JP2007297880A - 石綿スレート板の留め具の除去装置及び除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建築物の下地部材11に固定された石綿スレート板13の留め具12を工具15を用いて取り外す際に発生する粉塵を除去しながら、石綿スレート13を下地部材11から剥離する石綿スレート板の留め具の除去装置及び方法であって、石綿スレート板13の留め具12の頭部14に係合し、工具保持治具19を用いて石綿スレート板13の上に配置される工具15の周囲に一部が外側に開放された空間部26を形成し、空間部26に除塵機にフレキシブルホース23を介して接続される吸い込み口24を装入し、工具15で留め具12を取り外す場合に発生する粉塵を除塵機によって吸収する。
【選択図】図1
Description
最も低いレベル3は、外装用として建築物の天井、壁、床等に張り付けられた石綿含有成形板や、あるいは屋根材用として屋根に張り付けられた石綿スレート板等の除去作業に適用されている。この石綿含有成形板や、石綿スレート板等は、固体化されて通常では発塵性が極めて低いものであるが、除去作業時の破砕、切断等においては発塵を伴うので、湿式作業が原則とされ、粉塵量のレベルに応じた防塵マスクをした上で除去作業を行うこととなっている。
(1)屋根材用として屋根本体に固定されたアスベストを含有した石綿スレート板は、一時的にカバールーフ工法等で補修を施したとしても、処理の先送りとなるだけで、いずれ除去する必要があるが、逆に、次の改修時において乾燥、劣化が進行して飛散の危険性が増大することになる。また、古い石綿スレート板に補強ボルトや釘を打ち込んだりするときにも、多くの発塵が行こり、カバールーフ等の取付けにも石綿スレート板を除去する場合と同様な防塵処理が必要となる。
(2)アスベストを含有した石綿スレート板を用いた建築物は、一般住宅が多く、ビルや、工場や、倉庫等と異なり、大掛かりな機械除去装置を使っての撤去ができない上に、滑りやすい屋根上での作業となり、散水を施しながら作業を行うことで作業者の滑落の危険性を抱えている。
(3)一般住宅における散水を施しながらの屋根本体に固定されたアスベストを含有した石綿スレート板の除去は、居住している住宅内への漏水が発生し、居住性が維持できなくなる。また、散水によって流失したアスベスト含有材は、住宅内の壁面、敷地、樹木、排水施設等に付着して乾燥後の再飛散によって、二次的な人体への有害問題を引き起こす危険がある。
(4)アスベストを含有した石綿スレート板を用いた建築物の屋根頂部を超える程度まで除去作業用の足場を全面防炎シートで覆うようにして除去作業を行う場合には、風圧による足場転倒の危険がある上に、除去費用の増大となっている。また、一般住宅では、足場の設置が不可能な場合があり、除去作業の対応が困難な場合がある。
前記留め具の頭部に係合して、前記留め具を取り外す工具と、
前記工具を前記下地部材の上に直接又は前記石綿スレート板を介して保持し、一部に前記除塵機にフレキシブルホースを介して接続される吸い込み口の取付け部が設けられている工具保持治具と、
前記工具保持治具に取付けられて前記留め具の頭部に係合している前記工具の周囲を覆うカバー部材とを有し、
前記除塵機によって、前記留め具を取り外す場合に前記カバー部材の内部に発生する石綿ダストを外部に漏らさないで吸引除去する。
前記石綿スレート板の留め具の頭部に係合し、工具保持治具を用いて、前記下地部材の上に直接又は前記石綿スレート板を介して配置される前記工具の周囲に一部が外側に開放された空間部を形成し、該空間部に除塵機にフレキシブルホースを介して接続される吸い込み口を装入し、前記工具で前記留め具を取り外す場合に発生する粉塵を前記除塵機によって吸収する。
ここに、図1、図2はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る石綿スレート板の留め具の除去装置の説明図、図3(A)〜(E)は同石綿スレート板の留め具の除去装置の使用方法の説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る石綿スレート板の留め具の除去装置の側面図、図5は同石綿スレート板の留め具の除去装置の平面図、図6は同石綿スレート板の留め具の除去装置の背面図、図7(A)、(B)、(C)は同石綿スレート板の留め具の除去装置の使用方法の説明図である。
0 〜25m/秒)の空気流を発生させている。また、カバー部材21の縁部は側板16、17に固定されるか半固定されて、工具保持治具19から容易にとれないようになっている。
なお、この吸い込み口24の先端部には、吸い込み口24の先端外周面から先端側に突出するブラシを設けてもよく、このブラシによって、空間部26の内部に付着した粉塵を除去できる。
釘抜き15の先側係合部33と柄34の中間部にある屈曲部(その周囲も含む)35には貫通孔が形成されて、ピン29がこの貫通孔に挿通し、ピン29を介して釘抜き15(詳細には、先側係合部33と屈曲部35)と工具保持治具19が回動可能に連結されている。先側係合部33の先はV字状切欠き36が形成されて釘12の頭部14に掛合するようになっている。
この石綿スレート板の留め具の除去方法は、一般住宅や、倉庫等からなる建築物の外装材や、屋根材として野地板11に固定されているアスベストを含有する石綿スレート板13を、その釘12を取り外す時に発生する粉塵を吸塵機で吸引しながら、取り外すものである。この除去方法での作業は、散水しながらの作業を必要としない上に、大掛かりな足場や、全面防炎シートでの覆い等を必要としないので、安全に作業ができると共に、作業コストを安価にすることができる。
釘12が野地板11及び石綿スレート板13から完全に外れると、釘12はV字状切欠き36に引っかかってはいるが自由状態となるので、図3(E)に示すように、開口22及びその他の隙間から空間部26内に発生する気流によって吹き飛ばされ、吸い込み口24の内部に入る。なお、釘抜き作業中に発生する粉塵は全て、空間部26内に発生する気流に乗って吸い込み口24からフレキシブルホース23を介して除塵機に搬送される。
この実施の形態においては、一般に石綿スレート板13が例えばねじ41(留め具の一例)で下地部材の一例である外壁材の一例である胴縁42に取付けられている場合であって、通常は、ドライバー軸(ドライバーチップ)43が設けられた回転電動工具(工具の一例)44でねじ41を外すが、この場合に発生する石綿を含む粉塵が外部に漏れないようにして作業を行うものである。
また、フレーム58の円形部61の中心は、回転電動工具44に取付けられたドライバー軸43に一致するように、ガイドロッド55のフレーム58に対する取付け位置が決定されている。フレーム58の底部は閉塞されてクッション64が設けられているが、円形部61に位置するフレーム58の底部にはU字状の開口65が設けられて、ねじ41の頭部45がこの開口65内に露出するようになっている。
回転電動工具44にホルダー51を介して工具保持治具47が取付けられ、更に工具保持治具47には、図示しない除塵機にフレキシブルホース23を介してその吸い込み口24が接続された石綿スレート板の留め具の除去装置10を用意し、これを除去しようとする石綿スレート板13を固定している個々のねじ41の上に、ねじ41の頭部45がドライバー軸43の軸心になるようにして配置する。この場合、ドライバー軸43の先端位置は、工具保持治具47の底部に設けられた開口65に一致するので、開口65内に頭部45を露出させるようにするとよい。
前記実施の形態においては、留め具は釘又はねじであったが、その他のもの(例えば、ステイプラー等)であっても本発明は適用される。
Claims (9)
- 建築物の外側又は内側の下地部材に固定された石綿スレート板を取り外す際に、前記石綿スレート板を固定している留め具を、発生する粉塵を除塵機で吸塵しながら取り外す石綿スレート板の留め具の除去装置であって、
前記留め具の頭部に係合して、前記留め具を取り外す工具と、
前記工具を前記下地部材の上に直接又は前記石綿スレート板を介して保持し、一部に前記除塵機にフレキシブルホースを介して接続される吸い込み口の取付け部が設けられている工具保持治具と、
前記工具保持治具に取付けられて前記留め具の頭部に係合している前記工具の周囲を覆うカバー部材とを有し、
前記除塵機によって、前記留め具を取り外す場合に前記カバー部材の内部に発生する石綿ダストを外部に漏らさないで吸引除去することを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去装置。 - 請求項1記載の石綿スレート板の留め具の除去装置において、前記カバー部材が透明シートからなることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の石綿スレート板の留め具の除去装置において、前記工具は釘抜きであって、前記留め具の頭部に係合する該釘抜きの先側係合部と該釘抜きの柄の中間部にある屈曲部が前記工具保持治具の両脚部の中間にピンを介して回動可能に取付けられていることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の石綿スレート板の留め具の除去装置において、前記工具は前記留め具の頭部に係合するドライバー軸を備えた回転電動工具であって、該回転電動工具が前記工具保持治具にガイド部材を介して進退可能に取付けられていることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の石綿スレート板の留め具の除去装置において、前記カバー部材の一部は開口となって、除塵中に外部からカバー内に空気が吸い込まれることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去装置。
- 建築物の外側又は内側の下地部材に固定された石綿スレート板の留め具を工具を用いて取り外す際に発生する粉塵を除去しながら、前記石綿スレート板の留め具を除去する方法であって、
前記石綿スレート板の留め具の頭部に係合し、工具保持治具を用いて前記下地部材の上に直接又は前記石綿スレート板を介して配置される前記工具の周囲に一部が外側に開放された空間部を形成し、該空間部に除塵機にフレキシブルホースを介して接続される吸い込み口を装入し、前記工具で前記留め具を取り外す場合に発生する粉塵を前記除塵機によって吸収することを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去方法。 - 請求項6記載の石綿スレート板の留め具の除去方法において、前記工具は釘抜きであって、前記留め具の頭部に係合する該釘抜きの先側係合部と該釘抜きの柄の中間部にある屈曲部が前記工具保持治具の両脚部の中間にピンを介して回動可能に取付けられていることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去方法。
- 請求項6記載の石綿スレート板の留め具の除去方法において、前記工具は前記留め具の頭部に係合するドライバー軸を備えた回転電動工具であって、該回転電動工具が前記工具保持治具にガイド部材を介して進退可能に取付けられていることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去方法。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の石綿スレート板の留め具の除去方法において、前記空間部は透明のカバー部材によって形成されていることを特徴とする石綿スレート板の留め具の除去方法。
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