JP2006334928A - ドライパック製品用包装材 - Google Patents

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円 山口
Toshibumi Tanahashi
俊文 棚橋
Sato Kaminaga
俐 神永
Daisuke Suematsu
大輔 末松
Hiroaki Kanehiro
博昭 兼弘
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Abstract

【課題】 電子レンジ加熱やレトルト殺菌が可能でありながら耐酸素透過性に優れ、容器内の残留酸素の捕捉も可能で、長期にわたって内容物の保存性に顕著に優れたドライパック製品用包装材に関する。
【解決手段】 最外層から順に、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷層、二軸延伸ナイロンフィルム、ニ酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層、ニ酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルムから成り、前記印刷層が二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布して成るベタ印刷層を有するものであることを特徴とするドライパック製品用包装材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドライパック製品用包装材に関し、より詳細には、レトルト殺菌が可能であると共に電子レンジに適用可能で、ドライパック製品の保存性に顕著に優れたドライパック製品用包装材に関する。
従来包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容器が各種の用途に使用されている。しかしながら、金属缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラスチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題となっている。
このような問題を解決するために、プラスチック容器では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層として、アルミニウム箔等の金属箔やエチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
一方容器内の残存酸素を除去し、内容物の保存性を向上させるために、酸素吸収剤の使用も古くから行われており、例えば、鉄系酸素吸収剤を配合した樹脂層の内外面に酸素吸収剤未配合の樹脂層をサンドイッチして成る包装材が提案されている(特許文献1)。
密封容器内における酸素は、容器の内容物の保存性及び香味保持性に重要な影響をもたらす。密封容器内のヘッドスペース等に密封初期から存在する酸素は、内容物の香味保持性を低下させる。この傾向は、内容物の保存性向上を目的として、レトルト殺菌する包装食品において特に顕著であり、例えば、缶詰類の蔬菜や蔬菜中では、色素の破壊や香味保持性の低下をもたらすことが知られている。
特開平10−114371号公報
しかしながら、耐酸素透過性を向上させるために、金属箔を用いたものは、電子レンジ加熱をすることができず、また廃棄性の点でも問題がある。一方エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いたものは、金属箔を用いた場合のような問題は生じないが、吸湿によりバリア性が顕著に低下することから、レトルト殺菌のような高温湿熱条件に置かれるとバリア性が低下し、耐レトルト性に劣るという問題がある。
大豆やコーン、ひじき等においては、固形分中には水分は含有されているが、水分と固形分が分離していない、所謂ドライパック製品として包装される場合がある。このようなドライパック製品用の包装材においては、ドライパック製品が水分を含有していることから電子レンジ加熱に対応できること、ドライパック製品は長期保存を目的とするものであるのでレトルト殺菌に対応しえること、及び長期にわたって色調等の外観に変化がないことやフレーバーが保持されることが要求されるが、上記包装材ではこれらの要求を十分に満足することができない。
従って本発明の目的は、電子レンジ加熱やレトルト殺菌が可能でありながら耐酸素透過性に優れ、容器内の残留酸素の捕捉も可能で、長期にわたって内容物の保存性に顕著に優れたドライパック製品用包装材に関する。
本発明によれば、最外層から順に、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷層、二軸延伸ナイロンフィルム、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルムから成り、前記印刷層が二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布して成るベタ印刷層を有するものであることを特徴とするドライパック製品用包装材が提供される。
本発明のドライパック製品用包装材によれば、電子レンジ加熱やレトルト殺菌が可能でありながら耐酸素透過性に優れ、しかも容器内の残留酸素の捕捉も可能であり、長期にわたって内容物の色調等の外観に変化がなく、しかもフレーバーを保持し得る優れた保存性を有し、ドライパック製品の特性に顕著に適合し得る包装材を提供することができる。
本発明のドライパック製品用包装材においては、図1に示すように、最外層から順に、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム1、印刷層2、二軸延伸ナイロンフィルム3、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム4、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層5、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム6から成り、印刷層2が二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布して成して成るベタ印刷層であることが重要な特徴であり、図1に示す具体例では、印刷層2が二酸化チタン含有印刷インキを2回塗布して成るベタ印刷層として形成されて、印刷層2と二軸延伸ナイロンフィルムの両側に接着剤層7がそれぞれ形成されている。
すなわち本発明においては、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム1を用いることにより、従来ガスバリア性層に用いられていたアルミニウム或いはエチレンビニルアルコール共重合体を用いた場合と異なり、電子レンジ加熱及びレトルト殺菌の何れにも対応することが可能であり、またこれにより外部からの酸素の透過を有効に遮断し得る。
また酸素吸収層5の存在により、包装材内の残存酸素を有効に捕捉することができ、内容物たるドライパック製品のフレーバーや色調等の変化を防止して保存性を顕著に向上することが可能となる。
更に本発明においては、二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布してなるベタ印刷層2が外側に形成されていると共に、酸素吸収層に隣接するポリオレフィンフィルム4及び6に二酸化チタンが含有されていることから、ポリオレフィン連続相中に鉄系酸素吸収剤が分散粒子層として存在する酸素吸収層5の色を隠蔽することができる。
本発明においては、酸素吸収層5を二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム4,6でサンドイッチすることにより、酸素吸収層中の鉄系酸素吸収剤粒子が外面に露出することが有効に防止され、包装材の製造段階から包装初期における鉄露出や鉄移行によるフレーバー低下を抑制できると共に、鉄系酸素吸収剤の分散粒子が表面に形成する凹凸或いは鉄系酸素吸収剤の酸素吸収に伴う体積膨張を緩和することが可能となり、クラックの発生や層間接着性の低下を抑制することが可能となる。しかもこの二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム4,6は酸素透過性が大きく、しかも耐湿性に優れていることから、容器内酸素はポリオレフィンを介して鉄系酸素吸収剤に透過移動する一方で、水分と鉄系酸素吸収剤との直接的な接触が防止されるという利点がある。このため、本発明の包装材では、レトルト殺菌時及び保存初期における酸素吸収を極めて効率的に行うことが可能となる。
また無機蒸着層は、折り曲げや突き出しに弱く、ピンホールやクラックを発生して、この傷の部分から酸素が透過するおそれがあるが、本発明では、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム1の無機蒸着層1bを内側、二軸延伸ポリエステルフィルム1aを外側とし、且つ無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム1と酸素吸収層5との間に、二軸延伸ナイロンフィルム3の耐衝撃層及びポリオレフィンフィルム4の緩衝層を設けることにより、無機蒸着層におけるピンホールやクラックの発生が有効に防止されている。
(無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム)
無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルム基体の表面に、ケミカルベーパーデポジション(CVD)、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などで、無機物、即ちシリコンオキサイド、アルミナなどのセラミック、カーボン等を蒸着させたものや、これらの各々の無機蒸着層を少なくとも2層組み合わせたもので、蒸着層の厚みは、50乃至1000オングストロームと薄いが、酸素などに対して優れた遮断性を示すものである。
二軸延伸ポリエステルフィルムと無機蒸着層との間には、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂と、イソシアネート系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン系樹脂から選ばれた樹脂との混合物、等のプライマー層を設けてもよく、また無機蒸着層上に表面被覆層として下記の化学式(1)
M(OH)n ・・・(1)
(但し、Mは金属元素であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である)
で表されるアルコキシド塗膜層を設けてもよい。
無機蒸着された二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは5乃至50μm、特に10乃至30μmの範囲にあるのが取り扱いの点で有利である。
ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)或いはこれらのブレンドなどが挙げられる。
(印刷層)
印刷層は二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布して成るベタ印刷層を形成する。
用いる印刷インキとしては、インキビヒクル及び添加剤に二酸化チタンを分散させたものを使用することができる。
ビヒクルとしては、油、樹脂、溶剤、可塑剤などが使用される。
油類としては、乾性油であるアマニ油、煮沸アマニ油や、半乾性油である大豆油、不乾性油であるひまし油などが、単独或いは組合せで使用され、これらの油類はまた、後述する樹脂の変性にも使用される。樹脂としては、ロジン、変性ロジン、ギルソナイトなどの天然樹脂や、下記の合成樹脂、例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、環化ゴム、セルロース誘導体などが、単独或いは2種以上の組合せで使用される。
溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、ソルベントナフサなどが使用される。可塑剤としては、フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、クエン酸エステル系、ポリエステル系などの可塑剤が使用される。
一方、添加剤としては、天然或いは合成のワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、艶消し剤、消泡剤、熱重合開始剤、光重合開始剤などが用いられる。
用いるインキビヒクルは、加熱硬化性でも、紫外線硬化性でもよい。加熱硬化型のものとしては、アルキッド型あるいはポリエステル型ビヒクルを用いたインクが好適である。
また、加熱硬化型の他の例として、アミノ樹脂、アクリル樹脂等の樹脂類を多官能性アクリル系モノマー等の反応性希釈剤に溶解したものも好適に使用できる。これらのビヒクル組成物には必要に応じて、有機過酸化物あるいはアゾ化合物等の熱重合開始剤を組み合わせて使用する。
紫外線硬化性のものとしては紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型いずれの形態でも良い。
紫外線ラジカル重合型のものとしては、アクリル系モノマー乃至プレポリマーと光ラジカル重合触媒との組み合わせが使用される。アクリル系モノマー乃至プレポリマーとしては、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー乃至プレポリマー或いはそれらの混合物が使用される。光ラジカル重合触媒の代表的なものとしては、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、キサントン類等がある。
紫外線カチオン重合型のものとして、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒の組み合わせが使用される。紫外線硬化型エポキシ樹脂としては、分子内に脂環族基を有し且つ脂環基の隣接炭素原子がオキシラン環を形成しているエポキシ樹脂成分を含有するものであり、例えば分子内に少なくとも1個のエポキシシクロアルカン基、例えばエポキシシクロヘキサン環、エポキシシクロペンタン環等を有するエポキシ化合物等が単独或いは組み合わせで使用される。上記エポキシ化合物と組み合わせで用いるカチオン性紫外線重合開始剤とは、紫外線によって分解し、ルイス酸を放出し、このルイス酸がエポキシ基を重合する作用を有するものであり、その例として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩、芳香族セレニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等が挙げられる。
印刷層は上述したとおり複数回、特に2回塗布されて形成されることが好ましく、塗布量で3〜7g/mとすることが好ましい。
(二軸延伸ナイロンフィルム)
二軸延伸ナイロンフィルムとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、ナイロン10、ナイロン12、或いはこれのブレンド等が挙げられる。
二軸延伸ナイロンフィルム層の厚みは、5乃至50μm、特に10乃至25μmの範囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲を下回ると無機蒸着層に対する保護効果が不十分であり、一方厚みが上記範囲を上回ると、包装材としての可撓性、柔軟性が低下する傾向があると共に、コスト的にも不利となる。
(酸素吸収層)
本発明の酸素吸収層は、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から形成される。鉄系酸素吸収剤粒子をポリオレフィンとの組成物の形で用いるのは、酸素吸収剤粒子を包装材に成形可能にすると共に、その脱落を防止するためである。
酸素吸収層に用いる鉄系酸素吸収剤粒子としては、還元性鉄粉と酸化促進剤乃至触媒がブレンドされたものでもよいが、還元性鉄粉のコア粒子と、これにコーティングされた酸化促進剤乃至触媒の層とからなるのがより好ましい。また、酸化促進剤乃至触媒が還元性鉄粉当たり0.1乃至10重量%の量、特に0.1乃至5.0重量%の量で存在するのがよい。
酸素吸収剤としては、従来この種の用途に使用されている鉄系酸素吸収剤は全て使用でき、上述した還元性鉄の他、鉄低位酸化物、例えば酸化第一鉄、四三酸化鉄、更に還元性鉄化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化鉄などの一種又は組合せたものを主成分としたものを用いることができる。また酸化促進剤乃至触媒としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物等の他、グルコース、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性の有機化合物を挙げることができる。
鉄系酸素吸収剤は、レーザー散乱法で測定して10乃至50ミクロンのメヂアン粒子径を有し、そのアスペクト比(短径/長径)は0.75以下のものが50%以上を占めるような紡錘乃至偏平状粒子であるのがよい。また、BET比表面積が0.5m/g以上、見掛け密度が2.2g/cc以下であるものが好ましい。
上記鉄系酸素吸収剤を分散させるポリオレフィンとしては、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは単独でも、或いは2種以上のブレンド物の形でも使用することができる。
レトルト殺菌に対する耐熱性の点からは、結晶性のプロピレン系重合体が適当であり、ホモポリプロピレンや、結晶性であるという条件下に、プロピレンを主体とするランダム共重合体やブロック共重合体が使用される。用いるプロピレン系重合体は、0.8乃至12g/10minのメルトフローレート(JISK6758)を有していることが好ましい。
またより好適な態様では、プロピレン系重合体とエチレン系重合体とを、重量比で、100:1乃至1:1、特に50:1乃至3:2の範囲で混合して用いる。
酸素吸収剤を分散させる熱可塑性樹脂を、実質上非相溶性の複数の熱可塑性樹脂乃至エラストマーのブレンド物から形成させ、しかも非相溶性熱可塑性樹脂乃至エラストマーがマトリックス中で不均一分布構造、特に多層分布構造を形成するようにすることも、鉄酸化物粒子の内面側或いは外面側への突き出しを防止するのに有効である。
鉄系酸素吸収剤配合ポリオレフィン組成物は、ポリオレフィン100重量部当たり鉄系酸素吸収剤を2乃至60重量部分散させて成るのがよく、鉄系酸素吸収剤の量が上記範囲を下回ると酸素吸収能力が不十分となり、一方、鉄系酸素吸収剤の量が上記範囲を上回ると配合組成物の成形性が低下したり、或いは酸素吸収後の体積膨張に伴う前述したトラブルが発生しやすくなる。
酸素吸収剤含有樹脂層の厚みは、10乃至100μm、特に15乃至60μmの範囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲を下回ると酸素吸収能力が不足する傾向があり、一方厚みが上記範囲を上回ると成形性が悪くなると共に、包装材としての可撓性、柔軟性が低下する傾向がある。
(二酸化チタン含有ポリオレフィンフィルム)
ポリオレフィンフィルムとしては、酸素吸収層に関して述べたポリオレフィンが使用される。酸素吸収層との層間接着性の点では、ポリオレフィンフィルムと酸素吸収層のポリオレフィンとは同種のものであることが望ましい。ポリオレフィンフィルムには、酸素吸収剤による着色を隠蔽する目的で、二酸化チタンが配合されているが、二酸化チタンの配合量は特に制限されないが、ポリオレフィン100重量部当たり5乃至25重量部の範囲が適当である。
ポリオレフィンフィルムの厚みは、内層側及び外層側の何れも、5乃至50μm、特に10乃至30μmの範囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲を下回ると酸化で生成する鉄酸化物粒子が突き出してフレーバーが低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると酸素吸収性が低下する傾向がある。
また使用する二酸化チタンは、印刷層で用いたものと同様のものを使用することができる。
(積層体)
本発明で包装材に用いる積層体は、まず無機蒸着二軸ポリエステルフィルム1の蒸着面に二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布してなるベタ印刷層2を印刷し、次いでこの印刷層2に二軸延伸ナイロンフィルム3及び二軸延伸ナイロンフィルム3上に二酸化チタン含有ポリオレフィンフィルム4を順次ドライラミネーション法により積層して、予備積層体8を作成する。
次いでこの予備積層体8と、二酸化チタン含有ポリオレフィンフィルム4及び6とを対向させ、この間に鉄系酸素吸収剤配合ポリオレフィン組成物を押出してサンドイッチラミネーション法により本発明に用いる積層体が製造される。サンドイッチラミネーション法は、具体的には、二つのラミネーションロールの間に押出機及びダイリップを配置し、それぞれのラミネーションロールにより支持された二つの層をロール間に供給し、これら層間に溶融樹脂を押出し、ロール間のニップ位置で積層体が形成されるというものである。
尚、用いるフィルムはコロナ放電処理等によりフィルムの濡れ性を向上させておくことが接着性の点から好ましい。
予備積層体の積層に用いる接着剤樹脂としては、イソシアネート系或いはエポキシ系等の熱硬化型接着剤樹脂、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq /100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂等を使用できる。
熱可塑性接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せである。
(用途)
本発明のドライパック製品用の包装材は、上述した積層体を用いて、三方或いは四方シールの通常のパウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等の形態をとることができる。
本発明の包装材に充填されるドライパック製品は、大豆、コーン、ひじき、筍等をボイル或いは湯通し等を行って、充分水切りされたものであり、本発明の包装材中に窒素充填された後、レトルト殺菌に付される。これらは特に長期保存されることを目的とするものであるが、本発明の包装材に充填されることにより香味及び色相を長期にわたって良好に保持できる。またドライパック製品は、固体中に水分を含有し、電子レンジ加熱による調理をも目的とするものであるが、本発明の包装材に充填されることにより、電子レンジ加熱も可能になる。
(実施例1)
無機蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)のポリエチレンテレフタレート面をコロナ処理し、この表面に二酸化チタン含有ウレタン系印刷インキを塗工量2.5g/mの量で塗布乾燥し、これを二度繰り返し、ベタ印刷層を形成した。この印刷層に二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)及び二軸延伸ナイロンフィルム3上に二酸化チタン含有プロピレンエチレン共重合体フィルム(30μm)を接着剤としてウレタン系接着剤を用いて順次ドライラミネーション法により積層して、予備積層体を作成した。次いでこの予備積層体の二酸化チタン含有プロピレンエチレン共重合体フィルムと、二酸化チタン含有プロピレンエチレン共重合体フィルム(30μm)とを対向させ、この間に鉄系酸素吸収剤配合樹脂組成物を押出してサンドイッチラミネーション法により25μmの厚みを有する酸素吸収層を有する積層体を作成した。
尚、用いた鉄系酸素吸収剤配合樹脂組成物は、プロピレン−エチレンランダム共重合体70重量%、直鎖状低密度ポリエチレン10重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン10重量%、還元鉄10重量%からなるものである。
上記積層体を用いて、二酸化チタン含有プロピレンエチレン共重合体フィルム同士が対向するように重ね合わせ。100mm×160mm×29mmのスタンディングパウチを作成した。
このスタンディングパウチに、内容品として、原料大豆に対して4倍量の水で約15時間浸漬させた膨張大豆を等量の水でボイルし、灰汁等を除去し、湯きりを行った大豆ドライ製品を60g窒素充填して密封した。密封後120℃20分間シャワー加圧殺菌した後、冷却した。
保存温度30℃にて、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後のそれぞれについて、内容品である大豆ドライ製品をスライドガラスを押し付け、色彩色差計CR−200を用いて、L,a.b価を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で作成したスタンディングパウチに80℃の温水中に1分間浸し、湯きりしたスイートコーンドライ製品を60g窒素(二酸化炭素40%含有)充填して、密封した。密封後120℃11分間シャワー加圧殺菌した後、冷却した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で作成したスタンディングパウチに80℃の温水中に2分間浸し、湯きりした千切り筍ドライ製品を55g窒素充填して、密封した。密封後118℃11.7分間シャワー加圧殺菌した後、冷却した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で作成したスタンディングパウチに、乾燥ひじきに対し、15倍量の水で60分間浸漬したものを水切り後、65℃の温水中に30秒間浸し、湯きりしたひじきドライ製品を55g窒素充填して、密封した。密封後120℃11.7分間シャワー加圧殺菌した後、冷却した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜4)
無機蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)のポリエチレンテレフタレート面をコロナ処理し、この表面に二酸化チタン含有ウレタン系印刷インキを塗工量2.5g/mの量で塗布乾燥し、これを二度繰り返し、ベタ印刷層を形成した。この印刷層上に、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)、更にこの二軸延伸ナイロンフィルム上にプロピレンエチレン共重合フィルム(70μm)をそれぞれウレタン系接着剤によりドライラミネーション法により積層体を作成した。この積層体を用いて実施例1と同様のスタンディングパウチを作成した。
このスタンディングパウチに実施例1乃至4の内容品を充填密封し、比較例1〜4とした。比較例1〜4に対して、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に併せて示す。
Figure 2006334928
本発明の包装材の断面構造を示す図である。
符号の説明
1 無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム
1a 二軸延伸ポリエステルフィルム
1b 無機蒸着層
2 印刷層
3 二軸延伸ナイロンフィルム
4 二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム
5 酸素吸収層
6 二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム
7 接着剤層
8 予備積層体

Claims (1)

  1. 最外層から順に、無機蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷層、二軸延伸ナイロンフィルム、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルム、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層、二酸化チタン含有無延伸ポリオレフィンフィルムから成り、前記印刷層が二酸化チタン含有印刷インキを複数回塗布して成るベタ印刷層を有するものであることを特徴とするドライパック製品用包装材。
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