JP4357947B2 - 遮光性積層材およびそれを使用した包装用袋 - Google Patents
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Description
而して、上記の包装用袋を構成する包装用材料としての積層材としては、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請から、酸素ガス、水蒸気等の透過を遮断する性質を有する種々のバリア性材料を使用することが試みられている。
また、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等が透過し、この透過した光が内容物に影響し、例えば、内容物を分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすという問題点があることから、遮光性あるいは光遮断性材料が種々検討され、種々の遮光性ないし光遮断性材料が開発され、提案されている。
而して、上記のバリア性材料、あるいは、遮光性ないし光遮断性材料として、最も一般的なものとしては、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が使用されている。
ところで、上記のアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用すると、当該アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等は、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有すると共に太陽光あるいは蛍光等の光遮断性を有するので、極めて有用な素材であるが、アルミニウム箔等は、耐屈曲性等に欠けることから、ピンホールが発生し易く、そのバリア性を損なうという問題点があるばかりではなく、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、アルミニウム等の金属が残り、焼却炉を損傷し兼ねず、その廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点があることから好ましくないものである。
更に、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用する場合、例えば、内容物に混入した金属片(異物)等を探知する金属探知機等を使用して金属片(異物)等の検査を行うと、そのアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が、金属探知機に反応し、その金属片(異物)を探知して検査を行うということが極めて困難であるという問題点もある。
具体的には、白色顔料の含有量が5〜20重量%であり、かつ、厚みが10μm以上である乳白色系フィルムと、黒色顔料の含有量が0.2〜1.0重量%であり、かつ該黒色顔料1に対し、重量比で20〜60の割合で白色顔料を含有し、かつ厚みが10μm以上である灰色系フィルムとを積層してなる食品包装用積層フィルム、更には、上記の食品包装用積層フィルムにおける灰色系フィルム側にエチレンーα−オレフイン共重合体からなるフィルム層を積層した食品包装用積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
因みに、高い遮光性が求められる各種の飲食料品、あるいは、産業部材としての感光性材料等の内容物を保護するためには、全領域における光線を遮蔽しなければならないものであり、400nm〜700nmの可視光域と、400nm以下の紫外光域の遮光は、必須であり、更に、できる限り700nm以上の赤外光域においても遮光する必要があるものである。
また、内容物を保護するためには、遮光性のみでなく、内容物の酸化、吸湿による内容物の変質、劣化を防ぐために酸素ガス、水蒸気等の透過を遮断するバリア性を併せ持つことが必要となるものである。
これまで、上記のような遮光性機能及びバリア性機能を満足するする材料としては、アルミニウム箔を用いた包装用材料が主流となっている。
しかし、アルミニウム箔等の使用は、前述のように、包装材料としての屈曲性に劣ること、更に、廃棄時の処理の問題点、また、金属検知機適性に劣るという問題点等を有するものである。
また、バリア性材料として、エチレンービニルアルコール共重合体フィルム、あるいは、ナイロン/芳香族ナイロン/ナイロン共押出フィルム、ナイロン/エチレンビニルアルコ−ル共重合体/ナイロン共押出フィルムを使用した積層材おいては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
まず、本発明に係る遮光性積層材についてその層構成の二三を例示して図面を用いて説明すると、図1、図2、および、図3は、本発明に係る遮光性積層材についてその層構成の二三例を示す概略的断面図であり、図4は、上記の図1に示す本発明に係る遮光性積層材を使用して製袋した本発明に係る包装用袋についてその構成の一例を示す概略的斜視図であり、図5は、上記の図4に示す本発明に係る包装用袋内に内容物を充填包装した包装体製品についてその構成の一例を示す概略的斜視図である。
なお、本発明においては、図示しないが、上記のアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層の面に、ポリオレフィン系樹脂等を溶融押出した溶融押出樹脂層等を介することなく、後述するヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層を構成する共押出多層積層樹脂フィルムを直接溶融押出ラミネ−トして、本発明に係る遮光性積層材を製造することもできるものである。
上記に挙げた例は、本発明に係る遮光性積層材についてその層構成の二三例を例示するものであり、本発明は、これらによって限定されるものではなく、例えば、本発明においては、図示しないが、更に、その使用目的、充填包装する内容物、流通経路、販売形態、用途等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態の遮光性積層材を設計して製造することができるものである。
なお、図示しないが、上記の包装用袋においては、例えば、IノッチあるいはVノッチ等の開封用切れ目を設けることもできるものである。
上記の例示は、本発明に係る包装用袋、あるいは、包装体製品についてその一例を例示したものであり、本発明は、これによって限定されるものではなく、例えば、本発明に係る包装用袋の形態としては、図示しないが、例えば、ピロ−包装形態、ガセット包装形態、スタンディング(自立性)パウチ包装形態、その他等の内容物に合った種々の形態からなる包装用袋を製造し得るものである。
また、本発明においては、図示しないが、上記の図2および図3に示す積層材を使用し、上記と同様にして、上記と同様に、種々の形態からなる包装用袋を製造し得るものである。
まず、本発明において、本発明に係る遮光性積層材、包装用袋等を構成するバリア性フィルムを形成する基材フィルムについて説明すると、かかる基材フィルムとしては、これが、本発明に係る遮光性積層材、包装用袋等を構成する基本素材となると共にこれに無機酸化物の蒸着膜を設けることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有し、無機酸化物の蒸着膜を形成する条件等に耐え、無機酸化物の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得る樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を任意に使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、図6に示すように、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1は、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明において、具体的には、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
図7に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す基材フィルム1は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された基材フィルム1の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1を、ガイドロ−ル51、52を介して送り出し、巻き取りロ−ル53に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
また、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
而して、本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素を挙げることができる。
また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R2 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。
なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のアルコキシシランとしては、一般式Si(ORa )4 (ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。
上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3 )4 、テトラエトキシシラン Si(OC2 H5 )4 、テトラプロポキシシラン Si(0C 3H7 )4 、テトラブトキシシラン Si(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3 Si(OCH3 )3 、メチルトリエトキシシラン CH3 Si(OC2 H5 )3 、ジメチルジメトキシシラン (CH3 )2 Si(OCH3 )2 、ジメチルジエトキシシラン (CH3 )2 Si(OC2 H5 )2 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
上記のジルコニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム Zr(OCH3 )4 、テトラエトキシジルコニウム Zr(OC2 H5 )4 、テトラiプロポキシジルコニウム Zr(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシジルコニウム Zr(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のチタニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH3 )4 、テトラエトキシチタニウム Ti(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルミニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシアルミニウム Al(OCH3 )4 、テトラエトキシアルミニウム Al(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシアルミニウム Al(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシアルミニウム Al(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
而して、本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるガスバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避されるものである。
上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものである。 上記において、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した際にガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
上記において、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものである。
上記において、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した際に、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜を形成することができるものである。
上記において、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるガスバリア性積層フィルムの耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、更に、5重量部を下回るとガスバリア性が低下することから好ましくないものである。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
而して、上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
本発明においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。 本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができる。
上記において、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。
本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。
その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。
また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。
上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、而して、そのような多孔性のポリマーは、ガスバリア性積層フィルムのガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものである。
また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
更に、上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。
本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。
上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルーゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/ 又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルーゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。
次に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。
而して、上記の乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。
更に、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルムを20℃〜150℃位で、かつ、基材フィルムの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜120℃位の範囲の温度で、30秒〜10分間加熱処理して、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成して、本発明に係るバリア性フィルムを製造することができる。
このようにして得られた本発明に係るバリア性フィルムは、ガスバリア性に優れているものである。
その際、酸が加水分解の触媒となる。
次いで、ゾルーゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。
このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。
加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。
生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する
上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。
このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルーゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に透明な塗工層が形成される。
上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜表面と、塗工層との接着性も良好なものとなるものである。
このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。
このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
特に、N2 あるいは、CO2 ガス等を充填した、いわゆる、ガス充填包装に用いた場合には、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。
更に、本発明に係るバリア性フィルムは、熱水処理、特に、高圧熱水処理(レトルト処理)に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロ−ルコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコ−ト、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
上記の例示は、本発明に係るヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層についてその二三例を例示したものであり、これらによって本発明が限定されるものではないものである。
更に、上記の本発明に係るヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層において、黒色ないし灰色の色素を含む樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色ないし灰色の色素を含み、かつ、その黒色ないし灰色の色素の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜から構成することができる。
具体的には、上記の黒色の色素を含む樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料を含み、かつ、黒色顔料の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜から構成することができ、また、灰色の色素を含む樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、1.0重量%〜25.0重量%からなり、また、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍からなる樹脂組成物による樹脂膜から構成することができる。
次に、上記の本発明に係るヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層において、白色の色素を含む樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料を含み、かつ、白色顔料の含有量が、0.1重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜から構成することができる。
更に、上記の本発明に係るヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層において、無色の樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂膜から構成することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピレン共合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフイン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の熱可塑性樹脂としては、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体をビヒクルの主成分として使用することが好ましいものである。
また、本発明においては、上記のような熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用して、本発明に係るヒ−トシ−ル性を有する遮光性積層材を形成することにより、その表裏面は、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂で構成していることから、本発明に係る包装用袋等の製袋時に、シール部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用し、極めて良好なシール部等を形成し得るものである。
上記の黒色の色素としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を吸収し(主に近紫外から可視領域を吸収)、その透過を阻止ないし遮断し、包装袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないしその2種以上の混合物を使用することができる。
本発明において、上記の黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、鉄黒、黒鉛、または、カーボンブラック、電気伝導性顔料(ポリアニリン、ポリピロール)、その他等の黒色顔料の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
その使用量としては、熱可塑性樹脂に対し、黒色顔料、0.1重量%〜25.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
本発明においては、上記の白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、本発明において、灰色の色素として、その使用量としては、上記のような黒色顔料と白色顔料との混合色素からなり、かつ、熱可塑性樹脂に対し、黒色顔料の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位からなり、また、白色顔料の含有量が、上記の黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍、好ましくは、3倍〜15倍位添加して使用することができる。
その使用量としては、熱可塑性樹脂に対し、白色顔料、0.1重量%〜30.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
なお、本発明においては、上記の本発明に係る無色の樹脂層を形成する樹脂組成物には、例えば、上記の黒色の色素を含む樹脂層、あるいは、灰色の色素を含む樹脂層、白色の色素を含む樹脂層等を隠蔽するため、あるいは、下地層等を構成するために、例えば、前述の有彩色の染料・顔料等の着色剤の1種ないし2種以上を添加して、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を調製することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
その添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜3.0重量%位が好ましい。
例えば、本発明において、本発明に係る灰色の色素を含む樹脂層を形成する樹脂組成物を使用する代わりに、本発明に係る黒色の色素を含む樹脂層を形成する樹脂組成物を使用し、上記と同様に、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、各種の層構成からなる本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムを製造することができることは言うまでもないことである。
なお、一般的に、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムを押出製膜化する場合、フィルム製膜化にとって、例えば、製品替え(パージ)時に、押出機等の分解清掃等の作業が負荷されるので、樹脂組成物中に顔料等の着色剤を使用することは回避したいものであり、着色剤無添加フィルムの製膜化が望まれるものである。
そこで本発明においては、押出機の顔料等の着色剤による汚れを回避できないものの一番分解が困難であるダイスにおいて、顔料等の着色剤による汚れが生じない共押出多層積層樹脂フィルムを製膜化すべく、外層として、顔料等の着色剤を添加しない熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用し、これにより、顔料等の着色剤無添加の樹脂膜を5μm〜100μmとし、これにより、ダイスの汚れ等を保護するという利点を有するものである。
また、本発明においては、本発明にかかる井押出多層積層樹脂フィルムを製造するに際して、更に、その使用目的、用途等によって、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる共押出多層積層樹脂フィルムを設計して製造することができるものである。
更に、本発明においては、上記の白色の色素を含む樹脂層の場合は、例えば、灰色の色素を含む樹脂層の両面に白色の色素を含む樹脂層を積層すると、その一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その白色の色素を含む樹脂層の他方が、製袋時等におけるシール部等を形成するヒ−トシール性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
また、本発明においては、上記の無色の樹脂層の場合、例えば、表裏両面に2層を積層すると、上記の灰色の色素を含む樹脂層、および、白色の色素を含む樹脂層等を保護、あるいは、隠蔽すると共にその無色の樹脂層の一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その無色の樹脂層の他方が、製袋時等におけるシール部等を形成するヒートシール性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
而して、上記の共押出多層積層樹脂フィルムにおいて、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚としては、まず、黒色の色素を含む樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜40μm位、好ましくは、10μm〜30μm位の範囲からなることが望ましいものである。
次に、灰色の色素を含む樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜40μm位、好ましくは、10μm〜30μm位の範囲からなることが望ましいものである。
更に、白色の色素を含む樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜40μm位、好ましくは、10μm〜30μm位の範囲からなることが望ましいものである。
また、無色の樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜100μm位、好ましくは、10μm〜80μm位が望ましいものである。
特に、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムは、無彩色または有彩色の色素、具体的には、黒色ないし灰色の色素、更に具体的には、黒色顔料あるいは白色顔料等を使用し、その黒色顔料による遮光性、白色顔料による遮光性、更には、それらの含有量による遮光性等により、遮光性ないし光遮断性等を現出した共押出多層積層樹脂フィルムにかかるものである。
因みに、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムは、例えば、これをスガ試験機株式会社製、機種名、ヘ−ズメ−タ(SM−C)を使用して全光線における透過率を測定すると、全光線透過率が、1.0%以下からなるものである。
更に、本発明においては、上記のように遮光性ないし光遮断性等を現出すると共に白色顔料による外観美粧性等を現出した共押出多層積層樹脂フィルムは、遮光性ないし光遮断性材料として使用するものである。
また、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムは、金属(異物)探知機等に反応せず、それによる金属片(異物)検査を容易にするという利点を有するも のである。
而して、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムは、これを遮光性ないし光遮断性材料あるいはヒ−トシール性樹脂層等として使用し、これと、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムからなるバリア性フィルムと積層して、種々の形態からなる積層材を製造し、而して、該積層材を包装用袋を構成する包装用材料、その他等の用途に適用し得るものである。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシートを使用し、これを、例えば、前述の溶融押出樹脂層あるいはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層を使用して、これを介して、溶融押出ラミネ−ト法あるいはドライラミネ−ト法等により、接着剤層とヒートシール性樹脂層との層間に積層することができるものである。
上記において、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂フィルムないし、シ−トの厚さとしては強度、耐突き刺し性、その他等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、その他等が抵下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μm〜100μm位、好ましくは、約12μm〜50μm位が最も望ましい。
具体的には、例えば、公知の各種の樹脂のフィルムないしシートから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記の公知の各種の樹脂のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択し て使用することができる。
更に、本発明においては、公知の各種の樹脂のフィルムないしシートとしては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコーティング量としては、0.1〜10.0g/m2 (乾爆状態)位が望ましい。
上記のアンカーコート剤は、例えば、ロールコート、グラビアロールコート、キスコート、その他等のコーティング法を用いてコーティングすることができ、そのコーティング量としては、0.1〜5.0g/m2 (乾爆状態)位が望ましい。
なお、上記の溶融押出ラミネート積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカーコート剤等のアンカーコート剤層を介して、積層することができる。
なお、本発明において、上記のような積層を行う際に、必要ならば、例えば、積層する各基材等の表面に、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、プラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態からなる包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような本発明に係る包装用袋には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
本発明においては、例えば、上記で製造した包装用袋の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシールして、上方のシール部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
また、本発明においては、特に、産業材料としての感光性材料、例えば、フイルム、感光剤、その他等の物品を充填包装する包装用袋としても有用なものである
また、本発明において、上記で製造される包装製品は、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用しないことから、金属(異物)探知機を使用し、金属(異物)探知機等による金属(異物)探知も可能であるという利点も有するものである。
(1).まず、基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;300m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜の面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、下記に準備したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
すあわち、下記の表1に示す組成に従って、組成a.エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH、エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に、予め調製した組成c.のポリビニルアルコール系樹脂水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表1)
組成a:EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
H2 O 2.196
組成b:エチルシリケート40(コルコート社製) 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
H2 O 13.752
組成c:ポリビニルアルコール系樹脂 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
H2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングし、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
(3).次に、以下に示す手法で共押出多層積層樹脂フイルムを製造した。
まず、下記の(イ)〜(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体〔三井住友化学株式会社製、商品名、エボリユーSP2020、密度、0.916g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.5g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部と、合成シリカ0.2重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、黒色顔料としてカーボンブラック1.2重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に上記の第二層と同様のエチレン−α・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)に上記の第二層と同様のエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(4).次に、上記で調製した(イ)〜(ニ)の樹脂組成物を使用し、これらを、上吹き空冷インフレーション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して、4層からなる総厚50μmの本発明にかかる共押出多層積層樹脂フイルムを製造した。
上記で製造した共押出多層積層樹脂フィルムは、乳白色で美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全領域において光線透過がほとんどなく、極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスムーズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(5).次に、先の(2)で製造したバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族シソシアネート)を使用し、これをグラビアロールコ−ト法を用いて、厚さ4.0g〜m2 (乾燥状態)にコーティングしてラミネート用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネート用接着剤層面に、上記で製造した共押出多層積層樹脂フィルムの第4層の表面に、コロナ処理を施し、次いで、そのコロナ処理の面を対向させて貼り合わせて、本発明に係る積層材を製造した。
(6).次に、上記で製造した積層材を2枚用意し、その共押出多層積層樹脂フィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を形成するとともに、上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる包装用袋を形成した。
上記で製造した包装袋内に、その開口部から内容物を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシールして上方シール部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に及び光遮断性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
また、上記で製造した包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm)
真空チヤンバー内の真空度;5.2×10-6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度;5.1×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力;60w・分/m2
フィルムの搬送速度;90m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にしてプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、上記の実施例1と同様にして、ガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るバリア性フィルムを製造した。
(3).次に、以下に示す手法で共押出多層積層樹脂フイルムを製造した。
まず、下記の(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体〔三井住友化学株式会社製、商品名、エボリユーSP2020、密度、0.916g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.5g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部と、合成シリカ0.2重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にエチレン−α・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、黒色顔料としてカーボンブラック1.2重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)にエチレン−α・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ホ).(第五層)にエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部とを十分に混練して、第5層を構成する樹脂組成物を調製した。
(4).次に、上記で調製した(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を使用し、これらを、上吹きインフレーション丼押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を8μm、(ニ)の樹脂組成物による層を7μm、(ホ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して、5層からなる総厚50μmの本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムは、内外層とも乳白色で美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全額域において光線透過がほとんどなく、極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスムーズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(5).次に、先の(2)で製造したバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族シソシアネート)を使用し、これをグラビアロールコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコーティングしてラミネート用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネート用接着剤層面に、上記で製造した共押出多層積層樹脂フィルムの第5層の表面に、コロナ処理を施し、次いで、そのコロナ処理の面を貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(6).次に、上記で製造した積層材を2枚用意し、その共押出多層積層樹脂フィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を形成するとともに、上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる包装用袋を形成した。
上記で製造した包装袋内に、その開口部から内容物を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシールして上方シール部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に及び光遮断性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
また、上記で製造した包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
上記以外は、上記の実施例2と全く同様にして、本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品を製造した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、下記に準備したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
すなわち、下記の表2に示す組成に従って、組成a.エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH、エチレン共重合比率29%)、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40(コルコート社製)、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に、予め調製した組成c.のポリビニルアルコール系樹脂水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表2)
組成a:EVOH(エチレン共重合率29%) 0.122 (wt%)
イソプロピルアルコール 0.659
H2 O 0.439
組成b:エチルシリケート40(コルコート社製) 9.146
イソプロピルアルコール 8.780
アルミニウムアセチルアセトン 0.018
H2 O 16.291
組成c:ポリビニルアルコール系樹脂 1.220
イソプロピルアルコール 19.893
H2 O 43.329
酢酸 0.103
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングし、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。
(3).次に、以下に示す手法で共押出多層積層樹脂フイルムを製造した。
まず、下記の(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体〔三井住友化学株式会社製、商品名、エボリユーSP2020、密度、0.916g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.5g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部と、合成シリカ0.2重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にエチレン−α・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、黒色顔料としてカーボンブラック1.2重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)にエチレン−α・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ホ).(第五層)にエチレンーα・オレフイン共重合体〔旭化成株式会社製、商品名、MA2010、密度、0.921g/m3 、メルトフローレト(MFR)、1.0g/10分〕100.0重量部と、エルカ酸アミド0.1重量部とを十分に混練して、第5層を構成する樹脂組成物を調製した。
(4).次に、上記で調製した(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を使用し、これらを、上吹きインフレーション丼押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を8μm、(ニ)の樹脂組成物による層を7μm、(ホ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して、5層からなる総厚50μmの本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムは、内外層とも乳白色で美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全額域において光線透過がほとんどなく、極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスムーズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(5).次に、先の(2)で製造したバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族シソシアネート)を使用し、これをグラビアロールコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコーティングしてラミネート用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネート用接着剤層面に、上記で製造した共押出多層積層樹脂フィルムの第5層の表面に、コロナ処理を施し、次いで、そのコロナ処理を貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(6).次に、上記で製造した積層材を2枚用意し、その共押出多層積層樹脂フィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を形成するとともに、上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる包装用袋を形成した。
上記で製造した包装用袋内に、その開口部から内容物を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシールして上方シール部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。 上記で製造した包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に及び光遮断性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
また、上記で製造した包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
更に、上記で積層した厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、実施例4と同様に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、実施例4の(4)で製造した共押出多層積層樹脂フィルムの第5層の表面に、コロナ処理を施し、次いで、そのコロナ処理を貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
上記以外は、上記の実施例4と全く同様にして、本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品を製造した。
(1).遮光性フィルムとして、膜厚50μmのポリオレフイン系樹脂フィルム〔出光ユニテック株式会社製、商品名、ユニクレストMS−450CG〕を使用し、その一方のコロナ処理の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族シソシアネート)を使用し、これをグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコーティングしてラミネート用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネート用接着剤層面に、グラビア印刷方式により全面に白色印刷を施した厚さ12μmのポリエステルフィルムを積層して、積層材を製造した。
上記の実施例1〜5、及び、比較例1で製造した積層材について、酸素透過度、水蒸気透過度、全光線透過率、および、遮光性を測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、積層材について、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN2/20)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、積層材について、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
(3).全光線透過率の測定
これは、スガ試験機株式会社製、機種名、ヘ−ズメ−タ(SM−C)を使用して全光線における透過率を測定して評価した。
(4).遮光性の測定
これは、島津製作所株式会社製、機種名、UV−2400PC、分光光度計を用いて、220〔nm〕〜800〔nm〕の領域の光線透過率を測定して評価した。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
┌────┬───────┬────────┐ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例1│ 0.5 │ 0.9 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例2│ 0.3 │ 0.5 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例3│ 0.4 │ 0.5 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例4│ 0.3 │ 0.4 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例5│ 0.3 │ 0.4 │ ├────┼───────┼────────┤ │比較例1│ 50.0 │ 8.0 │ └────┴───────┴────────┘
┌────┬──────┬─────────────────┐ │ │全光線透過率│ 遮光性〔%〕 │ │ ├──────┼─────┬─────┬─────┤ │ │ 〔%〕 │220nm│500nm│800nm│ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │実施例1│ 0.4 │ 0.0 │ 0.2 │ 1.8 │ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │実施例2│ 0.1 │ 0.0 │ 0.0 │ 1.0 │ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │実施例3│ 0.1 │ 0.0 │ 0.0 │ 1.0 │ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │実施例4│ 0.1 │ 0.0 │ 0.0 │ 1.0 │ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │実施例5│ 0.1 │ 0.0 │ 0.0 │ 1.0 │ ├────┼──────┼─────┼─────┼─────┤ │比較例1│ 1.1 │ 0.0 │ 0.5 │ 2.4 │ └────┴──────┴─────┴─────┴─────┘ 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・100%RH〕である。
B 包装用袋
C 包装製品
D、D1 、D2 、D3 、D4 共押出多層積層樹脂フィルム
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 ガスバリア性塗布膜
4 バリア性フィルム
5 ヒ−トシ−ル性を有する遮光性積層材
6 アンカ−コ−ト剤層
7 溶融押出樹脂層
8 ラミネ−ト用接着剤層
11 ヒ−トシ−ル部
12 開口部
13 内容物
14 上部ヒ−トシ−ル部
Claims (22)
- 少なくとも、バリア性フィルムと、ヒ−トシ−ル性を有する遮光性樹脂層とからなる積層材であって、
当該バリア性フィルムは、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1n(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた構成からなり、
上記ヒートシール性を有する遮光性樹脂層は、共押出多層積層樹脂フィルムから構成され、当該共押出多層積層樹脂フィルムが、灰色の色素を含む樹脂層の一方または両方の面に白色の色素を含む樹脂層を順次に積層した2〜3層積層樹脂層の一方または両方の面に、更に、無色の樹脂層を順次に積層した4〜5層積層樹脂層を有しており、
かつ上記灰色の色素を含む樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、1.0重量%〜25.0重量%からなり、また、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍からなる樹脂組成物による樹脂膜から構成されており、
かつ上記の無色の樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂膜から構成されており、
上記積層材を使用し、上記共押出多層積層樹脂フィルムから構成されるヒートシール性を有する遮光性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒートシールしてシール部を設けることを特徴とする包装用袋。 - 基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載する包装用袋。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 一般式R1nM(OR2)m中のMが、珪素、ジルコニウム、チタニウム、または、アルミニウムからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する包装用袋。
- アルコキシドが、アルコキシシランからなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する包装用袋。
- アルコキシドが、アルコキシドの加水分解物、または、アルコキシドの加水分解縮合物からなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載する包装用袋。
- ガスバリア性組成物が、シランカップリング剤を含むことを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載する包装用袋。
- ガスバリア性組成物が、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物からなることを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載する包装用袋。
- ガスバリア性塗布膜が、1層ないし2層以上重層した複合ポリマ−層からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載する包装用袋。
- ガスバリア性塗布膜が、ガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜150℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で30秒〜10分間加熱処理した硬化膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 水が、アルコキシド1モルに対して0.1〜100モルの割合で用いられることを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 白色の色素を含む樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料を含み、かつ、白色顔料の含有量が、0.1重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜13のいずれが1項に記載する包装用袋。
- 熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフイン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、エチレンーメタクリル酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、または、熱可塑性ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜14のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 黒色顔料が、鉄黒、黒鉛、または、カーボンブラックからなる黒色系顔料の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜15のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 白色顔料が、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトボン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、または、ルチル形酸化チタンからなる白色系顔料の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜16のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 灰色の色素を含む樹脂層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜17のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 白色の色素を含む樹脂層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜18のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 無色の樹脂層が、膜厚5μm〜100μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜19のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 共押出多層積層樹脂フィルムが、全光線透過率1.0%以下からなることを特徴とする上記の請求項1〜20のいずれか1項に記載する包装用袋。
- 無機酸化物の蒸着膜とヒートシール性を有する遮光性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層し、当該強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムが、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂のフィルムないしシートであることを特徴とする上記の請求項1〜21のいずれか1項に記載する包装用袋。
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