JP2001171076A - 印刷機のドクター装置 - Google Patents

印刷機のドクター装置

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JP2001171076A
JP2001171076A JP2000304885A JP2000304885A JP2001171076A JP 2001171076 A JP2001171076 A JP 2001171076A JP 2000304885 A JP2000304885 A JP 2000304885A JP 2000304885 A JP2000304885 A JP 2000304885A JP 2001171076 A JP2001171076 A JP 2001171076A
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Japan
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doctor blade
shaft
plate
holding
doctor
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JP2000304885A
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English (en)
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Hajime Arai
初 新井
Takeshi Hirose
雄 広瀬
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Fuji Kikai Kohan Kk
Original Assignee
Fuji Kikai Kohan Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練を要さず、しかも従来にも増してドクタ
ー刃の装着を適正かつ迅速に行ない得るようにする。 【解決手段】 円筒状の版胴周面に付着したインキをド
クター刃9によって掻き取り、版胴周面の凹部に残留し
たインキを圧胴による押圧でシートに転写して印刷する
ように構成された印刷機に使用されるインキ掻き取り用
のドクター装置であり、刃先を版胴の軸心に平行にかつ
版胴周面に対向させた状態でドクター刃9を挟持するド
クター刃挟持部材60を有し、このドクター刃挟持部材
60は、ドクター刃9を受ける受け台7と、この受け台
7上のドクター刃9を押さえる押え板8と、受け台7の
後縁部上面に一体に固定された、押え板8の後縁部が嵌
め込まれる庇部材6と、庇部材6に嵌め込まれた押え板
のドクター刃9に対する押圧状態を締結する締結手段
(ねじ軸10)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラビア印刷機に
おいて、版胴の周面に付着したインキを掻き落とす用に
供されるドクター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア印刷機において、版胴の
周面に付着したインキを掻き落とすドクター装置が知ら
れている。このドクター装置は、円筒状の版胴周面に付
着したインキを掻き取る長尺薄板状のドクター刃を有し
ており、版胴を軸心回りに回転させた状態でドクター刃
を版胴の周面に押し当てることによってインキを掻き取
り、版胴周面の凹部に残留したインキを圧胴による押圧
でシートに転写することによって印刷が行われるように
なっている。
【0003】かかるドクター刃は、それを版胴に平行に
配設された上下一対の取付け板間に挟持させた状態で、
上方の取付け板に貫通螺着されている複数本のねじを締
め付けることによって取付け板に装着されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドクター刃
は、通常、略1mの長尺物でありながら、厚み寸法が略
0.2mmと非常に薄い板状を呈しているため、ねじの
締め付け方がまずいと波を打ったような状態になり、版
胴の周面に均一に当接させることができなくなるという
不都合が存在した。かかる不都合をなくすためには、熟
練者が細心の注意を払って装着作業を行う必要があり、
これの改良が嘱望されていた。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、ドクター刃の装着作業に熟
練を要さないばかりか、従来にも増してドクター刃の装
着を適正かつ迅速に行ない得る印刷機のドクター装置を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
軸心回りに回転している円筒状の版胴周面に付着したイ
ンキを薄板状のドクター刃によって掻き取り、版胴周面
の凹部に残留したインキを圧胴による押圧でシートに転
写して印刷するように構成された印刷機に使用されるイ
ンキ掻き取り用のドクター装置であって、刃先を版胴の
軸心に平行にかつ版胴周面に対向させた状態でドクター
刃を挟持するドクター刃挟持部材が備えられ、このドク
ター刃挟持部材は、ドクター刃を受ける受け台と、この
受け台上のドクター刃を押さえる押え板と、受け台の後
縁部上面に一体に固定されて受け台上面との間に押え板
装着空間を形成する庇部材と、この装着空間に嵌め込ま
れた押え板のドクター刃に対する押圧状態を締結する締
結手段とを有していることを特徴とするものである。
【0007】この発明によれば、ドクター刃を受け台の
先端縁部と押え板の先端縁部との間に挟持した状態で押
え板の後端部を庇部材に嵌め込み、締結手段を操作して
締結することにより、ドクター刃は受け台と押え板との
間に押圧挟持された状態になる。
【0008】このように、ドクター刃は締結手段の操作
のみによって締結固定されるため、従来のように多数設
けられたねじを順次締め付けることによって行っていた
取り付け操作に比べて、薄いテープ状のドクター刃が波
打つような不都合が回避され、熟練者でなくともドクタ
ー刃を挟持部材に適正かつ迅速に装着することが可能に
なり、作業性が向上する。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記庇部材は、受け台の後縁部に立設され
た壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向け
て延設された庇部とからなり、上記壁部にはねじ孔が貫
設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下が
りに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、押え
板後端部から後方に向けて突設された軸心回りに回転自
在でかつ押え板に対して方向変更自在のねじ軸によって
形成され、このねじ軸は、上記ねじ孔に貫通状態で螺着
されていることを特徴とするものである。
【0010】この発明によれば、受け台と押え板との間
にドクター刃を挟持した状態で、壁部から後方外部に突
出しているねじ軸を外部に突出する方向に向けて回転操
作することにより、押え板は庇部材内に引き入れられ
る。そして、押え板には上面が後端側に向けて先下がり
に傾斜した傾斜面が形成されているため、この傾斜面が
庇部の前方下縁部と干渉し、押え板の後退による楔作用
によって押え板が受け台を押圧することになり、これに
よって受け台と押え板とに挟持されているドクター刃
は、その長手方向の全長に亘って一斉に押圧挟持されて
ドクター刃挟持部材に装着される。そして、ドクター刃
は、その全長に亘り同時に押え板によって押圧されるた
め、従来のように多数のねじを順次締め付けていく場合
に起こる波打現象を確実に回避することが可能になる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記押え板には、開口が後方に向き、か
つ、上下に貫通した蟻溝状の溝が設けられ、上記ねじ軸
は、先端部に後方に向けて抜け止め状態で上記蟻溝に嵌
め込まれる球体を有していることを特徴とするものであ
るこの発明によれば、蟻溝状の溝(以下蟻溝という)に
嵌め込まれた球体は抜け止めされた状態で三次元的に回
動し得るため、この球体に一体に固定されたねじ軸は四
方に向けて方向変更が可能になる。従って、簡単な構造
でありながら、押え板がねじ軸の回転で後方に引き寄せ
られたときの楔作用により移動方向がねじ軸の軸心方向
とずれても押え板に対するねじ軸の回動でずれが吸収さ
れるため、押え板によるドクター刃の締結操作が支障な
く行われる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記庇部材は、受け台の後縁部に立設され
た壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向け
て延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が貫
設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下が
りに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、押え
板後端部から後方に向けて突設された軸心回りに回転自
在でかつ押え板に対して方向変更自在のシャフトによっ
て形成され、このシャフトは、上記貫通孔に貫通された
状態で受け台に固定されたシリンダ手段のピストンロッ
ドに連結されていることを特徴とするものである。
【0013】この発明によれば、シリンダ手段の駆動に
よるピストンロッドの進退によって押え板によるドクタ
ー刃の押圧挟持およびその解除を自動的に行うことが可
能になり、ドクター刃の取り換え操作をより迅速に行う
ことができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記庇部材は、受け台の後縁部に立設され
た壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向け
て延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が貫
設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下が
りに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、上記
貫通孔を貫通するように押え板後端部から後方に向けて
突設されたシャフトと、このシャフトに対応して穿設さ
れた長孔を有する上記庇部材と一体の位置決め板と、一
端がシャフトの端部に結合され、他端が上記長孔を貫通
する連結部材とを備えて構成され、上記長孔は、シャフ
トを突出させた状態における連結部材の他端が抜け止め
状態で嵌り込む横孔を有していることを特徴とするもの
である。
【0015】この発明によれば、受け台の上にドクター
刃を載置した状態で、連結部材を後方に移動させること
により、押え板が連結部材に結合されたシャフトを介し
て後方に移動し、これによってドクター刃が押え板と受
け台との間に挟持された状態になる。この状態でシャフ
トの他端を長孔から分岐した横孔に嵌め込むことによ
り、ドクター刃の装着状態が固定される。
【0016】このように、連結部材を長孔に沿って後方
に移動させて横孔に嵌め込むという簡単な操作でドクタ
ー刃を受け台および押え板間に装着することが可能にな
り、ドクター刃取り替え作業の作業性が向上する。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記庇部材は、受け台の後縁部に立設され
た壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向け
て延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が貫
設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下が
りに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、上記
貫通孔を貫通するように押え板後端部から後方に向けて
突設されたシャフトと、このシャフトの後端部が偏心位
置に設けられた垂直軸を介して相対回動可能に連結され
る円盤と、受け台上における円盤の前後方向への移動を
規制した状態で幅方向への移動を許容する堰部材とを備
えて構成されていることを特徴とするものである。
【0018】この発明によれば、受け台の上にドクター
刃を載置した状態で、円盤を受け台上で転動させること
により、押え板が垂直軸に結合されたシャフトを介して
後方に移動し、これによってドクター刃が押え板と受け
台との間に挟持された状態になる。
【0019】このように、円盤を受け台上で転動させる
という簡単な操作でドクター刃を受け台および押え板間
に装着することが可能になり、ドクター刃取り替え作業
の作業性が向上する。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項4乃至6の
いずれかに記載の発明において、上記押え板には、開口
が後方に向き、かつ、上下に貫通した蟻溝状の溝が設け
られ、上記シャフトは、先端部に後方に向けて抜け止め
状態で上記蟻溝に嵌め込まれる球体を有していることを
特徴とするものである。
【0021】この発明によれば、請求項3記載の発明と
同様の作用効果が得られる。
【0022】請求項8記載の発明は、軸心回りに回転し
ている円筒状の版胴周面に付着したインキを薄板状のド
クター刃によって掻き取り、版胴周面の凹部に残留した
インキを圧胴による押圧でシートに転写して印刷するよ
うに構成された印刷機に使用されるインキ掻き取り用の
ドクター装置であって、刃先を版胴の軸心に平行にかつ
版胴周面に対向させた状態でドクター刃を挟持するドク
ター刃挟持部材が備えられ、このドクター刃挟持部材
は、ドクター刃を受ける受け台と、この受け台上のドク
ター刃を押さえる押え板と、上記受け台の基端部に長手
方向に延びるように固定された壁部と、この壁部に取り
付けられ、かつ、押え板のドクター刃に対する押圧状態
を締結する締結手段とを備えて構成され、上記締結手段
は、上記壁部を軸心回りに回動可能に貫通した貫通軸
と、この貫通軸の先端側に偏心状態で固定され、かつ、
周面が上記押え板に当接したカムと、上記貫通軸の基端
側に固定された操作ハンドルとからなっていることを特
徴とするものである。
【0023】この発明によれば、受け台と押え板との間
にドクター刃を挟み込んだ状態で操作ハンドルを操作し
てカムを貫通軸回りに順方向に回転させることにより、
偏心しているカムが押え板を押圧するため、ドクター刃
は受け台と押え板との間に押圧挟持されてドクター刃挟
持部材に装着された状態になる。一旦装着されたドクタ
ー刃を取り外すときは、操作ハンドルの操作でカムを逆
方向に回転させればよい。
【0024】このように、請求項8の発明によれば、ハ
ンドル操作でドクター刃を容易に着脱することが可能で
あり、動力を利用することなく操作性を向上させる上で
有効である。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るドクター装
置の使用状態を示す側面視の説明図である。この図に示
すように、印刷機100は、インキが貯留された上面に
開口を有するインキパン101と、このインキパン10
1に周面が漬かるように軸心回りに回転可能に配設され
た版胴102と、周面がこの版胴102の周面に当接す
るように上方位置に対向配置された、軸心回りに回転可
能の圧胴103と、上記版胴102の周面に付着したイ
ンキを掻き落とすドクター装置1とからなる基本構成を
有している。
【0026】版胴102と圧胴103との間には、被印
刷用の用紙であるロール状の印刷紙Pが引き出されて挟
持され、図略の駆動機構の駆動による版胴102の回転
によって矢印方向に移動するようになっている。また、
ドクター装置1は、版胴102の周面に付着したインキ
を掻き落とすドクター刃9を有しているとともに、版胴
102と平行に配設された水平軸2回りに回動可能に軸
支され、ドクター刃9が版胴102の周面に当接した掻
き落し姿勢と、同周面から離間した離間姿勢との間で姿
勢変更し得るようになっている。
【0027】そして、ドクター装置1を掻き落し姿勢に
姿勢設定した状態で、版胴102を反時計方向に駆動回
転することによって、インキパン101内のインキが版
胴102の周面に付着し、この付着したインキが版胴1
02の右方位置に配設されたドクター装置1のドクター
刃9によって掻き落とされて周面の凹部にのみ残留し、
この残留したインキが圧胴103によって版胴102の
周面に押圧されている印刷紙Pに転写されることによっ
て印刷が実行されることになる。
【0028】そして、本発明のドクター装置1は、かか
る印刷機100における改良されたドクター刃9の装着
構造に関するものである。以下、本発明のドクター装置
1について図2〜図4を基に詳細に説明する。図2は、
本発明に係るドクター装置1の第1実施形態を示す一部
切欠き分解斜視図であり、図3は、その組立て斜視図で
ある。また、図4は、図3のA−A線断面図である。な
お、図2および図3において、X−X方向を幅方向、Y
−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X
方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0029】これらの図に示すように、ドクター装置1
は、所定の部材間に架設された上記水平軸2回りに回動
自在に軸支されるホルダー基台3と、この基台3に前後
動可能に装着された支持板4と、この支持板4に螺着さ
れる止め金具5と、支持板4上に止め金具5によって固
定される庇部材6と、この庇部材6と一体の受け台7
と、この受け台7に積層される押え板8と、この押え板
8および上記受け台7間に挟持されるドクター刃9とを
備えて構成されている。上記庇部材6、受け台7および
押え板8とによって本発明に係るドクター刃挟持部材6
0が形成されている。
【0030】上記水平軸2は、金属製のパイプ体によっ
て形成されている。かかる水平軸2は、その両端部(図
2および図3には左端部のみを示している)が印刷機1
00の所定の部材に固定されたパイプ受け21間に版胴
102と平行に架設固定されている。
【0031】上記基台3は、水平軸2回りに回動可能
で、かつ、摺接状態で移動可能に外嵌された支持体31
と、この支持体31の上部に一体に形成された架台32
とを備えている。支持体31の後面部には後端部に操作
ハンドル33aを備えた係止ねじ33が貫通螺着され、
この係止ねじ33を操作ハンドル33aのねじ込み操作
で締結することにより、その先端部が水平軸2の外周面
を押圧し、これによって基台3の回動および移動が阻止
されるようになっている。
【0032】上記架台32は、その後半位置の周縁部に
一体に形成された平面視でコ字状のガイド部材34を有
している。このガイド部材34は、正面視で逆L字状を
呈した、上記支持板4の前後動を案内する幅方向一対の
ガイドレール34aと、架台32の後端部でこれらのガ
イドレール34a間に架設された縁突条34bとからな
っている。各ガイドレール34aと架台32との間に
は、支持板4を案内するためのガイド溝34cが形成さ
れている。
【0033】上記縁突条34bの幅方向中央部には前後
方向に延びる挿通孔が穿設され、この挿通孔に支持板移
動ねじ35が、前後動が規制された状態で軸心回りに回
転可能に挿通されている。かかる支持板移動ねじ35の
後端部には操作ハンドル35aが設けられ、この操作ハ
ンドル35aの回転操作で支持板移動ねじ35が共回り
するようになっている。また、架台32の上面の左方位
置には、支持板4の前後動を規制するための前後方向に
延びる係止溝36が凹設されている。
【0034】上記支持板4は、平面寸法が架台32と略
同一に寸法設定されているとともに、後部の厚み寸法が
上記ガイド部材34の上下寸法と略同一に寸法設定され
ている。かかる支持板4には、前後方向の略中央部から
前方に向けて先下がりに傾斜した傾斜面41が形成され
ているとともに、支持板4の両側部には、上縁部が切り
欠かれて形成した前後方向に延びる被ガイド突条42が
形成され、これらの被ガイド突条42が上記ガイド溝3
4cに嵌め込まれることにより、支持板4がガイド部材
34に案内されつつ前後動可能に基台3に装着されるよ
うになっている。
【0035】また、支持板4には、上記支持板移動ねじ
35に対応した前後方向に延びるねじ孔43が螺設さ
れ、このねじ孔43に支持板移動ねじ35が螺着される
ようになっている。この螺着によって操作ハンドル35
aの操作で支持板移動ねじ35を正逆回転することによ
り支持板4が前後動することになる。
【0036】また、支持板4の傾斜面41の位置には、
上記架台32の係止溝36に対応した締結部材44が設
けられている。この締結部材44は、支持板4の傾斜面
41に貫通螺着した締結ねじ44aと、この締結ねじ4
4aの頂部に一体に連設され、かつ、傾斜面41の上部
に位置した円柱体44bと、この円柱体44bから後方
に向かって先上がりで斜めに突設された操作レバー44
cとからなっている。かかる締結部材44は、締結ねじ
44aの下端部が上記架台32の係止溝36に嵌まり込
むように設置位置が設定されている。
【0037】従って、操作レバー44cの操作で締結ね
じ44aを緩めた状態では、締結ねじ44aが係止溝3
6内を摺動することにより支持板4が前後動可能になっ
ている一方、操作レバー44cの操作で締結ねじ44a
を締め付けることにより、その下端部が係止溝36の溝
底を押圧し、これによって両端部がガイド溝34cに嵌
まり込んでいる支持板4の前後動が規制されるようにな
っている。
【0038】このような支持板4の傾斜面41の右方位
置には、上記止め金具5を装着するための止め金具用ね
じ孔45が螺設されている。
【0039】上記止め金具5は、庇部材6と一体の受け
台7を支持板4上に装着するためのものであり、直方体
状を呈した金具本体51と、この金具本体51の前方上
縁部から前方に向かって突設された止め突起52と、金
具本体51に摺接状態で上下に貫通して設けられた止め
ねじ53とからなっている。金具本体51の止めねじ5
3を挿通する挿通孔には雌ねじは螺設されていない。
【0040】上記止めねじ53には、頂部に止めねじ5
3より大径の頭部53bが設けられ、この頭部53bに
同心で一体に操作ハンドル53aが設けられている。そ
して、止めねじ53の下端部を上記支持板4の止め金具
用ねじ孔45に螺着することにより、止め金具5が支持
板4に装着されるようになっている。
【0041】かかる止め金具5は、支持板4に装着され
た状態で、止め突起52が支持板4の傾斜面41の前方
位置に対向するように寸法設定され、これによって止め
突起52と支持板4の傾斜面41との間に庇部材6およ
び受け台7の後端部を挟み込む挟持空間が形成されてい
る。そして、これらを挟み込んだ状態で止めねじ53を
締結することにより、庇部材6を備えた受け台7が支持
板4に固定されるようにしている。
【0042】上記庇部材6は、受け台7の後縁部に立設
された受け台7と同一長さ寸法の壁部61と、この壁部
61の上縁部から受け台7の先端側に向けて延設された
庇部62とからなっている。かかる庇部材6は、壁部6
1の底部がボルト止めされることにより受け台7と一体
になっている。そして、庇部材6を受け台7に固定する
ことにより庇部62と受け台7との間に、図4に示すよ
うに、押え板8の後縁部を嵌め込む押え板装着空間70
が形成されている。また、上記壁部61には、後述する
ねじ軸10を螺着するためのねじ孔63が貫設されてい
る。
【0043】また、庇部62の上面には、幅方向一対の
取っ手64が設けられている。そして、ドクター刃挟持
部材60の取り換え時等にこれらの取っ手64を左右の
手でそれそれ把持することにより、ドクター刃挟持部材
60を容易に取り外したり装着したり持ち運びする等の
ハンドリング操作が行い易くなっている。
【0044】上記受け台7は、先端部でドクター刃9の
後部を受けるものであり、長尺平板状の平板部71と、
この平板部71の前端部から前方に向けて延設された傾
斜部72とからなっている。傾斜部72は、その上面が
先下がりで二段に形成されることによって形成された前
方傾斜部72aと後方傾斜部72bとを有している。そ
して、ドクター刃9は、その後部が前方傾斜部72aに
載置された状態で押え板8により押さえられ、これによ
ってドクター刃9がドクター刃挟持部材60に装着され
るようになされている。
【0045】また、受け台7の平板部71の底面には、
後方位置に長手方向に延びる段差73が形成され、この
段差73を支持板4の前縁部に当止させることにより、
図4に示すように、受け台7の支持板4に対する装着位
置の位置決めが行われるようになっている。
【0046】上記押え板8は、後半部分に形成された押
え板本体81と、前半部分に形成された嘴部82とから
なっている。押え板本体81は、長さ寸法が上記受け台
7の平板部71と同一に設定されているとともに、前後
寸法は平板部71の略半分に設定されている。従って、
押え板本体81は、それを押え板装着空間70に嵌め込
んだ状態で、平板部71上を前後動し得るようになって
いる。かかる押え板本体81は、上面に後下がりの傾斜
面81aが形成され、押え板本体81を押え板装着空間
70に嵌め込んだ状態で、図4に示すように、傾斜面8
1aの前方位置が庇部62の前縁部に当接するように寸
法設定されている。
【0047】上記嘴部82は、押え板本体81の前端部
から受け台7の傾斜部72に沿うように先細りに形成さ
れ、その下面(下面傾斜部82a)が前方傾斜部72a
と平行になるように形状設定されている。従って、押え
板装着空間70に装着された押え板8を前進させて嘴部
82の下面傾斜部82aを受け台7の前方傾斜部72a
から離間させた状態でドクター刃9を前方傾斜部72a
上に配置し、ついで押え板8を後退させることにより、
ドクター刃9の後部が下面傾斜部82aと前方傾斜部7
2aとによって挟持されてドクター刃挟持部材60に装
着されることになる。
【0048】また、押え板本体81には、図2に示すよ
うに、幅方向の両端より若干内側位置と中央位置とに上
下方向に貫通した貫通孔83と、押え板本体81の後縁
部からこの貫通孔83に到達するように切り込まれて形
成した切込み溝84とが設けられている。切込み溝84
の溝幅寸法は、貫通孔83の径寸法より若干小さ目に寸
法設定されている。本実施形態においては、これら貫通
孔83と切込み溝84とで本発明の蟻溝が形成されてい
る。
【0049】本発明においては、これら貫通孔83およ
び切込み溝84にねじ軸10が嵌挿されるようになって
いる。ねじ軸10は、外周面に雄ねじの螺設されたねじ
軸本体11と、このねじ軸本体11の前端部に一体に形
成された、径寸法がねじ軸本体11の径寸法より若干大
きい球体12と、ねじ軸本体11の後端部に形成された
角柱部13とからなっている。
【0050】上記ねじ軸本体11は、庇部材6のねじ孔
63に螺合し得るように径寸法が設定されている一方、
上記切込み溝84は溝幅寸法がねじ軸本体11の径寸法
より僅かに大きく寸法設定され、これによってねじ軸本
体11は切込み溝84に挿通され得るようになってい
る。また、上記球体12は、押え板本体81の貫通孔8
3の径寸法より小さく、かつ、切込み溝84の溝幅寸法
より大きく寸法設定されている。
【0051】従って、球体12を貫通孔83に嵌め込ん
だ状態でねじ軸本体11を切込み溝84に通して後方に
向けて突出させることにより、ねじ軸10が、抜け止め
状態でその中心回りに三次元的に回動可能に貫通孔83
に装着されることになる。このねじ軸本体11を前方側
から庇部材6の壁部61に設けられたねじ孔63に螺着
することにより、図3および図4に示すように、ねじ軸
10がドクター刃挟持部材60に装着された状態にな
る。
【0052】そして、本実施形態においては、ねじ軸本
体11をねじ孔63に螺着するに先立って、ねじ軸本体
11に圧縮コイルばね14が外嵌される。ねじ軸10が
ドクター刃挟持部材60に装着された状態では、コイル
ばね14の付勢力によって押え板8が前方に向かって押
圧され、これによって寸法誤差による貫通孔83内での
球体12のがたつきが抑制されるようにしている。
【0053】従って、レンチ等の工具を角柱部13に装
着してねじ軸本体11を正逆回動操作することにより、
押え板8は前後動してその下面傾斜部82aと受け台7
の傾斜部72との隙間寸法が増減することになる。
【0054】そして、本発明の締結手段は、本実施形態
においては、上記ねじ軸10、このねじ軸10のねじ軸
本体11が螺着される庇部材6のねじ孔63、およびね
じ軸10の球体12が嵌挿される押え板8の貫通孔83
と切込み溝84とによって構成されている。
【0055】なお、本実施形態においては、ねじ軸10
は3本が採用され、これら3本のねじ軸10が押え板8
の両端部と中央部とに装着されるようにしているが、本
発明はねじ軸10が3本であることに限定されるもので
はなく、中央部のものを省略して両端2本のみを採用す
るようにしてもよい。こうすることによってねじ軸10
の締結操作を両手で一度に済ませることが可能になり、
ドクター刃9の装着操作が迅速に行い得るようになると
ともに、中央部のねじ軸10がなくてもドクター刃9の
確実な保持が可能であることを確認している。
【0056】図5は、ドクター刃挟持部材60の作用を
説明するための説明図であり、(イ)は、ドクター刃9
がドクター刃挟持部材60に装着される直前の状態、
(ロ)は、ドクター刃9がドクター刃挟持部材60に装
着された状態をそれぞれ示している。なお、図5では、
コイルばね14の図示を省略している。
【0057】まず、図5の(イ)に示す状態では、ねじ
軸10が順方向に回転操作されることにより前進し、貫
通孔83内の球体12が押え板本体81を前方に向けて
押圧することにより、押え板8が前進して嘴部82の下
面傾斜部82aと受け台7の傾斜部72の上面との間に
隙間ができた状態になっている。
【0058】この隙間にドクター刃9を差し入れて前方
傾斜部72a上に載置した状態にし、ねじ軸10を逆方
向に回転することによりねじ軸本体11は後退し、この
後退による球体12の後退によって球体12が切込み溝
84の縁部に干渉して押え板8を後方に引き寄せるた
め、押え板8の下面傾斜部82aが受け台7の前方傾斜
部72a上のドクター刃9を後方に向かってずらせつつ
押圧し、これによって、図5の(ロ)に示すように、ド
クター刃9が受け台7と押え板8とに押圧挟持される。
【0059】従って、ドクター刃9装着操作の初期に、
たとえ前方傾斜部72a上に載置したドクター刃9が奥
部の段差に到達していない状態であっても、押え板8を
後退させることによりドクター刃9の上面が下面傾斜部
82aに引きずられて一様に後退するため、ドクター刃
9のドクター刃挟持部材60への装着が完了した時点で
は、ドクター刃9は、その後縁部が受け台7の前方傾斜
部72aと後方傾斜部72bとの境目の段差に当止した
位置決め状態になっている。従って、ドクター刃9の前
端部が版胴102(図1)に対して平行になっていなか
ったり波打っており、これによって版胴102周面のイ
ンキの掻き取りが均一に行われ難くなるような従来の不
都合を確実に回避することができる。
【0060】また、押え板本体81の上面は後下がりの
傾斜面81aになっているため、押え板8が後退する
と、この傾斜面81aが庇部材6の庇部62前縁部に干
渉し、これによる楔作用で嘴部82を下方に向けて押圧
するため、これによってもドクター刃9の押圧挟持状態
はより安定したものになる。
【0061】図6は、本発明に係るドクター装置の第2
実施形態を示す部分図であり、(イ)は平面図、(ロ)
は側面視の断面図である。図6に示すように、第2実施
形態のドクター装置1においては、ねじ軸(シャフト)
10の基端側(図6の右側)への引き寄せ操作を、シリ
ンダー装置の駆動によって自動的に行わせるようにして
いる。
【0062】すなわち、ねじ軸10として第1実施形態
のものより長尺のものを採用するとともに、上記庇部材
6の壁部61に取付け座65を介してねじ軸10を挟む
ように一対のシリンダー装置66を取り付け、このシリ
ンダー装置66を駆動させることでねじ軸10の基端側
への引き寄せ、および先端側への押し戻しを行うように
している。
【0063】そして、図6の(ロ)に示すように、中央
部にねじ軸10を通す貫通孔65aの穿設された取付け
座65に、貫通孔65aを挟むように一対のシリンダー
装置66を固定し、これら一対のシリンダー装置66の
固定された取付け座65を受け台7の後端面にねじ止め
で固定することにより、シリンダー装置66がドクター
刃挟持部材60に装着されるようになされている。
【0064】具体的には、上記シリンダー装置66は、
筒状のシリンダー66aと、このシリンダー66aから
後方に向かって突出したピストンロッド66bとを備え
て構成されている。一対のピストンロッド66b間には
架橋ロッド67が架設されてボルト止めで固定されてい
るとともに、ねじ軸10の後端部は架橋ロッド67の中
央部を貫通した状態で架橋ロッド67を挟持するように
螺着された一対のナット68によって締結され、これに
よってねじ軸10は架橋ロッド67に連結固定されてい
る。シリンダー装置66には図略の空気圧機構からの空
気圧の供給・遮断が行われるようになされている。
【0065】そして、空気圧機構からのエアーをシリン
ダー66aに順方向に供給することにより、ピストンロ
ッド66bがシリンダー66aから後方に向かって突出
し、これによってねじ軸10が架橋ロッド67を介して
後方に引き寄せられるため、図6の(ロ)に実線で示す
ように、押え板8が後方に移動し、これによってドクタ
ー刃9は受け台7と押え板8とにより押圧挟持されたド
クター刃挟持部材60への装着状態になる。
【0066】逆に、空気圧機構の駆動でエアーをシリン
ダー66aに逆方向から供給することにより、ピストン
ロッド66bは先端方向に移動するため、架橋ロッド6
7を介したねじ軸10は前進して押え板8を前方に向け
て押圧し、これによって図6の(ロ)に二点鎖線で示す
ように、押え板8が受け台7から離間してドクター刃9
の保持が解消される。
【0067】このように、第2実施形態のドクター装置
によれば、空気圧機構の操作によってねじ軸10を自動
的に進退させることができ、ドクター刃9の交換を迅速
に行う上で有効である。
【0068】図7は、本発明に係るドクター装置の第3
実施形態を示す部分図であり、(イ)は側面視の断面
図、(ロ)は(イ)のB線視図である。第3実施形態に
おいては、先の実施形態で用いられていたようなねじ軸
10が採用されておらず、ねじ軸10に代えてハンドル
操作でドクター刃9を受け台7と押え板8との間に押圧
挟持するように構成されている。かかる構成であるた
め、庇部材6は、その庇部62が不要であり、庇部62
の存在しない壁部61のみが採用されている。
【0069】また、本実施形態では、押え板8は、その
押え板本体81の下面に穿設された有底のばね装着孔8
5とガイド孔86とを有している一方、受け台7の平板
部71上面にはガイド孔86に摺接状態で嵌入するガイ
ド突起74が突設されている。そして、圧縮コイルばね
75をばね装着孔85に嵌め込んだ状態でガイド孔86
をガイド突起74に外嵌することにより、図7の(イ)
に示すように、押え板8が位置決め状態で受け台7に装
着されるようになっている。
【0070】また、壁部61には、押え板8を圧縮コイ
ルばね75の付勢力に抗して受け台7に向けて押圧する
押圧手段15が設けられている。この押圧手段15は、
壁部61に前後方向(図7の紙面の左右方向)に向けて
穿設された装着孔61aに摺接状態で貫通される貫通軸
16と、この貫通軸16の先端部に偏心状態で一体に固
定されたカム17と、貫通軸16の後端部に固定された
ハンドル18とからなっている。
【0071】上記カム17の外周面は、押え板本体81
の上面に積層された当接板81bを介して押え板8に当
接するように寸法設定され、ハンドル18を貫通軸16
回りに回動操作して、図7の(ロ)に実線で示すよう
に、寝かせることにより、カム17が当接板81bを押
圧して押え板8が圧縮コイルばね75の付勢力に抗して
下降し、これによって、図7の(イ)に示すように、ド
クター刃9が受け台7と押え板8との間に押圧挟持され
るようになっている。
【0072】受け台7と押え板8との間に挟持されたド
クター刃9を外すときは、横に寝たハンドル18を貫通
軸16回りに回動操作して、図7の(ロ)に二点鎖線で
示すように、立直させればよい。そうすると、カム17
による当接板81bの押圧状態が解除されるため、圧縮
コイルばね75の付勢力によって押え板8が受け台7か
ら離間し、これによってドクター刃9は受け台7および
押え板8間から取り外し得る状態になる。
【0073】第3実施形態のドクター装置によれば、空
気圧機構のような動力源を使用することなく、ハンドル
操作でドクター刃9を容易に着脱することが可能であ
り、操作性が向上する。
【0074】図8〜図12は、本発明に係るドクター装
置の締結手段の第4実施形態を示す図であり、図8は、
ドクター刃9が締結された状態を示す一部切欠き斜視
図、図9は、押え板8が着脱可能に押出された状態を示
す一部切欠き斜視図、図10は、図8の側面視の断面
図、図11は図9の側面視の断面図である。また、図1
2は、締結手段の平面図である。
【0075】第4実施形態の締結手段は、第1実施形態
と同様にシャフト本体11′および球体12とからなる
シャフト10′と、このシャフト10′を引き寄せるこ
とによって押え板8を庇部材6内に引き入れるためのね
じ軸引寄せ構造700とを備えて構成されている。この
実施形態のシャフト10′は、球体12が設けられてい
る側と反対側の端部にのみ雄ねじが螺設されている点、
角柱部13が設けられていない点、および第1実施形態
のものより長尺に設定されている点で第1実施形態のね
じ軸10と相違している。
【0076】上記ねじ軸引寄せ構造700は、庇部材6
の壁部61上面に固定された支持板710と、この支持
板710に貫通状態で装着された引寄せ軸720と、こ
の引寄せ軸720の支持板710より下部側に連結され
るねじ軸包持部材730と、引寄せ軸720の頂部に固
定された操作レバー740と、操作レバー740および
支持板710間の引寄せ軸720に設けられた締付け部
材750とを備えて構成されている。
【0077】上記支持板710は、平面視で矩形状を呈
し、上方で架台320と対向するようにその一側部が庇
部材6の壁部61の上面に固定されている。なおこの実
施形態においては、基台300は、第1実施形態の支持
体31に相当する支持体310と同架台32に相当する
架台320とによって構成され、ガイド部材34や操作
ハンドル35a等は設けられていない。
【0078】また、支持板710は、上下に貫通した平
面視でコ字状を呈するコ字状孔711を有している。こ
のコ字状孔711は、図9に示すように、水平軸2に平
行で、かつ、互いに平行な第1横孔712および第2横
孔713と、これら第1および第2横孔712,713
の一方の端部間に互いに通じるように形成された縦孔7
14とからなっている。
【0079】上記引寄せ軸720は、コ字状孔711に
摺接状態で嵌入されるものであり、図10および図11
に示すように、コ字状孔711の孔幅寸法より僅かに小
さい径寸法を有する軸本体721と、この軸本体721
の頂部から同心で上方に突出したレバー装着軸722
と、軸本体721の底部に同心で一体に形成されたフラ
ンジ723と、軸本体721の軸心と偏心した状態でフ
ランジ723の底面から下方に向けて延設された偏心軸
724とからなっている。
【0080】上記軸本体721の上部には雄ねじ725
が螺設されている一方、上記締付け部材750には雄ね
じ725に螺着し得るねじ孔726が設けられ、軸本体
721を下からコ字状孔711に差し通した状態でねじ
孔726を雄ねじ725に螺着して締結することによ
り、引寄せ軸720が支持板710に装着された状態に
なるようにしている。
【0081】上記操作レバー740は、その先端部がレ
バー装着軸722に貫通された状態で、レバー装着軸7
22から外部に突出した部分(この部分には雄ねじが螺
設されている)にナットを螺着して締結することによ
り、レバー装着軸722に固定されるようになってい
る。
【0082】上記ねじ軸包持部材730は、図10およ
び図11に示すように、棒状の包持部材本体731と、
この包持部材本体731の基端側に形成された平面視で
円形の軸受部732と、この軸受部732の軸孔に抜け
止め状態で嵌め込まれる周面が球状の球軸受733とを
備えて構成されている。そして、上記球軸受733の軸
孔を上記偏心軸724に外嵌した状態で、抜止めボルト
725を偏心軸724の下端面に螺設されたねじ孔に螺
着して締結することにより、ねじ軸包持部材730が引
寄せ軸720の偏心軸724に装着されるようになって
いる。
【0083】上記包持部材本体731の先端部には、シ
ャフト本体11′の基端部を螺着するねじ孔734が螺
設され、このねじ孔734にシャフト本体11′の基端
部を螺着した状態で、予めシャフト本体11′に螺着さ
れている締結ナット735を包持部材本体731に向け
て締め付けることにより、シャフト10′がねじ軸包持
部材730に装着されるようになっている。
【0084】また、この実施形態においては、庇部材6
の壁部61には、第1実施形態で採用されているねじ孔
63に代えて、図12に示すような、水平方向に延びた
長孔630が穿設されている。この長孔630は、上記
コ字状孔711に対応して設けられ、水平方向の孔幅寸
法が第1および第2横孔712,713の長さ寸法と略
同一に設定され、これによってシャフト10′は締付け
部材750を緩めた状態において軸本体721の可動範
囲で水平方向に正逆移動し得るようになっている。
【0085】この長孔630を除いて、第4実施形態に
おける庇部材6、受け台7および押え板8の構成は第1
実施形態のものと同様である。
【0086】以下図12を基に、必要に応じて図8〜図
11を参照しながら、第3実施形態の締結手段の作用に
ついて説明する。図12は、ドクター装置の締結手段の
平面図であり、(イ)は受け台7および押え板8に挟持
されたドクター刃9が締め増しされた状態、(ロ)はド
クター刃9の締め増しが解除された状態、(ハ)は押え
板8が着脱可能に押し出された状態をそれぞれ示してい
る。
【0087】まず、ドクター刃9が、受け台7(図1
0)および押え板8に挟持された状態では、図12の
(イ)に示すように、引寄せ軸720の軸本体721が
コ字状孔711の第1横孔712に嵌め込まれた上で操
作レバー740が締め増し方向に操作されて偏心軸72
4が図12の右方に寄せられ、これによって押え板8が
シャフト10′およびその球体12を介して右方に偏心
軸724の偏心量だけ移動し、ドクター刃9は、受け台
7と押え板8との間で強固に押圧挟持された状態になっ
ている。この状態でさらに上記締付け部材750が軸本
体721回りに時計方向に操作されて軸本体721をフ
ランジ723との間で締付け、これによって引寄せ軸7
20の第1横孔712への嵌入状態が安定的に維持され
るようになっている。
【0088】ドクター刃9をドクター刃挟持部材60か
ら外すに際しては、まず、締付け部材750を軸本体7
21回りに反時計方向に操作して軸本体721が回動し
得るようにする。ついで、操作レバー740を軸本体7
21回りの時計方向に90°〜180°操作する。こう
することによって偏心軸724が前方(図12の左方)
に移動してシャフト10′を前方に押し遣るため、庇部
材6が球体12に押されて偏心軸724の偏心量だけ左
方に移動し、これによる押え板8の嘴部82の受け台7
からの離間でドクター刃9を取り外すことができる。
【0089】つぎに押え板8を庇部材6から取り外すに
際しては、締付け部材750を上記同様に操作して引寄
せ軸720がコ字状孔711内を動けるようにしてから
操作レバー740を軸本体721回りに時計方向に操作
して偏心軸724を左方に移動させ、これによって球体
12による押え板8の締め増し状態を解消し、押え板8
が長手方向(図12の紙面の上下方向)に移動し得るよ
うにする。この状態で引寄せ軸720およびシャフト1
0′を庇部材6の長手方向(図12の紙面の下方)に移
動させることにより、引寄せ軸720は、図12の
(ロ)に示すように、縦孔714の後端部(図12の右
端部)に位置した状態になる。
【0090】この状態から、軸本体721を縦孔714
に沿って前方に移動させた後、第2横孔713に嵌め込
むことによって(図12の(ハ))、シャフト10′
は、縦孔714の長さ分だけ前進して押え板8を左方に
向けて移動させるため、図9および図11に示すよう
に、押え板8を取り外すことができる。
【0091】逆に、押え板8をド庇部材6に装着するに
際しては、図12の(ハ)に示す状態で引寄せ軸720
を第2横孔713および縦孔714に沿って後退させた
後、偏心軸724を第1横孔712に嵌め込んだのち操
作レバー740の操作により軸本体721を軸心回りに
反時計方向に回動させ、引き続き上記締付け部材750
を操作して軸本体721を締め付ければよい。こうする
ことによって、図12の(イ)に示す、押え板8が庇部
材6に装着された状態になる。
【0092】第4実施形態の締結手段によれば、シャフ
ト10′をねじ込んだりねじ戻したりすることなく、操
作レバー740および締付け部材750の操作によって
ドクター刃9をドクター刃挟持部材60に対して簡単に
挿脱することが可能になり、ドクター刃9を取り替える
ときの操作性が向上する。
【0093】以下、図13〜図15を基に本発明に係る
ドクター装置の締結手段の第5実施形態について説明す
る。図13は、本発明に係る締結手段の第5実施形態を
示す一部切欠き斜視図であり、図14はその側面視の断
面図である。また、図15は、締結手段の平面図であ
り、(イ)はドクター刃9がドクター刃挟持部材60に
挟持された状態、(ロ)は押え板8が着脱可能にされた
状態をそれぞれ示している。
【0094】これらの図に示すように、この実施形態の
締結手段(すなわちねじ軸引寄せ構造800)は、庇部
材6の壁部61から後方(図14の右方)に向けて延設
された上部支持板810と、受け台7の後端縁から後方
に向けて延設された下部支持台820と、この下部支持
台820の後部上面に形成された庇部材6と平行な堰部
材830と、上部支持板810および下部支持台820
間に挟持された状態で庇部材6および堰部材830間に
介設されるねじ軸引寄せ円盤840と、このねじ軸引寄
せ円盤840を転動操作する操作レバー850とを備え
た基本構成を有している。
【0095】上記上部支持板810および下部支持台8
20には、シャフト10′に対応した位置に前後方向
(図14の紙面の左右方向)に延びる上部ガイド長孔8
11および下部ガイド長孔821がそれぞれ穿設されて
いる。上部支持板810と下部支持台820との間に
は、ねじ軸引寄せ円盤840を装着する円盤装着空間8
01が形成されているとともに、この円盤装着空間80
1の前端部(図14の左端部)には、庇部材6の壁部6
1の後縁および受け台7の平板部71の後縁によって形
成された、上記ねじ軸引寄せ円盤840の周縁部が当接
する当接面802が形成されている。
【0096】一方、上記シャフト10′の基端部には、
平面視で円形の軸受部860が設けられ、この軸受部8
60の上下方向に延びる貫通孔に引寄せ軸870が貫通
されている。この引寄せ軸870の上下端部が上部ガイ
ド長孔811および下部ガイド長孔821にそれぞれ嵌
挿された状態で孔から外部に突出している部分にEリン
グが装着され、これによって引寄せ軸870の抜止め処
理が施されている。
【0097】上記堰部材830は、下部支持台820の
後縁部から立設された堰壁831と、この堰壁831の
頂部から前方(図14の左方)に向かって延設された天
板832と、この天板832と上記下部支持台820と
の間に摺接状態で介設された押圧板833と、この押圧
板833と上記堰壁831との間に介設されたコイルス
プリング834と、押圧板833および上記当接面80
2間の距離を調節する調節ボルト835とを備えて構成
されている。
【0098】上記調節ボルト835は、図15に示すよ
うに、堰部材830の長手方向に2本が設けられてい
る。かかる調節ボルト835は、一端部が押圧板833
にねじ込まれて固定されている一方、他端部が堰壁83
1を貫通して外部に突出され、この突出部分にナットが
螺着されている。また、上記コイルスプリング834
は、2本の調節ボルト835間の中央位置および各調節
ボルト835の外側位置にそれぞれ設けられている。こ
れによって、調節ボルト835に螺着されているナット
の締弛操作で押圧板833の円盤装着空間801に対す
る突出量を調節することができるようになっている。
【0099】また、上記押圧板833には、その前面
(図14の左面)の上下方向の中央位置に長手方向(図
14の紙面に直交する方向)の全長に亘って凹設された
直状ガイド溝836を有している。また、下部支持台8
20の上面には、所定の曲率を有する曲線に沿うように
凹設された曲状ガイド溝822が設けられている。これ
らのガイド溝836,822は、後に詳述するねじ軸引
寄せ円盤840の円盤装着空間801内での転動を案内
するものである。
【0100】上記ねじ軸引寄せ円盤840は、径寸法が
円盤装着空間801の当接面802と、標準的な位置に
設定された押圧板833との間の距離と同一に寸法設定
されている。かかるねじ軸引寄せ円盤840は、所定位
置の周面が切り欠かれて形成したねじ軸装着凹部841
と、このねじ軸装着凹部841を通るようにねじ軸引寄
せ円盤840に貫設された上下方向に延びる、引寄せ軸
870を嵌挿するための嵌挿孔842と、周面の一部に
周方向に突設された上記直状ガイド溝836に嵌め込ま
れる円弧突起843と、嵌挿孔842に対して90°の
位相ずれで貫設されたねじ孔844とを備えて構成され
ている。
【0101】上記ねじ軸装着凹部841は、シャフト1
0′のシャフト本体11′および軸受部860を嵌め込
み得るように寸法設定されている。そして、軸受部86
0をねじ軸装着凹部841に嵌め込んだ状態で嵌挿孔8
42および軸受部860に引寄せ軸870を差し通し、
その上下をEリングで止めることにより、シャフト1
0′が引寄せ軸870回りに回動自在にねじ軸装着凹部
841内に装着されるようになっている。
【0102】上記ねじ孔844は、下端部が先細りに形
成された被ガイドねじ845を螺着するためのものであ
る。この被ガイドねじ845の先細りの先端部は、上記
曲状ガイド溝822に嵌め込まれるようになっている。
【0103】上記操作レバー850は、図13および図
15に示すように、ねじ軸引寄せ円盤840における引
寄せ軸870と点対称位置に立設された縦杆851の上
部から径方向の外方に向かって延設されて形成されてい
る。かかる操作レバー850を把持してねじ軸引寄せ円
盤840をその中心回りに正逆回動させることにより、
ねじ軸引寄せ円盤840は、円盤装着空間801内で転
動し、図15の(イ)に示す、シャフト10′が後方
(図15の右方)に引寄せられた締結位置と、図15の
(ロ)に示す、シャフト10′が前方に突出した締結解
除位置との間で位置変更し得るようになっている。
【0104】そして、上記下部支持台820の上面に凹
設される曲状ガイド溝822は、ねじ軸引寄せ円盤84
0が締結位置に位置設定された状態(図15の(イ))
における被ガイドねじ845の直下と、ねじ軸引寄せ円
盤840が締結解除位置に位置設定された状態(図15
の(ロ))における被ガイドねじ845の直下との間を
結ぶ滑らかな曲線に沿って凹設されている。
【0105】また、ねじ軸引寄せ円盤840の周縁部の
内で被ガイドねじ845が設けられている位置には、径
方向に直交するように円弧突起843の上下の周縁部が
削り取られて形成した第1弦縁部846が設けられてい
るとともに、同操作レバー850の縦杆851に対応し
た位置には、同第2弦縁部847が設けられている。
【0106】なお、第5実施形態において、ドクター刃
挟持部材60については、先の第1実施形態および第4
実施形態のものと同様に構成されている。
【0107】以下、図15を基に、必要に応じて図13
および図14を参照しながら、第5実施形態の締結手段
の作用について説明する。まず、図15の(イ)並びに
図13および図14に示すように、ねじ軸引寄せ円盤8
40が締結位置に位置設定された状態では、引寄せ軸8
70がガイド長孔811,821の後端位置に引寄せら
れ、これによって押え板本体81が、庇部材6の庇部6
2と受け台7の平板部71との隙間に引き入れられてド
クター刃9が受け台7および押え板8間に装着された状
態になっている。
【0108】また、ねじ軸引寄せ円盤840の第1弦縁
部846がコイルスプリング834によって付勢された
押圧板833によって押圧され、これによって締結位置
に位置設定されたねじ軸引寄せ円盤840の位置設定状
態が安定する。
【0109】ついで、図15の(イ)に示す状態におい
て、操作レバー850を把持してねじ軸引寄せ円盤84
0の中心回りに時計方向に力を加えると、コイルスプリ
ング834の付勢力で押圧板833により押圧された状
態のねじ軸引寄せ円盤840は、被ガイドねじ845が
曲状ガイド溝822に案内されつつ当接面802および
押圧板833間で円盤装着空間801内を時計方向に転
動し始める。このとき、押圧板833のねじ軸引寄せ円
盤840に対する押圧位置が第1弦縁部846から外れ
てねじ軸引寄せ円盤840の周面に移行する。
【0110】そして、操作レバー850を45°回動操
作することにより、図15の(ロ)に示すように、ねじ
軸引寄せ円盤840は、その第2弦縁部847が押圧板
833に当接した状態になるとともに、引寄せ軸870
はガイド長孔811,821に案内されつつ前方(図1
5の左方)に移動し、これによって引寄せ軸870に連
結されたシャフト10′が前進し、押え板8が受け台7
から離間してドクター刃9の挟持が解除される。
【0111】ドクター刃9をドクター刃挟持部材60に
装着するに際しては、図15の(ロ)に示す状態におい
て、受け台7上にドクター刃9を載置し、引き続き操作
レバー850を反時計方向に操作すればよい。こうする
ことによる引寄せ軸870の後退によってシャフト1
0′が円盤装着空間801に引寄せられ、これによって
ドクター刃9が、図15の(イ)に示すように、ドクタ
ー刃挟持部材60に装着された状態になる。
【0112】第5実施形態のねじ軸引寄せ構造800に
よれば、操作レバー850の操作のみでワンタッチでド
クター刃9の締結および締結解除操作を行うことが可能
になり、操作性が向上する。
【0113】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ドクター
刃を受け台の先端縁部と押え板の先端縁部との間に挟持
した状態で押え板の後端部を庇部材に嵌め込み、締結手
段を操作して締結することにより、ドクター刃を受け台
と押え板との間に押圧挟持された状態にすることができ
る。
【0114】このように、ドクター刃は締結手段の操作
のみによって締結固定されるため、従来のように多数設
けられたねじを順次締め付けることによって行っていた
取り付け操作に比べて、薄板状のドクター刃が波打つよ
うな不都合が回避され、熟練者でなくともドクター刃を
挟持部材に適正かつ迅速に装着することが可能になり、
作業性を著しく向上させることができる。
【0115】請求項2記載の発明によれば、受け台と押
え板との間にドクター刃を挟持した状態で、壁部から後
方外部に突出しているねじ軸を外部に突出する方向に向
けて回転操作することにより、押え板を庇部材内に引き
入れることができる。そして、押え板には上面が後端側
に向けて先下がりに傾斜した傾斜面が形成されているた
め、この傾斜面が庇部の前方下縁部と干渉し、押え板の
後退による楔作用によって押え板が受け台を押圧するこ
とになり、これによって受け台と押え板とに挟持されて
いるドクター刃を、その長手方向の全長に亘って一斉に
押圧挟持することができる。そして、ドクター刃は、そ
の全長に亘り同時に押え板によって押圧されるため、従
来のように多数のねじを順次締め付けていく場合に起こ
る波打現象を確実に回避することができる。
【0116】請求項3記載の発明によれば、蟻溝に嵌め
込まれた球体は抜け止めされた状態で三次元的に回動し
得るため、この球体に一体に固定されたねじ軸は四方に
向けて方向変更することができる。従って、簡単な構造
でありながら、押え板がねじ軸の回転で後方に引き寄せ
られたときの楔作用により移動方向がねじ軸の軸心方向
とずれても押え板に対するねじ軸の回動でずれが吸収さ
れるため、押え板によるドクター刃の締結操作を支障な
く行うことができる。
【0117】請求項4記載の発明によれば、締結手段と
してシリンダ手段を採用したため、シリンダ手段の駆動
によるピストンロッドの進退によって押え板によるドク
ター刃の押圧挟持およびその解除を自動的に行うことが
可能になり、ドクター刃の取り換え操作をより迅速に行
うことができる。
【0118】請求項5記載の発明によれば、受け台の上
にドクター刃を載置した状態で、連結部材を後方に移動
させることにより、押え板が連結部材に結合されたシャ
フトを介して後方に移動し、これによってドクター刃を
押え板と受け台との間に挟持させた状態にすることがで
き、この状態でシャフトの他端を長孔から分岐した横孔
に嵌め込むことにより、ドクター刃の装着状態を安定さ
せることができる。このように、連結部材を長孔に沿っ
て後方に移動させて横孔に嵌め込むという簡単な操作で
ドクター刃を受け台および押え板間に装着することが可
能になり、ドクター刃取り替え作業の作業性を向上させ
ることができる。
【0119】請求項6記載の発明によれば、受け台の上
にドクター刃を載置した状態で、円盤を受け台上で転動
させることにより、押え板が垂直軸に結合されたシャフ
トを介して後方に移動し、これによってドクター刃を押
え板と受け台との間に挟持させた状態にすることができ
る。このように、円盤を受け台上で転動させるという簡
単な操作でドクター刃を受け台および押え板間に装着す
ることが可能になり、ドクター刃取り替え作業の作業性
の向上に貢献することができる。
【0120】請求項7記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0121】請求項8記載の発明によれば、締結手段と
して偏心カムを採用したため、受け台と押え板との間に
ドクター刃を挟み込んだ状態で操作ハンドルを操作して
カムを貫通軸回りに順方向に回転させることにより、偏
心しているカムが押え板を押圧し、これによってドクタ
ー刃を受け台と押え板との間に押圧挟持させることが可
能になり、動力を利用することなく締結手段の操作性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドクター装置の使用状態を示す側
面視の説明図である。
【図2】本発明に係るドクター装置の一実施形態を示す
一部切欠き分解斜視図である。
【図3】図2に示すドクター装置の組立て斜視図であ
る。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】ドクター刃挟持部材の作用を説明するための説
明図であり、(イ)は、ドクター刃がドクター刃挟持部
材に装着される直前の状態、(ロ)は、ドクター刃がド
クター刃挟持部材に装着された状態をそれぞれ示してい
る。
【図6】本発明に係るドクター装置の第2実施形態を示
す部分図であり、(イ)は平面図、(ロ)は側面視の断
面図である。
【図7】本発明に係るドクター装置の第3実施形態を示
す部分図であり、(イ)は側面視の断面図、(ロ)は
(イ)のB線視図である。
【図8】本発明に係るドクター装置の締結手段の第4実
施形態を示す一部切欠き斜視図であり、ドクター刃挟持
部材にドクター刃が締結された状態を示している。
【図9】図8に示す締結手段において、押え板が着脱可
能に押出された状態を示す一部切欠き斜視図である。
【図10】図8の側面視の断面図である。
【図11】図9の側面視の断面図である。
【図12】図8に示す締結手段の平面図であり、(イ)
は受け台および押え板に挟持されたドクター刃が締め増
しされた状態、(ロ)はドクター刃の締め増しが解除さ
れた状態、(ハ)は押え板が着脱可能にされた状態をそ
れぞれ示している。
【図13】本発明に係る締結手段の第5実施形態を示す
一部切欠き斜視図であり、図14はその側面視の断面図
である。また、図15は、締結手段の平面図であり、
(イ)はドクター刃9がドクター刃挟持部材60に挟持
された状態、(ロ)はドクター刃9に対するドクター刃
挟持部材60の挟持が解除された状態をそれぞれ示して
いる。
【図14】図13の締結手段の側面視の断面図である。
【図15】締結手段の平面図であり、(イ)はドクター
刃がドクター刃挟持部材に挟持された状態、(ロ)は押
え板が着脱可能にされた状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 ドクター装置 100 印刷機 101 インキパン 102 版胴 103圧胴 10 ねじ軸 11 ねじ軸本体 12 球体 13 角柱部 14 コイルばね 15 押圧手段 16 貫通軸 17 カム 18 ハンドル 2 水平軸 21 パイプ受け 3 基台 31 支持体 32 架台 33 係止ねじ 33a 操作ハンドル 34 ガイド部材 34a ガイドレール 34b 縁突条 34c ガイド溝 35 支持板移動ねじ 35a 操作ハンドル 36 係止溝 4 支持板 41 傾斜面 42 被ガイド突条 43 ねじ孔 44 締結部材 44a 締結ねじ 44b 円柱体 44c 操作レバー 45 止め金具用ねじ孔 5 止め金具 51 金具本体 52 止め突起 53 止めねじ 53a 操作ハンドル 53b 頭部 6 庇部材 61 壁部 62 庇部 63 ねじ孔 64 取っ手 65 取付け座 66 シリンダー装置 66a シリンダー 66b ピストンロッド 67 架橋ロッド 68 ナット 7 受け台 71 平板部 72 傾斜部 72a 前方傾斜部 72b 後方傾斜部 73 段差 8 押え板 81 押え板本体 81a 傾斜面 81b 当接板 82 嘴部 82a 下面傾斜部 83 貫通孔 84 切込み溝 85 ばね装着孔 86 ガイド孔 700 ねじ軸引寄せ構造 710 支持板 730 ねじ軸包持部材 720 引寄せ軸 740 操作レバー 750 締付け部材 800 ねじ軸引寄せ構造 810 上部支持板 820 下部支持台 830 堰部材 840 ねじ軸引寄せ円盤 850 操作レバー 860 軸受部 870 引寄せ軸 9 ドクター刃

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心回りに回転している円筒状の版胴周
    面に付着したインキを薄板状のドクター刃によって掻き
    取り、版胴周面の凹部に残留したインキを圧胴による押
    圧でシートに転写して印刷するように構成された印刷機
    に使用されるインキ掻き取り用のドクター装置であっ
    て、刃先を版胴の軸心に平行にかつ版胴周面に対向させ
    た状態でドクター刃を挟持するドクター刃挟持部材が備
    えられ、このドクター刃挟持部材は、ドクター刃を受け
    る受け台と、この受け台上のドクター刃を押さえる押え
    板と、受け台の後縁部上面に一体に固定されて受け台上
    面との間に押え板装着空間を形成する庇部材と、この装
    着空間に嵌め込まれた押え板のドクター刃に対する押圧
    状態を締結する締結手段とを有していることを特徴とす
    る印刷機のドクター装置。
  2. 【請求項2】 上記庇部材は、受け台の後縁部に立設さ
    れた壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向
    けて延設された庇部とからなり、上記壁部にはねじ孔が
    貫設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下
    がりに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、押
    え板後端部から後方に向けて突設された軸心回りに回転
    自在でかつ押え板に対して方向変更自在のねじ軸によっ
    て形成され、このねじ軸は、上記ねじ孔に貫通状態で螺
    着されていることを特徴とする請求項1記載の印刷機の
    ドクター装置。
  3. 【請求項3】 上記押え板には、開口が後方に向き、か
    つ、上下に貫通した蟻溝状の溝が設けられ、上記ねじ軸
    は、先端部に後方に向けて抜け止め状態で上記蟻溝に嵌
    め込まれる球体を有していることを特徴とする請求項2
    記載の印刷機のドクター装置。
  4. 【請求項4】 上記庇部材は、受け台の後縁部に立設さ
    れた壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向
    けて延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が
    貫設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下
    がりに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、押
    え板後端部から後方に向けて突設された軸心回りに回転
    自在でかつ押え板に対して方向変更自在のシャフトによ
    って形成され、このシャフトは、上記貫通孔に貫通され
    た状態で受け台に固定されたシリンダ手段のピストンロ
    ッドに連結されていることを特徴とする請求項1記載の
    印刷機のドクター刃装置。
  5. 【請求項5】 上記庇部材は、受け台の後縁部に立設さ
    れた壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向
    けて延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が
    貫設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下
    がりに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、上
    記貫通孔を貫通するように押え板後端部から後方に向け
    て突設されたシャフトと、このシャフトに対応して穿設
    された長孔を有する上記庇部材と一体の位置決め板と、
    一端がシャフトの端部に結合され、他端が上記長孔を貫
    通する連結部材とを備えて構成され、上記長孔は、シャ
    フトを突出させた状態における連結部材の他端が抜け止
    め状態で嵌り込む横孔を有していることを特徴とする請
    求項1記載の印刷機のドクター装置。
  6. 【請求項6】 上記庇部材は、受け台の後縁部に立設さ
    れた壁部と、この壁部の上縁部から受け台の先端側に向
    けて延設された庇部とからなり、上記壁部には貫通孔が
    貫設され、上記押え板には、上面が後端側に向けて先下
    がりに傾斜した傾斜面が形成され、上記締結手段は、上
    記貫通孔を貫通するように押え板後端部から後方に向け
    て突設されたシャフトと、このシャフトの後端部が偏心
    位置に設けられた垂直軸を介して相対回動可能に連結さ
    れる円盤と、受け台上における円盤の前後方向への移動
    を規制した状態で幅方向への移動を許容する堰部材とを
    備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    印刷機のドクター装置。
  7. 【請求項7】 上記押え板には、開口が後方に向き、か
    つ、上下に貫通した蟻溝状の溝が設けられ、上記シャフ
    トは、先端部に後方に向けて抜け止め状態で上記蟻溝に
    嵌め込まれる球体を有していることを特徴とする請求項
    4乃至6のいずれかに記載の印刷機のドクター装置。
  8. 【請求項8】 軸心回りに回転している円筒状の版胴周
    面に付着したインキを薄板状のドクター刃によって掻き
    取り、版胴周面の凹部に残留したインキを圧胴による押
    圧でシートに転写して印刷するように構成された印刷機
    に使用されるインキ掻き取り用のドクター装置であっ
    て、刃先を版胴の軸心に平行にかつ版胴周面に対向させ
    た状態でドクター刃を挟持するドクター刃挟持部材が備
    えられ、このドクター刃挟持部材は、ドクター刃を受け
    る受け台と、この受け台上のドクター刃を押さえる押え
    板と、上記受け台の基端部に長手方向に延びるように固
    定された壁部と、この壁部に取り付けられ、かつ、押え
    板のドクター刃に対する押圧状態を締結する締結手段と
    を備えて構成され、上記締結手段は、上記壁部を軸心回
    りに回動可能に貫通した貫通軸と、この貫通軸の先端側
    に偏心状態で固定され、かつ、周面が上記押え板に当接
    したカムと、上記貫通軸の基端側に固定された操作ハン
    ドルとからなっていることを特徴とする印刷機のドクタ
    ー装置。
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