)するため、被
膜液の塗りムラ等を抑制でき歩留まり性等を向上させる
ことができ、以て従来のスピンコート装置に比べて付与
する被膜液量を大幅に低減できることになる。そして、
板状体に付与される被膜液量を低減できるので、板状体
回転の遠心力で振り切るべき被膜液量を低減でき、尚且
つ、余剰被膜液の板状体からの振り切り時間も短縮でき
ることになる。更に、塗りムラ等の抑制により、膜厚が
略均一化された良好な薄膜形成のために必要な板状体回
転時間や板状体回転速度等を低減できることにもなる。
【0081】従って、本発明は、従来に対して、より一
層、短時間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜(層)
を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向
上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製
造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層
促進することができる。
【0082】請求項2又は請求項6に記載の発明によれ
ば、板状体表面に被膜液を付与する際に、板状体と被膜
液付与部とを相対的に少なくとも1回転させれば、板状
体表面全体に被膜液を付与することができるため、短時
間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜を良好に形成す
ることができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時
間、表面膜形成時間延いては製造時間の削減、更には製
造・製品コストの低減等を一層促進することができる。
【0083】請求項3又は請求項7に記載の発明によれ
ば、比較的簡単かつ安価な構成により、所定に板状体表
面に被膜液を付与することが可能となる。なお、請求項
4又は請求項8に記載の発明のように、前記開口部の半
径方向幅が、板状体の被膜液を付与すべき領域の略最内
径位置から略最外径位置まで延びており、前記開口部の
周方向幅が、0.02mm〜0.1mmの間に調整され
ることができる。
【0084】請求項9に記載の発明によれば、従来の装
置又は方法により表面膜を形成された板状体に比べ、板
状体表面に形成される膜厚の均一化が一層促進されるこ
とになる。従って、製品品質の向上が図れるのは勿論、
膜厚の薄膜化を一層促進することができ、以て、一層、
量産性の向上等に寄与する板状体を提供できることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態に係るスピンコート装
置(表面膜形成装置)の概略構成を説明するための縦断
面図である。
【図2】図1のスピンコート装置の被膜液付与部の部分
的に断面図を含む拡大図である。
【図3】(A)は、図1のスピンコート装置の被膜液付
与部を更に拡大した拡大図である。(B)は、(A)の
側面図である。
【図4】図1のスピンコート装置の一部を上方から見た
上面図である。
【図5】図1のスピンコート装置全体の概略を示す斜視
図である。
【図6】同上実施の形態に係るスピンコート処理の一例
を説明するマップ(タイムチャート、タイムスケジュー
ル)である。
【図7】(A)、(B)、(C)は、それぞれ、同上実
施の形態に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズ
ル)の例を示す図である。
【図8】(A)、(B)は、それぞれ、同上実施の形態
に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズル)の他
の例を示す図である。
【図9】(A)、(B)は、それぞれ、同上実施の形態
に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズル)の更
に別の例を示す図である。
【図10】従来のスピンコート装置の概略構成の一例を
説明するための縦断面図である。
【図11】図10のスピンコート装置の一部を上方から
見た上面図である。
【図12】従来のスピンコート処理の一例を説明するマ
ップである。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート基板(基板、ディスク) 10 回転駆動部(スピンナー部) 11 ターンテーブル 30 ディスペンサーアーム部 40 スピンナーハウス部 50 被膜液ドレイン部50 200 被膜液付与部(ディスペンサー部) 220 開口部(ノズル) L 半径方向幅 X 周方向幅 H 被膜液付与高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC64 AC79 CA48 DA06 DB11 DC21 4F041 AA05 AB02 BA12 BA13 BA56 4F042 AA06 EB05 EB09 EB17 EB29 5D121 AA01 EE22 EE24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜
    液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状
    体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、
    前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成装
    置であって、 前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液
    の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向
    における周方向幅より大きいことを特徴とする板状体表
    面膜形成装置。
  2. 【請求項2】前記半径方向幅が、板状体の被膜液を付与
    すべき領域の略最内径位置から略最外径位置まで延びて
    いることを特徴とする請求項1に記載の板状体表面膜形
    成装置。
  3. 【請求項3】前記半径方向幅及び前記周方向幅が、前記
    被膜液付与部の被膜液を付与するための開口部の形状若
    しくは開口面積により調整されることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の板状体表面膜形成装置。
  4. 【請求項4】前記開口部の半径方向幅が、板状体の被膜
    液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置ま
    で延びており、前記開口部の周方向幅が、0.02mm
    〜0.1mmの間に調整されることを特徴とする請求項
    3に記載の板状体表面膜形成装置。
  5. 【請求項5】板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜
    液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状
    体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、
    前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成方
    法であって、 板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向に
    おける周方向幅より大きくなるように、前記被膜液付与
    部により板状体表面に被膜液を付与することを特徴とす
    る板状体表面膜形成方法。
  6. 【請求項6】前記半径方向幅が、板状体の被膜液を付与
    すべき領域の略最内径位置から略最外径位置まで延びる
    ように、前記被膜液付与部により板状体表面に被膜液を
    付与することを特徴とする請求項5に記載の板状体表面
    膜形成方法。
  7. 【請求項7】前記被膜液付与部の被膜液を付与するため
    の開口部の形状若しくは開口面積が所定に調整されてお
    り、該調整された開口部を介して、板状体表面に被膜液
    を付与することを特徴とする請求項5又は請求項6に記
    載の板状体表面膜形成方法。
  8. 【請求項8】前記開口部の半径方向幅が、板状体の被膜
    液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置ま
    で延びており、前記開口部の周方向幅が、0.02mm
    〜0.1mmの間に調整されており、該調整された開口
    部を介して、板状体表面に被膜液を付与することを特徴
    とする請求項7に記載の板状体表面膜形成方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の
    板状体表面膜形成装置、又は請求項5〜請求項8の何れ
    か1つに記載の板状体表面膜形成方法により、表面膜を
    形成されたことを特徴とする板状体。
JP37012499A 1999-12-27 1999-12-27 板状体表面膜形成装置、方法及びこれらを用いて形成された表面膜を有する板状体 Expired - Fee Related JP3636627B2 (ja)

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WO2004107333A1 (ja) * 2003-05-30 2004-12-09 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. インクジェット用受理層形成方法及び装置、並びにインクジェット用受理層を形成したディスク

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