JP2001262286A - 高純度高Crフェライト系耐熱鋼および高純度高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法 - Google Patents

高純度高Crフェライト系耐熱鋼および高純度高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法

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JP2001262286A
JP2001262286A JP2000080095A JP2000080095A JP2001262286A JP 2001262286 A JP2001262286 A JP 2001262286A JP 2000080095 A JP2000080095 A JP 2000080095A JP 2000080095 A JP2000080095 A JP 2000080095A JP 2001262286 A JP2001262286 A JP 2001262286A
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一宏 三木
Yasuhiko Tanaka
泰彦 田中
Toru Ishiguro
徹 石黒
Masahiko Morinaga
正彦 森永
Suminori Murata
純教 村田
Ryokichi Hashizume
良吉 橋詰
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来材に比べて高温特性に優れたタービ
ン部材を得て、発電システムの効率をより向上させる。 【解決手段】 C:0.06〜0.11%、Cr:9.
5〜10.5%、Mo:0〜1.0%、V:0.10〜
0.25%、Nb:0.03〜0.08%、W:3.0
〜5.0%、Co:2.5〜6.0%、B:0.002
〜0.015%、N:0.015〜0.025%を含有
する耐熱鋼塊をエレクトロスラグ再溶解により溶製し、
熱間鍛錬後、1060℃〜1120℃で焼入し、500
℃〜620℃で焼戻(または500℃〜580℃焼戻し
後、620℃〜680℃に保持)、さらに690℃〜7
40℃で焼戻しを施す。 【効果】 焼戻しマルテンサイト単相に、Lave
s相が均一に微細分散した組織が得られ、高温特性が顕
著に向上する。この材料をタービン部材に用いることに
より効率の高い発電システムを構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性が要求され
る用途に使用される耐熱鋼および該耐熱鋼の製造方法に
関するものであり、特にタービンロータや、タービンブ
レード、タービンディスク、ボルト、配管等のタービン
部材への適用に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電システムでは発電効率を一層高
効率化させるために、スチームタービンの蒸気温度をま
すます上昇させる傾向にあり、その結果タービン用材料
に要求される高温特性も一層厳しいものとなっている。
従来からこの用途に使用できる材料として数多くの耐熱
鋼が提案されている。その中でも、特開平4−1479
48号公報、特開平8−3697号公報で提案されてい
る開発耐熱鋼は、比較的高温強度に優れていることが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、タービン用材
料として一層の発電効率の向上を図るためには、上記の
開発耐熱鋼でも高温特性は十分ではなく、さらに高温ク
リープ強さを向上させた材料の開発が望まれている。本
発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、高
温クリープ強さの向上によって、優れた高温特性、耐久
性等が期待される新規な耐熱鋼を提供するとともに、上
記特性を顕著にした耐熱鋼およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明の耐熱鋼は、質量%で、C:0.06〜
0.11%、Cr:9.5〜10.5%、Mo:0〜
1.0%、V:0.10〜0.25%、Nb:0.03
〜0.08%、W:3.0〜5.0%、Co:2.5〜
6.0%、B:0.002〜0.015%、N:0.0
15〜0.025%を含み、残部がFeおよび不可避的
不純物からなることを特徴とする。
【0005】第2の発明の耐熱鋼は、上記第1の発明に
おいて、含有成分として、さらに質量%で、Re:0.
01〜3.0%を含み、残部がFeおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする。
【0006】第3の発明の耐熱鋼は、上記第1または第
2の発明において、含有成分として、さらに質量%で、
Ta:0.01〜0.05%、Zr:0.001〜0.
050%、Hf:0.001〜0.050%の1種ある
いは2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする。第4の発明の耐熱鋼は、
上記第1〜第3の発明のいずれかにおいて、含有成分と
して、さらに質量%で、Ca:0.003〜0.030
%、REM:0.003〜0.030%の1種あるいは
2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
ることを特徴とする。なお、REMは1種だけでなく2
種以上であっても良く、ランタン(La)、セリウム
(Ce)等が例示される。
【0007】第5の発明の耐熱鋼は、上記第1〜4のい
ずれかの発明において、不可避的不純物のうち、質量%
で、Si:0.15%以下、Mn:0.15%以下、N
i:0.30%以下、O:0.0060%以下を許容含
有量とすることを特徴とする。
【0008】第6の発明の耐熱鋼は、上記第1〜5のい
ずれかの発明において、成分含有量の関係において、−
11[%Cr]+2.5[%Mo]+450[%V]+
200[%Nb]+[%W]−7[%Co]+100
[%Re]+5210[%B]−47で表される微細分
散パラメータの値が0以上であることを満足することを
特徴とする。
【0009】第7の発明の耐熱鋼は、上記第1〜6のい
ずれかの発明に記載の耐熱鋼組成を有し、かつマトリッ
クス組織が焼戻しマルテンサイト単相組織からなるとと
もに該マトリックスのマルテンサイトラス内に500n
m以下の微細Laves相が0.1個/μm以上の密
度で微細分散していることを特徴とする。
【0010】第8の発明の耐熱鋼の製造方法は、上記第
1〜6のいずれかの発明の耐熱鋼組成を有する鋼塊をエ
レクトロスラグ再溶解法により溶製し、該鋼塊を熱間鍛
錬し、次いで1060℃〜1120℃に加熱して焼入れ
処理を施した後、500℃〜620℃で1回目の焼戻し
処理を施し、690℃〜740℃で2回目の焼戻し処理
を施すことを特徴とする。
【0011】第9の発明の耐熱鋼の製造方法は、上記第
1〜6のいずれかの発明の耐熱鋼組成を有する鋼塊をエ
レクトロスラグ再溶解法により溶製し、該鋼塊を熱間鍛
錬し、次いで1060℃〜1120℃に加熱して冷却す
る焼入れ処理を施した後、500℃〜580℃で1回目
の焼戻し処理を施し、さらに620℃〜680℃に加熱
し保持した後、冷却することなく690℃〜740℃に
加熱し保持する2回目の焼戻し処理を施すことを特徴と
する。
【0012】第10の発明の耐熱鋼の製造方法は、上記
第1〜6のいずれかの発明の耐熱鋼組成を有する鋼塊を
エレクトロスラグ再溶解法により溶製し、該鋼塊を熱間
鍛錬し、次いで1060℃〜1120℃に加熱して冷却
する焼入れ処理を施した後、500℃〜580℃で1回
目の焼戻し処理を施し、620℃〜680℃で2回目の
焼戻し処理を施し、690℃〜740℃で3回目の焼戻
し処理を施すことを特徴とする。
【0013】
【作用】以下に、本発明耐熱鋼の成分元素の作用、およ
びその限定理由について説明する。 C:0.06〜0.11% Cは、マルテンサイト変態を促進させるともに、合金中
のFe、Cr、Mo、V、Nb、Wなどと結合して炭化
物を形成して高温強度を高めるために不可欠の元素であ
り、さらに炭化物が少ないと、(Fe,Cr)(M
o,W)型の金属間化合物であるLaves相の凝集・
粗大化が促進され高温クリープ強さが低下する。このよ
うな観点から最低0.06%のC含有を必要とする。一
方、0.11%を越えて含有させると、炭化物の粗大化
が起こりやすくなり、高温クリープ強さが低下するの
で、その含有量を0.06〜0.11%に限定した。
【0014】Cr:9.5〜10.5% Crは、耐酸化性および高温耐食性を高め、さらに合金
中に固溶すると同時に析出炭化物、微細Laves相と
して析出して高温クリープ強さを向上させる元素であ
り、最低9.5%必要である。一方、10.5%を越え
ると有害なデルタフェライトを生成し、さらにLave
s相の凝集粗大化を促進して、高温クリープ強さが低下
するのでその含有量を9.5〜10.5%に限定した。
【0015】Mo:0〜1.0%以下 Moは、炭化物の凝集粗大化を抑制し、また合金中に固
溶してマトリックスを固溶強化させ、さらにマトリック
スにLaves相として微細分散析出して高温強さ、お
よび高温クリープ強さを向上させるのに有効に働く元素
であり、所望により含有させる。一方、過剰に含有させ
るとデルタフェライトを生成しやすくなり、さらにLa
ves相の凝集粗大化を促進するため、その上限を1.
0%とした。なお、この効果を十分に発揮させるために
は0.02%以上の含有が望ましく、同様の理由で、下
限を0.1%、上限を0.5%とするのがさらに望まし
い。
【0016】V:0.10〜0.25% Vは、微細炭化物、炭窒化物を形成して、高温クリープ
強さを向上させるのに有効であり、最低0.10%を必
要とする。一方、0.25%を越えると炭素を過度に固
定し、炭化物の析出量が増加して高温強度を低下させる
ので、0.10〜0.25%に限定する。
【0017】Nb:0.03〜0.08% Nbは、微細炭化物、炭窒化物を形成し、高温クリープ
強さを向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し低
温靭性を向上させる元素であり、最低0.03%必要で
ある。しかし、0.08%を越えて含有させると、粗大
な炭化物および炭窒化物が析出し延靭性を低下させるた
め、0.03〜0.08%に限定する。
【0018】W:3.0〜5.0% Wは、炭化物の凝集粗大化を抑制し、また合金中に固溶
してマトリックスを固溶強化させ、さらにマトリックス
にLaves相として微細分散析出して高温強さ、およ
び高温クリープ強さを向上させるのに有効に働く元素で
あり、最低3.0%必要である。一方、5.0%を越え
て含有させるとデルタフェライトを生成しやすくなり、
さらにLaves相の凝集粗大化を促進するため、3.
0〜5.0%に限定する。なお、同様の理由で、好まし
くは下限を3.4%、上限を4.0%に限定する。
【0019】Co:2.5〜6.0% Coは、デルタフェライトの生成を抑制し、高温強さ、
および高温クリープ強さを向上させる。デルタフェライ
トの生成を有効に防止するためには2.5%以上の含有
が必要であるが、一方、6.0%を越えて含有すると延
性、および高温クリープ強さが低下し、さらにコストが
上昇するので、2.5〜6.0%に限定する。なお、同
様の理由で、好ましくは下限を3.0%、上限を4.5
%に限定する。
【0020】B:0.002〜0.015% Bは、旧オーステナイト粒界、マルテンサイトパケッ
ト、マルテンサイトブロック、およびマルテンサイトラ
ス内の析出炭化物、析出炭窒化物、および析出Lave
s相の凝集粗大化を高温長時間にわたって抑制する効果
を有し、また、W、Nb等の合金元素と複合添加するこ
とによって高温クリープ強さを向上させるのに有効な元
素であり、最低0.002%必要である。一方、0.0
15%を越えて含有すると窒素と結合して析出BN相が
形成され、高温クリープ延性、靭性が低下するため、そ
の含有量を0.002〜0.015%に限定する。
【0021】Re:0〜3.0% Reは、ごく微量の添加で固溶強化に著しく寄与し、高
温クリープ強さを向上させる効果を有し、さらに同時に
靭性をも向上させる効果を有するので所望により含有さ
せる。一方、過剰に含有すると加工性を低下させるため
その上限を3.0%とした。なおこの効果を十分に発揮
するためには0.1%以上の含有が望ましく、同様の理
由で下限を0.2%、上限を1.0%とするのがさらに
望ましい。
【0022】N:0.015〜0.025% Nは、Nb、Vなどと結合して窒化物を形成し、高温強
さ、および高温クリープ強さを向上させるが、その含有
量が0.015%未満では十分な高温強さ、および高温
クリープ強さを得ることができず、0.025%を越え
て含有させると硼素と結合して析出BN相が形成され、
前記Bの有効な作用が減じられて高温クリープ延性、靭
性が低下するため、その含有量を0.015〜0.02
5%に限定する。
【0023】(選択添加微量元素) Ta:0.01〜0.05% TaはNbと同様に、微細炭化物、微細炭窒化物を形成
し高温クリープ強さを向上させるとともに、結晶粒の微
細化を促進し、低温靭性を向上させる元素である。な
お、TaはNb含有量が少ない時に添加するという観点
から選択するものであってもよい。Taによる上記作用
効果を得るためには、0.01%以上含有させる必要が
ある。しかし、0.05%を越えて含有させると、粗大
炭化物および炭窒化物が析出し、靭性を低下させるの
で、その含有量を0.01〜0.05%に限定し、さら
に、(Nb+Ta)の含有量を0.08%以下とするの
が望ましい。
【0024】Zr:0.001〜0.050% Hf:0.001〜0.050% これら元素は強窒化物形成元素であり、窒化物をマトリ
ックス組織に微細分散させてクリープ強度を向上させ
る。上記作用を得るために、それぞれの元素で下限以上
の含有が必要であるが、過剰に含有させると、窒化物が
粗大化して高温クリープ強さが低下するため、それぞれ
上限を定めた。
【0025】Ca:0.003〜0.030% REM:0.003〜0.030% CaおよびREMは、脱酸ならびに脱硫作用を有し、金
属溶湯にCa、REMを単味あるいは複合添加すること
により、内在する非金属介在物の形状、分布のコントロ
ールを図ることができる。この結果、衝撃吸収エネルギ
ーが向上し、靭性が改善されるので所望により含有させ
る。しかし、0.003%未満の含有では上記作用効果
が認められない。また、0.030%を越えて含有させ
ると酸化物が過剰に生成されて、かえって清浄度が低下
し、その結果衝撃靭性が低下する。このため、REM、
およびCaの含有量を上記範囲に限定した。なお、RE
Mとしてはランタン(La)、セリウム(Ce)等が例
示されるが、1種だけでなく2種以上であっても良く、
ミッシュメタルの形態で含有させることもできる。
【0026】(不可避的不純物) Si:0.15%以下 Siは、脱酸材として通常使用されるが、Si含有量が
高いと、鋼塊内部の偏析が増加し、また焼戻し脆化感受
性が極めて大となり切欠靭性が損なわれ、さらに高温長
時間保持によりLaves相の凝集粗大化を促進し、靭
性、および高温クリープ強さの経時劣化を助長するの
で、極力低減する事が望ましく、工業性などを考慮して
所望により0.15%以下に限定するものとした。な
お、同様の理由で好ましくは0.05%以下にするのが
望ましい。 Mn:0.15%以下 Mnは、溶解時の脱酸、脱硫材として一般的に使用され
ている。しかしMnはSと結合して、非金属介在物を形
成して、靭性を低下させるとともに、靭性の経時劣化を
助長させ、また高温クリープ強さを低下させるので、低
減させるのが望ましい。現在、炉外精錬などの精錬技術
によりS量の低減が容易となり、Mnを脱硫材として添
加する必要がなくなってきている。本発明では、Mnを
不可避的不純物とし、その許容含有量を精錬技術の限界
を考慮して所望により、0.15%以下に限定するもの
とした。なお、同様の理由で好ましくは0.05%以下
が望ましい。
【0027】Ni:0.30%以下 Niは、炭化物、Laves相の凝集粗大化を助長し、
靭性、高温クリープ強さの経時劣化を助長させる元素で
あるため極力低下させることが望ましく、所望によりそ
の許容含有量を0.30%以下とした。なお、好ましく
は0.10%以下、さらに好ましくは0.05%未満に
限定する。 O:0.0060%以下 Oは、Zr、Ti、Hf、Ca、REM、Si、Mn等
と酸化物を形成し延靭性を低下させ、高温クリープ強さ
の向上に有効に働くZr、Ti、Hfを固着し高温クリ
ープ強さを低下するので極力低減させることが望まし
く、所望によりその許容含有量を精錬技術の限界を考慮
して0.0060%以下に限定するものとした。なお、
同様の理由で好ましくは0.0030%以下に限定す
る。
【0028】(微細分散パラメータ)なお、本願発明で
は、マルテンサイトラス内に例えばLaves相のよう
な金属間化合物を均一微細分散させることによりクリー
プ強度を向上させることに特徴がある。上記の均一微細
分散は材料の成分に大きく依存しており、その指標とし
て各成分の含有量に基づき算出される以下の計算式(発
明者らにより微細分散パラメータと称する)を用いるこ
とができる。この計算値が0未満であると、析出相をマ
トリックスに均一微細分散させる効果が小さいため、所
望により0以上に限定するものとした。好ましくは、以
下の式においてその計算値が10以上である。 -11[%Cr]+2.5[%Mo]+450[%V]+200[%Nb]+[%W]-7[%Co]+100
[%Re]+5210[%B]-47
【0029】(耐熱鋼組織)上記耐熱鋼においては、マ
トリックス組織が焼戻しマルテンサイト単相組織からな
り、マルテンサイトラス内に微細Laves相が均一に
分散しているのが望ましい。このLaves相は、針状
あるいは円盤状を呈しており、長さが500nm以下で
あるのが望ましい。これは、上述したように微細なLa
ves相の分散によってクリープ強度の向上に寄与する
ためであり、500nmを越えるLaves相の分布で
は、クリープ強度の向上が期待できない。なお、Lav
es相の長さは平均長さとして500nm以下であれば
よいが、さらには実質的に500nm以下であるのが望
ましい。実質的にとは、例外的に500nmを越えるL
aves相が少量析出しているものは許容されることを
意味している。ただし、最適には、全量において500
nm以下であるのが望ましい。また、Laves相は、
0.1個/μm以上の密度で分散しているのが望まし
い。この密度で微細Laves相が分散していることに
より、クリープ強度の向上作用が確実に得られる。上記
密度が0.1個/μm未満であるとクリープ強度の向
上効果が十分に得られない。なお、上記微細Laves
相の均一分散は、成分の調整や微細分散パラメータの調
整、さらに後述する製造方法の採用等により実現するこ
とができる。
【0030】また、第8〜第10の発明に示された耐熱
鋼の製造方法は、第1〜第6の発明の耐熱鋼を用いて高
温クリープ強さを顕著に向上させるために好適な製造方
法であり、本製造方法によれば著しく良好な高温クリー
プ強さが得られ、微細Laves相がマルテンサイトラ
ス内に分散した上記組織を得ることができる。以下に、
この耐熱鋼の製造方法の限定理由について説明する。
【0031】焼入れ加熱温度:1060〜1120℃ 焼入れ加熱で析出炭窒化物を固溶させ、その後の焼戻し
で炭窒化物を均一微細分散析出させることで高温クリー
プ強さを向上させる。硼素を含有する鋼種では析出炭化
物、炭窒化物の固溶温度が高温にシフトするため、10
60℃未満の焼入れ加熱温度では析出物の固溶が不十分
であり良好な高温クリープ強さが得られず、また112
0℃を越えると、結晶粒が粗大化して靭性が低下し、さ
らにクリープ延性が低下するため、上記範囲に限定す
る。なお、焼入れ時の冷却は、空冷以上の冷却速度で行
なえばよく、適宜の冷却速度および冷却媒を選定するこ
とができる。
【0032】焼戻し温度 焼戻しでは、上記焼入れ時に生成した残留オーステナイ
トを分解し焼戻しマルテンサイト単相組織とし、炭化
物、炭窒化物、Laves相をマトリックスに均一微細
分散析出させ、転位を回復させることで所望の室温およ
び高温強さ、靭性を得、高温クリープ強さを向上させ
る。焼戻しは2回以上で行うのが望ましく、1回目の焼
戻しで、残留オーステナイトを分解するために、Ms温
度以上の温度に加熱する必要がある。この焼戻し温度が
500℃未満であると十分に残留オーステナイトが分解
せず、一方、620℃を越える温度では、炭化物、炭窒
化物、およびLaves相の析出がマルテンサイト組織
部において優先的に進行するため、残留オーステナイト
部での炭化物、炭窒化物、およびLaves相の析出が
不均一となり、高温クリープ強さが低下する。このた
め、1回目の焼戻し温度を500℃〜620℃の範囲と
する。さらに2回目の焼戻しで良好な延性、靭性を得、
さらに析出物を安定化させ高温長時間クリープ強さを確
保する。このためには、690℃以上の温度で焼戻しを
行なう必要があり、一方、740℃を越える温度で焼戻
しを行なうと所望の室温強さ、高温強さを得ることがで
きないので、2回目の焼戻し温度を690℃〜740℃
に限定する。
【0033】なお、炭化物、炭窒化物、Laves相を
より均一に微細分散析出させることによって、一層高温
クリープ強さを向上させるためには、1回目の焼戻しで
残留オーステナイトを分解する際の上限温度をLave
s相が析出しない580℃以下に限定し、2回目の焼戻
しの前段で微細なLaves相が析出する温度域である
620℃〜680℃に保持し、マトリックスにLave
s相、および炭化物、炭窒化物を均一微細分散析出させ
た後、冷却することなく2回目の焼戻しの後段として、
690℃〜740℃に加熱保持することによって、2回
目焼戻しの前段でマトリックスに均一微細分散析出した
Laves相を析出核として2回目焼戻しの後段でLa
ves相が析出する。この熱処理を与えることにより、
析出物として500nm以下のLaves相がマルテン
サイトラス内に0.1個/μm以上の密度で均一に微
細分散した安定なミクロ組織を得ることができ、高温長
時間クリープ強さを一層向上させることができる。 ま
た、2回目の焼戻しの前段と後段との間に冷却を入れて
もよい。すなわち、2回目の焼戻しの前段を2回目の焼
戻しとして、2回目の焼戻しの後段を3回目の焼戻しと
しても同様の高温クリープ強さの向上効果が得られる。
なお、各回焼戻しの冷却は、本発明としては特に限定さ
れるものではなく、例えば炉内冷却あるいは空冷により
降温することができる。さらに、熱間鍛錬と焼き入れ熱
処理との間に焼準処理あるいは焼戻し処理を入れても同
様の効果が得られる。
【0034】
【実施例】実施例に供する試験材として、表1(本発明
鋼)、表2(比較鋼)に示す組成を有する合金を用意し
た。これらの合金は、50kg試験鋼塊として溶製し、
鍛造した後、所定の熱処理を施した。熱処理は、108
0℃から油冷する焼き入れ処理を行った後、570℃で
1回目の焼戻しを行い、さらに2回目の焼戻しとして6
50℃に加熱し4時間保持した後、冷却することなく7
00℃で6時間の保持を行った。上記により得られた供
試材に対して、試験温度:650℃、負荷応力:157
MPaの条件でクリープ破断試験を行い、クリープ強度
を評価した。その結果を表3(本発明鋼)、表4(比較
鋼)に示した。これらの表には、析出相をマトリックス
中に均一微細分散させるための成分限定として、微細分
散パラメータ=−11[%Cr]+2.5[%Mo]+
450[%V]+200[%Nb]+[%W]−7[%
Co]+100[%Re]+5210[%B]−47か
ら計算される値を併記した。また、上記表3、4の結果
を基に、微細分散パラメータとクリープ破断時間との関
係を図1に示した。さらに、供試材のうち、No.11
について、透過電子顕微鏡による組織観察をし、その顕
微鏡写真を図2に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】上記表3、表4から明らかなように、本発
明鋼は比較鋼と比べてクリープ破断強度に優れているこ
とが判る。また、図1から、均一微細分散した析出相が
得られる本発明鋼において、微細分散パラメータを0以
上とすることによりさらに高温クリープ強度が向上する
ことが判る。さらに、図2に示した本発明鋼のミクロ組
織中にはM23、MX、Laves相が観察されて
おり、特にラス内に均一微細分散した析出相が観察され
た。この均一微細分散した析出相による析出強化によ
り、本発明鋼は高いクリープ強度が得られていると考え
られる。さらに、発明鋼No.2と、比較鋼No.26
とについて、組織状態を定量的に評価するために、顕微
鏡によるミクロ組織観察を実施した。いずれの供試材も
焼戻しマルテンサイト単相からなるマトリックス組織を
有していた。しかし、マルテンサイトラス内への微細L
aves相の析出は発明鋼No.2のみに観察され、比
較鋼No.26には認められなかった。発明鋼No.2
に認められたラス内のLaves相の長さと分散密度を
透過電子顕微鏡観察により算出した。発明鋼No.2に
おけるLaves相の平均長さは、185nmであり、
分布密度は約1.8個/μmであった。このように、
発明材では比較材に認められない微細なLaves相が
高い密度でマルテンサイトラス内に分散していることが
判明した。
【0040】さらに、本発明鋼No.3を用いて熱処理
条件と均一微細分散析出相の分布形態を調査した。結果
を以下に示す。熱処理は、図3のヒートパターンに示す
ように、1080℃から焼入れ処理を行い、570℃で
1回目の焼戻しを行った後の2回目の焼戻し時の条件を
変化させて比較した。すなわち、2回目の焼戻しとして
昇温途中の保持温度:T℃で4時間保持した後、冷却す
ることなく700℃で6時間の保持を行うものとし、該
温度T(℃)とマルテンサイトラス内に均一微細分散し
た析出相の析出密度との関係を調査した。その結果を図
4に示す。図4から明らかなように、昇温途中の保持温
度Tを620℃〜680℃の範囲内とした場合に最もマ
ルテンサイトラス内の析出密度が大きくなり、高いクリ
ープ強度が得られることが判る。
【0041】
【発明の効果】すなわち、本発明の耐熱鋼によれば、高
温特性が向上するので、タービンロータやタービン部材
に使用する材料に適用することにより、蒸気温度の高温
化が可能となり、発電効率向上に寄与する。また、ター
ビン部材以外の用途に対しても、高温特性に優れ、かつ
耐久性に優れた材料として提供することができる。ま
た、本発明の耐熱鋼の製造方法によれば、上記耐熱鋼の
特性を活用して、顕著に高温特性を向上させることが可
能になり、タービンロータやタービン部材に適用する場
合には、一層の発電効率の向上効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における供試材について、微
細分散パラメータとクリープ試験における破断時間との
関係を示すグラフである。
【図2】 同じく、No.11の発明材について、金属
組織を示す顕微鏡写真である(倍率7500倍)。
【図3】 同じく、実施例で熱処理条件と均一微細分散
析出相の分布形態の関係を検証した際のヒートパターン
を示す図である。
【図4】 同じく上記検証結果に基づく焼戻し時、昇温
途中の保持温度(T)とラス内析出相の析出密度との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594114101 村田 純教 愛知県名古屋市千種区園山町2丁目22番 (72)発明者 東 司 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 三木 一宏 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 田中 泰彦 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 石黒 徹 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 森永 正彦 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目10番28 (72)発明者 村田 純教 愛知県名古屋市千種区園山町2丁目22番 (72)発明者 橋詰 良吉 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 3G002 EA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、炭素(C):0.06〜0.
    11%、クロム(Cr):9.5〜10.5%、モリブ
    デン(Mo):0〜1.0%、バナジウム(V):0.
    10〜0.25%、ニオブ(Nb):0.03〜0.0
    8%、タングステン(W):3.0〜5.0%、コバル
    ト(Co):2.5〜6.0%、硼素(B):0.00
    2〜0.015%、窒素(N):0.015〜0.02
    5%を含み、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物か
    らなることを特徴とする高純度高Crフェライト系耐熱
  2. 【請求項2】 含有成分として、さらに質量%で、レニ
    ウム(Re):0.01〜3.0%を含み、残部が鉄
    (Fe)および不可避的不純物からなることを特徴とす
    る請求項1記載の高純度高Crフェライト系耐熱鋼
  3. 【請求項3】 含有成分として、さらに質量%で、タン
    タル(Ta):0.01〜0.05%、ジルコニウム
    (Zr):0.001〜0.050%、ハフニウム(H
    f):0.001〜0.050%の1種あるいは2種以
    上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の高純度高C
    rフェライト系耐熱鋼
  4. 【請求項4】 含有成分として、さらに質量%で、カル
    シウム(Ca):0.003〜0.030%、希土類元
    素(REM):0.003〜0.030%の1種あるい
    は2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
    なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    高純度高Crフェライト系耐熱鋼
  5. 【請求項5】 不可避的不純物のうち、質量%で、珪素
    (Si):0.15%以下、マンガン(Mn):0.1
    5%以下、ニッケル(Ni):0.30%以下、酸素
    (O):0.0060%以下を許容含有量とすることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高純度高C
    rフェライト系耐熱鋼
  6. 【請求項6】 成分含有量の関係において、−11[%
    Cr]+2.5[%Mo]+450[%V]+200
    [%Nb]+[%W]−7[%Co]+100[%R
    e]+5210[%B]−47で表される微細分散パラ
    メータ([%]は元素の質量%を示す)が0以上である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高純
    度高Crフェライト系耐熱鋼
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の組成か
    らなり、かつマトリックス組織が焼戻しマルテンサイト
    単相組織からなるとともに該マトリックスのマルテンサ
    イトラス内に、500nm以下の大きさの微細Lave
    s相が0.1個/μm以上の密度で分散していること
    を特徴とする高純度高Crフェライト系耐熱鋼
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の組成を
    有する鋼塊をエレクトロスラグ再溶解法により溶製し、
    該鋼塊を熱間鍛錬し、次いで1060℃〜1120℃に
    加熱して焼入れ処理を施した後、500℃〜620℃で
    1回目の焼戻し処理を施し、690℃〜740℃で2回
    目の焼戻し処理を施すことを特徴とする高純度高Crフ
    ェライト系耐熱鋼の製造方法
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の組成を
    有する鋼塊をエレクトロスラグ再溶解法により溶製し、
    該鋼塊を熱間鍛錬し、次いで1060℃〜1120℃に
    加熱して焼入れ処理を施した後、500℃〜580℃で
    1回目の焼戻し処理を施し、さらに620℃〜680℃
    に加熱し保持した後、冷却することなく690℃〜74
    0℃に加熱し保持する2回目の焼戻し処理を施すことを
    特徴とする高純度高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載の組成
    を有する鋼塊をエレクトロスラグ再溶解法により溶製
    し、該鋼塊を熱間鍛錬し、次いで1060℃〜1120
    ℃に加熱して焼入れ処理を施した後、500℃〜580
    ℃で1回目の焼戻し処理を施し、620℃〜680℃で
    2回目の焼戻し処理を施し、690℃〜740℃で3回
    目の焼戻し処理を施すことを特徴とする高純度高Crフ
    ェライト系耐熱鋼の製造方法
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