JP2001157635A - 電気ポット - Google Patents

電気ポット

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JP2001157635A
JP2001157635A JP34248699A JP34248699A JP2001157635A JP 2001157635 A JP2001157635 A JP 2001157635A JP 34248699 A JP34248699 A JP 34248699A JP 34248699 A JP34248699 A JP 34248699A JP 2001157635 A JP2001157635 A JP 2001157635A
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heater unit
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heat insulating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 器体の底部の高さを低くして、器体全体とし
てコンパクトなものとし、かつヒータの組み付け作業工
程を簡素化し得るようにする。 【解決手段】 内容器3の底部3aに、上板10aと下
板10bにより構成されたヒータユニット10を設け
て、このヒータユニット10の上下板間に断熱層20を
形成し、この断熱層20の上板10a側にヒータ11を
設けて、このヒータ11により内溶液を加熱するように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を収容してヒ
ータにより湯沸しや保温をして貯湯し、この貯湯されて
いる内溶液を注出路を通じ外部に注出するようにした電
気ポットに適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種電気ポットにおいて、図1
7に示されるように、器体13の底部13aと内容器3
の底部3aとの間の空間には、内溶液の注出路5を形成
する注出管5e、内溶液を加熱するヒータ11や図示し
ない電動ポンプの通電を制御する制御基盤30を収容す
る基盤ボックス32やそれらを配線するターミナル44
が設置されている。
【0003】器体13の底部13a内に内容器3を収納
し、この内容器3の底部3aを形成する底板3bと器体
13の底部13aとの間に、内容器3の底板3bに固着
された遮熱板15を設けて、内容器3内の内溶液を加熱
するヒータ11からの熱を遮熱して、基盤ボックス32
に収納された制御基盤30を保護し、器体13の底板4
2からの熱影響を防止するようにしている。また、ヒー
タ11は、この遮熱板15に固定板17を介して取り付
けられ、この固定板17からの弾性及び遮熱板15から
のビス19による締結により内容器底板3aの裏面に圧
接されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような構成では、器体13の底部13aと内容器3の底
部3aとの空間に遮熱板15を設けているので、この遮
熱板15を設けることにより器体13の底部13a空間
を大きくする必要があり、また、この遮熱板15を設け
たとしてもヒータ11からの熱輻射を緩和するため、遮
熱板15と制御基盤30及び器体底板42との間隔につ
いても大きくとる必要があって、器体全体の高さが高く
なる嫌いがある。
【0005】それと共に、ヒータ11を内容器3の底部
3aに設けるためには、内容器3の底部3aに遮熱板1
5を固着して、この固着された遮熱板15に設けた固定
板17により圧接しなければならず、またセンサー33
を保護するためのセンサーカバー33aやセンサー筒3
3bを設ける必要があるために、センサーを含むヒータ
構造の内容器3への組み付け作業工程が煩雑化し、かつ
組み付け工程において遮熱板15と固定板17との取付
位置関係およびこの固定板17によるヒータ11への圧
接位置関係により、ヒータ11の取り付け不良を発生さ
せる場合もある。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
に、器体の底部の高さを低くして、器体全体としてコン
パクトなものとし、かつヒータの組み付け作業工程を簡
素化し得る電気ポットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の本発明の電気ポットでは、器体に収容
した内容器に液体を入れてヒータにより湯沸しや保温を
して貯湯し、この貯湯されている内溶液を外部に注出す
るようにした電気ポットにおいて、この内容器の底部
に、上板と下板により構成されたヒータユニットを設け
て、このヒータユニットの上下板間に断熱層を形成し、
この断熱層の上板側にヒータを設けて、このヒータによ
り内溶液を加熱するようにしたことを特徴としている。
【0008】このような構成では、内容器の底部に、上
板と下板により構成されたヒータユニットを設けて、こ
のヒータユニットの上下板間に断熱層を形成し、この断
熱層の上板側にヒータを設けて、このヒータにより内溶
液を加熱するようにしたので、ヒータユニットは、ヒー
タ構造の単独部品として内容器の底部に設けるだけで簡
単に取り付け作業を行うことができるため、ヒータの内
容器への組み付け作業が簡素化され、また、例えヒータ
不良が発生した場合やヒータ取り付け不良がある場合で
もヒータユニットの交換でよく、その取り替え作業も容
易なものとなる。そして、ヒータユニットは、ヒータ構
造として単独で取り扱うことができるので、機種の異な
る既存の内容器についてもこのヒータユニットを取り付
けることができる汎用性があるものとなり、既存の内容
器を有効に活用することもできる。
【0009】さらにヒータは、ヒータユニットの上下板
間に断熱層を形成しているため、ヒータからの熱を断熱
層により断熱することができると共に、ヒータユニット
の下板についても遮熱板として活用することができるの
で、器体底部の空間に設けられるヒータからの熱を遮断
する遮熱板が不要となって、その結果、この遮熱板を設
けることにより器体の底部空間を大きくする必要がなく
なり、また、上下板間に断熱層によりヒータからの熱輻
射も遮って、制御基盤及び器体底板との間隔についても
大きくとる必要がなくなり、器体全体の高さを低くする
ことができる。
【0010】それと相俟ってヒータからの熱は、断熱層
では下方への熱対流を防止して上方の上板から内容器に
熱伝導により効果的に加熱されるため、その熱効率も向
上される。
【0011】なお、ヒータにより湯沸しや保温をして貯
湯するだけでなく、冷水を入れて冷水ポットとして使用
した場合でも、その断熱層によりヒータへの結露を防止
して、結露によるヒータ内部の絶縁が劣化するのを防止
することができるようになる。また、請求項2記載の本
発明の電気ポットでは、前記断熱層は、上下板間を真空
にして形成したことを特徴としている。
【0012】このような構成では、断熱層の上下板間が
真空二重空間にして形成されているので、前記請求項1
記載の作用に加えて、真空断熱作用をより熱遮蔽性に優
れ、熱効率も一層向上させることができる。
【0013】また、請求項3記載の本発明の電気ポット
では、前記断熱層は、ヒータと下板との間を間隙を隔て
た空間にして形成したことを特徴としている。
【0014】このような構成では、前記請求項1記載の
作用に加えて、断熱層は、ヒータと下板との間に形成さ
れる空間を断熱空間としたので、断熱層がより簡単に形
成することができる。
【0015】断熱層をヒータと下板との間を空間にする
だけで形成できるので、断熱層の形成がより簡単なもの
となる。
【0016】また、請求項4記載の本発明の電気ポット
では、前記断熱層は、ヒータと下板との間に断熱材を充
填して形成したことを特徴としている。
【0017】このような構成では、前記請求項1記載の
作用に加えて、断熱層がヒータと下板との間に断熱材を
充填することにより形成することができるので、この断
熱材の充填より熱遮蔽性と断熱作用をより向上させるこ
とができる。
【0018】また、請求項5記載の本発明の電気ポット
では、前記内容器の底部を形成する底板の裏面に、ヒー
タユニットの上板を当接させたことを特徴としている。
【0019】このような構成では、前記作用に加えて、
内容器底板の裏面に、ヒータユニットの上板を当接させ
ることで、ヒータユニットを内容器底板に簡単確実に取
り付けることができ、また、ヒータからの熱をヒータユ
ニットの上板から内容器底板に効果的に熱伝導させるこ
とができる。
【0020】また、請求項6記載の本発明の電気ポット
では、前記ヒータユニットの上板を、内容器の底部を形
成する底板としたことを特徴としている。
【0021】このような構成では、前記作用に加えて、
ヒータユニットの上板を内容器の底部を形成する底板と
して兼用することができるので、内容器の構成部品の簡
略化を図ることができる。
【0022】また、請求項7記載の本発明の電気ポット
では、前記器体の底部にヒータの加熱を制御する制御基
盤を設けて、前記ヒータユニットの下板を、この制御基
盤を遮熱する遮熱板としたことを特徴としている。
【0023】このような構成では、前記作用に加えて、
ヒータユニットの下板を、この制御基盤を遮熱する遮熱
板としてあるので、ヒータからの熱を遮蔽する遮蔽板を
特別に設ける必要がなくなり、部品点数を削減すること
ができ、それと共に器体底部の空間に設けられるヒータ
からの熱を遮断する遮熱板が不要となる結果、この遮熱
板を設けることにより器体の底部空間を大きくする必要
がなり、器体全体の高さを低くすることができる。
【0024】また、請求項8記載の本発明の電気ポット
では、前記器体の底部にヒータの加熱を制御する制御基
盤を収納する基盤ボックスを設けて、この基盤ボックス
の上面を内容器の底部に近接して設けたことを特徴とし
ている。
【0025】このような構成では、前記作用に加えて、
基盤ボックスの上面を内容器の底部に近接して設けるこ
とができるので、器体底部の高さをより一層低くするこ
とができて、その結果器体全体の高さも低くすることが
できる。
【0026】また、請求項9記載の本発明の電気ポット
では、前記ヒータユニットの中央部に、センサー挿入孔
を形成して、このセンサー挿入孔から内容器内の内溶液
の温度を検知するセンサーを挿入して、このセンサーを
内容器底部の裏面に当接させたことを特徴としている。
【0027】このような構成では、前記作用に加えて、
ヒータユニットの中央部に、センサー挿入孔を形成した
ので、このセンサー挿入孔から内容器内の内溶液の温度
をセンサーにより内容器内の内溶液の温度を検知するこ
とができるようになり、かつセンサーの取り付けも容易
なものとなる。
【0028】また、請求項10記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記内容器内の内溶液の温度を検知するセンサ
ーは、ヒータユニットの上下板間に形成された断熱層に
設けられて、上板に当接して内容器内の温度を検知する
ようにしたことを特徴としている。
【0029】このような構成では、上記作用に加えて、
センサーは、上記ヒータユニットの断熱層に設けられ
て、上板を介在して内容器内の温度を検知するようにし
たので、ヒータユニットがセンサーの保護カバーとなっ
て、センサーが保護されると共にヒータユニットの取り
付けと同時にセンサーも取り付けることができて、セン
サーの取り付け作業も容易なものとなる。
【0030】また、請求項11記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記内容器の底板に、内容器内の内溶液を注出
する注出管を設け、この内容器の底部に設けたヒータユ
ニットに注出管孔を形成して、この注出管孔から注出管
を取り出すようにしたことを特徴としている。
【0031】このような構成では、前記作用に加えて、
ヒータユニットに形成した注出管孔から注出管を取り出
すことができるので、ヒータユニットを設けたことによ
るも注出管の取り付け作業が簡単なものとなる。
【0032】また、請求項12記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記ヒータユニットの断熱層に設けられるヒー
タのヒータ線は、上下を絶縁部材により挟着されてヒー
タを構成し、このヒータをヒータユニットの上板に圧接
して取り付けて、下板との間に断熱層の間隙を形成した
ことを特徴としている。
【0033】このような構成では、上記作用に加えて、
上記ヒータユニットの断熱層に設けられるヒータは、絶
縁部材を介在して上板に圧接して取り付けて、下板との
間に間隙を形成したので、ヒータからの熱は、この断熱
層の形成により下方への熱移動を防止し上方の上板から
は内容器に直接的に熱伝導により加熱されるため、ヒー
タの熱効率が良好なものとなる。
【0034】また、請求項13記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記ヒータのヒータ線は、下絶縁部材なしに上
絶縁部材とによりヒータを構成して、このヒータをヒー
タユニットの上板に圧接して取り付けて、下絶縁部材を
有しないヒータ線と下板との間で断熱層の間隙を形成し
たことを特徴としている。
【0035】このような構成では、上記作用に加えて、
ヒータは、下板との間において絶縁部材なしに上板に圧
接することができるため、下板との間には、絶縁部材が
不要となり、ヒータ構成の部品点数が少なくて済みコス
トが低減される。
【0036】また、請求項14記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記ヒータとヒータユニットの下板との間で形
成される断熱層の間隙は、ヒータとヒータユニットの上
板とにより形成される高さ幅に比し狭く形成したことを
特徴としている。
【0037】このような構成では、断熱層の間隙をヒー
タとヒータユニットの上板とにより形成される高さ幅に
比し狭く形成したので、ヒータユニット全体の高さ幅を
低くすることができて、器体底部の高さをより一層低く
することができる。
【0038】また、請求項15記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記断熱層を形成する部分のヒータユニットの
下板と上板の間隔は、ヒータユニットの最上端と最下端
との高さに比して狭く形成したことを特徴としている。
【0039】このような構成では、ヒータユニットの最
下端に対し下板を上方に位置させることができるので、
器体底部の高さをより一層低くすることができる。
【0040】また、請求項16記載の本発明の電気ポッ
トでは、前記内容器底板の裏面に凹部を形成して、この
凹部にヒータユニットを嵌め込んで、このヒータユニッ
トの上板を凹部底面に当接させ、断熱層を形成する部分
のヒータユニットの下板と上板の間隔を、前記凹部底面
の深さに比して狭く形成したことを特徴としている。
【0041】このような構成では、断熱層を形成する部
分のヒータユニットの下板と上板の間隔を、内容器底板
の裏面に形成した凹部底面の深さに比して狭く形成した
ので、内容器の凹部内にて断熱層が形成されることにな
り、内容器の底部と器体底部と間隔を一層低くすること
ができる。
【0042】本発明のそれ以上の目的及び特徴は、以下
の詳細な説明及び図面によって明らかになる。本発明の
各特徴は、可能な限りにおいて、それ単独で、あるいは
種々な組み合わせで複合して用いることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるいくつかの
好適な実施の形態について図1〜16図を参照しながら
説明し、本発明の理解に供する。
【0044】ただし、本発明は、以下の実施形態に限定
されず、また、以下の実施形態に記載されている構成部
分の材質形状は、特に限定的な記載がない限りは、本発
明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、
単なる説明例にすぎない。
【0045】本実施の形態は、図1に示すように、内溶
液をヒータ11で加熱して貯湯し、この貯湯されている
内溶液を電動ポンプ14を使用して注出路5を通じ外部
に注出するようにした電気ポットの場合の一例である。
【0046】しかし、本発明はこれに限られることはな
く、種々な貯湯をしてこの貯湯している内溶液を各種の
使用に供する貯湯容器一般に適用することができる。場
合によって、注出路5は電動ポンプに替えて手動ベロー
ズポンプを使用することもできる。
【0047】この電気ポットの場合では、器体13に収
容した内容器3と、内容器3内の内溶液を加熱するヒー
タ11と、内溶液を外部に案内する注出路5と、この注
出路5を通じて内溶液を吐出させる電動ポンプ14と、
内容器3の開口7を閉じる蓋8と、この蓋8の内部を通
じて内容器3内で発生する蒸気を外部に放出する蒸気通
路9と、注出路5および蒸気通路9に個別に設けられ
て、器体13が横転したとき注出路5および蒸気通路9
を閉じて内溶液が外部に流出しないようにする止水弁3
8、23とを備えている。
【0048】この構成において手動ベローズポンプを電
動ポンプと兼用して設けて、この手動ベローズポンプに
より内溶液を吐出させる構成といてもよい。
【0049】内容器3は、合成樹脂製の外装ケース12
に収容されて電気貯湯容器の器体13を構成している。
内容器3の内溶液は、ヒータ11により外部から加熱さ
れて貯湯され、この貯湯されている内溶液は電動ポンプ
14により注出路5を通じ外部に吐出されて使用され
る。注出路5の内容器3の胴部に沿って外側に立ち上が
る立上がり部を内溶液の液量を表示する電子液量表示部
としてあるが、透明または半透明のガラスや樹脂などの
材料で形成された液量表示パイプとして外装ケース12
の液量表示窓を通じ外部から視認される構成としてもよ
い。
【0050】内容器3は、ステンレス、チタン、アルミ
ニューム等の金属製の内体3mをその底部に収納するよ
うにステンレス、チタン、アルミニューム等の金属製の
外体3nを被せ内体3aの口部と外体3nの口部とを気
密に接合した後、真空加熱処理を施した真空二重構造と
しているが、一重の内容器としてもよい。
【0051】外装ケース12は、合成樹脂製で底と胴と
が一体に形成されているが、金属製でもよく、その胴が
金属製である場合は、構造や形状が複雑になりがちな底
は合成樹脂製にするのが好適である。外装ケース12が
底、胴とも合成樹脂製であっても、成形や全体の組み立
てなどとの関係から必要に応じて分割されてもよい。
【0052】器体13の肩部16は、外装ケース12の
上端に嵌め合わせた合成樹脂製の肩部材16とし、この
肩部材16が形成する開口18には前記の蓋8が設けら
れ、この開口18を内容器3の開口7とともに開閉する
ようにしてある。
【0053】この開閉のために蓋8は、肩部材16の後
部に設けられた軸受部19に、ヒンジピン22によって
着脱できるように枢支されている。蓋8の着脱は、ヒン
ジピン22を中心にした回動により開閉する動作におい
て、蓋8が器体13の開口7との嵌まり合い位置から外
れた開き位置でヒンジピン22を、軸受部19に対し、
その内向きのスリットを通じて嵌め入れたり引き出した
りして行える。
【0054】蓋8の内容器3内からの蒸気を外部に逃が
す蒸気通路9は、蓋8の上面に蒸気出口9aが形成さ
れ、下面に内体3mから蓋8への蒸気入口9bが形成さ
れている。蒸気通路9の途中には、器体13が横転して
内溶液が浸入してきた場合にそれを一時溜め込み、ある
いは迂回させて、蒸気出口9aに至るのを遅らせる溜ま
り室9cを設けてあり、止水弁23は蒸気通路9の蒸気
入口9bの直ぐ内側に設けてある。
【0055】これにより、器体13が横転して内溶液が
蒸気通路9を通じて外部に流出するまでに器体13を起
こすなどの処置ができるようになる。
【0056】蓋8の前部には閉じ位置で肩部材16側の
係止部24に係合して蓋8を閉じ位置にロックするロッ
ク部材25が設けられ、蓋8が閉じられたときに係止部
24に自動的に係合するようにバネ26の付勢によって
ロック位置に常時突出するようにしている。
【0057】これに対応して蓋8にはロック部材25を
後退操作して前記ロックを解除するロック解除レバー2
7が設けられている。ロック解除レバー27は、前端を
親指などで押し下げて反時計回りに回動させることでロ
ック部材25をバネ26に抗して後退させてロックを解
除し、続いてロック解除操作で起き上がったロック解除
レバー27の後端を他の指で持ち上げることによりロッ
クを解除された蓋8を持ち上げこれを開くことができ
る。
【0058】電動ポンプ14は注出路5の途中に設けら
れた遠心ポンプであって内容器3の直ぐ下に位置し、内
容器3内から流れ込む貯湯中の内溶液を注出路5を通じ
て器体13外に臨む吐出口5dに向けて注出し、吐出口
5dから外部に吐出させ使用に供する。
【0059】内容器3の底部の中央には温度センサー3
3が下方から内容器3の底部裏面に当てがわれ、内溶液
のその時々の温度を検出して、この検出に基づき湯沸し
や保温モードで内溶液を加熱制御する。
【0060】器体13の肩部材16の前部に突出する嘴
状突出部34の上面には操作パネル35が設けられ、モ
ード設定などの操作部や、操作に対応する表示、あるい
は動作状態を示す表示を行うようにしてある。操作パネ
ル35の下には前記操作および表示に対応する信号の授
受および動作を行う操作基盤36が設けられている。注
出路5は内容器3と外装ケース12の間を立上がって内
容器3と同じ液位となる電子液量表示部5aを設けた
後、器体13の嘴状突出部34と外装ケース12側のパ
イプカバー部37との間に入った部分で逆U字状のユニ
ット5cを構成し、このユニット5cの注出路5の立上
がり部と繋がる部分に前記横転時の止水弁38および前
傾時の止水弁38aと前記吐出口5dを設けている。吐
出口5dは、上記逆U字状のユニット5cをカバーする
パイプカバー部37の底部開口およびこの開口に下方か
ら後付けした吐出口カバー41を通じて外部に下向きに
開口している。
【0061】外装ケース12の底にある開口には下方か
ら底板42を当てがってねじ止めや部分的な係合により
取付け、底板42の外周部には回転座環43が回転でき
るように支持して設けられ、器体13がテーブル面など
に定置されたときに回転座環43の上で軽く回転して向
きを変えられるようにしてある。
【0062】蓋8は、樹脂製の上板51と下板52とで
形成した上蓋53と、この上蓋53の下面に当てがい螺
子54で螺子止めなどしたステンレス鋼などの金属製の
内蓋55とで基本構造が形成され、内蓋55の外周に嵌
め着けて上蓋53との間に挟み込まれたシールパッキン
グ56が内容器3の開口7の口縁上面に圧接して開口7
を密に閉じるようにしてある。これによって、内容器3
による開口7と内蓋55との間を通じて、蒸気や熱が外
部に逃げるのを防止するようにしてある。
【0063】このような電気ポットの構成において、図
2〜図14に示されるように、内容器3の底部3aに、
上板10aと下板10bにより構成されたヒータユニッ
ト10を設けて、このヒータユニット10の上下板間に
断熱層20を形成し、この断熱層20の上板10a側に
ヒータ11を設けて、このヒータ11により内溶液を加
熱するようにしている。
【0064】したがって、このヒータユニット10は、
ヒータ構造の単独部品として内容器3の底部3aに設け
るだけで簡単に取り付け作業を行うことができるため、
ヒータ11の内容器3への組み付け作業が簡素化され、
また、例えヒータ不良が発生した場合やヒータ取り付け
不良がある場合でもヒータユニット10の交換でよく、
その取り替え作業も容易なものとなる。さらに、ヒータ
ユニット10は、ヒータ構造として単独で取り扱うこと
ができるので、機種の異なる既存の内容器についてもこ
のヒータユニット10を取り付けることができる汎用性
があるものとなり、既存の内容器を有効に活用すること
もできる。
【0065】さらにヒータ11は、ヒータユニット10
の上下板間に断熱層20を形成しているため、ヒータ1
1からの熱を断熱層20により断熱することができると
共に、ヒータユニット10の下板10bについても遮熱
板として活用することができるので、図17に示される
器体底部13aの空間Sに設けられるヒータ11からの
熱を遮断する遮熱板15が不要となって、その結果、こ
の遮熱板15を設けることにより器体13の底部空間S
を大きくする必要がなくなり、また、上下板間に断熱層
20によりヒータ11からの熱輻射も遮って、制御基盤
30及び器体底板42との間隔についても大きくとる必
要がなくなり、器体全体の高さを低くすることができ
る。
【0066】それと相俟ってヒータ11からの熱は、断
熱層20では下方への熱対流を防止して上方の上板10
aから内容器3に熱伝導により効果的に加熱されるた
め、その熱効率も向上される。図3〜9に示される断熱
層20は、上板10aと下板10b間を真空二重空間に
して形成している。
【0067】このヒータユニット10は、ヒータ11に
接続されるリード線10cは、真空にする際に設けられ
る封口部10gから、この封口をリード線引出孔として
外部に引き出すようにしている。このようにヒータ11
に接続されるリード線10cは、封口部10gを利用し
てヒータ11に接続されるリード線10cを外部に引き
出すことができるので、リード線10cを外部に引き出
すための特別な加工が不要となる。
【0068】また、この封口部10gにおいて、封口す
る時には上記リード線10cも同時に封口するようにし
て、リード線10cのためだけの専用の封口が不要とし
て封口処理工程を簡略なものとしている。
【0069】このようにヒータユニット10の上下板間
を真空にして形成されているので、熱遮蔽性と断熱作用
をより一層向上させることができるようになる。
【0070】なお、図1に示されるように、内容器3を
金属製の内体3mと金属製の外体3nとにより真空二重
構造として形成して、ヒータ11により湯沸しや保温を
して貯湯するだけでなく、冷水を入れて冷水ポットとし
て使用した場合でも、その断熱層20をなす真空空間に
よりヒータ11への結露を防止して、結露によるヒータ
内部の絶縁が劣化するのを防止することができる。また
ヒータユニット10の断熱層20の真空空間により、ヒ
ータユニット10の下板10bを遮熱板として兼用する
ことができて、部品構成を簡素化することができ、ヒー
タ11からの熱は、真空空間をなす断熱層20では下方
への熱対流を防止して上方の上板10aから内容器3に
熱伝導により加熱されるため、その熱効率も向上され
る。さらに、内容器3と共にヒータユニット10も断熱
層20をなす真空空間としてあるため、内容器3内の内
容液の保温性も向上される。
【0071】また、図10、図11に示される断熱層2
0は、ヒータ11とヒータユニット10の下板10bと
の間を間隔を隔てた空間にして形成している。このヒー
タ11に接続されるリード線10cは、ヒータユニット
10の下板10bにリード線引出孔10jを形成して、
このリード線引出孔10jから碍子よりなる絶縁カバー
10hを介してこの下板10bから引き出すようにして
いる。
【0072】この断熱層20は、ヒータ11と下板10
bとの間の間隙により形成される空間を断熱空間とした
ので、断熱層20がより簡単に形成することができる。
また、図12、図13に示される断熱層20は、ヒータ
11と下板10bとの間に断熱材20aを充填して形成
している。この図12の断熱材20aは、成形品により
形成されヒータ11と下板10bとの間の空間に嵌め入
れて充填することにより断熱層20を形成している。ま
た、図13の断熱材20aは、リード線引出孔10jに
より溶融樹脂を流入してこの溶融樹脂をヒータ11と下
板10bとの間の空間にて発泡させることにより充填し
て断熱層20を形成している。
【0073】この断熱層20は、ヒータ11と下板10
bとの間に断熱材20aを充填して形成しているので、
この断熱材20aの充填より熱遮蔽性と断熱作用をより
向上させることができる。
【0074】このヒータユニット10は、内容器3の底
部3aを形成する底板3bの裏面に、その上板10aを
当接させて、内容器3の底板3bに取り付けている。
【0075】このように内容器底板3bの裏面に、ヒー
タユニット10の上板10aを当接させることで、ヒー
タユニットを内容器底板に簡単確実に取り付けることが
でき、また、ヒータ11からの熱をヒータユニット10
の上板10aから内容器底板3bに効果的に熱伝導させ
ることができるようになる。
【0076】図8、図9に示されるヒータユニット10
は、その上板10aを、内容器3の底部3aを形成する
底板3bとしている。
【0077】ヒータユニット10は、内容器3の底部3
aを形成する底板3bに替えて、このヒータユニット1
0の上板10aを内容器3の底板3bとしてヒータユニ
ット10を形成している。内容器3の底部3aを形成す
る底板3bに開口部3cを形成して、この開口部3cに
ヒータユニット10の上板10aを内容器3内に臨ませ
て、上板10aを内容器3の底板3bとして形成し、ヒ
ータユニット10の外周端10fを下方から耐熱性パッ
キング3dを介在して上記開口部3cに固着している。
【0078】この構成におけるセンサー33は、ヒータ
ユニット10の上板10aと下板10bの中央部10n
を接合して、この接合位置の下板10bに当接させてい
る。
【0079】このヒータユニット10は、その上板10
aを内容器3の底部3aを形成する底板3bとして兼用
することができるので、内容器3の構成部品の簡略化を
図ることができる。またヒータユニット10を直接内容
器3内に臨ませることができるので熱効率の向上が図れ
る。
【0080】外装ケース12の底と内容器3の底部との
間の空間には、前記電動ポンプ14とともに、ヒータ1
1や電動ポンプ14の通電を制御する制御基盤30を収
容する基盤ボックス32やそれらを配線するターミナル
44が設置されている。
【0081】基盤ボックス32は、器体13の外装体を
なす外装ケース12の底部13aの開口部に一体形成し
て設けてあるが、底部13aと別体に形成して螺子止め
などして設けてもよい。
【0082】また、基盤ボックス32は、下向きに開口
して、この開口を閉じる底基盤ボックス32aを下方か
ら嵌め入れて取り出し自在に係合し、その天板32cの
上面に間隔を有して基盤遮熱板32bが設けられ、この
天板32cの下面との間に間隔を有して制御基盤30を
収納している。
【0083】ヒータユニット10は、その下板10b
を、前記器体13の底部13aに設けたヒータ11の加
熱を制御する制御基盤30を遮熱する遮熱板としてい
る。
【0084】このヒータユニット10の下板10bは、
制御基盤30を遮熱する遮熱板としてあるので、従来の
構成の如くヒータ11からの熱を遮蔽する遮蔽板を特別
に設ける必要がなくなり、部品点数を削減することがで
き、それと共に器体底部13aの空間Sに設けられるヒ
ータ11からの熱を遮断する遮熱板が不要となる結果、
この遮熱板を設けることにより器体13の底部空間Sを
大きくする必要がなり、器体全体の高さを低くすること
ができるようになる。
【0085】また、器体13の底部13aにヒータ11
の加熱を制御する制御基盤30を収納する基盤ボックス
32は、この基盤ボックス32の上面を内容器3の底部
3aを形成する底板3bに近接して設けるようにしてい
る。
【0086】この構成により、器体底部13aの高さを
より一層低くすることができて、その結果器体全体の高
さも低くすることができるようになる。
【0087】また、このヒータユニット10は、その上
板10aと下板10bの中央部10nを接合して、この
中央接合部に、センサー挿入孔10eを形成して、この
センサー挿入孔10eから内容器内の内溶液の温度を検
知するセンサー33を挿入して、このセンサー33を内
容器底部3aの底板3b裏面に当接させている。ヒータ
ユニット10は、センサー挿入孔10eの孔縁を溶接に
より溶着し、上板10a及び下板10bの外周端10f
を接合して、この接合部も溶接により溶接している。
【0088】このヒータユニット10は、外周測部に下
方に折り曲げた垂下部10pを形成し、この垂下端に外
鍔10kを形成してこの外鍔10kの外周端を前記ヒー
タユニットの外周端10fとしてあり、また、下板10
bの中央部10nにセンサー挿入孔10eを形成する孔
縁部に至るように傾斜する傾斜段部10rを形成して、
この傾斜段部10rをセンサー33の挿入の際における
ガイド面としている。
【0089】このようにヒータユニット10の中央部1
0nに、センサー挿入孔10eを形成したので、このセ
ンサー挿入孔10eから内容器内の内溶液の温度をセン
サー33により内容器内の内溶液の温度を検知すること
ができるようになって、かつセンサー33の取り付けも
容易なものとなる。
【0090】また、図1、図2に示されるように、内容
器3の底板3bには、内容器内の内溶液を注出する注出
路5を形成する注出管5eが設けられており、この注出
管5eの注出管孔5fをヒータユニット10に形成し
て、この注出管孔5fから注出管5eを取り出すように
してもよい。
【0091】ヒータユニット10に形成した注出管孔5
fから注出管5eを取り出すことができるので、ヒータ
ユニット10を設けたことによるも注出管5eの取り付
け作業も簡単なものとなる。
【0092】図14に示されるヒータユニット10は、
その上板10aを、内容器3の底部3aを形成する底板
3bとし、この底板3bの外鍔10kを内容器3の側部
まで連続した外周端10fを形成し,内容器3の側部下
端3dと突き合わせ、この突合せ部3eを突き合せ溶接
により溶着して、内容器3の底部3aを形成している。
【0093】この構成において、内容器内の内溶液の温
度を検知するセンサー33は、ヒータユニット10の上
下板間に形成された断熱層20に設けられて、内容器3
の底板3bを形成する上板10aに当接して内容器内の
温度を検知するようにしている。
【0094】このセンサー33は、ヒータユニット10
の断熱層20に設けられて、内容器3の底板3bを形成
する上板10aを介在して内容器内の温度を検知するよ
うにしたので、ヒータユニット10がセンサー33の保
護カバーとなって、センサー33が保護されると共にヒ
ータユニット10の取り付けと同時にセンサー33も取
り付けることができて、センサー33の取り付け作業も
容易なものとなる。
【0095】また、ヒータユニット10の断熱層20に
設けられるヒータ11のヒータ線11aは、上下を絶縁
部材11b,11cにより挟着されてヒータ11を構成
し、このヒータ11をヒータユニット10の上板10a
に圧接して取り付けて、下板10bとの間に断熱層20
の間隙を形成している。
【0096】ヒータユニット10の断熱層20に設けら
れるヒータ11からの熱は、この断熱層20の形成によ
り下方への熱移動を防止し上方の上板10aからは内容
器3に直接的に熱伝導により加熱されるため、ヒータ1
1の熱効率が良好なものとなる。
【0097】また、図11のヒータ11のヒータ線11
aは、下絶縁部材なしに上絶縁部材11bとによりヒー
タ11を構成して、このヒータ11をヒータユニット1
0の上板10aに圧接して取り付けて、下絶縁部材を有
しないヒータ線11aと下板10bとの間で断熱層20
の間隙を形成している。
【0098】このヒータ11は、下板10bとの間にお
いて絶縁部材なしに上板10aに圧接することができる
ため、下板10bとの間には、絶縁部材が不要となり、
ヒータ構成の部品点数が少なくて済みコストが低減され
るようになる。
【0099】また、図12、図13に示される断熱材2
0aを充填することにより断熱層20を形成する構成に
あっては、ヒータ線11aと下板10bとの間で断熱層
20の間隙を形成する断熱材20aを下絶縁部材として
利用することもできる。この場合、ヒータ11を、前記
断熱材20aの充填により上板10aに圧接させて固定
するようにして、断熱材20aを断熱層20の形成と共
にヒータ11の固定手段にも併用している。
【0100】図13のヒータ11は、ヒータユニット1
0の外周側の垂下部10pに形成される内向き突起10
uに嵌め入れて仮止めし、上記断熱材20aの充填によ
り上板10aに圧接して固定される。
【0101】ヒータ11の固定手段は、図3、図4およ
び図8〜図10では、ヒータユニット内に取付板11d
を設けて、この取付板11dをヒータ11の下絶縁部材
11bの下面に重合して、ヒータ11をヒータユニット
10の上板10aに圧接させるように取付板11dの外
側端11eをヒータユニット10の上板10aに溶接に
より溶着している。
【0102】また、図5〜7および図11では、弾性を
有する取付板11dを設けて、この取付板11dの外側
端11eを上板10aに溶着して、この取付板11dの
弾性によりヒータユニット10の上板10aにヒータ1
1を圧接させるようにしている。
【0103】また、図15の取付板11dは、前記ヒー
タユニット10の上板10aと下板10bとの外周端1
0fでの溶着の際に、この取付板11dの外側端11e
が挟持されて同時に溶着されて、この取付板11dによ
りヒータ11を上板10aに圧接して固定している。こ
のヒータユニット10は、その外周端10fを、内容器
3の底板裏面3bに形成した上向き段部3gに嵌め入れ
て、この外周端10fの外鍔10kの裏面と連続した底
板3bの裏面とを同一面上に形成してある。
【0104】図16においては、ヒータユニット10の
下板10bに上方に突出する複数の突起10sを形成し
て、この突起10sによりヒータを押し上げて上板10
aに圧接するようにしている。この突起10sに、突起
10sを利用してリード線10cの引き出し孔10gを
形成してある。
【0105】また、図7に示されるように、このヒータ
ユニット10において、ヒータ11とヒータユニット1
0の下板10bとの間で形成される断熱層20の間隙B
は、ヒータ11とヒータユニット10の上板10aとに
より形成される高さ幅Aに比し狭く形成している。
【0106】この断熱層20の間隙Bをヒータ11と上
板10aとにより形成される高さ幅Aに比し狭く形成す
ることによって、ヒータユニット10全体の高さ幅を低
くすることができて、器体底部の高さをより一層低くす
ることができるようになる。
【0107】また、図11、図13に示されているよう
に、断熱層20を形成する部分のヒータユニット10の
下板10bと上板10aの間隔Dは、ヒータユニット1
0の最上端と最下端との高さCに比して狭く形成してい
る。
【0108】このように断熱層を形成するにあたって、
ヒータユニットの最下端に対し下板を上方に位置させる
ことができるので、器体底部13aの高さをより一層低
くすることができる。
【0109】また、図7に示されるように、内容器底板
3bの裏面に凹部3eを形成して、この凹部3eにヒー
タユニット10の外周側を形成する垂下部10pを嵌め
込んで、このヒータユニット10の上板10aを凹部底
面3fに当接させ、断熱層20を形成する部分のヒータ
ユニット10の下板10bと上板10bの間隔Dを、前
記凹部底面3fの深さEに比して狭く形成している。
【0110】このような構成では、内容器3の凹部3e
内にて断熱層20が形成されることになり、内容器3の
底部3aと器体底部13aと間隔を一層低くすることが
できる。
【0111】なお、ヒータユニット10は、内容器3の
底部3aに、着脱自在にビス止め等により取り付けて、
取り替え作業を容易なものとしてあるが、その外周端1
0fを溶接して固定しても、また内容器底板3bの凹部
3eに無理嵌めにより固定してもよく、その固定手段は
任意である。
【0112】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、器体に収容
した内容器に液体を入れてヒータにより湯沸しや保温を
して貯湯し、この貯湯されている内溶液を外部に注出す
るようにした電気ポットにおいて、この内容器の底部
に、上板と下板により構成されたヒータユニットを設け
て、このヒータユニットの上下板間に断熱層を形成し、
この断熱層の上板側にヒータを設けて、このヒータによ
り内溶液を加熱するようにしたので、ヒータユニット
は、ヒータ構造の単独部品として内容器の底部に設ける
だけで簡単に取り付け作業を行うことができるため、ヒ
ータの内容器への組み付け作業が簡素化され、また、例
えヒータ不良が発生した場合やヒータ取り付け不良があ
る場合でもヒータユニットの交換でよく、その取り替え
作業も容易なものとなる。そして、ヒータユニットは、
ヒータ構造として単独で取り扱うことができるので、機
種の異なる既存の内容器についてもこのヒータユニット
を取り付けることができる汎用性があるものとなり、既
存の内容器を有効に活用することもできる。
【0113】さらにヒータは、ヒータユニットの上下板
間に断熱層を形成しているため、ヒータからの熱を断熱
層により断熱することができると共に、ヒータユニット
の下板についても遮熱板として活用することができるの
で、器体底部の空間に設けられるヒータからの熱を遮断
する遮熱板が不要となって、その結果、この遮熱板を設
けることにより器体の底部空間を大きくする必要がなく
なり、また、上下板間に断熱層によりヒータからの熱輻
射も遮って、制御基盤及び器体底板との間隔についても
大きくとる必要がなくなり、器体全体の高さを低くする
ことができる。
【0114】それと相俟ってヒータからの熱は、断熱層
では下方への熱対流を防止して上方の上板から内容器に
熱伝導により効果的に加熱されるため、その熱効率も向
上される。
【0115】なお、ヒータにより湯沸しや保温をして貯
湯するだけでなく、冷水を入れて冷水ポットとして使用
した場合でも、その断熱層によりヒータへの結露を防止
して、結露によるヒータ内部の絶縁が劣化するのを防止
することができるようになる。
【0116】また、請求項2記載の本発明によれば、前
記断熱層は、上下板間を真空二重空間にして形成されて
いるので、真空断熱作用をより熱遮蔽性に優れ、熱効率
も一層向上させることができる。
【0117】また、請求項3記載の本発明によれば、断
熱層は、ヒータと下板との間に間隔を隔てて形成される
空間を断熱空間としたので、断熱層がより簡単に形成す
ることができる。
【0118】また、請求項4記載の本発明によれば、断
熱層がヒータと下板との間に断熱材を充填することによ
り形成することができるので、この断熱材の充填より熱
遮蔽性と断熱作用をより向上させることができる。
【0119】また、請求項5記載の本発明によれば、内
容器底板の裏面に、ヒータユニットの上板を当接させる
ことで、ヒータユニットを内容器底板に簡単確実に取り
付けることができ、また、ヒータからの熱をヒータユニ
ットの上板から内容器底板に効果的に熱伝導させること
ができる。
【0120】また、請求項6記載の本発明によれば、ヒ
ータユニットの上板を、内容器の底部を形成する底板と
したので、ヒータユニットの上板を内容器の底部を形成
する底板として兼用することができ、内容器の構成部品
の簡略化を図ることができる。
【0121】また、請求項7記載の本発明によれば、前
記器体の底部にヒータの加熱を制御する制御基盤を設け
て、前記ヒータユニットの下板を、この制御基盤を遮熱
する遮熱板としてあるので、ヒータからの熱を遮蔽する
遮蔽板を特別に設ける必要がなくなり、部品点数を削減
することができ、それと共に器体底部の空間に設けられ
るヒータからの熱を遮断する遮熱板が不要となる結果、
この遮熱板を設けることにより器体の底部空間を大きく
する必要がなり、器体全体の高さを低くすることができ
る。
【0122】また、請求項8記載の本発明によれば、前
記器体の底部にヒータの加熱を制御する制御基盤を収納
する基盤ボックスを設けて、この基盤ボックスの上面を
内容器の底部に近接して設けたことにより、基盤ボック
スの上面を内容器の底部に近接して設けることができる
ので、器体底部の高さをより一層低くすることができ
て、その結果器体全体の高さも低くすることができる。
【0123】また、請求項9記載の本発明によれば、前
記ヒータユニットの中央部に、センサー挿入孔を形成し
て、このセンサー挿入孔から内容器内の内溶液の温度を
検知するセンサーを挿入して、このセンサーを内容器底
部の裏面に当接させたので、このセンサー挿入孔から内
容器内の内溶液の温度をセンサーにより内容器内の内溶
液の温度を検知することができるようになり、かつセン
サーの取り付けも容易なものとなる。
【0124】また、請求項10記載の本発明によれば、
前記内容器内の内溶液の温度を検知するセンサーは、ヒ
ータユニットの上下板間に形成された断熱層に設けられ
て、上板に当接して内容器内の温度を検知するようにし
たので、ヒータユニットがセンサーの保護カバーとなっ
て、センサーが保護されると共にヒータユニットの取り
付けと同時にセンサーも取り付けることができて、セン
サーの取り付け作業も容易なものとなる。
【0125】また、請求項11記載の本発明によれば、
前記内容器の底板に、内容器内の内溶液を注出する注出
管を設け、この内容器の底部に設けたヒータユニットに
注出管孔を形成して、この注出管孔から注出管を取り出
すことができるので、ヒータユニットを設けたことによ
るも注出管の取り付け作業が簡単なものとなる。
【0126】また、請求項12記載の本発明によれば、
前記ヒータユニットの断熱層に設けられるヒータのヒー
タ線は、上下を絶縁部材により挟着されてヒータを構成
し、このヒータをヒータユニットの上板に圧接して取り
付けて、下板との間に断熱層の間隙を形成したので、ヒ
ータからの熱は、この断熱層の形成により下方への熱移
動を防止し上方の上板からは内容器に直接的に熱伝導に
より加熱されるため、ヒータの熱効率が良好なものとな
る。
【0127】また、請求項13記載の本発明によれば、
前記ヒータのヒータ線は、下絶縁部材なしに上絶縁部材
とによりヒータを構成して、このヒータをヒータユニッ
トの上板に圧接して取り付けて、下絶縁部材を有しない
ヒータ線と下板との間で断熱層の間隙を形成したので、
ヒータは、下板との間において絶縁部材なしに上板に圧
接することができるため、下板との間には、絶縁部材が
不要となり、ヒータ構成の部品点数が少なくて済みコス
トが低減される。
【0128】また、請求項14記載の本発明によれば、
前記ヒータとヒータユニットの下板との間で形成される
断熱層の間隙は、ヒータとヒータユニットの上板とによ
り形成される高さ幅に比し狭く形成したので、ヒータユ
ニット全体の高さ幅を低くすることができて、器体底部
の高さをより一層低くすることができる。
【0129】また、請求項15記載の本発明によれば、
前記断熱層を形成する部分のヒータユニットの下板と上
板の間隔は、ヒータユニットの最上端と最下端との高さ
に比して狭く形成したので、ヒータユニットの最下端に
対し下板を上方に位置させることができて、体底部の高
さをより一層低くすることができる。
【0130】また、請求項16記載の本発明によれば、
前記内容器底板の裏面に凹部を形成して、この凹部にヒ
ータユニットを嵌め込んで、このヒータユニットの上板
を凹部底面に当接させ、断熱層を形成する部分のヒータ
ユニットの下板と上板の間隔を、前記凹部底面の深さに
比して狭く形成したので、内容器の凹部内にて断熱層が
形成されることになり、内容器の底部と器体底部と間隔
を一層低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気ポットの断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電気ポット底部の断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るヒータユニットの断
面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るヒータユニットを電
気ポットの底部に取り付けた状態の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニット
を電気ポットの底部に取り付けた状態の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニット
を電気ポットの底部に取り付けた状態の断面図である。
【図7】図6の一部拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニット
を電気ポットの底部に取り付けた状態の断面図である。
【図9】図8の一部拡大断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの一部拡大断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの一部拡大断面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トを電気ポットの底部に取り付けた状態の断面図であ
る。
【図15】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの一部拡大断面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る他のヒータユニッ
トの一部拡大断面図である。
【図17】従来例を示す電気ポットの底部の断面図であ
る。
【符号の説明】
3 内容器 3a 底部 3b 底板 5 注出路 5e 注出管 10 ヒータユニット 10a 上板 10b 下板 11 ヒータ 11a ヒータ線 11b 下絶縁部材 11c 上絶縁部材 13 器体 13a 底部 17 取付板 20 断熱層 30 制御基盤 32 基盤ボックス

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 器体に収容した内容器に液体を入れてヒ
    ータにより湯沸しや保温をして貯湯し、この貯湯されて
    いる内溶液を外部に注出するようにした電気ポットにお
    いて、この内容器の底部に、上板と下板により構成され
    たヒータユニットを設けて、このヒータユニットの上下
    板間に断熱層を形成し、この断熱層の上板側にヒータを
    設けて、このヒータにより内溶液を加熱するようにした
    ことを特徴とする電気ポット。
  2. 【請求項2】 前記断熱層は、上下板間を真空二重空間
    にして形成したことを特徴とする請求項1記載の電気ポ
    ット。
  3. 【請求項3】 前記断熱層は、ヒータと下板との間を間
    隙を隔てた空間にして形成したことを特徴とする請求項
    1記載の電気ポット。
  4. 【請求項4】 前記断熱層は、ヒータと下板との間に断
    熱材を充填して形成したことを特徴とする請求項1記載
    の電気ポット。
  5. 【請求項5】 前記内容器の底部を形成する底板の裏面
    に、ヒータユニットの上板を当接させたことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の電気ポット。
  6. 【請求項6】 前記ヒータユニットの上板を、内容器の
    底部を形成する底板としたことを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の電気ポット。
  7. 【請求項7】 前記器体の底部にヒータの加熱を制御す
    る制御基盤を設けて、前記ヒータユニットの下板を、こ
    の制御基盤を遮熱する遮熱板としたことを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の電気ポット。
  8. 【請求項8】 前記器体の底部にヒータの加熱を制御す
    る制御基盤を収納する基盤ボックスを設けて、この基盤
    ボックスの上面を内容器の底部に近接して設けたことを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気ポッ
    ト。
  9. 【請求項9】 前記ヒータユニットの中央部に、センサ
    ー挿入孔を形成して、このセンサー挿入孔から内容器内
    の内溶液の温度を検知するセンサーを挿入して、このセ
    ンサーを内容器底部の裏面に当接させたことを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の電気ポット。
  10. 【請求項10】 前記内容器内の内溶液の温度を検知す
    るセンサーは、ヒータユニットの上下板間に形成された
    断熱層に設けられて、上板に当接して内容器内の温度を
    検知するようにしたことを特徴とする請求項6項記載の
    電気ポット。
  11. 【請求項11】 前記内容器の底板に、内容器内の内溶
    液を注出する注出管を設け、この内容器の底部に設けた
    ヒータユニットに注出管孔を形成して、この注出管孔か
    ら注出管を取り出すようにしたことを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の電気ポット。
  12. 【請求項12】 前記ヒータユニットの断熱層に設けら
    れるヒータのヒータ線は、上下を絶縁部材により挟着さ
    れてヒータを構成し、このヒータをヒータユニットの上
    板に圧接して取り付けて、下板との間に断熱層の間隙を
    形成したことを特徴とする請求項1項記載の電気ポッ
    ト。
  13. 【請求項13】 前記ヒータのヒータ線は、下絶縁部材
    なしに上絶縁部材とによりヒータを構成して、このヒー
    タをヒータユニットの上板に圧接して取り付けて、下絶
    縁部材を有しないヒータ線と下板との間で断熱層の間隙
    を形成したことを特徴とする請求項1項記載の電気ポッ
    ト。
  14. 【請求項14】 前記ヒータとヒータユニットの下板と
    の間で形成される断熱層の間隙は、ヒータとヒータユニ
    ットの上板とにより形成される高さ幅に比し狭く形成し
    たことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の
    電気ポット。
  15. 【請求項15】 前記断熱層を形成する部分のヒータユ
    ニットの下板と上板の間隔は、ヒータユニットの最上端
    と最下端の高さに比して狭く形成したことを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の電気ポット。
  16. 【請求項16】 前記内容器底板の裏面に凹部を形成し
    て、この凹部にヒータユニットを嵌め込んで、このヒー
    タユニットの上板を凹部底面に当接させ、断熱層を形成
    する部分のヒータユニットの下板と上板の間隔を、前記
    凹部底面の深さに比して狭く形成したことを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の電気ポット。
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