JP2001158947A - 高Crフェライト系耐熱鋼 - Google Patents

高Crフェライト系耐熱鋼

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JP2001158947A JP2000291335A JP2000291335A JP2001158947A JP 2001158947 A JP2001158947 A JP 2001158947A JP 2000291335 A JP2000291335 A JP 2000291335A JP 2000291335 A JP2000291335 A JP 2000291335A JP 2001158947 A JP2001158947 A JP 2001158947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 650℃を超える高温における長時間クリー
プ強度に優れ、また、耐酸化性にも優れた高Crフェラ
イト系耐熱鋼を提供する。 【解決手段】 Crを13重量%以上含有し、Moおよ
びWを含有し、フェライト相が70体積%以上を占め
て、金属間化合物によって析出強化されている耐熱鋼と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、高Crフ
ェライト系耐熱鋼に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、650℃を超える高温における
長時間クリープ強度に優れ、また、耐酸化性にも優れた
高Crフェライト系耐熱鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】既存のフェライト系耐熱鋼
は、組織を、フェライト組織に比べてクリープ強度の高
い焼戻しマルテンサイト組織にすることによりクリープ
強度が高められている。
【0003】しかしながら、焼戻しマルテンサイト組織
は高温で不安定であり、組織変化して不均一となり、ク
リープ強度が低下する。また、マルテンサイトが有する
多量の転位が長時間側でのクリープ変形を促進させる。
このため、溶接時に熱影響により組織が変化し、溶接部
のクリープ強度の低下をきたす。
【0004】一方、Crは、耐酸化性の向上に有効な元
素であるが、含有量が12重量部以上と高くなると、ク
リープ強度及び靱性を低下させるδフェライト相が生成
する。そこで、既存のフェライト系耐熱鋼には、δフェ
ライト相の生成を抑制するために、オーステナイト安定
化元素であるNi、Cu、Co等が添加されている。
【0005】しかしながら、Ni及びCuの添加は、オ
ーステナイトとフェライトの変態温度を低下させる。高
温強度の長時間安定性を図るためには、焼ならし後の焼
戻し温度を高く設定した方が有利であるが、Ni及びC
uの添加は、そのようにオーステナイトとフェライトの
変態温度を低下させるため、焼戻し温度は低くなる。従
って、Crを12重量%を超えて添加することは実際上
難しい。
【0006】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、従来のフェライト系耐熱鋼の
欠点を解消し、650℃を超える高温における長時間ク
リープ強度に優れ、また、耐酸化性にも優れた高Crフ
ェライト系耐熱鋼を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の通りに、焼戻しマ
ルテンサイト組織を基本とする既存のフェライト系耐熱
鋼は650℃を超える高温で組織が不安定なため、長時
間側では粒界近傍で組織が不均一に変化し、クリープ強
度が急激に低下する。
【0008】そこで、この出願の発明者は、高温での組
織安定性を実現する手法を鋭意検討した。その結果、フ
ェライト相を基本とし、これにLaves 相、μ相、σ相、
又はχ相の金属間化合物を析出させることにより、フェ
ライト系耐熱鋼の高温における長時間クリープ強度が飛
躍的に向上することを見出し、この出願の発明を完成し
た。
【0009】すなわち、この出願の発明は、第1には、
Crを13重量%以上含有し、MoおよびWを含有し、
フェライト相が70体積%以上を占めるとともに、酸化
物分散による強化ではなく、金属間化合物によって析出
強化されていることを特徴とする高Crフェライト系耐
熱鋼を提供し、第2には、この高Crフェライト系耐熱
鋼について、Coを含有することを特徴とする高Crフ
ェライト系耐熱鋼を提供する。
【0010】そして、この出願の発明は、第3には、第
1または第2の発明の高Crフェライト系耐熱鋼であっ
て、その組成において、C:0.10重量%に対し、C
r:15.0〜20.0重量%、Mo:0.5〜1.0
重量%、W:1.8〜6.0重量%、V:0.20重量
%、Nb:0.05重量%、Co:0または3.0〜
5.0重量%、N:0.07重量%、B:0.003重
量%の割合で含有することを特徴とする高Crフェライ
ト系耐熱鋼を提供する。
【0011】第4には、第1または第2の発明の高Cr
フェライト系耐熱鋼であって、その組成が、C:0.0
15〜0.10重量%、Cr:13.5〜30.0重量
%、Mo:0.5〜1.0重量%、W:1.8〜10.
0重量%、V:0.05〜0.40重量%、Nb:0.
01〜0.10重量%、Co:0または0.5〜10.
0重量%、N:0.01〜0.09重量%、B:0.0
02〜0.004重量%、残部がFeと不可避的不純物
からなることを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼を
提供する。
【0012】さらにこの出願の発明は、第5には、金属
間化合物は、Laves 相、μ相、χ相およびσ相から選択
される少なくとも一種以上である第1ないし第4のいず
れかの高Crフェライト系耐熱鋼。
【0013】
【発明の実施の形態】この出願の発明の高Crフェライ
ト系耐熱鋼は、上記の通りに、Crを13重量%以上含
有し、フェライト相を基本とすると共に、金属間化合物
が析出していることを特徴としている。金属間化合物と
しては、Laves 相(Fe2 W、Fe2 Mo)、μ
相、σ相、又はχ相から選択される少なくとも一種以上
が例示される。これらの金属間化合物はフェライト相を
析出強化し、また、基本となる相が高温で不安定な焼戻
しマルテンサイトではなく、フェライトであるため、こ
の出願の発明の高Crフェライト系耐熱鋼は優れた長時
間クリープ強度を実現する。溶接後の熱処理で母材と同
等のフェライト母相を得ることにより、溶接部の熱影響
による強度低下を避けることが可能である。
【0014】なお、この出願の発明の高Crフェライト
系耐熱鋼では、基本となるフェライト相の体積%は70
%以上である。
【0015】さらに、この出願の発明の高Crフェライ
ト系耐熱鋼は、Crを13重量%以上の多量に含有する
ため、既存のフェライト系耐熱鋼に比べ、耐酸化性に優
れ、耐水蒸気酸化性にも優れる。Cr量の増加は一方で
靱性の低下が懸念されるが、この出願の発明の高Crフ
ェライト系耐熱鋼では、金属間化合物が均一なサブグレ
イン組織を形成し、これが基本となるフェライト相の結
晶粒の粗大化を抑制するため、靱性は良好に保持され
る。
【0016】金属間化合物がどのような種類の相として
形成されるかは、主として合金の化学組成に依存してい
る。たとえば、Fe−Cr−Wの3元系状態図からだけ
でも、金属間化合物としては、σ、χおよびμ相が存在
するが、それぞれの金属間化合物で化学組成が相違して
いることがわかる。このため、化学組成によって金属間
化合物の相が制御されることになる。
【0017】この出願の発明の高Crフェライト系耐熱
鋼については、その組成としては、前記のとおり、C:
0.015〜0.10重量%、Cr:13.5〜30.
0重量%、Mo:0.5〜1.0重量%、W:1.8〜
10.0重量%、V:0.05〜0.40重量%、N
b:0.01〜0.10重量%、Co:0または0.5
〜10.0重量%、N:0.01〜0.09重量%、
B:0.002〜0.004重量%、残部がFeと不可
避的不純物からなるものが好適なものとして例示され
る。
【0018】さらにまた、上記の化学組成については、
不可避的不純物としての混入を除いては、実質的にC
(炭素)や、N、Bを含有しないもの、V、Nbを含有
しないものも好適なものとして例示される。
【0019】上記化学組成におけるCrについては、1
3重量%、さらには13.5重量%未満では、フェライ
トの体積率が低下し、また30.0重量%を超える場合
にはクリープ強度が低下する傾向があることから、1
3.5〜30.0重量%を好ましい範囲としている。
【0020】Cr以外の成分について説明すると、Mo
およびWは強度を充分なものとするための成分であっ
て、Moが0.5〜1.0重量%、Wが1.8〜10.
0重量%の範囲にあることが重要である。VおよびNb
についても、同様に強度の向上にとって重要な成分であ
る。
【0021】VおよびNbについては必ずしも必須の成
分ではない。ただ、クリープ強度の向上のためには、V
は、前記のとおり0.05〜0.40重量%、Nbは
0.01〜0.10重量%とすることが大切である。C
oも、この発明においては必ずしも必須の成分ではな
い。ただCoは、金属間化合物の析出を増大させるよう
に作用する。その効果は、0.5〜10.0重量%の範
囲において顕著である。なお、Coは、10.0重量%
を超えるとフェライト相の体積率を著しく減少させるた
め、その添加量は10.0重量%を超えないものとす
る。
【0022】N、C(炭素)、Bについても、この発明
においては必ずしも必順の成分ではないが、所要の強度
を与えるためには、前記の範囲とすることが大切であ
る。
【0023】この出願の発明の高Crフェライト系耐熱
鋼については、たとえば、溶製とその後熱間鍛造、そし
て焼なましの工程によって製造することができる。溶製
後の熱間鍛造については、900℃以上の温度で行うの
が好ましい。900℃未満では鍛造性が劣るからであ
る。また、焼なましは、1200℃以上の温度に保持
し、次いで炉冷することで行うのが望ましい。この条件
において、フェライト相の高い体積率が得られることに
なる。
【0024】また、金属間化合物の析出のために、化学
組成によっては、時効熱処理をさらに行ってもよい。た
とえば800℃以下での時効処理である。
【0025】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
この出願の発明について説明する。もちろん、以下の例
によって発明が限定されることはない。
【0026】
【実施例】(実施例1〜8)表1に示した化学組成を有
する供試材を作製した。好ましい組成の例として、実施
例1〜8では、C:0.10重量%に対し、Cr:1
5.0〜20.0重量%、Mo:0.5〜1.0重量
%、W:1.8〜6.0重量%、V:0.20重量%、
Nb:0.05重量%、Co:0または3.0〜5.0
重量%、N:0.07重量%、B:0.003重量%の
割合で含有するものとしている。供試材は、いずれも、
真空高周波溶解炉において10kgのインゴットを作製
し、直径約13mmの丸棒に熱間鍛造し、1200℃に
30分間保持した後に炉冷して焼なましを行った。この
供試材に対して600℃、650℃、及び700℃でク
リープ試験を行い、また、硬さ測定並びに透過型電子顕
微鏡による組織観察を行った。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1〜8の供試材の焼なまし後の組織
は、いずれも炭化物を含むフェライトであったが、炭化
物の析出密度は低かった。Coを添加した実施例4、7
及び8の供試材では体積率で数%程度のマルテンサイト
が認められた。
【0029】表2は、実施例1〜8並びに比較例1〜3
におけるフェライト相の割合(体積%)を示したもので
ある。このフェライト相の割合の測定については、たと
えば、透過型電子顕微鏡を用いての組織観察によってフ
ェライト相とマルテンサイト相とを識別することによっ
て可能とされる。
【0030】
【表2】
【0031】この発明の実施例1〜8のものはいずれも
フェライト相が70%体積%以上を占めていることがわ
かる。これに対し、比較例1〜3のものは、マルテンサ
イト相の割合が大きく、フェライト相は確認できない
か、わずかに5体積%であった。
【0032】また、焼なまし後の硬さは、実施例1〜
3、5及び6の供試材はHV=160〜180であり、
実施例4、7及び8の供試材はHV=230〜250の
高い値を示した。
【0033】図1は、650℃における応力−破断時間
曲線を示しているが、この応力−破断時間曲線から明ら
かなように、実施例1〜3及び5〜7の供試材(フェラ
イト鋼)は、従来の1〜3の供試材(マルテンサイト
鋼)に比べ、長時間側でもクリープ強度は安定してい
る。一方、比較例1〜3の供試材は長時間側でクリープ
強度が著しく低下している。
【0034】図2は、実施例1及び2の供試材の650
℃−70MPaでのクリープ試験の結果を示したクリー
プ速度−時間曲線である。実施例1及び2の供試材は共
にCrを15重量%含有したものであるが、実施例2の
供試材は、実施例1の供試材に比べ、金属間化合物を形
成するMo及びWの含有量が高くなっている。また、実
施例2の供試材のクリープ速度は小さく、クリープ破断
時間は約10倍長くなっており、実施例2の供試材のク
リープ強度は実施例1の供試材のクリープ強度に比べて
高いことが分かる。
【0035】図3〜図5は、各々、実施例2の供試材の
焼なまし直後、クリープ試験100時間後、そしてクリ
ープ試験1000時間後の組織を示している。組織は均
一であり、図中に黒い点で示されているのが金属間化合
物である。金属間化合物は、クリープ試験中にフェライ
ト相中に多量に析出している。
【0036】以上から、クリープ強度の向上は、析出す
る金属間化合物によるフェライト相の強化に起因してお
り、金属間化合物の析出強化は、Mo及びWの添加量の
増加に伴って増大すると理解される。
【0037】図6は、実施例5〜7の供試材の650℃
−70MPaでのクリープ試験の結果を示したクリープ
速度−時間曲線である。実施例5〜7の供試材は、実施
例1〜4の供試材に比べ、Crの含有量が20重量%と
高くなっている。実施例5及び6の供試材のクリープ試
験の結果からも、実施例1及び2の場合と同様に、金属
間化合物の析出強化は、Mo及びWの添加量の増加に伴
って増大することが認められる。
【0038】実施例7の供試材は、実施例6の供試材に
Coが添加されている。実施例6と実施例7の比較か
ら、Coの添加により金属間化合物の析出量が増大し、
クリープ強度が増大すると理解される。
【0039】図7及び図8は、各々、実施例7の供試材
の焼なまし直後、クリープ試験100時間後の組織を示
している。図中に黒点で示されているのが金属間化合物
であるが、金属間化合物の析出量は多い。
【0040】図9は、650℃−70MPaでのクリー
プ試験を1000時間後に中断し、実施例7の供試材か
ら採取した電解抽出残査のX線回折パターンである。供
試材中に金属間化合物の一つであるLaves相が形成して
いることが確認される。
【0041】図10は、実施例1〜4の供試材の700
℃−70MPaでのクリープ試験の結果を示したクリー
プ速度−時間曲線である。供試材のクリープ強度が、実
施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順に増大して
いる。
【0042】実施例1〜4の供試材は、いずれもCrを
15重量%含有しているが、実施例2の供試材は、実施
例1の供試材に比べ、金属間化合物を形成するMo及び
Wの含有量が高い。実施例3の供試材は、実施例2の供
試材に比べ、金属間化合物を形成するWの含有量が高
い。そして、実施例4の供試材は、実施例3の供試材に
金属間化合物の析出量を増大させるCoが添加されてい
る。
【0043】これらの事実から、金属間化合物の析出量
が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順に増大
し、金属間化合物の析出強化が増大し、その結果、クリ
ープ強度が増大したと理解される。
【0044】なお、図11は、実施例4(合金名:15
08)の供試材について、これより採取した電解抽出残
渣のX線回析パターンを示したものである。この図11
から、金属間化合物の一つであるχ相が形成されている
のがわかる。
【0045】図12は、実施例5〜8の供試材の700
℃−70MPaでのクリープ試験の結果を示したクリー
プ速度−時間曲線である。供試材のクリープ強度が、実
施例5、実施例6、実施例7、実施例8の順に増大して
いる。
【0046】実施例5〜8の供試材は、いずれもCrを
20重量%含有しているが、実施例6の供試材は、実施
例5の供試材に比べ、金属間化合物を形成するMo及び
Wの含有量が高い。実施例7の供試材は、実施例6の供
試材に金属間化合物の析出量を増大させるCoが添加さ
れている。そして、実施例8の供試材は、実施例7の供
試材に比べ、金属間化合物を形成するWの含有量が高
い。
【0047】これらの事実から、金属間化合物の析出量
が実施例5、実施例6、実施例7、実施例8の順に増大
し、金属間化合物の析出強化が増大し、その結果、クリ
ープ強度が増大したと理解される。 (実施例9〜25)表3に示した化学組成を有する供試
材を実施例1〜8と同様にして製造した。
【0048】実施例9〜25のいずれの供試材もフェラ
イト相は70体積%以上であった。また、いずれのもの
も、650℃を超える高温における長時間クリープ強度
に優れ、耐酸化性にも優れていることが確認された。組
織的には、いずれも金属間化合物が析出し、この析出に
より強化されていることが確認された。
【0049】
【表3】
【0050】添付した図13は、実施例13(150
9)、実施例18(1514)の供試材について、実施
例4のものとともに、650℃−120MPaのクリー
プ試験の結果を示した。クリープ速度−時間曲線であ
る。長時間クリープ強度に優れていることがわかる。
【0051】もちろんこの出願の発明は、以上の実施の
形態及び実施例によって限定されるものではない。化学
組成、金属間化合物の種類、製造条件等の細部について
は様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、650℃を超える高温における長時間クリ
ープ強度に優れ、また、耐酸化性にも優れた高Crフェ
ライト系耐熱鋼が提供される。この出願の発明の高Cr
フェライト系耐熱鋼は、その特性から、ボイラ、原子力
発電設備、化学工業装置等の高温高圧下で使用される装
置用の材料に適すると考えられ、発電プラントのエネル
ギー効率の向上、化学工業装置の反応効率の向上等が見
込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3、実施例5〜7及び比較例1〜3
の供試材の650℃における応力−破断時間曲線であ
る。
【図2】実施例1及び2の供試材の650℃−70MP
aでのクリープ試験の結果を示したクリープ速度−時間
曲線である。
【図3】実施例2の供試材の焼なまし直後の組織を示し
た透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例2の供試材のクリープ試験1000時間
後の組織を示した透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例2の供試材のクリープ試験1000時間
後の組織を示した透過型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例5〜7の供試材の650℃−70MPa
でのクリープ試験の結果を示したクリープ速度−時間曲
線である。
【図7】実施例7の供試材の焼なまし直後の組織を示し
た透過型電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例7の供試材のクリープ試験100時間後
の組織を示した透過型電子顕微鏡写真である。
【図9】650℃−70MPaでのクリープ試験を10
00時間後に中断し、実施例7の供試材から採取した電
解抽出残渣のX線回折パターンである。
【図10】実施例1〜4の供試材の700℃−70Mp
aでのクリープ試験の結果を示したクリープ速度−時間
曲線である。
【図11】実施例の供試材の電解抽出残渣についてのX
線回折パターンである。
【図12】実施例5〜8の供試材の700℃−70MP
aでのクリープ試験の結果を示したクリープ速度−時間
曲線である。
【図13】実施例13および18、並びに実施例4の供
試材の650℃−120MPaでのクリープ試験の結果
を示したクリープ速度−時間曲線である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを13重量%以上含有し、Moおよ
    びWを含有し、フェライト相が70体積%以上を占める
    とともに、酸化物分散による強化ではなく、金属間化合
    物によって析出強化されていることを特徴とする高Cr
    フェライト系耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1の高Crフェライト系耐熱鋼で
    あって、Coを含有することを特徴とする高Crフェラ
    イト系耐熱鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の高Crフェライト系
    耐熱鋼であって、その組成において、C:0.10重量
    %に対し、Cr:15.0〜20.0重量%、Mo:
    0.5〜1.0重量%、W:1.8〜6.0重量%、
    V:0.20重量%、Nb:0.05重量%、Co:0
    または3.0〜5.0重量%、N:0.07重量%、
    B:0.003重量%の割合で含有することを特徴とす
    る高Crフェライト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の高Crフェライト系
    耐熱鋼であって、その組成が、C:0.015〜0.1
    0重量%、Cr:13.5〜30.0重量%、Mo:
    0.5〜1.0重量%、W:1.8〜10.0重量%、
    V:0.05〜0.40重量%、Nb:0.01〜0.
    10重量%、Co:0または0.5〜10.0重量%、
    N:0.01〜0.09重量%、B:0.002〜0.
    004重量%、残部がFeと不可避的不純物からなるこ
    とを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼。
  5. 【請求項5】 金属間化合物は、Laves相、μ相、χ相
    およびσ相から選択される少なくとも一種以上である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の高Crフェライト系
    耐熱鋼。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010018821A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 National Institute For Materials Science 蒸気機関用鋼製部品
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