JP3534719B2 - 捺染模様を有する大島紬の製造方法 - Google Patents
捺染模様を有する大島紬の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、捺染模様を有する
大島紬の製造方法に関する。
大島紬の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の大島紬は、先染めした糸を、所望
の柄に織り上げたものであり、一般に、生地染めは不可
能とされていた。これは、大島紬の糸が持つ油分を除去
しても、泥染めの泥成分が残っていたため、均一な染め
ができなかったからである。
の柄に織り上げたものであり、一般に、生地染めは不可
能とされていた。これは、大島紬の糸が持つ油分を除去
しても、泥染めの泥成分が残っていたため、均一な染め
ができなかったからである。
【0003】また、予め製織された生地に泥染めをする
ことも不可能とされていた。これは、泥染の泥を取り除
くために、生地を揉んだり、しごいたりすると、生地に
擦れや折れが生じて、非常に品質の悪いものとなり、実
用性ある製品を得ることができないからである。
ことも不可能とされていた。これは、泥染の泥を取り除
くために、生地を揉んだり、しごいたりすると、生地に
擦れや折れが生じて、非常に品質の悪いものとなり、実
用性ある製品を得ることができないからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白無地の大
島紬を、布帛の状態で後染め可能とし、捺染模様を有す
る大島紬を製造する方法を提供することを課題とする。
島紬を、布帛の状態で後染め可能とし、捺染模様を有す
る大島紬を製造する方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、白無地の大
島紬を、酵素を含有するアルカリ性浴で洗浄し、前記生
地に含まれていた泥成分を実質的に完全に除去した後、
捺染し、その後、捺染した部分に防染処理し、樹皮の煮
出液にて染め、中和後、泥染めした後、酵素を含有する
アルカリ性浴で洗浄することにより、捺染模様を有する
大島紬の製造を可能とした。
島紬を、酵素を含有するアルカリ性浴で洗浄し、前記生
地に含まれていた泥成分を実質的に完全に除去した後、
捺染し、その後、捺染した部分に防染処理し、樹皮の煮
出液にて染め、中和後、泥染めした後、酵素を含有する
アルカリ性浴で洗浄することにより、捺染模様を有する
大島紬の製造を可能とした。
【0006】即ち、本発明は、酵素を含むアルカリ性浴
で洗浄することで、大島紬に残存する泥成分を除去する
ことが可能であることを見いだし、達成されたものであ
り、前記酵素としては、タンパク質分解酵素を使用する
のが好ましい。
で洗浄することで、大島紬に残存する泥成分を除去する
ことが可能であることを見いだし、達成されたものであ
り、前記酵素としては、タンパク質分解酵素を使用する
のが好ましい。
【0007】酵素を含むアルカリ性浴で洗浄した白大島
は、友禅染、手描き捺染、スクリーン捺染またはその他
の捺染法で、均質な染色模様の付与が可能となる。ま
た、新たに大島紬特有の泥染め等を適用することも可能
とする。
は、友禅染、手描き捺染、スクリーン捺染またはその他
の捺染法で、均質な染色模様の付与が可能となる。ま
た、新たに大島紬特有の泥染め等を適用することも可能
とする。
【0008】本発明では、酵素を含むアルカリ性浴で洗
浄した白大島に、友禅染等を適用して、所望の染色柄を
設けた後、この染色柄に伏せ糊をするなどして防染した
状態で、テーチ木等の樹皮の煮出液にて、生地全体を染
色し、中和後、泥染めすることで、所望の捺染模様を有
する大島紬の製造を可能とするのであるが、テーチ木等
の樹皮の煮出液による染色、中和、泥染めは、通常の大
島の染色方法に従って実施すればよく、泥染め後、酵素
を含有するアルカリ性浴で洗浄して、伏せ糊及び泥等の
全く存在しない鮮明な染色品を得ることができる。
浄した白大島に、友禅染等を適用して、所望の染色柄を
設けた後、この染色柄に伏せ糊をするなどして防染した
状態で、テーチ木等の樹皮の煮出液にて、生地全体を染
色し、中和後、泥染めすることで、所望の捺染模様を有
する大島紬の製造を可能とするのであるが、テーチ木等
の樹皮の煮出液による染色、中和、泥染めは、通常の大
島の染色方法に従って実施すればよく、泥染め後、酵素
を含有するアルカリ性浴で洗浄して、伏せ糊及び泥等の
全く存在しない鮮明な染色品を得ることができる。
【0009】前記洗浄工程すなわち酵素を含むアルカリ
性浴の適用は、pH8〜13、特にpH9〜12程度
で、約40〜46℃程度の温度で実施するのが好まし
く、また、この洗浄工程は、生地を折り曲げたり、巻い
たりすることなく、平場の状態で実施するのがよい。生
地に折れや擦れが発生するとムラ染めの原因となる。
性浴の適用は、pH8〜13、特にpH9〜12程度
で、約40〜46℃程度の温度で実施するのが好まし
く、また、この洗浄工程は、生地を折り曲げたり、巻い
たりすることなく、平場の状態で実施するのがよい。生
地に折れや擦れが発生するとムラ染めの原因となる。
【0010】なお、本発明では、捺染の前又は後に、生
地に引き染めを施してもよく、その結果、後の泥染めに
よる染色の色調を種々に変化させることが可能となる。
例えば、ピンク色に引き染めしておくと、深みのあるサ
ーモンピンクの大島紬を得ることができ、またブルーで
引き染めしておくと、錆のかかった深みのある青味がか
った大島紬を得ることができる。また、かかる引き染め
には、種々の化学染料の適用が可能である。
地に引き染めを施してもよく、その結果、後の泥染めに
よる染色の色調を種々に変化させることが可能となる。
例えば、ピンク色に引き染めしておくと、深みのあるサ
ーモンピンクの大島紬を得ることができ、またブルーで
引き染めしておくと、錆のかかった深みのある青味がか
った大島紬を得ることができる。また、かかる引き染め
には、種々の化学染料の適用が可能である。
【0011】ただし、大島紬は糸が細く、生地が薄いた
め、濃度の高い色については、着色が非常に困難である
ので、引き染めをする際には、染料液に湿潤剤(浸透
剤)と尿素を入れて、実施するのが好ましい。これによ
り乾燥が遅くなり均染が可能となるのである。また、引
き染めの定着は、生地の表裏を不織布で覆い、巻き込
み、袋に入れた状態で蒸釜内につり下げて実施するのが
よい。
め、濃度の高い色については、着色が非常に困難である
ので、引き染めをする際には、染料液に湿潤剤(浸透
剤)と尿素を入れて、実施するのが好ましい。これによ
り乾燥が遅くなり均染が可能となるのである。また、引
き染めの定着は、生地の表裏を不織布で覆い、巻き込
み、袋に入れた状態で蒸釜内につり下げて実施するのが
よい。
【0012】この蒸釜は、染色布にほぼ均等な温度で蒸
気が当たるように設計するのが好ましい。例えば、内釜
に染色布を吊り下げ、蒸気が外釜と内釜の間を通り(内
釜の周囲を温め)、その後、内釜の上方開口部から内釜
に入るというようにするのがよい。
気が当たるように設計するのが好ましい。例えば、内釜
に染色布を吊り下げ、蒸気が外釜と内釜の間を通り(内
釜の周囲を温め)、その後、内釜の上方開口部から内釜
に入るというようにするのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を次に示す。
実施例1
白無地の大島紬を、平場の状態で、酵素(バクグロ)を
含有するアルカリ性浴(アンモニアでpH11に調整し
た浴)を42〜44℃に加熱したものに通し、洗浄し、
乾燥した後、浸透剤と尿素を含む染料液にて、引き染め
した。この染の定着は、生地の表裏を不織布で覆い、巻
き込み、袋に入れた状態で、約70℃の蒸気が循環する
条件下で蒸釜内に吊り下げるようにして、実施した。な
お、この時、袋に入れた染色布は、上下向きを変えて2
5分ずつ蒸した。次いで、この染色布帛に手描き友禅に
て捺染柄を設け、この捺染部分に伏せ糊をし、テーチ木
の煮出液による染色、石灰による中和をした後、泥染め
をした。泥染めは、泥の水性液に、生地を平場で数回通
すという方法で実施した。かかる泥染めで所望の色に染
色した後、生地を再び酵素を含有する約44℃のアルカ
リ性浴で洗浄して、鮮明な友禅染が存在する濃色の大島
紬を得た。この製品は、非常に風合いよく、ムックリし
た外観の深みのある色目の大島紬で、しかも、鮮明な捺
染模様を有するもので、従来全く予想されなかった高級
感あるものとなった。
含有するアルカリ性浴(アンモニアでpH11に調整し
た浴)を42〜44℃に加熱したものに通し、洗浄し、
乾燥した後、浸透剤と尿素を含む染料液にて、引き染め
した。この染の定着は、生地の表裏を不織布で覆い、巻
き込み、袋に入れた状態で、約70℃の蒸気が循環する
条件下で蒸釜内に吊り下げるようにして、実施した。な
お、この時、袋に入れた染色布は、上下向きを変えて2
5分ずつ蒸した。次いで、この染色布帛に手描き友禅に
て捺染柄を設け、この捺染部分に伏せ糊をし、テーチ木
の煮出液による染色、石灰による中和をした後、泥染め
をした。泥染めは、泥の水性液に、生地を平場で数回通
すという方法で実施した。かかる泥染めで所望の色に染
色した後、生地を再び酵素を含有する約44℃のアルカ
リ性浴で洗浄して、鮮明な友禅染が存在する濃色の大島
紬を得た。この製品は、非常に風合いよく、ムックリし
た外観の深みのある色目の大島紬で、しかも、鮮明な捺
染模様を有するもので、従来全く予想されなかった高級
感あるものとなった。
【0014】
【発明の効果】本発明では、美しい多色の捺染模様を有
する大島紬を得ることができる。またこの大島紬は、生
地の状態で泥染めされるため、非常に風合いよく、深み
のある高級感ある製品となる。
する大島紬を得ることができる。またこの大島紬は、生
地の状態で泥染めされるため、非常に風合いよく、深み
のある高級感ある製品となる。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
D06P 5/00 111 D06P 5/00 111Z
DBF DBF
5/08 5/08 Z
5/12 5/12 Z
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D06P 1/34
D06P 3/04
D06P 5/00 104
D06P 5/00 111
D06P 5/00 DBF
D06P 5/08
D06P 5/12
Claims (5)
- 【請求項1】 白無地の大島紬を、酵素を含有するアル
カリ性浴で洗浄し、前記生地に含まれていた泥成分を実
質的に完全に除去した後、所望の柄を捺染し、その後、
捺染した部分を防染処理し、樹皮の煮出液にて染め、中
和し、泥染めした後、酵素を含有するアルカリ性浴で洗
浄することを特徴とする捺染模様を有する大島紬の製造
方法。 - 【請求項2】 前記酵素がタンパク質分解酵素であるこ
とを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項3】 前記洗浄工程を、前記生地を平場の状態
で実施することを特徴とする請求項1又は2の方法。 - 【請求項4】 前記捺染の前又は後に、湿潤剤及び尿素
を含む染料液で引き染めを実施することを特徴とする請
求項1〜3いずれか1項の方法。 - 【請求項5】 前記引き染めの定着を、生地の表裏を不
織布で覆い、巻き込み、袋に入れた状態で蒸釜内につり
下げて実施することを特徴とする請求項1〜4いずれか
1項の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001188130A JP3534719B2 (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | 捺染模様を有する大島紬の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001188130A JP3534719B2 (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | 捺染模様を有する大島紬の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003003366A JP2003003366A (ja) | 2003-01-08 |
JP3534719B2 true JP3534719B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=19027297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001188130A Expired - Fee Related JP3534719B2 (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | 捺染模様を有する大島紬の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3534719B2 (ja) |
-
2001
- 2001-06-21 JP JP2001188130A patent/JP3534719B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003003366A (ja) | 2003-01-08 |
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Date | Code | Title | Description |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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