JP2001151264A - オーバーラップフィルム - Google Patents

オーバーラップフィルム

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JP2001151264A
JP2001151264A JP33598899A JP33598899A JP2001151264A JP 2001151264 A JP2001151264 A JP 2001151264A JP 33598899 A JP33598899 A JP 33598899A JP 33598899 A JP33598899 A JP 33598899A JP 2001151264 A JP2001151264 A JP 2001151264A
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layer
overlap
heat
barrier layer
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Osamu Tokinoya
修 時野谷
Kenichi Kaneko
健一 金子
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却時に塩素系有害ガスを発生することなく、
十分な保香性及び防湿性を有するオーバーラップフィル
ムを提供すること。 【解決手段】本発明のオーバーラップフィルムは、基材
フィルム、前記基材フィルムの一方もしくは両面上に設
けられ、無機層状化合物と樹脂とを含有するバリア層、
及び前記バリア層上に密着層を介して設けられた、ヒー
トシール剤を塗布してなるヒートシール層を具備するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料に係り、
特に、菓子類や煙草を収容する紙箱等の上包みに適した
オーバーラップフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガムやチョコレートのような菓子類や煙
草等を包装する紙箱(カートン)の多くは、十分な保香
性及び防湿性を得るために、二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムをベースとした透明フィルムでオーバーラップ
(上包み)されている。
【0003】二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、防湿
性、風合い及び腰等の観点からオーバーラップフィルム
として適していると考えられるが、保香性に関しては不
十分である。そのため、従来、二軸延伸ポリプロピレン
フィルムをオーバーラップフィルムとして使用する場
合、その両面に塩化ビニリデン(以下、PVDCとい
う)のコーティングを施していた。
【0004】PVDCをコートした二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムによると、十分な保香性を得ることができ
る。また、PVDCはヒートシール性を有しているの
で、フィルムに別途ヒートシール層を形成する必要がな
い。
【0005】しかしながら、PVDCを用いたフィルム
は、可燃ごみとして処分した場合に環境を汚染するおそ
れがある。すなわち、PVDCは塩素系材料であるた
め、上記PVDCを用いたオーバーラップフィルムは、
焼却時にダイオキシン類のような塩素系有害ガスを発生
するおそれがあるのである。
【0006】このような有害ガスの発生を防止するため
に、オーバーラップフィルムとしてPVDCをコートし
た二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いずに、これを
他のフィルムで代替することが求められている。そのよ
うなフィルムとして、例えば、両面に低融点オレフィン
樹脂層が形成されたヒートシール二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムや、両面にアクリルのようなヒートシール性
を有するラッカーをコーティングした二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム等が使用されつつある。
【0007】しかしながら、これらフィルムのいずれ
も、保香性及び防湿性のいずれかに関して不十分であ
る。すなわち、焼却時に塩素系有害ガスを発生すること
がなく、十分な保香性と防湿性とを兼ね備えたオーバー
ラップフィルムは未だ見出されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
オーバーラップフィルムは焼却時に塩素系有害ガスを発
生する、或いは保香性及び防湿性のいずれかが不十分で
あるという問題を有している。本発明は、焼却時に塩素
系有害ガスを発生することなく、十分な保香性及び防湿
性を有するオーバーラップフィルムを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、請求項1の発明は、
基材フィルム、前記基材フィルムの一方の面上に設けら
れ、無機層状化合物と樹脂とを含有するバリア層、及び
前記バリア層上に密着層を介して設けられた、ヒートシ
ール剤を塗布してなるヒートシール層を具備することを
特徴とするオーバーラップフィルムである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の発明
に基づき、前記基材フィルムは、前記他方の面がヒート
シール性を有するヒートシール性フィルムであることを
特徴とするオーバーラップフィルムである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1に記載の発明
に基づき、前記基材フィルムの他方の面上に、ヒートシ
ール剤を塗布してなるヒートシール層をさらに具備する
ことを特徴とするオーバーラップフィルムである。
【0012】請求項4の発明は、前記基材フィルムの両
方の面上に設けられ、無機層状化合物と樹脂とを含有す
るバリア層、及び前記バリア層上に密着層を介して設け
られた、ヒートシール剤を塗布してなるヒートシール層
を具備することを特徴とするオーバーラップフィルムで
ある。
【0013】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の発明に基づき、前記基材フィルムと前記
バリア層との間に、前記基材フィルムの表面状態を改質
する改質層を具備することを特徴とするオーバーラップ
フィルムである。
【0014】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の発明に基づき、前記基材フィルムの一方
の面側に、表面の帯電を防止する帯電防止層を最上層と
して具備することを特徴とするオーバーラップフィルム
である。
【0015】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の発明に基づき、前記無機層状化合物はモ
ンモリロナイトであることを特徴とするオーバーラップ
フィルムである。
【0016】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
か1項に記載の発明に基づき、前記樹脂はポリビニルア
ルコールであることを特徴とするオーバーラップフィル
ムである。
【0017】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
か1項に記載の発明に基づき、前記基材フィルムは二軸
延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするオ
ーバーラップフィルムである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明のオーバーラップフィルムについてより詳細に説明す
る。図1に、本発明の一実施形態に係るオーバーラップ
フィルムの断面図を概略的に示す。図1に示すオーバー
ラップフィルム1は透明体であって、基材フィルム2の
一方の面上に、改質層3、バリア層4、密着層10及び
ヒートシール層5が順次積層され、基材フィルム2の他
方の面上に、密着層20、ヒートシール層6及び帯電防
止層7が順次積層された構造を有している。
【0019】上記オーバーラップフィルム1において、
基材フィルム2としては、一般にオーバーラップフィル
ムとして使用される様々なフィルムを用いることができ
るが、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、opp
フィルムという)を用いることが好ましい。基材フィル
ム2としてoppフィルムを用いた場合、オーバーラッ
プフィルムに適した風合い及び腰を得ることができる。
【0020】また、例えば、オーバーラップフィルム1
に高い防湿性が要求される場合、基材フィルム2として
高防湿oppフィルムを用いることが好ましい。なお、
高防湿oppフィルムとしては、ポリプロピレンと、ポ
リプロピレン+非極性石油樹脂+テルペン樹脂と、ポリ
プロピレンとが積層された3層共押出フィルム等を挙げ
ることができる。
【0021】基材フィルム2の厚さは20〜40μm程
度であることが好ましい。基材フィルム2の厚さが上記
範囲内にある場合、オーバーラップフィルムに適した風
合い及び腰を得ることができるだけでなく、比較的高い
防湿性をも得ることができる。
【0022】また、基材フィルム2の表面に、コロナ処
理等の表面処理を施し、基材フィルム2上に塗工する改
質層3、バリア層4、密着層10、20、ヒートシール
層6、帯電防止層7等のコーティング層との密着性を高
めることができる。
【0023】上記基材フィルム2上には、基材フィルム
2の表面状態を改質するために、任意に改質層3が設け
られる。この改質層3を設けることにより、基材フィル
ム2とバリア層4との密着性が向上する。また、改質層
3は、オーバーラップフィルム1の風合いや腰等に悪影
響を与えることなく、バリア層4を水分から保護するも
のであることが好ましい。改質層3は疎水性の高分子材
料、例えば、ポリエステル、ポリウレタンとイソシアネ
ート系化合物との混合物のような二液硬化型接着剤等を
用いて形成することができる。
【0024】また、改質層3は、乾燥状態におけるコー
ティングウェイトが0.01〜0.5g/m2 となるよ
うに形成することが好ましい。改質層3を上限値を超え
る厚さで形成した場合、その乾燥に長時間を必要とする
ため、加工性が低下する。また、改質層3の厚さが下限
値未満の場合、均一な厚さで膜を形成することが困難と
なる。
【0025】バリア層4は、酸素バリア性を有する層で
あり、酸素バリア性を有する樹脂と無機層状化合物とを
含有する。このように酸素バリア性を有するバリア層4
を設けることにより、オーバーラップフィルム1の保香
性を高めることができる。また、この無機層状化合物は
吸着性や膨潤性が非常に高いので、上述の樹脂の膨潤を
防ぎ、バリア層4の酸素バリア性、すなわちオーバーラ
ップフィルム1の保香性の低下を抑制することが可能と
なる。
【0026】また、バリア層は、基材フィルム2の片面
のみならず、両面に設けることができる。このことによ
り、オーバーラップフィルムのカールを押さえる等の効
果がある。
【0027】上記無機層状化合物としては、カオリナイ
ト族、スメクタイト族、及びマイカ族等の粘土鉱物等を
挙げることができる。これらは層状構造を有する結晶性
の無機化合物であって、その種類、粒径、及びアスペク
ト比等は、オーバーラップフィルム1の使用形態に応じ
て適宜選択される。
【0028】無機層状化合物として、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、及びサポナイト等のスメクタイト族
を用いることが好ましい。これら無機層状化合物は、そ
の層間に他の樹脂成分等を取り込み、複合体を形成し易
い。特に、モンモリロナイトは溶液状態での安定性や塗
工性が最も優れているため、モンモリロナイトを用いる
ことがより好ましい。
【0029】バリア層4に含有される樹脂は、上述の無
機層状化合物の層間に取り込まれ易いものであれば特に
限定されないが、水溶性高分子を用いることが好まし
い。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール(P
VA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナト
リウム、及びアクリル樹脂等を挙げることができる。特
に、PVAを用いると、最も高いガスバリア性を得るこ
とができる。
【0030】なお、ここでいうPVAは、例えば、ポリ
酢酸ビニルをけん化することにより得られ、酢酸基が数
十%残存する部分けん化PVAから、酢酸基が数%しか
残存しない完全けん化PVAまでを含むものである。
【0031】上記オーバーラップフィルム1のバリア層
4は、金属アルコキシドの加水分解・重縮合生成物を含
有することが好ましい。この金属アルコキシドは、Mを
金属、Rをアルキル基、及びnをアルコキシ基の配位数
とした場合、下記一般式、 M(OR)n で示される化合物である。Mが、Si、Ti、Al及び
Zrからなる群より選ばれ、Rがメチル基及びエチル基
から選ばれることが好ましい。特に、テトラエトキシシ
ラン〔Si(OC2 H5 )4 〕及びトリイソプロポキシ
アルミニウム〔Al(O−2’−C3 H7 )3 〕等を用
いると、アルコキシドの加水分解生成物が、水系の溶媒
中で比較的安定に存在するため好ましい。これら金属ア
ルコキシドは、混合して用いることも可能である。
【0032】バリア層4は、10〜90重量%の無機層
状化合物と、10〜90重量%の樹脂とを含有すること
が好ましい。また、上記オーバーラップフィルム1にお
いて、バリア層は、10〜90重量%の金属アルコキシ
ドの加水分解・重縮合生成物を含有することが好まし
い。
【0033】また、バリア層4は、乾燥状態で、0.1
〜1g/m2 のコーティングウェイトで形成することが
好ましい。バリア層4を厚く形成した場合、より高い酸
素バリア性を得ることができる。しかしながら、バリア
層4を上限値を超える厚さで形成した場合、バリア層4
においてクラックが発生し、さらに、その乾燥に長時間
を必要とする。すなわち、加工性の低下を生ずるおそれ
がある。また、バリア層4の厚さが下限値未満の場合、
十分な酸素バリア性を得ることができない場合がある。
【0034】密着層10は、バリア層4とヒートシール
層5との間、また密着層20は、基材フィルム2とヒー
トシール層6の間に、各層間の密着性をより高めるため
に設けられる。材料については特に限定しないが、コー
ティング適性および密着性等を考慮し、ウレタン系等の
樹脂を用いるのが好ましい。また、密着層10、20
は、コーティング適性を考慮し、乾燥状態で、0.1〜
10g/m2程度のコーティングウェイトで形成するこ
とが好ましい。密着層10を上限値を超える厚さで形成
した場合、その乾燥に長時間を必要とするため、加工性
が低下する。また、密着層10の厚さが下限値未満の場
合、均一な厚さで膜を形成することが困難となる。
【0035】ヒートシール層5,6はヒートシール性を
有する層である。これらヒートシール層5,6は、上記
オーバーラップフィルム1を用いてカートン等をオーバ
ーラッピングする際に、オーバーラップフィルム1の外
側表面同士、内側表面同士、或いは外側表面と内側表面
とを接着する接着層として用いられる。
【0036】ヒートシール層5,6に用いられる材料と
しては、ポリエステル系、ポリウレタン系、EVA系、
アクリル系、及びSBR(スチレンブタジエンラバー)
系等のヒートシール剤を挙げることができる。これら材
料は、オーバーラップフィルム1の用途に応じて適宜選
択される。
【0037】また、ヒートシール層5,6は、乾燥状態
で、0.1〜10g/m2 のコーティングウェイトで形
成することが好ましい。ヒートシール層5,6を上限値
を超える厚さで形成した場合、その乾燥に長時間を必要
とするため、加工性が低下する。また、ヒートシール層
5,6の厚さが下限値未満の場合、均一な厚さで膜を形
成することが困難となる。
【0038】上記オーバーラップフィルム1の外側表面
には帯電防止層7を設けることが好ましい。なお、ここ
でオーバーラップフィルム1の外側表面とは、ヒートシ
ール層6側の表面をいう。これは、上記オーバーラップ
フィルム1を用いてカートン等をオーバーラッピングす
る場合、外部からの水分がバリア層4へ侵入するのを防
止するために、通常、オーバーラップフィルム1はバリ
ア層4が基材フィルム2の内側となるように配置される
ためである。このようにオーバーラップフィルム1の外
側表面に帯電防止層7を設けることにより、外側表面へ
の埃等の付着を防止することができる。
【0039】帯電防止層7は、一般的な帯電防止剤を用
いて形成することができる。帯電防止剤としては、カチ
オン系、アニオン系、両性、及び非イオン系等の界面活
性剤等を挙げることができる。帯電防止層7は、例え
ば、上記帯電防止剤を、コーティングウェイトが乾燥状
態で0.01〜1.0g/m2 程度となるようにヒート
シール層6上に塗布することにより形成することができ
る。
【0040】また、帯電防止層7を形成する代わりに、
ヒートシール層6に帯電防止性を付与してもよい。ヒー
トシール剤中に帯電防止剤を含有させてヒートシール層
6を形成することにより、ヒートシール層6に帯電防止
性を付与することができる。
【0041】以上説明したオーバーラップフィルム1に
おいては、基材フィルム2へのヒートシール性の付与を
密着層10およびヒートシール層6を形成することによ
り行ったが、密着層10およびヒートシール層6は必ず
しも設ける必要はない。例えば、図2に示すように、一
方の面がヒートシール性を有する基材フィルムを用いて
もよい。
【0042】図2は、本発明の他の実施形態に係るオー
バーラップフィルムを概略的に示す断面図である。図2
に示すオーバーラップフィルム11は透明体であって、
基材フィルム12の一方の面はヒートシール性を有して
おり、その他方の面上に、改質層3、バリア層4、密着
層10およびヒートシール層5が順次積層された構造を
有している。このように、一方の面がヒートシール性を
有する基材フィルム12を使用した場合、基材フィルム
12上にヒートシール層を設ける必要がない。なお、図
2に示すオーバーラップフィルム11においても、基材
フィルム12のヒートシール性を有する面上に帯電防止
層7を形成することができる。
【0043】上記オーバーラップフィルム1,11の改
質層3、バリア層4、ヒートシール層5、6、密着層1
0、20及び帯電防止層7は、グラビア法、マイクログ
ラビア法、リバースグラビア法、ダイコート法、及びキ
スコート法等を用いて形成することができる。また、グ
ラビア印刷機及び3ヘッドコータ等でのインライン加工
により形成することにより、製造コストを低減すること
ができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図1に示すオーバーラップフィルム1を以
下に示す方法により作製した。なお、本実施例において
は、改質層3及び帯電防止層7は設けなかった。
【0045】まず、5重量%のポリビニルアルコール
(PVA)水溶液に、モンモリロナイトを、PVAとモ
ンモリロナイトとの重量比が1:1となるように混合し
て、塗布液Aを調製した。
【0046】基材フィルム2としては、厚さ20μmの
東セロ社製両面コロナ処理を施した二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムU2を用いた。この基材フィルム2の一方
の面上に、上記塗布液Aとをインライン塗布・乾燥する
ことにより、基材フィルム2上にバリア層4を形成し
た。バリア層4は、乾燥状態におけるコーティングウェ
イトが、それぞれ0.5g/m2となるように形成し
た。
【0047】さらに、バリア層4上に、密着層10、ヒ
ートシール層5を順次形成し、基材フィルム2上に、密
着層20、ヒートシール層6を順次形成した。密着層1
0、20は油性のウレタン系のコーティング剤を用い、
乾燥状態におけるコーティングウェイトが0.21〜2
g/m2 となるように形成した。また、ヒートシール層
5、6についてはヒートシール剤を塗布・乾燥すること
により形成した。なお、ヒートシール剤としては、水性
のアクリル系のものを用いた。また、ヒートシール層5
は、乾燥状態におけるコーティングウェイトが、2.3
g/m2 となるように形成し、ヒートシール層6は、乾
燥状態におけるコーティングウェイトが、1.2g/m
2となるように形成した。以上のようにして作製したオ
ーバーラップフィルム1をサンプル(1)とする。
【0048】比較用サンプル(1)、(2)は基材フィ
ルムの両面にPVDCが塗布されているダイセル化学社
製KOP2000、 KOP2500である。フィルム
の厚みはともに20μmのものを用いた。
【0049】次に、サンプル(1)及び比較用サンプル
(1),(2)について、30℃の温度条件下で、湿度
を70%とした場合の酸素透過度を、MOCON社製O
X−TRANを用いて測定した。また、サンプル(1)
及び比較用サンプル(1),(2)について、40℃の
温度条件下で、湿度を90%とした場合の水蒸気透過度
を、 MOCON社製PERMATRANNを用いて測
定した。また、サンプル(1)及び比較用サンプル
(1),(2)について、ヒートシール条件、温度13
0℃、圧力1kg/cm2、シール時間1秒間でヒート
シールし、ヒートシール強度を測定した。測定条件は、
引っ張り速度300mm/分、引っ張り角度90°で測
定した。その他、JIS K7125の測定方法に基づ
き、摩擦力(静止摩擦、動摩擦)を測定した。金属板と
してステンレス板を用いた。以上のようにして得られた
測定結果を下記表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1に示すように、サンプル(1)に
おいては、比較用サンプル(1)及び(2)に比べて、
遥かに優れた酸素バリア性が得られている。すなわち、
サンプル(1)によると、高い保香性を得ることが可能
である。また、サンプル(1)おいては、比較用サンプ
ル(1)及び(2)と同程度以上の高い水蒸気バリア性
が得られている。すなわち、サンプル(1)をオーバー
ラップフィルムによると、高い防湿性を得ることが可能
となる。その他、サンプル(1)おいては、比較用サン
プル(1)及び(2)と同程度のヒートシール強度、及
び摩擦力を示し、オーバーラップフィルムとしての優れ
た物性を兼ね備えていると言える。
【0052】なお、サンプル(1)において、改質層3
及び帯電防止層7は設けられていないが、これらを設け
た場合においても上述した効果が得られるのは言うまで
もない。
【0053】
【発明の効果】以上示したように、本発明のオーバーラ
ップフィルムは、無機層状化合物と樹脂との混合物を用
いたバリア層を有しているため、高い酸素バリア性及び
水蒸気バリア性を得ることができる。すなわち、高い保
香性と防湿性とを得ることができる。また、本発明のオ
ーバーラップフィルムによると、上記保香性及び防湿性
は、塩素系材料を使用することなく実現可能である。ま
た、バリア層上に、密着層を介して、ヒートシール剤を
塗布してなるヒートシール層を具備することにより、高
いヒートシール性を得ることができる。更に、両面にヒ
ートシール剤を塗布しても、表面のすべり性は十分な包
装適性を有するものである。したがって、本発明による
と、焼却時に塩素系有害ガスを発生することなく、十分
な保香性、防湿性及び、密着性を有するオーバーラップ
フィルムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るオーバーラップフィ
ルムを概略的に示す断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るオーバーラップフ
ィルムを概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1,11…オーバーラップフィルム 2,12…基材フィルム 3…改質層 4…バリア層 5,6…ヒートシール層 10,20…密着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CES C08J 7/04 CESA C08K 3/34 C08K 3/34 7/00 7/00 C08L 29/04 C08L 29/04 A Fターム(参考) 3E086 AA02 AB01 AD13 BA04 BA15 BA43 BB02 BB15 BB51 BB87 CA07 CA35 4F006 AA12 AB03 AB12 AB20 AB35 AB37 AB69 AB76 BA05 BA07 BA13 CA07 DA04 4F071 AA20 AF08 AF38 AF59 AH04 BB08 BC01 4F100 AA00B AA00E AC10B AC10E AK01B AK01E AK07A AK21B AK21E AR00B AR00D AR00E AS00C AT00A BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10D BA10E BA13 EH46D EH46E EJ38A GB15 JC00 JD01B JD01E JD02 JD04 JG03E JL12D JL12E 4J002 AB021 AB041 BE021 BJ001 DJ006 FD016 GF00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム、前記基材フィルムの一方
    の面上に設けられ、無機層状化合物と樹脂とを含有する
    バリア層、及び前記バリア層上に密着層を介して設けら
    れた、ヒートシール剤を塗布してなるヒートシール層を
    具備することを特徴とするオーバーラップフィルム。
  2. 【請求項2】 前記基材フィルムは、前記他方の面がヒ
    ートシール性を有するヒートシール性フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオーバーラップフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記基材フィルムの他方の面上に、ヒー
    トシール剤を塗布してなるヒートシール層をさらに具備
    することを特徴とする請求項1に記載のオーバーラップ
    フィルム。
  4. 【請求項4】 前記基材フィルムの両方の面上に設けら
    れ、無機層状化合物と樹脂とを含有するバリア層、及び
    前記バリア層上に密着層を介して設けられた、ヒートシ
    ール剤を塗布してなるヒートシール層を具備することを
    特徴とするオーバーラップフィルム。
  5. 【請求項5】 前記基材フィルムと前記バリア層との間
    に、前記基材フィルムの表面状態を改質する改質層を具
    備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のオーバーラップフィルム。
  6. 【請求項6】 前記基材フィルムの一方の面側に、表面
    の帯電を防止する帯電防止層を最上層として具備するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオ
    ーバーラップフィルム。
  7. 【請求項7】 前記無機層状化合物はモンモリロナイト
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載のオーバーラップフィルム。
  8. 【請求項8】 前記樹脂はポリビニルアルコールである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    オーバーラップフィルム。
  9. 【請求項9】 前記基材フィルムは二軸延伸ポリプロピ
    レンフィルムであることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載のオーバーラップフィルム。
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