JP3636627B2 - 板状体表面膜形成装置、方法及びこれらを用いて形成された表面膜を有する板状体 - Google Patents

板状体表面膜形成装置、方法及びこれらを用いて形成された表面膜を有する板状体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状体{例えばDVD(Digital Video Disk)、CD(Compact Disk)など、光或いは磁気ディスク等の板状記録媒体などを含む}の表面(表裏面の双方を含む概念である)に、液体状又は流動体状の被膜材(以下、被膜液とも言う)を付着させて表面膜(層)を形成するための装置及び方法、及び当該装置或いは方法を用いて表面膜を形成された板状体に関する。より詳しくは、DVD−R、CD−R等の板状記録媒体の製造工程等において、被膜液を、板状記録媒体基板の表面に付与(滴下、塗布、吐出、噴射等)する一方で、該板状記録媒体基板を回転させ、該付与された被膜液を、前記回転による遠心力で板状記録媒体基板の表面に略均等に分布させ、板状記録媒体表面に表面膜(層)を形成する所謂スピンコート技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CD−R(DVD−R)用ディスク等は、射出成形機で成形された、例えばφ120mm、厚さ1.2mm程度のポリカーボネート基板(以下、単に基板或いはディスクとも言う)に、被膜液としての記録層形成用の有機色素(以下、単に色素とも言う)等を、スピンコートにより約0.2μm(ミクロン;マイクロメーター)の厚さで略均等に塗布され、その後、該形成された色素膜(記録層)上に反射膜をスパッタ処理等により形成した後、外周色素除去工程、UV(紫外線)保護膜塗布工程などを経て製造される。
【0003】
なお、スピンコートとは、被処理体(例えば、ポリカーボネート基板)を回転させつつ、該被処理体の表面に、液体状或いは流動体状の被膜材(例えば、記録層形成用の有機色素)を、被処理体の内周側から滴下等し、被処理体の回転に伴う遠心力を利用して、滴下された被膜材を被処理体の表面に分布させることにより、被処理体の表面に膜或いは層(ここでは記録層)を形成する表面膜(層)形成方法の1つである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CD−R(DVD−R)用ディスク等に対してスピンコートを行うスピンコート装置としては、例えば、図10に示すようなものがある。
【0005】
かかるスピンコート装置は、回転駆動部(スピンナー部)10、被膜液付与部(ディスペンサー部)20、ディスペンサーアーム部30、スピンナーハウス部40、被膜液ドレイン部50、及びCPU、ROM、RAM、入・出力インターフェース等を含んで構成され各種制御を行う制御部(図示せず)等を含んで構成されている。
【0006】
前記回転駆動部10は、CD−R用ディスクのポリカーボネート基板1を所定の固定手段(図示せず)を介して着脱可能に載置するターンテーブル11と、該ターンテーブル11を回転軸12を介して回転駆動するスピンドルモータ13と、を含んで構成され、前記制御部からの制御信号等に基づいて、前記固定手段の着脱制御や前記スピンドルモータ13の回転制御等は実行されるようになっている。
【0007】
前記被膜液付与部(ディスペンサー部)20は、ディスペンサーボディ21と、該ディスペンサーボディ21に取り付けられ前記被膜液(記録層形成用の有機色素)を前記ターンテーブル11上に載置され回転される基板1に対して滴下(吐出)するためのニードルノズル(約0.3mmの内径を持つ)22と、前記ディスペンサーボディ21に内装されており且つ外部等から色素を導く色素導管23と前記ニードルノズル22との間に介装されて前記ニードルノズル22への色素の供給・停止を切り換える開閉弁(図示せず)と、を含んで構成されている。なお、前記開閉弁の切換制御(色素の供給・停止制御)、言い換えれば色素付与制御は、前記制御部からの制御信号に従って行われる。
【0008】
前記被膜液付与部20は、ディスペンサーアーム部30のアーム31の先端部に取り付けられており、スピンコート時には、前記制御部からの制御信号に基づき駆動モータ33により回転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を介して、例えば、図11を参照して説明すると、待機位置Aで上昇し所定内周位置(滴下開始位置)Bへ移動(揺動中心軸34周りを揺動)後、下降して、回転基板1に対して色素の滴下(吐出)を開始する一方、所定外周位置(滴下終了位置)Cまで色素を所定に滴下(吐出)しながら移動(揺動中心軸34周りに揺動)され、その後、再び上昇して前記待機位置Aへ移動(揺動中心軸34周りに揺動)されて所定待機高さ位置まで下降するようになっている。
【0009】
なお、スピンナーハウス部40は、スピンコート時の基板回転による遠心力で、基板1から離脱され振り切られた余剰の色素が、外部へ飛散することを防止するため等のものであり、該スピンナーハウス40内に配設されるバッファープレート41を介して、効率よく余剰色素を被膜液ドレイン部50へ回収できるように構成されている。
【0010】
ところで、前記記録層形成用色素は、CD−R等の製造原価の多くを占めるほど高価であり、製造コスト延いては製品コスト低減等のため、その使用量を削減することが急務となっている。
【0011】
しかしながら、上述したスピンコート方式では、色素の滴下量の約90%が、基板回転による遠心力で基板表面から離脱し(振り切られ)、被膜液ドレイン部50へ排出されることとなり、製品コストを低減することが難しいと言った実情がある。
【0012】
即ち、塗りムラ等を抑制して歩留まり性を良好に維持しつつ(製品個体間の品質バラツキなどを抑制しつつ)、基板表面に薄膜を良好に形成するためには、比較的多量の色素を基板内周側に滴下等したうえで、これを遠心力でムラ無く基板表面全体に色素を薄く略均等に分配させることが必要とされる。つまり、上述のスピンコート方式においては、比較的多量に色素を滴下すること(主に、塗りムラを抑制して歩留まり性を維持する等のため)、なお且つ、その約90%程度の色素を基板表面から振り切ること(主に、略均一で且つ薄い表面膜形成のため)が必要とされているのが実情である。
【0013】
なお、被膜液ドレイン部に回収された色素の再利用も検討されてはいるが、現段階では、不純物の混入を排除することが難しいため、品質管理などの面から量産には採用し難いのが実情である。
【0014】
ところで、色素塗布(記録層或いは表面膜形成)方法としては、上記スピンコート方式以外の方法も考えられないではないが、比較的短時間で、且つ、歩留まり良く{製品品質を高レベルで略均一に維持しつつ(製品個体間の品質バラツキ等を抑制しつつ)}、約0.2μmの薄膜を基板の表面全体に略均等に形成することが可能なスピンコート方式が、現状では量産等に適しているものと考えられる。
【0015】
本発明は、上述したような実情に鑑みなされたもので、比較的短時間で歩留まり良く板状体表面に表面膜(層)を形成可能なスピンコート方式を踏襲しつつ、より一層、効率よく良好な表面膜(層)を形成することを可能とし、以て製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を促進することができるようにした板状体表面膜形成装置及び板状体表面膜形成方法を提供することを目的とする。また、これら装置或いは方法を用いて形成され、その膜厚が良好に均一化された表面膜を有する板状体を提供することも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1又は請求項5に記載の発明は、回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜(表面層)を形成する板状体表面膜形成装置又は方法において、
前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きくなるように、かつ、前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差するようにして、板状体表面に被膜液を付与するようにする。
【0017】
かかる構成によれば、板状体表面に付与される被膜液の板状体周方向幅に対して半径方向幅が相対的に大きくなるように、被膜液を板状体に付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)することができるため、被膜液の塗りムラ等を抑制でき歩留まり性等を向上させることができ、以て従来のスピンコート装置に比べて付与する被膜液量を大幅に低減できると共に短時間で被膜液の付与を終了できることになる。
そして、このように、板状体に付与される被膜液量を低減できれば、板状体回転の遠心力で振り切るべき被膜液量を低減でき、尚且つ、余剰被膜液の板状体からの振り切り時間も短縮できることになる。更に、塗りムラ等の抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成のために必要な板状体回転時間や板状体回転速度等を低減できることにもなる。
【0018】
従って、本発明によれば、従来に対して、より一層、短時間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することが可能となる。
【0019】
請求項2又は請求項6に記載の発明では、前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きいと共に、
前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されるようにした。
【0020】
かかる構成とすれば、スピンコート時における遠心力による被膜液の拡散を効果的に利用して、塗りムラ等の抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成を達成しつつ、無駄に板状体表面から被膜液が振り切られることを効果的に抑制することができるため、製造・製品コストの低減等を一層促進することが可能となる。
【0021】
なお、請求項3又は請求項7に記載の発明は、前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きく、
前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差していると共に、
前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されるようにした。
【0022】
かかる構成とすれば、塗りムラ等の抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成を達成しつつ、板状体に付与される被膜液量を低減して板状体回転の遠心力で振り切るべき被膜液量をより一層低減でき、尚且つ、余剰被膜液の板状体からの振り切り時間もより一層短縮できると共に、被膜液の付与時間も短縮できるため、製造コスト延いては製品コストをより一層効果的に低減できることになる。
【0023】
なお、前記開口部の半径方向幅が、板状体の被膜液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置まで延びており、前記開口部の周方向幅が、0.02mm〜0.1mmの間に調整されることが好ましい。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の板状体表面膜形成装置、又は請求項5〜請求項8の何れか1つに記載の板状体表面膜形成方法により、表面膜を形成された板状体を特徴としている。
【0025】
即ち、本発明に係る板状体表面膜形成装置又は方法により表面膜を形成された板状体は、従来の装置又は方法により表面膜を形成された板状体に比べ、板状体表面に形成される膜厚の均一化が一層促進されることになる。従って、製品品質の向上が図れるのは勿論、膜厚の薄膜化を一層促進することができ(最小膜厚部分が平均膜厚側へ近づくため全体として薄膜化を促進しても膜厚不良の発生を抑制できることになり)、以て、一層、量産性の向上等に寄与する板状体を提供できることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
図1〜図5は、本発明の一実施の形態に係るCD−R(或いはDVD−R等)用ディスク等のスピンコート装置(板状体被膜形成装置)を示す。なお、本実施の形態に係るスピンコート装置は、図10に示したスピンコート装置に対して後述する被膜液付与部200及びスピンコート処理のプロセス或いはスケジュール(図6参照)等が異なるが、図10に示したスピンコート装置と基本的な構成は同様であり、同様の要素については同一の符号を付すこととし、その説明を省略する場合がある。
【0028】
図1、図2に示すように、本実施の形態に係るスピンコート装置は、回転駆動部(スピンナー部)10、被膜液付与部(ディスペンサー部)200、ディスペンサーアーム部30、スピンナーハウス部40、被膜液ドレイン部50、及びCPU、ROM、RAM、入・出力インターフェース等を含んで構成され各種制御を行う制御部(図示せず)等を含んで構成されている。
【0029】
前記回転駆動部10は、図1、図2に示すように、CD−R用ディスクのポリカーボネート基板1を所定の固定手段(図示せず)を介して着脱可能に載置するターンテーブル11と、該ターンテーブル11を回転軸12を介して回転駆動するスピンドルモータ13と、を含んで構成され、図示しない制御部からの制御信号等に基づいて、前記固定手段の着脱制御や前記スピンドルモータ13の回転制御(後述する図6のマップ等参照)等が実行されるように構成されている。
【0030】
そして、本実施の形態に係る被膜液付与部(ディスペンサー部)200は、図1、図2、図3(A)、図3(B)に示すように、ディスペンサーボディ210と、該ディスペンサーボディ210に取り付けられ被膜液(本実施の形態では記録層形成用の有機色素)を、前記ターンテーブル11上に載置された基板1に対して付与するための開口部(以下、ノズルとも言う)220と、前記ディスペンサーボディ210に内装されており且つ外部等から色素を導く色素導管230と前記ノズル220との間に介装されて前記ノズル220への色素の供給・停止を切り換える開閉弁(図示せず)と、を含んで構成されている。
【0031】
なお、前記開閉弁の切換制御(色素の供給・停止制御)、言い換えれば色素付与制御は、前記制御部からの制御信号に基づいて行われるようになっている。例えば、前記制御部からの色素供給開始信号を受けると、ディスペンサーボディ210に内装される電磁弁等が開弁駆動され、エア配管240からのエア圧(正圧或いは負圧)の前記開閉弁への供給が開始される。これにより、前記開閉弁は、通常は、例えば弾性付勢等されて閉弁されているが、前記エア圧が前記弾性付勢力に対抗して前記開閉弁の弁体(図示せず)を開弁駆動することとなり、前記色素導管230と前記ノズル220とが連通され、以てノズル220からの色素の供給(付与)が行われるようになっている。この一方、前記制御部から色素供給停止信号を受けると、前記電磁弁が閉弁駆動されてエア配管240からのエア圧(正圧或いは負圧)の前記開閉弁への供給が停止され、これによりエア圧を介して弾性付勢力に対抗して開弁されていた前記弁体が閉弁されることとなり、前記色素導管230と前記ノズル220との連通が遮断され、以てノズル220からの色素の供給(付与)が停止されるようになっている。
【0032】
ここにおいて、本実施の形態におけるノズル220は、図10に示したニールノズル22とは構成が異なっており、図3(A)に示すように、基板1の半径方向に対して所定の色素付与幅Lを有して構成されている。即ち、ノズル220は、スピンコート時に、基板1の回転方向に対する色素付与幅(周方向幅)X{図3(B)参照}に対して、基板1の半径方向に対する前記塗布幅(半径方向幅)L{図3(A)参照}が相対的に大きくなるように構成されている。
【0033】
なお、該ノズル220は、例えば、図3(A)、図3(B)に示すように、ノズルブロック220Aと、これに対面するノズルブロック220Bと、を、所定厚さ(前記周方向幅Xに対応する)を有する略コ字状のスペーサ(シム)220Cを間に挟んで固定(ボルト260等による締結固定)する構成とすることができ、これにより、例えば周方向幅Xを比較的容易に調整可能かつ安価な構成とすることができる。勿論、周方向幅Xの調整を必要としない場合や、周方向幅X等を異ならせた複数のノズル220を用意できる場合等は、ノズルブロック220Aと220Bとスペーサ部分とを一体的に形成することも可能である。
【0034】
また、前記ノズル220は、図1〜図3においては、前記ディスペンサーボディ210にアダプタ250を介して取り付けられているが、該アダプタ250は前記ノズル220或いは前記ディスペンサーボディ210と一体的に形成することもできるし、又は省略することもできるものである。
【0035】
ところで、本実施の形態においては、図3(A)に示されるように、前記ノズル220の半径方向幅(スペーサ220Cのコ字状開口部の開口幅)Lは、基板1の半径方向における色素付与領域の幅(色素を付与すべき最小半径(最内径)位置から最大半径(最外径)位置までの間の距離)と略同じ幅に設定することができる。
【0036】
また、図3(B)に示されるスペーサ220Cの厚さ(周方向幅X)は、塗りムラや膜厚不良等が生じないように調整することができるが、例えば、0.02mm≦X≦0.1mm程度の範囲に設定することが、良好な歩留まり性、膜厚形成等を達成できる点で好ましい。
【0037】
なお、ノズル220から付与される被膜液(色素)は、所定圧(色素タンク側からノズル側に向けて色素導管240内の色素に作用する正圧、例えば大気圧。背圧とも言う。)を付与されて(加圧されて)滴下される、或いは吐出される、或いは噴射されるように構成することができる。
前記被膜液付与部200は、ディスペンサーアーム部30の先端部に、3次元で位置を調整可能なアダプタ35を介して取り付けられている。そして、制御部からの制御信号に基づき駆動モータ33により回転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を介して、例えば、図4に示すように、待機位置Aと、所定内周位置(色素付与開始位置)Bと、の間を移動(揺動中心軸34周りを揺動)することができるように構成されている。
【0038】
なお、スピンナーハウス部40は、スピンコート時の基板回転による遠心力で、基板1から離脱され振り切られた余剰の色素が、外部へ飛散することを防止するためのものであり、該スピンナーハウス40内に配設されるバッファープレート41を介して、効率よく余剰色素を被膜液ドレイン部50へ回収できるように構成されている。
【0039】
ところで、本実施の形態におけるスピンコート装置の全体構成は、図5に示すようになっており、基板1のターンテーブル11への搬入は、ハンドリング部60を介して行うことができる。該ハンドリング部60は、図示しない駆動モータを介して既知のピック&プレース装置(例えば所謂オシレートハンドラ)を駆動することにより、或いは駆動モータ等を含む各種アクチュエータ等を組み合わせることにより構成することができ、例えば、ハンドリングアーム61を待機位置63から搬入搬出位置64まで軸62周りに揺動させた後、吸着位置まで下降し、ハンドリングアーム61の先端に配設された所定の吸着手段(真空吸着など)で基板1を吸着し、その後、ハンドリングアーム61を、ターンテーブル11の中心位置まで軸62周りに揺動させて解放位置まで下降し、そこで前記吸着手段の真空状態を解除し、基板1をターンテーブル1に載置(搬入)する。一方、基板1のターンテーブル11からの搬出は、ハンドリング部60を介して、ハンドリングアーム61を待機位置63からターンテーブル11の中心位置まで軸62周りに揺動させた後、吸着位置まで下降し、前記吸着手段に処理済みの基板1を吸着し、その後、ハンドリングアーム61を、搬入搬出位置64まで軸62周りに揺動させて解放位置まで下降し、そこで前記吸着手段の真空状態を解除し、基板1を搬入搬出位置64へ搬出させるように構成することができる。なお、搬入位置と、搬出位置と、を異ならせることは勿論可能である。
【0040】
ここにおいて、上述したような構成を備えた本実施の形態に係るスピンコート装置においては、前記制御部からの制御信号に基づいて、例えば、以下のように被膜液付与制御(スピンコート制御)を行う。
【0041】
即ち、
▲1▼ 基板1をターンテーブル11へ供給(載置)した後、被膜液付与部200のノズル220は、図示しない制御部からの制御信号に基づき駆動モータ33により回転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を介して、例えば、図4を参照して説明すると、待機位置Aで上昇し所定内周位置(色素付与開始位置)Bへ移動(揺動中心軸34周りを揺動)後、所定高さ位置(色素付与高さ位置)まで下降する。
【0042】
▲2▼ このとき、ターンテーブル11上に載置された基板1は、図6に示すマップ(タイムチャート或いはタイムスケジュール)に従って、回転駆動部10のスピンドルモータ13により所定の低速で回転されており、該回転中の基板1に対して前記ノズル220からの被膜液(色素)の付与が開始される。
【0043】
具体的には、例えば、図6に示されるように、基板(ディスク)1を約120rpmで回転させた状態で、ノズル220からの被膜液(色素)の付与が開始される。
【0044】
▲3▼ 本実施の形態においては、ノズル220からの被膜液の付与時間(滴下している時間、吐出或いは噴射している時間)は、例えば、付与開始から基板1が1〜2回転するまでの期間に設定されることができる。そして、ノズル220からの被膜液の付与終了後、前記ノズル220は、前記ディスペンサーアーム駆動部32を介して、再び上昇され、前記待機位置Aへ移動(揺動中心軸34周りに揺動)されて、所定待機高さ位置まで下降するように制御される。
【0045】
具体的には、本実施の形態においては、ノズル220の半径方向幅Lが、略被膜半径に等しいので、例えば、図6のマップに示すように、基板1が略2回転する間(略0.5秒間)だけ、前記ノズル220から色素を付与するようになっている。
【0046】
▲4▼ その後、被膜液(色素)を付与された基板1は、所定膜厚形成のため或いは基板1の乾燥等のために、所定に高速回転され、所定時間経過後に基板1の回転は終了され、以てスピンコート処理(被膜形成処理)が完了されることになる。
【0047】
具体的には、例えば、図6のマップに示すように、所定膜厚を形成するためや余剰色素を振り切る等のために、約1200rpmまでリニアに基板回転速度を上昇させた後、被膜液中の溶剤分の蒸発等を促進するために、約4000rpmまで基板回転速度を上昇させ、所定時間経過後に、基板1の回転を停止させるようにすることができる。
【0048】
このように、本実施の形態では、図10の約φ0.3mmのニードルノズル22に代えて、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きなノズル220を用いて被膜液(色素)を基板1に付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)するようにしたので、被膜液(色素)の塗りムラ等を抑制でき歩留まり性を向上させることができるため、薄膜形成に本来必要な量に近い量の被膜液を付与すれば良くなるので、従来のスピンコート装置に比べて付与する被膜液量を大幅に低減できることになる。また、基板1に付与される被膜液(色素)量を低減できれば、基板回転の遠心力で振り切るべき余剰被膜液量を低減でき、かつ、余剰被膜液の基板1からの振り切り時間も短縮できることになる。更に、塗りムラ等の抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成のために(言い換えれば、被膜液を基板上に略均等に外周側へ拡張させる等のために)必要な基板を回転させる時間や基板の回転速度等を低減できることになる。
【0049】
従って、本実施の形態によれば、従来に対して、より一層、短時間で歩留まり性良く基板表面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することが可能となる。
【0050】
より詳細に言えば、図10に示したようなニードルノズル22を用いたスピンコート装置では、比較的小さな略円形の開口部から基板1に被膜液(色素)を付与し、この滴下された被膜液を、遠心力を利用して基板1の周方向において略均等に分布させつつ外周方向(半径方向)へ向けて略均等に拡張させるようにするものであるが、この半径方向への拡張の際、被膜液は周方向において良好に均等に分布し難いため、即ち、周方向のある部分において先に遠心力のベクトル方向に進行した被膜液があると、これに他の被膜液(本来は、周方向において均等に分布して半径方向に拡張されるべきもの)が引きずられてしまうケースがある。
【0051】
つまり、一旦、基板1の表面上に、ある被膜液の流路ができてしまうと、本来外周方向に均等に拡張されるべきはずの被膜液が、均等に拡張されずに、その流路に集まってきてしまい、以て周方向において所々に被膜液が付与(塗布)されない領域が生じ易くなる。言い換えれば、基板1の中心から遠心力のベクトル方向に延びる何条かの被膜液流路が出来てしまい、この各流路間には、被膜液が付与され難くなる(即ち、塗りムラが生じる易くなる)場合がある。
【0052】
このため、従来のスピンコート装置では、かかる塗りムラ等を抑制して歩留まりを改善するために、比較的多量の被膜液を付与することにより、できる限り、周方向おいて被膜液が略均等に分布され易くしているのである。即ち、被膜液の付与量を多めにすることで、遠心力により形成される基板1上の被膜液の流路の数を増加させると共に、1つ1つの流路の幅を大きくし、基板表面上の被膜液進行方向に略直交する方向での流路の合流等を促進させ、これにより、周方向における被膜液の略均等な分布、延いては径方向における均等な拡張を図っているのである。
【0053】
従って、従来のスピンコート装置は、塗りムラ等を抑制して歩留まり性を所定に維持するために、比較的多量の被膜液を付与する必要があり、結果として、基板表面全体に所定の被膜厚さを達成するために本来必要な被膜液量を大きく越えて被膜液を付与するため、基板回転の遠心力で余剰被膜液を多量に振り切る必要があり、かつ、所定膜厚を形成するという面とも相俟って、余剰被膜液の基板1からの振り切り時間を長くせざるを得ないのである。なお、このことは、ディスペンサーアーム31を揺動させて渦巻状(螺旋状)に被膜液を滴下するスピンコート処理においても{後述する(3)参照}、程度としては改善されるが、ニードルノズル22を用いる以上、依然として残る問題である。
【0054】
これに対し、本実施の形態のような周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きなノズル220を用いて被膜液を基板1に付与するようにすると、該半径方向幅L分は、基板1の周方向に対して被膜液を良好に略均等に分布させることが可能となる(分配できる)ため、従来のスピンコート装置に対して、効果的に塗りムラ等を抑制できることとなり、既述した通り、従来に対して、より一層、短時間で歩留まり性良く基板表面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することが可能となる。
【0055】
ここで、比較等のため、図10に示したニードルノズル22を用いたスピンコート装置におけるスピンコート処理の一例を説明しておく。
【0056】
(1) 基板1をターンテーブル11へ供給(載置)した後、被膜液付与部20のニードルノズル22は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて、駆動モータ33により回転駆動されるディスペンサーアーム駆動部32を介して、例えば、図11に示すように、待機位置Aで上昇し所定内周位置(色素付与開始位置)Bへ移動(揺動中心軸34周りを揺動)後、所定高さ位置(色素付与高さ)まで下降する。
【0057】
(2) このとき、基板1は、図12に示すマップ(タイムチャート或いはタイムスケジュール)に従って、回転駆動部10のスピンドルモータ13により所定の低速で回転されており、該回転中の基板1に対して前記ニードルノズル22からの被膜液(色素)の付与が開始される。
具体的には、例えば、図12に示されるように、基板1を約300rpmで回転させた状態で、ニードルノズル22からの被膜液(色素)の付与が開始される。
【0058】
(3) ニードルノズル22からの被膜液の付与時間(滴下している時間、吐出している時間)は、例えば、図12のマップに示すように、付与開始から約2秒間であり、この間において、ニードルノズル22は、被膜液(色素)を付与(滴下或いは吐出)しながら、図11に示す所定外周位置(色素付与終了位置)Cまで、移動(揺動中心軸34周りに揺動)される。なお、基板1は、この間において、図12のマップに従って、約600rpmまで回転速度を上昇される。
従って、被膜液は、回転する基板表面上に渦巻状(螺旋状)に付与されるようになっている。
【0059】
そして、ニードルノズル22からの被膜液の付与終了後、前記ニードルノズル22は、前記ディスペンサーアーム駆動部32を介して、再び上昇され、前記待機位置Aへ移動(揺動中心軸34周りに揺動)されて所定待機高さ位置まで下降するように制御される。
【0060】
(4) その後、被膜液(色素)を付与された基板1は、所定膜厚形成のため或いは基板1の乾燥等のために、図12に示すマップに従って、所定に高速回転され、所定時間経過後に基板1の回転は終了され、以てスピンコート処理(被膜形成処理)が完了されることになる。
【0061】
具体的には、図12のマップに示すように、所定膜厚を形成するためや余剰色素を振り切る等のために、約1200rpmまでリニアに基板回転速度を上昇させた後、被膜液中の溶剤分の乾燥を促進するために、約4000rpmまで基板回転速度を上昇させ、所定時間経過後に、基板1の回転を停止させる。
【0062】
なお、上述した図6及び図12のマップ(タイムチャート或いはタイムスケジュール)に示された各値は、一例であり、所定の膜厚形成のため、所定の歩留まり達成のため、所定の製造時間達成のため等、その目的に応じて適宜変更されるものであると共に、基板(ディスク)の外径、基板表面の表面粗さ、使用被膜液の粘度、被膜液温度、被膜液の蒸発特性等によっても、適宜変更されることは勿論である。
【0063】
ところで、本実施の形態においては、ノズル220の半径方向幅Lを、色素を付与すべき基板1の領域の略最内径位置から略最外径位置までの幅としたが、これに限定されるものではなく、これ(最内径から最外径までの幅=L)より長くても、これ(最内径から最外径までの幅=L)より短く(例えば、最内径位置を起点として3/4L、2/3L、1/2L、1/3L、1/4L等の幅を与えるなど)しても良いものである。即ち、基板回転方向に対する色素付与幅(周方向幅)Xに対して、基板半径方向に対する色素付与幅(半径方向幅)Lが相対的に大きくなるように基板に対して被膜液を付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)できるものであれば、本発明の範囲内である。
【0064】
なお、ノズルの滴下孔、吐出孔、噴孔等(即ち、開口部)の形状を、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きくなるように形成するものに限定されるものではなく、被膜液の滴下角度、吐出角度、噴射角度、或いは吐出圧、噴射圧等の被膜液付与特性を調整することで、被膜液が、実質的に、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きくなるように基板表面に付与されるような場合も本発明に含まれるものである。
【0065】
また、本実施の形態においては、ノズル220を用いた場合、被膜液付与期間を、被膜液の付与開始後、基板1が約1回転〜2回転する間として説明したが、これに限定されるものではない。即ち、所望の歩留まり性、膜厚形成が達成されるのであれば、これ以下の回転(例えば1/2回転)で被膜液の付与を停止するようにしても良い。また、歩留まり性を更に向上させたい場合には、2回転以上回転させてから被膜液の付与を停止しても良いものである。
【0066】
但し、本実施の形態のように、半径方向幅Lを略最内径位置から略最外径位置までの幅とした場合には、塗りムラを抑制して歩留まり性を良好としながら、被膜液の付与量を効果的に低減できる点からは、被膜液付与期間を、被膜液の付与開始後、基板1が約1回転〜2回転する間とすることが好ましい。
【0067】
そして、本実施の形態のように、被膜液が、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きくなるように付与される場合においても、被膜液付与中に、ディスペンサーアーム31を揺動中心軸34周りに揺動させ、回転する基板1の表面に渦巻状(螺旋状)に被膜液を付与するようにすることも可能である。
【0068】
また、本実施の形態では、被膜液付与時に、被膜液付与部200(ノズル220)は所定内周位置Bに固定し、基板1側を回転軸12周りに回転させるように説明したが、被膜液付与時において、被膜液付与部200(ノズル220)を回転軸12周りに回転させる、或いは回転軸12周りに基板1を回転させると共に被膜液付与部200も相対回転させるように構成することも可能である。
【0069】
更に、本実施の形態の図4においては、被膜液付与時に、ノズル220の半径方向幅Lの幅方向が、揺動中心軸34と基板1の回転中心とを結ぶ直線と略一致するような方向に配設されて説明されているが、これに限定されるものではなく、図7(A)に示すように、被膜液付与時に、ノズル220の半径方向幅L’の長手方向が、揺動中心軸34と基板1の回転中心軸12とを結ぶ直線と所定角度α(図で示す方向に対して逆向き、即ち、−αであっても良い)で交差するような方向に配設されることも可能である。
【0070】
加えて、図7(B)に示すように、ノズル220の基板1表面に対面する面の開口形状(開口面積)を、基板1の回転中心から離れるに連れて幅が狭く(開口面積が小さく)なるように形成することも可能である。このようにすると、比較的大きな遠心力を受ける基板1の外周側に付与される被膜液量を削減できるから、所定被膜厚さを良好に達成しつつ、更に、基板回転により基板1から離脱して(振り切られて)被膜液ドレイン部50へ排出される被膜液量を一層削減することが可能となる。
【0071】
この逆に、図7(C)に示すように、ノズル220の基板1表面に対面する面の開口形状(開口面積)を、基板1の回転中心に近づくに連れて幅が狭く(開口面積が小さく)なるように形成することも可能である。つまり、基板1の外周側は、基板1の一回転中に被膜液を付与する面積が、内周側に比べて物理的に大きいため、基板1の1回転中に付与する被膜液量は、所定膜厚を良好に形成するためには、基板1の外周側の方が、内周側に比べて多く必要となる。従って、このように構成すると、所定膜厚を達成するのに必要な被膜液量を、該当領域の被膜液付与面積に応じて適切に付与できることになるから、基板表面全体において略均等な膜厚をより一層形成し易くなる。
【0072】
即ち、達成すべき目的等に応じて、ノズル220の開口形状(開口面積)等は変更可能である。
【0073】
また、例えば、図8に示すように、ニードルノズルを複数半径方向に並べることによって、周方向幅Xに対して半径方向幅Lが相対的に大きくなるように被膜液を基板表面に付与するように構成することもできるものである。
【0074】
加えて、図9に示すように、ノズル220を周方向において異なる位置に複数配設することができ、これによれば、位置被膜液付与のための期間(時間)を効果的に短縮できると共に、歩留まり性良く基板表面に表面膜(層)を一層良好に形成することができることとなる。従って、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することが可能となる。
【0075】
ところで、図3(B)を参照して説明するが、被膜液を基板に付与する際のノズル220先端と基板表面との間の距離である色素付与高さ位置(被膜液付与高さ位置)Hは、例えば、約250μm程度に設定することができるが、基板表面の回転振れ等を考慮しつつ約100〜50μm程度に設定し、これにより基板表面上の被膜液厚を削減して被膜液付与量を一層削減することもできる。
【0076】
更に、基板表面の回転振れを一層低減できれば、或いはノズル220の先端と基板表面との間で被膜液に生じる圧力を所定に維持できるように前記回転振れを吸収することができれば(例えば、ノズル220を弾性的に支持する等)、一層被膜液付与高さを小さくして(例えば、最終的な膜厚である約0.2μm近傍の値)、ノズル220の先端と基板表面との間に所定圧を発生させつつ、ノズル220の先端で被膜液を基板表面に塗り付けて行くようにすることも可能である。これによれば、一層、被膜液付与量を削減できるため、より一層、短時間で歩留まり性良く基板表面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を促進することが可能となる。
【0077】
ところで、上記実施の形態では、スピンコート装置若しくは方法について説明したが、かかるスピンコート装置(方法)により表面膜を形成された板状体は、従来のスピンコート装置(方法)により表面膜を形成された板状体に比べ、板状体表面に形成される膜厚の均一化が一層促進されることになり、以て製品品質の向上が図れるのは勿論、膜厚の薄膜化を一層促進することができる(最小膜厚部分が平均膜厚側へ近づくため全体として薄膜化を促進しても膜厚不良の発生を抑制できることになる)。
【0078】
なお、上記実施の形態では、板状体表面(裏面も含む)に記録層を形成する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、光ディスクのUV保護層や、ウェハーのレジスト層等の形成等にも適用できるものである。即ち、本発明は、板状体表面に被膜液を、滴下、吐出、噴射、塗布等により付着させて表面層(膜)を形成する場合に適用できるものである。
【0079】
また、上記実施の形態では、円形の板状体を例として説明しているが、板状体は、これに限定されるものではなく、他の形状(四角、三角等)の板状体にも本発明は適用できるものである。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板状体表面に付与される被膜液の板状体周方向幅に対して半径方向幅が相対的に大きくなるように、被膜液を板状体に付与(滴下、吐出、噴射、塗布等)するため、被膜液の塗りムラ等を抑制でき歩留まり性等を向上させることができ、以て従来のスピンコート装置に比べて付与する被膜液量を大幅に低減できると共に短時間で被膜液の付与を終了できることになる。そして、板状体に付与される被膜液量を低減できるので、板状体回転の遠心力で振り切るべき被膜液量を低減でき、尚且つ、余剰被膜液の板状体からの振り切り時間も短縮できることになる。更に、塗りムラ等の抑制により、膜厚が略均一化された良好な薄膜形成のために必要な板状体回転時間や板状体回転速度等を低減できることにもなる。
【0081】
従って、本発明は、従来に対して、より一層、短時間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜(層)を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜(層)形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することができる。
【0082】
なお、前記半径方向幅が、板状体の被膜液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置まで延びるようにすれば、板状体表面に被膜液を付与する際に、板状体と被膜液付与部とを相対的に少なくとも1回転させれば、板状体表面全体に被膜液を付与することができるため、短時間で歩留まり性良く板状体表面に表面膜を良好に形成することができ、尚且つ、製品品質の向上、被膜液付与時間、表面膜形成時間延いては製造時間の削減、更には製造・製品コストの低減等を一層促進することができる。
【0083】
また、前記半径方向幅及び前記周方向幅が、前記被膜液付与部の被膜液を付与するための開口部の形状若しくは開口面積により調整されるようにすれば、比較的簡単かつ安価な構成により、所定に板状体表面に被膜液を付与することが可能となる。なお、前記開口部の半径方向幅が、板状体の被膜液を付与すべき領域の略最内径位置から略最外径位置まで延びており、前記開口部の周方向幅が、0.02mm〜0.1mmの間に調整されることができる。
【0084】
請求項9に記載の発明によれば、従来の装置又は方法により表面膜を形成された板状体に比べ、板状体表面に形成される膜厚の均一化が一層促進されることになる。従って、製品品質の向上が図れるのは勿論、膜厚の薄膜化を一層促進することができ、以て、一層、量産性の向上等に寄与する板状体を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態に係るスピンコート装置(表面膜形成装置)の概略構成を説明するための縦断面図である。
【図2】図1のスピンコート装置の被膜液付与部の部分的に断面図を含む拡大図である。
【図3】(A)は、図1のスピンコート装置の被膜液付与部を更に拡大した拡大図である。(B)は、(A)の側面図である。
【図4】図1のスピンコート装置の一部を上方から見た上面図である。
【図5】図1のスピンコート装置全体の概略を示す斜視図である。
【図6】同上実施の形態に係るスピンコート処理の一例を説明するマップ(タイムチャート、タイムスケジュール)である。
【図7】(A)、(B)、(C)は、それぞれ、同上実施の形態に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズル)の例を示す図である。
【図8】(A)、(B)は、それぞれ、同上実施の形態に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズル)の他の例を示す図である。
【図9】(A)、(B)は、それぞれ、同上実施の形態に係るスピンコート装置の被膜液付与部(ノズル)の更に別の例を示す図である。
【図10】従来のスピンコート装置の概略構成の一例を説明するための縦断面図である。
【図11】図10のスピンコート装置の一部を上方から見た上面図である。
【図12】従来のスピンコート処理の一例を説明するマップである。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート基板(基板、ディスク)
10 回転駆動部(スピンナー部)
11 ターンテーブル
30 ディスペンサーアーム部
40 スピンナーハウス部
50 被膜液ドレイン部50
200 被膜液付与部(ディスペンサー部)
220 開口部(ノズル)
L 半径方向幅
X 周方向幅
H 被膜液付与高さ

Claims (9)

  1. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成装置であって、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きいと共に、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差していることを特徴とする板状体表面膜形成装置。
  2. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成装置であって、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きいと共に、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されることを特徴とする板状体表面膜形成装置。
  3. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成装置であって、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きく、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差していると共に、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されることを特徴とする板状体表面膜形成装置。
  4. 前記半径方向幅及び前記周方向幅が、前記被膜液付与部の被膜液を付与するための開口部の形状若しくは開口面積により調整されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の板状体表面膜形成装置。
  5. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成方法であって、
    板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きくなるように、前記被膜液付与部により板状体表面に被膜液を付与し、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差するようにしたことを特徴とする板状体表面膜形成方法。
  6. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成方法であって、
    板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きくなるように、前記被膜液付与部により板状体表面に被膜液を付与し、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されるようにしたことを特徴とする板状体表面膜形成方法。
  7. 回転中の板状体表面に、被膜液付与部を介して被膜液を付与し、該板状体表面上に付与された被膜液を板状体回転による遠心力を利用して所定膜厚に制御しつつ、前記板状体表面に表面膜を形成する板状体表面膜形成方法であって、
    板状体半径方向における半径方向幅が、板状体周方向における周方向幅より大きくなるように、前記被膜液付与部により板状体表面に被膜液を付与し、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液の長手方向における中心軸が、板状体半径方向に対して所定角度で交差するようにすると共に、
    前記被膜液付与部により板状体表面に付与される被膜液が、板状体の最外径位置に近いほど少なく付与されるようにしたことを特徴とする板状体表面膜形成方法。
  8. 前記被膜液付与部の被膜液を付与するための開口部の形状若しくは開口面積が所定に調整されており、該調整された開口部を介して、板状体表面に被膜液を付与することを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか1つに記載の板状体表面膜形成方法。
  9. 請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の板状体表面膜形成装置、又は請求項5〜請求項8の何れか1つに記載の板状体表面膜形成方法により、表面膜を形成されたことを特徴とする板状体。
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