JP3102640U - デニム変色加工ジーンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】
色調の多様化が可能な黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム製品の変色加工品の提供。
【解決手段】
デニム製品をタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に、連続して浸漬処理し、繊維上にタンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着させる。
【選択図】
図2

Description

本考案は、予め着色されているデニム製品を変色加工させた加工品に関するものであり、主としてインジゴ染めされたブルーデニムの色調を黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するものとなしてあるデニム製品の変色加工品に関するものである。
従来より、デニム繊維の織物から作成された衣類、小物類は、インジゴ染料、硫黄染料などの建染染料で染色されており、例えば典型的な濃青色を呈するブルーデニムジーンズなどが知られているが、近年では、消費者の衣類の色調に対するニーズの多様性からカラージーンズに見られるように様々な色合いのものが要求されている。
また、インジゴ染料で染色した繊維製品に着古し感や洗い晒し調をもたせるために、該繊維製品を次亜塩素酸ナトリウムなどの還元剤や過酸化水素などの薬剤を用いた漂白処理したり、軽石などにより繊維表面のインジゴ染料を脱落させるストンウオッシュ法を施したり、酵素処理により褪色、脱色させたものに更に別の化学染料でオーバーダイ加工を施すことが行われている。
また、担子菌類棒菌類に属する菌類(キノコ)を利用して、インジゴ染め製品にセピア調の変色加工を施したものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、インジゴ染めされたブルーデニムを、タンニンを含有する水溶液で処理し、これをポリフェノールオキシターゼを含有する水溶液で処理してビンテージ感のあるデニムにする方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、インジゴ染め繊維を用いて、手軽に黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色し且つ耐光堅牢度にも優れたデニム製品はまだ提案されていない。
特開2001−73280号公報 特開2002−266258号公報
解決しようとする問題点は、耐光堅牢度のある黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム製品を手軽に製造できない点であり、本考案の目的とするところは、ブルーデニムに代表されるインジゴ染め製品を用いて、従来にない色調を呈し、更には容易に多色多様化が可能なデニム製品の変色加工品を市販に提供することにある。
本考案は、黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム製品の変色加工品を得るために、デニム製品をタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に、連続して浸漬処理させることにより、この繊維上に、タンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着形成されるものとなしてある。この際、水溶液中のタンニン酸及びマンガンイオンの濃度を変えることにより、またデニム製品を各水溶液に浸漬する順序及び時間を変えることにより、デニム製品の色調を黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色させるものとする。
また、このようにタンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着された繊維表面に、シュウ酸、リン酸又はキレート剤を接触処理することにより、一定の色調を呈する錯塩を全体的或いは部分的に除去して、抜染し、ボカシ模様を発色させるものとなす。
本考案のデニム製品の変色加工品は、インジゴ染めされた繊維上にマンガンイオンにタンニン酸を配位させた錯塩を付着させることにより、深みのある草木染め風の色調を呈するものとなり、また、通常の染料では不可能な染め直しが容易に行えるものとなる。更に、この付着された錯塩を適宜除去することにより、模様付けや変色加工が可能となり、デニム製品の多様化が図れる。
草木染め風の黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色し、更にこの色調に容易に変化をもたらすことができるデニム製品の変色加工品を製造するという目的を、インジゴ染めされたブルーデニムをタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に連続して浸漬処理することで実現した。
この際、タンニン酸を含有する水溶液は、任意に設計されるが、タンニン酸として、合成タンニン、植物タンニンなどを用い、0.1〜10g/lの濃度に調整される。
マンガンイオンを含有する水溶液は、水溶性のマンガン化合物を水に溶解させたものであり、例えば、一定量の過マンガン酸カリウムを水に溶解させて0.1〜10g/lの濃度に調整される。
ブルーデニムを、各々凡そ50℃に加温した上記各水溶液に、夫々れ10分〜20分程度連続して浸漬処理し、その後、適宜水洗いして乾燥させる。この水洗いには、非イオン洗剤やアニオン洗剤を用いてもよく、その場合、該洗浄液で10分程度攪拌洗浄後、水道水などで充分に濯ぎ洗いをする。この水洗いの温度は、通常、上記浸漬処理温度よりも低く設定され、凡そ40℃程度で行われる。
以下に実施例を示す。
図1は、本考案のデニム製品の変色加工品の斜視図であり、インジゴ染めジーンズ1の繊維表面を変色加工させたものを示す。図2は、上記インジゴ染めジーンズ1の変色加工された生地2の部分詳細断面図である。
インジゴ染めジーンズ1の変色加工は次のようにして行われた。
インジゴ染めジーンズ1を、1g/lのタンニン酸を含有する50℃の水溶液で10程度浸漬処理した後、取り出し、引き続き1g/lの過マンガン酸カリウムを含有する50℃の水溶液で10分程度浸漬処理し、その後、40℃の温水で水洗して乾燥した。
このようにして変色加工されたジーンズ1は、図2に示す如く、ジーンズ1の生地2表面に錯塩による着色層3を付着形成し、黄み帯びた茶色系統に発色するものであった。また、この繊維表面は従来の脱色と異なりほとんど損傷しておらず、元のインジゴ染めジーンズの繊維表面と何ら変わるものではなかった。
インジゴ染めジーンズ1を、タンニン酸を含有する水溶液で浸漬処理する前に、過マンガン酸カリウムを含有する水溶液で浸漬処理すること以外は、上記実施例1と同様の処理を施した。この場合、変色加工されたジーンズ1は、黄み帯びた緑色系統に発色するものに仕上がり、この繊維表面も実施例1と同様に損傷していなかった。
上記実施例1で黄み帯びた茶色に変色加工されたジーンズ1の生地2表面にシュウ酸を部分的に接触処理した(図3参照)。この場合、生地2表面の接触処理箇所4は、黄み帯びた茶色から白っぽい青色系統に変色し、抜染処理が行われた状態となった。この際、発色する青色の濃淡は、シュウ酸の濃度及び接触時間を適宜変更することにより調整され、これにより、生地2表面にボカシ模様を任意に発色させるものとなる。また、この抜染処理は、生地2表面に形成された錯塩の着色層3を除去させるものであることから、生地2表面の損傷も少なく、一般の染料による染色では不可能な染め直しが手軽に行えるものとなる。
上記実施例においては、デニム製品をインジゴ染めジーンズとした場合について説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、ジャケット、帽子、手提げ袋などの縫製品もその対象となる。
更に、デニム製品は、インジゴ染料で染色されているもののほかにスレン染料や硫化染料などで染色されたものであっても差し支えない。
本考案に係るデニム製品の変色加工品の斜視図である。 図1の生地の詳細断面図である。 本考案に係るデニム製品の変色加工品の他の実施の形態を示す説明図である。
符号の説明
1 インジゴ染めジーンズ
2 生地
3 着色層
4 抜染箇所
本考案は、予め着色されているデニム変色加工生地に関するものであり、主としてインジゴ染めされたブルーデニム繊維生地の色調を黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するものとなっているデニム変色加工生地に関するものである。
解決しようとする問題点は、耐光堅牢度のある黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム繊維生地を手軽に製造できない点であり、本考案の目的とするところは、ブルーデニムに代表されるインジゴ染め繊維生地を用いて、従来にない色調を呈し、更には容易に多色多様化が可能なデニム変色加工生地を市販に提供することにある。
本考案は、黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム変色加工生地を得るために、濃青色に染色されたデニム繊維生地をタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液により浸漬処理することにより、この繊維表面上に、タンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着形成されるものとなっている。この際、水溶液中のタンニン酸及びマンガンイオンの濃度を変えることにより、またデニム繊維生地を各水溶液に浸漬する順序及び時間を変えることにより、デニム繊維生地の色調を黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色させるものとする。
また、このようにタンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着された繊維表面に、シュウ酸、リン酸又はキレート剤を接触処理することにより、一定の色調を呈する錯塩を全体的或いは部分的に除去して、抜染し、ボカシ模様を発色させるものとなす。
本考案のデニム変色加工生地は、インジゴ染めされた繊維表面上にマンガンイオンにタンニン酸を配位させた錯塩を付着させることにより、深みのある草木染め風の色調を呈するものとなり、また、通常の染料では不可能な染め直しが容易に行えるものとなる。更に、この付着された錯塩を適宜除去することにより、模様付けや変色加工が可能となり、デニム繊維生地としての多様化が図れる。
草木染め風の黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色し、更にこの色調に容易に変化をもたらすことができるデニム変色加工生地を製造するという目的を、インジゴ染めされたブルーデニムをタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液により浸漬処理することで実現した。
図1は、本考案のデニム変色加工生地から作成される製品の一実施態様を示し、繊維表面が変色加工されたインジゴ染めジーンズ1の斜視図である。図2は、本考案のデニム変色加工生地2の詳細断面図である。
上記実施例においては、デニム繊維生地から作成されたインジゴ染めジーンズを使用した場合について説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、ジャケット、帽子、手提げ袋などの縫製品もその対象となる。
更に、デニム繊維生地は、インジゴ染料で染色されているもののほかにスレン染料や硫化染料などで染色されたものであっても差し支えない。
本考案に係るデニム変色加工生地から作成したジーンズの斜視図である。 本考案に係るデニム変色加工生地の詳細断面図である。 本考案に係るデニム変色加工生地の他の実施の形態を示す説明図である。
本考案は、予め着色されているデニム製品を使ったデニム変色加工ジーンズに関するものであり、主としてインジゴ染めされたブルーデニム繊維生地の色調黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム変色加工ジーンズに関するものである。
解決しようとする問題点は、耐光堅牢度のある黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム製品を手軽に製造できない点であり、本考案の目的とするところは、ブルーデニムに代表されるインジゴ染め繊維生地を用いて、従来にない色調を呈し、更には容易に多色多様化が可能なデニム変色加工ジーンズを市販に提供することにある。
本考案は、黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するデニム変色加工ジーンズを得るために、濃青色に染色されたデニム製品をタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に連続して浸漬処理させて該デニム繊維生地上に、タンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩を付着させるものとなす。この際、水溶液中のタンニン酸及びマンガンイオンの濃度を変えることにより、またデニム繊維生地を各水溶液に浸漬する順序及び時間を変えることにより、黄み帯びた茶色系統から緑色系統の色調を発色させるものとする。
また、このようにタンニン酸とマンガンイオンとからなる錯塩付着された繊維表面に、シュウ酸、リン酸又はキレート剤を接触処理させることにより、一定の色調を呈する錯塩を全体的或いは部分的に除去して、抜染し、ボカシ模様を発色させるものとなす。
本考案のデニム変色加工ジーンズは、インジゴ染めされたデニム繊維表面上にマンガンイオンにタンニン酸を配位させた錯塩を付着させることにより、深みのある草木染め風の色調を呈するものとなり、また、通常の染料では不可能な染め直しが容易に行えるものとなる。更に、この付着された錯塩を適宜除去することにより、模様付けや変色加工が可能となり、デニム繊維生地としての多様化が図れる。
草木染め風の黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色し、更にこの色調に容易に変化をもたらすことができるデニム変色加工ジーンズを製造するという目的を、インジゴ染めされたブルーデニムをタンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に連続して浸漬処理させて、繊維上に着色層を付着形成することで実現した。
図1は、本考案のデニム変色加工ジーンズの斜視図であり、インジゴ染めジーンズ1の繊維表面を変色加工させたものを示す。図2は、上記インジゴ染めジーンズ1の部分詳細断面図である。
上記実施例においては、縫製後のインジゴ染めジーンズを用いた場合について説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、同様にして変色加工を施した生地を縫製して完成品となしてもよい
本考案に係るデニム変色加工ジーンズの斜視図である。 図1のデニム変色加工ジーンズの部分詳細断面図である。 本考案に係るデニム変色加工ジーンズの他の実施の形態を示す説明図である。

Claims (4)

  1. デニム製品を、タンニン酸を含有する水溶液とマンガンイオンを含有する水溶液に連続して浸漬処理させ、黄み帯びた茶色系統から緑色系統に発色するものとなしてあることを特徴とするデニム製品の変色加工品。
  2. デニム製品が、インジゴ染めジーンズであることを特徴とする請求項1に記載のデニム製品の変色加工品。
  3. 0.1〜10.0g/lのタンニン酸を含有する水溶液、及び0.1〜10.0g/lのマンガンイオンを含有する過マンガン酸カリウム水溶液で処理されたことを特徴とする請求項1又は2記載のデニム製品の変色加工品。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載される変色加工品を、シュウ酸、リン酸又はキレート剤と接触処理させ、抜染、ボカシ模様を発色するものとなしてあることを特徴とするデニム製品の変色加工品。
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