JP2001176724A - 磁性材料、磁気ヘッド及びその製造方法、並びに磁気記録再生装置 - Google Patents

磁性材料、磁気ヘッド及びその製造方法、並びに磁気記録再生装置

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JP2001176724A
JP2001176724A JP2000306367A JP2000306367A JP2001176724A JP 2001176724 A JP2001176724 A JP 2001176724A JP 2000306367 A JP2000306367 A JP 2000306367A JP 2000306367 A JP2000306367 A JP 2000306367A JP 2001176724 A JP2001176724 A JP 2001176724A
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Mikiko Saito
美紀子 斎藤
Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
Tsutomu Ishi
勉 石
Hiroaki Honjo
弘明 本庄
Tamaki Toba
環 鳥羽
Shinsaku Saito
信作 斉藤
Yoshihiro Nonaka
義弘 野中
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NEC Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/14708Fe-Ni based alloys

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い飽和磁束密度及び良好な軟磁気特性に加
え優れた耐蝕性を有する磁性材料を提供する。 【解決手段】 磁性材料は、CoNiFeX(XはC
r,Ti,V,Ru,Rh,Pd,Os,Ir及びPt
の中から選択される少なくとも1種類の元素)を主成分
とする。そして、Co、Ni、Fe、Xの重量成分比を
それぞれa、b、c、dとしたとき、40%≦a≦75
%、5%≦b≦20%、10%≦c≦30%、0%<d
≦10%となっている。このような組成のときに、高い
飽和磁束密度及び良好な軟磁気特性に加え優れた耐蝕性
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用磁気コアに
適した磁性材料、この磁性材料を用いた磁気ヘッド及び
その製造方法、並びにこの磁気ヘッドを用いた磁気記録
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置等の磁気記録再生装置
用の磁気ヘッドは、高密度な磁気記録を行うため、強く
かつ急峻な書き込み磁界を発生することが求められてい
る。書き込み磁界を強くするには、記録用磁気コアの磁
性材料が飽和磁束密度の高いものでなければならない。
また、この磁性材料は、書き込みコイルに電流を流すこ
とで容易に励磁される必要があるため、保磁力が小さく
透磁率の高いもの、すなわち優れた軟磁性特性を有する
ことが必要である。
【0003】従来よく用いられてきた記録用磁気コアの
磁性材料は、パ−マロイ(商標)と呼ばれるニッケル・
鉄合金膜のうち、磁歪定数が0に近いニッケル含有量が
82%程度の領域のものであった。この領域のパ−マロ
イを、以下「82パ−マロイ」と呼ぶ。82パ−マロイ
の飽和磁束密度は1[T]程度である。82パ−マロイ
よりも飽和磁束密度の高い磁性材料を用いれば、書き込
み磁界がより強くて急峻な磁気ヘッドを作ることができ
る。
【0004】高い飽和磁束密度を実現した磁性材料とし
て、例えば特開平2−68906号公報に、三元系めっ
きCoNiFe膜が開示されている。この三元系めっき
CoNiFe膜では、高い飽和磁束密度を得るために、
Niの組成値をできる限り小さくすることが必要とされ
る。しかし、これとは逆に、良好な軟磁気特性(磁歪が
小さい等)を有するfcc結晶構造を得るためには、N
i濃度を高い値に設定しなければならなかった。このよ
うに、三元系めっきCoNiFe膜では、高い飽和磁束
密度と良好な軟磁気特性とを両立させることが困難であ
った。
【0005】これに対して、本発明者らの一部が発明者
となっている特開平11−74122号公報には、高い
飽和磁束密度と良好な軟磁気特性との両立を可能にする
三元系めっきCoNiFe膜が開示されている。この三
元系めっきCoNiFe膜は、サッカリン等の添加剤を
用いないで成膜することにより、Niの組成値が10
[wt%]前後であっても、2.0[T]以上の飽和磁
束密度を達成したものである。三元系めっきCoNiF
e膜(サッカリン添加なし)のfccとbccとの結晶
構造の境界ラインを図6、三元系めっきCoNiFe膜
(サッカリン添加あり)のfccとbccとの結晶構造
の境界ラインを図7にそれぞれ示す。これらの図面から
明らかなように、三元系めっきCoNiFe膜(サッカ
リン添加なし)は、三元系めっきCoNiFe膜(サッ
カリン添加あり)に比べて、fccとbccとの結晶構
造の境界ラインがNi組成の低い側へ大きくシフトして
いる。このように、三元系めっきCoNiFe膜の結晶
構造は、各元素の組成のみではなく、プロセス条件によ
っても調整できることがわかる。以上のとおり、特開平
11−74122号公報には、fcc結晶面を優先的に
配向させることで良好な軟磁気特性を得るとともに、
1.8〜2.0[T]の高い飽和磁束密度を有する磁性
材料が開示されている。なお、fccとは面心立方格
子、bccとは体心立方格子のことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】10ギガビット以上の
更に高い記録密度の磁気記録再生装置を実現するために
は、熱揺らぎのない4000エルステッド以上の高保磁
力を有する磁気媒体に対して記録及び再生を行うことが
必要とされる。この場合、記録用の磁気ヘッドに対して
も、従来以上に急峻な磁界勾配及び高い飽和磁束密度が
要求される。
【0007】しかしながら、上記特開平11−7412
2号公報に開示されている三元系めっきCoNiFe膜
でも、1.0[T]程度の飽和磁束密度のNiFeを下
地層として用いた場合には、4000エルステッド以上
の高保磁力の磁気媒体に十分な書き込みを行うことがで
きなかった。また、このNiFeの代わりに、三元系め
っきCoNiFe膜と同組成のCoNiFeを下地層と
して用いた場合には、軟磁気特性に必要な低保磁力が得
られない、耐蝕性が悪いために製造プロセス途中で溶解
する、などの問題が生じた。なお、下地層は、三元系め
っきCoNiFe膜形成時の電極として必要なものであ
り、めっき浴に対する耐蝕性が要求される。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、高い飽和磁束
密度及び良好な軟磁気特性に加え優れた耐蝕性を有する
磁性材料、この磁性材料を用いた磁気ヘッド及びその製
造方法、並びにこの磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁性材料
は、CoNiFeX(XはCr,Ti,V,Ru,R
h,Pd,Os,Ir及びPtの中から選択される少な
くとも1種類の元素)を主成分とする磁性材料であっ
て、Co、Ni、Fe、Xの重量成分比をそれぞれa、
b、c、dとしたとき、40%≦a≦75%、5%≦b
≦20%、10%≦c≦30%、0%<d≦10%であ
ることを特徴とするものである。当然のことながら、a
+b+c+d=100%である。このような組成のとき
に、高い飽和磁束密度及び良好な軟磁気特性に加え優れ
た耐蝕性が得られる。
【0010】また、X線回折によるbcc(110)の
ピ−ク強度がfcc(111)のピ−ク強度の0.1倍
以上かつ1.0倍以下であるもの、としてもよい。更
に、配向制御層上に設けてもよい。この配向制御層は、
Ta,Zr,Ti、Mo,Cr,V及びNiFeの中か
ら選択される少なくとも1種類からなるものとしてもよ
い。配向制御層の厚さは、10[nm]以上かつ100
[nm]以下としてもよい。これらの場合は、更に諸特
性が向上する。
【0011】本発明に係る磁気ヘッドは、記録ギャップ
層を挟んで一方の記録用磁気コアと他方の記録用磁気コ
アとが設けられ、これらの記録用磁気コアの間に絶縁層
により絶縁されたコイルが設けられ、コイルにより励磁
された記録用磁気コアの磁束が記録ギャップ層から漏れ
ることにより記録を行う磁気ヘッドにおいて、他方の記
録用磁気コアが第一の磁性層と第二の磁性層との積層か
らなり、第一の磁性層が本発明に係る磁性材料からな
り、第二の磁性層がCoNiFeを主成分とする磁性材
料からなることを特徴とするものである。第一の磁性層
が本発明に係る磁性材料からなるので、第一の磁性層を
下地層として第二の磁性層を電気めっき法で形成するこ
とにより、書き込み磁界が強くて急峻な磁気ヘッドを高
歩留まりで作ることができる。
【0012】また、第二の磁性層がCoNiFeを主成
分とする磁性層とNiFeを主成分とする磁性層との積
層からなり、CoNiFeを主成分とする磁性層が第一
の磁性層に近い側に設けられているものとしてもよい。
更に、対向する二枚の磁気シールド層間に磁気分離層を
介して磁気抵抗効果素子が設けられ、磁気シールド層の
一方が一方の記録用磁気コアとして兼用されるものとし
てもよい。
【0013】本発明に係る磁気ヘッドの製造方法は、本
発明に係る磁気ヘッドを製造する方法であって、第一の
磁性層(本発明に係る磁性材料からなる)が物理的気相
形成法により形成され、第二の磁性層が電気めっき法
(電着法ともいう)により形成されるものである。物理
的気相形成法とは、例えば蒸着やスパッタリング等であ
る。第一の磁性層を下地層として、第二の磁性層が電気
めっき法により形成される。
【0014】本発明に係る磁気記録再生装置は、本発明
に係る磁気ヘッドと、保磁力が4000エルステッド以
上かつ1平方インチ当りの記録密度が10ギガビット以
上である磁気媒体と、を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本実施形態の磁性材料は、CoN
iFeX(XはCr,Ti,V,Ru,Rh,Pd,O
s,Ir及びPtの中から選択される少なくとも1種類
の元素)を主成分とする。そして、Co、Ni、Fe、
Xの重量成分比をそれぞれa、b、c、dとしたとき、
40%≦a≦75%、5%≦b≦20%、10%≦c≦
30%、0%<d≦10%となっている。
【0016】粒径の小さい領域としてfccとbccと
の混晶又は混晶近傍のfcc領域において、Cr等の添
加剤を用いてCoNiFeの結晶構造を制御した。その
結果、X線回折によるピ−ク強度比fcc(200)/
fcc(111)<0.25であり、bcc(110)
のピ−ク強度がfcc(111)のピ−ク強度の0.1
倍以上かつ1.0倍以下となる領域において、保磁力及
び磁歪定数が小さくかつ2[T]以上の飽和磁束密度を
有する磁性材料が得られた。具体的には、保磁力が2
[Oe]以下及び磁歪定数が5×10-6以下と軟磁気特
性が良好であり、1.8〜2.0[T]と飽和磁束密度
の高い磁性材料が得られた。
【0017】また、優先的にfcc配向面となるTi、
NiFe等からなる配向制御層上に本実施形態の磁性材
料を設けることにより、CoNiFe膜のfcc配向が
更に優先され、良好な軟磁気特性となることがわかっ
た。この配向制御層の膜厚の下限値は、fcc配向膜と
して十分に機能すること、薄いほど急峻な磁界勾配が得
られることから、10[nm]とすることが好ましい。
この配向制御層の膜厚の上限値は、ギャップ値に影響を
与えない(他のギャップ構成材料による膜厚調整可能で
ある)大きさである必要性から、100[nm]とする
ことが好ましい。
【0018】図1[1]は、本実施形態の磁性材料にお
けるbcc(110)とfcc(111)とのピ−ク強
度比及び保持力HcのCr添加量依存性を示す図表であ
る。
【0019】この図から次のことが明らかになった。
.Cr添加量が増加するにつれて、bcc(110)
ピ−ク強度が小さくなるとともに、fcc(111)ピ
−ク強度が大きくなる。.Cr添加量が増加するにつ
れて、保磁力が小さくなる。.Tiのようなfcc配
向制御層を設けた場合においても、Cr添加量が増加す
るにつれて、bcc(110)ピ−ク強度に対するfc
c(111)ピ−ク強度が大きくなり、保持力も低減す
る。
【0020】図1[2]は、本実施形態の磁性材料にお
ける塩化ナトリウム溶液中の孔蝕電位のCr添加量依存
性を示す図表である。
【0021】この図から、Cr添加により、孔蝕電位が
貴電位にシフトするので、磁性材料の耐蝕効果が向上す
ることがわかった。なお、Cr添加量が増加するにつれ
て、飽和磁束密度は減少していく。例えばCrを10重
量%添加した場合には、飽和磁束密度は1.4[T]ま
で減少する。 このことから、本実施形態の磁性材料で
あるCo、Ni、Fe、Crの各重量成分比をa、b、
c、dとしたとき、40%≦a≦75%、5%≦b≦2
0%、10%≦c≦30%、0%<d≦10%の範囲で
あれば、従来例に比較し、その磁気特性の改善が得られ
ることを確認した。
【0022】また、Cr以外の添加材料Ti、V、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Ptにおいても、上記効
果を奏することを確認した。
【0023】図2は、本発明に係る磁気ヘッドの第一実
施形態を示す断面図である。以下、この図面に基づき説
明する。
【0024】図2は、磁気媒体と対抗する面であるエア
・ベアリング・サ−フェス(ABS)面と垂直な断面図
である。スライダとなる基体1は、アルミナとチタンカ
ーバイドとからなる複合セラミックである。この上に再
生機能を有するGMR(giant magnetoresistivity)ヘ
ッドが形成されている。GMRヘッドは、パタン化され
たCoZrTa膜からなる下シールド層2と、Niが8
0重量%程度のNiFe膜からなる上シールド層5と、
これらの間にあってアルミナからなる磁気分離層3を介
したGMR素子4とからなる。下シールド層2の厚さは
1[μm]、上シールド層5の厚さは3[μm]であ
る。また、下シールド層2と上シールド層5との間のギ
ャップは0.13[μm]である。GMRヘッド上に
は、めっきNiFeからなる上シールド層5が形成され
ている。なお、上シ−ルド層5は、ID(inductive)
ヘッドの記録用磁気コア6と同一である。
【0025】記録用磁気コア6上に、膜厚0.18[μ
m]のアルミナによる記録ギャップ7層が形成されてい
る。そして、記録ギャップ7層を介して存在する非磁性
絶縁体からなる絶縁層8によって、ゼロスロートハイト
が規定されている。また、絶縁層8上にCuめっき膜か
らなるコイル9が形成され、更に非磁性絶縁体からなる
絶縁層10によりコイル9が絶縁されている。非磁性絶
縁体は例えばフォトレジストである。
【0026】記録用磁気コア11は、第一の磁性層11
1及び第二の磁性層112からなる。第二の磁性層11
2は、下磁性層11D及び上磁性層11Uからなる。第
一の磁性層111は、本発明に係る磁性材料からなり、
下磁性層11Dである電解めっき膜の下地層として機能
する。第一の磁性層111は、rfマグネトロンスパッ
タリング法により形成され、膜厚10[nm]のTiの
配向制御層(図示せず)と、その上の膜厚100[n
m]のCoNiFeにCrを添加した磁性材料とからな
る。この磁性材料の組成は、65Co−10Ni−21
Fe−4Cr(wt%)である。
【0027】第一の磁性層111上に、サッカリンを含
まないめっき浴を用いて、飽和磁束密度Bsが2[T]
のCoNiFe膜からなる下磁性層11Dを形成した。
このときのめっき浴条件の一例を、図3[1]に示す。
下磁性層11Dの上に、同様のめっき法により、飽和磁
束密度Bsが1.6[T]のNiFe膜からなる上磁性
層11Uを形成した。下磁性層11Dの膜厚は0.55
[μm]、下磁性層11Dの組成はCoが65重量%、
Niが12重量%、Feが23重量%である。上磁性層
11Uの膜厚は3.0[μm]、上磁性層11Uの組成
はNiが45重量%、Feが55重量%である。
【0028】また、比較例の磁気ヘッドとして、第一の
磁性層111を82パ−マロイ膜、第二の磁性層112
をCoNiFe膜に置き換えたものを試作した。
【0029】本実施形態の磁気ヘッドによれば、電解め
っき膜の下地に高飽和磁束密度の材料を採用することに
より、従来の82パ−マロイ等のスパッタ下地材料を用
いた場合(比較例)に比べて、10%程度の飽和磁束密
度の増加が得られた。また、Cr等の添加剤を用いるこ
とによって、先に示したように下地材料の保持力が小さ
くなることにより、ノイズ等のリ−ドライト特性にも優
れていた。Ti,V,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,
Pt等を添加した場合においても、Crと同様に軟磁気
特性の優れた膜を形成することができた。またこれらの
添加剤は、良好な不動態膜等を形成しやすくすることか
ら、耐蝕性に優れた膜となり、その後の磁気ヘッド製造
工程の例えば下地除去プロセスに対しても、十分に効果
があることが確認された。
【0030】次に、本発明に係る磁気ヘッドの第二実施
形態を説明する。ただし、第一実施形態と同じことは説
明を省略する。本実施形態では、第一実施形態における
配向制御層のTiをTa,Zr,Ti、Mo,Cr,
V,NiFe等に置き換え、他は第一実施形態と同じに
した磁気ヘッドを作製した。この場合においても、第一
実施形態と同様に良好な軟磁気特性を示す膜が得られ、
この膜を用いた磁気ヘッドも良好なリ−ドライト特性を
示した。
【0031】次に、本発明に係る磁気ヘッドの第三実施
形態を説明する。ただし、第一実施形態と同じことは説
明を省略する。本実施形態では、第一実施形態における
下磁性層11Dを、図3[2]に示すめっき浴組成及び
めっき条件で形成したCoNiFeCr膜に置き換え、
他は第一実施形態と同じにした磁気ヘッドを作製した。
この下磁性層11Dの飽和磁束密度Bsは1.8〜2.
0[T]、組成はCoが65重量%、Niが10重量
%、Feが21重量%、Crが4重量%である。この場
合においても、第一実施形態と同様に良好な軟磁気特性
を示す膜が得られ、この膜を用いた磁気ヘッドも良好な
リ−ドライト特性を示した。
【0032】このように、下地に高飽和磁束密度の材料
を採用することにより、従来の82パ−マロイ等のスパ
ッタ下地材料を用いた場合(比較例)に比較し、10%
程度の飽和磁束密度の増加が得られた。また、Cr等の
添加剤を用いることによって、先に示したように、下地
材料の保持力が小さくなるのでノイズ等のリ−ドライト
特性にも優れるとともに、より耐蝕性にも優れた膜とな
った。Ti,V,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt
等を添加した場合においてもCrと同様に軟磁気特性の
優れた膜を形成することができた。また、下磁性層11
DにもCrを添加していることから、従来のCr添加の
ない膜に比べ、飽和磁束密度は低下するもののより耐蝕
性に優れた膜となったので、その後の磁気ヘッド製造工
程に十分に効果があることが確認された。
【0033】図4は、本発明に係る磁気ヘッドの外観斜
視図である。図5は、本発明に係る磁気ヘッドを搭載し
た磁気記録再生装置を示すブロック図である。以下、こ
れらの図面に基づき説明する。
【0034】図4に示すように、磁気ヘッド25は、ス
ライダ26、電極27、記録再生素子28が配置されて
いる。図5に磁気記録再生装置29が示されている。ス
ピンドルモータ30で回転する磁気媒体31の磁気記録
面に対向して、磁気ヘッド25がサスペンション33及
びアーム34により取り付けられている。磁気ヘッド2
5は、ヴォイスコイルモータ(VCM)35で磁気媒体
31上をトラッキングされる。磁記録再生動作は、磁気
ヘッド25への記録再生チャネル36からの信号により
行われる。記録再生チャネル36、磁気ヘッド25の位
置決めを行うVCM35、及び磁気媒体31を回転させ
るスピンドルモータ30は、それぞれ制御ユニット37
によって制御される。
【0035】以上の構成において、磁気媒体31の保磁
力を4000[Oe]以上、磁気媒体31と磁気ヘッド
25との磁気間隙を35[nm]とすることによって、
およそ10ギガビット/平方インチ又はそれ以上の記録
密度を有する磁気記録再生装置29が実現される。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁性
材料によれば、CoNiFeにCr等を添加し、これら
の組成比を適切な範囲とすることにより、高い飽和磁束
密度及び良好な軟磁気特性に加え優れた耐蝕性を得るこ
とができる。例えば、1.8〜2.0[T]の高い飽和
磁束密度と保磁力2.5[Oe]以下の優れた軟磁気特
性とを兼ね備えた磁性材料を得ることができる。また、
本発明に係る磁気ヘッドによれば、本発明に係る磁性材
料を用いたことにより、急峻な磁界勾配及び大きな磁界
を出力可能なIDヘッドを得ることができる。また、本
発明に係る磁気ヘッドと高保磁力の磁気媒体とを組み合
わせることにより、1平方インチ当りの記録密度が10
ギガビット以上の磁気記録再生装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る磁性材料の一実施形態を
示し、図1[1]はbcc(110)とfcc(11
1)とのピ−ク強度比及び保持力HcのCr添加量依存
性を示す図表であり、図1[2]は塩化ナトリウム溶液
中の孔蝕電位のCr添加量依存性を示す図表である。
【図2】 本発明に係る磁気ヘッドの第一実施形態を示
す断面図である。
【図3】 本発明に係る磁気ヘッドの各実施形態におけ
るめっき浴組成及びめっき条件を示す図表であり、図3
[1]は第一実施形態、図3[2]は第三実施形態であ
る。
【図4】 本発明に係る磁気ヘッドの外観斜視図であ
る。
【図5】 本発明に係る磁気ヘッドを搭載した磁気記録
再生装置を示すブロック図である。
【図6】 サッカリン添加剤のない場合における三元系
めっきCoNiFe膜の結晶相を示すグラフである。
【図7】 サッカリン添加剤のある場合における三元系
めっきCoNiFe膜の結晶相を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基体 2 下シ−ルド層(磁気シールド層) 3 磁気分離層 4 GMR素子(磁気抵抗効果素子) 5 上シールド層(磁気シールド層) 6 記録用磁気コア 7 記録ギャップ層 8,10 絶縁層 9 コイル 11 記録用磁気コア 111 第一の磁性層 112 第二の磁性層 11D 下磁性層 11U 上磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石 勉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 本庄 弘明 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 鳥羽 環 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 斉藤 信作 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 野中 義弘 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA03 BA08 BB43 CA01 CA06 DA03 DA04 DA31 5D034 BA02 BB09 DA07 5E049 AA04 AA09 BA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CoNiFeX(XはCr,Ti,V,
    Ru,Rh,Pd,Os,Ir及びPtの中から選択さ
    れる少なくとも1種類の元素)を主成分とする磁性材料
    であって、前記Co、前記Ni、前記Fe、前記Xの重
    量成分比をそれぞれa、b、c、dとしたとき、40%
    ≦a≦75%、5%≦b≦20%、10%≦c≦30
    %、0%<d≦10%であることを特徴とする磁性材
    料。
  2. 【請求項2】 X線回折によるbcc(110)のピ−
    ク強度がfcc(111)のピ−ク強度の0.1倍以上
    かつ1.0倍以下である、請求項1記載の磁性材料。
  3. 【請求項3】 配向制御層上に設けられた、請求項1又
    は2記載の磁性材料。
  4. 【請求項4】 前記配向制御層が、Ta,Zr,Ti、
    Mo,Cr,V及びNiFeの中から選択される少なく
    とも1種類からなる、請求項3記載の磁性材料。
  5. 【請求項5】 前記配向制御層の厚さが10[nm]以
    上かつ100[nm]以下である、請求項4記載の磁性
    材料。
  6. 【請求項6】 記録ギャップ層を挟んで一方の記録用磁
    気コアと他方の記録用磁気コアとが設けられ、これらの
    記録用磁気コアの間に絶縁層により絶縁されたコイルが
    設けられ、前記コイルにより励磁された前記記録用磁気
    コアの磁束が前記記録ギャップ層から漏れることにより
    記録を行う磁気ヘッドにおいて、前記他方の記録用磁気
    コアが第一の磁性層と第二の磁性層との積層からなり、
    前記第一の磁性層が請求項1,2,3,4又は5記載の
    磁性材料からなり、前記第二の磁性層がCoNiFeを
    主成分とする磁性材料からなることを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記第二の磁性層がCoNiFeを主成
    分とする磁性層とNiFeを主成分とする磁性層との積
    層からなり、CoNiFeを主成分とする磁性層が前記
    第一の磁性層に近い側に設けられている、請求項6記載
    の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 対向する二枚の磁気シールド層間に磁気
    分離層を介して磁気抵抗効果素子が設けられ、前記磁気
    シールド層の一方が前記一方の記録用磁気コアとして兼
    用される、請求項6又は7記載の磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項6,7又は8記載の磁気ヘッドを
    製造する方法であって、前記第一の磁性層が物理的気相
    形成法により形成され、前記第二の磁性層が電気めっき
    法により形成されることを特徴とする磁気ヘッドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項6,7又は8記載の磁気ヘッド
    と、保磁力が4000エルステッド以上かつ1平方イン
    チ当りの記録密度が10ギガビット以上である磁気媒体
    と、を備えた磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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EP3588517A4 (en) * 2017-02-24 2020-12-09 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology MAGNETIC MATERIAL AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF

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