JP3082358U - 北山杉染による絹織物の染物 - Google Patents

北山杉染による絹織物の染物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色の濃淡がはっきりした模様の北山杉染の
絹織物を提供する。 【解決手段】 スカーフ等の絹織物1を、縦糸および横
糸の少なくとも一方に、予め増染処理した絹糸と増染処
理しない絹糸とを縞模様等を成すように交互に使用して
織り上げ、その絹織物を北山杉染により染めて前記増染
処理した絹糸を使用した部分2の発色を濃く、かつ、増
染処理しない絹糸を使用した部分3の発色を淡く染め
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、北山杉の葉を染色液の原料として用いた草木染(北山杉染)による 絹織物の染物に関する。
【0002】
【従来の技術】
古来、草木染の中でも杉染は平安時代に「麻杉染」という色が特定の身分の者 に用いられてきた。正倉院文書には「須岐染」という名で記録に残されている。 特に、京都北山地方の北山杉の葉は、草木染の原料にしたときの発色が黄・グレ ー・緑・茶・オレンジ・ピンクなど多彩で深みと気品があることから、伝統的に 草木染の材料として用いられてきた。近年は他の草木染や化学染料が主流となり 、杉染は一時衰退していたが、昭和64年ごろより本願考案者らが古来の杉染を 染を再現し更に研究して現在に至っている。
【0003】 このように、北山杉の葉を用いた草木染は北山杉染と呼ばれ、今日に伝承され ているが、その持ち味である発色の多様性と深みを出すために重ね染めすると、 発色がほぼ一様となり、現代的な濃淡の境界がはっきりした模様が得られないと いう問題があった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、発色の濃淡がは っきりした模様の北山杉染の絹織物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案の絹織物の染物は、増染剤により予め増染 処理した絹糸と増染処理しない絹糸とを使用して織り上げた絹織物であって、該 絹織物を草木染により染めて前記増染処理した絹糸を使用した部分は染めの発色 が濃く染まり、かつ、増染処理しない絹糸を使用した部分は染めの発色が淡く染 まるようにしたものである。 また、前記絹織物は、縦糸および横糸の少なくとも一方に、予め増染処理した 絹糸と増染処理しない絹糸とを縞模様等を成すように交互に使用して織り上げた ものである。 また、前記絹織物の染物は、北山杉の葉を染色液の原料として用いた草木染( 北山杉染)により染めたものである。 また、前記絹織物の染物は、絹織物のスカーフ又はストール又はハンカチ又は 風呂敷又はネクタイ又はブラウスを染めたものである。
【0006】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を、代表的な実施例に基づいて説明する。 本考案の北山杉染による絹織物の染物は、図1Aに示すように、 (イ)絹糸を増染処理する増染工程、 (ロ)前記増染処理した絹糸と増染処理しない絹糸とを用いて濃淡模様を成すよ うに絹織物に織り上げる織工程、 (ハ)前記絹織物を杉染液を用いて本染めする本染工程、 (ニ)前記本染めした絹織物を媒染液を用いて媒染する媒染工程、 以上の各工程を経て染められたものである。本考案の北山杉染による絹織物の染 物は、増染処理した絹糸と増染処理しない絹糸とを用いて濃淡模様を成すように 絹織物に織り上げた後に、本染め・媒染することにより、伝統的な草木染であり ながら例えば縞模様や格子模様の如く現代的な濃淡のはっきりとした模様に染め 上がるという作用効果が得られる。
【0007】 以下、前記各工程についてさらに詳しく説明する。 (イ)増染工程 本実施例では、絹糸1kgに対して増染剤(商品名:パラロン )50g・水20リットルを使用し、水を沸騰させた中へ増染剤を入れてよくか き混ぜ、その中へ絹糸を約30分間入れて更にかき混ぜる。このとき、よくかき 混ぜないと染め上がったときの発色の濃淡にムラができる。絹糸は、天然染料で ある北山杉染に相性が良く、染め上がりの美しさ・光沢・手触りともに優れたも のとなる。増染剤は、草木染において染め上がりの発色をより濃くするために用 いるものである。本工程は、織物に織る前の絹糸を染まり易いように予め処理( 増染処理)する工程であって、この段階ではまだ絹糸に色は着かない。
【0008】 (ロ)織工程 本実施例では、縦糸に増染処理をしない絹糸を使用し、横糸に増 染処理をした絹糸と増染処理をしない絹糸を使って織り上げる。図1Bに示すよ うに、横糸に増染処理をした絹糸と増染処理をしない絹糸を縞模様を成すように 約10cm間隔で交互に織り上げたスカーフ1は、本染工程・媒染工程を経て、 増染処理した絹糸を使用した部分2は発色が濃く、増染処理しない絹糸を使用し た部分3は発色が淡い、はっきりとした縞模様に染め上がる。本考案は前記10 cm間隔で縞模様の濃淡を成すように織り上げたもののみに限定されるものでは なく、希望する染め上がり模様に応じて、増染処理した絹糸と増染処理しない絹 糸を縦糸・横糸に使用して工夫して織り上げることができる。北山杉染をする絹 織物としては、スカーフをはじめストール、ハンカチ、風呂敷、ネクタイ、ブラ ウスなどが最適である。
【0009】 (ハ)本染工程 織り上げたスカーフ等の絹織物を杉染液に30分間浸しよくか き混ぜて、本染めする。このとき、よくかき混ぜないと染ムラができる。そして 、30分間浸した後に絹織物を手でおさえて絞る。このとき、ねじって絞ると濡 れた絹織物がよじれたり、染ムラができたりする。また、染める絹織物は、予め 熱湯(80℃)に10分間くらい浸して、布に付いている糊をよく落としておく ことが、発色を良くし染ムラを防ぐために重要である。 この工程で使用する杉染液は、3kgの北山杉の葉を5cm位の大きさに切り 、水30リットルと共にステンレスの鍋に入れて約5時間煮込み、煮込んだ液を 布で濾して北山杉の葉の残滓を取り除いた、いわゆる北山杉染(北山杉の葉によ る草木染)の染色液である。ステンレスの鍋を用いるのは、鍋の金属成分が発色 に影響する化学反応を引き起こさないためである。
【0010】 (ニ)媒染工程 前記本染めの後絞った絹織物を媒染液に約20〜30分間かき 混ぜながら浸し、その後よく水洗いする。媒染液は発色を促し定着させる作用を するものであって、媒染液の種類によって発色の色が異なる。例えば、樫の木や 椿の木を燃やして出来た灰約10gを水に溶かし全量を10リットルにして1週 間置き、澄ました灰汁を灰媒染液と呼び、朱色・ピンクの発色に用いられる。ま た、酢酸銅40gと酢酸20ccを水に溶かして全量を1リットルにし、さらに 10倍に薄めた液を銅媒染液と呼び、黄色の発色に用いられる。また、木酢酸鉄 160ccと酢酸20ccを水に加えて全量を1リットルにし、さらに10倍に 薄めた液を鉄媒染液と呼び、グレーの発色に用いられる。
【0011】 黄色に染めたい場合は、本染めした絹織物を銅媒染液の中に10分間浸し、そ の後よく水洗いする。これを数回繰り返すと通常3回で黄色の濃淡がはっきりと 出る。また、グレーに染めたい場合は、本染めした絹織物を鉄媒染液の中に10 分間浸し、その後よく水洗いする。これを数回繰り返すと通常3回でグレーの濃 淡がはっきりと出る。 朱色に染めたい場合は、本染めした後に残った杉染液に同量の水を加えて約1 0時間煮込み、その煮立った杉染液に再度絹織物を約5分間浸す。このように本 染工程を繰返すのは、朱色が発色し難いのでより鮮やかに発色させるためである 。そしてその後で、本染めした絹織物を灰媒染液の中に10分間浸し、その後よ く水洗いする。これを数回繰り返すと通常3回で朱色の濃淡がはっきりと出る。
【0012】 上記の染め方により濃淡のはっきりした染め上がりとなるが、複数の媒染工程 を組み合わせることにより、複数の色に染め上げることも可能である。 また、増染工程の処理時間、織工程の織り模様、本染工程・媒染工程の処理時 間・染液の濃度・温度等を調整することにより、濃淡のはっきりした染め上がり を基本としてボカシやグラデーション等の染め上がり結果を得ることもできる。
【0013】
【考案の効果】
本考案の草木染による絹織物の染物は、伝統的な北山杉染を甦らせ、現代的な 濃淡のはっきりした縞模様、格子模様などの染めを実現した。また、媒染剤を選 ぶことにより、多彩で鮮やかな発色と現代的な濃淡模様の、従来にない斬新な草 木染の染物を得ることができるので、従来の和装品だけでなく、ハンカチ・ネク タイ・ブラウス等の洋装品にも適するものである。また、同デザインの絹織物を 複数同時に染めることができるので、ある程度の量産にも適するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の北山杉染の染め工程を示す工程図
(A)、本考案の一実施例のスカーフを示す外観図
(B)である。
【符号の説明】
1…スカーフ(絹織物) 2…増染処理した絹糸を使用した部分 3…増染処理しない絹糸を使用した部分

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増染剤により予め増染処理した絹糸と増
    染処理しない絹糸とを使用して織り上げた絹織物であっ
    て、該絹織物を草木染により染めて前記増染処理した絹
    糸を使用した部分は染めの発色が濃く染まり、かつ、増
    染処理しない絹糸を使用した部分は染めの発色が淡く染
    まることを特徴とする絹織物の染物。
  2. 【請求項2】 前記絹織物は、縦糸および横糸の少なく
    とも一方に、予め増染処理した絹糸と増染処理しない絹
    糸とを縞模様等を成すように交互に使用して織り上げた
    絹織物であることを特徴とする、請求項1に記載の絹織
    物の染物。
  3. 【請求項3】 前記草木染は、北山杉の葉を染色液の原
    料として用いた北山杉染であることを特徴とする、請求
    項1又は請求項2に記載の絹織物の染物。
  4. 【請求項4】 前記絹織物は、スカーフ又はストール又
    はハンカチ又は風呂敷又はネクタイ又はブラウスである
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の絹
    織物の染物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018076618A (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 株式会社テックコーポレーション 染物の製造方法、染色方法及び染色装置
WO2018167917A1 (ja) * 2017-03-16 2018-09-20 康夫 川端 染色方法および染色キット

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