JP2001169764A - 保存性が改良された熱成食品の製造方法 - Google Patents

保存性が改良された熱成食品の製造方法

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JP2001169764A
JP2001169764A JP36088399A JP36088399A JP2001169764A JP 2001169764 A JP2001169764 A JP 2001169764A JP 36088399 A JP36088399 A JP 36088399A JP 36088399 A JP36088399 A JP 36088399A JP 2001169764 A JP2001169764 A JP 2001169764A
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Yuzo Yamamoto
山本裕三
Shinichi Fukuda
福田真一
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水難溶性物質でコートされた酸味料を使用する
事により製造工程が簡略で、ロスも少なく、加熱殺菌に
より所望の保存性が付与された、水分活性が0.80以
上の熱成食品の製造方法を提供する。 【構成】水難溶性物質でコートされた酸味料を水分活性
が0.80以上の熱成食品生地製造の際に混合し、加熱
殺菌を兼ねた加熱調理をする事で水難溶性物質でコート
された酸味料が効力を発揮し所望の食感、味、保存性が
付与された、水分活性が0.80以上の熱成食品の簡便
な製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分活性が0.80以
上の熱成食品商品の製造方法に関し、加熱殺菌により所
望の保存性が付与され、かつ、簡便な嗜好的に優れた製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分活性が0.80以上の熱成食
品は、水分活性が高く長期保存は難しいとされてきた。
通常、リテールのパン店、菓子店で販売されているも
の、大手の製パンメーカーにより供給されているものを
含めて保存性は保存料や日持ち向上剤である脱酸素材な
どを使用しない限り1〜5日程度が現状である。保存性
を付与する方法として、殺菌法があるが、一般的にはレ
トルト殺菌などの高温殺菌方法、または、100℃10
分程度の低温殺菌方法などが知られている。前者は高温
のため味の変質が激しく、また密閉容器中で加圧殺菌を
行うために熱成食品などの膨化をともなう製品の製造に
は適していない。発酵パンの中には缶詰で市販されてい
るものもあるが、160℃以上の高温で焼成後すぐに密
封する必要がある。後者の日持ちを向上させる方法はp
Hを下げる必要性があるが、蒸しパン、バターケーキな
どの熱成食品は膨張させる目的で膨張剤(ベーキングパ
ウダーなど)が配合され、この膨張剤は反応が終わりガ
スを出し終わった後は弱アルカリ〜弱酸性になるように
調整されている。そのため熱成食品は製品のpHが4.
6以上と高く長期保存には向いていない。卵の気泡力で
膨化させるタイプのスポンジケーキなども安定した卵に
よる気泡力を得るために弱酸性から弱アルカリ性が適し
ておりこれも長期保存には向いていない。一方、発酵タ
イプのパンにはパネトーネなど乳酸菌を配合しpHを下
げたものが存在するがこれは乳酸菌の穏やかな発酵によ
ってpHが低下すると同時に各成分が変化して総合的に
好ましい風味、食感を出している。これを生地混合当時
から酸味料などでpHを下げようとするとグルテンの生
成に影響を与えたり、発酵中に生地中の澱粉などを分解
したりして悪影響を与える。また、熱成中に酸によって
澱粉、グルテンが分解されるなどの影響を受けるため望
みの食感、味質の熱成食品ができないなどの問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、加熱調理工程中、及び製品完成後経時的ににpHを
低下させる事によりグルテン等の組織破壊を起こりにく
くし、所望の味、食感を持った、加熱殺菌により所望の
保存性が付与されており、かつ、製造方法が簡便な嗜好
的に優れた熱成食品の製造方法を提供する事にある。
【0004】本発明者らは、上記の目的を達成すべく研
究を重ねた結果、増粘安定剤、水難溶性物質でコートさ
れた酸味料を用いて熱成食品生地を調整し、加熱殺菌を
兼ねた加熱調理をし、すぐさま密閉する事によって、保
存性が向上し、製造工程が簡便な嗜好的に優れた熱成食
品を製造する事ができる事を見出した。(特公開平3−
65935)にもコートされた酸性剤を使用した項目が
あるが、これは膨張剤と酸性剤の反応を遅らせて膨張剤
を配合した生地の冷蔵、冷凍保管を可能にするものであ
り、本発明のように最終製品の保存性を簡便に向上さ
せ、しかも嗜好性を兼ね備えたものではなかった。ま
た、(製パン材料学の科学(三美印刷株式会社))の第
244頁にはフマール酸を硬化油でコートしたものを配
合してパンのpHを下げる知見があるが、焼成後の最終
pHが5.1であり、保存性も皮膜フマル酸を配合した
ものと配合していないものとの比較では1〜3日の日持
ち向上の効果しかなく特に優れたものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような知
見に基づいて達成されたもので、その要旨は、増粘安定
剤、水難溶性物質でコートされた酸味料を用いて熱成食
品生地を調整し、加熱殺菌を兼ねた加熱調理をし、すぐ
さま密閉する事によって、保存性が向上し、製造工程が
簡便な熱成食品を製造する事を特徴とする熱成食品の製
造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。先ず、保存方法について検討し、低温殺菌
(100℃、15分程度)で保存性を向上させるために
pHが4.5以下にする事とした。pHが4.5以下の商
品で低温殺菌(100℃、15分程度)を行った場合、
微生物的には冷蔵で、一ヶ月程度の保存が可能になる。
また、pHが3.7未満の場合は、熱抵抗性の強い細菌
胞子が発育できない(「缶びん詰・レトルト食品辞典」
のp77に記載)ので、常温で一年程度の長期保管が可
能となる。pHは低い方が微生物的な面から見れば好ま
しいが、pH2未満の商品は味覚的に受け入れないため
に範囲から除外した。本発明でpHを4.5以下に下げ
るために使用する原料は酸味料などであるが、その酸味
料は食品に使用できるものならば特に制限されるもので
はなく通常食品に使われる、クエン酸、リンゴ酸、乳
酸、アスコルビン酸、グルコン酸、グルコノデルタラク
トン、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、リン酸などが
ある、また、その塩類でも構わない。(特公開平3−6
5935)では、酒石酸水素カリウム、グルコノデルタ
ラクトンが好適とされているが、これは酒石酸水素カリ
ウムやグルコノデルタラクトンがアルカリ剤である重曹
との反応が緩慢なためや風味の面から用いられている。
一方、本発明では重曹との反応性も低い事は好ましい
が、それよりも最終製品のpHを均一に低下させるため
に低温での溶解性の高さと製品に対する浸透性の高さが
問題になる。通常、膨張剤に配合されている酒石酸水素
カリウムは低温での溶解性が低い(0.4%(10℃):TH
E MERCK INDEX *TWELFTH EDITION)ために冷蔵流通で
は結晶化が進み製品のpH低下という目的からは好まし
くない。その点で、クエン酸、リンゴ酸、粉末乳酸、グ
ルコノデルタラクトンが好ましい。更に熱成中の反応性
の低さから、粉末乳酸、グルコノデルタラクトンが好適
である。当然、酸味料でなくても果汁等のもともとpH
の低い食品を用いてpHを低下させてももちろん構わな
い。この場合、水難溶性物質でコートされた粉末果汁を
用いる方が好適である。
【0007】前述のように低温殺菌(100℃、15分
程度)で保存性を向上させるためにはpHが4.5以下
でなければならない。製品中のその他の原料にもpH値
は影響されるため酸味料、果汁などの添加量の具体的な
範囲を制限するものではなく、あくまでも最終製品での
pHにのみ制限される。pH的には2〜4.5が望まし
く、さらに望ましくは2.5〜3.7である。
【0008】食品微生物学(医歯業出版株式会社)の第
120ページの表II.23によると「Aw0.8以上では大
部分のカビ、酵母、球菌、乳酸菌、桿菌などは増殖可能
であるが、Aw0.8以下では好塩細菌、耐乾性カビ、好
浸透圧性酵母などの特殊な微生物のみが生育可能であ
る」と記載されている。また、食品危害微生物ハンドブ
ック(株式会社ライフサイエンス)の第388ページの
図−2にも「Aw0.8以下では乾性カビ、耐塩性酵母、
耐糖性酵母等の特殊な微生物のみが生育可能である」事
が図解され、第389頁には「一般に、細菌はAw0.9
1以上、酵母はAw0.88以上、カビはAw0.80以上
で生育するとされている。好塩細菌、耐糖性および耐塩
性酵母、乾性カビと呼ばれるものはさらに低いAwで生育
可能である」と記載されている。このため、本発明では
特殊な環境下ではなくすべてのAwに適応可能な熱成食品
を開発するために水分活性は0.8以上とした。
【0009】本発明の水分活性0.80以上の熱成食品
とは特に配合を制限するものではなく、加熱調理を有す
る食品で調理後の水分活性が0.80以上の食品の事で
ある。例えば、蒸しパン、バターケーキ、スポンジ、ソ
フトパン、スフレ、クレープ、まんじゅう、牛皮、羊羹
等がある。加熱調理とは蒸し器を使用した蒸し工程、オ
ーブンを利用した焼成工程、電子レンジなどのマイクロ
ウェーブを用いた加熱調理工程も含める。肝心なのは微
生物的な汚染が少なく製品全体を加熱調理できる事であ
る。
【0010】その他の熱成食品の原料としては、小麦粉
などの穀類、糖類、糖アルコールなどの糖質、卵、乳製
品、果実、野菜、それらの液汁、ビタミン、ミネラル等
の他の栄養成分、酸味料、乳化剤、イースト菌、香料、
着色料、甘味料、起泡剤、ゲル化剤、安定剤、増粘剤等
を使用できる。また、ポリデキストロース、イヌリン、
難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維や各種のオリ
ゴ糖などと併用すれば、食物繊維の補給、整腸作用を目
的とした熱成食品として好適なものとなる。
【0011】増粘安定剤を配合する事によりpHが4.
5以下でも熱成食品の組織を好適に保つ事ができる。こ
れは、推測ではあるがpHが下がる事による熱成食品中
の加水分解(グルテン、澱粉などの)を増粘安定剤が受
けにくくし、さらにその粘性で組織を保つ事により良好
な組織を保つためと考えられる。増粘安定剤としてはキ
サンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、
グァガム、アラビアガム、ゼラチン、プルランなどがあ
るが増粘性を示すものならばこの限りではなく、もちろ
ん合成増粘安定剤であるCMCなどでも構わない。増粘安
定剤の使用量は当然熱成食品の配合によって左右される
が、0.02〜50%配合するのが適当である。この範
囲は増粘安定剤の種類によって異なり、一般的には水溶
液にした際に40cp〜400cp(20℃、B型粘度
計)を示す量が適当である。一例を示すとキサンタンガ
ム0.02〜1.2%、ローカストビーンガム0.3%
〜0.7%、カラギーナン0.7%〜1.5%、グァガ
ム0.3%〜0.8%、アラビアガム10%〜50%、
ゼラチン10%〜25%、プルラン4%〜15%などで
ある。キサンタンガムは低使用量で高粘性を示し、溶解
性に優れ、pHによる影響が少なく、しかも剪断応力に
よって粘度が低下するので好適である。
【0012】水難溶性物質でコートされた酸味料は、植
物性油脂の硬化油、魚油の硬化油、牛、ブタの脂肪であ
るヘッド、ラード、その他の常温で固体である油脂、レ
シチン、シュガーエステル、グリセリン脂肪酸エステル
などの乳化剤、砂糖、マルチトールなどの糖質、アラビ
アガムなどのガム質、ゼラチン、ツェインなどの蛋白質
などがあるが、皮膜を形成し、水難溶性であれば特に制
限はない、好適なのは高水分下でも長時間皮膜が溶融せ
ずに加温により皮膜が溶融し、しかも製品中の水分と結
合して一時的にゲル構造を作り、酸味料の製品中への分
散を一時的に抑止するシュガーエステル、グリセリン脂
肪酸エステルが好適である。皮膜率としては10%〜7
0%程度が望ましいが、生地混合中に皮膜が溶融せず
に、加熱調理中に皮膜が溶融し、しかも製品の食感、風
味を損なわないようにすることが理想的なので、好適に
は10%〜50%である。コーティーング方法としては
(特公開平3−65935)に記載の方法でも構わない
が、好適なのでは均一な皮膜が作れるという点で流動造
粒機などを用いたコーティーングやパンコーティーング
などである。
【0013】膨張剤としては、ベーキングパウダー、イ
スパタなどがあるが、ガスを発生させるものであれば特
に制限はない。
【0014】次に、これらの原料を使用して熱成食品を
製造する方法について説明する。一例として、蒸しパン
の製造方法を説明するが特にこれに限ったものではな
い。本発明では、先ず、蒸しパン生地を調整する。当該
蒸しパン生地は、以下のようなもっとも簡便なオールイ
ンミックス法で作成したが製法は一例でありこの方法に
制限されるものではない。卵白、砂糖、小麦粉、膨張
剤、コート酸味料、果汁、水、油脂、色素、香料を一度
にケーキミキサーに投入し、全体が均一になるまで混合
して調整し、蒸しパン生地を得る。この際、熱溶解性物
質でコートされた酸味料を使用する場合は熱溶解性物質
の融点以上に生地温度を上げない事が重要である。使用
した膨張剤は「アイコクベーキングパウダー 赤缶(愛
国産業株式会社製)」で内容成分は、d-酒石酸水素カリ
ウム(0.5%)、第一リン酸カルシウム(15%)、食
品素材(33.5%)、炭酸水素ナトリウム(重曹)(25
%)、焼きミョウバン(25%)、グリセリン脂肪酸エス
テル(1.0%)である。続いて、生地を容器に充填し
て、加熱調理を行い、調理後すぐに密閉する。本発明で
は、調理後にpHが4.5以下に下がっている事、調理
後すぐに密閉を行う事が微生物の管理項目として重要で
ある。従来、熱成食品で加熱調理後、pHが4.5以下
のすぐさま密閉された、食感が良好で、嗜好的に優れた
日持ちするものは存在しなかった。
【0015】加熱調理とは蒸し器を使用した蒸し工程、
オーブンを利用した焼成工程、電子レンジなどのマイク
ロウェーブを用いた加熱調理工程も含める。肝心なのは
微生物的な汚染が少なく製品全体を加熱調理できる事で
ある。特に蒸しパンに限って言うと、蒸し工程には、蒸
し器を使用した蒸し工程、オーブン中に水またはお湯を
はって焼く事による簡易的な蒸し工程、電子レンジなど
のマイクロウェーブを用いた蒸し工程も含まれるが、最
も簡便なのは常圧の約100℃の蒸気によって蒸しあげ
る工程である。もちろん減圧下の蒸気でも構わないがそ
の場合は殺菌工程を兼ねるために75〜95°C、さら
に好ましくは80〜90°Cで20〜60分間の蒸し工
程が必要となる。加圧下でも構わないがその場合は膨張
剤の量を多くしなければ空気の圧力に負けて熱成食品の
ふくらみが悪くなる点に注意が必要である。
【0016】
【実施例】以下に実施例をしめす。 (比較例1)[保存性を考慮しない熱成食品商品]小麦
粉55重量部(以下単に部という)、砂糖45部、卵白
60部、サラダ油40部、膨張剤(ベーキングパウダ
ー、愛国株式会社製)3部、オレンジ果汁5部、水25
部、カロチン色素0.2部、オレンジ香料0.3部をケ
ーキミキサーで混合した生地を直径7cm、高さ6cm
のプラスティックカップに直接45g充填し、常圧蒸気
100℃で20分間、加熱殺菌を兼ねた加熱調理を行
い、そのままプラスチックトレーに乗せて熱成食品を得
た。製品が40℃に冷えたのち密封を行った。
【0017】(実施例1〜9)以下の表1及び表2の配
合で比較例1と同様の製法で加熱調理後、品温80℃以
上ですぐに密封した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】*1:クエン酸、リンゴ酸、粉末乳酸、グル
コノデルタラクトンの皮膜率は50%。皮膜剤は、ショ
糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製:S-37
0)を50%、グリセリン脂肪酸エステル(太陽化学株
式会社製、サンソフトNo2500)を50%使用し、流
動造粒機を用いてコーティーングを行った。 *2:酒石酸水素カリウムの皮膜には極度硬化油脂(日本
油脂株式会社製、TP-9)を用いて、流動造粒機を用いて
コーティーングを行った。
【0021】次に、本発明の効果を明らかにするため、
本発明者らが実施した比較実験の結果を表3および表4
に示す。ここで、蒸しパンの高さは出来上がり後、常温
に冷えるまで放置し、蒸しパンの底面から頂点部までの
高さを測定した。また、pHは10℃で10日間保管したケ
ーキを9倍量の蒸留冷水に浸し、ホモゲナイザーにかけ
た後、その上澄みを測定した。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】比較例1より明らかなように、pHを下げ
ずに、加熱調理後すぐさま密閉しない熱成食品は、保存
性は悪かった。一方、加熱調理後すぐさま密封した熱成
食品ではやや保存性が高くなった。(実施例1,2)。
また、pHを4.5以下に調整して加熱調理後すぐさま
密封した熱成食品ではさらに保存性が向上した(実施例
3〜6)。これはpHの低下により耐酸性の微生物しか
繁殖しにくくなった事により、一度加熱殺菌をかけてい
るためにその後の作業行程で乳酸菌、カビ、酵母などが
入らなければ微生物の繁殖が抑えられた事による。
【0025】実施例7、8で明らかなように、酒石酸水
素カリウムを用いた蒸しパンでは酒石酸水素カリウムの
溶解性が低いために加熱調理後のpHは4.0まで下が
っていたが、冷蔵保管中に酒石酸水素カリウムが結晶と
なって析出してきた。その結果、蒸しパン中のpHは
4.8まで上がり、保存性は悪化した。また、味的にも
酸味が点在し、食感も結晶が歯にあたり、良いものでは
なかった。
【0026】実施例9ではpHが3.6まで下がってい
るために、常温でも30日間の保存が可能となった。
【0027】増粘安定剤を配合する事によりpHを下げ
ても組織の悪化が抑えられている。(実施例2〜9)
【0028】乳化剤でコートされた酸味料を使用する事
によりpHが4.5以下でも良好な膨化度、組織を保つ
事ができた。(実施例4、6、9)。しかし、硬化油脂
でコートされた酸味料はやや酸味料の溶出が乳化剤コー
トのものより早く、やや効果が顕著ではなかった。(実
施例8)
【0029】
【発明の効果】コートされた酸味料を使用する事により
製造工程が簡略で、ロスも少なく、加熱殺菌により所望
の保存性が付与された、嗜好性に優れた熱成食品を製造
する事ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水難溶性物質でコートされた酸味料を使用
    し、加熱調理中に製品のpHが2〜4.5になる事を特
    徴とする水分活性が0.80以上の熱成食品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】水難溶性物質でコートされた酸味料が、ク
    エン酸、リンゴ酸、粉末乳酸、グルコノデルタラクトン
    である事を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】増粘安定剤を0.02〜50%配合する事
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】水難溶性物質が常温で固形の乳化剤である
    事を特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】増粘安定剤が、キサンタンガムであり、
    0.02〜1.2%配合する事を特徴とする請求項3記
    載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002098237A1 (fr) * 2001-06-05 2002-12-12 Kabushiki Kaisha Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo Preparations d'acides organiques enrobes permettant la conservation de produits de boulangerie
JP2005534316A (ja) * 2002-08-02 2005-11-17 プラク・ビオヘム・ベー・ブイ 包み込まれている結晶性乳酸
JP2009519031A (ja) * 2005-12-13 2009-05-14 ルサッフル・エ・コンパニー 製パン改良剤

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