JP3265508B2 - ニッケル合金触媒の製造方法及びエチレンアミンの製造方法 - Google Patents

ニッケル合金触媒の製造方法及びエチレンアミンの製造方法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル合金触媒の製
造方法及びニッケル合金触媒を使用したエチレンアミン
の製造法に関する。
【0002】ニッケル合金は脱水素,水素化,水素化分
解,還元アミノ化等に使用される有用な触媒であり、特
に水素存在下、アンモニア及び/又はエチレンアミンを
エタノ−ルアミンと反応させ、原料のアンモニア及び/
又はエチレンアミンよりエチレン鎖の数が増加したエチ
レンアミンを製造する方法において効果が見られる。
【0003】このエチレンアミンは農薬,キレート剤,
エポキシ硬化剤,湿潤紙力増強剤,潤滑油添加剤等に使
用される有用な脂肪族アミン化合物である。
【0004】
【従来の技術】合金触媒を製造する従来法として、水素
雰囲気下において加熱処理する方法が良く知られてい
る。例えば、日本化学会誌,4 (1974),P.646 にはN
i−Mo合金触媒、また日本化学会誌,7 (1974),P.1
195 にはNi−Re合金触媒を水素雰囲気下で製造する
方法が記載されている。しかし、Ni−希土類−M(M
はCu,Re,Ir,Pt,Pd,Cr,Mo,Mn,
Co,Rh,Ag,Au,Zn,Fe,Ruから選ばれ
た少なくとも1種である)においては水素雰囲気下では
合金化が困難であり、簡便な合金化方法は見られない。
【0005】一方、エチレンアミンを製造する従来法と
して、二塩化エチレンを原料とし、これにアンモニアを
反応させる方法がある。この方法は広く実施されてお
り、環状体の少ない工業的に有用な品質のエチレンアミ
ンが製造できるが、副生物として多量の食塩が生じ、こ
の分離及び処理に費用がかかるという欠点を有する。
【0006】副生成物のない製造法として、モノエタノ
−ルアミンを原料とし、水素存在下、アンモニアと反応
させる方法が広く実施されている。この方法は、触媒を
使用することが特徴であり、各種の触媒が提案されてい
る。
【0007】従来知られている触媒を列挙すると、Ni
+Cu+Cr(米国特許3151115号),Ni+F
e(米国特許3766184号),Ni+Cu(特開昭
54−88892号公報),Ni+Co+Cu(米国特
許4014933号),Ni+Re(特開昭56−10
8534号公報)等である。これらの触媒はいずれもN
iを含有しており、触媒の性能を改善するために、第
二,第三成分を添加している。しかし、これらの触媒で
は、活性、触媒寿命の点で十分ではなく工業的に満足で
きる水準にあるとはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の様にNi−希土
類−M元素(MはCu,Re,Ir,Pt,Pd,C
r,Mo,Mn,Co,Rh,Ag,Au,Zn,F
e,Ruから選ばれた少なくとも1種である)合金触媒
の調製方法において簡便に合金化する方法は知られてお
らず、また、エチレンアミンの製造法においても、従来
知られているNi系触媒よりも活性,寿命の大幅に向上
した触媒を使用したエチレンアミンの製造方法の開発が
望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの様な現
状に鑑み、希土類を含んだNi合金触媒の合金化方法に
ついて鋭意検討した結果、アルコ−ル雰囲気下で処理す
ることにより、容易に合金化するという新規な事実を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】また本発明者らはエチレンアミンの製造方
法において、このNi合金触媒が活性及び寿命に優れて
いることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明はニッケル,希土類及び
M元素(MはCu,Re,Ir,Pt,Pd,Cr,M
o,Mn,Co,Rh,Ag,Au,Zn,Fe,Ru
から選ばれた少なくとも1種である)からなる触媒成分
を、アルコ−ル雰囲気下で合金化することを特徴とする
ニッケル合金触媒の製造方法に関するものであり、ま
た、本発明は水素存在下、アンモニア及び/又はエチレ
ンアミンをエタノ−ルアミンと反応させる方法において
ニッケル合金触媒を用いて、原料のアンモニア及び/又
はエチレンアミンよりエチレン鎖の数が増加したエチレ
ンアミンを製造する方法に関するものである。
【0012】以下に、本発明を更に詳しく説明する。
【0013】はじめにニッケル合金触媒の製造法につい
て記載する。
【0014】本発明において合金化とは、ニッケルの結
晶構造の原子の位置をM原子(MはCu,Re,Ir,
Pt,Pd,Cr,Mo,Mn,Co,Rh,Ag,A
u,Zn,Fe,Ruから選ばれた少なくとも1種であ
る;以下、Mと略称する)に置換した置換型固溶体(合
金)を形成させることを意味する。合金を形成させるこ
とにより炭化ニッケルの生成(浸炭)を抑制し、Niの
凝集を抑制できる。すなわち触媒活性種の変化を抑制し
触媒寿命を延すことが可能になる。合金触媒の解析方法
として、XRD(X線回折),EXAFS(拡張X線吸
収微細構造解析法),AEA(分析電顕)のEDX(エ
ネルギ−分散X線分析),TPR(昇温還元),TPO
(昇温酸化)等が知られている。例えば,X線回折の測
定による解析方法は、理学電機(株)著,X線回折の手
引,改訂第四版に記載されている様にBraggの公式
等から格子定数を求めることにより可能である。また、
Scherrerの式からニッケルの結晶子径を求める
こともできる。一方、希土類元素はNiに対して原子半
径が大きいためニッケルとの合金化は起こらない。
【0015】本発明の方法において触媒成分とは、Ni
と希土類及びM元素からなる混合物である。本発明の方
法において、ニツケルとはニッケルの単体を意味し、希
土類元素とはスカンジウム,イットリウム,プラセオジ
ム,ネオジム,サマリウム,ユ−ロピウム,ガドリニウ
ム,テルビウム,ランタン,セリウム,ジスプロシウ
ム,ホルミウム,エルビウム,ツリウム,イッテルビウ
ム,ルテチウムの酸化物及び単体を意味する。またM元
素とは銅,レニウム,イリジウム,白金,パラジウム,
クロム,モリブデン,マンガン,コバルト,ロジウム,
銀,金,亜鉛,鉄,ルテニウムの酸化物及び単体を意味
する。
【0016】本発明の方法においてNiに添加する希土
類元素は一種で用いてもよく、二種以上による色々な組
合せで用いても一向に差し支えない。Niに対する希土
類の添加量は原子比でNi/希土類が0.5以上100
以下が好ましく、1以上80以下がさらに好ましい。
尚、希土類元素を複数で用いる場合は希土類元素の総量
が上記の範囲内であれば良い。Ni/希土類が0.5未
満あるいは100を越えると触媒の活性及び選択性は低
下する。
【0017】またNiに添加するM元素は一種で用いて
もよく、二種以上による色々な組合せで用いても一向に
差し支えない。Niに対するM元素の添加量は原子比で
Ni/Mが1以上100以下が好ましく、2以上80以
下がさらに好ましい。尚、M元素を複数で用いる場合は
M元素の総量が上記の範囲内であれば良い。Ni/Mが
0.5未満あるいは100を越えると触媒の活性及び選
択性は低下する。
【0018】本発明の方法においては、触媒の活性を向
上させるため、通常、ニッケルと希土類及びM元素を担
体に担持して使用されるが、担体に担持しなくても一向
に差し支えない。担体に担持する場合、担体としては、
シリカ,アルミナ,チタニア,ジルコニア,マグネシ
ア,カルシア,トリア,酸化ニオブ,酸化亜鉛などの金
属酸化物、シリカ−カルシア,シリカ−マグネシア,シ
リカ−アルミナ,ゼオライト,軽石,ケイソウ土,酸性
白土等の複合酸化物、炭化ケイ素,多孔質ガラスあるい
は活性炭などが使用できる。
【0019】担体にNi−希土類−M元素を担持する場
合には、Ni,希土類及びM元素を同時に担持しても、
別々に担持しても良い。担持方法については含浸法、共
沈法,沈着法,混練法などがあるが、その他の方法で調
製しても一向に差し支えない。担体に担持する際、触媒
成分はNi,希土類及びM元素の可溶性の塩又は錯体を
用い溶媒に溶解して使用しても良い。可溶性の塩又は錯
体として硝酸塩,塩化物,ふっ化物,硫酸塩,酢酸塩,
しゅう酸化物,アンモニウ塩等を挙げることができる。
【0020】本発明の方法において、Ni,希土類及び
M元素は担体に担持した後、加水分解及び/又は焼成に
より酸化物とすることができ、還元により金属とするこ
とができる。焼成及び還元の条件については、Ni,希
土類及びM元素の種類,担体の種類及び担持方法などに
よって大幅に変化するため限定することは困難である
が、あえて活性アルミナ担体を使用した場合について例
示すると、焼成温度に関しては、Ni,希土類及びM元
素の原料として硝酸塩を使用するときは、200℃以上
700℃以下が好ましい。200℃未満の温度では、N
i,希土類,M元素の硝酸塩等の分解速度が遅く、70
0℃を越える温度で焼成すると、Ni,希土類及びM元
素の凝集が起こり、活性が低くなるし、Niがニッケル
アルミネ−トとなるため、還元性が低下する。焼成の雰
囲気ガスとしては、空気,窒素などが使用できる。水素
ガスで還元する場合の還元温度に関しては、300℃以
上650℃以下が好ましい。300℃未満の温度ではN
iの還元速度が遅くなり、650℃を越える温度では、
Ni,希土類及びM元素の凝集が起こるため、触媒の活
性が低下する。ただし、活性アルミナよりも、Ni,希
土類及びM元素との相互作用の弱いシリカ,α−アルミ
ナ,ケイソウ土,ガラス等の担体を使用する場合には、
200℃以下の温度でも十分金属ニッケルに還元される
場合がある。
【0021】Ni,希土類及びM元素を担体に担持する
場合、上記の処理を施した後、アルコ−ル雰囲気下で合
金化する。
【0022】本発明の方法において、アルコ−ル雰囲気
下とは気体のアルコ−ル又は気体のアルコ−ルと希釈ガ
スを含んだ混合ガスを意味する。アルコ−ルとは炭素数
が1から5までの一級アルコ−ル,二級アルコ−ル,三
級アルコ−ル,一価アルコ−ル,二価アルコ−ル,アミ
ノアルコ−ルを意味する。例えば、メタノ−ル,エタノ
−ル,エタノ−ルアミン,エチレングリコ−ル,プロパ
ノ−ル,イソプロパノ−ル,プロパンジオ−ル,プロパ
ノ−ルアミン,ブタノ−ル,イソブタノ−ル,tert- ブ
タノ−ル,アミノブタノ−ル,ペンタノ−ル,ペンタン
ジオ−ル,アミノペンタノ−ル等を挙げることができ
る。希釈ガスとしては窒素,水素,二酸化炭素,ヘリウ
ム,アルゴン等を挙げることができる。
【0023】本発明の方法において、アルコ−ル濃度は
10%以上100%が良く、20%以上100%が好ま
しい。10%以下の濃度では合金化速度が非常に遅くな
る。
【0024】本発明の方法において、アルコ−ルの接触
時間は、ガス空間速度(GHSV;h−1)で1000
−1以上20000h−1以下が好ましい。1000
−1未満では合金化速度が遅く、20000h−1
越えると増やした効果が見られない。合金化の処理温度
は個々の触媒組成で異なるが200℃から400℃が好
ましい。200℃未満の温度では、NiへのM元素の固
溶が非常に遅く、400℃を越える温度ではM元素が相
分離して合金触媒にならない。
【0025】本発明の方法においに、合金化処理の後に
発熱を防止する目的で安定化処理を行っても良い。
【0026】次に、本発明のエチレンアミンの製造方法
について説明する。
【0027】本発明の方法において、触媒は前述したニ
ッケル合金触媒を使用する。触媒の使用量は、反応を工
業的に有意な速度で進行させるのに必要な量であればよ
い。反応形式が懸濁床か固定床かによって、使用する量
は変動するため限定することは困難であるが、懸濁床の
場合、原料の総重量に対して、0.1重量%以上20重
量%以下の触媒が通常使用される。0.1重量%未満の
場合は、十分な反応速度が得られず、20重量%を超え
ると触媒を増やした効果は小さい。
【0028】本発明の方法において使用される原料は、
エタノールアミン、アンモニア及び/又はエチレンアミ
ンである。本発明の方法において、エタノ−ルアミンと
は、エチレン鎖を有し、分子中に水酸基及びアミノ基を
有する化合物を言い、モノエタノ−ルアミン,ジエタノ
−ルアミン,トリエタノ−ルアミン,N−(2−アミノ
エチル)エタノ−ルアミン,N−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジンなどが例示される。またエチレンアミン
とは、エチレン鎖の両端にアミノ基を有する化合物を言
い、エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエ
チレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,ペンタ
エチレンヘキサミン,ピペラジン,N−(2−アミノエ
チル)ピペラジン,トリエチレンジアミンなどが例示さ
れる。アンモニアは、水を含まない状態で使用しても、
アンモニア水の状態で使用しても良い。
【0029】本発明の方法において使用される原料の組
合せは、(1)アンモニア及びエタノ−ルアミン、
(2)エチレンアミン及びエタノ−ルアミン、(3)ア
ンモニア,エチレンアミン及びエタノ−ルアミンであ
る。
【0030】本発明の方法における反応は、逐次反応で
あり、生成したアミン類がさらに原料となり反応する。
エタノ−ルアミンとしてモノエタノ−ルアミン,エチレ
ンアミンとして最も低級なエチレンジアミンを原料とし
て使用した場合は、(1)の原料の組合せでは、エチレ
ンジアミンが生成するが、生成したエチレンジアミンが
さらに反応して、ジエチレントリアミン,トリエチレン
テトラミン,ピペラジン,N−(2−アミノエチル)ピ
ペラジンも生成する。(2)の原料を用いた場合では、
ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テト
ラエチレンペンタミン,ピペラジン,N−(2−アミノ
エチル)ピペラジンが生成し、(3)の原料を用いた場
合では、エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,ト
リエチレンテトラミン,ピペラジン,N−(2−アミノ
エチル)ピペラジンが生成する。すなわち原料のアンモ
ニア,エチレンアミンよりエチレン鎖の数の増加したエ
チレンアミンが生成する。また、エチレン鎖の数が増加
したエタノ−ルアミン類も副生するが、これらも逐次反
応であるため、消費される。
【0031】本発明の方法において使用される原料の比
は、モル比で、エチレンアミン/エタノールアミンは
0.1以上20以下が好ましく、0.5以上10以下が
さらに好ましい。アンモニア/エタノ−ルアミン比は1
以上50以下が好ましく、5以上30以下がさらに好ま
しい。エタノ−ルアミンがアンモニア及びエチレンアミ
ンに比べ少なすぎると、反応圧力が高くなりすぎるため
実用的ではなく、エタノ−ルアミンがアンモニア及びエ
チレンアミンに比べ多すぎると、工業的に好ましくない
ピペラジン等の環状アミン及びエチレンアミン以外のエ
タノ−ルアミン類の副生が多くなる。
【0032】本発明の方法においては、反応は水素の存
在下に行われるが、水素の供給量はモル比で、水素/エ
タノールアミン比が0.01以上5以下が好ましく、
0.02以上4以下がさらに好ましい。この比が上記範
囲よりも小さい場合あるいは大きい場合は反応速度が低
下する。
【0033】本発明の方法においては、反応は通常11
0℃以上290℃以下、好ましくは、140℃以上26
0℃以下の温度で実施される。110℃未満の温度で
は、反応速度が著しく低く、290℃を越えると圧力が
高くなると共に、アミンの分解が生じるため実用的では
ない。
【0034】本発明の方法においては、反応は液相で実
施しても気相で実施しても良いが、高品質のエチレンア
ミンを製造するには液相で反応した方が良い。
【0035】本発明の方法においては、圧力は、原料,
反応温度などによって大きく変動するため限定すること
は困難であるが、エタノ−ルアミン及びエチレンアミン
を液相で維持できる圧力であれば良い。
【0036】本発明の方法においては、溶媒を使用する
こともできる。溶媒としては、エチレンアミン及びアン
モニアを溶解できるものが良く、水,ジオキサン,ジエ
チレングリコ−ルジメチルエ−テル,トリエチレングリ
コ−ルジメチルエ−テル等が例示できるが、その他の溶
媒を使用しても一向に差し支えない。
【0037】本発明の方法においては、反応方法に特に
制限はない。懸濁床による回分,半回分,連続反応、あ
るいは固定床,流動床,移動床による連続反応のいずれ
を実施しても一向に差支えない。
【0038】本発明の方法においては、通常、反応液は
触媒と分離した後、未反応の原料を蒸留によって分離、
回収する。また生成したエチレンアミンも蒸留によって
各成分に分離される。蒸留はバッチ式で実施しても連続
式で実施しても一向に差支えない。
【0039】本発明の方法においては、原料及び生成し
たエチレンアミンは必要に応じて再び反応帯域に循環す
ることができる。生成したエチレンアミンを反応帯域に
循環することにより、エチレンアミンの生成物組成を変
化させることが可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明は、ニッケル,希土類元素並びに
M元素(MはCu,Re,Ir,Pt,Pd,Cr,M
o,Mn,Co,Rh,Ag,Au,Zn,Fe,Ru
から選ばれた少なくとも1種である)からなる触媒成分
をアルコ−ル雰囲気下で容易に合金化する方法を提供す
るものである。また、エタノ−ルアミンからエチレンア
ミンを製造する方法において、高活性かつ長寿命のニッ
ケル合金触媒を使用する方法を提供するものであり、工
業的に極めて有用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例にて説明する
が、本発明はこれらの実施例にのみ特に限定されるもの
ではない。
【0042】表現を簡略化のためエチレンアミン及びエ
タノ−ルアミンは以下のような記号で略記する。
【0043】EDA ;エチレンジアミン DETA ;ジエチレントリアミン TETA ;トリエチレンテトラミン TEPA ;テトラエチレンペンタミン PIP ;ピペラジン AEP ;N−(2−アミノエチル)ピペラジン MEA ;モノエタノールアミン AEEA ;N−(2−アミノエチル)エタノールアミ
ン また、以下の実施例中で示す選択率及び活性低下率は次
式で表される。
【0044】 実施例1 9.91gの硝酸ニッケル(II)・六水和物と0.8
6gの硝酸イットリウム(III)・六水和物と0.7
6gの硝酸銅(II)三水和物を5gの水に溶解し、こ
れに15.2gの活性アルミナ成型体(球状,住友化学
(株)製)を1時間浸漬した。これを湯浴上の蒸発皿で
蒸発乾固後、120℃で一晩乾燥した。次に200ml
/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼成し
た。焼成後、9.91gの硝酸ニッケル(II)・六水
和物と0.86gの硝酸イットリウム(III)・六水
和物と0.76gの硝酸銅(II)三水和物5gの水に
溶解した液に再び浸漬した。これを湯浴上の蒸発皿で蒸
発乾固した後120℃で一晩乾燥した。次に200ml
/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼成し
た。焼成後、30ml/minの水素及び30ml/m
inの窒素ガスの流通下、500℃で2時間還元した。
得られた還元触媒から6gを秤量し、0.32cc/m
inのエタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからな
る混合ガス流通下、250℃で4時間合金化処理を行っ
た。
【0045】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Aとす
る。この触媒AのNi担持量は20wt%であり、Ni
/Yの原子比は15.2、Ni/Cuの原子比は10.
8であった。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケル
の111面の回折ピーク(2θ)は43.28゜と合金
化処理しない場合に比べて低角度側にシフトしていた。
また、Scherrerの式からニッケルの結晶子径を
求めると、9.5nmであった。
【0046】実施例2 硝酸銅(II)三水和物の代りに過レニウム酸アンモニ
ウム及びエタノ−ルの代りにメタノ−ルを用いた以外
は、実施例1と同じ方法で触媒Bを調製した。調製法を
具体的に記す。
【0047】9.91gの硝酸ニッケル(II)・六水
和物と0.86gの硝酸イットリウム(III)・六水
和物と0.29gの過レニウム酸アンモニウムを5gの
水に溶解し、これに15.2gの活性アルミナ成型体
(球状,住友化学(株)製)を1時間浸漬した。これを
湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固後、120℃で一晩乾燥し
た。次に200ml/minの乾燥空気流通下、400
℃で1時間焼成した。焼成後、9.91gの硝酸ニッケ
ル(II)・六水和物と0.86gの硝酸イットリウム
(III)・六水和物と0.29gの過レニウム酸アン
モニウムを5gの水に溶解した液に再び浸漬した。これ
を湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固した後120℃で一晩乾燥
した。次に200ml/minの乾燥空気流通下、40
0℃で1時間焼成した。焼成後、30ml/minの水
素及び30ml/minの窒素ガスの流通下、500℃
で2時間還元した。得られた還元触媒から6gを秤量
し、0.16cc/minのメタノ−ルと60cc/m
inの窒素ガスからなる混合ガス流通下、250℃で2
時間合金化処理を行った。
【0048】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Bとす
る。この触媒BのNi担持量は20wt%であり、Ni
/Yの原子比は15.2、Ni/Reの原子比は31.
7であった。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケル
の111面の回折ピーク(2θ)は43.45゜と合金
化処理しない場合に比べて低角度側にシフトしていた。
また、Scherrerの式からニッケルの結晶子径を
求めると、7.0nmであった。
【0049】実施例3 過レニウム酸アンモニウムの代りにテトラアンミン白金
(II)塩化物・一水和物を用いた以外は、実施例2と
同じ方法で触媒Cを調製した。調製法を具体的に記す。
【0050】29.73gの硝酸ニッケル(II)・六
水和物と1.29gの硝酸イットリウム(III)・六
水和物と1.08gのテトラアンミン白金(II)塩化
物・一水和物を15gの水に溶解し、これに46.8g
の活性アルミナ成型体(球状,住友化学(株)製)を2
時間浸漬した。これを湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固後、1
20℃で一晩乾燥した。次に600ml/minの乾燥
空気流通下、400℃で2時間焼成した。焼成後、2
9.73gの硝酸ニッケル(II)・六水和物と1.2
9gの硝酸イットリウム(III)・六水和物と1.0
8gのテトラアンミン白金(II)塩化物・一水和物を
15gの水に溶解し、これに46.8gの活性アルミナ
成型体(球状,住友化学(株)製)を2時間浸漬した。
これを湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固後、120℃で一晩乾
燥した。次に600ml/minの乾燥空気流通下、4
00℃で2時間焼成した。焼成後、90ml/minの
水素及び90ml/minの窒素ガスの流通下、500
℃で3時間還元して還元触媒Aを得た。この還元触媒A
のNi担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は
30.3、Ni/Ptの原子比は54.2であった。得
られた還元触媒Aから6gを秤量して、0.16cc/
minのメタノ−ルと90cc/minの窒素ガスから
なる混合ガス流通下、300℃で4時間合金化処理を行
った。
【0051】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Cとす
る。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111
面の回折ピーク(2θ)は43.19゜と合金化処理し
ない場合に比べて低角度側にシフトしていた。また、S
cherrerの式からニッケルの結晶子径を求める
と、7.3nmであった。
【0052】実施例4 過レニウム酸アンモニウムの代りに四塩化イリジウムを
用いた以外は、実施例2と同じ方法で触媒Dを調製し
た。調製法を具体的に記す。
【0053】9.91gの硝酸ニッケル(II)・六水
和物と0.86gの硝酸イットリウム(III)・六水
和物と0.35gの四塩化イリジウムを5gの水に溶解
し、これに15.2gの活性アルミナ成型体(球状,住
友化学(株)製)を1時間浸漬した。これを湯浴上の蒸
発皿で蒸発乾固後、120℃で一晩乾燥した。次に20
0ml/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼
成した。焼成後、9.91gの硝酸ニッケル(II)・
六水和物と0.86gの硝酸イットリウム(III)・
六水和物と0.35gの四塩化イリジウムを5gの水に
溶解した液に再び浸漬した。これを湯浴上の蒸発皿で蒸
発乾固した後120℃で一晩乾燥した。次に200ml
/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼成し
た。焼成後、30ml/minの水素及び30ml/m
inの窒素ガスの流通下、500℃で2時間還元した。
得られた還元触媒から6gを秤量し、0.32cc/m
inのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからな
る混合ガス流通下、310℃で6時間合金化処理を行っ
た。
【0054】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Dとす
る。この触媒DのNi担持量は20wt%であり、Ni
/Yの原子比は15.2、Ni/Irの原子比は32.
7であった。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケル
の111面の回折ピーク(2θ)は43.33゜と合金
化処理しない場合に比べて低角度側にシフトしていた。
また、Scherrerの式からニッケルの結晶子径を
求めると、8.2nmであった。
【0055】実施例5 過レニウム酸アンモニウムの代りに硝酸パラジウム(I
II)を用いた以外は、実施例2と同じ方法で触媒Eを
調製した。
【0056】調製法を具体的に記す。9.91gの硝酸
ニッケル(II)・六水和物と0.86gの硝酸イット
リウム(III)・六水和物と0.43gの硝酸パラジ
ウムを5gの水に溶解し、これに15.2gの活性アル
ミナ成型体(球状,住友化学(株)製)を1時間浸漬し
た。次に湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固した後120℃で一
晩乾燥した。乾燥後、200ml/minの乾燥空気流
通下、400℃で1時間焼成した。焼成後、9.91g
の硝酸ニッケル(II)・六水和物と0.86gの硝酸
イットリウム(III)・六水和物と0.43gの硝酸
パラジウムを5gの水に溶解した液に再び浸漬した。こ
れを湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固した後120℃で一晩乾
燥した。次に200ml/minの乾燥空気流通下、4
00℃で1時間焼成した。焼成後、30ml/minの
水素及び30ml/minの窒素ガスの流通下、500
℃で2時間還元した。得られた還元触媒から6gを秤量
し、0.10cc/minのメタノ−ルと60cc/m
inの窒素ガスからなる混合ガス流通下、250℃で3
時間合金化処理を行った。
【0057】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Eとす
る。この触媒EのNi担持量は20wt%であり、Ni
/Yの原子比は15.2、Ni/Pdの原子比は18.
1であった。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケル
の111面の回折ピーク(2θ)は43.31゜であ
り、Scherrerの式からニッケルの結晶子径を求
めると、9.3nmであった。 実施例6過レニウム酸
アンモニウムの代りに硝酸クロム(III)九水和物を
用いた以外は、実施例2と同じ方法で触媒Fを調製し
た。合金化処理は、0.32cc/minのメタノ−ル
と30cc/minの窒素ガスからなる混合ガス流通
下、300℃で5時間行った。この触媒FのNi担持量
は20wt%であり、Ni/Yの原子比は30.3、N
i/Crの原子比は8.9であった。触媒のX線回折を
測定した結果,ニッケルの111面の回折ピーク(2
θ)は43.25゜であり、Scherrerの式から
ニッケルの結晶子径を求めると、10.6nmであっ
た。
【0058】実施例7 過レニウム酸アンモニウムの代りにモリブデン酸アンモ
ニウム四水和物を用いた以外は、実施例2と同じ方法で
触媒Gを調製した。合金化処理は、0.32cc/mi
nのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからなる
混合ガス流通下、330℃で8時間行った。この触媒G
のNi担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は
15.2、Ni/Moの原子比は16.3であった。触
媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回
折ピーク(2θ)は43.31゜であり、Scherr
erの式からニッケルの結晶子径を求めると、11.0
nmであった。
【0059】実施例8 過レニウム酸アンモニウムの代りに硝酸マンガン(I
I)九水和物を用いた以外は、実施例2と同じ方法で触
媒Hを調製した。合金化処理は、0.32cc/min
のメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからなる混
合ガス流通下、300℃で7時間行った。この触媒Hの
Ni担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は1
5.2、Ni/Mnの原子比は18.7であった。触媒
のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回折
ピーク(2θ)は43.48゜であり、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると、9.7nm
であった。
【0060】実施例9 硝酸イットリウム(III)六水和物の代りに硝酸イッ
テルビウム(III)四水和物及び過レニウム酸アンモ
ニウムの代りに硝酸コバルト(II)九水和物を用いた
以外は、実施例2と同じ方法で触媒Iを調製した。合金
化処理は、0.32cc/minのメタノ−ルと30c
c/minの窒素ガスからなる混合ガス流通下、290
℃で6時間行った。この触媒IのNi担持量は20wt
%であり、Ni/Ybの原子比は29.5、Ni/Co
の原子比は20.1であった。触媒のX線回折を測定し
た結果,ニッケルの111面の回折ピーク(2θ)は4
3.41゜であり、Scherrerの式からニッケル
の結晶子径を求めると、10.4nmであった。
【0061】実施例10 硝酸コバルト(II)九水和物の代りに塩化ロジウム
(III)三水和物を用いた以外は、実施例9と同じ方
法で触媒Jを調製した。合金化処理は、0.32cc/
minのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスから
なる混合ガス流通下、290℃で6時間行った。この触
媒JのNi担持量は20wt%であり、Ni/Ybの原
子比は29.5、Ni/Rhの原子比は17.5であっ
た。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111
面の回折ピーク(2θ)は43.48゜であり、Sch
errerの式からニッケルの結晶子径を求めると、
8.8nmであった。
【0062】実施例11 硝酸イットリウム(III)六水和物の代りに硝酸サマ
リウム(III)六水和物及び過レニウム酸アンモニウ
ムの代りに硝酸銀(I)を用いた以外は、実施例2と同
じ方法で触媒Kを調製した。合金化処理は、0.32c
c/minのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガス
からなる混合ガス流通下、280℃で5時間行った。こ
の触媒KのNi担持量は20wt%であり、Ni/Sm
の原子比は25.6、Ni/Agの原子比は18.4で
あった。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの1
11面の回折ピーク(2θ)は43.44゜であり、S
cherrerの式からニッケルの結晶子径を求める
と、7.8nmであった。
【0063】実施例12 硝酸マンガン(II)九水和物の代りに塩化金(II
I)酸四水和物を用いた以外は、実施例8と同じ方法で
触媒Lを調製した。合金化処理は、0.32cc/mi
nのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからなる
混合ガス流通下、290℃で5時間行った。この触媒L
のNi担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は
10.1、Ni/Auの原子比は33.6であった。触
媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回
折ピーク(2θ)は43.22゜であり、Scherr
erの式からニッケルの結晶子径を求めると、11.4
nmであった。
【0064】実施例13 硝酸マンガン(II)九水和物の代りに硝酸亜鉛六水和
物を用いた以外は、実施例8と同じ方法で触媒Mを調製
した。合金化処理は、0.32cc/minのメタノ−
ルと30cc/minの窒素ガスからなる混合ガス流通
下、300℃で4時間行った。この触媒MのNi担持量
は20wt%であり、Ni/Yの原子比は15.2、N
i/Znの原子比は11.1であった。触媒のX線回折
を測定した結果,ニッケルの111面の回折ピーク(2
θ)は43.19゜であり、Scherrerの式から
ニッケルの結晶子径を求めると、9.5nmであった。
【0065】実施例14 硝酸マンガン(II)九水和物の代りに硝酸鉄(II
I)九水和物を用いた以外は、実施例8と同じ方法で触
媒Nを調製した。合金化処理は、0.32cc/min
のメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスからなる混
合ガス流通下、310℃で7時間行った。この触媒Nの
Ni担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は1
5.2、Ni/Feの原子比は19.0であった。触媒
のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回折
ピーク(2θ)は43.89゜であり、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると、8.3nm
であった。
【0066】実施例15 硝酸マンガン(II)九水和物の代りに塩化ルテニウム
(III)n水和物を用いた以外は、実施例8と同じ方
法で触媒Oを調製した。合金化処理は、0.32cc/
minのメタノ−ルと30cc/minの窒素ガスから
なる混合ガス流通下、300℃で9時間行った。この触
媒OのNi担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子
比は15.2、Ni/Ruの原子比は34.4であっ
た。触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111
面の回折ピーク(2θ)は43.90゜であり、Sch
errerの式からニッケルの結晶子径を求めると、1
0.1nmであった。
【0067】実施例16 実施例3で調製した還元触媒Aを用い、0.16cc/
minのエタノ−ルと90cc/minの窒素ガスから
なる混合ガス流通下、300℃で6時間合金化処理を行
った。この触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの
111面の回折ピーク(2θ)は43.23゜であり、
Scherrerの式からニッケルの結晶子径を求める
と、7.8nmであった。
【0068】実施例17 エタノ−ルの代りにイソプロパノ−ルを用いた以外は、
実施例16と同じ方法で触媒Qを調製した。この触媒Q
のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回折
ピーク(2θ)は43.50゜であり、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると、8.1nm
であった。
【0069】実施例18 エタノ−ルの代りにブタノ−ルを用いた以外は、実施例
16と同じ方法で触媒Rを調製した。この触媒RのX線
回折を測定した結果,ニッケルの111面の回折ピーク
(2θ)は43.35゜であり、Scherrerの式
からニッケルの結晶子径を求めると、7.8nmであっ
た。
【0070】実施例19 エタノ−ルの代りにモノエタノ−ルアミンを用いた以外
は、実施例16と同じ方法で触媒Sを調製した。この触
媒SのX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の
回折ピーク(2θ)は43.29゜であり、Scher
rerの式からニッケルの結晶子径を求めると、8.2
nmであった。
【0071】実施例20 エタノ−ルの代りにプロパノ−ルアミンを用いた以外
は、実施例16と同じ方法で触媒Tを調製した。この触
媒TのX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の
回折ピーク(2θ)は43.33゜であり、Scher
rerの式からニッケルの結晶子径を求めると、8.6
nmであった。
【0072】実施例21 44.9gの硫酸ニッケル(II)・六水和物及び1.
40gの硝酸イッテルビウム(III)・四水和物を2
00gの水に溶解させ、6gのケイソウ土(Johns-Manv
ille社製)を加えて撹拌しながら70℃に保った。これ
に40gのソ−ダ灰を150gの水に加熱溶解した溶液
を30分かけて滴下し、1時間熟成した。熟成後、室温
まで冷却し、沈殿をろ過、水洗した。0.81gの過レ
ニウム酸アンモニウムを30gの水に溶解させた溶液に
この沈殿を加えて均一スラリ−にした。次に湯浴上で蒸
発乾固した後120℃で一晩乾燥した。乾燥後、200
ml/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼成
した。次に、90ml/minの水素及び90ml/m
inの窒素ガスの流通下、400℃で2時間還元した。
得られた還元触媒から10gを秤量し、0.16cc/
minのメタノ−ルと60cc/minの窒素ガスから
なる混合ガス流通下、270℃で4時間合金化処理を行
った。
【0073】焼成、還元、合金化処理の際は、昇温速度
は10℃/minとした。得られた触媒を触媒Uとす
る。この触媒UのNi担持量は58.5wt%であり、
Ni/Ybの原子比は53.1、Ni/Reの原子比は
57.2であった。触媒のX線回折を測定した結果,ニ
ッケルの111面の回折ピーク(2θ)は43.56゜
と合金化処理しない場合に比べて低角度側にシフトして
いた。また、Scherrerの式からニッケルの結晶
子径を求めると、6.9nmであった。
【0074】比較例1 4.96gの硝酸ニッケル(II)・六水和物と0.4
3gの硝酸イットリウム(III)・六水和物と0.3
8gの硝酸銅(II)三水和物を2.5gの水に溶解
し、これに7.6gの活性アルミナ成型体(球状,住友
化学(株)製)を1時間浸漬した。これを湯浴上の蒸発
皿で蒸発乾固後、120℃で一晩乾燥した。次に200
ml/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間焼成
した。焼成後、4.96gの硝酸ニッケル(II)・六
水和物と0.43gの硝酸イットリウム(III)・六
水和物と0.38gの硝酸銅(II)三水和物を2.5
gの水に溶解した液に再び浸漬した。これを湯浴上の蒸
発皿で蒸発乾固した後120℃で一晩乾燥した。次に2
00ml/minの乾燥空気流通下、400℃で1時間
焼成した。焼成後、30ml/minの水素及び30m
l/minの窒素ガスの流通下、500℃で2時間還元
した。焼成、還元の際は、昇温速度は10℃/minと
した。得られた触媒を比較触媒Aとする。この比較触媒
AのNi担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比
は15.2、Ni/Cuの原子比は10.8であった。
触媒のX線回折を測定した結果,ニッケルの111面の
回折ピーク(2θ)は44.46゜であった。また、S
cherrerの式からニッケルの結晶子径を求める
と、9.1nmであった。
【0075】比較例2 硝酸イットリウム(III)・六水和物を用いない以外
は、比較例1と同様な方法で比較触媒Bを調製した。調
製法を具体的に記す。
【0076】4.96gの硝酸ニッケル(II)・六水
和物と0.38gの硝酸銅(II)三水和物を2.5g
の水に溶解し、これに7.8gの活性アルミナ成型体
(球状,住友化学(株)製)を1時間浸漬した。これを
湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固後、120℃で一晩乾燥し
た。次に200ml/minの乾燥空気流通下、400
℃で1時間焼成した。焼成後、4.96gの硝酸ニッケ
ル(II)・六水和物と0.38gの硝酸銅(II)三
水和物を2.5gの水に溶解した液に再び浸漬した。こ
れを湯浴上の蒸発皿で蒸発乾固した後120℃で一晩乾
燥した。次に200ml/minの乾燥空気流通下、4
00℃で1時間焼成した。焼成後、30ml/minの
水素及び30ml/minの窒素ガスの流通下、500
℃で2時間還元した。焼成、還元の際は、昇温速度は1
0℃/minとした。得られた触媒を比較触媒Bとす
る。この比較触媒BのNi担持量は20wt%であり、
Ni/Cuの原子比は10.8であった。比較触媒Bの
X線回折を測定した結果,ニッケルの111面の回折ピ
ーク(2θ)は44.44゜であった。また、Sche
rrerの式からニッケルの結晶子径を求めると、1
2.6nmであった。
【0077】比較例3 硝酸銅(II)三水和物を用いない以外は、比較例1と
同様な方法で比較触媒Cを調製した。この比較触媒Cの
Ni担持量は20wt%であり、Ni/Yの原子比は1
5.2であった。比較触媒CのX線回折を測定した結
果,ニッケルの111面の回折ピーク(2θ)は44.
60゜であった。また、Scherrerの式からニッ
ケルの結晶子径を求めると、9.2nmであった。
【0078】比較例4 硝酸イットリウム(III)・六水和物と硝酸銅(I
I)三水和物を用いない以外は、比較例1と同じ方法で
比較触媒Dを調製した。この比較触媒DのNi担持量は
20wt%であった。触媒のX線回折を測定した結果,
ニッケルの111面の回折ピーク(2θ)は44.40
゜であった。また、Scherrerの式からニッケル
の結晶子径を求めると、14.7nmであった。
【0079】実施例22 200mlの電磁撹拌式ステンレス製オートクレーブに
30gのMEA及び実施例1で調製した触媒Aを3g入
れ、水素置換した後、54gのアンモニアを添加し、室
温下で水素分圧が20kg/cmになるように、水素
を導入した。その後、撹拌回転数を500rpmにして
200℃に昇温し、3時間この温度に維持して1回目反
応を行なった。反応終了後、反応液をガスクロマトグラ
フィにより分析した。1回目のMEA転化率は51.5
%であり、選択率に関しては、EDAが54.3%,P
IPが11.1%,DETAが14.2%,AEEAが
10.2%,AEPが1.0%,TETAが2.0%,
TEPAが0.3%であった。次に、引続きオ−トクレ
−ブに触媒を残したまま1回目と同様の原料をオ−トク
レ−ブに仕込み2回目の反応を実施した。更に反応を繰
り返して5回実施した。その反応結果を表1に示す。繰
返し反応後の触媒のX線回折を測定した結果、Sche
rrerの式からニッケルの結晶子径を求めると10.
2nmであった。また活性低下率は21.4%であっ
た。
【0080】
【表1】 比較例5 触媒Aの代りに比較例1で調製した比較触媒Aを使用し
た他は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回
行った。その反応結果を表2に示す。繰返し反応後の触
媒のX線回折を測定した結果、Scherrerの式か
らニッケルの結晶子径を求めると11.6nmであっ
た。また、活性低下率は31.5%であった。
【0081】
【表2】 比較例6 触媒Aの代りに比較例2で調製した比較触媒Bを使用し
た他は実施例22と全く同じ方法で反応を行った。ME
A転化率は39.3%であり、選択率に関しては、ED
Aが51.3%,PIPが5.4%,DETAが5.6
%,AEEAが23.7%,AEPが0.3%,TET
Aが1.8%,TEPAが0.2%であった。
【0082】比較例7 触媒Aの代りに比較例3で調製した比較触媒Cを使用し
た他は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回
行った。繰返し反応後の触媒のX線回折を測定した結
果、ニッケルの111面の回折ピーク(2θ)は44.
70゜であり、浸炭による炭化ニッケルのみが観測され
た。また、Scherrerの式からニッケルの結晶子
径を求めると12.9nmであった。
【0083】比較例8 触媒Aの代りに比較例4で調製した比較触媒Dを使用し
た他は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回
行った。繰返し反応後の触媒のX線回折を測定した結
果、ニッケルの111面の回折ピーク(2θ)は44.
68゜であり、浸炭による炭化ニッケルのみが観測され
た。また、Scherrerの式からニッケルの結晶子
径を求めると16.9nmであった。
【0084】実施例23 触媒Aの代りに実施例2で調製した触媒Bを使用した他
は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回行っ
た。その反応結果を表3に示す。繰返し反応後の触媒の
X線回折を測定した結果、ニッケルの111面の回折ピ
ーク(2θ)は43.44゜であり、浸炭による炭化ニ
ッケルの生成は見られなかった。また、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると6.7nmで
あった。活性低下率は12.8%であった。
【0085】実施例24 触媒Aの代りに実施例3で調製した触媒Cを使用した他
は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回行っ
た。その反応結果を表3に示す。繰返し反応後の触媒の
X線回折を測定した結果、ニッケルの111面の回折ピ
ーク(2θ)は43.21゜であり、浸炭による炭化ニ
ッケルの生成は見られなかった。また、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると7.2nmで
あった。活性低下率は11.5%であった。
【0086】実施例25 触媒Aの代りに実施例4で調製した触媒Dを使用した他
は実施例22と全く同じ方法で繰り返し反応を5回行っ
た。その反応結果を表3に示す。繰返し反応後の触媒の
X線回折を測定した結果、ニッケルの111面の回折ピ
ーク(2θ)は43.25゜であり、浸炭による炭化ニ
ッケルの生成は見られなかった。また、Scherre
rの式からニッケルの結晶子径を求めると8.3nmで
あった。活性低下率は9.1%であった。
【0087】
【表3】 実施例26 触媒Aの代りに実施例16〜20で調製した触媒P,触
媒Q,触媒R,触媒S,触媒Tを使用した他は実施例2
2と全く同じ方法で繰り返し反応を5回行った。その反
応結果を表4に示す。
【0088】
【表4】 実施例27 200mlの電磁撹拌式ステンレス製オートクレーブに
60gのEDA,30gのMEA及び実施例3で調製し
た触媒Cを1.5g入れ、水素置換した後、室温下で水
素分圧が20kg/cmになるように、水素を導入し
た。その後、撹拌回転数を500rpmにして200℃
に昇温し、3時間この温度に維持した。反応終了後、反
応液をガスクロマトグラフイ−により分析した。その結
果、MEA転化率が38.4%であり、原料及び生成水
を除いた生成物の組成は、PIPが19.1wt%%,
DETAが61.2wt%,AEEAが8.1wt%,
AEPが3.2wt%,TETAが8.3wt%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07C 209/16 C07C 209/16 211/05 211/05 B01J 23/84 311Z

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル,希土類元素及びM元素(MはC
    u,Re,Ir,Pt,Pd,Cr,Mo,Mn,C
    o,Rh,Ag,Au,Zn,Fe及びRuから選ばれ
    た少なくとも一種である)からなる触媒成分を、アルコ
    −ル雰囲気下で合金化することを特徴とするニッケル合
    金触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法で製造したニッケル
    合金を触媒とし、水素存在下、アンモニア及び/又はエ
    チレンアミンをエタノ−ルアミンと反応させ、原料のア
    ンモニア及び/又はエチレンアミンよりエチレン鎖の数
    が増加したエチレンアミンを製造する方法。
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