JPH0154196B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はウエブ供給印刷機のための凹版印刷版
を取付けるための版胴であつて、版胴の外周部に
開口する少くとも一つの溝を有し、この溝内の延
びる印刷版の端部のために溝内に係止装置を配置
した版胴に関する。

従来の技術 凹版印刷機のための或る公知の版胴（西独特許
公開公報第2105633号）においては、係止装置は
直線状に移動可能に取付けられた二個の締付けバ
ーにより形成され、これらの締付けバー上に可撓
性の凹版印刷版が把持用ねじによつて把持され、
係止装置はさらに締付けねじを備え、締付けバー
が印刷版締付けのためにこの締付けねじによつて
移動されることができるようになつている。この
構成では締付けバー及び締付けねじを収めるため
に版胴に相対的に広い溝を設けることが要求さ
れ、ウエブ供給印版機にはあまり適したものとは
言えない。そのような印刷機では、溝によつて形
成され印刷版によつて覆われる版胴の開口部が可
能な限り少なくなければならないからである。

可撓性の印刷版のための他の係止装置（西独特
許公報第1939358号）では、二つの印刷版端部を
把持するために同様に二つの締付けバーが備えら
れ、締付け装置に締付けバーに形成した深部内を
案内させるピストンにより形成され、これらのピ
ストンは溝形成壁上に支持されて流体圧により駆
動可能になつている。これらのピストンの駆動動
装置は油圧式又は空気圧式シリンダにより形成さ
れ、コントロールピストンを備えていて二つの締
付けバーの間で溝の底の中央に装着されている。
この係止装置は版胴にさらに広い溝を必要とする
ものである。

上述の公知の係止装置に共通の要因は、二つの
印刷版端部を把持する装置と実際に印刷版を締付
ける装置とが互いに独立であり、そして、印刷版
を係止して締付けるときに相互に独立に作動され
ねばならないことである。即ち、先ず印刷版端部
を締付けバーに固くボツト止めし、次いで、これ
らの締付けバー或いは少くとも一つの締付けバー
を締付け装置によつて移動させることになる。

版胴は印刷版を取付けるためのもつと簡単な装
置も公知である（米国特許第2209127号）。この装
置は溝の底の中央にボルト止めされた保持部材に
より簡単に形成され、この保持部材は半径方向に
向いたＴ形部分を有している。ほぼ直角に曲げら
れて溝内に延びる印刷版の端部はＶ形に曲げら
れ、これらを取付けるために、Ｖ形の自由端部が
相互に向き合つて保持部材のＴ形部分の両側でＴ
形のヘツドの下方に押し込まれて印刷版の端部が
このヘツドの下部に当接されるようになつてい
る。版胴の端部を溝内に押込むために、その度毎
に、溝形成壁とＴ形部分との間でブレード付きの
特別の工具が必要とされ、このブレードがＶ形の
印刷版端部の内角部に挿入される。この装置は、
凹版印刷版の場合はこれを確実に取付けるために
基本的となつている印刷版の楔止めをなさしめる
ものではなく、又、印刷版の端部がＴ形部分の下
部に係合した後で印刷版を締付けしめるものでも
ない。しかして、満足のいく印刷を得るために
は、可撓性の印刷版が使用されて、これが版胴に
比較的大きな力で把持されなければならない。

発明の開示 本発明は、版胴の円周方向に要求されるスペー
スが非常に小さく従つて版胴の半径方向にのびる
溝の幅が非常に小さくなるような印刷版係止装置
を備え、版胴が圧胴に圧接されるときに要求され
る高圧接力に対して版胴の強度が十分に確保され
るようにした、ウエブ供給印刷のための版胴を提
供することを目的とする。さらに、係止装置は簡
単な構造を有し且つ印刷版を把持して締付ける操
作が従来公知の係止装置よりもかなり容易に行う
ことができるように形成され、さらに、選定され
た溝のジオメトリと関連して、凹版印刷に好まし
く使用されている例えば固いニツケル版を実際に
把持することを可能とするように形成されるべき
である。

上記目的を解決するために、本発明による版胴
は、係止装置が印刷版の双方の端部に共通な締付
けバーを備え、この締付けバーは版胴の半径方向
における長さ寸法が円周方向の長さ寸法よりも長
く且つ版胴の軸線にほぼ平行な軸線の回りで傾く
ことができ、係止装置はさらに一方の溝形成壁に
配置されて前記締付けバーの一側に作用する締付
け装置と、前記締付けバーと他方の溝形成壁との
間に配置されたクランプピースとを備え、クラン
プピースの両側に印刷版のほぼ半径方向に折曲げ
られた二つの端部を導入するためのほぼ半径方向
に向いた隙間が形成され、印刷版の端部が締付け
装置の駆動により締付けバーを傾けることによつ
て一方においてクランプピースと締付けバーとの
間且つ他方においてクランプピースとクランプピ
ースに隣接する溝形成壁との間で同時に把持され
て、前記締付けバーの傾けによつて同時に印刷版
が締付けられるようにしたことを特徴とする。

本発明は基本的な利点は、好ましくは楔形の締
付けバーとクランプピースの両者がかなり薄く形
成されることができ、よつて溝が非常に小さい幅
を有するように形成されることができることにあ
り、それによつて、版胴本体の安定性は溝の領域
においてほんのわずかだけ影響されるのみであ
る。さらに、本発明の利点は印刷版端部の把持及
び印刷版の締付けが締付けバーを得ることによる
単一の操作で同時に行われることができることに
ある。従つて、本発明による版胴はウエブ供給に
重要な要求を適切に満足することができ、よつて
円周方向のギヤツプが可能な限り挟くされること
ができ、そして、凹版印刷版、さらに特性すれば
非常に固いニツケル版をかなりの締付力を加えて
取付けることができる。

好ましくは、楔状断面を有する締付けバーのそ
のテーパー端部が版胴の外周母面の包絡線までほ
ぼ延びており、クランプピースはより短くて隣接
する溝形成壁の高さの一部の高さだけ半径方向に
延び、そして、溝は半径方向外方にテーパーが付
けられて版胴外周部に狭い円周方向のギヤツプを
形成し、このギヤツプの幅は締付けバーのテーパ
ー端部及びギヤツプ内に延びる印刷版の二つの端
部を収めるのに十分な程度の大きさであつて印刷
版Ｐを締付けるのに十分なあそびがあるようにな
つているように構成することができ。有利なこと
は、締付けバー及びクランプピースが溝内にゆる
く挿入されていて溝の底に支持される部品となつ
ていることであり、よつてこれらの部品のための
係止装置は省略できる。

好ましい態様によれば、締付け装置は複数個の
流体作動ピストンにより形成され、そのシリンダ
ボアは前記溝形成壁に形成されている。さらに、
有利には、ピストン及び全ての流体圧供給通路と
ともにシリンダボアが版胴の嵌合深部に取付けら
れたインサートに収められ、この深部は溝を含
み、インサートに外周面が版胴の外周面を正確に
補完する。流体圧が遮断された後でさえも印刷版
を締付られた状態に維持するために、締付けバー
とピストンを備えた溝形成壁との間に締付サポー
トが配置され、この締付けサポートは印刷版の締
付け及び把持の後で版胴の端面において接近操作
可能なねじによつて半径方向外方に押されること
ができ、締付けバーを楔止めする。

本発明による版胴のその他の適切な展開は請求
の範囲から明らかであろう。以下本発明を図面を
参照した実際的な例に基いて詳細に説明する。

実施例の説明 第１図は版胴１を示し、版胴１は部分的に示さ
れた二つのジヤーナル２，３とボルト４ａ及び５
ａ（第５図、第６図）によつてそれぞれの端面に
取付けられた二つのフランジ４，５とを備えてい
る。版胴１の内部には破線で示された加熱及び冷
却システム２６，２７，２８，２９が設けられ、
これについては後で説明する。第２図は参照する
と、版胴１は二つの可撓性の印刷版Ｐ，P′を支持
するように形成されており、この目的のために、
二つの直径方向に対向する溝６を備え、これらの
溝６は版胴の外周部に開にし、これらの溝６に二
つの印刷版Ｐ及びP′の半径方向内方に折り曲げら
れた端部PAとP′B，P′AとPBがそれぞれ係合す
る。この説明は凹版印刷版についてなされてお
り、そして、版胴１はウエブ供給印刷機、即ち、
凹版印刷工程でウエブ状紙を印刷するためのもの
として意図されている。

溝６の各々の断面は半径方向外方にテーパーが
付けられ、そして、溝６の各々の中に、版係止装
置に係る部品、即ち、締付けバー７、締付けサポ
ート８及びクランプピース９（第４図）が配置さ
れる。これらの部品は全て軸線方向の溝６の全長
に沿つて延び、それらの端部が組立作業等のため
に版胴１のフランジ４，５の深部において接近操
作加能となつており、前述の深部は溝６で延びて
いる。締付けバー７は楔状断面の半径方向に細長
い部品であり、その長さは溝６の深さにほぼ相当
し、固着手段を用いることなく溝６内にゆるく挿
入されている。締付けバー７の厚く丸い端部が溝
６の底に当接され、テーパー側の端部が版胴１の
外周母面の包絡線まで実質的に延び、即ち、版胴
の外周部に開口するところに外方にテーパーの付
いた溝６によつて形成された狭い円周方向のギヤ
ツプに延在する。印刷版が取付けられていなくて
締付けられていない場合には、締付けバー７は溝
６の幅寸法によつて定められるわずかなあそびの
分だけ版胴１の軸線と平行な軸線の回りで小さく
傾けられることができ、即ち、その丸い端部が滑
の底で転動し且つテーパー側の端部が小さな円周
方向のギヤツプ内で版胴１の円周方向に動くこと
ができる。

第３図及び第４図に示されるように、クランプ
ピース９は締付けバー７の左側部とこれに対向す
る溝形成壁との間に配置される細長い部品であ
り、これも溝の底にゆるく当接し、これは締付け
バー７の長さの約半分ほどの長さであり、従つ
て、溝形成壁のほぼ中間部まで延びている。締付
けバー７のクランプピース９とは反対側に締付け
サポート８が配置され、締付けサポート８の特徴
は第７図及び第８図に示されている。締付けサポ
ート８は印刷版を取付けて締付けた後で締付けバ
ー７を機械的に楔止めするために半径方向外方に
押されて溝の底から持上げられることができる。
これについては後でさらに説明される。

クランプピース９側の溝形成壁は版胴１の本体
そのものにより形成されているけれども、反対側
の溝形成壁はインサート１０によつて形成されて
おり、このインサート１０はこれに相当して係合
する版胴１の深部１１内に備えられる。深部１０
は溝６を含むものである。このインナート１０に
は締付けバー７のための締付け装置が収められて
おり、それによつて、締付けバー７が印刷版P′を
締付け保持するために適切に、第４図で反時計回
り方向に傾けられることができるようになつてい
る。インサート１０の外周面は適切な仕上げ加工
されていて版胴１の外周面を正確に捕完するよう
になつている。インサート１０を保持するために
ボルト１２（第３図）が使用され、ボルト１２は
版胴の交差線に沿つて延びる段付開口部１３を貫
通し、インサート１０に対応して形成されたねじ
穴１０ａに螺合される。ボルトの頭１２ａは完全
に沈められて段付開口部１３内方環状縁１３ａに
受けられる。ボルト１２を締付けた後で、開口部
１３のボルト頭より外側の部位はストツパ１４で
密封閉鎖され、ストツパ１４の外面は適切に仕上
加工されて版胴１の外周母面に正確に適合するよ
うになつている。第１図の例の場合には、各イン
サート１０を保持させるための８本のボツトが使
用される。

第１図の例の場合には、各インサート１０内に
６個の流体駆動ピストル１５が取付けられ、ピス
トン１５は版胴１の軸線方向全長に沿つて均等に
配置された対応するシリンダボア１６内を移動す
ることができる。ローリング１５ａを備えたピス
トン１５は圧力が加えられたときにインサート１
０の溝形成壁から押出されて締付けバー７を押
し、従つて、締付けバー７は大きは力で第４図で
左側に進められ、それによつて、締付けバー７は
施回状に動く。ピストン１５の動きを妨げないよ
うにするために、締付けサポート８は切欠深部部
８ａ（第７図）を備えており、ピストン１５は深
部８ａを自由に通過することができる。各インサ
ート１０の全てのシリンダボア１６は個々の供給
通路１７から共通の通路１８に接続され、共通の
通路１８は版胴１を軸線方向に延びて閉鎖可能な
インレツト１９（第６図）に通じ、このインレツ
ト１９は版胴１の一端に位置し且つ外部の流体圧
源に接続されるこことができる。供給通路１７，
１８及びインレツト１９は全てインサート１０内
又はインサート１０上に収められ、インサート１
０弐端部が版胴１の端面から突出してフランジ
４，５において操作のために接近操作可能であ
る。個々の供給通路１７は共通の通路１８のシリ
ンダボア１６の反対側においてねじ付ピン２０に
よつて閉鎖される。締付け装置及びその供給通路
を形成する全ての流体系がインサート１０内に収
められており、従つて、製造及び組立が簡単であ
る。

印刷版を取付けるために準備された版胴１の上
述の締付け装置は、印刷版を版胴に取付ける前
に、第３図に示される位置を占め、そこではピス
トン１５が溝形成壁の内側に引き込まされ、締付
けサポート８が溝の底に載つており、締付けバー
７にテーパー端部がインサート１０の溝形成壁の
外端に当接している。印刷版を取付けるために、
印刷版が版胴１の外周上に位置されるときにその
印刷版の折曲げ端部が次のようにして溝６に挿入
される。即ち、印刷版Ｐの端部PAがクランプピ
ース９とその隣接の溝形成壁との間の間隙に通さ
れ、印刷版P′の端部P′Bがクランプピース９と締
付けバー７との間の間隙に通される（第４図）。

印刷版P′の端部P′Bを締付けバー７に当接させ
て十分に密接係合せしめるために、クランプピー
ス９に向いた側の締付けバー７の接触表面７ａと
なる表面は、半径方向内方部位を除けば印刷版の
曲がりに適合した曲面部となつている。この曲面
部の内端部において、表面はわずかに角度がつけ
られて突設を形成し、この突縁上を延びる印刷版
の把持効果を高めることができるようになつてい
る。他方の印刷版の端部PAを挿入するために、
クランプピース９の隣接の溝形成壁を向いた側の
表面は、段付となつていて、半径方向外方に延び
る全長の大部分がほぼ印刷版の厚さだけ低減され
て楔止め用表面９ｂを形成し、その内側の部分９
ａが溝形成壁に当接するようになつている。楔止
め用表面９ｂは中間部で角度が付けられていて突
設を形成している。楔止め用表面９ｂに対向する
溝形成壁も同様に角度が付けられて、楔止め用表
面９ｂと溝成形壁との間に本質的に平行な間隙が
形成され、印刷版の端部PAがその間隙の中に上
述した突縁まで、即ち、楔止め用表面の外方の角
度の付いていない部分の深さだけ挿入される。

ウエブ供給印刷機の作動の際に、版胴１は図示
しない圧胴に沿つて高い接触圧の下で第４図の矢
印の方向に回転する。溝６、即ちその円周方向の
ギヤツプが圧胴を通過する度毎に、回転方向から
見た円周方向のギヤツプの後方境界部にある版胴
１の境界縁（トレーリングニツジ）Ａが、印刷の
開始点を表し、版胴が反転した後ではインイサト
１０の他の境界線Ｅが印刷のそれぞれの終り点を
表す。二つの境界縁Ａ，Ｅは非常に小さく、好ま
しくは1.4mmから1.8mm、さらに特定すると1.5mmの
小さな半径で丸みを付けられていて、先行の縁
（リーデイングエツジ）の曲率は締付けバー７の
相当する丸みのテーパー端部によつて補完され、
締付けバー７はこの境界縁とともにこれを突き合
せて機械加工されている。境界縁Ａにおける角
度、即ち、クランプピース９の側の溝形成壁とこ
れに連接する版胴１の外周部との間の角度は90度
よりわずかに小さく、好ましくは約75度である。
他方の、締付けバー７の接触表面とこれに連接す
る版胴１の外周部との間の角度は90度より大き
く、好ましくは105度である。このような形状は
非常に有利なものであり、即ち、１面において印
刷版を締付けるのに有利であり、他方面において
ウエブ供給印刷版の作動の際に圧胴の強力な接触
圧の下で印刷版の位置を安定に保つのに有利であ
る。

印刷版の折曲げ端部が上述したようにして溝６
に挿入された後で、印刷版の締付けが各インサー
ト１０の流体圧系を外部の圧力源に連結して全て
のピストン１５に予め設定された力を加えること
によつて行われる。この行程において、締付けバ
ー７は第４図の版時計回方向に施回されて傾けら
れ、締付けバー７のテーパー端部が第４図に示さ
れるようにインサート１０の溝形成壁から小さな
距離だけ持上げられる。

版胴が実施例のように複数の印刷版を受けるよ
うに構成されているならば、この行程は勿論全て
の取付及びクランプ点で同時に行われる。この行
程において、締付けバー７の運動によつて、印刷
版は円周方向に固く把持され、それと同時に、溝
６の各々に係合する二つの印刷版の端部が締付け
バー７とクランプピース９との間、又はクランプ
ピース９と隣接する溝形成壁との間に同時に楔止
めされる。従つて、二つの印刷版の端部は各溝６
内で締付けることと係止させることが単一の操
作、即ち、ピストン１５の作動及びそれによつて
行われた締付けバー７の施回の際に同時に行われ
ることになる。締付けバー７のテーパー端部は実
際的に版胴表面の高さまで延びて施回時に外周母
面に沿つて動くので、印刷版は締付け中に変形す
ることなく円周方向にのみ引張られ、角縁又はそ
の下方の曲面部に沿つた変形はない。さらに、流
体圧により作動する締付け装置は印刷版に力が一
様に加えられることを確実にするので、この締付
け装置は満足のいくほど固い締付けを許容し、固
いニツケル板が十分に取付けられることができ
る。

締付け後の締付けバー７の最終位置、従つて印
刷版の締付けられた状態を維持するために、締付
けバー７は前述した締付けサポート８によつて機
械的に固定されるようになつている。第７図及び
第８図に示されるこの締付けサポート８はピスト
ン１５を自由に運動させるために前述した深部８
ａを備えており、そして、版胴１の端面から突出
するその端部に直角に突出する突起２１を有し、
突起２１にはねじ穴２２が設けられて、第５図の
フランジ４に対して示されているように、フラン
ジ４，５に対応して設けた深部において接近操作
可能である。第５図に示されるように、突起２１
はインサート１０の側壁に設けた嵌合深部２３内
に延び、深部２３を形成したインサート１０の端
部も同様に版胴１０の端面から突出している。二
つのねじ穴２２の各々にはねじ２４が螺合され、
ねじ２４は第５図に示されるように突起２１とと
もにインサート１０の前述の深部２３に収めら
れ、ねじ２４の頭はねじ２４の延長上にインサー
ト１０の外周に開口させて設けた穴２５を通して
操作されることができる。印刷版を締付けた後で
締付けバー７を係止する目的のために締付けサポ
ート８に半径方向外向きに力を加えるためには、
ねじ２４を深部２３の底に支持させて必要なだけ
締めればよい。楔止め効果を得るために、締付け
サポート８の半径方向外縁は締付けバー７に向い
た側が丸くされている。第５図においては、締付
けサポート８が持上げられたクランプ位置にあ
る。然る後に、ピストン１５に作用する圧力が遮
断されて流体圧系統が外部の圧力源から分断され
る。

上述した取付及び締付け装置は非常に小さい幅
の溝６を備えればよいものであり、特に版胴表面
の溝開口部は非常に狭い円周方向のギヤツプであ
ればよい。この表面のギヤツプは印刷版を締付け
るに足るあそびをもつて締付けバー７のテーパー
端及び印刷版が通る程度の大きさであればよい。
第４図に示される例においては、表面のギヤツプ
は印刷版の厚さの４乃至５倍のと大きさのもので
あれば十分である。よつて、版胴１の外周面は印
刷版のために最適に利用されることができ、ウエ
ブ供給印刷機には望ましくない印刷版取付けのギ
ヤツプが最小に低減される。さらに、このことに
よつて、版胴のたわみや圧力に抗する機械的強度
が印刷版の端部の領域においてさえ十分に保持さ
れることができ、これは凹版印刷プロセスに要求
される例えば5000−6000N／cm線荷重にもなる非
常に高い圧力の下でも得られることである。

本発明による版胴は二つ以上の印刷版を受ける
ように構成されることができ、それに対応する個
数の溝と締付け装置を備えることができる。しか
しながら、本発明による版胴は単一の印刷版を支
持するように構成されることもでき、この場合に
は印刷版の両端を受けるために一つに溝が設けら
れる。

さらに、版胴１は内部の加熱及び冷却システム
を備えており、これは印刷版の取付け中でさえも
加熱及び冷却媒体を循環せしめて加熱及び冷却を
行うようにしている。このために、版胴本体の外
周面近くに平行な通路２６（第１，２，５図）が
設けられ、これは外周部に一様に分布される。フ
ランジ４，５において、それぞれ隣接する通路２
６が対となつて連絡通路２７により連結され、連
結通路２７は外周面に平行に延びていて二つの溝
６によつて境界分けされる版胴の各半体内の通路
２６が各端部が連結通路によつて一個の連続した
加熱及び冷冷却コイルを形成するようになつてい
る。各加熱及び冷却コイルの始点と終点は半径方
向の通路２８によつてジヤーナル３を通る共軸の
通路２９に連結され、例えば内方の通路には加熱
及び冷却媒体フイードパイプが組込まれ、外方の
通路にはリターンパイプが組込まれる。

上述した版胴は本願出願人による特願昭59−
004918に記載され且つ非常に小さな幅の溝に取付
けられたラバーブランケツトを有する圧胴と適切
に共同作用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による版胴の正面図、第２図は
第１図の線−に沿つた断面図、第３図は第２
図の下方の部分と同じ成分を示し印刷版が省略さ
れた第１図の線−に沿つた拡大部分断面図、
第４図は第２図の上方の部分と同じ成分を示す第
１図の線−に沿つた拡大部分断面図、第５図
は第１図の線−に沿つた拡大部分断面図、第
６図は第１図の線−に沿つた拡大部分断面
図、第７図は締付けサポートの正面図、第８図は
締付けサポートの側面図である。 １……版胴、４，５……フランジ、６……溝、
７……締付けバー、８……締付けサポート、９…
…クランプピース、１５……ピストン、１６……
シリンダボア、Ｐ，P′……印刷版。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエブ供給印刷機のための凹版印刷版を取付
   けるための版胴であつて、版胴の外周部に開口す
   る少くとも一つの溝を有し、該溝内に延びる印刷
   版の二つの端部のために該溝に係止装置を配置し
   たものにおいて、該係止装置は印刷版の双方の端
   部PA，P′Bに共通な締付けバー７を備え、該締
   付けバーは版胴１の半径方向における長さ寸法が
   円周方向の長さ寸法よりも長く且つ版胴の軸線に
   ほぼ平行な軸線の回りで傾くことができ、前記係
   止装置はさらに一方の溝形成壁に配置されて前記
   締付けバー７の一側に作用する締付け装置１５，
   １６と、前記締付けバー７と他方の溝形成壁との
   間に配置されたクランプピース９とを備え、該ク
   ランプピースの両側に印刷版のほぼ半径方向に折
   曲げられた二つの端部PA，P′Bを導入するため
   のほぼ半径方向に向いた隙間が形成され、印刷版
   の端部が締付け装置の駆動により締付けバーを傾
   けることによつて一方においてクランプピースと
   締付けバーとの間且つ他方においてクランプピー
   スとクランプピースに隣接する溝形成壁との間で
   同時に把持されて、前記締付けバーの傾けによつ
   て同時に印刷版Ｐが締付けられるようにしたこと
   を特徴とする版胴。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の版胴において、
   前記締付けバー７は楔状断面を有してそのテーパ
   ー端部が版胴１の外周母面の包絡線までほぼ延び
   ており、前記クランプピース９はより短くて隣接
   する溝形成壁の高さの一部の高さだけ半径方向に
   延び、そして、溝６は半径方向外方にテーパーが
   付けられて版胴外周部に狭い円周方向のギヤツプ
   を形成し、該ギヤツプの幅は締付けバー７のテー
   パー端部及び該ギヤツプ内に延びる印刷版の二つ
   の端部を収めるのに十分な程度の大きさであつて
   印刷版Ｐを締付けるのに十分なあそびがあるよう
   になつていることを特徴とする版胴。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の版胴において、
   溝６に延びる後方側の印刷版端部P′Bに当接させ
   ようとする側の締付けバー７の表面は少くともそ
   の半径方向の部位において印刷版の曲率に適した
   ものであつて版胴１の連続外周部とともに円周方
   向のギヤツプの印刷機の作動時の版胴の回転方向
   で見た先行の境界縁Ｅを形成し、90度よりわずか
   に大きく好ましくは約105度の角度を形成し、一
   方、クランプピース側の溝形成壁は版胴の隣接す
   る外周部とともに半径方向ギヤツプの後方の境界
   縁Ａを形成し、90度よりわずかに小さく好ましく
   は約75度の角庫を形成することを特徴とする版
   胴。 ４ 特許請求の範囲第３項記載の版胴において、
   円周方向のギヤツプの上記二つの境界縁Ａ，Ｅは
   小さな半径、好ましくは1.4mmから1.8mmの半径で
   丸くされていて、先行の境界縁Ｅは締付けバー７
   のテーパー端部により形成され、この締付けバー
   はこの境界縁とともに機械加工されていることを
   特徴とする版胴。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項のいずれか
   １項記載の版胴において、締付けバー７及びクラ
   ンプピース９は溝６内にゆるく挿入されて溝６の
   底に支持される部品であり、締付けバー７の溝の
   底に支持される端部は丸くなつていることを特徴
   とする版胴。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項のいずれか
   １項記載の版胴において、クランプピース９の隣
   接する溝形成壁に向いた側は段付きになつてい
   て、その内方部分９ａが溝形成壁に当接し、その
   外方部分９ｂはほぼ印刷版の厚さだけ減少されて
   把持表面を形成し、印刷版の取付けた状態では、
   印刷版端部が把持表面と溝形成壁との間の間隙内
   に延びている長さが間隙の深さより小さいことを
   特徴とする版胴。 ７ 特許請求の範囲第１項から第６項のいずれか
   １項記載の版胴において、二つの印刷版端部の
   各々を把持するタイトニングバー７及びクランプ
   ピース９のそれぞれの一表面がわずかに角度を付
   けられて突縁を形成すことを特徴とする版胴。 ８ 特許請求の範囲第１項記載の版胴において、
   前記締付け装置は複数個の流体作動ピストン１５
   により形成され、そのシリンダボア１６は前記溝
   形成壁に形成されていることを特徴ととする版
   胴。 ９ 特許請求の範囲第８項記載の版胴において、
   締付けバー７とピストン１５を備えた溝形成壁と
   の間に締付けサポート８が配置され、該締付けサ
   ポートは印刷版の締付け及び把持の後でテンシヨ
   ン装置、好ましくはねじ２４によつて半径方向外
   方に押され、流体圧が遮断された後でさえも印刷
   版を保持するために締付け位置にある締付けバー
   ７を楔止めし、前記テンシヨン装置は版胴の端面
   に配置されて版胴の端面において接近操作可能な
   締付けサポート８の突起２１と係合するようにし
   たことを特徴とする版胴。 １０ 特許請求の範囲第８項又は第９項記載の版
   胴において、ピストン１５及び全ての流体を供給
   通路１７，１８とともにシリンダボア１６が版胴
   １の嵌合深部１１に取付けられたインサート１０
   に収められ、該深部１１は溝６を含み、該インサ
   ー１０の外周面が版胴１の外周面を正確に補完す
   ることを特徴とする版胴。 １１ 特許請求の範囲第１０項記載の版胴におい
   て、前記インサート１０はボルト１２によつて取
   付けられ、該ボルトは版胴本体を通り且つ版胴表
   面において開口する開口部１３に係合し、該開口
   部１３はボルト１２締着の後でストツパ１４によ
   り閉じられ、その外面が版胴の外周面に正確に適
   合することを特徴とする版胴。 １２ 特許請求の範囲第１項から第１１項のいず
   れか１項記載の版胴において、加熱及び冷却装置
   ２６，２７，２８，２９を備えたことを特徴とす
   る版胴。