JP2001148116A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板の製造方法

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JP2001148116A
JP2001148116A JP33069799A JP33069799A JP2001148116A JP 2001148116 A JP2001148116 A JP 2001148116A JP 33069799 A JP33069799 A JP 33069799A JP 33069799 A JP33069799 A JP 33069799A JP 2001148116 A JP2001148116 A JP 2001148116A
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polishing
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magnetic disk
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disk substrate
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JP33069799A
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Toshiro Doi
俊郎 土肥
Hiroo Miyairi
広雄 宮入
Kiminobu Sato
仁宣 佐藤
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度、大容量に適した表面性状を有す
る磁気ディスク用基板を提供する。 【解決手段】 Ni−Pメッキ後の粗研磨工程におい
て、硬度:80〜100度、圧縮率:0〜8%、圧縮弾
性率:50〜90%、密度:0.5〜0.8g/cm3
の研磨布を使用して研磨する。研磨後の磁気ディスク用
基板は、うねり:1.0nm以下、微小うねり:1.5
nm以下、ダブオフ:150nm以下、ロールオフ:1
2nm以下の平坦性に優れた表面性状を有する高記録密
度、大容量に適した磁気ディスク用基板となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高記録密度用のNi
−Pメッキを施した磁気ディスク用基板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの記録装置として
用いられる磁気ディスク装置は、高記録密度化によっ
て、小型化と大容量化が進んでいる。磁気記録装置では
磁気ディスクと磁気ヘッドとの間で情報の授受が行われ
るが、高記録密度化に伴って信号が微弱となり、磁気デ
ィスクと磁気ヘッドとの間の間隙はますます狭くなって
きた。そのため磁気ディスク表面の仕上げ精度が一層重
要になってきている。通常、磁気ディスクは図1にその
工程の概要を示すように、アルミニウム合金の圧延コイ
ルを打ち抜いてブランク材を得て、それを研削加工して
基板の傷やうねり等を除去してサブストレートとし、次
いでNi−Pメッキを施し、Ni−Pメッキ層を研磨加
工して磁気ディスク用基板としている。この磁気ディス
ク用基板表面にテクスチャー加工を施して、スパッタに
よりクロム下地層とコバルト系合金の磁性層を形成した
後、保護膜及び潤滑膜を塗布して磁気ディスクを得る。
磁気ディスク用のアルミニウム合金ブランク材の表面
は、圧延や焼鈍、研磨等の加工工程で応力を受けて、表
面に微小な傷やうねりを伴っている。磁気ディスクとし
て使用するには、基板表面は所定の表面粗さ及び平坦度
に仕上げられていなければならない。
【0003】Ni−Pメッキ後の基板表面の仕上がり性
状は、その後のクロム下地層やコバルト系合金磁性層の
成膜工程において記録密度の向上につながる磁性結晶の
成長に影響を及ぼす。また、作動中に空気の圧力を利用
して磁気ヘッドを浮上させ、磁気ディスクと磁気ヘッド
との微小間隔を保つ潤滑方式においては、表面に微小な
凹凸が必要である。しかし表面の凹凸があまり大きすぎ
ると、磁気ヘッドが磁気ディスク表面に接触する、いわ
ゆるヘッドクラッシュ現象を起こすので、磁気ディスク
表面のうねりや微小うねりは極力小さい方が望ましい。
磁気ディスク用基板の表面粗さと平坦度を所望の範囲内
に納めるために、Ni−Pメッキ後の基板は研磨加工に
供される。研磨加工は、不織布状の有機高分子系研磨布
を使用し、有機酸系や無機酸系のエッチャントにアルミ
ナ等の金属酸化物研磨材粒子を分散させた研磨液を使用
して、一定圧力を加えながら擦ることにより行われてい
る。研磨工程は通常研磨材の粒度を変えて、粗研磨と仕
上げ研磨の2工程に分けて行われる。粗研磨後の基板表
面には、微小な凹凸の他に研磨工程では避けられない比
較的大きな凹凸である、いわゆるうねりが残っている。
また、基板周縁部では研磨が進み、表面が傾斜する傾向
にある。高記録密度化に対応するにはうねりを小さくし
て周縁部まで均一な平坦度を保つことが求められる。今
までにNi−Pメッキ後の基板表面の研磨方法について
は、研磨布、研磨液、研磨条件等に関して多くの研究が
なされてきたが、最近の記録密度の向上の要求を満たす
研磨方法についてはまだ確立されていないのが実状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の研磨方法では表
面粗さを小さくしようとするとうねりが残り、うねりを
無くそうとすると表面粗さが所望の粗さにならないとい
う問題があり、効率よく所望の表面性状を得るのが難し
かった。高記録密度化に伴って磁気ディスクと磁気ヘッ
ドとの間隔をより狭く適正に維持するという観点から
は、基板表面の全面にわたる平坦性が重要な問題とな
る。特に基板周縁部での平坦性が問題となる。本発明
は、高記録密度化に適したNi−Pメッキ後の基板表面
の仕上がり状態を明確にして、所望の仕上がり状態を確
実にしかも効率よく得るための研磨加工方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高記録密度
化に適した磁気ディスク用基板の表面の仕上がり性状を
検討した結果、従来注目していた表面粗さやうねり以外
にも磁気ディスクと磁気ヘッドとの微小間隔を保つのに
重要な影響を持つ因子があることを見出した。磁気ディ
スク用基板表面は、基板母材表面を研削してNi−Pメ
ッキを施した後研磨処理を施しているので大小さまざま
な凹凸を有している。それらは凹凸の周期に従って表面
粗さ、微小うねり、うねりに区分される。一般的な定義
では表面粗さとは波長が0〜0.05mmの細かな凹凸
であり、微小うねりは波長が0.05〜0.5mmの中
規模の凹凸であり、うねりは波長が0.5〜5.0mm
の大きな凹凸である。一般にこれら凹凸は小さい方がデ
ィスク・ヘッド間の隙間が狭くなるので記録信号の授受
には都合がよい。しかし、凹凸が皆無では磁気ヘッドが
浮上しないし、凹凸を皆無にする加工も不可能である。
磁気ディスクの回転に誘導された空気流を利用して磁気
ヘッドを浮上させる方式では、ディスク・ヘッド間の間
隙がくさび形になるようにすることが重要であり、適正
な範囲での微小な凹凸は必須であり、表面粗さは適正な
範囲内になければならない。しかしうねりは好ましくな
く、全面にわたって平坦であることが望まれる。特に、
ディスク周辺部では研磨が進みやすく、平坦性を確保し
にくい難点がある。本発明者らは磁気ディスク用基板周
縁部の斜面の傾きをダブオフ及びロールオフで定義し、
うねりや微小うねりを含めてこれらの特性を適正範囲に
収めることによって磁気ディスク用基板全面の平坦性を
確保し、ディスク・ヘッド間の隙間が狭くなってもヘッ
ドクラッシュを防止し、円滑なコンタクト・スタート・
ストップ(以下、CSSと略記する)を果たし、高記録
密度に対応させることができることを見いだした。
【0006】本発明の目的とする磁気ディスク用基板
は、非磁性基板上にNi−Pメッキ層を有し、該メッキ
層表面のうねりが1.0nm以下、微小うねりが1.5
nm以下、ダブオフが150nm以下、ロールオフが1
2nm以下の、平坦性に優れたものである。粗研磨の段
階では表面粗さはあまり問題としないで、もっぱらうね
りや周縁部のダレを除くことを主たる目的とする。この
基板の表面を仕上げ研磨して適度な表面粗さにした後、
磁性合金膜を形成すれば磁性合金の配向性が向上し、円
滑なCSS性能を有する磁気ディスクを得ることができ
る。
【0007】このような表面特性を有する磁気ディスク
を得るには、Ni−Pメッキ層を研磨する条件が重要な
役割を果たしていることが判明した。Ni−Pメッキ層
の研磨は所定の表面粗さまで仕上げると共にうねりやメ
ッキ欠陥を除去する粗研磨工程を経た後、最終仕上げ研
磨工程に供され、研磨痕を除去する方法が採られてい
る。望ましいダブオフやロールオフは、前段の粗研磨工
程の研磨方法によってほぼ決定される。従来は粗研磨工
程で使用する研磨布が柔らか過ぎるため、うねりが大き
くてダブオフも大きくなっていた。本発明では従来より
硬い研磨布を使用することにより、うねりやダブオフを
適正な範囲に縮小できることを見いだした。
【0008】すなわち、請求項1に記載の発明はNi−
Pメッキを施した磁気ディスク用基板を、硬度が80〜
100度、圧縮率が0〜8%、圧縮弾性率が50〜90
%、密度が0.5〜0.8g/cm3 の研磨布を使用し
て研磨する方法である。このように従来より硬い研磨布
を使用することにより、うねりを研磨除去し、しかも基
板の周縁部の研磨が進行し過ぎるのを防いで、うねりや
ダブオフ、ロールオフを小さくすることが可能となる。
【0009】請求項2及び請求項3の発明は、上記の硬
い研磨布を使用した場合の研磨条件を規定したものであ
る。好ましい研磨布を使用しても研磨条件が不適正であ
れば、望ましい表面性状は得られないからである。具体
的には請求項2に記載の発明は、研磨圧を20〜200
g/cm2 、周速度を600〜6000cm/minの
研磨条件で研磨する方法である。また、請求項3に記載
の発明は粒径が500〜800nmのアルミナ系研磨材
粒子を含み、pHが2.0〜4.0の研磨液を使用する
方法である。
【0010】請求項4及び請求項5に記載の発明は、本
発明で使用する研磨布のドレッシング方法を規定したも
のである。研磨を重ねていくと研磨粉が発生し研磨布が
目詰まりを起こし、所定の研磨ができなくなる。したが
って、研磨布をドレッシングして研磨能を回復させる必
要がある。すなわち、請求項4に記載の発明はダイヤモ
ンド砥粒を使用したドレッサーで研磨布をドレッシング
した後、磁気ディスクを研磨する磁気ディスク用基板の
製造方法である。また、請求項5に記載の発明は、ドレ
ス圧力:10〜200g/cm2 、研磨布の周速度:7
00〜1400cm/min、ドレッサーの周速度:8
00〜1600cm/minの条件下で研磨布をドレシ
ングした後、磁気ディスクを研磨する磁気ディスク用基
板の製造方法である。
【0011】上記のような方法により得られた磁気ディ
スク用基板の表面をさらに仕上げ研磨して所定の表面粗
さとした磁気ディスク用基板は、うねりが1.0nm以
下、微小うねりが1.5nm以下、ダブオフが150n
m以下、ロールオフが12nm以下の平坦性に優れた磁
気ディスク用基板である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
する。まず、本発明で規定する磁気ディスク用基板の表
面状態について説明する。磁気ディスク用基板の表面の
凹凸は以下のように定義する。ここで、凹凸は表面粗さ
計を使用して測定する。 (1)表面粗さ; 波長0〜0.05mmの間の凹凸の
中心線平均粗さである。 (2)微小うねり; 波長0.05〜0.5mmの間の
凹凸の中心線平均値である。 (3)うねり; 波長0.5〜5.0mmの間の凹凸の
中心線平均値である。 (4) ダブオフ; 3.5インチ磁気ディスク用の直
径95mmの基板において、中心から39.0mmの距
離(a)にある基板表面をA、基板の中心から43.0
mmの距離(b)にある基板表面をB、基板の中心から
47.0mmの距離(c)にある基板表面をCとして、
AB間の曲線から最小二乗法で直線Lを引き、その直線
の外周側への延長線上にあって基板の中心から47.0
mmの距離にある点をC’としたときに、C−C’間の
距離をダブオフと定義する(図2参照)。すなわち、ダ
ブオフとは、基板の中心から47.0mmの距離におけ
基板の仮想表面と実際の基板表面との最大落差というこ
とができる。 (5)ロールオフ;3.5インチ磁気ディスク用の直径
95mmの基板において、基板の中心から45.0mm
の距離(a)にある基板表面をA、基板の中心から4
6.0mmの距離(b)にある基板表面を点をBとした
ときに、直線ABとAB間の基板表面の断面曲線との最
大幅をロールオフと定義する(図3参照)。
【0013】なお、上記説明では最も生産量の多い3.
5インチ用の直径95mmの基板について定義したが、
例えば3.3インチ用の直径84mmの基板の場合に
は、ダブオフのAは基板の中心から33.5mmの距離
にある点とし、Bは基板の中心から37.5mmの距離
にある点とし、Cは基板の中心から41.5mmの距離
にある点とする。また、ロールオフのAは基板の中心か
ら39.5mmの距離にある点とし、Bは基板の中心か
ら40.5mmの距離にある点とすればよい。
【0014】コバルト合金系磁性層の配向性を向上さ
せ、ヘッドクラッシュを防止して高記録密度化に対応さ
せるには、磁気ディスク用基板の上記の各表面性状が適
正範囲になければならない。すなわち、磁気ディスク用
基板の表面性状はうねり:1.0nm以下、微小うね
り:1.5nm以下、ダブオフ:150nm以下、ロー
ルオフ:12nm以下であることが必要である。
【0015】このような磁気ディスク用基板の表面性状
は、下地層であるNi−Pメッキを施した後の粗研磨工
程によってほぼ決定される。粗研磨工程は比較的粗い研
磨材を使用して、大きな凹凸を除去することを目的とし
ている。粗研磨工程で最も重要なのは研磨布の特性であ
る。研磨布は適度な硬さと弾力を備えていなければなら
ない。我々の実験では従来の研磨布は、軟らか過ぎるの
で表面粗さを小さくしようとするとうねりが残り、うね
りを無くそうとすると表面粗さが粗くなる傾向にあるこ
とが判明した。また、うねりを無くそうとすると周縁部
のダレが発生し、最大落差が大きくなることも判明し
た。そこで我々は粗研磨工程の研磨方法を鋭意検討した
結果、やや硬めの研磨布を使用して研磨することによ
り、好ましい表面性状を有する磁気ディスク用基板を確
実に得ることに成功した。
【0016】すなわち、本発明の磁気ディスク用基板の
製造方法は、Ni−Pメッキを施した基板を、硬度:8
0〜100度、圧縮率:0〜8%、圧縮弾性率:50〜
90%、密度:0.5〜0.8g/cm3 の研磨布で研
磨する方法である。硬度は80度以下では軟らか過ぎて
うねりや微小うねりの除去能力が低下する。逆に100
度以上では硬すぎてキズの発生が多くなる。従って、硬
度は80〜100度、好ましくは85〜98度とする。
圧縮率は8%を越えるとうねりの除去能力が低下するの
で、圧縮率は低くてむしろ剛体に近い方が良い。従っ
て、圧縮率は:8%以下、好ましくは5%以下とする。
圧縮弾性は50%未満では変形した場合に元に戻らず、
うねり除去能力が低下する。逆に90%を越えると軟ら
か過ぎて研磨能が不足となる。従って、圧縮弾性率は5
0〜90%、好ましくは55〜70%とする。密度は
0.5g/cm3未満ではうねり除去能が不足し、逆に
0.8g/cm3を越えると研磨材の目詰りが起こり易
く、作業能率が低下する。従って、密度は0.5〜0.
8g/cm3、好ましくは0.6〜0.75g/cm3
する。
【0017】研磨布の特性評価方法は以下の通りであ
る。 1) 厚さ(mm):(JIS L−1096に準拠) デジタルリニアーゲージを使用し、300g/cm2
圧力を負荷してから4秒後の表示値を読みとり、厚さと
する。厚さは図4に示すO,P,Q,R,Sの5点の測
定の平均値で示す。測定点は基板の中心点O、基板周縁
から50mmの円と中心を通り基板のスライス方向に沿
った直線との交点P,Q、およびこれに直交する直線と
の交点R,Sとする。 2) 硬度(度):(JIS K−6253に準拠) ショアーD硬度計及び定圧定速押具を使用する。測定し
ようとする研磨布と同種の研磨布を下地に積み重ねて6
mm以上としたものの硬度を測定する。測定点は図4に
示す厚さの測定点から中心点Oを除いたP,Q,R,S
の4点とし、4点の測定の平均値で示す。
【0018】3) 圧縮率、圧縮弾性率(%):(JI
S L−1096に準拠) 自動圧縮率測定装置を使用し、まず、初荷重W0 (=6
41g/cm2 )を負荷し、1分経過後の厚さT1 を読
みとる。同時に荷重をW1(=5,161g/cm2 )に
増し、1分経過後の厚さT2 を読みとる。次に荷重を零
にして1分間放置し、再びW0 を負荷した後1分経過後
の厚さT3 を読みとる。次の(1)式により圧縮率を、
また(2)式により圧縮弾性率を算出する。 圧縮率(%)=100×(T1−T2)/T1 ・・・・・(1) 圧縮弾性率 =100×(T1−T3)/T1 ・・・・・(2) 測定点は、図4に示す基板周縁から50mmの円上の基
板のスライス方向に沿った1点Pと、これに直角な方向
の1点Rとし、2点の測定値の平均値で示す。 4) 密度(g/cm3 ):製品重量を電子天秤で計量
し、(3)式により密度を求める。 密度(g/cm3 )= 重量(g)/( 厚さ(cm)×面積(cm2)) ・・・・・(3)
【0019】研磨布はポリウレタン、発泡性ポリウレタ
ン等の有機系高分子からなる不織布を使用する。研磨布
は1枚で上記諸特性を満たすものであっても良いし、ス
ポンジ等を裏打ちして複層構造にしたものであっても良
い。複層構造の場合は全体として上記特性を満たしてい
れば良い。研磨布表面には研磨屑を収容して研磨能を高
めるため、直径1.5mm程度の小孔を5mm程度のピ
ッチに設けたり、幅2mm、深さ0.75mm程度の溝
を10〜30mm間隔で格子状に設けると良い。
【0020】このような研磨布を円盤状に加工して研磨
盤に貼り付け、研磨すべき磁気ディスク用基板を研磨盤
で挟んで研磨液を供給しながら一定圧力を加えて擦るこ
とにより研磨を行う。使用する研磨液は、粒径が500
〜800nmのアルミナ系研磨材粒子を含み、pHが
2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.0の酸性の研
磨液が好適である。研磨材の粒径が500nmより細か
すぎると研磨能が劣り、うねりが除去できない。また、
粒径が800nmを越えると大きなキズが付いて所望の
表面粗さを維持することができない。pHは酸性領域に
維持して化学的研磨を促進させるためである。研磨条件
は、研磨圧力:20〜200g/cm2 、周速度:60
0〜6000cm/minが好ましい。研磨圧力が低い
と研磨能が発揮できず、研磨圧力が高すぎると深いキズ
が発生する原因となり、ダブオフやロールオフも大きく
なる。粗研磨工程では研磨される基板上を研磨盤が自転
しながら移動して行く。周速度とは研磨盤に対する基板
中心の相対速度である。周速度が低すぎると研磨能率が
劣り、周速度が高すぎるとうねりが十分除去できない。
【0021】研磨を続けて行くと研磨屑が溜まって研磨
布が目詰まりを起こして研磨能が低下してくる。このよ
うな場合には研磨布を高圧水洗浄したり、ドレッシング
をして研磨能の回復をはかる。ドレッシングには100
番手〜1400番手のダイヤモンド砥粒を使用したドレ
ッサーを使用する。ドレス圧力:10〜200g/cm
2 、研磨布の周速度:700〜1400cm/min、
ドレッサーの周速度:800〜1600cm/minの
条件でドレッシングすれば、引き続き研磨能を維持する
ことが可能となる。ここで研磨布の周速度とは、研磨布
を貼り付けた定盤上の基板の中心がくる位置が移動する
速度である。また、ドレッサーの周速度とは、ドレッサ
ーの最外周が定盤に対して移動する速度である。
【0022】
【実施例】以下実施例を用いて説明する。 (実施例1)外形95mmのドーナツ状のアルミニウム
合金製磁気ディスク用ブランク材に旋盤加工を施した
後、無電解メッキでNi−Pを約13μmの厚さにメッ
キし、研磨加工に供した。研磨加工は2段に分けて行っ
た。まず、140番手のダイヤモンド砥粒を使用してド
レス圧力:172g/cm2、研磨布回転数:15rp
m、ドレッサー回転数:22rpm、20分間のドレッ
シング条件で研磨布のドレッシングをした。使用した研
磨布は硬度:95度、圧縮率:1.0%、圧縮弾性率:
61%、密度:0.73g/cm3 の研磨布である。こ
の研磨布を貼り付けた研磨盤で基板を挟み、研磨液を供
給しながら基板と研磨盤の双方を回転させながら研磨し
た。研磨液は平均粒径800nmアルミナを有機酸でp
H2.8の酸性領域に調整した水溶液中に33.3wt
%分散させた研磨液を使用した。研磨圧力:130g/
cm2、周速度:800cm/minの研磨条件で3分
50秒間研磨した。上記のような粗研磨工程を経て得ら
れた磁気ディスク用基板の表面粗さ(Ra)、うねり
(Wa)、微小うねり、ダブオフ、ロールオフを測定し
た。各測定方法は前記の通りである。測定結果を表1に
示す。
【0023】次いで仕上げ研磨として、硬度:90度、
圧縮率:1%、圧縮弾性率:61%、密度:0.75g
/cm3 の研磨布を使用して、最大粒径100nm、平
均粒径50μmのシリカを2%の苛性ソーダ水溶液中に
10wt%分散させた研磨液を使用し、4分間研磨し
た。研磨条件は研磨圧力:130g/cm2 、周速度:
800cm/min、基板の回転数:24rpmとし
た。このようにして得た磁気ディスク用基板の表面性状
を測定した結果を表1に併記する。
【0024】
【表1】
【0025】表1から本発明による磁気ディスク用基板
は、うねり、微小うねり、ダブオフ、ロールオフが小さ
く、表面の平坦性が格段に向上していることが判る。本
発明に磁気ディスクを使用すればヘッドクラッシュを起
こし難く、円滑なCSSが可能となるので、高密度磁気
記録に最適なものである。
【0026】(比較例1〜4)比較のため、粗研磨工程
の研磨布として表2に示す特性を有する研磨布を使用し
た以外は、実施例と同様の条件で研磨して得られた磁気
ディスク用基板の表面性状を表2に併記する。さらに、
これらの磁気ディスク用基板を実施例と同様に仕上げ研
磨して得た磁気ディスク用基板の表面についても同様の
測定をし、結果を表2に併記する。
【0027】
【表2】
【0028】表2から以下のことが判明した。比較例1
は密度が小さく、圧縮率及び圧縮弾性率が大きすぎるの
でうねり、微小うねり及びダブオフが大きくなる。比較
例2は高度が低く圧縮率が高いので、うねり、微小うね
り、ダブオフ、ロールオフ共に大きくなる。比較例3は
硬度と密度が高過ぎる研磨布を使用したため、集光灯下
の目視検査で深いキズが認められたので、表面性状の測
定までには至らなかった。比較例4は圧縮弾性率が低い
ので、うねり、微小うねり、ダブオフが大きくなる。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法により製造した磁気ディス
ク用基板は、表面の平坦性に優れており、この磁気ディ
スク用基板を使用すれば磁気ディスクのうねり、微小う
ねり、ダブオフ、ロールオフが小さいので、磁気ディス
クと磁気ヘッド間の間隙をより狭くすることが可能とな
り、高記録密度化に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク用基板の製造工程を説明する図で
ある。
【図2】ダブオフを説明する図である。
【図3】ロールオフを説明する図である。
【図4】研磨布特性の測定位置を示す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA09 AA19 BA02 BA04 BA05 CA01 CB01 CB03 CB10 DA02 DA12 5D006 CB04 CB08 DA03 5D112 AA02 AA24 BA06 GA09 GA13 GA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上にNi−Pメッキを施した
    基板を、硬度:80〜100度、圧縮率:0〜8%、圧
    縮弾性率:50〜90%、密度:0.5〜0.8g/c
    3 の研磨布を使用して研磨することを特徴とする磁気
    ディスク用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ディスク用基板の
    製造方法において、研磨圧力:20〜200g/cm
    2 、周速度:600〜6000cm/minの研磨条件
    で研磨することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気ディスク用基板の
    製造方法において、粒径500から800nmのアルミ
    ナ系研削材粒子を含み、pHが2.0〜4.0の研磨液
    を使用することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気ディスク用基板の
    製造方法において、研磨布を100番手〜1400番手
    のダイヤモンド砥粒を使用してドレシングした後、基板
    を研磨することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気ディスク用基板の
    製造方法において、ドレス圧力:10〜200g/cm
    2 、研磨布の周速度:700〜1400cm/min、
    ドレッサーの周速度:800〜1400cm/minで
    ドレッシングすることを特徴とする磁気ディスク用基板
    の製造方法。
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