JP2001151734A - 第3級アミンの製造法 - Google Patents

第3級アミンの製造法

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tertiary amine
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copper
catalyst
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Yutaka Abe
裕 安倍
Hideki Taniguchi
英樹 谷口
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間保存した時に濁り物質を生じない高品
質第3級アミンの製造方法の提供。 【解決手段】 炭素数8〜36のアルキル又はアルケニル
アルコールと総炭素数が2〜4のジアルキルアミンと
を、第8属白金族元素が存在してもよい、銅及び第4周
期遷移金属元素からなる触媒の存在下、常圧ないし9.8M
Paの水素雰囲気下、下記の条件(イ)及び(ロ)にて反
応させて第3級アミンを製造する。(イ)10≦X≦100
において (42.9203 logX+97.0797)≦T≦(42.9203 logX+157.
0797) 〔T;反応温度(℃)、X;アルコールを基準とした反
応率(%)〕 (ロ)(Tmax −Tmin )≧5℃ 〔Tmax :10≦X≦100 におけるTの最高温度、Tmin
:10≦X≦100 におけるTの最低温度〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第3級アミンの製造
法に関する。
【0002】牛脂、ヤシ油、パーム油などを原料とした
脂肪族アミンは、家庭用、工業用分野において重要な中
間体である。特に脂肪族第3級アミンは、繊維柔軟仕上
げ剤、帯電防止剤、ガソリン添加剤、シャンプー、リン
ス、殺菌剤、洗浄剤など幅広い用途に用いられている。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪族
第3級アミンの製造方法の一つに、高級アルコールとジ
メチルアミンを反応させて製造する方法がある。しかし
この方法では、製造したアミンを空気中で長期間保存し
ておくと濁り物質を生じるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明の課題は、第3級アミンを
長期間保存した時に濁り物質を生じない高品質第3級ア
ミンの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の触
媒を使用し、且つ、特定の反応条件によれば、上記目的
を達成し得ることを見い出した。
【0006】本発明は、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜36
のアルキルアルコール又はアルケニルアルコールと総炭
素数が2〜4のジアルキルアミンとを、第8属白金族元
素が存在してもよい、銅及び第4周期遷移金属元素から
なる触媒の存在下、常圧ないし9.8MPaの水素雰囲気下、
下記の条件(イ)及び(ロ)にて反応させる、第3級ア
ミンの製造法を提供する。条件 (イ)10≦X≦100 において (42.9203 logX+97.0797)≦T≦(42.9203 logX+157.
0797) 〔式中、T;反応温度(℃) X;アルキルアルコール又はアルケニルアルコールを基
準とした反応率(%)を示す。〕 (ロ)(Tmax −Tmin )≧5℃ 〔式中、Tmax :10≦X≦100 におけるTの最高温度 Tmin :10≦X≦100 におけるTの最低温度を示す。〕
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる触媒は第8属
白金族元素が存在していてもよい銅及び第4周期遷移金
属元素からなる触媒であり、ここで第4周期遷移金属元
素としてはニッケル及び亜鉛から選ばれる少なくとも1
種が好ましく、第8属白金族元素としては白金、パラジ
ウム、ルテニウム及びロジウムから選ばれる少なくとも
1種が好ましい。また本発明に用いられる触媒における
銅と第4周期遷移金属元素の金属原子のモル比は銅/第
4周期遷移金属元素=1/9〜9/1が好ましく、かつ
第8属白金族元素は銅と第4周期遷移金属元素の合計に
対し金属原子のモル比で0〜0.1 が好ましい。本発明の
触媒は、触媒金属組成として銅と第4周期遷移金属元素
が必須であり、本発明に適合する触媒は種々の形態を選
択することが出来る。即ち、本発明は銅及び第4周期遷
移金属元素が触媒組成として反応系内に存在するとき、
初めてこれら成分間の相互作用による効果が発揮される
ものであるが、さらに第8属白金族元素が存在していて
もよい。これらの組成が本質的な触媒機能を有し、アル
キルアルコール又はアルケニルアルコールとジアルキル
アミンとを反応させるに当たっては、水素雰囲気下での
各金属成分の還元操作によって初めて触媒活性が発現す
る。従って、還元操作前の金属の形態及び還元操作後の
系内の状態の相違は本発明において特に限定されるもの
ではなく、水素雰囲気下での還元操作によって銅と第4
周期遷移金属元素、或いは銅と第4周期遷移金属元素と
第8属白金族元素との相互作用が発揮される形態であれ
ば良い。
【0008】従って本発明の方法に適合する金属の形態
としては、 1)これらの金属又は、その酸化物あるいは水酸化物等
及びこれらの混合物等、反応媒体中で分散する形態のも
の、 2)適当な担体上に銅、第4周期遷移金属元素、更に必
要により第8属白金族元素がそれぞれ支持されたものの
混合物あるいは、銅、第4周期遷移金属元素、更に必要
により第8属白金族元素の2又は3成分が、同一の担体
上に均一に支持されて、反応媒体中で分散する形態のも
の、 3)これらの金属の脂肪族カルボン酸塩又は適当な配位
子により安定化された錯体のように反応媒体中で金属コ
ロイド状となり、均一系となる形態のもの、 4)1)、2)のような反応媒体中で分散状となる形態
のものと、3)のような反応媒体中で均一となる形態の
ものとの混合物、あるいは水素還元前分散状で水素還元
後均一な形態となるもの等いずれの場合であっても良
く、本発明の本質となる2又は3成分の金属が水素雰囲
気下での操作によって成分間の相互作用が発現されれば
よい。本発明の方法として、より好ましい触媒の形態と
しては触媒金属の安定化即ち活性表面の固定化の面、及
び触媒被毒物質に対する耐久性の面から適当な担体上に
これら成分金属を均一に担持させたものが良い。
【0009】本発明の触媒金属を担体に支持させる場
合、適合する担体としては一般の触媒担体として使用さ
れているもの、例えばアルミナ、シリカアルミナ、ケイ
ソウ土、シリカ、活性炭、天然及び人工ゼオライト等を
使用することができる。触媒金属の担体への担持量は、
任意に決めることができるが、通常は5〜70重量%の範
囲がよい。
【0010】これらの触媒金属の担体表面上に支持させ
る方法も、種々選ぶことができる。この場合、触媒原料
金属の形態としては、銅、第4周期遷移金属元素、第8
属白金族元素の酸化物、水酸化物あるいはそれらの各種
金属が使用できる。例えば、銅、第4周期遷移金属元
素、第8属白金族元素の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、脂肪族カルボン酸塩、あるいはこれらの金属錯体、
例えば銅、第4周期遷移金属元素、第8属白金族元素の
アセチルアセトン錯体やジメチルグリオキシム錯体な
ど、また更に第8属白金族元素に関してはカルボニル錯
体、アミン錯体、ホスフィン錯体等も使用できる。これ
ら金属原料種を用いて、担体上に支持させる方法で触媒
を製造する場合には、例えば銅、第4周期遷移金属元
素、必要により第8属白金族元素の適当な塩の溶液に担
体を入れ充分に含浸させた後乾燥、焼成させる方法(含
浸法)や、担体と銅、第4周期遷移金属元素、必要によ
り第8属白金族元素の適当な塩の水溶液を充分混合した
後、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムあるいはアンモ
ニア水等のアルカリ水溶液を加えて金属塩を担体上に沈
澱させ、あるいは、担体の水スラリーに銅、第4周期遷
移金属元素、必要により第8属白金族元素の適当な塩の
水溶液と炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムあるいはア
ンモニア水等のアルカリ水溶液を、スラリーのpHが一定
(例えばpH7)になるように同時に加え金属塩を担体上
に沈澱させ、乾燥・焼成して、本発明の触媒を調製す
る。
【0011】また、このような方法で銅のみ、あるいは
銅と第4周期遷移金属元素のみを担体上に担持させ反応
に供する前に必要により第8属白金族元素の担持物又は
脂肪族カルボン酸塩や錯体を添加し、反応媒体中水素雰
囲気下で銅と第4周期遷移金属元素及び第8属白金族元
素との複合化を図る方法も有効であり、同一担体上に均
一に触媒金属成分が支持されるような触媒形態が好まし
い。本発明の触媒は、原料アルコールに対して0.1 〜10
重量%の割合で使用するのが好ましい。
【0012】本発明に用いられる原料アルコールは直鎖
状または分岐鎖状の炭素数8〜36のアルキルアルコール
又はアルケニルアルコールで、例えばオクチルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアル
コール等ならびにそれらの混合アルコールなど、またチ
ーグラー法によって得られるチーグラーアルコールや、
オキソ合成によって得られるオキソアルコール及びゲル
ベアルコール等の分岐鎖を有するアルコール類が挙げら
れる。本発明において使用される総炭素数2〜4のジア
ルキルアミンとしてはジメチルアミン、ジエチルアミン
等が挙げられる。
【0013】本発明において、反応で生成する水は系外
に取り出すことが好ましく、その方法としては、断続的
でも連続的でも良い。
【0014】本発明においては、原料アルコール中に、
反応させるジアルキルアミンを連続的又は断続的に供給
して第3級アミンを製造するに際し、銅−第4周期遷移
金属元素触媒、あるいは銅−第4周期遷移金属元素−第
8属白金族元素触媒を使用し、かつ常圧ないし9.8MPaの
水素雰囲気下、下記の条件(イ)及び(ロ)を満足する
ような条件にて反応を行う。条件 (イ)10≦X≦100 において (42.9203 logX+97.0797)≦T≦(42.9203 logX+157.
0797) 〔式中、T;反応温度(℃) X;アルキルアルコール又はアルケニルアルコールを基
準とした反応率(%)を示す。〕 (ロ)(Tmax −Tmin )≧5℃ 〔式中、Tmax :10≦X≦100 におけるTの最高温度 Tmin :10≦X≦100 におけるTの最低温度を示す。〕 条件(イ)及び(ロ)を満足しない条件にて、反応を行
った場合は、本発明の所望の効果である、高品質の第3
級アミンは得られない。
【0015】さらに、本発明のより好ましい実施態様と
しては、反応温度Tを、連続的及び/又は段階的に上昇
させることにより、より高品質な、即ち、保存時に、よ
り長期間経時的に濁りの生じない第3級アミンが得られ
る。
【0016】本発明においては、別途水素ガスで予め還
元した触媒を用いても良いが、反応原料であるアルコー
ルと一緒に還元前の触媒を反応器に入れ、水素ガスを導
入しながら初期の反応温度まで昇温することによって還
元を行っても良い。
【0017】本発明方法の実施態様を説明する。水素ま
たは窒素を導入する管と、精留塔を備えた反応容器に、
原料となるアルコールと触媒を仕込む。触媒は任意の量
を仕込むことができるが、通常は仕込みアルコールに対
し重量で 0.1〜10%の範囲である。系内で触媒還元を行
う場合、系内を窒素ガスで置換したのち水素を導入しな
がら、上記条件(イ)及び(ロ)を満足するように昇温
を開始する。触媒はこの初期の反応温度に達するまでに
還元され活性状態の触媒となる。反応が完了した後触媒
を適当な方法で濾過し製品とする。
【0018】
【実施例】以下の実施例で用いた触媒は次の方法で調製
した。 <触媒の調製法>合成ゼオライトに担持された銅−第4
周期遷移金属元素−第8属白金族元素の3元触媒を以下
の様に調製した。1リットルのフラスコに合成ゼオライ
トを仕込み、次に硝酸銅と硝酸ニッケル及び塩化ルテニ
ウムを各金属原子のモル比でCu:Ni:Ru=4:1:0.01
となるように水に溶解し、撹拌しながら昇温した。90℃
で10%Na2CO3水溶液を徐々に滴下した。1時間の熟成の
後、沈澱物を濾過・水洗し、80℃で10時間乾燥後、 600
℃で3時間焼成した。得られた金属酸化物の担体に対す
る担持量は50重量%である(触媒A)。 同様に、Cu:Ni=4:1(金属原子モル比)組成の触媒
を調製した(触媒B)。
【0019】実施例1及び比較例1 1リットルの4つ口フラスコにステアリルアルコール
(花王(株)製カルコール80)600 gと触媒A 1.2g
(対原料アルコール 0.2重量%)を仕込み、撹拌しなが
ら系内を窒素で置換し昇温を開始した。100 ℃に達した
ら、水素ガスを流量計を用いて、40L/hrの流速で系内
に吹込み反応開始温度 180℃まで昇温した。この温度で
ジメチルアミンガスの導入を開始し、反応率(原料アル
コールの転化率)が30%になった時点で反応温度を190
℃にし、更に反応率が70%になったところで反応温度を
200 ℃まで昇温し、反応率が99%以上になるまでこの温
度を保持した。反応後、反応終了品から触媒を濾過して
取り除き、その後、活性炭処理、蒸留精製を行い、 N,N
−ジメチルステアリルアミンを得た。
【0020】また比較例として、反応温度を開始から終
了まで 200℃で行い、上記サンプルとの品質比較を行っ
た。
【0021】品質比較の方法としては、30℃、空気中で
1ケ月間保管し、保存後の外観、特に濁り物質生成の有
無について調査した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2,3,4,5及び比較例2,3,
4,5 出発原料アルコールとして、ステアリルアルコールの代
わりにラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレ
イルアルコール、ゲルベアルコール(総炭素数28)を用
い、反応温度を表2に示すように段階的に上昇させて実
施例1と同様に第3級アミンを製造した。また、比較例
2〜5では反応温度を開始から終了まで200℃で行っ
た。
【0024】得られた第3級アミンの品質比較を実施例
1と同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上の結果から、アルキルアルコール又
はアルケニルアルコールとジアルキルアミンとを、銅−
第4周期遷移金属元素触媒あるいは銅−第4周期遷移金
属元素−第8属白金族元素触媒の存在下、常圧ないし9.
8MPaの水素雰囲気下で反応させる際、本発明にて示され
る上記条件(イ)及び(ロ)にて行えば高品質な第3級
アミンを製造できることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 211/21 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 321X Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 AC52 BA05 BA07 BA21 BA23 BA24 BA25 BA26 BC10 BC11 BC32 BE20 4H039 CA71 CD10 CD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜36のアルキ
    ルアルコール又はアルケニルアルコールと総炭素数が2
    〜4のジアルキルアミンとを、第8属白金族元素が存在
    してもよい、銅及び第4周期遷移金属元素からなる触媒
    の存在下、常圧ないし9.8MPaの水素雰囲気下、下記の条
    件(イ)及び(ロ)にて反応させる、第3級アミンの製
    造法。条件 (イ)10≦X≦100 において (42.9203 logX+97.0797)≦T≦(42.9203 logX+157.
    0797) 〔式中、T;反応温度(℃) X;アルキルアルコール又はアルケニルアルコールを基
    準とした反応率(%)を示す。〕 (ロ)(Tmax −Tmin )≧5℃ 〔式中、Tmax :10≦X≦100 におけるTの最高温度 Tmin :10≦X≦100 におけるTの最低温度を示す。〕
  2. 【請求項2】 条件(イ)における反応温度Tが連続的
    及び/又は段階的に上昇させるものである、請求項1記
    載の第3級アミンの製造法。
  3. 【請求項3】 触媒が下記条件(ハ)及び(ニ)を満足
    する触媒である請求項1又は2記載の第3級アミンの製
    造法。条件 (ハ)金属原子のモル比で、(銅)/(第4周期遷移金
    属元素)=1/9〜9/1 (ニ)金属原子のモル比で、(第8属白金族元素)/
    〔(銅)+第4周期遷移金属元素)〕=0〜0.1
  4. 【請求項4】 第4周期遷移金属元素が、ニッケル及び
    亜鉛から選択される少なくとも一種であり、第8属白金
    族元素が白金、パラジウム、ルテニウム及びロジウムか
    ら選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の第3級アミンの製造法。
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