JP4080284B2 - 二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム - Google Patents

二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防湿性、ガスバリア性、ラミネート強度、厚薄精度等に優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムと呼ぶことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、剛性等を活かして包装材料をはじめ広い分野で使用されている。又、OPPフイルムの防湿性を改良するために、石油樹脂、テルペン樹脂等の粘着付与剤を添加する方法も多々提案されている(特公平1−25503号公報、特公平3−47177号公報、特開平8−253633号公報)。
しかしながら、かかる粘着付与剤を添加すると、延伸条件によってはOPPフィルムに厚薄むらが発生し、良好なフィルムが得られない場合があり、又、かかるOPPフィルムのラミネート強度を改良するために、低融点のプロピレン・α−オレフィン共重合体を積層してもその改良効果が不十分である場合があった。
一方、OPPフィルムにガスバリア性を付与するために、ガスバリア性を有する包装材としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等と積層することが提案されている。しかしながら、ポリ塩化ビニリデンは塩素原子、ポリアクリロニトリルは−CN基を含有しているため、廃棄の際に環境に対する問題が近年持ち上がっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ガスバリア性、ラミネート強度、厚薄精度に優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの開発を目的として種々検討した結果、OPPフィルムの原料としてプロピレン単独重合体とプロピレン・エチレンランダム共重合体とのプロピレン重合体組成物と粘着付与剤とからなるポリプロピレン組成物層からなる基層の少なくとも片面にビニルアルコール系重合体層を形成することにより、ガスバリア性、ラミネート強度、厚薄精度に優れ、且つラミネート強度に優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを得ることができた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
本発明は、二軸延伸されたα―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、粘着付与剤(F)3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物層からなる基層の少なくとも片面にビニルアルコール系重合体(D)層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムである。
【0005】
本発明の他の態様は、二軸延伸されたα―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、粘着付与剤(F)3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物層からなる基層の少なくとも片面にプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層を介してビニルアルコール系重合体(D)層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムである。
【0006】
本発明の更なる他の態様は、ビニルアルコール系重合体(D)層が無機層状化合物(G)を含んでなる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムである。
【0007】
【発明の具体的説明】
プロピレン単独重合体(A)
本発明に係わるプロピレン単独重合体(A)は、プロピレンの単独重合体からなり、通常、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜5g/10分の範囲にある。
【0008】
プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、α―オレフィン含有量が0.4〜2.2モル%、好ましくは0.6〜1.8モル%のプロピレンとのランダム共重合体である。α―オレフィンの含有量が0.4モル%未満のものでは、ニ軸延伸する際の延伸性が改良されず、一方、2.2モル%を越えると得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは剛性に劣る虞がある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレンが好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はニ軸延伸フィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜5.0g/10分の範囲にある。
【0009】
プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)は、融点が125〜157℃、更に好ましくは135〜145℃の範囲にある。融点が157℃を越えると、得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムのヒートシール性、ラミネート強度が改良されない虞があり、一方、125℃未満では得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムにべたが発生し、ブロッキングし易くなる虞がある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。具体的な共重合体としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これら共重合体は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はニ軸フィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜15g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
本発明に係るプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
【0010】
中でも、ブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を添加しておくと、透明性に優れ、且つブロッキング防止性を有する二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムとすることができる。ブロッキング防止剤の量が0.01重量%未満では、得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムのブロッキング防止効果が充分でなく、一方、3.0重量%を越えると、得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの透明性が劣る傾向にある。かかるブロッキング防止剤としては、種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
【0011】
ビニルアルコール系重合体(D)
本発明に係わるビニルアルコール系重合体(D)は、酢酸ビニル系重合体をケン化して得られる分子内に水酸基を持つ、好ましくは水に可溶の重合体である。原料である酢酸ビニル系重合体は酢酸ビニルの単独重合体であってもよいし、他の共重合可能なモノマー、例えばエチレン、プロピレンまたは1−ブテン等のα―オレフィン等が30モル%まで共重合されたものであってもよい。共重合のモノマーが30モル%を越えると、ガスバリアー性が低下して、バリアー材としての性能が不十分になる。
ビニルアルコール系重合体(D)のケン化度は通常90%以上、好ましくは99%以上であり、この範囲にあると高湿度下でのバリア性が維持される。重合度は特に制限されないが300〜5000、より好ましくは500〜2000の範囲が望ましい。重合度が300以下ではガスバリア性が不充分な虞があり、5000以上ではかかるビニルアルコール系重合体(D)を塗布する際の分散液の粘度が高くなりすぎて塗布加工が難しくなる。
【0012】
プロピレン重合体(E)
本発明に係わるプロピレン重合体(E)は、プロピレンの単独重合体、若しくはプロピレンと少量、通常5モル%以下のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα―オレフィンとの共重合体である。プロピレン重合体(D)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)は延伸フィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜15g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。本発明に係わるプロピレン重合体(D)は、前述のプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物と同じであっても良い。
本発明に係るプロピレン系重合体(D)は、前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)と同様に、各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。又、ブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を添加しておくと、透明性に優れ、且つブロッキング防止性を有する二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムとすることができる。
【0013】
粘着付与剤(F)
本発明に係わる粘着付与剤(F)は、一般に粘着付与剤として製造・販売されている樹脂状物質で、具体的には、クマロン・インデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂及びキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール,テルペン樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、不飽和炭化水素重合体、水素添加炭化水素樹脂及び炭化水素系粘着化樹脂等の石油系炭化水素樹脂、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロジン・エステル、特殊ロジンエステル及びロジン系粘着付与剤等のロジン誘導体及びテルペン系粘着付与剤等を例示できる。
これらの中では、軟化点が110℃以上、好ましくは125〜145℃の範囲にある水素添加率が95%以上、更には99%以上の水素添加炭化水素樹脂、水素添加脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加テルペン樹脂、水素添加合成ポリテルペン樹脂等の水素添加樹脂が、プロピレン重合体組成物との相溶性に優れるので好ましい。軟化点が110℃未満のものは成形時に発煙の問題が発生し、成形機を汚ごす虞が生ずる場合があり、一方、145℃を超えるものはプロピレン重合体組成物と相溶しづらくなるため二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムの外観が悪くなる虞がある。
【0014】
無機層状化合物(G)
本発明に係わる無機層状化合物(G)は、極薄の単位結晶層が1枚または数枚重なった多層構造をもって板状の粒子を形成している無機化合物のことであり、粘土鉱物が好ましく用いられる。本発明における粘土鉱物とは極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収する性質、特には水分子が配位することにより浸漬前より体積が増加する化合物を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO2−対して配位し4面体構造を構成する層とAl、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li等がO2−およびOHに対して配位し8面体構造を構成する層とが1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものでも良い。代表的なものとしては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。中でも、スメクタイト群と呼ばれているモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライトやサポナイトが好ましく用いられ、更には不純物の少ない合成品が好ましく、その中でも結晶構造が成長し、アスペクト比を大きくできる溶融法で生成したナトリウム型テトラシリシックマイカが特に好ましい。
上記層状化合物の層と層との間には通常陽イオンが保持されている。このような層間イオンとしては、K+、Na+、Li+等のアルカリ金属イオンを例示することが出来る。特に陽イオンが膨潤性を向上させるためにNaで置換されていることが好ましい。
【0015】
無機層状化合物の平均粒子径は特に限定されないが、長さ方向が通常300Å以上、5μm以下のものが好ましく用いられる。5μm以上では透明性が損なわれ、また劈開が不充分だと高湿度下でのバリア性が著しく低下する。また、アスペクト比(長さ径と厚みの比)は大きいほど透明性、バリア性が良好であるが、基材フイルム(D)との密着性が低下することから20〜2000が好ましく用いられる。
又、かかる無機層状化合物(G)をビニルアルコール系重合体(D)に添加する場合は、ビニルアルコール系重合体(D)と無機層状化合物(G)との混合比は重量比で(D)/(G)が3/7以下、更には5/5以下が好ましい。無機層状化合物(G)の添加量が3/7より大きいと透明性が低下し、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層との密着性も低下する傾向にある。
【0016】
プロピレン系重合体の製造方法
本発明に係わるプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)及びプロピレン重合体(E)は種々公知の方法、例えば、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体から形成される触媒を用いて製造することができる。
固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適には100m/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げられる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造された重合体が好適である。
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記チタン触媒成分の種類によって異なる。
電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適な具体例としては、これらの元素を有する有機エステル、有機エーテルなどを挙げることができる。
担体付触媒成分を用いた重合体の製造方法に関しては、たとえば特開昭50−108385号、特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−28189号、特開昭52−151691号などの各公報に開示されている。
【0017】
本発明に係わるIsoが高いプロピレン単独重合体およびプロピレン・α−オレフィン共重合体は、またシングルサイト触媒を用いても製造することができる。シングルサイト触媒は、活性点が均一(シングルサイト)である触媒であり、例えばメタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒)やブルックハート触媒などがあげられる。例えばメタロセン触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および上記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されていてもよい。
前記メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば特開平5−209014号、特開平6−100579号、特開平1−301704号、特開平3−193796号、特開平5−148284号等に記載された化合物などがあげられる。
有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等があげられる。上記鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水とを接触させることにより生成される。例えば重合時にアルキルアルミニウムを加えておいて、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機、無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることにより得られる。
前記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物は、例えば特表平1−501950号、特開平3−207704号等に記載された化合物などがあげられる。シングルサイト触媒を担持させる前記無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等があげられる。
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等があげられる。これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。重合条件は通常、重合温度;−100〜+250℃、重合時間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm(ゲージ圧)である。
【0018】
プロピレン重合体組成物
本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とから得られる組成物で、α―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%、好ましくは0.2〜1.0モル%の範囲にあり、好ましくはプロピレン単独重合体(A)が95〜10重量%、更に好ましくは90〜20重量%の範囲、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が5〜90重量%、更に好ましくは10〜80重量%の範囲にある。α―オレフィン含有量が0.1モル%未満、更には、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が5重量%未満では、二軸延伸フィルムを得る場合の延伸温度幅の改良効果が少ない虞があるので、厚薄精度に優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムにならない場合があり、その結果、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層と積層した場合に、ラミネート強度が改良されない場合がある。一方、α―オレフィン含有量が1.8モル%を越えると、更には90重量%を越えると得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの剛性、機械的強度等が低下する虞がある。
本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを種々公知の方法で混合することにより得られる。例えば、予めプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを夫々別個に重合して得たものを、機械的に混合する方法、混合した後溶融混練する方法、あるいはプロピレン単独重合体(A)若しくはプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを重合した後、引き続きプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)若しくはプロピレン単独重合体(A)を重合する方法等により得られる。
本発明のプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)若しくはプロピレン重合体組成物には、夫々にあるいは何れかに、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
【0019】
ポリプロピレン組成物
本発明に係わるポリプロピレン組成物は、プロピレン重合体組成物97〜75重量%、好ましくは96〜85重量%と、粘着付与剤(F)3〜25重量%、好ましくは4〜15重量%を含む組成物である。粘着付与剤(F)の量が3重量%未満では、防湿性に優れた二軸延伸多層フィルムが得られず、一方、25重量%を超えると防湿性の改良効果は飽和するとともに、押出し成形がし難い傾向にある。
【0020】
二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸されたプロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物に粘着付与剤(F)を所定量添加したポリプロピレン組成物から得られ得る基層、その少なくとも片面にビニルアルコール系重合体(D)層から構成される。他の構成として二軸延伸されたプロピレン重合体組成物から得られ得る基層、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層及びビニルアルコール系重合体(D)層から構成される。更に他の構成として、ブロッキング防止剤を所定量添加したプロピレン重合体(E)層、二軸延伸されたプロピレン重合体組成物から得られ得る基層、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層及びビニルアルコール系重合体(D)層から構成される。又、更には上記構成において、ビニルアルコール系重合体(D)層が無機層状化合物(G)を含んでなる構成を取り得る。
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの厚さは用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、ポリプロピレン組成物層が10〜100μm、好ましくは15〜50μm、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、ビニルアルコール系重合体(D)層若しくは無機層状化合物(G)を含むビニルアルコール系重合体(D)層が0.1〜10μm、好ましくは0.2〜3μm、プロピレン重合体(E)層が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲にある。
【0021】
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは、例えば、プロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られるプロピレン重合体組成物に粘着付与剤(F)を所定量添加したポリプロピレン組成物、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)必要に応じてブロッキング防止剤を所定量添加したプロピレン重合体(E)とを共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法で二軸延伸フィルムを得た後、ビニルアルコール系重合体(D)若しくは無機層状化合物(G)を含むビニルアルコール系重合体(D)分散液を塗布・乾燥する方法により製造し得る。又、ビニルアルコール系重合体(D)の分散液等を塗布する場合は、共押出し成形して得た多層シートに塗布した後、ニ軸延伸してもよいし、共押出し成形して得た多層シートを縦方向に延伸したシートに塗布した後、横方向に延伸してニ軸延伸多層フィルムとしてもよい。
【0022】
ビニルアルコール系重合体(D)等の分散液には、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層との密着性向上、及び/または皮膜の強度向上のためにビニルアルコール系重合体(D)に架橋剤成分を添加しても良い。かかる架橋剤成分としては、シランカップリング剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、アミン系化合物などがあるが、高湿度下でも密着性低下しないことからイソシアネート系架橋剤が好ましく、特に水性の自己乳化タイプが水溶液中で安定であるので好ましい。その添加量はビニルアルコール系重合体(D)に対し重量比で1〜10%の範囲にあることが好ましい。
又、ビニルアルコール系重合体(D)等の分散液に架橋剤成分を添加する代りに、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層の表面を種々公知のアンカー(AC)剤、例えば有機チタン系AC剤、ポリウレタン系AC剤、ポリエチレンイミン系AC剤、ポリブタジエン系AC剤等で処理しておいてもよい。
本発明に係わるビニルアルコール系重合体(D)には、本発明の目的を阻害しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種添加剤を加えることが可能である。特に、アンチブロッキング剤として粒径が0.1〜10μm程度の酸化珪素、カオリン等の無機系微粒子やポリメチルメタクリレート、メラミン等の有機系微粒子を好ましく用いることが出来る。
ビニルアルコール系重合体(D)の分散媒としては、コスト、作業環境面から水が好ましく用いられるが、水以外の溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加えることも可能である。
【0023】
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは、プロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られるプロピレン重合体組成物に粘着付与剤を所定量添加したポリプロピレン組成物及び必要に応じてアンチ・ブロッキング剤を所定量添加したプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)、更には必要に応じてアンチ・ブロッキング剤を所定量添加したプロピレン重合体(D)とを共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法により得られ得る。二軸延伸の条件は、公知のOPPフィルムの製造条件、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を125℃〜145℃、延伸倍率を4.5〜6倍の範囲、横延伸温度を165〜190℃、延伸倍率を9〜11倍の範囲にすればよい。
【0024】
本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、特に、逐次二軸延伸フィルム製造方法で、横延伸の温度範囲を従来に比べ7℃と広くすることができ、その結果横延伸操作が容易となり、得られる二軸延伸フィルムの厚薄精度、例えば、OPPフィルムの基準厚みに対する厚薄ばらつき(2σ)をプロピレン重合体(A)単独から得られる二軸延伸フィルムに対し20〜50%低減できる。その結果、得られる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムのラミネート強度、ヒートシール強度が改善される。
【0025】
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。また、本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは更に用途により、低温ヒートシール性を付与するために、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、結晶性あるいは低結晶性のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体あるいはプロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の低融点のポリマーを単独あるいはそれらの組成物をビニルアルコール系重合体(D)若しくは無機層状化合物(G)を含むビニルアルコール系重合体(D)層あるいはプロピレン重合体(E)層上に積層してもよい。また、更に、ガスバリア性を付与するために、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン系重合体等を押出しコーティング、フィルムラミネート等で積層してもよいし、金属あるいはその酸化物、シリカ等を蒸着してもよい。勿論、他の物質との接着性を増すために、延伸フィルムの表面をイミン、ウレタン等の接着剤でアンカー処理してもよいし、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを積層してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは、基層に用いるポリプロピレン組成物を二軸延伸する際に、その均一延伸性、広温度域延伸性等の延伸性が改良されており、生産性の安定化(稼働率、得率の向上)がはかれる。また、本発明のプロピレン重合体組成物を基層とした二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムはビニルアルコール系重合体層を有してなるので、ガスバリア性に加え、厚薄精度、剛性、透明性に優れ、ベタがなくいので、特に食品包装材料としてスナック菓子、米菓、ビスケット、ピーナッツ等の乾燥食品に使用し得るし、無機層状化合物を含んでなるビニルアルコール重合体層を有する二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムは、さらに高いガスバリア性を有しているので前記乾燥菓子はもちろんのこと含水率の多い饅頭やカステラ、切り餅、鰹節、各種珍味等の広範囲な用途にも使用し得る。
【0027】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0028】
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
(評価方法)
1)弾性率:JIS K 7127に準じて測定した。
2)フィルム厚みムラ:規定幅(5m)の標準偏差を測定した。
3)ラミネート強度:二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムに30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミし15mm幅に切り出し引張り試験機(東洋精機社製)を用い引張速度300mm/分で90度の剥離強度を測定した。
4)酸素透過度:JIS K 7126に準じ、温度20℃で湿度50%RH及び80%RHで測定した。
5)透湿性の評価:JIS Z 0208に準じ、条件A;温度40℃、湿度90%RHで測定した。
【0029】
実施例1
<基層:ポリプロピレン組成物層>
プロピレン単独重合体(MFR:3.0g/10分)40重量%に対しプロピレン・エチレンーランダム共重合体(エチレン含有量:1.3モル% MFR:3.0g/10分)を60重量%配合したエチレン含有量が0.8モル%のポリプロピレン組成物に耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppmを加えたプロピレン重合体組成物を用意し、当該プロピレン重合体組成物95重量%に対しテルペン系石油樹脂(商品名 クリアロンP−125 ヤスハラケミカル社製、軟化点;125℃)5重量%配合した。
<ラミネート層:プロピレン・エチレン共重合体組成物層>
エチレン含有量:4.0モル%、ブテンー1含有量:1.1モル%、融点138℃、MFR:7g/10分のプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体に先に記載した酸化防止剤及びアンチブロッキング剤としてシリカを1000ppm配合した。
<ブロッキング防止層:プロピレン系重合体組成物層>
ブロッキング防止層を構成する重合体として融点162℃、MFR2.4g/10分のプロピレン単独重合体に、粒径2.8μmのポリメチルメタクリレート粒子からなるアンチ・ブロッキング剤を0.10重量%、耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppmを加えたプロピレン系重合体組成物を用意した。
<二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造>
前記、ポリプロピレン組成物、プロピレン・エチレン共重合体組成物及びプロピレン系重合体組成物を押出量比(1/10/1)になるよう各々スクリュー押出機を用いて溶融押出しマルチマニホールドタイプT−ダイを用いて賦形し、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmの多層シートを得た。このシートを約125℃に加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを155℃に加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に10倍延伸した後、ラミネート層をコロナ処理して、基層の厚さ:25μm、ラミネート層の厚さ:2.5μm及びブロッキング防止層の厚さ:2.5μm(合計厚さ:30μm)の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
【0030】
<二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの製造>
ケン化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、重合度1000のポリビニルアルコールを熱水で溶解し、室温まで冷却して5%濃度の水溶液を得た。この水溶液に水性ウレタン(武田薬品工業社製 商品名 WD726)を固形分比で3%、及び濡れ向上剤としてアニオン系界面活性剤(花王社製 商品名 ネオペレックスF25)を0.5%添加し、これをビニルアルコール系重合体積層用のコート液とした。このコート液を前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネート層上に、ラボコーターを用いてコートし、40℃で1日エージングして、二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムのビニルアルコール系重合体層の厚さは1μmであった。得られた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
【0031】
実施例2
ケン化度99.9%、酢酸ナトリウム含有量0.2%、重合度1000のポリビニルアルコールを熱水で溶解し、室温まで冷却して固形分が5重量%の濃度の水溶液を得た。無機層状化合物として、ナトリウム型テトラシリシックマイカ(トピ−工業社製 商品名 DMA−350)を用いた。DMA−350を水で固形分が10重量%になるよう分散させ、この分散液を遠心分離機にかけ、粗い粒子を沈降除去した後、濃度調整をして平均粒子径2.5μmの5重量%の濃度の無機層状化合物の水分散液を得た。このポリビニルアルコ−ル水溶液と無機層状化合物の水分散液とを重量比で7/3になるよう混合し、更に水性ウレタン(武田薬品工業社製 商品名 WD726)を固形分比で3重量%、及び濡れ向上剤としてアニオン系界面活性剤(花王社製 商品名 ネオペレックスF25)を0.5重量%添加し、15分間攪拌を行った。この混合液をコート液とした。このコート液を実施例1で得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネート層上に、ラボコーターを用いてコートし、40℃で1日エージングして、二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムのビニルアルコール系重合体層の厚さは0.8μmであった。得られた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの評価結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
実施例1の基層に用いたポリプロピレン組成物に代えて、実施例1の基層で用いたプロピレン単独重合体を用いる以外は、実施例1と同様に行い、二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを得た。かかる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。評価結果を表1に示す。
【0033】
参考例1
実施例1で得られたビニルアルコール系重合体を積層をしない二軸延伸ポリプロピレンフィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。評価結果を表1に示す。
【0034】
参考例2
比較例1で得られたビニルアルコール系重合体を積層をしない二軸延伸ポリプロピレンフィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004080284
【0036】
表1の結果より、本発明のコート基材として用いたプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)及び粘着付与剤とから得られるポリプロピレン組成物を基層とした二軸延伸ポリプロピレンフィルム(参考例1)は、通常の防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(参考例2)と比較してフィルムの厚みムラが低減しており、ラミネート強度も強くなっている。実施例1と比較例1とを比較すると基材層である二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特長により、ビニルアルコール系重合体を積層した後も同様にフィルムの厚みムラとラミネート強度が改善されているのが分かる。いずれのフィルムも、厚みムラはビニルアルコール系重合体層を積層することにより均質化されて軽減されているが、実施例1は比較例1に比べて酸素透過度のバラツキが小さくなっている。これは、基材層の厚みムラに基因してビニルアルコール系重合体層の厚さのバラツキがより大きくなっているからであると推定される。
したがって、従来の基材層では酸素透過度のバラツキを少なくなるためビニルアルコール系重合体層の厚さを厚くしなければならなかったが、膜厚の安定により、より少ない膜厚で安定したバリア性を発現できる。

Claims (7)

  1. 二軸延伸されたα―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、粘着付与剤(F)3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物層からなる基層の少なくとも片面にビニルアルコール系重合体(D)層が積層されてなることを特徴とする二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  2. プロピレン単独重合体(A)が95〜10重量%であり、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が5〜90重量%とから得られるプロピレン重合体組成物である請求項1記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  3. プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のα―オレフィン含有量が0.4〜2.2モル%である請求項2記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  4. ビニルアルコール系重合体(D)層がプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層を介して二軸延伸されたポリプロピレン組成物層からなる基層に積層されてなる請求項1記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  5. ビニルアルコール系重合体(D)層が、無機層状化合物(G)を含んでなる請求項1もしくは4記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  6. ポリプロピレン組成物層からなる基材の他の片面に、ブロッキング防止剤を含むプロピレン重合体(E)層が積層されてなる請求項1〜5の何れかに記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
  7. ポリプロピレン組成物層、プロピレン・α−オレフィン共重合体(C)層及びプロピレン重合体(E)層とが共押出し成形により得られる請求項4若しくは5の何れかに記載の二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム。
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