JPH04174781A - 絹糸の増量加工並びに染色法 - Google Patents

絹糸の増量加工並びに染色法

Info

Publication number
JPH04174781A
JPH04174781A JP2298374A JP29837490A JPH04174781A JP H04174781 A JPH04174781 A JP H04174781A JP 2298374 A JP2298374 A JP 2298374A JP 29837490 A JP29837490 A JP 29837490A JP H04174781 A JPH04174781 A JP H04174781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite
silk thread
dyeing
silk
coupling agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2298374A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0733639B2 (ja
Inventor
Katsumitsu Hayakawa
早川 勝光
Sadao Kitada
北田 定雄
Akihisa Koriyama
郡山 明久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kagoshima University NUC
Original Assignee
Kagoshima University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kagoshima University NUC filed Critical Kagoshima University NUC
Priority to JP2298374A priority Critical patent/JPH0733639B2/ja
Publication of JPH04174781A publication Critical patent/JPH04174781A/ja
Publication of JPH0733639B2 publication Critical patent/JPH0733639B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野] 本発明は、従来旧派とジャリンバイを用いて行なってい
た大島紬の染色方法を、旧派に代わってゼオライトを使
用して草木染料または化学染料で染色し、その染色絹糸
によって製造した織物に関するものである。
[従来の技術] 大島紬は鹿児島県を代表する伝統工芸品である。それは
、染色法から区別すると先染め織物である。その中でも
代表的な泥大島紬は、原料として絹糸を使用し、黒また
は濃い茶色のかずりをベースとする和装織物として普及
している。
その染色工程は以下のとおりである。
まず、かすり糸を形成するかすりむしろ(ワ(砥)や地
糸をシやリンバイ煎出液と石灰分散液でくりかえしもみ
込み、その後、田(尼に漬けてもみ込み処理を行なう。
この旧派処理によって、ジャリンハイの発色成分である
タンニン系化合物が、旧派中の鉄(+1 )イオンなど
による媒染作用をうけて茶色に発色する。このもみ込み
と[U泥処理の工程を数回くりかえして、地糸やかずり
もしろを黒または濃い茶色に染め]二げる。  もみ込
みと目」泥処理工程によって、タンニン系化合物や粘土
微粒子が絹糸に吸着して、電子顕微鏡写真によれば、粘
土とタンニン系化合物が繊維表面を覆って、絹糸は35
〜40%も重量が増加する(写真l)。この泥染めによ
って重量と体積か増加した地糸とかすり地を組み合わせ
て大島紬に織りあげる。伝統工芸品としての大島紬独特
の風合いや着心地は、この泥染め操作によるところが大
きいと考えられている。
[発明が解決しようとする課題] 泥染めにおける第一の問題点は、旧派を使用するために
、黒色系の色にかたよって、多彩なかすり模様に織りあ
げることができないということである。
第二の問題点は、旧派の成分が不安定なために、安定で
均一な染色を実現することが困難であるということであ
る。
したがって、第三の問題点は、高度な熟練技術者を養成
しなければならないということである。
すなわち、第一に、ジャリンバイを初めとする草木の染
料成分や化学染料は旧派中の重金属イオンなどと反応し
て、多くの場合、染料自身の色とは異なったものとなっ
てしまう。すなわち、各種金属イオンとの反応による混
合色のために、黒色系の色にかたよらざるを得ない。
第二に、旧派の成分は各泥田ごとに異なるうえに、使用
頻度や季節によってその成分が変化する。したがって、
安定で均一な染色を実現するためには、泥田の泥土の管
理が重要である。伝統産業であるジャリンバイ染色にお
いては、泥田の管理や移動などは、永年の経験と勘に依
存している部分が多い。
したがって、第三に、熟練染色技術者でないと、均一で
安定な染色を実現することは困難−である。このことは
、新しい色の織物を開発するためには、経験と勘を有す
る熟練技術者を養成しなC−+ればならないことを意味
する。
[課題を解決するための手段] 多彩なかすりをベースとする色大島紬の開発について鋭
意研究を重ねた結果、旧派に代わって合成ゼオライトを
使用することによって、安定な染色再現性と多彩な染色
が可能になることを見出した。本発明は、この知見に承
づいて、大島紬と類似の風合いと着心地を有する多彩な
織物を製造するものである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、白色の多孔性結晶であゼオライトを染料とい
っしょに使用して、染料自身の色で発色させる。したが
って、従来の泥大島紬ではできなかった多彩なかすり模
様を織りあげることが可能となる。
さらに、ゼオライトは組成・粒径が均一であるため、染
色再現性がよく、安定で均一な染色が容易である。
絹糸は有機物であるため、もみ込み処理だけでは、無機
物であるゼオライトは吸着しない。本発明は、絹糸にゼ
オライトを吸着させるために、シランカップリング剤を
使用する。シランカップリング剤は、有機物と無機物と
を接着する効果がある。特に、珪酸塩であるゼオライト
と反応して強く結合する。
絹糸をゼオライト処理して、織物を製造することは、こ
れまでに行なわれていない。また、シランカップリング
剤による絹糸のゼオライト処理方法に関する報告はない
染料をゼオライトとともに絹糸に吸着させることによっ
て、泥染めの風合いに必要な重量・体積ともに増量率の
高い染色絹糸を得る。
シランカップリング剤は、その分子構造にシラングルー
プを有していて、珪酸塩であるゼオライ]〜と反応しや
すい。また、シランカップリング剤は、ビニル基・グリ
シド基・アミノ基・メルカプト基などを有していて、繊
維などの有機物とも反応する。実施例にその詳細を記す
ように、アミノシラン系カップリング剤が、ゼオライト
処理による絹糸の重量増にはもっとも効果的である。
ゼオライト処理操作は、従来の泥染め操作と同様である
すなわち、0.5〜3%のシランカップリング剤を含む
水溶液に0.1〜5%のゼオライト(粒径40マイクロ
メーター以下)を分散させた染色浴を使用する。絹糸重
量に対して5ないしは20倍程度のゼオライト分散液に
白絹糸を漬けてよくもみ込む。このもみ込み操作を繰り
返して、ゼオライトの吸着量を太き(する。
ジャリンバイ染色する場合には、ジャリンバイ抽出液で
3回もみ込んだ後、ゼオライト分散液でもみ込む。この
操作を(つかえして、ゼオライトとタンニン系化合物の
絹糸への吸着量を大きくずる。
化学染料で染色する場合には、ゼオライト分散液で3な
いし15回もみ込んだ後、染料溶液に漬けて染色し、さ
らにゼオライ1〜分散液でもみ込む。
[作用] A型ゼオライトとP型ゼオライトを使用して、前述の操
作法で10回もみ込んだ結果、アミノシラン系カップリ
ング剤を使用した場合、処理絹糸は10%程度重量が増
加した。
シランカップリング剤を使用しないコントロールの場合
、10回のもみ込み操作による絹糸の重量増は1%程度
であった。
10%程度の重量増が得られた処理絹糸は、絹糸独特の
光沢はなく、泥染め絹糸と同様な柔らかみを有する風合
いのものとなった。
ジャリンバイ染色と組み合わせた場合、アミノシラン系
カップリング剤を使用したものは、10%以上の重量増
が得られ、濃い色に染め上がった(写真2a)。
シランカップリング剤を使用しないコントロールは、重
量増も小さく淡褐色に染め上がり、絹糸の光沢が残って
いた(写真2b)。
化学染料による染色とゼオライ1へ処理を組み合わせた
場合、10%以」二の重量増が得られ、絹糸の光沢が解
消した(写真3a)。
化学染料による染色のみの場合、重量増は1%以下にす
ぎない。また、絹糸の光沢が残っていた(写真3b)。
[実施例コ 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
叉1目礪1 A型ゼオライl−20gとシランカップリング剤(信越
化学工業(株)KBE−903)loogを10℃の水
に分散させた。絹糸に対して約5倍量のゼオライト分散
液をボウルにとり、絹糸を浸して約2〜5分間まんべん
なくもみ込む。ゼオライト分散液を変えて、上記のもみ
込み操作をくりかえす。乾燥後、0.1%洗剤(アゾリ
ン)で洗浄、さらに0.3%シリコーン系助剤(ライト
シリコーンM807S)で処理した。シリコーン系助剤
は、摩擦堅牢性を改善するために使用した。
10回繰り返した場合の、処理絹糸の重量増は9%であ
った。
シランカップリング剤を使用しないで同じ操作をおこな
ったコントロールでは、処理絹糸の重量増は1%に満た
なかった。
笈舅旦ユ P型ゼオライトを使用して、処理剤濃度、操作条件など
、実施例1と同様にして絹糸を処理した。10回処理し
た場合の処理絹糸の重量増は10%であった。
シランカップリング剤を使用しないコントロールの場合
、処理絹糸の重量増は0.′6%であった。
実JIJLユ 0.5%タンニン系化合物(商品名カッチ)による染色
操作とゼオライト処理操作を併用した。
実施例1と同じゼオライト分散液で3回もみ込んだ後、
絹糸重量の約5倍量の0.5%タンニン系溶液で3回も
み込んだ。この両者によるもみ込み操作を2回繰り返し
た場合、処理絹糸の重量増は9%であった。マクベスカ
ラーアイM S−2025で測定した明度指数(Ll)
は53であった。
一方、シランカップリング剤を使用しないコントロール
の場合、処理絹糸の重量増は4%、明度指数は80であ
った。
シランカップリング剤を使用した本方法によって、発色
が著しく改善されていることが分かる。
え嵐14 最初に、実施例3と同じタンニン系化合物の煮沸熱浴(
絹糸重量の約50倍)に絹糸を漬け、約3時開放冷する
。その後、実施例1と同じ(ゼオライト分散液で1回、
冷タンニン溶液で3回もみ込む。乾燥した後、熱浴から
の処理をくりかえす。処理絹糸の重量増は12%、明度
指数は48であった。
一方、シランカップリング剤を使用しないコン1〜ロー
ルでは、処理絹糸の重量増は7%、明度指数は66であ
った。
シランカップリング剤を使用することによって、染色効
果が改善されていることが分かる。
1血■1 実施例2と同じ条件下で絹糸をゼオライト処理した6 
10回処理した後、直接染料シリアスファストイエロー
GGの煮沸染浴に2分間潰4−1だのち、2時間放冷し
て染色し、さらに10回ゼオライj・処理した。重量増
は12%で、絹糸の光沢は消失していた(写真3a)。
ゼオライト処理しないで、煮沸染浴で染色した場合、重
量増は0.3%で、絹糸の光沢が残っていた(写真3b
)。
支胤上玉 実施例3の方法で、本綿糸で防染したかすり用もしろを
染色した。木綿糸で防染した部分への染料の浸透は見ら
れなかった。したがって、本方法は、大島紬製造のため
の先染め染色法として利用できることが分かる。
[発明の効果] 従来技術による泥大島紬は、黒または濃い茶色をベース
とするものであった。
本発明による染色法を使用すれば、種々の色彩の織物を
製造することが可能どなる。
10%程度の重量増効果により、絹糸はその独特の光沢
を解消して柔らかみのある風合いを有するようになる。
したがって、従来の大島紬と同様な着心地や風合いの織
物が可能である。
ゼオライトの粒度が均一で組成が一定であるので、安定
で再現性のよい染色が容易である。
したがって、経験と勘を有する高度な熟練技術者を必要
としない。
淡い色のかすりをベースにすれば、後染め技法であるな
染と組み合わせて、友禅のように訪問着にも使用できる
和装品の開発が容易となる。
従来技法との相違は、旧派に代わってゼオライトを使用
する点であるので、特別な技術訓練や設備投資の必要は
ない。
手続補正書 平成3年1]月15日 特許庁長官  深  沢     亘  殿1、事件の
表示 平成2年特許願第298374号 2、発明の名称 絹糸の増量加工並びに染色法および得られた絹糸よりな
る織物 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 鹿児島大学長 井 形 昭 弘 4、代理人 明細書全文    9゛・・、  4′− 6、補正の内容 (別紙の通り)    3.11.7
5(訂正)明   細   書 1、発明の名称  絹糸の増量加工並びに染色法および
得られた絹糸よりなる織物 2、特許請求の範囲 1、 絹糸にシランカップリング剤を含有するセオライ
ト分散水溶液を含浸し、次いで乾燥することを特徴とす
る絹糸の増量加工法。
2、 絹糸にシランカップリンク剤を含有するゼオライ
ト分散水溶液の含浸処理と染色処理とを施し、次いで乾
燥することを特徴とする絹糸の染色法。
3、 シランカップリング剤がアミノシラン系カップリ
ンク゛剤である請求項1または2の方法。
4、 前記水溶液が水に対して0.5〜3重j%のシラ
ンカップリンク剤と0.1〜5重量%のゼオライトを含
有する請求項1又は2の方法。
5、 請求項1または2の方法によって得られた絹糸を
構成糸条の少なくとも1部とする織物。
3、発明の詳細な説明 「産業上の利用分野] 本発明は、絹糸、特に大島紬の構成糸条となる絹糸の増
量または/および染色加工方法並びにこの方法で得られ
た絹糸によって製造した織物に関する。
[従来の技術] 大島紬は鹿児島県を代表する伝統工芸品である。
それは染色法から区別すると先染め織物である。
その中でも代表的な泥大島紬は、原料として絹糸を使用
し、黒または濃い茶色の絣をベースとする和装織物とし
て普及している。
その従来の染色工程は以下のとおりである。
まず絣糸を形成する絣笹や地糸を車輪梅(ジャリンバイ
)煎出液と石灰分散液とで繰り返しもみ込み、その後、
日記に漬けてもみ込み処理を行う。
この日記処理によって車輪梅の発色成分であるタンニン
系化合物が旧派中の鉄(II)イオンなどによる媒染作
用を受けて茶色に発色する。このもみ込みと日記処理の
工程を数回繰り返して、地糸や絣延を黒または濃い茶色
に染め上げる。また、もみ込みと日記処理工程によりタ
ンニン系化合物や粘土微粒子が絹糸に吸着して、電子顕
微鏡、写真によれば、粘土とタンニン系化合物とか繊維
表面を覆って、絹糸は35〜40%も重量が増加する(
写真1)。この泥染めによって重量と体積とが増加した
地糸と耕地とを組み合わせて大島紬に織り上げる。伝統
工芸品としての大島紬独特の風合や着心地は、この泥染
め操作によるところが大きいと考えられている。
[発明が解決しようとする課題] 泥染めにおける第一の問題点は、日記を使用するために
、黒色系の色に偏って多彩な絣模様に織り上けることが
できないことである。即ち、車輪梅を初めとする草木の
染料1成分や化学染料は旧派中の重金属イオンなどと反
応して、多くの場合、染料自身の色とは異なったものと
なってしまい、更に日記に含まれる各種金属イオンとの
反応による混合色のために、黒色系の色に偏らざるを得
ない。
第二の問題点は、日記の成分か不安定なため、安定で均
一な染色を実現することが困難なことである。即ち、日
記の成分は各泥田毎に異なるうえに使用頻度や季節によ
ってその成分が変化する。
従って、安定で均一な染色を実現するためには、泥田の
泥土の管理が重要である。伝統産業である車輪梅染色に
おいては、泥田の管理や移動などは永年の経験と勘とに
依存している部分が多い。
従って、第三の問題点は、高度な熟練技術者を養成しな
ければならないことである。即ち、均一で安定した染色
を実現するためにも、また新しい色の織物を開発するた
めにも、経験と勘とを有する熟練技術者の養成が必要と
なる。
上記従来の問題点に鑑み、本発明者等は多彩な絣をベー
スとする色大島紬の開発について鋭意研究を重ねた結果
本発明を完成したものである。
即ち本発明の目的は、黒または濃い茶色を基調とする暗
色のみならず、種々任意所望の色彩の織物、特に絹織物
を製造することにある。
他の目的は、そのような織物の安定且つ均一にして再現
性の良好な染色を、高度の熟練技術を必要とぜずに容易
に達成し得る方法を提供することにある。
また別の目的は、適度の増量により絹糸独特の光沢を解
消して、従来の大島紬と同様な柔らかみのある風合と着
心地とを備えた絹織物を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明は、絹糸にシランカ
ップリンク剤を含有するセオライト分散水溶液を含浸し
、次いで乾燥することを特徴とし、またシランカップリ
ンク剤を含有するゼオライト分散水溶液を含浸してセオ
ライI・が表面に固着した絹糸に更に染色処理を施し、
次いで乾燥することを特徴とする絹糸の増量加工または
/および染色法である。
」1記シランカップリンク剤は好ましくはアミノシラン
系カップリング剤である。
また、前記水溶液中のシランカップリンク剤とゼオライ
トの好適な含有量はそれぞれ0.5〜3重量%および0
.1〜5重量%である。
更に、本発明は上記の方法によって得られた絹糸を構成
糸条の少なくとも1部とする織物をも包含する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に適用されるゼオライトは白色の多孔質珪酸塩結
晶であり、40μm以下の均一な粒径と均一な組成のも
のを用いることが好ましい。このようなゼオライトは合
成品、天然品共に一般に市販されており入手容易である
。中でも均質性に優れる合成品、例えばA型あるいはP
型ゼオライト等は特に好適に用いられる。
シランカップリング剤はその分子構造にシラングループ
を有しており、珪酸塩であるゼオライトと反応しやすい
。また、ビニル基、クリシト基、アミノ基、メルカプト
基などを有していて繊維などの有機物とも反応する。本
発明においては後述の実施例に示すようにアミノシラン
系カップリング剤かゼオライト処理による絹糸の増量に
は最も効果的である。
本発明方法による絹糸の増量加工および染色加工は、従
来大島紬の増量、染色方法に用いられた旧派に代えてゼ
オライトとシランカップリンク剤を用いるもので、その
操作は基本的には従来の泥染め操作と同様である。
即ち、増量加工においては、好ましくは0.5〜3重量
%のシランカップリング剤を含む水溶液に好ましくは0
.1〜5重量%のゼオライト(粒径が好ましくは40μ
m以下のもの)を分散させた処理浴を使用する。絹糸重
量に対して5ないしは20倍程度のゼオライト分散液に
白絹糸を漬けてよくもみ込む。このもみ込み操作を繰り
返せはゼオライトの吸着量を大きくすることができる。
例えば、アミノシラン系カップリング剤及びA型セオラ
イトとP型ゼオライトとを使用して上記の操作法で10
回もみ込んだ結果、処理絹糸は10%程度の重量増加が
認められた。それに対して、シランカップリング剤を使
用しないコントロールの場合には、10回のもみ込み操
作による絹糸の重量増は僅かに1%程度に過ぎなかった
10%程度増量した処理絹糸は、絹糸独特の光沢はなく
、泥染め絹糸と同様な柔らかみを有する風合のものとな
る。
車輪梅染色する場合には、車輪梅抽出液で3回程もみ込
んだ後、ゼオライト分散液でもみ込む。
この操作を繰り返してゼオライトとタンニン系化合物の
絹糸への吸着量を大きくする。即ち、車輪梅染色とゼオ
ライト増量加工とを組み合わせた場合、アミノシラン系
カップリング剤を使用したものは、10%以上の重量増
が得られ濃い色に染め上がる(写真2a)のに対して、
シランカップリング剤を使用しないコントロールは、重
量増も小さく淡褐色に染め上がり、絹糸の光沢が残るこ
とが確認された(写真2b)。
また、化学染料で染色する場合には、七オライド分散液
で約3ないし15回もみ込んだ後、染料溶液に漬けて染
色し、更にゼオライト分散液でもみ込む。この場合も、
10%以上の重量増が得られ、絹糸の光沢が解消した(
写真3a)。これに対して、化学染料による染色のみの
場合、重量増は僅かに1%にも満たずに絹糸の光沢が残
存する(写真3b)ことが確認された。
このように絹糸をゼオライトで処理して織物を製造する
ことについてこれまで行われた例はない。
また、シランカップリング剤による絹糸のゼオライト処
理方法に関する報告もない。
[作用] 本発明に用いるゼオライトは、組成・粒径が均一である
から、染色再現性かよく、安定で均一な染色が容易であ
る。しかしながら、本発明を適用する絹糸は有機物であ
るため、もみ込み処理たけでは無機物であるゼオライI
・は吸着しない。本発明においては絹糸にゼオライトを
吸着させるためにシランカップリング剤を使用する。シ
ランカップリング剤は既述のように、その分子構造にシ
ラングループを有していて、珪酸塩であるゼオライトと
反応し易く、同時にまた、ビニル基、グリシド基、アミ
ノ基、メルカプト基等の反応性有機基をも有しており、
繊維等の有機物とも反応する。
このシランカップリンク剤の作用によってゼオライトと
絹糸とがシランカップリング剤を介して強力に結合し、
従来の泥染めの風合に必要な重量・体積ともに増量率の
高い絹糸が得られる。
更に、白色の多孔性結晶であるゼオライトの優れた染料
吸着作用により染料が均一に吸着固定され、優れた染色
安定性が得られる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例I A型ゼオライl−20gとシランカップリング剤(信越
化学工業(株) KBE−903)  100gとを1
0の水に分散させた。絹糸に対して約5倍量のゼオライ
ト分散液をボウルにとり、絹糸を浸して約2〜5分間満
遍なくもみ込む。ゼオライト分散液を変えて上記のもみ
込み操作を繰り返す。乾燥後、0.1%洗剤(商品名、
アゾリン)で洗浄し更に0.3%シリコーン系助剤(商
品名、ライトシリコーンM807S)で処理した。シリ
コーン系助剤は摩擦堅牢性を改善するために使用した。
10回繰り返した場合の処理絹糸の重量増は9%であっ
た。
シランカップリング剤を使用しないで同じ操作を行った
コントロールでは、処理絹糸の重量増は1%に満たなか
った。
実施例2 P型ゼオライトを使用して、処理濃度、操作条件など、
実施例1と同様にして絹糸を処理した。
10回処理した場合の処理絹糸の重量増は10%であっ
た。
シランカップリング剤を使用しないコントロニルの場合
、処理絹糸の重量増は0.6%であった。
実施例3 0.5%タンニン系化合物(商品名:カッチ)による染
色操作とゼオライト処理操作とを併用した。
実施例1と同じゼオライト分散液で3回もみ込んだ後、
絹糸重量の約5倍量の0.5%タンニン系溶液で3回も
み込んだ。この両者によるもみ込み操作を2回繰り返し
た場合、処理絹糸の重量増は9%であった。マクベスカ
ラーアイMS −2025で測定した明度指数(L*)
は53であった。
一方、シランカップリング剤を使用しないコントロール
の場合、処理絹糸の重量増は4%、明度指数は80であ
った。
シランカップリング剤を使用した本発明方法によって発
色が著しく改善されていることが分かる。
実施例4 最初に、実施例3と同じタンニン系化合物の煮沸熱浴(
絹糸重量の約50倍)に絹糸を漬け、約3時間放冷する
。その後、実施例1と同じくゼオライト分散液で1回、
冷タンニン溶液で3回もみ込む。乾燥した後、熱浴から
の処理を繰り返す。処理絹糸の重量増は12%、明度指
数は48であった。
一方、シランカップリング剤を使用しないコントロール
では、処理絹糸の重量増は7%、明度指数は66であっ
た。
シランカップリング剤を使用することによって染色効果
が改善されていることが分かる。
実施例5 実施例2と同じ条件下で絹糸をゼオライト処理した。1
0回処理した後、直接染料シリアスファストイエローG
Gの煮沸染浴に2分間漬けた後、2時−12〜 間放冷して染色し、更にlO回セオライト処理した。
重量増は12%で絹糸の光沢は消失していた。(写真3
a)。
ゼオライト処理しないで煮沸染浴で染色した場合には、
重量増は0.3%で絹糸の光沢が残っていた(写真3b
)。
実施例6 木綿糸で防染した絣り用筐を、実施例3の方法で染色し
た。木綿糸で防染した部分への染料の浸透は見られなか
った。従って、本発明方法は大島紬製造のための先染め
染色法として利用できることが分かる。
実施例7 大島紬用練絹糸を実施例3に示した方法で、P型ゼオラ
イトとカッチを使用してセオライI・処理染色を行った
後、0.3%シリコーン系助剤(ライトシリコーンM8
07S)で処理した染色糸を準(+t!f L。
た。この染色絹糸を用いて小試験布を製織した。
織上布規格としては、織り幅を40cm、経糸、緯糸と
もに28本/cmの糸密度で平織りとした。試験布につ
いて摩擦堅牢度試験機で試験した結果、3級から4級の
結果を得た。この結果は、泥染め大島紬で得られている
結果と同程度である。試験布では絹織物の光沢や滑り易
さはなく、泥染め織物に類似した風合を得た。
[発明の効果] 本発明方法によれば、適度の増1により絹糸独特の光沢
を解消して、従来の大島紬と同様な柔らかみのある風合
と着心地とを備えた絹織物が提供される。
また、従来技術による泥大島紬は、黒または濃い茶色を
基調とするものであったが、本発明方法によれば、ゼオ
ライトに吸着した染料自身の色を発色させるので、上記
のような暗色のみならず、種々任意所望の色彩の織物、
特に従来の泥大島紬ではできなかった多彩な絣模様の織
物を織り上げることが可能となる。また、淡い色の絣を
ベースにすれば、後染め技法である捺染と組み合わせて
、友禅のように訪問着にも使用できる和装品の開発が容
易となる。
本発明方法の従来技法との主たる相違点は、日記に代え
てゼオライトを使用することにあるので、特別な技術訓
練や設備投資の必要はない。
更にゼオライトは粒度が均一で組成が一定であるから、
安定にして再現性の良い染色が容易であることからも、
経験と勘とに頼る高度の熟練技術を必要としない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)シランカップリング剤を使用した絹糸のゼオライ
    ト処理方法
  2. (2)請求項第1項の方法によって処理した絹糸による
    織物
JP2298374A 1990-11-02 1990-11-02 絹糸の増量加工並びに染色法 Expired - Lifetime JPH0733639B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2298374A JPH0733639B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 絹糸の増量加工並びに染色法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2298374A JPH0733639B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 絹糸の増量加工並びに染色法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04174781A true JPH04174781A (ja) 1992-06-22
JPH0733639B2 JPH0733639B2 (ja) 1995-04-12

Family

ID=17858863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2298374A Expired - Lifetime JPH0733639B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 絹糸の増量加工並びに染色法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0733639B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000110064A (ja) * 1998-07-31 2000-04-18 Toray Ind Inc 機能性を有する繊維構造物
WO2001055498A1 (fr) * 2000-01-26 2001-08-02 Toray Industries, Inc. Structure en fibre ayant une propriete desodorisante et antibacterienne
JP2006061320A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Nbc Inc 環境浄化用部材
JP2007301483A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 吸着・脱着性能に優れた吸着部材およびその製造方法
JP2008518120A (ja) * 2004-10-27 2008-05-29 インダストリー−ユニバーシティ コオペレーション ファウンデーション ソギャン ユニバーシティ ゼオライト−繊維基質複合体の製造方法
CN106592280A (zh) * 2016-11-01 2017-04-26 桐乡市濮院毛针织技术服务中心 一种锦纶染色用抗热黄变剂

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000110064A (ja) * 1998-07-31 2000-04-18 Toray Ind Inc 機能性を有する繊維構造物
WO2001055498A1 (fr) * 2000-01-26 2001-08-02 Toray Industries, Inc. Structure en fibre ayant une propriete desodorisante et antibacterienne
US6592858B1 (en) 2000-01-26 2003-07-15 Toray Industries, Inc. Fiber structure having deodorizing or antibacterial property
JP2006061320A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Nbc Inc 環境浄化用部材
JP2008518120A (ja) * 2004-10-27 2008-05-29 インダストリー−ユニバーシティ コオペレーション ファウンデーション ソギャン ユニバーシティ ゼオライト−繊維基質複合体の製造方法
JP2007301483A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 吸着・脱着性能に優れた吸着部材およびその製造方法
CN106592280A (zh) * 2016-11-01 2017-04-26 桐乡市濮院毛针织技术服务中心 一种锦纶染色用抗热黄变剂

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0733639B2 (ja) 1995-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yıldırım et al. Printing with sustainable natural dyes and pigments
Kavyashree Printing of textiles using natural dyes: a global sustainable approach
JPH04174781A (ja) 絹糸の増量加工並びに染色法
KR20160083714A (ko) 섬유의 친환경 빈티지 염색 방법
KR100290316B1 (ko) 황토및갯벌을이용한천연섬유직·편물의콜드패드염색방법
KR100868335B1 (ko) 황토 염색방법
CN106835738B (zh) 一种芳纶和锦纶混纺织物的染色方法
US4822376A (en) Printed bleeding madras
WO2006032623A1 (de) Verfahren zur ringfärbung von textilen flächengebilden aus cellulosischen fasern und mischmaterialien enthaltend cellulosische fasern
US5310409A (en) Method for altering fabrics or garments to discharge dyed colors or indigo denim to create finishes
Indi et al. Padding technique for natural dyeing
KR20030044467A (ko) 블루진 원단의 가공방법
WO2018167917A1 (ja) 染色方法および染色キット
WO2019199248A1 (en) Decolorizing method
CN109778527A (zh) 高效持久性抗菌功能的天然彩色棉产品的加工方法
JPH11124778A (ja) 染色方法
US3931427A (en) Stamp dyed napped fabric
KR101998289B1 (ko) 친환경 빈티지 및 인디고 색상 섬유 염색방법
JPS63295776A (ja) 斑染縫製品の製造方法
US5032141A (en) Changing coloring treatment for woolen and mixed wool clothing pieces
KR20180042769A (ko) 형광안료를 저온 조건에서 균일하게 흡착시킨 섬유제품 및 그의 제조방법
JP2001172883A (ja) 布の染色方法
KR100288876B1 (ko) 전자렌지의조작패널
KR100804325B1 (ko) ‘진주복합염색’의 방법 및 이 방법으로 염색된 면직물
JPH01174682A (ja) 絹織物の多重染色方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term