JP2002093620A - 磁性薄膜とその製造方法及びそれを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装置 - Google Patents

磁性薄膜とその製造方法及びそれを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装置

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JP2002093620A JP2000283989A JP2000283989A JP2002093620A JP 2002093620 A JP2002093620 A JP 2002093620A JP 2000283989 A JP2000283989 A JP 2000283989A JP 2000283989 A JP2000283989 A JP 2000283989A JP 2002093620 A JP2002093620 A JP 2002093620A
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    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保磁力、磁歪定数が小さく、18000〜2
3000Gという高い飽和磁化を安定して得ることがで
きる磁性薄膜とその製造方法及びそれを用いた磁気ヘッ
ド並びに電解めっき装置を提供する。 【解決手段】 本発明の磁性薄膜は、Co−Ni−Fe
系合金からなる磁性薄膜の面心立方格子(200)面に
おける回折X線強度fcc(200)と面心立方格子
(111)面における回折X線強度fcc(111)の
比fcc(200)/fcc(111)が0.25未
満、かつ、体心立方格子(110)面における回折X線
強度bcc(110)のピーク強度比が面心立方格子
(111)面における回折X線強度fcc(111)の
ピーク強度比に対して0.01〜3.0であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性薄膜とその製
造方法及びそれを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装
置に関し、特に、保磁力、磁歪定数が小さく、安定に1
8000〜23000Gという高い飽和磁化を有する磁
性薄膜とその製造方法及びそれを用いた磁気ヘッド並び
に電解めっき装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクに搭載させる磁気ヘッドに
おいては、磁気記憶媒体に対して高密度で書き込みを行
うために、ますます強くかつ急峻な書き込み磁界を発生
させる必要が生じている。例えば、再生用の磁気抵抗素
子と記録用のインダクテイブヘッド素子を備えた複合型
磁気ヘッドの場合、書き込み磁界を強くするためには、
前記インダクティブヘッド素子の上部磁性層、あるいは
上部磁性層と下部磁性層の材料を、飽和磁束密度の高い
磁性材料で構成する必要がある。
【0003】この磁性材料は、書き込みコイルに電流を
流すことで容易に励磁される必要があり、そのために
は、保磁力が小さく、かつ透磁率の高い磁性材料、すな
わち、優れた軟磁性特性を有する軟磁性材料である必要
がある。このインダクティブヘッド素子の上部磁性層及
び下部磁性層の磁性材料として従来よく用いられてきた
材料は、パ−マロイと称されるニッケル・鉄合金膜のう
ち、磁歪定数が0に近いニッケル含有量が82%程度の
領域の材料であった。この領域のパ−マロイを以下82
パ−マロイと称する。
【0004】この82パ−マロイの飽和磁束密度は10
000G程度であるが、これより飽和磁束密度の高い良
好な磁性材料を用いれば、書き込み磁界がより強くかつ
急峻な磁気ヘッドを作製することができる。その一例と
して、高い飽和磁束密度を実現するためにCo−Ni−
Fe系磁性薄膜等の3元系めっき膜を用いた磁気ヘッド
が提案されている(例えば、特開平2−68906号公
報参照)。
【0005】Co−Ni−Fe系磁性薄膜では、飽和磁
化(Bs)はNiの組成比により決定されるから、高い
飽和磁化(Bs)を得るためには、Niの組成値をでき
る限り小さくすることが必要とされる。一方、軟磁気特
性の良好(磁歪が小さい等)な特性を有するfcc結晶
構造を得るためには、Ni濃度を高い値に設定しなけれ
ばならない。したがって、このCo−Ni−Fe系磁性
薄膜では、これらの相反する特性を満足することは難し
い。
【0006】そこで、磁気ヘッド材料として用いる3元
系めっき膜であるCo−Ni−Fe系磁性薄膜を、体心
立方構造のγ層と面心立方構造のα層の混晶としたもの
が提案されている(特許第2821456号)。このC
o−Ni−Fe系磁性薄膜の飽和磁化は、2.0T以上
の特性を有するもので、Niの組成値を10wt%前後
とし、サッカリン等の添加剤を用いないことで、fcc
とbccの結晶構造の境界ラインを従来から報告されて
いるものと比べてNi組成の低い側にシフトさせたこと
を特徴としたものである。これにより、飽和磁化が高
く、保磁力が低く、かつ磁歪が小さい軟磁性の優れた磁
性膜が得られている。
【0007】また、従来より、サッカリン等の添加剤を
用いることで、fcc結晶面を優先的に配向させ、fc
c(200)のfcc(111)面に対する配向の度合
いを規定することにより、保磁力、磁歪定数の低減を図
った軟磁性薄膜が提案されている(例えば、特開平7−
3489号公報、特開平6−346202号公報等参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のCo
−Ni−Fe系磁性薄膜においては、Niの組成値が低
いところで保磁力及び磁歪定数が小さい値のものが得ら
れるものの、結晶構造が不安定なために、飽和磁化が1
8000〜23000Gという高い領域においては、安
定した飽和磁化を得ることが難しいという問題点があっ
た。この磁気記録の高密度化に際しては、高い記録能力
を安定に供給できる磁気ヘッドを提供することが重要な
点であり、この磁気ヘッドを実現するためには、高い記
録能力を有し、しかも特性が安定した磁性膜を開発する
ことが重要な点になる。
【0009】また、サッカリン等の添加剤を用いてfc
c結晶面を優先的に配向させる方法では、fcc結晶面
の結晶構造が安定したものとはならないために、高い飽
和磁化を安定して得ることができない。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、保磁力、磁歪定数が小さく、18000〜
23000Gという高い飽和磁化を安定して得ることが
できる磁性薄膜とその製造方法及びそれを用いた磁気ヘ
ッド並びに電解めっき装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、次のような知見を得た。Co−Ni−Fe系磁
性材料では、その組成のみならず結晶構造により、飽和
磁化、保磁力及び磁歪定数を制御することができる。例
えば、サッカリン等の添加剤を用いることなしに、優先
的にfcc結晶面に配向を施すように構造を規定するこ
とで、保磁力、磁歪定数が小さく、しかも飽和磁化が高
い磁性薄膜を得ることができる。換言すれば、飽和磁化
が安定して高いNi組成の低い組成領域において、保磁
力、磁歪定数の小さい値のものを得ることができる。
【0012】また、電気めっき法により磁性薄膜を形成
する場合、磁性薄膜の結晶構造がめっき条件により異な
ることが分かった。そこで、電気めっき法のめっき条件
を規定することにより、安定して高い飽和磁化を有する
磁性薄膜を形成することが可能になった。
【0013】本発明は、以上のような知見に基づいてな
されたもので、次のような磁性薄膜とその製造方法及び
それを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装置を提供す
る。すなわち、本発明の請求項1記載の磁性薄膜は、C
o−Ni−Fe系合金からなる磁性薄膜の面心立方格子
(200)面における回折X線強度fcc(200)と
面心立方格子(111)面における回折X線強度fcc
(111)の比fcc(200)/fcc(111)が
0.25未満、かつ、体心立方格子(110)面におけ
る回折X線強度bcc(110)のピーク強度比が面心
立方格子(111)面における回折X線強度fcc(1
11)のピーク強度比に対して0.01〜3.0である
ことを特徴とする。
【0014】請求項2記載の磁性薄膜は、請求項1記載
の磁性薄膜において、前記Co−Ni−Fe系合金は、
Coを40〜70重量%、Niを2〜20重量%、Fe
を15〜40重量%含むことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の磁性薄膜の製造方法は、め
っき法によりCo−Ni−Fe系合金からなる磁性薄膜
を形成する方法であって、Coイオン、Niイオン及び
Feイオンを含むめっき液を20℃以下に保持した状態
でめっきを行うことを特徴とする。
【0016】請求項4記載の磁性薄膜の製造方法は、請
求項3記載の磁性薄膜の製造方法において、前記めっき
は、15mA/cm2以上の電流密度にて行い、その
後、100〜250℃で熱処理を行うことを特徴とす
る。
【0017】請求項5記載の磁性薄膜の製造方法は、請
求項3または4記載の磁性薄膜の製造方法において、前
記めっき液は、Coイオンを0.05〜0.4mol/
l、Niイオンを0.03〜0.2mol/l、Feイ
オンを0.005〜0.05mol/l含むことを特徴
とする。
【0018】請求項6記載の磁気ヘッドは、請求項1ま
たは2記載の磁性薄膜を備えたことを特徴とする。
【0019】請求項7記載の磁気ヘッドは、再生用の磁
気抵抗効果素子と記録用のインダクテイブヘッド素子を
備え、該インダクテイブヘッド素子の上部磁極及び下部
磁極の少なくとも一部に、請求項1または2記載の磁性
薄膜を配置したことを特徴とする。
【0020】請求項8記載の磁気ヘッドは、請求項7記
載の磁気ヘッドにおいて、前記磁性薄膜の厚みは、0.
3〜2.0μmであることを特徴とする。
【0021】請求項9記載の電解めっき装置は、めっき
法によりCo−Ni−Fe系合金からなる磁性薄膜を形
成する電解めっき装置であって、Coイオン、Niイオ
ン及びFeイオンを含むめっき液を貯留するめっき槽
に、前記めっき液を20℃以下に冷却・保持する冷却機
構を設けたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の磁性薄膜とその製造方法
及びそれを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装置の各
実施の形態について図面に基づき説明する。
【0023】[第1の実施の形態]図1はめっき法によ
りCo−Ni−Fe系合金からなる磁性薄膜を形成した
磁気ヘッドを製造する際に用いられる本発明の第1の実
施の形態の電解めっき装置を示す概略構成図であり、図
において、符号1はCoイオン、Niイオン及びFeイ
オンを含むめっき液Lを貯留するめっき槽、2はめっき
槽1内のめっき液Lを20℃以下に冷却・保持する冷却
機構である。
【0024】この冷却機構2は、不凍液及び水を含む冷
却媒体Cを所定の温度(例えば、20℃、あるいはそれ
以下)に冷却する熱交換機3と、熱交換機3から送り出
された冷却媒体Cを用いてめっき槽1内のめっき液Lを
20℃以下に冷却・保持するテフロン(登録商標)チュ
−ブ4と、テフロンチュ−ブ4から送り出された冷却媒
体C’を一旦貯留し再度熱交換機3に搬送するリザーブ
タンク5と、冷却媒体C(C’)搬送用の配管6とから
構成されている。
【0025】この電解めっき装置では、めっき槽1の内
側に沿ってテフロンチュ−ブ4を這わせ、このテフロン
チューブ4内に不凍液及び水からなる冷却媒体Cを送り
込み、この冷却媒体Cによりめっき液Lを20℃以下に
冷却・保持する。このめっき槽1では、めっき液Lを図
示しないポンプを用いて循環させることにより、めっき
液Lの温度を一定に保持する。さらに、パドルめっき法
により、めっき膜形成面に常に新鮮なめっき液Lが供給
されるように、また、めっき膜形成面のPHが常に一定
となるように、めっきを行う。なお、めっき液L及びめ
っき槽1内側の温度が一定となるように循環速度は設定
される。
【0026】図2は本実施の形態の電解めっき装置を用
いて作製した磁性膜の結晶構造について調べた結果を示
すX線回折図形(チャート)である。ここでは、めっき
液の温度を20℃以下とし、めっき液の組成は次の通り
とした。 硫酸コバルト(CoSO4) 0.092 mol/l 硫酸ニッケル(NiSO4) 0.20 mol/l 塩化アンモニウム(NH4Cl) 0.28 mol/l ほう酸(H3BO3) 0.40 mol/l 硫酸第一鉄 (FeSO4) 0.0016 mol/l ラウリル酸ナトリウム 0.00035mol/l
【0027】また、めっきの際の条件としては、 電流密度 15.0mA/cm2 PH 2.7 とした。図2から明らかな通り、めっき液の温度を低く
していくとともに、bcc配向が支配的となっていくこ
とがわかる。
【0028】図3は、これらの膜の飽和磁化について調
べた結果を示す図であり、bcc(110)/fcc
(111)に対して飽和磁化Bsをプロットしたもので
ある。この図3から、bcc配向が大きくなるにつれて
飽和磁化(Bs)も大きくなることがわかった。このよ
うに、膜のbcc配向を大きくするプロセス条件として
は、めっき液の温度を低くすることが挙げられる。
【0029】通常、めっき工程では、めっき液の組成の
均一性、膜の成膜レ−トを上げる等のために、めっき液
の温度を室温以上に高く設定されている。図4は、Co
NiFeめっき液の温度と成膜レ−トとの関係について
調べた結果を示す図であり、調べた温度の範囲において
は、一様の成膜レ−トを示すことがわかった。また、面
内での膜組成の均一性については、通常用いている2イ
ンチサイズ以上の基板において均一であることが確認さ
れた。また、温度を変化させた場合には、結晶構造のみ
が変化することがわかった。
【0030】[第2の実施の形態]図5は本発明の第2
の実施の形態の磁気ヘッドを示す断面図であり、本発明
の磁性薄膜の製造方法及び電解めっき装置を用いて、絶
縁層上にスパッタ法等によりめっき下地を施した上に、
電解めっき法によりCo−Fe−Ni磁性薄膜を形成し
たものである。図において、符号11はスライダとなる
基体であり、アルミナ(Al23)とチタンカーバイド
(TiC)とからなる複合セラミックスである。この基
体11上には、再生機能を有するMRヘッドが形成され
ている。
【0031】このMRヘッドは、パタン化されたCoZ
rTa膜からなる下シールド12と、Niが80重量%
程度のNiFe膜からなる上シールド13と、これらの
間に形成されアルミナからなる磁気分離層14と、上シ
ールド13内に形成された磁気抵抗効果素子15とから
構成されている。この下シールド12の厚さは1μm、
上シールド13の厚さは3μmである。また、下シール
ド12と上シールド13の間のギャップは0.13μm
である。
【0032】この磁気抵抗効果素子15は、図6に示す
ように、記録媒体からの磁界を感磁する中央領域21
と、この中央領域21にバイアス磁界と電流とを供給す
る機能を有する端部領域22とから構成されている。こ
の中央領域21は一般にスピンバルブ効果と呼ばれるG
MR効果を有する積層構造体からなるもので、具体的に
は、下シールド12側から、下地Zr膜(膜厚3n
m)、PtMn膜(膜厚20nm)、CoFe膜(膜厚
2nm)、Cu膜(膜厚2.1nm)、CoFe膜(膜
厚0.5nm)、NiFe膜(膜厚2nm)、Zr膜
(膜厚3nm)が順次積層された積層構造体である。
【0033】ここで、中央領域21の幅は0.5μmで
あり、再生トラック幅を規定している。また、端部領域
22は、永久磁石膜としてのCoPt膜(膜厚20n
m)、電極膜としてのAu膜(膜厚50nm)からなる
積層構造である。このMRヘッド上には、上シールド1
3を第一の磁極として併用した記録機能を有するIDヘ
ッドが形成されている。この下部磁極を構成する上シ−
ルド13は、82パ−マロイと本発明のCoNiFe膜
の積層膜から構成されている。この下部磁極を構成する
上シ−ルド13上に、膜厚0.18μmのアルミナによ
る磁気ギャップ16を介して形成された非磁性絶縁体1
7によってゼロスロートハイトが規定される。
【0034】この非磁性絶縁体17はフォトレジストに
より構成されている。さらに、この非磁性絶縁体17上
には、Cuめっき膜からなるコイル18が形成され、こ
のコイル18は非磁性絶縁体19により絶縁されてい
る。この非磁性絶縁体19もフォトレジストにより構成
されている。以上の非磁性絶縁体19とコイル18とか
らなる構造体に乗り上げ、かつ、磁気媒体と対向するA
BSに露出した第二の磁極である上部磁極20が形成さ
れている。
【0035】この上部磁極20は、下地層となるスパッ
タによる82パ−マロイ膜20aと、この82パ−マロ
イ膜20a上に形成された本発明のBsが2TのCoN
iFe膜からなる磁極20bとから構成されている。こ
の上部磁極20の膜厚は1.0μmである。
【0036】ここで、下部磁極を構成する上シ−ルド1
3及び上部磁極20の形成方法について説明する。この
上シ−ルド13及び上部磁極20を、本発明の電解めっ
き法により作製した。なお、めっき液の組成は、上述し
た第1の実施の形態のめっき液と全く同様である。ここ
では、このめっき液を図1に示すめっき槽1に貯留し、
15時間以上の攪拌の後に冷却機構2を用いて15℃ま
で冷却し、その後、このめっき液Lをめっき槽1に循環
させ、パドル法を用いて磁気ヘッド作製用基板にCoN
iFe膜を形成した。このときのCoNiFe膜の組成
は、Co65重量%、Ni12重量%、Fe23重量%
であった。また、このCoNiFe膜の比抵抗ρは20
μΩcmであった。
【0037】この複合型の磁気ヘッドを用いて、磁気媒
体の保磁力を3500 Oe以上、磁気媒体と磁気ヘッ
ドの磁気間隙を35nmとすることによって、およそ1
0ギガビット/平方インチ、またはそれ以上の記録密度
を有する磁気記憶装置を実現することができた。
【0038】[第3の実施の形態]本実施の形態では、
上述した第2の実施の形態と同様に、磁気ヘッドの再生
部、記録部を作製した。ここでは、図5に示す下部磁極
を構成する上シ−ルド13及び上部磁極20を本発明の
磁性薄膜の製造方法及び電解めっき装置を用いて作製し
た。
【0039】ここでは、めっき液の組成は次の通りとし
た。 硫酸コバルト(CoSO4) 0.092 mol/l 硫酸ニッケル(NiSO4) 0.20 mol/l 塩化アンモニウム(NH4Cl) 0.28 mol/l ほう酸(H3BO3) 0.40 mol/l 硫酸第一鉄 (FeSO4) 0.0016 mol/l ラウリル酸ナトリウム 0.00035mol/l
【0040】また、めっきの際の条件としては、 電流密度 20.0mA/cm2 PH 2.7 とした。
【0041】次いで、このめっき液をめっき槽1に貯留
し、15時間以上の攪拌の後、めっき槽1を循環させ、
パドル法を用いて磁気ヘッド作製用基板にCoNiFe
膜を形成した。ここでは、室温にて20.0mA/cm
2の高い電流密度の条件でめっき膜を作製した。その後
100℃〜250℃の温度で熱処理を行い、磁極膜を形
成した。このときの磁極膜の組成は、Co65重量%、
Ni12重量%、Fe23重量%であり、また、この磁
極膜の比抵抗ρは20μΩcmであった。
【0042】本実施の形態の磁気ヘッドを用いることに
より、磁気媒体の保磁力を3500Oe以上、磁気媒体
と磁気ヘッドの磁気間隙を35nmとすることができ、
したがって、およそ10ギガビット/平方インチおよび
それ以上の記録密度を有する磁気記憶装置を実現するこ
とができた。
【0043】以上、本発明の磁性薄膜とその製造方法及
びそれを用いた磁気ヘッド並びに電解めっき装置の各実
施の形態について図面に基づき説明してきたが、具体的
な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
例えば、めっき液の組成等は、得るべき磁性薄膜の特性
に応じて、適宜変更可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の磁性薄膜に
よれば、Co−Ni−Fe系合金からなる磁性薄膜の面
心立方格子(200)面における回折X線強度fcc
(200)と面心立方格子(111)面における回折X
線強度fcc(111)の比fcc(200)/fcc
(111)が0.25未満、かつ、体心立方格子(11
0)面における回折X線強度bcc(110)のピーク
強度比が面心立方格子(111)面における回折X線強
度fcc(111)のピーク強度比に対して0.01〜
3.0としたので、18000〜23000Gという高
い飽和磁化を安定して得ることができ、したがって、高
い記録密度を有しかつ特性の安定した磁気記憶媒体を得
ることができる。
【0045】また、本発明の磁性薄膜の製造方法によれ
ば、Coイオン、Niイオン及びFeイオンを含むめっ
き液を20℃以下に保持した状態でめっきを行うので、
18000〜23000Gという高い飽和磁化を有する
磁性膜を安定して成膜することができる。したがって、
高いかつ安定した記録密度を有する磁気記憶装置を供給
することができる。
【0046】また、本発明の磁気ヘッドによれば、請求
項1または2記載の磁性薄膜を備えたので、18000
〜23000Gという高い飽和磁化を有する磁性薄膜を
備えた磁気ヘッドを安定して提供することができる。
【0047】また、本発明の電解めっき装置によれば、
Coイオン、Niイオン及びFeイオンを含むめっき液
を貯留するめっき槽に、前記めっき液を20℃以下に冷
却・保持する冷却機構を設けたので、18000〜23
000Gという高い飽和磁化を有する磁性薄膜を安定し
て形成することができる。したがって、高い飽和磁化を
有しかつ特性の安定した磁性薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の電解めっき装置
を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の磁性膜の結晶構
造を示すX線回折図形である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の磁性膜の結晶構
造と飽和磁化の関係を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態のCoNiFeめ
っき液の温度と成膜レ−トとの関係を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態の磁気ヘッドを示
す断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態の磁気ヘッドの要
部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 めっき槽 2 冷却機構 3 熱交換機 4 テフロンチュ−ブ 5 リザーブタンク 6 配管 11 基体 12 下シールド 13 上シールド 14 磁気分離層 15 磁気抵抗効果素子 16 磁気ギャップ 17 非磁性絶縁体 18 コイル 19 非磁性絶縁体 20 上部磁極 20a 82パ−マロイ膜 20b CoNiFe膜からなる磁極 21 中央領域 22 端部領域 C、C’ 冷却媒体 L めっき液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/31 G11B 5/31 K 5/39 5/39 H01F 41/26 H01F 41/26 Fターム(参考) 4K024 AA14 AA15 AA16 AB01 AB15 AB19 BA15 BB14 CA01 CA04 CA06 CB24 CB26 DB01 GA16 5D033 BA03 BA07 DA04 DA31 5D034 BA02 BB12 5E049 AA04 AA09 AC00 BA12 LC02 LC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co−Ni−Fe系合金からなる磁性薄
    膜の面心立方格子(200)面における回折X線強度f
    cc(200)と面心立方格子(111)面における回
    折X線強度fcc(111)の比fcc(200)/f
    cc(111)が0.25未満、かつ、体心立方格子
    (110)面における回折X線強度bcc(110)の
    ピーク強度比が面心立方格子(111)面における回折
    X線強度fcc(111)のピーク強度比に対して0.
    01〜3.0であることを特徴とする磁性薄膜。
  2. 【請求項2】 前記Co−Ni−Fe系合金は、Coを
    40〜70重量%、Niを2〜20重量%、Feを15
    〜40重量%含むことを特徴とする請求項1記載の磁性
    薄膜。
  3. 【請求項3】 めっき法によりCo−Ni−Fe系合金
    からなる磁性薄膜を形成する方法であって、 Coイオン、Niイオン及びFeイオンを含むめっき液
    を20℃以下に保持した状態でめっきを行うことを特徴
    とする磁性薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記めっきは、15mA/cm2以上の
    電流密度にて行い、その後、100〜250℃で熱処理
    を行うことを特徴とする請求項3記載の磁性薄膜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記めっき液は、Coイオンを0.05
    〜0.4mol/l、Niイオンを0.03〜0.2m
    ol/l、Feイオンを0.005〜0.05mol/
    l含むことを特徴とする請求項3または4記載の磁性薄
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の磁性薄膜を備え
    たことを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 再生用の磁気抵抗効果素子と記録用のイ
    ンダクテイブヘッド素子を備え、該インダクテイブヘッ
    ド素子の上部磁極及び下部磁極の少なくとも一部に、請
    求項1または2記載の磁性薄膜を配置したことを特徴と
    する磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁性薄膜の厚みは、0.3〜2.0
    μmであることを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 めっき法によりCo−Ni−Fe系合金
    からなる磁性薄膜を形成する電解めっき装置であって、 Coイオン、Niイオン及びFeイオンを含むめっき液
    を貯留するめっき槽に、前記めっき液を20℃以下に冷
    却・保持する冷却機構を設けたことを特徴とする電解め
    っき装置。
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