JP2001169727A - ゲル状食品と蒸しパンの製造方法 - Google Patents
ゲル状食品と蒸しパンの製造方法Info
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Abstract
ル状食品上で製造することにより、製造工程が簡略で、
ロスも少なく、加熱殺菌により所望の保存性が付与され
た、ゲル状食品と蒸しパンの複合商品の製造方法を提供
する。 【解決手段】熱不可逆性ゲル化剤を含んだ溶液を調製
し、これを容器に充填して冷却固化した後、蒸しパン生
地を充填し、加熱殺菌を兼ねた加熱調理をすることを特
徴とする製造工程が簡便で保存性に優れたゲル状食品と
蒸しパンの複合商品の製造方法。
Description
パンの複合商品の製造方法に関し、加熱殺菌により所望
の保存性が付与され、かつ、簡便なゲル状食品と蒸しパ
ンの複合商品の製造方法に関する。
て、加熱殺菌したものが種々市販されている。通常、こ
の種のゲル状食品を製造する場合には、ゲル化剤を含む
溶液を容器に充填して密閉し、湯浴中などで加熱殺菌し
た後、冷却固化して製造され、これにより求めるゲル状
食品を簡便に製造することができる。一方、蒸しパンは
通常、リテールのパン店、菓子店で販売されているも
の、大手の製パンメーカーにより供給されているものを
含めて保存性は保存料などを使用しない限り1〜5日程
度が現状である。日持ちを向上させる方法の1つとして
pHを下げる方法があるが、通常蒸しパンは膨張させる
目的で膨張剤(ベーキングパウダーなど)が配合されて
おり、この膨張剤は反応が終わりガスを出し終わった後
は弱アルカリ〜弱酸性になるように膨化剤の重曹などの
アルカリ性剤とそれを中和、反応促進のための酸性剤が
調整されて配合されている。そのため通常の蒸しパンは
製品のpHが4.5以上と高くpH的には長期保存には向
いていない。一方、醗酵タイプのパンにはパネトーネな
ど乳酸菌を配合し醗酵中に生地のpHを下げたものが存
在するが蒸しパンは醗酵過程がないため(膨張剤が入っ
ているために長時間の醗酵時間を取れない)乳酸菌など
を用いてpHを下げることが難しい。また、有機酸や燐
酸などを用いてpHを下げた場合、生地中に水分が多い
ために生地混合中に膨張剤中の重曹などと反応が進みや
すく膨張剤の効果が減少しやすい。また、蒸し工程中も
水分の減少量が少ないため、蒸し過程中に酸によって糖
分、澱粉、グルテンなどが分解されるなどの影響を受け
るため望みの食感の蒸しパンができないなどの問題があ
る。今までに保存性を向上したケーキ様の食品として、
スポンジケーキに保存料の配合された水溶液を注入器に
より注入した後に容器に入れて密封するケーキ(特公開
昭55−124444)や、多層ケーキの表面に有機酸
液またはアルコール液、その混合液を噴霧、滴下、密封
したのちに、熱殺菌する多層ケーキ(特公開昭58−6
0946)や、スポンジ状食品に有機酸液を含浸させて
pHを4.5以下に下げ密封した後に熱殺菌するスポン
ジ状食品(特公開H04-229143)が知られているが、(特
公開昭55−124444)は冷凍保存ならば長期保存
も可能であるが冷蔵、常温保存では微生物制御が不十分
であるために長期保存は不可能である。また、(特公開
昭58-60946)、(特公開H04-229143)は、ともに有機酸
液などの酸性液体によってpHを低下させて後に熱殺菌
しており、この殺菌工程により、微生物制御的な危険性
は減少しているが、組織、嗜好的にはケーキ様の食品は
酸と熱によって組織中の糖分、澱粉、グルテンなどが分
解されて商品価値のある食感を損ない、味質も変化して
いるという致命的な欠陥があった。また、ゲル状食品と
スポンジ状食品を別々に製造することや密封後更に熱殺
菌を行う工程など決して簡便な工程とは言えない工程が
あった。また、(特公開H11-127828)や(特公開H11-15
1078)のように水蒸気雰囲気下(低温殺菌条件下)で製
造、密封する方法などでも保存性を向上させることは可
能であるが、この場合製造〜密閉するまで一貫して水蒸
気雰囲気下で行う必要があり装置が大掛かりになり簡便
な方法とは言えなかった。
は、加熱殺菌により所望の保存性が付与されており、か
つ、製造方法が簡便なゲル状食品と蒸しパンの複合商品
の製造方法を提供することにある。
究を重ねた結果、特定のゲル化剤を用いてゼリー溶液を
調製し、これを容器に充填して密閉し、冷却固化した
後、引き続き蒸しパン生地を充填し、加熱殺菌を兼ねた
加熱調理をすることによって、保存性に優れた、製造工
程が簡便なゲル状食品と蒸しパンの複合商品を製造する
ことができることを見出した。
見に基づいて達成されたもので、その要旨は、熱不可逆
性ゲル化剤を含む溶液を調製し、これを容器に充填し、
冷却固化した後、引き続き蒸しパン生地を充填し、加熱
殺菌を兼ねた加熱調理をすることを特徴とする製造工程
が簡便で保存性に優れたゲル状食品と蒸しパンの複合商
品の製造方法である。
説明する。先ず、本発明で用いる熱不可逆性ゲル化剤と
しては、後述の加熱殺菌時にゲル状食品が溶融しないも
のでなければならず、これを満足するものであれば特に
制限なく用いることができ、具体的にはジェランガム
(特にこれにカルシウム等の二価塩を加えたもの)を好
適なものとして例示することができる。また、本発明で
は、上記の熱不可逆性ゲル化剤と他のゲル化剤とを適宜
組み合せて使用することもでき、特にジェランガムにカ
ラギーナンを組み合せて使用すれば、ゲル状食品に柔ら
かな弾力性を加えることができ、更に品質のよいゲル状
食品が得られる。また、ゲル状食品中に乳製品などを配
合した場合、大豆多糖類、ペクチン、寒天、ゼラチンな
どの安定剤を配合するとpHを低下させた場合でも蛋白
凝集が起こりにくく更に品質のよいゲル状食品が得られ
る。
るゲル状食品の重量に対して、乾燥重量として0.05
〜1.0重量%(以下単に%という)、更に好ましくは
0.1〜0.4%程度使用するのがよい。0.05%に
満たないとゲル状食品の熱不可逆性が弱くなり蒸しパン
の加熱調理中にゲル状食品が溶解しやすく、反対に1.
0%を超えるとゲル強度が強くなり過ぎてゼリーの口ど
けがわるくなりやすい。したがって、前記の範囲の使用
量によって、好適な強度で、これにより優れた熱不可逆
性、口どけ等を有するゲル状食品を製造することができ
る。尚、上記他のゲル化剤、安定剤の使用量は、製品で
あるゲル状食品の重量に対して、乾燥重量として0.0
1〜2.0%、更に好ましくは0.05〜1.0%程度
とするのがよい。
ものではなく、加熱調理に蒸し工程を有する食品のこと
である。蒸し工程とは蒸し器を使用した蒸し工程、オー
ブン中に水又はお湯をはって焼くことによる簡易的な蒸
し工程、電子レンジなどのマイクロウェーブを用いた蒸
し工程も含める。
には制限されない。例えば、重曹、ベーキングパウダ
ー、イスパタなどがあるが、ガスを発生させるものであ
れば特に制限は無い。
類、糖アルコールなどの糖質、乳製品、果実、野菜、そ
れらの液汁、ビタミン、ミネラル等の他の栄養成分、酸
味料、香料、着色料、甘味料等を使用できる。また、ポ
リデキストロース、イヌリン、難消化性デキストリン等
の水溶性食物繊維や各種のオリゴ糖などと併用すれば、
食物繊維の補給、整腸作用を目的としたゲル状食品とし
て好適なものとなる。
などの穀類、卵、乳製品、果実、野菜、それらの液汁、
ビタミン、ミネラル等の他の栄養成分、酸味料、香料、
着色料、甘味料、起泡剤、ゲル化剤、安定剤、増粘剤等
を使用できる。また、ポリデキストロース、イヌリン、
難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維や各種のオリ
ゴ糖などと併用すれば、食物繊維の補給、整腸作用を目
的とした蒸しパンとして好適なものとなる。
体である。酸味料は食品に使用できるものならば特に制
限されるものではなく通常食品に使われる、クエン酸、
リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン
酸、グルコノデルタラクトン、アジピン酸、フマル酸、
コハク酸、リン酸などがある、また、その塩類でもかま
わない。好適なのは、酸性溶液、製品中で充分に解離し
てることが望ましいので、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、
酢酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、リン酸、
アスコルビン酸である。さらに、好ましいのは嗜好面か
らクエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコノデルタラクト
ン、グルコン酸、アスコルビン酸である。酸味料は1種
でもかまわないが2種以上の組み合わせでもかまわな
い。当然、酸味料でなくても果汁等のもともとpHの低
い食品を用いてpHを低下させてももちろん構わない。
酸性液体中にはその他の原料として、糖、糖アルコール
など、香料などを添加して嗜好性を向上させてもかまわ
ない。酸性液体のpHは最終商品のpH設計に基づいて任
意に設定できる。
を製造する方法について説明する。本発明では、先ず、
熱不可逆性ゲル化剤をむ溶液を調製する。当該溶液は、
例えば、上記各原料に水などを加えて混合することによ
り調製することができるが、使用する熱不可逆性ゲル化
剤の溶解温度以上に加熱する必要がある。前記好適に例
示したジェランガムを使用する場合は、約80℃以上、
更に好ましくは約80〜90℃で10分程度加熱するの
が、熱不可逆性ゲル化剤の溶解性を高め、ゲル状食品の
ゲル化を好適に達成する上で望ましい。続いて、以上の
ように調製された溶液を容器に充填して、冷却固化す
る。本発明では、熱不可逆性ゲル化剤を含む溶液を加熱
殺菌する前に一度表面を冷却固化することが重要であ
る。従来、ゲル状食品を製造する場合に加熱殺菌後に冷
却固化しているのは、一般的に、ゲル化剤として熱可逆
性のものが多く使用されているためで、この場合に先に
冷却固化しても加熱殺菌によってゲル状食品が溶融して
しまうからである。
工程で十分な低温殺菌条件があるために、ゲル状食品の
冷却固化までは、極端に衛生面にこだわらなくても生産
可能である。
用する熱不可逆性ゲル化剤の固化温度以下とする。前記
好適に例示したジェランガムを使用する場合は約40℃
以下とすればよいが、衛生面を考え合わせると冷却時間
は短い方が好ましく、例えば10℃以下で急速に表面を
冷却し、蒸しパン生地を充填できるようにする方が好ま
しい。もちろん、15〜35℃で30〜90分間、更に
好ましくは20〜30℃で40〜60分間程度の比較的
緩慢な条件で冷却固化するほうが、ゲル状食品の離水を
好適に防止する上で望ましいが、適度な増粘剤、安定剤
(ローカストビーンガム、大豆多糖類など)を配合する
ことにより急速冷却でも離水は防止可能である。
もっとも簡便なオールインミックス法で作成したが製法
は一例でありこの方法に制限されるものではない。卵、
砂糖、小麦粉、膨張剤、水、油脂、色素、香料を一度に
ケーキミキサーに投入し、全体が均一になるまで混合し
て調整し、蒸しパン生地を得る。使用した膨張剤は「ア
イコクベーキングパウダー、赤缶(愛国産業株式会社
製)」で内容成分は、d-酒石酸水素カリウム(0.5
%)、第一リン酸カルシウム(15%)、食品素材(33.
5%)、炭酸水素ナトリウム(重曹)(25%)、焼きミ
ョウバン(25%)、グリセリン脂肪酸エステル(1.0
%)である。
した後、引き続き蒸しパン生地を充填することによって
行う。生地充填後、加熱殺菌を兼ねた加熱調理を行う。
加熱調理は蒸し工程のことであり、蒸し工程とは蒸し器
を使用した蒸し工程、オーブン中に水又はお湯をはって
焼くことによる簡易的な蒸し工程、電子レンジなどのマ
イクロウェーブを用いた蒸し工程も含まれるが、もっと
も簡便なのは常圧の約100℃の蒸気によって蒸しあげ
る工程である。もちろん減圧下の蒸気でもかまわないが
その場合は殺菌工程を兼ねるために75〜95℃、更に
好ましくは80〜95℃で10〜60分間の蒸し工程が
必要となる。加圧下でもかまわないがその場合は膨張剤
の量を多くしなければ蒸気の圧力に負けて蒸しパンのふ
くらみが悪くなる点にも注意が必要である。
ことにより蒸しパンのpHを中和、酸性に変化させて、
pH4.5以下に調整することにより、冷蔵流通で大幅
に日持ちが向上し、さらにpHを3.7以下に下げるこ
とで常温流通も可能となる。(参考:「缶詰時報、Vol6
2.No.10P65〜73」)。この酸性液体は滴下法、ロール
法などでもかまわないが、すばやく均一に蒸しパンに行
き渡る必要があり、好適には数本の注射針などで蒸しパ
ン中に注入する方がいい。本発明は、密封後にpHが
4.5以下に下がっている事、調理後すぐに密閉を行う
事が微生物の管理項目として重要である。
は焼き上げ10日後にサンプル1部に対し蒸留冷水9部を
加え、ホモゲナイザーにかけ、その上澄みを測定し、p
Hとした。 (実施例1)水50.0重量部(以下単に部という)に
ゲルアップKS(三栄源FFI株式会社製、ジェランガム4
2%含有、クエン酸三ナトリウム10%含有)0.4
部、ゲルアップPIS−AS(三栄源FFI株式会社製、
大豆多糖類30%、ローカストビーンガム13.5%、
グァーガム4.5%)0.9部、牛乳20部、ポリデキ
ストロース(カルターフードサイエンス株式会社製)1
9.0部、砂糖6.0部を加えて撹拌しながら約80℃
に達温させ、これに更に、オレンジ果汁12.0部、ビ
タミン、ミネラルミックス適量、オレンジフレーバー液
0.2部、カロチン色素0.2部及びクエン酸0.3部
を加えて混合しゲル状食品溶液を得た。当該ゲル状食品
溶液を冷水で約55℃まで冷却した後、容量200cc
のプラスチック容器に65cc充填して、約10℃の室
内に約10分間放置して冷却固化した。次いでこれに小
麦粉55部、砂糖45部、卵白60部、サラダ油40
部、膨張剤(ベーキングパウダー、愛国株式会社製)3
部、水30部、カロチン色素0.2部、オレンジ香料
0.3部をケーキミキサーで混合した生地をゲル状食品
の上に直接45g充填し、常圧蒸気100℃で20分
間、加熱殺菌を兼ねた加熱調理を行い、すぐに密封しゲ
ル状食品と蒸しパンの複合商品を得た。密封直後の製品
品温は95℃であった。得られたゲル状食品と蒸しパン
の複合商品のpHはゲル状食品部pH3.6、蒸しパン
部pH7.2であった。
部を作成し、容量200ccのプラスチック容器に65
cc充填して、約10℃の室内に約10分間放置して冷
却固化した。次いでこれに実施例1と同様に蒸しパン部
を作成し、ゲル状食品の上に直接45g充填し、常圧蒸
気100℃で20分間、加熱殺菌を兼ねた加熱調理を行
い、すぐにUHT殺菌を行った95℃のオレンジ果汁(果
汁分80%、砂糖10%、クエン酸1.0%添加)を4
0cc、蒸しパン部上部より7本の注射針を用いて蒸し
パン部に均一に注入を行い、直後、密封しゲル状食品と
蒸しパンの複合商品を得た。密封直後の製品品温はゲル
状食品部90℃、蒸しパン部92℃であった。得られた
ゲル状食品と蒸しパンの複合商品のpHはゲル状食品部
pH3.6、蒸しパン、果汁混合品部pH4.3であっ
た。
部を作成し、容量200ccのプラスチック容器に65
cc充填して、約10℃の室内に約10分間放置して冷
却固化した。次いでこれに実施例1と同様に蒸しパン部
を作成し、ゲル状食品の上に直接45g充填し、常圧蒸
気100℃で20分間、加熱殺菌を兼ねた加熱調理を行
い、すぐにUHT殺菌を行った95℃のオレンジ果汁(果
汁分80%、砂糖30%、クエン酸3.2%添加)を4
0cc、蒸しパン部上部より7本の注射針を用いて蒸し
パン部に均一に注入を行い、直後、密封しゲル状食品と
蒸しパンの複合商品を得た。密封直後の製品品温はゲル
状食品部90℃、蒸しパン部92℃であった。得られた
ゲル状食品と蒸しパンの複合商品のpHはゲル状食品部
pH3.6、蒸しパン、果汁混合品部pH3.6であっ
た。
ンの複合商品1]実施例1と同様にゲル状食品部を作成
し、容量200ccのプラスチック容器に65cc充填
して、約10℃の室内に約10分間放置して冷却固化し
た。次いでこれに実施例1と同様に蒸しパン部を作成
し、セルクル中に並べたグラシン紙に45g充填し、常
圧蒸気100℃で20分間、加熱殺菌を兼ねた加熱調理
を行った後、グラシン紙をはがして上記冷却個化したゲ
ル状食品部の上にのせた後、すぐに密封しゲル状食品と
蒸しパンの複合商品を得た。密封直後の製品品温はゲル
状食品部20℃、蒸しパン部65℃であった。得られた
ゲル状食品と蒸しパンの複合商品のpHはゲル状食品部
pH3.6、蒸しパン部pH7.2であった。
パンの複合商品2]比較例1と同様にゲル状食品、蒸し
パンを作成し、ゲル状食品と蒸しパンを組み合わせた
後、すぐにUHT殺菌を行った95℃のオレンジ果汁(果
汁分80%、砂糖10%、クエン酸1.0%添加)を4
0cc、蒸しパン部上部より7本の注射針を用いて蒸し
パン部に均一に注入を行い、直後、密封しゲル状食品と
蒸しパンの複合商品を得た。密封直後の製品品温はゲル
状食品部20℃、蒸しパン部75℃であった。得られた
ゲル状食品と蒸しパンの複合商品は(ゲル状食品部pH
3.6、蒸しパン、果汁混合品部pH4.3)であっ
た。
商品1]比較例1と同様にゲル状食品、蒸しパンを作成
し、ゲル状食品と蒸しパンを組み合わせた後、すぐにUH
T殺菌を行った95℃のオレンジ果汁(果汁分80%、
砂糖10%、クエン酸1.0%添加)を40cc、蒸し
パン部上部より7本の注射針を用いて蒸しパン部に均一
に注入を行い、直後、密封した。密封直後の製品品温は
ゲル状食品部20℃、蒸しパン部85℃であった。その
後、96℃30分間湯浴中で加熱殺菌を行い、ゲル状食
品と蒸しパンの複合商品を得た。殺菌直後の製品品温は
ゲル状食品部、蒸しパン部ともに92℃であった。得ら
れたゲル状食品と蒸しパンの複合商品のpHはゲル状食
品部pH3.6、蒸しパン、果汁混合品部pH4.3で
あった。
商品2]比較例1と同様にゲル状食品、蒸しパンを作成
し、ゲル状食品と蒸しパンを組み合わせた後、すぐにUH
T殺菌を行った95℃のオレンジ果汁(果汁分80%、
砂糖30%、クエン酸3.2%添加)を40cc、蒸し
パン部上部より7本の注射針を用いて蒸しパン部に均一
に注入を行い、直後、密封した。密封直後の製品品温は
ゲル状食品部20℃、蒸しパン部85℃であった。その
後、96℃30分間湯浴中で加熱殺菌を行い、ゲル状食
品と蒸しパンの複合商品を得た。殺菌直後の製品品温は
ゲル状食品部、蒸しパン部ともに92℃であった。得ら
れたゲル状食品と蒸しパンの複合商品のpHはゲル状食
品部pH3.6、蒸しパン、果汁混合品部pH3.6で
あった。
本発明者らが実施した比較実験の結果を表1及び表2に
示す。ここで、保存性テストはpH3.8以上のものは
10℃の冷蔵保管でpH3.7以下のものは25℃の常
温保管でテストを行った。工程の簡略さ、味、組織の評
価はパネラー5人を用いて、それぞれについて、5点:
きわめて簡便(良好)、4点:簡便(良好)、3点:通
常と差なし(普通)、2点:煩雑(不良)、1点:きわ
めて煩雑(不良)の5段階で評価し、その平均点を記入
した。
ンをゲル状食品と同時に蒸し上げない製法では、工程が
やや複雑になると同時に、保存性は悪化した。通常、微
生物はpHを低下させることにより耐酸性の微生物しか
繁殖しにくくなるが、作業行程で乳酸菌、カビ、酵母な
どが混入するとそれらが繁殖してしまう。比較例1、2
は、ゲル状食品、蒸しパンともに一度加熱調理(殺菌)
しているものの、その後の作業行程が多いために完全な
クリーンルーム下でなければ微生物の混入を完全に防ぐ
ことが出来ないために作業行程で乳酸菌、カビ、酵母な
どが混入したものと考えられる。現在まで商業的に主流
の密封後の加熱殺菌は微生物制御の面からではほぼ完全
に要求を満たしてはいるが、殺菌工程は主に湯浴中で行
うため大量生産を行う場合には設備が大掛かりになり易
い、また、加熱が2回(蒸し工程、密封後の殺菌工程)
入るため味の劣化が激しい。さらにpHを低下させてか
らの加熱工程が入るため加熱過程中に酸によって糖分が
転化され、さらに蒸しパンなどの商品では澱粉、グルテ
ンなども分解されるなどの影響を受けるため組織も軟化
しやすく、嗜好的にも加熱臭が残るなどの問題がある。
これに対して、本発明における実施例1のゲル状食品と
蒸しパンの複合商品では、作業行程が簡便になり殺菌後
に瞬時に密封できるために乳酸菌、カビ、酵母などの落
下菌等の問題が解消されて商業的な冷蔵流通商品が製造
可能になる。さらに実施例2ではpHも低下させること
が出来るために耐熱性菌の問題も解決されてより長期間
の商業的な冷蔵流通商品が製造可能になる。特に、実施
例3のようにpHを3.7未満に低下させれば常温流通
が可能な保存性を備えた簡便な製法のゲル状食品と蒸し
パンの複合商品を得ることができる。
を調製し、これを容器に充填して冷却固化した後、蒸し
パン生地を充填し、加熱殺菌を兼ねた加熱調理をするこ
とにより、製造工程が簡便で保存性に優れたゲル状食品
と蒸しパンの複合商品を製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】熱不可逆性ゲル化剤を含んだ溶液を調製
し、これを容器に充填して冷却固化した後、蒸しパン生
地を充填し、加熱殺菌を兼ねた加熱調理し、すぐさま蒸
しパンの上部から酸性液体を供給することにより蒸しパ
ンのpHを4.5以下に下げて保存性をより向上させた
ことを特徴とする製造工程が簡便で保存性に優れ、組織
が良好なゲル状食品と蒸しパンの複合商品の製造方法。 - 【請求項2】酸性液体の酸味料がクエン酸、リンゴ酸、
乳酸、酢酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、リ
ン酸、アスコルビン酸のうち1種もしくは2種以上を組
み合わせたものを使用することを特徴とする請求項1に
記載のゲル状食品と蒸しパンの複合商品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36090599A JP2001169727A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | ゲル状食品と蒸しパンの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|
JP (1) | JP2001169727A (ja) |
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