JP2001150604A - 酸素吸収性多層体 - Google Patents

酸素吸収性多層体

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JP2001150604A JP2000100510A JP2000100510A JP2001150604A JP 2001150604 A JP2001150604 A JP 2001150604A JP 2000100510 A JP2000100510 A JP 2000100510A JP 2000100510 A JP2000100510 A JP 2000100510A JP 2001150604 A JP2001150604 A JP 2001150604A
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良二 大滝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄系酸素吸収剤からの水素発生を抑制し、容器
や袋の形状又は外観が損なわれることのない、保存安定
性に優れた酸素吸収性樹脂組成物を用いた脱酸素性包装
体又は容器を提供する。 【解決手段】内側表面から順に、酸素透過性熱可塑性樹
脂からなるシーラント層、硫黄含有量が600ppm以
上1500ppm以下である鉄系酸素吸収剤及び熱可塑
性樹脂からなる酸素吸収樹脂層、ガスバリア性材料から
なるガスバリア層が積層された酸素吸収性多層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存性に優れた酸
素吸収性多層体に関する。本発明の酸素吸収性多層体
は、食品や医薬品の品質を良好に保持する容器に利用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】鉄系の酸素吸収剤を脱酸素剤とする包装
が、食品、医薬品等を保存する方法として知られている
が、近年、脱酸素包装技術の一つとして、熱可塑性樹脂
に酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物を通気性
包装材料にて包装してなる、ラベル型、パッキン型、カ
ード型等の脱酸素剤が使用されている。さらに、熱可塑
性樹脂に酸素吸収剤を配合した樹脂組成物からなる酸素
吸収層を配した、脱酸素機能を備えた多層体材料からな
る包装容器、すなわち脱酸素容器の開発が行われてい
る。
【0003】鉄系酸素吸収剤を樹脂に配合した酸素吸収
性樹脂組成物としては、例えば特開昭60−15825
7号公報、特開昭63−281964号公報、特開平4
−90847号公報、特開平7−268140号公報等
に鉄系酸素吸収剤を熱可塑性樹脂に分散、混合したもの
の記載がある。特開平8−72941号公報、特開平7
−309323号公報、特開平9−40024号公報に
は、鉄系酸素吸収性樹脂層を有する多層シート、多層フ
ィルム等の酸素吸収性多層体の記載がある。また、特開
平1−73869号公報には、ガスバリア性熱可塑性樹
脂に銅の量を150ppm以下、硫黄量を500ppm
以下とした鉄粉と酸化促進剤を配合する樹脂配合用酸素
吸収剤の記載がある。このような酸素吸収剤は、加熱時
に樹脂のゲル化や分解を抑え、また異味、異臭成分の発
生を抑える効果を示すことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、脱酸素
剤組成物を配した酸素吸収層を中間層とし、外側にガス
バリア性の外層、内側に酸素透過性の内層を備えた脱酸
素性多層体で構成された、脱酸素機能を備えた袋、カッ
プ、トレイ、ボトル等の包装容器の検討を行ってきた。
しかし、鉄系酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂組成
物を用いた酸素吸収性多層体からなる容器を使用して食
品等を保存する場合、しばしば容器内の水分が樹脂に配
合した鉄系酸素吸収剤と反応して水素が発生し、これに
より、容器や袋の形状又は外観が損なわれる場合があっ
た。本発明の目的は、容器や袋の形状又は外観が損なわ
れることのない、保存安定性に優れた酸素吸収性樹脂組
成物及びこれを用いた酸素吸収性多層体を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸素吸収
樹脂層中の鉄系酸素吸収剤の硫黄含有量が600ppm
以上1500ppm以下、好ましくは700ppm以上
1200ppm以下に調節することにより、保存中の水
素発生を抑制し、酸素吸収性能が損なわれず、さらに食
品、医薬品の保存効果に優れた酸素吸収性多層体乃至酸
素吸収性シートが得られることを見出した。
【0006】本発明の酸素吸収性多層体は、従来の鉄系
酸素吸収剤を用いた樹脂組成物や多層体と比較し、保存
中の水素発生量が抑制されているため、食品、医薬品を
密封保存した際の保存安定性に優れている。水素の発生
が抑制される機構は明らかでないが、水分と鉄とが反応
して酸化鉄と水素になる反応を硫黄が阻害するものと推
定される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、内側表面から順に、酸
素透過性熱可塑性樹脂からなるシーラント層、鉄系酸素
吸収剤を配合した熱可塑性樹脂からなる酸素吸収樹脂
層、ガスバリア性材料からなるガスバリア層の少なくと
も3層が積層された酸素吸収多層体において、酸素吸収
樹脂層中の鉄系酸素吸収剤の硫黄含有量が600ppm
以上1500ppm以下、好ましくは700ppm以上
1200ppm以下の鉄粉及びハロゲン化金属からなる
組成物であることを特徴とする酸素吸収性多層体であ
る。硫黄含有量は、鉄粉重量当たりの硫黄分(S換算)の
重量ppmで示す。本発明によれば、酸素吸収剤から水
素が発生することが抑制される。硫黄の含有量が前記し
た量より少ないと水素抑制効果が低くなる。また、硫黄
の含有量が前記した量より多いと、食品、医薬品を密封
保存した際、硫黄の臭気が発生する問題が生じる。
【0008】内側表面から順に、酸素透過性熱可塑性樹
脂からなるシーラント層、鉄系酸素吸収剤を配合した熱
可塑性樹脂からなる酸素吸収樹脂層、ガスバリア性材料
からなるガスバリア層の少なくとも3層が積層された酸
素吸収多層体においては、水素が発生することを抑制す
ることが容器や袋の形状又は外観を保つ上できわめて重
要である。特に、ガスバリア層が金属箔からなる酸素吸
収性多層体においては水素が容器内から逃げずに蓄積さ
れるので、本発明は重要である。
【0009】本発明の鉄系酸素吸収剤中の硫黄含有量
は、600ppm以上1500ppm、好ましくは70
0ppm以上1200ppm以下のものが用いられる。
硫黄含有量が前記の量より少ないと鉄系酸素吸収剤から
の水素抑制効果が低く、前記の量より多いと、食品、医
薬品を密封保存した際の硫黄の臭気が問題となる。 鉄系
酸素吸収剤中の含有量が前記範囲に入る量の硫黄分を含
む鉄粉の他、鉄系酸素吸収剤中の硫黄含有量が前記範囲
に入るように鉄粉と硫黄又は含硫黄無機化合物からなる
組成物を使用することができる。添加される含硫黄無機
化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び
遷移金属の硫酸塩が好ましく、アルカリ金属の硫酸塩及
びアルカリ土類金属の硫酸塩がより好ましく、水に不溶
性の硫酸カルシウム及び硫酸バリウムが最も好ましい。
【0010】本発明に用いられる鉄系酸素吸収剤中の鉄
粉の製造方法には、特に制限はなく、還元鉄粉、噴霧鉄
粉、電解鉄粉が用いられる。また、鉄系酸素吸収剤に用
いる鉄粉の粒径は、酸素吸収性樹脂の層厚を薄くするた
めに細かい方がよく、平均粒径は1〜150μmが好ま
しく、5〜100μmが特に好ましい。鉄系酸素吸収剤
としては、前記した鉄粉又は鉄粉と硫黄もしくは含硫黄
無機化合物からなる鉄粉組成物とハロゲン化金属からな
る組成物が好ましい。ハロゲン化金属は鉄粉の酸素吸収
反応に触媒的に作用するものである。ハロゲン化金属と
しては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
塩化物、臭化物又はヨウ化物が用いられ、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はバ
リウムの塩化物又はヨウ化物が好ましく用いられる。ハ
ロゲン化金属の配合量は、鉄粉100重量部当たり好ま
しくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.1〜5
重量部である。
【0011】ハロゲン化金属は、鉄粉を主剤とした酸素
吸収剤の必須成分として鉄粉とともに使用されるが、鉄
粉に付着して容易に分離しないよう予め混合して添加す
ることが好ましい。例えば、ボールミル、スピードミル
等を用いてハロゲン化金属と鉄粉を混合する方法、鉄粉
表面の凹部にハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダ
ーを用いてハロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方
法、ハロゲン化金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して
鉄粉表面に付着させる方法等の方法がとられる。好まし
い鉄系酸素吸収剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含む組成
物であり、特に好ましくは、鉄粉にハロゲン化金属を付
着させたハロゲン化金属被覆鉄粉からなる酸素吸収剤で
ある。本発明の酸素吸収性樹脂組成物には、鉄粉及びハ
ロゲン化金属以外の成分を配合することもできる。例え
ば、アルカリ物質を添加することにより鉄系酸素吸収剤
の水素発生の抑制作用を高めることができるが、鉄系酸
素吸収剤の酸素吸収をも阻害するため、その量は制限さ
れる。
【0012】本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、熱可塑
性樹脂に鉄系酸素吸収剤を配合することにより製造され
る。本発明において熱可塑性樹脂に鉄系酸素吸収剤を配
合する量は、酸素吸収性樹脂組成物中、鉄系酸素吸収剤
10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%となる
量である。この範囲より多いと、樹脂組成物の加工性に
問題が生じ、少ないと酸素吸収性能が低下する。鉄系酸
素吸収剤は、酸素吸収性樹脂の層厚を薄くするために細
かい方がよく、平均粒径は1〜150μmが好ましく、
5〜100μmが特に好ましい。
【0013】本発明における鉄系酸素吸収剤を配合する
酸素透過性熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが好
ましく用いられる。ポリオレフィンとしては、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン及び高密度ポリエチレンに例示されるポリエチレ
ン類、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体及びプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体に例示されるポリプロピレン類、メタロセン
ポリエチレンやメタロセンポリプロピレン等のメタロセ
ン触媒によるポリオレフィン類、ポリメチルペンテン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−αオレフィ
ン共重合体に例示されるエラストマー類あるいはこれら
の混合物が挙げられる。この中では、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック
共重合体、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン又はメタロセンポリエチレンが特に好ましい。
【0014】本発明の酸素吸収性樹脂組成物又はこれよ
り成る酸素吸収性フィルムを延伸して多孔化することに
より酸素吸収速度を増加させることも好ましい。この場
合、脱酸素成分以外の多孔化を補助する多孔化補助剤を
酸素吸収性樹脂組成物に加えても良い。多孔化補助剤と
しては、水に不溶又は難溶の無機フィラーであれば特に
制限はない。無機フィラーの例としては、シリカ、アル
ミナ、珪藻土、チタニア、硫酸バリウムなどがあり、硬
度、取り扱い、価格の点から粉砕シリカ、α−アルミナ
を用いるのが最も好ましい。本発明の酸素吸収性樹脂組
成物を酸素吸収層とし、容器外側にガスバリア層、容器
内側に酸素透過性のシーラント層を配することにより、
脱酸素機能を備えた脱酸素性多層体が構成される。本発
明の酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収層とし、その少な
くとも片側に酸素透過層を積層した脱酸素性積層体を構
成することもできる。本発明において、酸素透過性のシ
ーラント層に用いる樹脂としても、上記の酸素吸収性樹
脂組成物に使用する熱可塑性樹脂が用いられる。シーラ
ント層に用いる樹脂と酸素吸収層に使用する熱可塑性樹
脂は、上記の熱可塑性樹脂であれば、異なっていても良
いが、同種のものが好ましい。酸素吸収樹脂層、酸素透
過性の内層には、酸化チタン、スリップ剤、酸化防止
剤、消泡剤、活性炭等の添加物を添加してもよい。
【0015】本発明において、ガスバリア層は、包装容
器とした場合に容器外部から侵入する酸素を遮断する層
であり、例えば、アルミ箔等の金属箔、ポリ塩化ビニリ
デン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ナイロ
ン6、ナイロン6, 6、ナイロンMXD6、ポリエチレ
ンテレフタレート等のガスバリアー性樹脂、アルミニウ
ム蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルム等の蒸着フィルム
等を単独又は組合せて用いることができる。中でもガス
バリア層をアルミ箔等の金属箔とした場合、酸素吸収樹
脂から発生した水素が透過しないため、本発明の水素抑
制効果が特に重要である。
【0016】また、ガスバリア層の破損やピンホールを
防ぐために、バリア層の外側に熱可塑性樹脂からなる保
護層を設けることが好ましい。保護層に用いる樹脂とし
ては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエチレン
類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合
体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロン6,6
等のポリアミド類、さらに、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル類およびこれらの組合せが挙げられ
る。
【0017】また、本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、
酸素吸収性多層体の酸素吸収樹脂層に用いられる。本発
明の酸素吸収性多層体は、多層フィルム又は多層シート
等として、保存安定性に優れた包装材料として各種の用
途に用いられる。
【0018】
【実施例】本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明す
る。尚、本発明は実施例に必ずしも限定されない。 [実施例1]平均粒径30μmの鉄粉1000kgを加
熱ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHg
の減圧下140℃で混合しつつ、塩化カルシウム50重
量%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した後、粉末状の硫
酸バリウムを添加、混合し、篩い分けし粗粒を除き、硫
黄含有量が850ppmで平均粒径30μmの鉄系酸素
吸収剤1を得た。次に、ベント付き二軸押出機を用い
て、エチレン−プロピレンランダム共重合体(チッソ
(株)製、商品名F8090)を押出しながら、サイドフ
ィードにて鉄系酸素吸収剤を供給し、ポリプロピレン:
鉄系酸素吸収剤=70:30重量比となるように、混練
し、ストランドダイから押し出した後、冷却、ペレタイ
ザーにてペレット化し、酸素吸収性樹脂組成物Aを得
た。
【0019】次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロール
及びスリッター及び巻取機からなる押出ラミネーター装
置を用い、繰り出される無延伸ポリプロピレンフィルム
(東セロ(株)製、商品名RXC−11、厚さ50μm、
以下CPP)上に作製した酸素吸収樹脂組成物Aを厚さ
30μmで冷却ロールにあてながら押出ラミネートし、
酸素吸収樹脂層面を平滑化し、CPPと酸素吸収樹脂層
をラミネートしたフィルム1を作製した。フィルム1の
酸素吸収樹脂層面の濡れ張力(JISK6768)は、
42dyn/cmであった。ついで、フィルム1の酸素
吸収樹脂層側にドライラミネートにより、厚さ7μmの
アルミ箔、厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム、さら
に厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を積層し、酸素吸収多層体11を得た。得られた酸素吸収
多層体11の構成は、内面より、CPP/酸素吸収樹脂層
/アルミ箔/延伸ナイロン/ポリエチレンテレフタレー
トである。
【0020】酸素吸収多層体11を用いて、評価試験を実
施した。すなわち、酸素吸収多層体1を18cm×13
cmに切り取り、3辺をヒートシールした後、人参、ジ
ャガイモ等の野菜を含んだカレーシチュー150gをヘ
ッドスペース空気量が5ccとなるように充填し、残り
の一辺をヒートシールして包装袋とし、125℃、25
分のレトルト処理を行った。その後、40℃、RH75
%下に3ヶ月保存し、袋の外観、袋内の酸素及び水素濃
度、並びに、内容物であるカレー風味の調査を行った。
結果を表1に示す。
【0021】[比較例1]硫酸バリウムを添加しなかっ
た以外は、実施例1と同様にした。そのときの鉄系酸素
吸収剤中の硫黄含量を測定したところ、50ppmであ
った。結果を表1に示す。
【0022】[比較例2]硫黄含有量が異なる鉄粉を用
いた以外は、実施例1と同様にした。そのときの鉄系酸
素吸収剤中の硫黄含量は、2800ppmであった。結
果を表1に示す。
【0023】[実施例2]実施例1のフィルム1に、印
刷を施した厚さ15μmの延伸ナイロン、厚さ12μm
のシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸
版印刷(株)製、商品名GL−AEH)を実施例1と同様
にドライラミネートし、酸素吸収多層フィルム12を得
た。酸素吸収多層フィルム12の構成は、CPP/酸素吸
収樹脂層/延伸ナイロン/印刷/シリカ蒸着ポリエチレ
ンテレフタレートであった。以下、実施例1同様の評価
試験を実施した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】[実施例3]実施例1とは硫黄含有量が異
なる鉄粉1000kg及び粉末状の硫酸バリウムを加熱
ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHgの
減圧下140℃で混合しつつ、塩化カルシウム50重量
%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した後、篩い分けし粗
粒を除き、硫黄含有量が1150ppmで平均粒径20
μmの鉄系酸素吸収剤2を得た。鉄系酸素吸収剤2を用
い、混練する樹脂に低密度ポリエチレン(三井化学(株)
製、商品名ミラソン18SP、以下LDPE)を用いた
以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収樹脂組成物B
を得た。
【0026】次いで、2台の単軸押出機、Tダイ、冷却
ロール及びスリッター及び巻取機からなるタンデム押出
ラミネーター装置を用い、繰り出されるLDPE(厚さ
20μm)/アルミ箔(厚さ9μm)/OPP(厚さ2
5μm)からなる積層フィルムに、作製した酸素吸収樹
脂組成物Bを厚さ30μmで押出ラミネートし、次い
で、内層として押出機より酸化チタンを5重量%配合し
たメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミ
カル社製、商品名PT1450)をTダイから厚さ20
μmとなるように押出しラミネートし、内層(低密度ポ
リエチレン:酸化チタン=80:20)/酸素吸収樹脂
/LDPE/アルミ箔/OPPの積層構成からなる、酸
素吸収多層フィルム13を得た。この多層フィルム13を1
5cm×20cmに切り出し、ガゼット袋に製袋し、栗
羊羹を200g、ヘッドスペース空気2ccとなるよう
に充填密封し、40℃、RH75%下に6ヶ月間保存し
た。栗羊羹包装体は、保存後も形状の変形なく保存前の
外観を保っていた。さらに、開封して調査したところ、
栗羊羹の風味、色調が良好に保持されていることが確認
された。
【0027】[比較例3]硫酸バリウムを添加しなかっ
た以外は、実施例3と同様にして、鉄系酸素吸収剤3を
得た。このときの鉄系酸素吸収剤中の硫黄含量は350
ppmであった。これを用い、実施例3と同様にして、
酸素吸収樹脂組成物Cを得、酸素吸収多層フィルムを製
造し、栗羊羹包装体を得た。実施例3と同様に6ヶ月保
存した後の栗羊羹包装体は、膨らみを生じ、保存前の外
観を保っていなかった。また、ガス分析の結果、生じた
膨らみは発生した水素に因るものであることが判明し
た。
【0028】[実施例4]実施例1とは硫黄含有量が異
なる最大粒径50μmの鉄粉1000kgを加熱ジャケ
ット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHgの減圧下
140℃で混合しつつ、硫酸バリウム及び塩化ナトリウ
ムを含む懸濁水溶液を噴霧し、乾燥した後、篩い分けし
粗粒を除き、硫黄含有量が1100ppmで平均粒径2
0μmの鉄系酸素吸収剤4を得た。鉄系酸素吸収剤4、
粉状シリカ((株)龍森製、商品名CRYSTALITE VX-S2、
平均粒径5μm、最大粒径20μm)及びポリプロピレン
(三菱化学(株)、商品名FW3E、メルトフローレート7.0g
/10min)をドライブレンド後、30mm径2軸押し出し機に
て混練、ストランドダイより押し出し、冷却、ペレタイ
ザーで切断して、脱酸素樹脂のペレットを得た。該脱酸
素樹脂の組成は、鉄系酸素吸収剤50wt%、粉砕シリカ10w
t%、ポリプロピレン40wt%であった。
【0029】粉状シリカ((株)龍森製、CRYSTALITE VX-
S2、平均粒径5μm、最大粒径20μm)、隠蔽剤として酸
化チタン(堺化学工業(株)製、商品名SR-1、一次粒径0.
25μm)及び、ポリプロピレン(三菱化学(株)製、商品
名FW3E、メルトフローレート7.0g/10min)をドライブレ
ンド後、30mm径2軸押し出し機にて混練、ストランドダ
イより押し出し、冷却、ペレタイザーで切断して、白色
樹脂のペレットを得た。該白色樹脂の組成は、粉砕シリ
カ50wt%、酸化チタン10wt%、ポリプロピレン40wt%であ
る。
【0030】酸素透過性樹脂層としてポリプロピレン
(FW3E)とエチレン−水添ブタジエン共重合体(ジェイ
・エス・アール(株)製、DYNARON 6200P)の重量比1:1混
合物、隠蔽層として前記白色樹脂、脱酸素層として前記
脱酸素樹脂及び緩衝層としてポリプロピレン(三菱化学
(株)製、FW3E)の計4層を、Tダイ幅500mmの共押出機
によりこの順に配列されるように積層した。この積層体
を一軸延伸機にて6倍に延伸し、この延伸した積層体の
緩衝層ポリプロピレンにバリア層としてアルミ箔をウレ
タン系接着剤(武田薬品工業(株)製A−515、硬化剤
A−50との重量比10:1混合物)を用いてドライラミ
ネートにより接着し、脱酸素多層フィルム14を得た。得
られた脱酸素多層フィルム14の構成は、酸素透過性樹脂
層20μm/隠蔽層40μm/脱酸素層50μm/緩衝層10μm/
バリア層20μmであった。
【0031】ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体/ポリプロピレンからなるカップに炊飯米
を充填し、得られた脱酸素多層フィルム14をトップシー
ルフィルムとしてヒートシールし、包装容器を作成し
た。25℃で保存し、脱酸素時間を求めたところ、脱酸素
時間は20時間であった。2週間保存後も包装容器の形状
変化はなく、炊飯米の風味及び色調は良好に保存されて
いた。
【0032】以上の結果からわかるように、本発明の酸
素吸収性樹脂組成物及び酸素吸収性多層体は、保存安定
性に優れたものであり、かつ食品等の品質を良好に保持
する容器に利用することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の酸素吸収性多層体は、長期保存
した場合でも良好に品質を保持し且つ水素発生を抑制
し、安定した保存性を有することができる。特に、本発
明の酸素吸収性多層体からなる容器を使用して食品等を
保存する場合において、樹脂に配合した鉄系酸素吸収剤
から水素が発生することを防ぎ、容器や袋の形状又は外
観が損なわれることを防ぎ、また、内容物に異臭を与え
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 宗大郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AA04 AA11 AB01 AB81 BB14A BB15A BB16A BB22A BB25A CA04 EA06 EE25 EE32 EE33 FA01 FC01 GB13 GD01 4F074 AA20 AA24 AA25A AC06 AC14 AC30 AC32 CA01 CC02Y DA20 DA33 4F100 AA36B AB01C AB10 AB33C AK01A AK01B AK07 AK42 AK48 AK64 AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C CA09B DC11B EH17 EJ37B GB15 JB16A JB16B JD02C JD03A JL00 JL12A YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側表面から順に、酸素透過性熱可塑性樹
    脂からなるシーラント層、硫黄含有量が600ppm以
    上1500ppm以下である鉄系酸素吸収剤及び熱可塑
    性樹脂からなる酸素吸収樹脂層、ガスバリア性材料から
    なるガスバリア層が積層された酸素吸収性多層体。
  2. 【請求項2】ガスバリア層が金属箔からなることを特徴
    とする請求項1記載の酸素吸収性多層体。
  3. 【請求項3】酸素吸収樹脂層が延伸により多孔化された
    層であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収性多
    層体。
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