JP2001172883A - 布の染色方法 - Google Patents
布の染色方法Info
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Abstract
できるようにするとともに、自然の色によって新規な色
合いのものが出現できるようにする。 【解決手段】 水分含有率が80重量%〜85重量%、
鉄の含有率が乾燥状態で20重量%〜25重量%の泥状
の土砂材に布を約1時間浸漬する第一浸漬工程と、第一
浸漬工程後に木材を煮出して得られた染色液に加熱しな
がら布を約1時間30分浸漬する第二浸漬工程と、第二
浸漬工程後に布を水洗いする水洗工程と、水洗工程後に
布を乾燥する乾燥工程とを備えて構成した。
Description
り、特に、土砂材と植物を煮出して得られた染色液とを
用いて染色する布の染色方法に関する。
染が知られている。これは、植物としての草,花や木を
煮ることにより植物の色素成分を抽出して染色液を作成
し、この染色液に布を浸漬して染色し、その後、媒染液
で色を定着させるようにしている。この草木染におい
て、媒染剤としては、例えば、水溶性金属塩類に属する
物質を用いている。
を用いる従来の布の染色方法にあっては、植物の色素成
分を抽出しているので、この点では自然の色を表出でき
るが、媒染剤として水溶性金属塩類に属する物質を用い
る場合、人工的な媒染液になることから、自然の色が損
なわれてしまうということがあり、そのため、本願発明
者は、これを使用しないですべて自然物を用いて染色す
ることを研究してきた。また色合いについても、より新
しい色合いのものの出現が望まれているという実情もあ
る。
で、植物の色素成分を自然物を利用して布に定着できる
ようにするとともに、自然の色によって新規な色合いの
ものが出現できるようにした布の染色方法を提供するこ
とを目的とする。
るため、本発明の布の染色方法は、鉄分及び水分を含む
土砂材に布を浸漬する第一浸漬工程と、第一浸漬工程後
に植物を煮出して得られた染色液に布を浸漬する第二浸
漬工程と、第二浸漬工程後に布を水洗いする水洗工程
と、水洗工程後に布を乾燥する乾燥工程とを備えた構成
としている。これにより、第一浸漬工程においては、布
に土砂材の鉄分が染み込まれる。次に、第二浸漬工程に
おいては、布に染み込まれた鉄分が染料と反応して色が
布に固定させられる。これにより、木に係る色素と鉄分
に係る色素とが相まって、独特の色調が表出し、より新
しい色合いのものが出現する。水洗工程では、不要な染
色液が除かれ、乾燥工程を経て、製品となる。
おいて、上記土砂材を、鉄分を含んだ泥状にした構成と
した。鉄としては、例えば、主に酸化鉄(Fe2 O3 )
の形態を取り、泥の色が赤褐色乃至褐色の所謂赤錆色を
呈するものが用いられる。鉄は自然に存在しているた
め、別途、媒染剤として水溶性金属塩類に属する人工的
な物質等の媒染液を用いることなく、媒染することがで
きる。また、必要に応じ、上記土砂材の水分含有率を6
0重量%〜90重量%にした構成とした。泥状になるの
で布を浸漬させ易く、鉄分を布に着接し易くなる。この
場合、上記土砂材の水分含有率を80重量%〜85重量
%にすることが望ましい。泥に布をなじませ易く、より
一層鉄分を布に着接し易くなる。
有率を、乾燥状態で15重量%〜30重量%にした構成
とした。泥の成分であるケイ酸等の他の成分との比較に
おいては比較的鉄分の含有率が高く、そのため、鉄分が
布に万遍なく確実に付着させられ、自然の材料で染色効
果を得ることができる。この場合、上記土砂材の鉄の含
有率を、乾燥状態で20重量%〜25重量%にすること
が望ましい。
において、木材を煮出して得られた染色液を加熱しなが
ら布を浸漬する構成とした。これにより、自然物の木材
の持つ色素成分を抽出して染色液を作成し、媒染された
布に固定させることができる。そして、必要に応じ、上
記木材を桑の木とした構成とした。この場合、布を黄色
に染め上げる。また、必要に応じ、上記木材を桜の木と
した構成とした。この場合、布を赤味を帯びた色合いに
染め上げる。そしてまた、必要に応じ、上記木材を槐の
木とした構成とした。この場合、桑の木の場合とは異な
った黄色に染め上げる。
の実施の形態に係る布の染色方法について説明する。本
発明の実施の形態に係る布の染色方法の基本的工程は、
図1に示すように、鉄分及び水分を含む土砂材に布を浸
漬する第一浸漬工程と、第一浸漬工程後に植物を煮出し
て得られた染色液に布を浸漬する第二浸漬工程と、第二
浸漬工程後に布を水洗いする水洗工程と、水洗工程後に
布を乾燥する乾燥工程とを備えて構成されている。以
下、各工程について詳細に説明する。
した。例えば、砂鉄が豊富に含まれ地下水とともに湧き
出る泥状の泥砂等が用いられる。この土砂材は、その水
分含有率が80重量%〜85重量%で、鉄の含有率が乾
燥状態で20重量%〜25重量%である。実施例とし
て、土砂材は、例えば、水分含有率が80重量%で、鉄
の含有率が乾燥状態で23重量%のものを用いる。鉄
は、主に酸化鉄(Fe2 O3 )の形態を取り、泥の色は
赤褐色を呈する。鉄(Fe)以外の他の主成分は、S
i,Al,Ca等である。自然界において土の中などに
含有される鉄は、酸化鉄の状態で自然に存在しているた
め、これを用いることにより、人工的な媒染液を用いる
ことなく、媒染することができる。そして、この土砂材
に布を1時間入れて浸漬する(加熱はしない)。泥を練
るように攪拌しながら行なっても良い。これにより、布
に鉄分が染み込まれる。
材のチップを約200gほど入れて、木材のチップを1
時間程煮出した液とする。ここで、用いる木材のチップ
は、例えば、桑の木からのチップ、桜の木からのチッ
プ、槐の木からのチップがある。これを、1種類もしく
は2種類以上を混ぜ合わせて煮出しても良い。また、木
材は、木製品の製造において大量に出る木屑で今まで廃
棄されていた木屑を用いても良い。この場合、木製品の
製造においては、大量の木屑が出るので、その有効利用
が図られる。次に、上記の泥状の土砂材から布を取出
し、その後、この布を染色液に約1時間30分、弱火で
加熱しながら浸漬する。この工程においては、布に染み
込まれた鉄分が染料と反応し、色が布に固定させられ
る。これにより、木に係る色素と鉄分に係る色素とが相
まって、独特の奥深く複雑な色調が表出し、より新しい
色合いのものが出現する。また、この場合、鉄分の染み
込み度合いを、例えば、絞り等を用いて生地の部分によ
って異なるようにすれば、染料の定着にムラができ、そ
のため、染色に濃淡ができた複雑な模様が出現させら
れ、今までにない、斬新な模様が付されることになる。
屑等を水で落として水洗いする。これにより、不要な染
色液が除かれ、布に色が付されたことがわかる。
木材を、桑の木とした場合には、黄色に染め上がり、木
材を桜の木とした場合には、赤味を帯びた色合いに染め
上がり、木材を槐の木とした場合には、桑の木の場合と
は異なった黄色に染め上がる。また、布と鉄分との接触
の度合いにより、染料の定着に変化が出るので、染色に
濃淡ができた複雑な模様が出現させられており、今まで
にない、斬新な模様が付されることになる。更に、鉄分
が地下水とともに湧き出ている泥水を用いれば、この泥
水と混ぜ合わせて染め上げた新しい染色手法による染め
物となるとともに、資源の有効活用が図られる。木と鉄
分の異質の染色材料の混ぜ合わせによって、独特の奥深
く複雑な色調の中にも優しさが醸し出されており、また
人の肌にも優しいものとなる。
の木、桜の木、槐の木を用いたが、必ずしもこれに限定
されず、種々の植物の木材を用いて良い。また、上記実
施の形態において、各浸漬工程において布を浸漬した
が、このときに、予め布の一部を絞ってから土砂材に浸
漬して、その後、染色液に浸漬したりしてもよく、この
場合には布に絞り模様をつけることができる。
方法によれば、鉄分及び水分を含む土砂材に布を浸漬す
る第一浸漬工程と、第一浸漬工程後に植物を煮出して得
られた染色液に布を浸漬する第二浸漬工程と、第二浸漬
工程後に布を水洗いする水洗工程と、水洗工程後に布を
乾燥する乾燥工程とを備えたので、人工的な媒染液を用
いることなく、植物の色素成分を染色させることがで
き、すべて自然物を用いて染色することができる。また
色合いも、より新しい色合いのものを出現させることが
できる。即ち、植物と鉄分及び水分を含んだ土砂材との
異質の染色材料を用いることによって、独特の色調の染
め物を作ることができる。
を、鉄分を含んだ泥状にした場合には、主に酸化鉄を主
成分とする状態で自然に存在しているため、人工的な媒
染液を用いることなく、媒染することができる。また、
泥状になるので布を浸漬させ易く、鉄分を布に着接し易
くなる。また、土砂材の水分含有率を60重量%〜90
重量%にした場合には、別途、媒染剤として水溶性金属
塩類に属する人工的な物質等の媒染液を用いることな
く、媒染することができ、泥状になるので布を浸漬させ
易く、鉄分を布に着接し易くなる。この場合、土砂材の
水分含有率を80重量%〜85重量%にすれば、泥に布
をなじませ易くなり、より一層鉄分を布に着接し易くな
る。
で15重量%〜30重量%にした場合には、泥の成分で
あるケイ酸等の他の成分との比較においては比較的鉄分
の含有率が高く、そのため、鉄分が布に万遍なく確実に
付着させられ、自然の材料で染色効果を得ることができ
る。そしてまた、土砂材の鉄の含有率を、乾燥状態で2
0重量%〜25重量%にすれば、より一層鉄分が布に万
遍なく確実に付着させられる。
材を煮出した液としている場合には、木の持つ色素を布
に定着させることができる。更にまた、第二浸漬工程に
おいて、木材を煮出して得られた染色液を加熱しながら
布を浸漬する場合には、加熱するので、自然物の木材の
持つ色素成分がより一層抽出されて、媒染された布によ
り強く固定させることができる。
色に染め上げることができ、木材を桜の木とした場合に
は、赤味を帯びた色合いに染め上げることができ、木材
を槐の木とした場合には、桑の木の場合とは異なった黄
色に染め上げることができる。
工程図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 鉄分及び水分を含む土砂材に布を浸漬す
る第一浸漬工程と、第一浸漬工程後に植物を煮出して得
られた染色液に布を浸漬する第二浸漬工程と、第二浸漬
工程後に布を水洗いする水洗工程と、水洗工程後に布を
乾燥する乾燥工程とを備えたことを特徴とする布の染色
方法。 - 【請求項2】 上記第一浸漬工程において、上記土砂材
を、鉄分を含んだ泥状にしたことを特徴とする請求項1
記載の布の染色方法。 - 【請求項3】 上記土砂材の水分含有率を60重量%〜
90重量%にしたことを特徴とする請求項2記載の布の
染色方法。 - 【請求項4】 上記土砂材の水分含有率を80重量%〜
85重量%にしたことを特徴とする請求項2記載の布の
染色方法。 - 【請求項5】 上記土砂材の鉄の含有率を、乾燥状態で
15重量%〜30重量%にしたことを特徴とする請求項
2,3または4記載の布の染色方法。 - 【請求項6】 上記土砂材の鉄の含有率を、乾燥状態で
20重量%〜25重量%にしたことを特徴とする請求項
2,3または4記載の布の染色方法。 - 【請求項7】 上記第二浸漬工程において、上記染色液
を木材を煮出した液で構成したことを特徴とする請求項
1,2,3,4,5または6記載の布の染色方法。 - 【請求項8】 上記第二浸漬工程において、木材を煮出
して得られた染色液を加熱しながら布を浸漬することを
特徴とする請求項7記載の布の染色方法。 - 【請求項9】 上記木材を、桑の木,桜の木,槐の木の
少なくともいずれか1つの木で構成したことを特徴とす
る請求項7または8記載の布の染色方法。
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JP35472999A JP3432192B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | 布の染色方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010106287A (ko) * | 2001-07-23 | 2001-11-29 | 김현덕 | 색토염색과 식물염색을 결합한 천연 염색방법 및 그염색된 천연직물 |
KR20030043381A (ko) * | 2001-11-28 | 2003-06-02 | 주식회사 칼라 | 색토염료와 식물염료가 결합된 천연 혼합염료 및 그 제조방법 |
CN103757942A (zh) * | 2014-01-03 | 2014-04-30 | 蒋立宪 | 一种校服面料无害化染色的方法 |
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-
1999
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