JP2001164359A - Itoスパッタリングターゲット - Google Patents
ItoスパッタリングターゲットInfo
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Abstract
で放電を行う成膜方法を用いた場合においてもターゲッ
ト表面に発生するノジュール量を低減できるITOスパ
ッタリングターゲットを提供する。 【解決手段】 ITO焼結体を、バッキングプレート
に接合剤により接合してなるITOスパッタリングター
ゲットにおいて、ITO焼結体の被スパッタリング面と
接合面とを連結している面の少なくとも一つが、接合面
に対して90度を超える角度をなして交差している。
Description
造の際に使用されるITOスパッタリングターゲットに
関するものである。
TO)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、
更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネル
ディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜
等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表
示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野で
は近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用
電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっ
ている。
ー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別するこ
とができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容易
でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、様
々な分野で使用されている。
する場合、用いるスパッタリングターゲットとしては金
属インジウムおよび金属スズからなる合金ターゲット
(ITターゲット)あるいは酸化インジウムと酸化スズ
からなる複合酸化物ターゲット(ITOターゲット)が
用いられる。このうち、ITOターゲットを用いる方法
は、ITターゲットを用いる方法と比較して、得られた
膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく成膜条件の
コントロールが容易であるため、ITO薄膜製造方法の
主流となっている。
スとの混合ガス雰囲気中で連続してスパッタリングした
場合、積算スパッタリング時間の増加と共にターゲット
表面にはノジュールと呼ばれる黒色の付着物が析出す
る。インジウムの低級酸化物と考えられているこの黒色
の付着物は、ターゲットのエロージョン部の周囲に析出
するため、スパッタリング時の異常放電の原因となりや
すく、またそれ自身が異物(パーティクル)の発生源と
なることが知られている。
と、形成された薄膜中に異物欠陥が発生し、これが液晶
表示装置等のフラットパネルディスプレイの製造歩留ま
りを低下させる原因となっていた。特に近年、フラット
パネルディスプレイの分野では、高精細化が進んでお
り、このような薄膜中の異物欠陥は素子の動作不良を引
き起こすため、特に解決すべき重要な課題となってい
た。
開平08−060352号のように、ターゲットの密度
を6.4g/cm3以上とするとともにターゲットの表
面粗さを制御することにより、ノジュールの発生を低減
できることが報告されている。
細化、高性能化にともない形成される薄膜の性能を向上
させることを目的として、低い印加電力で放電を行う成
膜方法が採用されるようになってきた。この低い印加電
力での成膜により、上記のような手法を取り入れたター
ゲットを用いた場合においても、ノジュールが発生し問
題となってきている。これは、印加電力が低下されたこ
とにより、一度発生したノジュールの核が、強い印加電
力によって消滅することなく、掘れ残りの核となる確率
が増加したことによると考えられている。
ュールの発生しやすい、低い印加電力で放電を行う成膜
方法を用いた場合においてもターゲット表面に発生する
ノジュール量を低減できるITOスパッタリングターゲ
ットを提供することにある。
ッタリングターゲットのノジュールの発生量を低減させ
るため、ノジュールの形成原因について詳細な検討を行
った。その結果、一部のノジュールは、ITO焼結体と
バッキングプレートとの接合に用いているハンダ材であ
る金属インジウムが、スパッタリング中にターゲット表
面のエロージョン部に付着し、付着した金属インジウム
を核としてターゲットが掘れ残り、ノジュールとなるこ
とを発見した。金属インジウムが、掘れ残りを発生させ
る核となる原因は未だ明らかではないが、ターゲット表
面に付着した金属インジウムは、スパッタリングガス中
に含まれる酸素と反応して酸化インジウムを形成し、こ
の酸化インジウムはITOと比べて抵抗率が非常に高い
ために掘れ残るものと考えられる。
グターゲットの構造について詳細な検討を行った。その
結果、ITO焼結体を図1に示すような断面形状に加工
し、ITO焼結体の被スパッタリング面と接合面とを連
結している面の少なくとも一つが、接合面に対して90
度を超える角度をなして交差するようにすることによ
り、前記問題点を解決できることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
ズおよび酸素からなるITO焼結体を、バッキングプレ
ートに接合剤により接合してなるITOスパッタリング
ターゲットにおいて、ITO焼結体の被スパッタリング
面と接合面とを連結している面の少なくとも一つが、接
合面に対して90度を超える角度をなして交差している
ことを特徴とするITOスパッタリングタ−ゲット、お
よび実質的にインジウム、スズおよび酸素からなるIT
O焼結体を、バッキングプレートに接合剤により接合し
てなるITOスパッタリングターゲットにおいて、IT
O焼結体の被スパッタリング面の端部の少なくとも一部
が、ボンディング面の端部よりも突出しており、その突
出する長さが、片側で1mm以上5mm以下であること
を特徴とするITOスパッタリングターゲットに関す
る。
の製造方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば、以下のような方法で製造することができる。
末との混合粉末或いはITO粉末等にバインダー等を加
え、プレス法或いは鋳込法等の成形方法により成形して
ITO成形体を製造する。この際、使用する粉末の平均
粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上昇しない場合が
あるので、使用する粉末の平均粒径は1.5μm以下で
あることが望ましく、更に好ましくは0.1〜1.5μ
mである。こうすることにより、より焼結密度の高い焼
結体を得ることが可能となる。
スズ含有量は、スパッタリング法により薄膜を製造した
際に比抵抗が低下する5〜15重量%とすることが望ま
しい。
P等の圧密化処理を行う。この際CIP圧力は充分な圧
密効果を得るため2ton/cm2以上、好ましくは2
〜3ton/cm2であることが望ましい。ここで始め
の成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形
体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去
する目的で脱バインダー処理を施してもよい。また、始
めの成形をプレス法により行った場合でも、成型時にバ
インダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理
を行うことが望ましい。
に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方
法でも用いることができるが、生産設備のコスト等を考
慮すると大気中焼結が望ましい。しかしこの他HP法、
HIP法および酸素加圧焼結法等の従来知られている他
の焼結法を用いることができることは言うまでもない。
きるが、充分な密度上昇効果を得るため、また酸化スズ
の蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜1650
℃であることが望ましい。焼結時の雰囲気としては大気
或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。また焼結時
間についても充分な密度上昇効果を得るために5時間以
上、好ましくは5〜30時間であることが望ましい。
O焼結体を得ることができる。本発明においては、使用
するITO焼結体の密度は特に限定されないが、焼結体
のポアのエッジ部での電界集中による異常放電やノジュ
ールの発生をより抑制するため、相対密度で99%以上
とすることが好ましく、より好ましくは99.5%以上
である。
TO焼結体を所望の形状に研削加工する。この加工は、
ITO焼結体の被スパッタリング面と接合面とを連結し
ている面の少なくとも一つを、接合面に対して90度を
超える角度をなして交差するようにすればよく、好まし
くは、95〜135度、より好ましくは100〜125
度で交差すればよい。このような形状の一例としては、
ITO焼結体の被スパッタリング面の面積を、ボンディ
ング面の面積より大きくなるよう、その焼結体断面が逆
台形状になるように加工すればよい。
スパッタリング面の端部がボンディング面の端部よりも
突出する長さは、焼結体の片側で1mm以上5mm以下
とすることが好ましい。1mm未満では本発明の効果が
薄くなり、5mmを超えると焼結体の被スパッタリング
面と側面との交差角が小さくなり、この部分で非常に鋭
角的な形状となり、焼結体破損の原因となる場合がある
からである。更に好ましくは、ITO焼結体の被スパッ
タリング面の端部に1〜2Rの加工を施すとよい。
を単一のバッキングプレート上に接合するような分割タ
ーゲットの場合には、焼結体が隣り合う部分の側面とボ
ンディング面との交差角は、双方ともに90度であるこ
とが好ましい。
面を機械的に研磨し、被スパッタリング面の表面粗さを
Raが0.8μm以下、かつ、Ryが6.5μm以下に
加工することが好ましい。より好ましくは、Raが0.
1μm以下、かつ、Ryが0.8μm以下である。こう
することにより、ターゲット表面の凹凸部で発生する異
常放電や異常放電によるノジュールの形成を効果的によ
り抑制することが可能となる。
度が高く、研削加工中に焼結体内部にクラックを生じ易
いので、加工は湿式加工で行うことが望ましい。
バッキングプレート上に接合する。本発明に使用される
バッキングプレートは特に限定されないが、無酸素銅お
よびリン青銅等があげられる。
えばよい。まず、ITO焼結体とバッキングプレートと
を使用する接合剤の融点以上に加熱する。次に加熱され
たITO焼結体およびバッキングプレートの接合面に接
合剤を塗布する。接合剤としては、インジウム半田等が
好ましい。
キングプレートの接合面同士を合わせてバッキングプレ
ート上の所望の位置に接合し、室温まで冷却することに
より、本発明のITOターゲットを得ることができる。
スとしては、アルゴンなどの不活性ガスなどに必要に応
じて酸素ガスなどが加えられ、通常2〜10mTorr
にこれらのガス圧を制御しながら、放電が行われる。放
電のための電力印可方式としては、DC、RFあるいは
これらを組み合わせたものが使用可能であるが、放電の
安定性を考慮し、DCあるいはDCにRFを重畳したも
のが好ましい。ターゲットに加えられる電力密度につい
ては特に制限はないが、本発明のターゲットは、近年の
低電力放電(2.0W/cm2以下)の条件下におい
て、特に有効である。
ットは、ITOに付加機能を持たせることを目的として
第3の元素を添加したターゲットにおいても有効であ
る。第3元素としては、例えば、Mg,Al,Si,T
i,Zn,Ga,Ge,Y,Zr,Nb,Hf,Ta等
を例示することができる。これら元素の添加量は、特に
限定されるものではないが、ITOの優れた電気光学的
特性を劣化させないため、(第3元素の酸化物の総和)
/(ITO+第3元素の酸化物の総和)/100で0%
を超え20%以下(重量比)とすることが好ましい。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
均粒径0.7μmの酸化スズ粉末100gをポリエチレ
ン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより72時間混
合し、混合粉末を製造した。前記混合粉末のタップ密度
を測定したところ2.0g/cm3であった。
cm2の圧力でプレスして成形体とした。この成形体を
3ton/cm2の圧力でCIPによる緻密化処理を行
った。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置し
て、以下の条件で焼結した。
時間:10時間、焼結炉への導入ガス:酸素、導入ガス
線速:2.6cm/分、 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定した
ところ7.11g/cm3(相対密度:99.4%)で
あった。
ング面を101.6mm×177.8mm、被スパッタ
リング面を103.6mm×180.6mm、厚さ6m
mの長軸および短軸ともに対称である断面逆台形状の焼
結体に加工し、さらに焼結体のスパッタリング面の表面
粗さをRa=0.7μm、Ry=5.2μmに機械加工
した。
ングプレートを156℃まで加熱した後、それぞれの接
合面にインジウム半田を塗布した。次に、焼結体をバッ
キングプレート上の所定の位置に配置した後、室温まで
冷却しターゲットとした。
件でスパッタリングを行った。
間実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュ
ータを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べ
た。その結果、ターゲット表面の18%の部分にノジュ
ールが発生していた。
た焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ
7.11g/cm3(相対密度:99.4%)であっ
た。
ング面を101.6mm×177.8mm、被スパッタ
リング面を107.6mm×183.6mm、厚さ6m
mの長軸および短軸ともに対称である断面逆台形状の焼
結体に加工し、さらに焼結体のスパッタリング面の表面
粗さをRa=0.7μm、Ry=5.2μmに機械加工
した。
ングプレートを156℃まで加熱した後、それぞれの接
合面にインジウム半田を塗布した。次に、焼結体をバッ
キングプレート上の所定の位置に配置した後、室温まで
冷却しターゲットとした。
タリング条件で連続的にスパッタリング試験を60時間
実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュー
タを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べた。
その結果、ターゲット表面の16%の部分にノジュール
が発生していた。
た焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ
7.11g/cm3(相対密度:99.4%)であっ
た。
ング面を101.6mm×177.8mm、被スパッタ
リング面を111.6mm×187.6mm、厚さ6m
mの長軸および短軸ともに対称である断面逆台形状の焼
結体に加工し、さらに焼結体のスパッタリング面の表面
粗さをRa=0.7μm、Ry=5.2μmに機械加工
した。
ングプレートを156℃まで加熱した後、それぞれの接
合面にインジウム半田を塗布した。次に、焼結体をバッ
キングプレート上の所定の位置に配置した後、室温まで
冷却しターゲットとした。
タリング条件で連続的にスパッタリング試験を60時間
実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュー
タを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べた。
その結果、ターゲット表面の15%の部分にノジュール
が発生していた。
た焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ
7.11g/cm3(相対密度:99.4%)であっ
た。
mm×177.8mm、厚さ6mmの直方体に加工し、
さらに焼結体のスパッタリング面の表面粗さをRa=
0.7μm、Ry=5.2μmに機械加工した。
ングプレートを156℃まで加熱した後、それぞれの接
合面にインジウム半田を塗布した。次に、焼結体をバッ
キングプレート上の所定の位置に配置した後、室温まで
冷却しターゲットとした。
タリング条件で連続的にスパッタリング試験を60時間
実施した。放電後のターゲットの外観写真をコンピュー
タを用いて画像処理を行いノジュール発生量を調べた。
その結果、ターゲット表面の59%の部分にノジュール
が発生していた。
い、低い印加電力で放電を行う成膜方法を用いた場合に
おいても、半田材として用いている金属インジウム起因
によるノジュールの発生を防止することができる。
断面を示す図である。
他の例の断面を示す図である
Claims (4)
- 【請求項1】 実質的にインジウム、スズおよび酸素か
らなるITO焼結体を、バッキングプレートに接合剤に
より接合してなるITOスパッタリングターゲットにお
いて、ITO焼結体の被スパッタリング面と接合面とを
連結している面の少なくとも一つが、接合面に対して9
0度を超える角度をなして交差していることを特徴とす
るITOスパッタリングタ−ゲット - 【請求項2】 実質的にインジウム、スズおよび酸素か
らなるITO焼結体を、バッキングプレートに接合剤に
より接合してなるITOスパッタリングターゲットにお
いて、ITO焼結体の被スパッタリング面の端部の少な
くとも一部が、ボンディング面の端部よりも突出してお
り、その突出する長さが、片側で1mm以上5mm以下
であることを特徴とするITOスパッタリングターゲッ
ト。 - 【請求項3】 ITO焼結体の相対密度が、99%以上
であることを特徴とする請求項1または2に記載のIT
Oスパッタリングターゲット。 - 【請求項4】 ITO焼結体のスパッタリング面の平均
線中心粗さ(Ra)が0.8μm以下、かつ最大高さ
(Ry)が6.5μm以下であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項に記載のITOスパッタリング
ターゲット。
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---|---|---|---|
JP35155699A JP3636014B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | Itoスパッタリングターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35155699A JP3636014B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | Itoスパッタリングターゲット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001164359A true JP2001164359A (ja) | 2001-06-19 |
JP3636014B2 JP3636014B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=18418093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35155699A Expired - Fee Related JP3636014B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | Itoスパッタリングターゲット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3636014B2 (ja) |
-
1999
- 1999-12-10 JP JP35155699A patent/JP3636014B2/ja not_active Expired - Fee Related
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