JP2001159247A - 既設化粧材の補修方法 - Google Patents

既設化粧材の補修方法

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JP2001159247A
JP2001159247A JP34273099A JP34273099A JP2001159247A JP 2001159247 A JP2001159247 A JP 2001159247A JP 34273099 A JP34273099 A JP 34273099A JP 34273099 A JP34273099 A JP 34273099A JP 2001159247 A JP2001159247 A JP 2001159247A
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floor
repair
cutting
repairing
cut
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JP34273099A
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Yoshiji Sennenbara
美次 千年原
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Asahi Woodtec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ確実に効率良く補修できて、良好な
仕上がり具合を得ることができ、補修後において、実嵌
合等の接合状態を確実に維持できる既設床材の補修方法
を提供する。 【解決手段】 本発明は、周辺に実部2、3を有する床
材1が、隣合う床材1間において実嵌合状態で、面状に
並んで施工される既設床材の補修方法を対象とする。複
数の床材1のうち、傷6a、6bの付いた床材1におけ
る傷付き箇所周辺を切削して、その床材1の表面に切削
凹部4a、4bを形成する。切削凹部4a、4bに補修
用ピース8a、8bを嵌め込んで接着固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、床材、壁材、天
井材等の化粧板や、階段材、框材等の造作材によって化
粧仕上げされた化粧仕上げ面における既設化粧材の補修
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8及び図9に示すように、床仕上げ用
の床材(1)は、周囲四辺のうち隣合う二辺に、接合部
として例えば雄実部(2)が設けられ、残り二辺に、上
記雄実部(2)に嵌合し得る雌実部(3)が設けられて
いる。そして、複数の床材(1)が、隣合う床材間にお
いて対応する実部(2)(3)同士を嵌合させつつ、根
太や捨て貼り合板等の床下地(20)上に順次並べて施
工されて、床面が形成されるものである。このような床
面においては、各床材(1)と床下地(20)との間に
接着剤を塗布するとともに、各床材(1)における雄実
部(2)の基端部から床下地(20)にかけて釘(6)
を打ち込んで固定する、いわゆる糊釘併用工法が多く用
いられている。
【0003】一方、上記の床面に傷が付いた場合、軽微
な浅い傷であれば、補修用コーキング剤、補修用着色
液、あるいは塗料等を塗布することにより、補修するこ
とができるが、この補修方法では、深い傷(6a)、例
えば工具等の物品を落下させた際の落とし傷や、重量物
を引きずった際の深い擦り傷等を確実に補修することは
困難である。
【0004】そこで、従来において、床面に形成された
深い傷(6a)を補修する場合には、床材(1)を床材
単位で貼り替える方法が主として用いられている。
【0005】この補修方法においては、まず、補修箇所
を有する所定の床材(1)を除去する。このとき、施工
状態の床材(1)は糊釘併用工法により強固に固定され
るとともに、隣合う床材同士が連結されて一体に形成さ
れているため、所定の床材(1)を一度に全部剥ぎ取る
ことはできず、一般的には、図10に示すように床材
(1)の中央領域(1a)を切除した後、図11に示す
ように外周領域(1b)を取り除くようにしている。
【0006】その後、図12に示すように床材(1)を
除去した領域(床材除去領域)に、貼り替え用の床材
(10)をその裏面に接着剤を塗布しておいて嵌め込ん
で床下地(20)に接着固定するものである。
【0007】なお、貼り替え用の床材(10)は、床材
除去領域に確実に嵌め込むことができるように、雌実部
(13)の下部が切除されており、床材除去領域に嵌め
込む場合には、雄実部(12)を、周囲の床材(1)の
雌実部(3)に嵌合し、その状態で雌実部(13)側を
落とし込んで、雌実部(13)を隣合う床材(1)の雄
実部(2)上に配置するものである。
【0008】また嵌め込まれた貼り替え用床材(10)
は、必要に応じて接着剤が硬化するまで、仮留め釘によ
り床下地(20)に固定するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の床材補修方法において、所定の床材(1)のみを除
去するにあたって、中央領域(1a)のみを除去する場
合には、図8及び図9に示すように床材(1)の外周端
縁から10〜20mm程度内側の位置を、外周端縁に沿
う仮想切断線(L)に沿って、電動鋸やハンドルーター
を用いて切断した後、その切断線(L)よりも内側の中
央領域(1a)を除去する必要があるが、床材(1)を
切断する際には、周辺の床材(1)の実部(2)(3)
や、床下地(20)を傷付けないように、鋸刃やルータ
ービットの突出量を床材(1)の厚さよりも若干小さく
調整して、慎重に行う必要があり、非常に面倒であると
いう問題があった。
【0010】更に中央領域(1a)及び外周領域(1
b)は、床下地(20)に強固に固着しているため、こ
れらの領域(1a)(1b)を引き剥がすのが困難であ
り、特に外周領域(1b)の除去作業は、ノミ、バー
ル、カッターナイフ等を適宜使い分けて、周辺の床材
(1)や床下地(20)を傷付けないように少しずつ慎
重に手作業で行う必要があり、この点においても、補修
作業が面倒であるという問題があった。
【0011】更に床材(1)を除去した後、その床材除
去領域全域を、サンドペーパー等を用いて平滑面に仕上
げる作業も必要であり、この仕上げ作業にも多大な労力
が必要で、一層、作業効率の低下を来すという問題があ
った。
【0012】また貼り替え用床材(10)は、既述した
ように、床材除去領域への嵌め込みを確実に行えるよう
に、雌実部(13)の下部が切除されているため、その
雌実部(13)を、隣合う床材(1)の雄実部(2)に
嵌合することができず、実嵌合状態を維持できないとい
う問題も抱えている。
【0013】また貼り替え用床材(10)は、作業現場
において詳細な色合わせや柄合わせ等を行う必要がある
ため、色や柄等が異なる複数種類の貼り替え用床材(1
0)を準備しなければならず、床材搬入作業等が面倒に
なり、より一層作業性の低下を来すという問題があっ
た。
【0014】更に貼り替え用床材(10)は、床材除去
領域に一旦嵌め込んでしまうと、雄実部(2)が隣合う
床材(1)の雌実部(3)に嵌合してしまい、簡単には
取り外すことができず、仮納めすることができない。こ
のため、貼り替え用床材(10)を実際に嵌め込んだ状
態で、貼り替え用床材(10)の厚み寸法等を確認する
ことができず、周囲の床材(1)との間で段差が生じる
恐れがあり、良好な仕上がり具合を得るのが困難である
という問題もあった。
【0015】また上記したように、フルサイズの大きい
床材を貼り替える必要があるので、床材除去時の切削屑
等が大量に発生して、その屑が散乱して飛散するので、
現場周辺が汚れ易いという問題があった。
【0016】更に傷付範囲が小さくとも、床材ごと貼り
替えるものであるため、材料効率が悪く、コストの増大
を招くという問題もあった。
【0017】なお、以上の説明は、床材間を、本実接合
により接合するものを例に挙げているが、床材間が他の
接合手段により接合される場合についても、同様な問題
が発生し、特に床材間が相じゃくり実矧ぎ接合により接
合される場合には、雄実部と、雌実部の下顎との間にも
接着剤が塗布されるので、その間の剥離が困難になり、
床材除去作業をより一層困難なものとする。
【0018】一方、上記以外の既設床材の補修方法とし
て、例えば特開昭61−22707号公報に示すよう
に、傷付いた床材と共に、その周囲の床材も貼り替える
ようにした方法が開示されているが、この方法において
も、上記と同様、床材単位で貼り替えるものであるた
め、既設床材の除去作業が困難である等、上記と同様な
問題を抱えている。
【0019】なお従来において、床材の傷付いた箇所に
おける化粧単板(表面化粧層)のみをナイフ等を用いて
剥がし、傷位置の凹部にパテを埋めた後、新たな化粧単
板をアイロン等を用いて接着剤により貼り付ける補修方
法もあるが、この方法は、周囲とのバランスを図るため
に、平滑化、色合わせ、つや出しが非常に困難で、高い
熟練度、いわゆる職人技を必要とするので、ほとんど用
いられていないのが現状である。
【0020】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、切削屑の飛散等による周辺が汚れるのを防止しつ
つ、簡単かつ確実に効率良く補修でき、また良好な仕上
がり具合を得ることができるとともに、補修後におい
て、実嵌合等の接合状態を確実に維持できて、コストの
削減も図ることができる既設化粧材の補修方法を提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、周辺に接合部を有する板状の複数の化
粧材が、隣合う化粧材間において対応する接合部同士が
接合された状態で、面状に並んで施工される既設化粧材
の補修方法であって、前記複数の化粧材のうち、表面の
一部に補修箇所を有する化粧材における前記補修箇所の
周辺領域を切削して、その化粧材の表面に切削凹部を形
成する工程と、前記切削凹部に適合する補修用ピース
を、前記切削凹部に嵌め込んで固定する工程とを含むも
のを要旨としている。
【0022】この発明の既設化粧材の補修方法において
は、施工された化粧材における補修箇所周辺のみを切削
して、その切削凹部に補修用ピースを嵌着するものであ
るため、化粧材単位で貼り替える工法とは異なり、大が
かりで面倒な化粧材除去作業を必要とせず、効率よく簡
単に補修することができる。更に切削屑の発生量が少な
く、飛散範囲も小さくなるので、補修現場周辺の汚れて
しまうのを防止することができる。また補修する化粧材
とその周辺の化粧材との間における実嵌合等の接合状態
を確実に維持することができる。
【0023】また小さいサイズの補修用ピースを取り扱
うものであるから、ピース搬入作業等の材料搬入作業を
容易に行うことができる。
【0024】また補修用ピースを切削凹部に仮納めする
ことができるので、補修用ピースを実際に切削凹部に嵌
め込んだ状態で、ピース厚みを確認することができ、厚
み調整を正確に行うことができる。
【0025】なお、切削凹部の内周面は、サンドペーパ
ー等を用いて平滑化を行うが、この平滑化作業は、作業
範囲が切削凹部内の小さい範囲であるため、作業性の低
下を来すようなことはない。
【0026】一方、本発明においては、前記切削凹部の
深さを、前記化粧材の表面から接合部までの厚み方向寸
法に対し、同等以下に設定する構成を採用するのが好ま
しい。
【0027】すなわちこの構成を採用する場合、隣合う
化粧材の接合部を切削してしまうような不具合を確実に
防止することができる。
【0028】また本発明においては、前記切削凹部を形
成するための切削装置が、ハンドルーター本体と、前記
ハンドルーター本体のルータービット周辺を覆う透明カ
バーとを備え、前記透明カバーに、カバー内部の切削屑
を吸引回収手段を介して吸引回収するための吸塵孔と、
カバー内部にエアーを取り込むための通気孔とが形成さ
れてなる構成を採用するのが望ましい。
【0029】すなわちこの構成を採用する場合、吸塵孔
に、吸引回収手段としての掃除機等の吸塵装置のホース
を接続して、そのホースを介して切削屑を吸塵装置によ
って吸引回収することにより、切削屑の飛散をより確実
に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は本実施形態の補
修方法が適用される床面を示す図である。これらの図に
示すようにこの床面は、上記従来例と同様に、複数の床
材(1)によって構成されており、各床材(1)は、基
材上に、表面化粧層が設けられたものにより構成されて
いる。
【0031】ここで、基材としては、合板、中質繊維板
(MDF)、硬質繊維板(HDF)等の木質繊維板、パ
ーティクルボード、ウェハーボード、オリエンテッドス
トランドボード(OSB)、単板積層材(LVL)、集
成材等の木質材の他、これらを複数組み合わせた複合板
等が好適に用いることができ、更には、無機質材、合成
樹脂材からなるものも用いることができる。
【0032】表面化粧層としては、木質単板や、紙、合
成樹脂シート等の模様印刷シートを貼着したもの、ダイ
レクト印刷処理によるものの他、塗装処理によるもの、
透明合成樹脂フィルムを貼着したもの等、周知のものを
用いることができる。
【0033】なお本発明において、基材の裏面側には、
発泡樹脂シートや不織布等の遮音材、ゴム等の緩衝材を
貼着するようにしても良い。
【0034】また床材(1)の表面には、縦横に複数の
溝(4)が形成されており、これらの溝(4)によって
囲まれた部分が、ひとつの単位板模様(5)として構成
されて、床材表面に、複数の単位板模様(5)が形成さ
れる。
【0035】また、床材(1)の周囲四辺のうち隣合う
二辺には、雄実部(2)が形成されるとともに、残り二
辺に、雄実部(2)に嵌合し得る雌実部(3)が形成さ
れている。この複数の床材(1)が、隣合う床材間にお
いて対応する実部(2)(3)同士が嵌合されるように
して、糊釘併用工法により、床下地(20)上に順次並
べて施工されて、床面が形成されている。
【0036】そして本実施形態の補修方法を用いて、床
面に形成された傷(6a)(6b)を補修する場合に
は、まず図1及び図3に示すように傷(6a)(6b)
を含む周辺領域(14a)(14b)を切削して切削凹
部(4a)(4b)を形成する。
【0037】本実施形態において、切削凹部(4a)
(4b)を形成するための切削装置としては、特有のハ
ンドルーター(30)が用いられる。
【0038】図6及び図7に示すようにこのハンドルー
ター(30)は、ハンドルーター本体(31)と、その
本体(31)の胴部外周に、本体(31)に対し軸方向
(上下方向)にスライド自在に外嵌されたスライド筒
(32)と、スライド筒(32)に固定され、ルーター
本体(31)のビット(31a)を覆う態様に配置され
たアクリル樹脂製の透明カバー(33)と、透明カバー
(33)の下端開口部に取り付けられた定盤(34)と
を備えている。
【0039】ビット(31a)の先端は、定盤(34)
の中央に形成されたビット挿通孔(34a)に挿通配置
されており、スライド筒(32)を本体(31)に対し
スライドさせることにより、ビット(31a)における
定盤(34)からの下方突出量(切削深さ)を任意に調
整できるよう構成されている。
【0040】また透明カバー(33)の前壁中央には、
吸塵孔(33a)が形成されるとともに、後壁両側に
は、通気孔(33b)(33b)が形成されている。
【0041】このハンドルーター(30)を用いて、上
記したように切削凹部(4a)(4b)を形成する。す
なわち、床材(1)の切削領域に沿ってビット(31
a)を押し当てながら駆動することにより、所定領域を
切削するものである。本実施形態において、この切削時
には、透明カバー(33)の吸塵孔(33a)に、吸引
回収手段としての掃除機等の吸塵装置の吸塵ホースを接
続しておき、透明カバー(33)内に飛散する切削屑を
吸引ホースを介して回収することにより、切削屑が作業
領域周辺に飛散するのを確実に防止するようにしてい
る。
【0042】本発明において、切削凹部(4a)(4
b)の深さは、床材(1)を貫通しなければ、どのよう
な深さに形成しても良いが、好ましくは、床材(1)の
表面から雄実部(2)又は雌実部(3)の上端位置まで
の板厚方向の寸法に対し、同等以下に設定するのが良
い。すなわち、床材中央領域を切削する場合には、特に
問題は生じないが、床材外周領域、特に雌実部(3)が
形成される領域を切削するような場合には、切削深さが
深過ぎると、傷が付いていない隣の床材(1)の雄実部
(2)を切削して破損させてしまう恐れがあるためであ
る。
【0043】また本発明において、切削凹部(4a)
(4b)の大きさや形状は特に限定されるものではない
が、本実施形態においては、傷(6a)(6b)を含む
単位板模様(5)の部分全域を切削して、切削凹部(4
a)(4b)を形成するようにしている。
【0044】次に、切削凹部(4a)(4b)の内周面
をサンドペーパーを用いて凹凸をなくし、平滑面に仕上
げる。なお、この平滑化作業は、その作業範囲が切削凹
部(4a)(4b)内の小さい範囲であるため、作業性
の低下を来すようなことはない。
【0045】こうして切削凹部(4a)(4b)を形成
した後、図1及び図4に示すように切削凹部(4a)
(4b)に、補修用ピース(8a)(8b)を嵌め込ん
で接着剤により固定する。
【0046】補修用ピース(8a)(8b)は、厚みは
床材(1)よりも薄くて、切削凹部(4a)(4b)の
深さに対応して形成され、大きさや形状は、言うまでも
なく、切削凹部(4a)(4b)に適合するように形成
されている。
【0047】また、補修用ピース(8a)(8b)は、
床材(1)と同様な基材あるいは単板や2プライ合板製
の基材上に、床材(1)と同様な表面化粧層が設けられ
た構成を有している。更に補修用ピース(8a)(8
b)の表面化粧層には、床材(1)と同様に着色や塗装
が施されて、床材表面と同様な仕上がり具合に形成され
ている。
【0048】本実施形態において、この補修用ピース
(8a)(8b)は、予め工場の方で作製しておくもの
であり、現場に搬入する際には、比較的大きめのものを
準備しておき、現場で、切削凹部(4a)(4b)に合
わせてカットするのが良い。
【0049】なお、補修用ピース(8a)(8b)は、
床材(1)とは別に作製するのが通例であるが、床材作
製中に発生した不良品等を利用して作製することも可能
である。
【0050】本実施形態において、補修用ピース(8
a)(8b)を切削凹部(4a)(4b)に接着するた
めの接着剤としては、合成ゴム系の接着剤の他、短時間
で接着可能なハネムーン型と称される接着剤、すなわち
補修用ピース(8a)(8b)の裏面に塗布されるプラ
イマー(硬化剤)と、切削凹部(4a)(4b)の底面
に塗布される主剤とからなる接着剤等を好適に使用する
ことができる。例えば合成ゴム系の接着剤を用いる場合
には、補修用ピース(8a)(8b)の裏面と、切削凹
部(4a)(4b)の底面との双方に接着剤を塗布し
て、接着剤が指触乾燥してから貼り合わせるようにすれ
ば良い。また補修する床材(1)が床暖房仕様の場合に
は、耐熱性を考慮して、短時間硬化型のエポキシキ樹脂
系の接着剤を使用するのが好ましい。合成ゴム系の接着
剤を用いる場合、補修用ピース(8a)(8b)の裏面
と、切削凹部(4a)(4b)の底面との双方に接着剤
を塗布して、接着剤が指触乾燥してから貼り合わせるよ
うにすれば良い。
【0051】なお、接着剤を塗布して、補修用ピース
(8a)(8b)を切削凹部(4a)(4b)に嵌め込
んだ際には、補修用ピース(8a)(8b)の浮き上が
りを防止するために、接着剤が硬化するまでの間、補修
用ピース(8a)(8b)上におもしを載せておいた
り、補修用ピース(8a)(8b)を仮留め釘により床
下地(20)に固定しておくようにしても良い。
【0052】また補修用ピース(8a)(8b)の裏面
には、接着剤のはみ出しを防止するために、裏溝等を形
成しておいても良い。
【0053】更に本実施形態のように、補修用ピース
(8a)(8b)として、単位板模様(5)に対応する
大きさのものを用いる場合には特に、補修用ピース(8
a)(8b)における上面側の外周端縁に面取り部
(9)を形成して、周囲の単位板模様(5)に対し外観
上対応させるのが好ましい。
【0054】なお本発明においては、補修用ピース(8
a)(8b)を切削凹部(4a)(4b)に接着するた
めの手段としては、接着剤以外に、両面粘着(接着)テ
ープ等を用いることもできる。
【0055】以上のように、本実施形態の床材補修方法
によれば、床材(1)における傷(6a)(6b)等の
補修箇所の周辺を切削して、その切削凹部(4a)(4
b)に補修用ピース(8a)(8b)を嵌め込んで接着
固定するものであるため、上記従来技術のように、床材
単位で貼り替える場合と違って、大がかりで面倒な床材
除去作業を必要とせず、効率良く短時間で補修すること
ができる。更に部分的に補修するものであるから、材料
効率が良く、コストの削減を図ることができる。
【0056】また本実施形態においては、フルサイズの
大きい床材を取り扱うのと違って、小さいサイズの補修
用ピース(8a)(8b)を取り扱うものであるため、
現場への床材搬入作業等が容易になり、一層、作業効率
を向上させることができる。
【0057】更に床材(1)における表面層の一部を切
削するだけのものであるから、補修する床材(1)とそ
の周辺の床材(1)との間の実嵌合は確実に維持するこ
とができる。
【0058】また接着剤を塗布しない状態において、補
修用ピース(8a)(8b)を切削凹部(4a)(4
b)に嵌め込んだとしても、補修用ピース(8a)(8
b)を簡単に取り外すことができるので、補修用ピース
(8a)(8b)の仮納めを支障なく行うことができ
る。このため、補修用ピース(8a)(8b)を実際に
切削凹部(4a)(4b)に嵌め込んだ状態で、つまり
補修完了後とほぼ同じ状態で、ピース厚みを確認するこ
とができるので、周辺領域との厚み調整を正確に行うこ
とができ、良好な仕上がり具合を得ることができる。
【0059】また大きいサイズの床材(1)を除去する
場合と異なり、小さい範囲を切削するだけのものである
ため、切削屑の発生量が少なく、しかも切削屑が飛散す
る範囲も小さくなるので、作業現場周辺が汚れてしまう
のを防止することができる。特に本実施形態において
は、特有構造のハンドルーター(30)を用いて、切削
屑を吸引回収することができるので、現場周辺を汚して
しまうのをより確実に防止することができる。
【0060】更に本実施形態においては、床材(1)に
おける補修箇所を含む単位板模様(5)の部分全域を切
削して、補修用ピース(8a)(8b)を嵌め込むもの
であるため、補修用ピース(8a)(8b)によって単
位板模様(5)と同様な板模様を形成することができ、
ピース嵌め込み部とその周辺の単位板模様(5)との間
の色合いや柄模様等のバランスを適度に図ることがで
き、より一層良好な仕上がり具合を得ることができる。
【0061】なお、上記実施形態においては、本発明を
床材の補修に適用した場合について説明したが、本発明
はそれだけに限られず、例えば壁材や天井材等の化粧板
や、階段材や框材等の造作材によって形成される化粧仕
上げ面にける化粧材を補修する場合にも、上記と同様に
適用することができる。
【0062】また、上記実施形態においては、切削装置
として、ハンドルーターを用いているが、本発明におい
ては、電動丸鋸やノミ等の他の切削装置を用いるように
しても良い。もっとも、ハンドルーターは、取り扱い易
く、しかも効率良く正確に切削することができるので、
上記実施形態のように、ハンドルーターを用いるのが好
ましい。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明の既設化粧材の補
修方法によれば、施工された化粧材における補修箇所周
辺のみを切削して、その切削凹部に補修用ピースを嵌着
するものであるため、化粧材単位で貼り替える工法とは
異なり、大がかりで面倒な化粧材除去作業を必要とせ
ず、効率よく簡単に補修することができるとともに、材
料効率が良く、コストの削減を図ることができる。更に
切削屑の発生量が少なく、飛散範囲も小さくなるので、
補修現場周辺を汚してしまうのを防止することができ
る。また補修する化粧材とその周辺の化粧材との間にお
ける実嵌合等の接合状態を確実に維持することができ
る。また、小さいサイズの補修用ピースを取り扱うもの
であるから、ピース搬入作業等を容易に行うことがで
き、一層作業効率を向上させることができる。また補修
用ピースを切削凹部に仮納めすることができるので、補
修用ピースを実際に切削凹部に嵌め込んだ状態でピース
厚みを確認できる。このため、ピースの厚み調整を正確
に行うことができ、良好な仕上がり具合を確実に得るこ
とができるという効果がある。
【0064】本発明において、切削凹部の深さを、接合
部位置よりも浅く形成する場合には、隣合う化粧材の接
合部を切削してしまうことがないので、隣合う化粧材間
における接合状態を、より確実に維持することができる
という利点がある。
【0065】また、本発明において、切削装置として、
ハンドルーター本体のビット周辺を覆う透明カバーを有
し、その透明カバーに吸塵孔及び通気孔が形成されたも
のを用いる場合には、吸塵孔に掃除機等の吸塵装置のホ
ースを接続して、そのホースを介して切削屑を吸塵装置
によって吸引回収することにより、掃除機切削屑の飛散
をより確実に防止でき、作業現場周辺を汚してしまうの
をより確実に防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である床材補修方法が適用
される床材におけるピース嵌込工程の状態を示す斜視図
である。
【図2】実施形態の補修方法が適用される床面を切削工
程直前の状態で示す断面図である。
【図3】実施形態の補修方法が適用される床面を切削工
程完了後の状態で示す断面図である。
【図4】実施形態の補修方法が適用される床面を補修用
ピース嵌込み直後の状態で示す断面図である。
【図5】実施形態の補修方法が適用される床面を示す平
面図である。
【図6】実施形態の補修方法に用いられたハンドルータ
ーを示す正面図である。
【図7】実施形態のハンドルーターをその透明カバーを
切り欠いた状態で示す正面図である。
【図8】従来の床材補修方法が適用される床面を示す平
面図である。
【図9】従来の床面補修方法が適用される床面を床材除
去直前の状態で示す断面図である。
【図10】従来の床面補修方法が適用される床面を床材
除去途中の状態で示す断面図である。
【図11】従来の床面補修方法が適用される床面を床材
除去完了状態で示す断面図である。
【図12】従来の床面補修方法が適用された床面を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…床材 2…雄実(接合部) 3…雌実(接合部) 4a、4b…切削凹部 6a、6b…傷(補修箇所) 8a、8b…補修用ピース 20…床下地 30…ハンドルーター(切削装置) 31…ハンドルーター本体 31a…ビット 33…透明カバー 33a…吸塵孔 33b…通気孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周辺に接合部を有する板状の複数の化粧
    材が、隣合う化粧材間において対応する接合部同士が接
    合された状態で、面状に並んで施工される既設化粧材の
    補修方法であって、 前記複数の化粧材のうち、表面の一部に補修箇所を有す
    る化粧材における前記補修箇所の周辺領域を切削して、
    その化粧材の表面に切削凹部を形成する工程と、 前記切削凹部に適合する補修用ピースを、前記切削凹部
    に嵌め込んで固定する工程とを含む既設化粧材の補修方
    法。
  2. 【請求項2】 前記切削凹部の深さを、前記化粧材の表
    面から接合部までの厚み方向寸法に対し、同等以下に設
    定するものとした請求項1記載の既設化粧材の補修方
    法。
  3. 【請求項3】 前記切削凹部を形成するための切削装置
    が、ハンドルーター本体と、前記ハンドルーター本体の
    ルータービット周辺を覆う透明カバーとを備え、前記透
    明カバーに、カバー内部の切削屑を吸引回収手段を介し
    て吸引回収するための吸塵孔と、カバー内部にエアーを
    取り込むための通気孔とが形成されてなる請求項1又は
    2記載の既設化粧材の補修方法。
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