JP4520721B2 - 二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は防湿性、ラミネート強度及びガスバリア性に優れた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムと呼ぶことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、防湿性、剛性等を活かして包装材料をはじめ広い分野で使用されている。しかし、OPPフイルムは単層ではヒートシール可能温度が高くしかもヒートシールの適正な温度範囲が狭いという欠点がある。そこで、OPPフイルムのヒートシール性を改善するために、OPPフイルムの片面又は両面に低融点のプロピレン・エチレン共重合体層を積層した二軸延伸複合フィルム(特許文献1)、特定の三元ランダム共重合体層をヒートシール層としたフィルム(特許文献2)、特定のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体と結晶性プロピレン・α―オレフィンランダム共重合体との組成物を積層したポリプロピレン複合フィルム(特許文献3)等、ポリプロピレンに比べて低融点の樹脂を積層させる方法が多数提案され、且つ、幅広く使用されている。
また、OPPフイルムの防湿性を更に改良するために、石油樹脂、テルペン樹脂等の粘着付与剤を添加する方法も多々提案されている(例えば、特許文献4〜5)。
特公昭49−14343号公報(特許請求の範囲) 特公平8−5174号公報(特許請求の範囲) 特公昭61−42626号公報(特許請求の範囲) 特公平1−25503号公報(特許請求の範囲) 特公平3−47177号公報(特許請求の範囲) 特開平8−253633号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、かかる方法で得られる複合フィルムは、低温ヒートシール強度は改良されるものの、ヒートシール層にプロピレン共重合体を用いることから、用途によっては、耐ブロッキング性、密封性がしばしば問題となり、耐ブロッキング性、密封性の改良が望まれている。また、無延伸のポリプロピレンフィルム(CPP)やポリエチレンフィルムを複合フィルムにラミネートした場合に、ラミネート強度が不足するため、用途によっては、しばしば問題となりラミネート強度の向上も望まれている。
本発明の目的は、防湿性及びラミネート強度に優れた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの開発することにある。
本発明は、粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むプロピレン系重合体(A−1)組成物層から得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の片面に、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)が積層されてなることを特徴とする二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに関する。
本発明は、また前記二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の他の片面に、プロピレン系重合体(A―2)から得られる被覆層(II)、好ましくはブロッキング防止剤を含んでなる被覆層(II)が積層されてなる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに関する。
本発明の他の態様はプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)にビニルアルコール系重合体(D)層が積層されてなる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに関する。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは被覆層(I)として特定の熱融解特性を有するプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)を有し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層に粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むので、ラミネート強度及び防湿性に優れている。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは被覆層(I)として特定の熱融解特性を有するプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)を有し、被覆層(I)面にガスバリア性に優れたビニルアルコール系重合体が積層されてなるので、二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層に粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むのでガスバリア性、防湿性に優れ、且つビニルアルコール系重合体(D)層と被覆層(I)延いては二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層とのラミネート強度にも優れている。
プロピレン系重合体(A−1)、(A−2)
本発明に係るプロピレン系重合体(A−1)及び(A−2)は、一般にポリプロピレンの名称で製造・販売されているプロピレンを主体とした重合体で、通常、密度が0.890〜0.930g/cm、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度230℃)が0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、更に好ましくは1〜5g/10分のプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと他の少量例えば、1重量%以下のα−オレフィン、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン−1等との共重合体である。これらの中でも、プロピレンの単独重合体、若しくは1重量%以下のランダム共重合体でアイソタクテシティの高い重合体が得られる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの透明性、剛性が優れるので好ましい。
本発明に係るプロピレン系重合体(A−1)は二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの基材層、プロピレン系重合体(A−2)は二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの被覆層(II)の原料となる。本発明に係るプロピレン系重合体(A−1)及び(A−2)は上記範囲にある限り、同一の重合体であっても、異なる重合体であってもよい。
本発明に係るプロピレン系重合体(A−1)及び(A−2)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの被覆層(II)を形成するプロピレン系重合体(A−2)には、ブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を添加しておくと、透明性に優れ、且つブロッキング防止性を有する二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムとすることができる。ブロッキング防止剤の量が0.01重量%未満では、得られる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムのブロッキング防止効果が充分でなく、一方、3.0重量%を越えると、得られる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの透明性が劣る傾向にある。かかるブロッキング防止剤としては、種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃、好ましくは115〜130℃、融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満、好ましくは30〜40℃の範囲にあり、好ましくは融解開始温度(Ts)とピーク温度(Tp)との差(Tp−Ts)が35℃未満、より好ましくは25〜34℃の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のα―オレフィンの含有量は上記熱融解特性を有する限りとくに制限はされないが、通常はα―オレフィンの含有量は1.0〜20重量%、より好ましくは1.5〜15重量%の範囲にある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜20g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は通常、分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される)が1.5〜3の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)は被覆層(I)の原料となる。
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)の上記ピーク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)及び融解終了温度(Te)は以下の方法で測定した。プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)約5mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(DSC220モジュ−ル)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、ASTM D3418−99の方法に習い、融解曲線からピ−ク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)、融解終了温度(Te)を求めた。尚、本発明では、ASTM D3418−99に記載の(Tpm1)を(Tp)、(Teim)を(Ts)及び(Tefm)を(Te)とした。
本発明に係るプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
粘着付与剤(C)
本発明に係わる粘着付与剤(C)は、一般に粘着付与剤として製造・販売されている樹脂状物質で、具体的には、クマロン・インデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂及びキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール,テルペン樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、不飽和炭化水素重合体、水素添加炭化水素樹脂及び炭化水素系粘着化樹脂等の石油系炭化水素樹脂、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジン・エステル、特殊ロジンエステル及びロジン系粘着付与剤等のロジン誘導体及びテルペン系粘着付与剤等を例示できる。
これらの中では、軟化点が110℃以上、好ましくは125〜145℃の範囲にある水素添加率が95%以上、更には99%以上の水素添加炭化水素樹脂、水素添加脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加テルペン樹脂、水素添加合成ポリテルペン樹脂等の水素添加樹脂が、プロピレン系重合体(A−1)組成物との相溶性に優れるので好ましい。軟化点が110℃未満のものは成形時に発煙の問題が発生し、成形機を汚ごす虞が生ずる場合があり、一方、145℃を超えるものはプロピレン系重合体(A−1)組成物と相溶しづらくなるため得られる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの外観が悪くなる虞がある。
ビニルアルコール系重合体(D)
本発明に係わるビニルアルコール系重合体(D)は、酢酸ビニル系重合体をケン化して得られる分子内に水酸基を持つ、好ましくは水に可溶の重合体である。原料である酢酸ビニル系重合体は酢酸ビニルの単独重合体であってもよいし、他の共重合可能なモノマー、例えばエチレン、プロピレンまたは1−ブテン等のα―オレフィン等が30モル%まで共重合されたものであってもよい。共重合のモノマーが30モル%を越えると、ガスバリアー性が低下して、バリアー材としての性能が不十分になる。
ビニルアルコール系重合体(D)のケン化度は通常90%以上、好ましくは99%以上であり、この範囲にあると高湿度下でのバリア性が維持される。重合度は特に制限されないが300〜5000、より好ましくは500〜2000の範囲が望ましい。重合度が300以下ではガスバリア性が不充分な虞があり、5000以上ではかかるビニルアルコール系重合体(E)を塗布する際の分散液の粘度が高くなりすぎて塗布加工が難しくなる。
無機層状化合物(E)
本発明に係わる無機層状化合物(E)は、極薄の単位結晶層が1枚または数枚重なった多層構造をもって板状の粒子を形成している無機化合物のことであり、粘土鉱物が好ましく用いられる。本発明における粘土鉱物とは極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収する性質、特には水分子が配位することにより浸漬前より体積が増加する化合物を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO2−対して配位し4面体構造を構成する層とAl3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li等がO2−およびOHに対して配位し8面体構造を構成する層とが1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものでも良い。代表的なものとしては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。中でも、スメクタイト群と呼ばれているモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライトやサポナイトが好ましく用いられ、更には不純物の少ない合成品が好ましく、その中でも結晶構造が成長し、アスペクト比を大きくできる溶融法で生成したナトリウム型テトラシリシックマイカが特に好ましい。
上記層状化合物の層と層との間には通常陽イオンが保持されている。このような層間イオンとしては、K、Na、Li等のアルカリ金属イオンを例示することが出来る。特に陽イオンが膨潤性を向上させるためにNaで置換されていることが好ましい。
無機層状化合物(E)の平均粒子径は特に限定されないが、長さ方向が通常300Å以上、5μm以下のものが好ましく用いられる。5μm以上では透明性が損なわれ、また劈開が不充分だと高湿度下でのバリア性が著しく低下する。また、アスペクト比(長さ径と厚みの比)は大きいほど透明性、バリア性が良好であるが、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)層との密着性が低下することから20〜2000が好ましく用いられる。
又、かかる無機層状化合物(E)をビニルアルコール系重合体(D)に添加する場合は、ビニルアルコール系重合体(D)と無機層状化合物(E)との混合比は重量比で(D)/(E)が3/7以下、更には5/5以下が好ましい。無機層状化合物(E)の添加量が3/7より大きいと透明性が低下し、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)層との密着性も低下する傾向にある。
プロピレン系重合体(A−1)組成物
本発明に係わるプロピレン系重合体(A−1)組成物は、プロピレン系重合体(A−1)97〜75重量%、好ましくは96〜85重量%と、粘着付与剤(C)3〜25重量%、好ましくは4〜15重量%を含む組成物である。粘着付与剤(C)の量が3重量%未満では、防湿性に優れた二軸延伸フィルムが得られず、一方、25重量%を超えると防湿性の改良効果は飽和するとともに、押出し成形がし難い傾向にある。
プロピレン系重合体の製造方法
本発明に係わるプロピレン系重合体(A−1)、(A−2)及びプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は種々公知の方法、例えば、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体から形成される触媒を用いて製造することができる。
固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適には100m/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げられる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造された重合体が好適である。
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記チタン触媒成分の種類によって異なる。
電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適な具体例としては、これらの元素を有する有機エステル、有機エーテルなどを挙げることができる。
担体付触媒成分を用いた重合体の製造方法に関しては、たとえば特開昭50−108385号、特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−28189号、特開昭52−151691号などの各公報に開示されている。
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、特にはシングルサイト触媒を用いて製造することができる。シングルサイト触媒は、活性点が均一(シングルサイト)である触媒であり、例えばメタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒)やブルックハート触媒などがあげられる。例えばメタロセン触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および上記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されていてもよい。
前記メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば特開平5−209014号、特開平6−100579号、特開平1−301704号、特開平3−193796号、特開平5−148284号、特開2000−20431号等に記載された化合物などがあげられる。
有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等があげられる。上記鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水とを接触させることにより生成される。例えば重合時にアルキルアルミニウムを加えておいて、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機、無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることにより得られる。
前記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物は、例えば特表平1−501950号、特開平3−207704号、特開2002−20431号等に記載された化合物などがあげられる。シングルサイト触媒を担持させる前記無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等があげられる。
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等があげられる。これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。重合条件は通常、重合温度;−100〜+250℃、重合時間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm(ゲージ圧)である。
二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むプロピレン系重合体(A−1)組成物層から得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の片面に、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)が積層されてなる層から構成される。かかる構成からなる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの各層の厚さは、用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層が10〜100μm、好ましくは15〜50μm、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲にある。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の他の片面に、プロピレン系重合体(A―2)、好ましくはブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、更には0.05〜1.0重量%をから得られる被覆層(II)が積層されてなる構成を取り得る。かかる被覆層(II)の厚さも用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲にある。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)面に、ビニルアルコール系重合体(D)層が積層されてなる構成を取り得る。かかるビニルアルコール系重合体(D)層の厚さも用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜3μmの範囲にある。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)面に、無機層状化合物(E)を含むビニルアルコール系重合体(D)組成物層が積層されてなる構成を取り得る。かかるビニルアルコール系重合体(D)組成物層の厚さも用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜3μmの範囲にある。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。また、本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは更に用途により、低温ヒートシール性を付与するために、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、結晶性あるいは低結晶性のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体あるいはプロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の低融点のポリマーを単独あるいはそれらの組成物を、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)、ビニルアルコール系重合体(D)層若しくは無機層状化合物(E)を含むビニルアルコール系重合体組成物(D)層あるいはプロピレン系重合体(A―2)層からなる被覆層(II)面に積層してもよい。また、更にガスバリア性を強化するために、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン系重合体等を押出しコーティング、フィルムラミネート等で積層してもよいし、金属あるいはその酸化物、シリカ等を蒸着してもよい。勿論、他の物質との接着性を増すために、二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの表面をイミン、ウレタン等の接着剤でアンカー処理してもよいし、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを積層してもよい。
二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの製造方法
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、種々公知の製造方法、例えば、基材層の原料として粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むプロピレン系重合体(A−1)組成物を、被覆層(I)の原料として必要に応じてブロッキング防止剤を所定量添加したプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)を、被覆層(II)を有する二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得る場合は、原料として必要に応じてブロッキング防止剤を所定量添加したプロピレン系重合体(A―2)を夫々別個の押出し機で溶融した後、多層ダイから共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を125℃〜145℃、延伸倍率を4.5〜6倍の範囲、横延伸温度を165〜190℃、延伸倍率を9〜11倍の範囲で延伸することにより得られる。
ビニルアルコール系重合体(D)層を有する二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを製造する場合は、上記方法で得られた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの被覆層(I)面にビニルアルコール系重合体(D)若しくは無機層状化合物(E)を含むビニルアルコール系重合体(D)分散液を塗布・乾燥する方法、あるいは共押出し成形して得た多層シートに分散液を塗布した後、ニ軸延伸してもよいし、共押出し成形して得た多層シートを縦方向に延伸したシートに分散液を塗布した後、横方向に延伸して二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムとしてもよい。
ビニルアルコール系重合体(D)等の分散液には、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)層との密着性向上、及び/または皮膜の強度向上のためにビニルアルコール系重合体(D)に架橋剤成分を添加しても良い。かかる架橋剤成分としては、シランカップリング剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、アミン系化合物などがあるが、高湿度下でも密着性低下しないことからイソシアネート系架橋剤が好ましく、特に水性の自己乳化タイプが水溶液中で安定であるので好ましい。その添加量はビニルアルコール系重合体(D)に対し重量比で1〜10%の範囲にあることが好ましい。
又、ビニルアルコール系重合体(D)等の分散液に架橋剤成分を添加する代りに、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)層の表面を種々公知のアンカー(AC)剤、例えば有機チタン系AC剤、ポリウレタン系AC剤、ポリエチレンイミン系AC剤、ポリブタジエン系AC剤等で処理しておいてもよい。
本発明に係わるビニルアルコール系重合体(D)には、本発明の目的を阻害しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種添加剤を加えることが可能である。特に、アンチブロッキング剤として粒径が0.1〜10μm程度の酸化珪素、カオリン等の無機系微粒子やポリメチルメタクリレート、メラミン等の有機系微粒子を好ましく用いることが出来る。
ビニルアルコール系重合体(D)の分散媒としては、コスト、作業環境面から水が好ましく用いられるが、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加えることも可能である。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
(1)防湿性(水蒸気透過度):JIS Z 0208に準じ、条件A;温度40℃、湿度90%RHで測定した。
(2)ガスバリア性(酸素透過度):モコン社製酸素透過度計OX−TRAN2/20を用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃で湿度50%RH及び80%RHで測定した。
(3)ラミネート強度:二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを、接着剤(三井武田ケミカル社製 タケラックA−310)60重量%、硬化剤(三井武田ケミカル社製 タケネートA−3)5重量%、酢酸エチル(関東化学社製1級)35重量%で配合した液でドライラミした。作成したラミネートフィルムは、40℃で24時間オーブン中放置した後、15mm幅に切り出し東洋精機社製テンシロンを用いて引っ張り速度300mm/分で90℃の剥離強度を測定しラミネート強度とした。
実施例1
<基材層:プロピレン重合体組成物層>
プロピレン単独重合体(MFR:2.0g/10分(230℃))に耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3'、5’―ジーt―ブチルー4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)1000ppmを加えたプロピレン系重合体組成物を用意し、当該プロピレン重合体組成物95重量%に対し、水素添加テルペン系石油樹脂(ヤスハラケミカル社製品 製品名クリアロンP−125、軟化点;125℃)5重量%添加しピロピレン重合体組成物を用意した。
<被覆層(I):プロピレン共重合体組成物層>
被覆層(I)を構成する重合体組成物として、プロピレン・α―オレフィン共重合体(1);エチレン含有量:3.1重量%、Ts:94.0℃、Tp:126.6℃、Te:131.4℃、Te−Ts:37.4℃、Tp−Ts:32.6℃、Mw/Mn:2.7及びMFR:7g/10分(230℃)の組成物に、ポリメチルメタクリレート粒子からなるアンチ・ブロッキング剤を0.10重量%、耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3’、5’―ジーt―ブチルー4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製 イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)1000ppmを加えたプロピレン共重合体組成物を用意した。
<被覆層(II):プロピレン重合体層>
被覆層(II)を構成する重合体として、基材層に用いたプロピレン単独重合体(MFR:2.0g/10分(230℃))に耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3’、5’―ジーt―ブチルー4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製 イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)1000ppmを加えたプロピレン系重合体組成物に、ポリメチルメタクリレート粒子からなるアンチ・ブロッキング剤を0.10重量%、耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3’、5’―ジーt―ブチルー4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製 イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)1000ppmを加えたプロピレン系重合体組成物を用意した。
<二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの製造>
前記、プロピレン重合体組成物、プロピレン共重合体組成物及びプロピレン重合体組成物を押出量比(1/10/1)になるよう各々スクリュー押出機を用いて溶融押出しマルチマニホールドタイプT−ダイを用いて押出し、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmの多層シートを得た。このシートを120℃で加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを160℃で加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に10倍延伸して、基材層の厚さ:25μm、被覆層(I)(ラミネート層)の厚さ:2.5μm及び被覆層(II)の厚さ:2.5μm(合計厚さ:30μm)の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。
この二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムのラミネート層にコロナ処理を施した。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.8重量%、Ts:97.2℃、Tp:125.6℃、Te:134.2℃、Te−Ts:37.0℃、Tp−Ts:28.4℃、Mw/Mn:1.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(2)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
比較例1
実施例1の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.2重量%、Ts:95.4℃、Tp:139.4℃、Te:150.3℃、Te−Ts:54.9℃、Tp−Ts:43.9℃、Mw/Mn:3.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(3)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004520721
表1の結果から明らかなように、本発明の二軸延伸防湿フィルム(実施例1及び2)は、比較例1に示したニ軸延伸防湿フィルムに比べ、ラミネート強度に優れ、且つ防湿性に優れていることが分かる。
実施例3
けん化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、重合度1000のポリビニルアルコールを熱水で溶解し、室温まで冷却して5%濃度の水溶液を得た。この水溶液に水性ウレタン(武田製品工業社製 WD726)を固形分比で3重量%、及び濡れ向上剤としてアニオン系界面活性剤(花王社製 ネオペレックスF25)を0.5重量%添加し、これをビニルアルコール系重合体積層用のコート液とし、これを実施例1で得られた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの被覆層(I)上にメイヤバーを用いて塗布した後、80℃のオーブン中で乾燥して二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムのビニルアルコール系重合体層の厚さは1μmであった。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
実施例4
実施例3の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.8重量%、Ts:97.2℃、Tp:125.6℃、Te:134.2℃、Te−Ts:37.0℃、Tp−Ts:28.4℃、Mw/Mn:1.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(2)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
比較例2
実施例3の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.2重量%、Ts:95.4℃、Tp:139.4℃、Te:150.3℃、Te−Ts:54.9℃、Tp−Ts:43.9℃、Mw/Mn:3.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(3)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
実施例5
けん化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、重合度1000のポリビニルアルコールを熱水で溶解し、室温まで冷却して5%濃度の水溶液(1)を得た。ついで、無機膨潤性層状化合物のナトリウム型テトラシリシックマイカ(トピー工業社製 DMA−350)を水で固形分が10重量%になるよう分散させ、遠心分離機を用いて濃度調整し平均粒径2.5μmの5重量%の濃度の無機膨潤性層状化合物の水分散液(2)を得た。この水溶液(1)と水分散液(2)とを重量比で7/3となるように混合し、さらに水性ウレタン(武田製品工業社製 WD726)を固形分比で3重量%、及び濡れ向上剤としてアニオン系界面活性剤(花王社製 ネオペレックスF25)を0.5重量%添加し、これをビニルアルコール系重合体積層用のコート液とした。これを実施例1で得られた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの被覆層(I)上にメイヤバーを用いて塗布した後、80℃のオーブン中で乾燥して二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムのビニルアルコール系重合体層の厚さは1μmであった。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
実施例6
実施例5の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.8重量%、Ts:97.2℃、Tp:125.6℃、Te:134.2℃、Te−Ts:37.0℃、Tp−Ts:28.4℃、Mw/Mn:1.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(2)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
比較例3
実施例5の被覆層(I)で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(1)に代えて、エチレン含有量:2.2重量%、Ts:95.4℃、Tp:139.4℃、Te:150.3℃、Te−Ts:54.9℃、Tp−Ts:43.9℃、Mw/Mn:3.9及びMFR:7g/10分(230℃)のプロピレン・エチレンランダム共重合体(3)を用いる以外は実施例と同様に行い二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの評価を前記記載の方法で測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0004520721
表2の結果から、本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム(実施例3〜6)は、比較例2および3に示した二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムに比べ、ラミネート強度に優れ、且つ防湿性およびガスバリア性に優れていることが分かる。
本発明の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムはプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)を有しているので、ラミネート強度に優れているので、被覆層(I)をラミネート層として、他のフィルムと貼り合せて、従来バリア性OPPフィルムが使用されている海苔類、米菓類等の乾燥食品、たばこ等の嗜好品等の包装用フィルムを始め、あらゆる被包装物の包装用フィルムに使用し得る。
また、ビニルアルコール系重合体層を有する二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、特に食品包装材料としてスナック菓子、米菓、ビスケット、ピーナッツ等の乾燥食品に使用し得るし、無機層状化合物を含んでなるビニルアルコール重合体組成物層を有する二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムは、さらに高いガスバリア性を有しているので前記乾燥菓子はもちろんのこと含水率の多い饅頭やカステラ、切り餅、鰹節、各種珍味等の広範囲な用途で使用し得る。

Claims (4)

  1. 粘着付与剤(C)3〜25重量%を含むプロピレン系重合体(A−1)組成物層から得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の片面に、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)から得られる被覆層(I)が積層され、且つ、当該被覆層(I)面にビニルアルコール系重合体(D)が積層されてなることを特徴とする二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム。
  2. ビニルアルコール系重合体(D)が無機層状化合物(E)を含んでなる請求項記載の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム。
  3. 二軸延伸ポリプロピレンフィルム基材層の他の片面にプロピレン系重合体(A―2)から得られる被覆層(II)が積層されてなる請求項1記載の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム。
  4. プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)及びプロピレン重合体(A―2)がブロッキング防止剤を含んでなる請求項記載の二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルム。
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