JP4340092B2 - 裁断構成部材を取り外し可能に固定するための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、該してウェブ印刷機、特にウェブ印刷機における折り機の胴に裁断部材を固定することに関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェブ印刷機は、紙等の材料の連続的なウェブを印刷する。次いで、連続的なウェブは、折り機の裁断ユニットにおいて裁断され、折丁を形成し、この折丁は次いで折り畳まれるか又は出力されることができる。ウェブは通常、刃付き胴とアンビル胴とによって形成されたニップにおいて、アンビル胴によって支持された裁断ゴム又はその他のアセンブリと協働する、刃付き胴によって支持されたブレードによって裁断される。
【0003】
欧州特許出願第1136411号明細書(これは、共同で所有された米国特許出願番号第09/533685号に対応し、この米国出願は引用によりここに組み込まれる)は、第1の切込みを形成するようにウェブを部分的に裁断する、第1の裁断胴及び刃受け胴を有する折り装置を開示している。部分的に裁断されたウェブは、搬送テープの間を第2の裁断胴及び刃受け胴まで案内され、これらの第2の裁断胴及び刃受け胴が、第1の切り込みの間でウェブを裁断して折丁を形成する。搬送テープは、第2の裁断胴及び刃受け胴に設けられた、軸方向に間隔を置いて配置された溝を通過する(図6及び図7参照)。
【0004】
米国特許第5259283号明細書は、折り機アセンブリのための横裁ち装置を示している。裁断溝胴は溝ストリップアセンブリを有しており、この溝ストリップアセンブリは、裁断溝部材と、裁断過程の間に生じる力を吸収するための圧力ばね部材とを有している。圧力ばね部材は、弾性的なエレメントであってよいか(図1及び図3参照)、又は圧力ばねによって裁断溝部材に向かって押し付けられた黄銅ボディであってよい(図2参照)。溝ストリップアセンブリは、裁断溝胴における溝にきつく締め付けられており、簡単に取り外すことができないという欠点を有する。
【0005】
ブレード及び裁断ゴムは磨耗し、定期的に交換されなければならない。典型的な従来の装置では、ブレード交換作業はしばしば時間がかかりかつ困難であり、ボルト、ねじ等の弛緩及び緊定を必要とする。裁断ゴムは、アンビル胴に機械加工された軸方向溝内に、圧縮されながら密に保持されていてよい。これまで、古い裁断ゴムの交換は、工具を用いて裁断ゴムを軸方向溝からてこにより取り出し、次いで同時に新たな裁断ゴムを湾曲させて、刃受け胴における軸方向溝に取り付けることを必要としていた。欧州特許出願第1136411号明細書に開示されたシステムの場合、裁断ゴムに形成された溝を、裁断ゴムを挿入する曲げ及び取付けの方法を使用して、胴ボディに形成された軸方向に間隔を置かれたテープ溝と整合させることが困難であることが分かった。しばしば裁断ゴムは取り外されて再整列させられなければならず、このことは裁断ゴムに対する損傷を生じるおそれがある。
【0006】
幾つかの従来のシステムにおいては、裁断ゴム又はブレードは、裁断胴又はアンビル胴から取外し可能なアセンブリに収容されている。例えばEMT InternationalのQuick Set Bar TM は、バーによって支持されたブレードが迅速かつ容易に交換されることを可能にするパーフォレーションバーである。しなしながら、その間にブレードが締め付けられたアンビルを有するバー全体が、裁断胴から取り外されなければならない。ブレードのみを取り外すことは示されていない。
【0007】
【特許文献1】
欧州特許出願第1136411号明細書
【特許文献2】
米国特許第5259283号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、従来技術の欠点を改良して、ウェブ印刷機の裁断部材胴に対して裁断ブレード及び裁断ゴムを容易に着脱できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取り外し可能に固定するための装置を提供する。この装置は、裁断部材胴の円周に配置された第1の軸方向アンビル部材と、第1のアンビル部材に向かい合って、裁断部材胴の円周に配置された第2の軸方向アンビル部材とを有している。第1及び第2のアンビル部材は、これらの間に裁断部材を収容するように構成されている。ロックモードにおいて裁断部材胴に裁断部材を確実に固定し、解放モードにおいて裁断部材を確実に解放するためのロッキング装置が設けられている。
【0010】
第1及び第2のアンビル部材は、ロックモードにおいてこれらのアンビル部材の間に裁断部材を締め付けるように構成されていてよい。第1のアンビル部材は、裁断部材胴に対して固定されていてよい。第2のアンビル部材は、第1のアンビル部材に対して可動であってよい。さらに、第2のアンビル部材は、裁断部材胴に対して固定されたピボットを中心に旋回するように構成されていてよい。
【0011】
ロッキング装置は偏心部材を有しており、この偏心部材は、偏心部材の第1の角度位置においてロックモードを達成するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために、また、ロックモードにおいて確実なロックを提供するために偏心部材の第2の角度のオーバートグル位置において第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために、また、偏心部材の第3の角度位置において解放モードを達成するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるために構成されている。偏心部材は、第2のアンビル部材に隣接して配置された細長い軸方向部材であってよい。さらに、偏心部材は、第2のアンビル部材によって規定されたスロットに収容された偏心ディスクであってよい。
【0012】
さらに、ロッキング装置は回転可能な偏心部材を有していてよく、この偏心部材は、偏心部材の第1の角度位置においてロックモードを達成するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために、また、ロックモードにおいてポジティブなロックを提供するために偏心部材の第2の角度のオーバートグル位置において第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために、また、偏心部材の第3の角度において解放モードを達成するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるために、構成されている。
【0013】
第2のアンビル部材は、第1のアンビル部材に向かい合って第1のテーパした面を有していてよい。テーパ部材が設けられており、このテーパ部材は、第1のテーパ面に隣接して配置された第2のテーパ面を有し、ロックモードにおいて第2のアンビル部材を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために軸方向に並進するように構成されている。
【0014】
裁断部材胴は、テーパした軸方向側部を有する溝を規定していてよく、第2のアンビル部材は、第1のアンビル部材に向かい合ったテーパした面を有していてよい。第2のアンビル部材は、溝に収容されていてよく、この場合、テーパした面が、テーパした軸方向側部に隣接していて、ロックモードにおいて第2のアンビル部材を第1のアンビル部材に押し付けるために、半径方向内方に可動である。
【0015】
第1及び第2のアンビル部材の少なくとも一方が、裁断部材胴に定置に取り付けられていてよい。第1及び第2のアンビル部材の少なくとも一方が、裁断部材胴と一体的に形成されていてよい。
【0016】
ロッキング部材は、ロックモードにおいて締め付けを達成するように第2のアンビル部材を第1のアンビル部材に向かって押し付けるために膨張するように構成された、膨張可能なシール装置を有していてよい。膨張可能なシール装置はさらに、解放モードを達成するように第2のアンビル部材を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるように、収縮するように構成されている。さらに、ロッキング装置は、ロックモードを達成するために裁断部材を半径方向内方に押し付けるために、裁断部材の少なくとも1つの面に隣接して真空を提供するように構成された真空装置を有していてよい。
【0017】
ロッキング装置は、裁断部材によって規定された長手方向ボアに収容された細長い捕捉部材と、この捕捉部材のそれぞれの端部において捕捉部材を裁断部材胴に取外し可能に取り付けるように構成された、第1及び第2のばねクリップ部材とを有していてよい。さらに、ロッキング装置は、裁断部材によって規定された横方向溝に収容された、取外し可能なクリップ装置を有していてよく、このクリップ装置は、ロックモードを達成するために裁断部材を裁断部材胴に定置に取り付け、また解放モードを達成するために取り外されるように構成されている。
【0018】
裁断部材胴はアンビル胴であってよく、裁断部材は裁断ゴムであってよい。さらに、裁断部材胴は裁断胴であってよく、裁断部材は裁断ブレードであってよい。
【0019】
本発明はウェブ印刷機も提供する。ウェブ印刷機は、ウェブ印刷機の裁断部材胴の円周に配置されていてかつ裁断部材胴に対して固定された第1の軸方向アンビル部材と、第1のアンビル部材と向かい合って裁断部材胴の円周に配置されていてかつ裁断部材胴に対して固定されたピボットを中心に旋回するように構成された第2の軸方向アンビル部材とを有している。第1及び第2のアンビル部材は、裁断部材を収容するように構成された軸方向溝を規定している。回転可能な偏心部材が設けられており、この偏心部材は、偏心部材の第1の角度位置において第1のアンビル部材と第2のアンビル部材との間に裁断部材を締め付けるために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるように、また、ロックモードにおいてポジティブなロックを提供するために偏心部材の第2の角度のオーバートグル位置において第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるように、また、偏心部材の第3の角度位置において裁断部材を解放するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるように、なっている。
【0020】
本発明は、ポジティブロッキング及びポジティブ迅速解放能力を提供し、これは、折り機の胴における裁断ゴム又はその他の裁断部材が、迅速に、正確に、不当なオペレータ主観性なしに確実に交換又は調整されることを可能にする。
【0021】
本発明を、添付の図面に関連した典型的な実施例に基づき説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照すると、裁断部材胴に裁断部材を固定するための、本発明による装置の実施例が示されている。図示した実施例の場合、固定装置10は、定置のアンビル4と、可動なアンビル6と、アンビル胴30に裁断ゴム2を固定するためのロッキングロッド8とを有している。裁断ゴム2は、例えばポリウレタン等の適切な弾性的な材料から形成されていてよい。本発明の別の実施例では、例えば裁断溝又は裁断ブレード等の別の裁断部材が、折り装置のアンビル胴又は刃付き胴又はその他の胴に固定されていてよい。ロッキングロッド8により、装置10は、裁断ゴム2がアンビル胴30に固定されているロックモードと、裁断ゴム2がアンビル胴30から容易に取外し可能である解放モードとを占めることができる。
【0023】
可動なアンビル6は、アンビル6が、図1に示したようなロックモード、又は図2に示したような解放モードを占めることができるように、ピボット軸12を中心に旋回する。ロックモードにおいて、裁断部材2は、可動なアンビル6と定置のアンビル4との間に締め付けられている。解放モードにおいては、可動なアンビル6は、アンビルの間から裁断部材2を解放させるために、定置のアンビル4から離れる方向に回転させられている。ロックモードは、裁断ゴム2がアンビル胴30にポジティブに固定されている状態であるのに対して、解放モードは、裁断ゴムの容易な配置換え又は取外しを可能にするように、アンビル胴30からポジティブに解放されている状態である。
【0024】
ロッキングロッド8は、概して円筒状のロッドエレメントであってよく、ロッキングロッドは、偏心部材又はカム部材5を有していて、偏心部材5を2つの角度位置に90゜だけ相対的に回転させるようにピボット軸11を中心に回転させられることができる。偏心部材5は、それぞれ、面7と、面9と、面14とを有している。面7は、面9よりも、ピボット軸11から半径方向により離れているに対し、面14は、面7よりも、ピボット軸11から半径方向に離れている。ロッキングロッド8が図1に示したように配置されている場合、面7は可動なアンビル6に隣接して配置され、この場合、可動なアンビル6の面13が裁断ゴム2に隣接し、裁断ゴムを定置のアンビル4に押し付ける。この場合、ロッキングロッド8のロックモードにおいて、裁断ゴム2は、可動なアンビル6の面13と定置のアンビル4との間にポジティブに締め付けられる又はロックされる。可動なアンビル6の面13は、裁断ゴム2における可動なアンビル6の食い付き効果を高めるために、プラズマ溶射粗面化によって粗くなっている又は凹凸を有する。ロッキングロッド8が図2に示したように回転させられると(図1に示した位置から90゜)、面9は可動なアンビル6に隣接して配置され、可動なアンビルが、定置のアンビル4から離れる方向に移動する。この解放モードにおいて、裁断ゴム2はアンビル胴30から容易に取外し可能である。ロッキングロッド8がロックモードと解放モードとの間で回転させられる場合、固定装置10は、面14が可動なアンビル6に隣接して配置される“オーバートグル”位置(図示せず)を通って移行する。このオーバートグル位置は、ポジティブロッキング効果を提供し、これにより、ロッキングロッド8は解放モードに位置するか又はポジティブにロックモードに位置する。
【0025】
ロッキングロッド8のこの90゜の回転は、装置10をポジティブロックモードからポジティブ解放モードへ迅速に変化させる。ボルト、ねじ等のトルク負荷に関するオペレータの主観的判断は必要ない。装置は、ポジティブにロックモード又は解放モードに位置する。ロックモードから解放モードへの変更は、“迅速解放”形式で迅速に行われる。裁断ゴム2は、その全長に沿って均一に負荷又は保持されるか、又は裁断ゴムの大部分は、裁断ゴムを固定するためにアンビル胴30に機械加工された溝によって提供されるであろう剛性に近付く。本発明により、裁断ゴム2は、裁断ゴムにほとんど又は全く損傷を与えることなく、アンビル胴30に対して容易にかつ正確に配置されることができる。これにより、アンビル胴30において軸方向に間隔を置いて配置された溝を通過する搬送テープを利用する折りシステムにおいて、裁断ゴム2は容易に配置されてよく、これにより、裁断ゴムにおける対応する溝が、アンビル胴の溝と整合させられる。付加的に、裁断ゴム2は容易に解放される。
【0026】
偏心部材5の特定の構成に応じて、ロッキングロッド8のロックモードと解放モードの位置の間に90゜ではない角度差が設けられていてよい。
【0027】
図3及び図4を特に参照すると、本発明による装置の実施例は、側部部材18と端部キャップ16とを有している。可動なアンビル6とロッキングロッド8とは、端部キャップ16において旋回し、かつ端部キャップ16によって支持されている。定置のアンビル4と共に、側部部材18と端部キャップ16とは一体的なアセンブリ20を形成している。一体的なアセンブリ20は、例えばボルトを使用してアンビル胴30のチャネル32に固定されてよい。一体的なアセンブリ20は、裁断ゴム2の高さ、整合等に関して、及びロッキングロッド8及び可動なアンビル6の力及び動作に関して、工場出荷時調整されていてよい。本発明の別の実施例においては、定置のアンビル4はアンビル胴30の一体的な部分であってよく、この場合、可動なアンビル6及びロッキングロッド8は、例えばアンビル胴30における個々の軸を中心に旋回する。
【0028】
図5a及び5bは、本発明の個々の実施例によるロッキングロッドを所定の位置に保持するための装置を示している。図5a及び5bに示された実施例は、図1〜図4に関して上に説明された実施例に、それぞれ異なる形式でポジティブロッキング効果を提供する。すなわち、図5a及び5bに示した実施例において、ロッキングロッド8は、前述のように、オーバートグルポジティブロッキングのための面14を有していても、有していなくてもよい。図5aに示した実施例においては、ロッキングロッド8には、ロッドの端部にタブ22が設けられている。タブ22は、クリップ装置26のスロット24に挿入され、これにより、ロッキングロッド8をロックモードにおいて堅く保持し、ロッキングロッド8は、クリップ装置26によってロックモードから回転することを防止されている。前述のように、ロックモードにおいては、裁断ゴム2が、可動なアンビル6と定置のアンビル4との間に締め付けられる。クリップ装置26は、ロッキングロッド8から容易に解除できるようにばね負荷されており、これにより、ロッキングロッドは、裁断ゴム2がアンビル6及び4から解放される解放モードに回転させられる。本発明の別の実施例においては、クリップ装置は、例えばボルトを使用して所定の位置に固定されていてよい。
【0029】
図5bに示した実施例においては、ロッキングロッド8には切欠28が設けられており、この切欠は、図5aに示した実施例のように、ロッキングロッドの回転を阻止しかつロッキングロッドをロックモードに保持するために、ばねブロック32と合致するように設計されている。ばねブロック32はばね力に抗して引っ込められ、ロッキングロッド8との係合を解除され、これにより、ロッキングロッド8を解放モードへ回転させることができる。
【0030】
図6は、本発明の実施例を示しており、この場合、ロッキングロッド8には、ロッキングロッドの位置をオペレータに示すための、平らな面34及び36が設けられている。図6に示したように面34が上方に面している場合は、ロッキングロッド8はロックモードにある。これに対して、面36が上方に面するようにロッキングロッド8が90゜だけ回転させられると、ロッキングロッド8は解放モードにある。面34及び36は、ロッキングロッド8の単純でかつ有効な位置表示を提供するために、例えばそれぞれ赤と緑とに着色されてよい。
【0031】
図7a及び7bを参照すると、本発明の別の実施例が示されている。図示したロックモードにおいては、裁断ゴム2はアンビル胴30の可動なアンビル6と面42との間に締め付けられている。本発明の別の実施例においては、面42は、アンビル胴30に例えばボルト留めされた、別個の定置のアンビルに設けられていてよい。偏心ディスク又はカム部材46は、可動なアンビル6に設けられた切欠44に配置されており、アンビル胴30に固定された個々のピボット47を中心に回転可能である。図1〜図4を参照に前述した偏心部材5と同様に、偏心ディスク46は、ロックモード及び解放モードを達成するために、個々の軸47を中心に回転させられる。示されたロックモードにおいては、可動なアンビル6が裁断ゴム2に対して押し付けられ、アンビル胴30の面42に対して裁断ゴムを締め付ける。解放モードにおいては、可動なアンビル6は裁断ゴム2から引き離され、裁断ゴムは、アンビル4と6との間から解放され、自由に取り外される。
【0032】
図8は、本発明の実施例を示しており、この場合、図示したようなロックモードを達成するために、アンビル胴30の可動なアンビル6と面42との間に裁断ゴム2を固定するための締付力を提供するために、締付けボルト部材52が使用されている。締付けボルト部材は、可動なアンビル6の個々のボア54に配置されており、アンビル胴30の面56に係止させられている。締付けボルト部材52を緊定することにより、可動なアンビル6は面42に向かって移動させられ、これにより、装置をロックモードに配置する。当業者によって理解されるように、締付けボルト部材は、可動なアンビル6を面42に向かって押し付けるためのあらゆる適切なボルトであってよい。締付けボルト部材52を弛緩させることによって、可動なアンビル6は面42から離れる方向に移動させられ、これにより、装置を解放モードに配置する。
【0033】
図9a及び9bを参照すると、裁断ゴム2を固定するための締付力を提供するためにテーパバー部材62及び64を使用する本発明の別の実施例が示されている。ねじ山付きロッド63が、可動なテーパバー部材62の対応するねじ山付きボア67に収容されている。ロック可能なボルト66を使用してロッド63を時計回り又は逆時計回りに回転させることにより、可動なテーパバー部材62が、図9aに矢印L及びRで示されたそれぞれの方向に並進する。可動なテーパバー部材62がLの方向に移動する場合、テーパバー部材62のテーパした側67が、定置のテーパバー部材64の対応するテーパした側61と相互作用することにより、定置のテーパバー64を裁断胴2へ押し付ける。これにより、裁断ゴムは、ロックモードにおいてアンビル胴30の面42と定置のテーパバー部材64との間に締め付けられる。可動なテーパバー部材62がRの方向に移動すると、定置のテーパバー部材64を緩め、裁断ゴム2を解放し、解放モードを達成する。Rの方向での可動なテーパバー部材62の移動を可能にするために、空所81が設けられている。可動なテーパバー部材62の移動を制限しかつそれぞれポジティブなロックモード及び解放モードを達成するために、ストッパ68及び69、又はその他のタイプの停止部材が設けられていてよい。図9bに示したように、可動なテーパバー部材62は、アンビル胴にテーパバー部材を保持するために、定置のテーパバー部材64及びアンビル胴30における対応するスロットにおいて摺動するタブ65を有している。ロックモードにおいて可動なテーパバー部材62を固定するために、ロック可能なボルト66がロックされる。
【0034】
図10は本発明の実施例を示しており、この場合、裁断ゴム2を固定するためにくさび部材71が使用されている。くさび部材71は、ボルト72の動作によって半径方向内方へ押し付けられる、テーパしたバーである。アンビル胴30の直線的なテーパした面又は湾曲した面74により、くさび部材72は裁断ゴム2に力を加え、これにより、ロックモードにおいてアンビル胴の面42に対して裁断ゴムを締め付ける。ボルト72を弛緩させることにより、くさび部材72は半径方向外方へ移動し、これにより、裁断ゴム2への力を解放し、裁断ゴムが取外し可能となる解放モードを達成する。
【0035】
図11を参照すると、本発明の別の実施例において、裁断ゴム2を所定の位置に締め付けるために、膨張可能なシール82が使用されている。膨張可能なシール82は、アンビル胴30の面42に向かって裁断ゴム2を押し付けるために、流体圧力源(図示せず)を使用して膨張させられてよく、これにより、裁断ゴムが膨張可能なシールと面42との間に堅く締め付けられるロックモードを達成する。裁断ゴム2が解放される解放モードを達成するために、膨張可能なシール82は収縮させられる。膨張及び収縮の予設定は、ロックモード及び解放モードのための、膨張可能なシールの膨張された又は収縮されたポジティブな位置を達成するために設けられていてよい。アンビル胴30に設けられた溝31内に膨張可能なシールを閉鎖するために、ボルト86によって固定されたカバープレート84が設けられている。膨張可能なシール82は、あらゆる適切な膨張可能なシール装置、例えばSeal Master TM ブランドの膨張可能なシールであってよい。
【0036】
図12は、本発明の実施例を示しており、この場合、裁断ゴム2はキーパ部材92を使用して所定の位置に保持されている。この場合、裁断ゴム2は、アンビル胴に設けられた個々の溝(図示せず)に対応する、軸方向に間隔を置かれた溝3を有している。溝3は、前記欧州特許出願第1136411号明細書に開示された折り機におけるように、1つ又は2つ以上の個々の搬送テープ94のための隙間を提供している。キーパ部材92は溝3に嵌合して、アンビル胴30に裁断ゴム2を捕捉し、これにより、ロックモードを達成する。キーパ部材92は、ねじ、ボルト等を使用してアンビル胴30に固定されていてよい。キーパ部材92は、解放モードを達成するために取り外されてよい。個々の溝3に、裁断ゴム2に沿って軸方向に間隔を置いて複数のキーパ部材92が設けられていてよい。
【0037】
図13を参照すると、本発明の実施例が示されており、この場合、裁断ゴム2は、真空装置102を使用してアンビル胴30の所定の位置に固定されている。裁断ゴム2は、アンビル胴30の溝31内に配置されている。真空装置102は、裁断ゴム2と、溝31の底部45、側部42及び側部43のうちの1つ又は2つ以上との間に真空を生ぜしめ、これにより、ロックモードにおいて裁断ゴムを溝31内に堅く保持する。ロックモード及び解放モードのためのポジティブな真空圧力レベル及び非真空圧力レベルを達成するために、真空予設定が提供されてよい。真空装置102によって加えられる真空を除去することによって、解放モードが達成される。溝31は例えばアンビル胴30に機械加工されていてよい。真空装置は、裁断ゴム2と溝31との間に真空を生ぜしめるための真空ポンプ又はあらゆる適切な装置であってよい。
【0038】
図14を参照すると、本発明の実施例が示されており、この場合、裁断ゴム2は、ばねクリップ114と組み合わされたロッド112を使用してアンビル胴30に固定されている。ロッド112は、裁断ゴム2に設けられた軸方向ボア113内に配置されている。裁断ゴム2は、アンビル胴30に設けられた溝31内に配置されている。ロッド112の端部115は、図示したようにばねクリップ14に固定されており、裁断ゴム2を溝31内の所定の位置に堅く保持しかつロックモードを達成する。ばねクリップ114は、ばねで、又はその他の形式で弾性的にアンビル胴30に固定されており、これにより、ばねクリップは、端部115から離れる方向に引っ込められ、解放モードを達成する。
【0039】
本発明は上に単に例として説明されており、発明の範囲において詳細の変更がなされることができることは当然理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロックモードにおいて本発明に実施例による裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置を示す概略的な横断面図である。
【図2】解放位置における図1の装置を示す概略的な横断面図である。
【図3】図1の装置の斜視図である。
【図4】図1の装置を分解して示す斜視図である。
【図5】a及びbは、本発明のそれぞれの実施例によるロッキングロッドを所定の位置にポジティブに保持するための装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例による位置表示装置を有するロッキングロッドを示す斜視図である。
【図7】aは、可動なアンビルの切欠に設けられた偏心ディスク部材を使用する本発明の別の実施例による装置を示す斜視図であり、bはaに示した装置の可動なアンビル部分を詳細に示す斜視図である。
【図8】緊定ボルト部材を使用する本発明のさらに別の実施例による装置を示す斜視図である。
【図9】aは、テーパバー部材を使用する本発明のさらに別の実施例による装置を示す斜視図であり、bは、図9aに示した装置の横断面図である。
【図10】くさび部材を使用する本発明のさらに別の実施例を示す概略的な横断面図である。
【図11】膨張可能なシールを使用する本発明のさらに別の実施例の横断面図である。
【図12】キーパ部材を使用する本発明のさらに別の実施例を分解して示す斜視図である。
【図13】真空装置を使用する本発明のさらに別の実施例を示す横断面図である。
【図14】ばねクリップ装置を使用する本発明のさらに別の実施例を示す概略的な斜視図である。
【符号の説明】
2 裁断ゴム、 4 定置のアンビル、 5 カム部材、 6 可動なアンビル、 7 面、 8 ロッキングロッド、 9 面、 10 固定装置、 1111,12 ピボット軸、 13,14 面、 16 端部キャップ、 18側部部材、 20 アセンブリ、 22 タブ、 24 スロット、 26 クリップ装置、 30 アンビル胴、 34,36 面、 42 面、 44 切欠、 46 カム部材、 47 軸、 52 ボルト部材、 54 ボア、 56 面、 63 ロッド、 62,64 テーパバー部材、 66 ボルト、67 テーパした側、 68,69 ストッパ、 71 くさび部材、 72ボルト、 74 面、 82 シール、 84 カバープレート、 86 ボルト、 92 キーパ部材、 94 搬送テープ、 102 真空装置、 112 ロッド、 114 ばねクリップ、 115 端部
Claims (10)
- ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置において、
裁断部材胴の円周に配置された第1の軸方向アンビル部材が設けられており、
該第1のアンビル部材に向き合って、裁断部材胴の円周に配置された第2の軸方向アンビル部材が設けられており、第1及び第2のアンビル部材が、これらのアンビル部材の間に裁断部材を収容するように構成されており、
ロックモードにおいて裁断部材を裁断部材胴にポジティブに固定しかつ、解放モードにおいて裁断部材をポジティブに解放させるように構成されたロッキング装置が設けられており、
前記第1及び第2のアンビル部材が、ロックモードにおいてこれらのアンビル部材の間に裁断部材を締め付けるように構成されており、
前記ロッキング装置が、回転可能な偏心部材を有しており、該偏心部材が、偏心部材の第1の角度位置においてロックモードを達成するように第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるように、及び偏心部材の第2の角度位置において解放モードを達成するように第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるように、構成されており、
第1の角度位置と第2の角度位置との間の偏心部材の第3の角度位置において、第2のアンビル部材の少なくとも一部が、偏心部材が第1の角度位置にある場合よりも第1のアンビル部材に近いことを特徴とする、ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置。 - 前記第1のアンビル部材が、裁断部材胴に対して固定されている、請求項1記載の装置。
- 前記偏心部材が、第2のアンビル部材に隣接して配置された細長い軸方向部材である、請求項1記載の装置。
- 前記偏心部材が、第2のアンビル部材によって規定されたスロット内に収容された偏心ディスクである、請求項1記載の装置。
- 前記裁断部材胴がアンビル胴であり、裁断部材が裁断ゴムである、請求項1記載の装置。
- 前記第2のアンビル部材が、第1のアンビル部材に対して可動である、請求項1記載の装置。
- 前記第2のアンビル部材が、前記裁断部材胴に対して固定されたピボット軸を中心に旋回するように構成されている、請求項6記載の装置。
- ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置において、
裁断部材胴の円周に配置された第1の軸方向アンビル部材が設けられており、
該第1のアンビル部材に向き合って、裁断部材胴の円周に配置された第2の軸方向アンビル部材が設けられており、第1及び第2のアンビル部材が、これらのアンビル部材の間に裁断部材を収容するように構成されており、
ロックモードにおいて裁断部材を裁断部材胴にポジティブに固定しかつ、解放モードにおいて裁断部材をポジティブに解放させるように構成されたロッキング装置が設けられており、
前記第1及び第2のアンビル部材が、ロックモードにおいてこれらのアンビル部材の間に裁断部材を締め付けるように構成されており、
前記ロッキング装置が、回転可能な偏心部材を有しており、該偏心部材が、偏心部材の第1の角度位置においてロックモードを達成するように第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるように、及び偏心部材の第2の角度位置において解放モードを達成するように第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるように、構成されており、さらに前記ロッキング装置が、少なくともロックモードにおいて偏心部材をポジティブに保持するための、タブ及びスロット式クリップ装置又は切欠及びばねブロック装置のうちの少なくとも一方を有しており、
第1の角度位置と第2の角度位置との間の偏心部材の第3の角度位置において、第2のアンビル部材の少なくとも一部が、偏心部材が第1の角度位置にある場合よりも第1のアンビル部材に近いことを特徴とする、ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置。 - ウェブ印刷機において、
第1の軸方向アンビル部材が設けられており、該第1のアンビル部材が、印刷機の裁断部材胴の円周に配置されていてかつ裁断部材胴に対して固定されており、
第2の軸方向アンビル部材が設けられており、該第2の軸方向アンビル部材が、第1のアンビル部材に向かい合って裁断部材胴の円周に配置されていてかつ、裁断部材胴に対して固定されたピボットを中心に旋回するように構成されており、第1及び第2のアンビル部材が、裁断部材を収容するように構成された軸方向の溝を規定しており、
回転可能な偏心部材が設けられており、該偏心部材が、偏心部材の第1の角度位置において裁断部材を第1のアンビル部材と第2のアンビル部材との間に締め付けるために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって押し付けるように、及び偏心部材の第2の角度位置において裁断部材を解放するために第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材から離れる方向に移動させるように、構成されており、
第1の角度位置と第2の角度位置との間の偏心部材の第3の角度位置において、第2のアンビル部材の少なくとも一部が、偏心部材が第1の角度位置にある場合よりも第1のアンビル部材に近いことを特徴とする、ウェブ印刷機。 - ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置において、
裁断部材胴の円周に配置された第1の軸方向アンビル部材が設けられており、
該第1のアンビル部材に向き合って、裁断部材胴の円周に配置された第2の軸方向アンビル部材が設けられており、第1及び第2のアンビル部材が、これらのアンビル部材の間に裁断部材を収容するように構成されており、
ロックモードにおいて裁断部材を裁断部材胴にポジティブに固定しかつ、解放モードにおいて裁断部材をポジティブに解放させるように構成されたロッキング装置が設けられており、
前記第1及び第2のアンビル部材が、ロックモードにおいてこれらのアンビル部材の間に裁断部材を締め付けるように構成されており、第2のアンビル部材が第1のアンビル部材に対して可動であり、第2のアンビル部材が、第2のアンビル部材の少なくとも一部を第1のアンビル部材に向かって移動させかつ第2のアンビル部材の第1の角度位置においてロックモードを達成するために、及び第2のアンビル部材の第2の角度位置において解放モードを達成するために、裁断部材胴に対して固定されたピボット軸を中心にして回転するように構成されており、
第1の角度位置と第2の角度位置との間の偏心部材の第3の角度位置において、第2のアンビル部材の少なくとも一部が、偏心部材が第1の角度位置にある場合よりも第1のアンビル部材に近いことを特徴とする、ウェブ印刷機の裁断部材胴に裁断部材を取外し可能に固定するための装置。
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