JPH079670A - 印刷版の固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷版の自動交換に最適な印刷版の固定装置
を提供することである。 【構成】 印刷版を取り付けるための狭い溝を有し、こ
の溝に連通する、シリンダーの凹所（１８）に１つのテ
ンションバー（１７）が弾性的に支持され、このテンシ
ョンバー（１７）には、弾性的な締付部材（２１）が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、柔軟な印刷版を固定す
る印刷版固定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】DE 31
16 506 C2 号明細書は、凹所の壁面がシリンダーの外周
面に対して鋭角なテンション用凹所を有する柔軟な印刷
版（刷版）の固定装置を示している。この固定装置に
は、印刷版を取り付けるために、凹所の壁面およびプレ
ート端部の間にはまる凹所の長さ方向に分割されたチャ
ッキング装置が設けられている。このように印刷版を取
り付けることによって、印刷版の自動交換を可能にする
が、チャッキング装置が場所を取るため、大きなテンシ
ョン溝の幅が必要である。これは、印刷面積のロスを意
味する。

【０００３】

【発明の目的】本発明の目的は、印刷版の自動交換に最
適な印刷版の固定装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１に記
載の特徴によってこの課題を解決する。この装置は締付
装置を有しているためテンション溝の幅を狭くすること
ができる。他の特徴および利点が従属項および明細書に
よって明らかになっている。

【０００５】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明のいくつかの
実施例について説明する。

【０００６】図１は、プレート取り付けの断面図、図２
は、版シリンダーをプレートに取り付ける場合の他の実
施例においての側面図、図３は、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ
における断面図、図４は、図２のＩＶ−ＩＶにおける断
面図、図５は、図２のＶ−Ｖにおける断面図、図６およ
び図１０は、テンションバーの他の操作例、図７は、図
６にＡと示した方向から見た図、図８は、図７のＶＩＩ
Ｉ−ＶＩＩＩにおける断面図、図９は、圧力チャンバー
の前端面の接続器具の断面図である。

【０００７】図１に部分的に示されている版シリンダー
（版胴）１には、軸方向に走るシリンダー状の凹所２が
設けられている。この凹所２は、シリンダー外周面に対
し、鋭角な壁面３と、ほぼ直角な壁面４とを有してい
る。締付部材５は、凹所の壁面３、４に作用する。この
締付部材５の表面は、特に各壁面３、４に対して平行な
締付面６、７を有している。締付部材５は、テンション
バー８に固定されている。このテンションバー８は、圧
縮状態のバネ９によって凹所の底部２に支えられてい
る。締付部材５は、例えば、ネジでテンションバー８に
固定され、あるいはノッチにはめ込まれている。締付部
材５を備えたテンションバー８は、少なくとも印刷版１
１の全幅にわたっている。

【０００８】印刷版１１は、プレート前端１２によって
シリンダー外周面と凹所の壁面３とによって構成されて
いる凹所の縁に係止されている。すなわち、プレート
は、凹所２の壁面および締付面６の間にはめ込まれてい
る。版シリンダー１の回転において、特に、パッドロー
ラーあるいは接触されたゴムシリンダーを利用すること
によって、印刷版は、シリンダーに巻き付けられてい
る。以降、プレート後端１３が、凹所２の壁面および締
付部材５の間に押し込まれる。

【０００９】締付部材５に形成されている挿入傾斜面に
よって、プレート前端１２、プレート後端１３を簡単に
差し込むことができる。印刷版１１を取り出すために
は、プレート剥離器具１４によって、締付部材５がテン
ションバー８とともに、バネ９の力に抗してシリンダー
の凹所２に押し込まれる。この場合、締付部材５の締め
付け作用の解除によって、まずプレート後端１３がシリ
ンダーの凹所から飛び出す。印刷版をシリンダー面から
巻下ろした後に、再び締付部材５を押すことによってプ
レート前端１２も版シリンダー１から取り出すことがで
きる。

【００１０】図２は、版シリンダー１６を示し、これに
おいてテンションバー１７は、シリンダーの凹所１８の
中でシリンダー外周面の長さ方向端部まで、すなわちシ
ュミッツリング１９、２０まで延出する。さらに、締付
手段は、テンションバー１７に連接された締付部材２１
によって構成されている。これらの締付部材は、テンシ
ョンバー１７によって弾性的に支持されている。締付部
材を分割することは、製造技術の上で有利である。さら
に、印刷版２２を凹所の壁面へ締め付けることも良好で
ある。ちなみに、シリンダーの凹所１８は、図１による
シリンダーの凹所と幾何学的に一致する。ただし、後述
するように、図１の実施例において必要なプレート剥離
器具１４が不要であるため、凹所１８において溝の幅
は、場合によっては、より狭く設計することができる。
テンションバー１７は、圧縮状態のバネ２３によって凹
所の底１８で支持されている（図３）。それぞれの締付
部材は、図１に示されている締付手段に類似するが、特
には図示されていない締付面を有している。各締付部材
の底面には、ネジ２６で２つのスリーブ２７が固定され
ている（図５）。これによって締付部材２１が、テンシ
ョンバー１７の穴２８の中にスライドできるように取り
付けられている。スリーブ２７およびネジ２６の頭部と
の間に止めリング２９が配置されている。この止めリン
グは、穴２８を塞いでいる。締付部材２１の支持方法
は、例えばピンあるいはナット２４などによる別の方法
でも行える。各機械壁には、１つのタペット３２、３３
が取付けられ、これらは版シリンダー外周面に貫通する
穴３４、３５を通して、直角にテンションバー１７の方
向に移動できる。

【００１１】図１による前記の実施例と同様に、締付部
材２１がテンションバーによって凹所の壁面の楔状の空
間に押し込まれることによって、プレート端を固定し、
印刷版２２を取り付ける。締付部材２１を確実に押しつ
けるため、これらのものはテンションバー１７によっ
て、若干、弾性的に押し込まれる。この際、止めリング
２９および穴２８の間に隙間ができる。印刷版２２を版
シリンダー１６から剥離するため、穴３４、３５がタペ
ット３２、３３の下に位置するように版シリンダー１６
を位置させる。タペット３２、３３を伸ばすときに、テ
ンションバー１７が圧縮状態のバネ２３の作用方向の反
対方向である凹所１８の底部に押し込まれる。止めリン
グ２９および穴２８（図５）の間の隙間を通過した後、
締付部材２１も同時に移動する。要するに、凹所の壁面
で構成されている楔状の空間から引っ張り出されること
によってプレート端が開放される。プレートを張るため
の凹所にプレート剥離器具を挿入することが不要である
から、その凹所を非常に狭く、例えば２ｍｍ、あるいは
それ以下に設計することができる。印刷版の厚さおよび
製造上の問題を解消しうる範囲で、凹所を狭くすること
ができる。

【００１２】図６および図１０は、テンションバーの別
の利用方法を示す。ここには、版シリンダーの左側の操
作装置のみを示している。同様の装置は、シリンダーの
右側にも配置されている。図６による版シリンダーにお
いて、テンションバー３７は、ぶれリング３８まで延
び、圧力室３９内に至る。圧力室は、テンションバー３
７に対して半径方向に移動できるダイヤフラム４０を有
し、シリンダー外周面を貫通する接続穴４１を介して外
気と連絡している。この接続穴には、リフト装置４２に
よって圧縮空気の接続器具４３を押しつけることでき
る。接続器具４３は、シリンダーの外周面と同じ曲率を
有し（図７）、接続開口部４４は特に細長い断面（図
８）として形成されている。接続開口部４４を、細長い
形に構成するため、印刷版を剥離する接続穴４１は、正
確に接続器具４３の下に位置させる必要はない。

【００１３】図９に示されるように、接続穴４５は、版
シリンダーの外部と圧力室とを連通している。この実施
例において接続穴４８の接続開口部４７が「円の弓形」
として形成されている。この「円の弓形」は、平坦なパ
ッキング面によって取り囲まれている。

【００１４】印刷版を剥離するため、版シリンダー３６
の接続穴４１が接続器具４３の下におかれる。接続器具
４３をシリンダー３６の外周面まで下ろした後に圧力室
３９が圧縮空気で充填され、それによってダイヤフラム
４０がテンションバー３７を内部へ押し込む。プレート
端は前記の実施例と同様に開放される。

【００１５】図１０に示されるように、版シリンダー５
０のテンションバー４９には、１つの傾斜面５１が設け
られている。機械の側壁に固定されているタペット５３
にも１つの傾斜面５４が形成されている。タペット５３
を突き出すときに、傾斜面５１および５４は互いに滑
り、テンションバー４９を半径方向で中心軸線側へ移動
させる。これによってプレート端が開放される。その
他、印刷版の剥離および取り付けは、第一の実施例と同
様に行われる。

【００１６】上記実施例においては、版シリンダーは、
印刷版を取り付けるための、シリンダーに形成されてい
る凹所は１つしかない。しかし、本発明においては、版
シリンダーの周囲に、複数の印刷版を取り付けるための
複数の凹所を均等的に設けることも含まれている。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレート取り付けの断面図である。

【図２】版シリンダーをプレートに取り付ける場合の他
の実施例においての側面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩにおける断面図である。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶにおける断面図である。

【図５】図２のＶ−Ｖにおける断面図である。

【図６】テンションバーの他の操作例である。

【図７】図６にＡと示した方向から見た図である。

【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩにおける断面図であ
る。

【図９】圧力チャンバーの前端面の接続器具の断面図で
ある。

【図１０】テンションバーの他の操作例である。

【符号の説明】

１，１６，３６，５０ 版シリンダー ２，１８ 凹所 ３，４ 凹所の壁面 ５，２１ 締付部材 ６，７ 締め付け面 ８，１７，３７，４９ テンションバー ９， バネ １２ プレートの前端 １３ プレートの後端 １４ プレートの剥離器具 ２４ ノッチ ２７ スリーブ ２８，３４，３５ 穴 ２９ 止めリング ３０，３１ 側壁 ３２，３３，５３ 操作装置（タペット） ３９ 圧力室 ４０ 膜（ダイヤフラム） ４１，４５，４８ 接続穴 ４３， 接続器具 ４４ 接続開口部 ５１，５４ 傾斜面

フロントページの続き (72)発明者 ハインリッヒ・シュミット ドイツ国・86500・クッツェンハウゼン・ ハウプトストラッセ・７

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に走る少なくとも１つのシリンダ
   ーの凹所を有し、その凹所の縁にプレート前端を係止
   し、一方の凹所の壁面（３）は、シリンダーの外周面に
   対して鋭角で、かつ他方の凹所の壁面（４）は、シリン
   ダーの外周面に対してほぼ直角であって、凹所の壁面お
   よび凹所の壁面に作用する締付部材を用い、シリンダー
   の凹所（２、１８）の内部には、弾性的に支持されてい
   るテンションバー（８、１７、３７、４９）が取り付け
   られ、その締付部材（５、２１）には、凹所の壁面
   （３、４）に作用する締め付け面（６、７）が設けられ
   ていることを特徴とする印刷版固定装置。
2. 【請求項２】 締付部材（５）がテンションバー（８）
   に固定されていることを特徴とする請求項１に記載の印
   刷版固定装置。
3. 【請求項３】 締付部材（２１）は、テンションバー
   （１７、３７、４９）に移動可能に取付け、このテンシ
   ョンバーに弾性的に支持されるとともに外方向に付勢さ
   れ、テンションバー（１７、３７、４９）がシリンダー
   の外周面の端部までほぼ延出し、操作装置（３２、３
   ３、５３）によって版シリンダー（１６、３６、５０）
   の中心軸線に向かう半径方向の力が加えられることを特
   徴とする請求項１に記載の印刷版固定装置。
4. 【請求項４】 締付部材（２１）は、テンションバー
   （１７）のノッチ（２４）に組み込まれ、その底部に弾
   性的に支持され、その底部に１つの止めリングをはさん
   でスリーブ（２７）がネジで固定され、各スリーブ（２
   ７）がテンションバー（１７）の穴（２８）を通して、
   止めリング（２９）が穴を覆っていることを特徴とする
   請求項３に記載の印刷版固定装置。
5. 【請求項５】 締付手段は、並列されている締付部材
   （２１）で構成されていることを特徴とする請求項３あ
   るいは４に記載の印刷版固定装置。
6. 【請求項６】 テンションバー（１７）の端部の各機械
   の側壁（３０、３１）に１つのタペット（３２、３３）
   が配置され、それは半径方向に版シリンダー（１６）の
   シリンダー外周面に設けられた穴（３４、３５）を通し
   てテンションバー（１７）に向かって移動可能であるこ
   とを特徴とする請求項３〜５のいずれかに記載の印刷版
   固定装置。
7. 【請求項７】 テンションバー（４９）の端部であって
   機械の一方の側壁（５２）に１つのタペット（５３）を
   取り付け、このタペット（５３）は、版シリンダー（５
   ０）の軸方向に延出可能であるとともに、１つの傾斜面
   （５４）を有し、前記タペット（５３）は、テンション
   バー（４９）に形成されている傾斜面（５１）と共に作
   用することを特徴とする請求項３〜５のいずれかに記載
   の印刷版固定装置。
8. 【請求項８】 テンションバー（３７）の端部に、テン
   ションバー（３７）に半径方向に移動可能な膜（４０）
   を有する圧力室（３９）が設けられ、その圧力室（３
   ９）に形成された１つの接続穴（４１、４５）が、圧縮
   空気の供給源の接続器具（４３）に当接することを特徴
   とする請求項３〜５のいずれかに記載の印刷版固定装
   置。
9. 【請求項９】 接続穴（４１）が版シリンダー（３６）
   の外周面に開口し、接続器具（４３）には細長い形を有
   する接続開口部（４４）が設けられ、この接続開口部は
   シリンダーの外周面の曲率を有するパッキング面に取り
   囲まれていることを特徴とする請求項１に記載の印刷版
   固定装置。
10. 【請求項１０】 接続穴（４５）が版シリンダー（４
    ６）の外周面に開口し、この接続穴（４８）の接続開口
    部（４７）が円の弓形の形し、１つの円の弓形は平坦な
    パッキング面によって取り囲まれていることを特徴とす
    る請求項１に記載の印刷版固定装置。