JP2001144300A - 半導体装置及びその製造方法並びにシリコン薄膜の形成方法 - Google Patents
半導体装置及びその製造方法並びにシリコン薄膜の形成方法Info
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Abstract
動度を得ることができる半導体薄膜の形成方法並びにそ
の半導体薄膜を用いた半導体装置及びその製造方法を提
供することにある。 【解決手段】 基板1上に島状の半導体膜3を形成する
工程と、半導体膜を分離膜4で覆い、半導体膜の側面を
分離膜を介して保温膜5で囲む工程と、半導体膜に対し
て上面からエネルギービームを照射して半導体膜を結晶
化し、動作半導体膜11を形成する工程とを有してい
る。
Description
する薄膜型の半導体装置及びその製造方法に関し、特
に、動作半導体膜にソース/ドレインが形成され、チャ
ネル領域上にゲート電極が形成されてなる薄膜トランジ
スタに適用して好適である。
Transistor)は、極めて薄く微細な動作半導体膜に形成
されるものであるため、近時の大面積化の要請を考慮し
て大画面の液晶パネル等への搭載が期待されている。
ァスシリコン膜に比してキャリア移動度が高く熱的に安
定なことから、多結晶シリコン膜の使用が検討されてい
る。現在のところ、多結晶シリコン膜を用いた動作半導
体膜の形成方法としては、以下に示す手法が利用されて
いる。
〜1100℃程度の熱処理を加えて結晶化し、多結晶シ
リコン膜を形成する方法が採用されている。この手法
は、熱処理の初期段階に結晶の核を形成させ、これを成
長させることにより結晶化を図る。
エネルギーを加えて熔融させ、冷却時に結晶化させて多
結晶シリコン膜を形成する。
相成長法、または物理蒸着法により直接多結晶シリコン
膜を形成する。
上に半導体薄膜を形成する方法を例に採り、従来の技術
の問題点を論ずる。ガラスを利用するために、基板の温
度は600℃以下に限定される。
℃という熱処理温度を必要とするが、この温度はガラス
にとって高温度で熱処理することに相当し、ガラスに変
形が生じる。また、成長した結晶内には積層欠陥や双晶
を多量に含んでおり、結晶性の良い多結晶シリコン膜の
形成は望めない。
晶が形成され、結晶粒径も小さいために結晶性が十分で
はなく、高い電子移動度を示す結晶を形成できない。
方法では、基板の温度を上昇させないことを考慮して使
用できるレーザは、エキシマレーザに代表されるパルス
レーザアニールに限定される。エキシマレーザを利用し
た場合には、溶融相を経由して結晶が成長されるため高
品質な多結晶シリコン膜が得られる。しかし、高品質の
多結晶シリコン膜が得られるエネルギー領域が非常に狭
いという問題点がある。また、エキシマレーザを利用し
た場合には、表層のシリコン薄膜領域のみが溶融して高
温度になるが、ガラス自身の温度は低い。そのためシリ
コン融液の冷却速度が大きくなる。
り、多量の結晶核が形成され、結晶粒径が小さい。通
常、300nm〜500nm程度の結晶粒径となる。結
晶性が最も良いエキシマレーザを利用して多結晶シリコ
ン薄膜を形成した場合、薄膜トランジスタの電子移動度
は200cm2/Vs程度であり、単結晶シリコンの電
子移動度600cm2/Vsと比較して遥かに小さい。
この原因は、結晶粒径が小さく結晶粒界部分がキャリア
の強い散乱体として作用するためである。
晶シリコン膜から構成するも、結晶粒界による電子移動
度の低下を抑えることができず、高品質の多結晶シリコ
ン膜を確実に得ることが困難であるという深刻な問題が
ある。
っても、高い電子移動度を得ることができる半導体薄膜
の形成方法並びにその半導体薄膜を用いた半導体装置及
びその製造方法を提供することにある。
に動作半導体膜が形成された薄膜型の半導体装置であっ
て、前記動作半導体膜の少なくともチャネル領域が、電
流方向に対して90°未満の傾きを有する粒界のみを含
む結晶状態である準単結晶状態になっていることを特徴
とする半導体装置により達成される。
体膜が形成された薄膜型の半導体装置であって、前記動
作半導体膜の少なくともチャネル領域が、円形の結晶粒
で、前記結晶粒の半径をLとすると250nm<Lであ
り、かつ、チャネル幅をWとすると、W<4Lである円
形大粒径の結晶粒からなる多結晶状態になっていること
を特徴とする半導体装置により達成される。
体膜が形成された薄膜型の半導体装置の製造方法であっ
て、前記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程
と、前記半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の側面
を前記分離膜を介して保温膜で囲む工程と、前記半導体
膜に対して上面からエネルギービームを照射して前記半
導体膜を結晶化し、前記動作半導体膜を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法により
達成される。
て、前記半導体膜の下部に熱吸収体を設け、前記エネル
ギービームの照射を行なうようにしてもよい。
て、前記保温膜を前記半導体膜より厚く形成するように
してもよい。
体膜が形成された薄膜型の半導体装置の製造方法であっ
て、前記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程
と、前記半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の全面
を前記分離膜を介して保温膜で覆う工程と、前記半導体
膜に対して前記絶縁基板の下面からエネルギービームを
照射して前記半導体膜を結晶化し、前記動作半導体膜を
形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の
製造方法により達成される。
層を形成する工程と、前記シリコン層の少なくとも側面
に保温層を形成する工程と、前記シリコン層に連続発振
するエネルギービームを照射し、前記シリコン層を結晶
化する工程とを有することを特徴とするシリコン薄膜の
形成方法により達成される。
起こす結晶粒界の発生を抑制することができれば、電子
移動度は向上し、半導体素子の性能が向上する。このた
めには、動作半導体膜を粒径の大きい結晶粒から構成す
ればよく、単結晶半導体であることが究極の姿である。
くともチャネル領域を成長方向の制御された大粒径の結
晶粒から構成する。これにより、電流方向と直交する結
晶粒界の発生を抑止し、実質的に単結晶状態の半導体、
即ち、電流方向に対して90°未満の傾きを有する粒界
のみを含む結晶状態である準単結晶半導体からチャネル
領域が構成されることになり、準単結晶状態であるため
に必然的に高移動度の半導体装置を実現できる。
かの方法により融液の冷却速度を小さくする必要があ
る。その一つの方法として、熱容量の大きい保温膜を形
成し、その膜に接触させる形で、あるいは保温膜と非常
に接近した位置に結晶化させる膜を位置させ、しかもシ
リコン島に温度分布が形成されるように存在させる。こ
れにより冷却温度を小さく、しかも温度分布を制御させ
て、核形成位置、結晶成長の方向を制御することが可能
となり、大粒径の結晶粒が形成される。本発明では、動
作半導体膜の材料となる島状の半導体膜の側面に分離膜
を介して熱容量が大きく熱浴として機能する保温膜を形
成し、上面からエネルギービームを照射することによ
り、融液の冷却速度を小さくし、且つ半導体膜の温度分
布を制御して、核形成位置および結晶成長方向を制御す
る。これにより結晶粒径が大きく、実質的に準単結晶状
態の動作半導体膜を得ることができる。
膜の少なくともチャネル領域を、円形の結晶粒で、前記
結晶粒の半径をLとすると250nm<Lであり、か
つ、チャネル幅をWとすると、W<4Lである円形大粒
径の結晶粒からなる多結晶状態に構成する。即ち、チャ
ネル領域の幅は極めて狭く、幅方向ではほぼ1つの円形
大粒径結晶粒により占められるため、チャネル領域が実
質的に大粒径結晶状態として構成されることになり、高
移動度の半導体装置を実現できる。
状の半導体膜を覆うように分離膜を介して保温膜を形成
し、下面からエネルギービームを照射することにより、
融液の冷却速度を小さくし、直径数μm程度の円形大粒
径結晶粒からなる多結晶状態の動作半導体膜を得ること
ができる。
領域から幅の広い領域に向かって、連続発振のレーザを
スキャンすることにより結晶成長するため、横方向に成
長した結晶を引き継ぐことができるとともに、結晶欠陥
をシリコン層の外側に排除することができる。従って、
本発明によれば、単結晶シリコンを有するシリコン薄膜
を形成することができる。なお、シリコン層の幅は、必
ずしも変化させる必要はなく、均一な幅であってもよ
い。
諸実施形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
は、半導体装置として薄膜トランジスタ(TFT)を例
示し、その構成を製造方法とともに説明する。当該製造
方法を述べるにあたって、先ず本発明の特徴であるTF
Tの動作半導体膜の構造及び形成方法について説明す
る。
方法を示す工程断面図である。
板1上に膜厚200nm程度にバッファ層となるシリコ
ン酸化膜2を形成した後、半導体膜として膜厚80nm
程度にアモルファスシリコン膜3をPECVD(Plasma
Enhanced Chemical Vapor Deposition、プラズマ化学
気相堆積)法で形成する。アモルファスシリコン膜3の
膜厚は、後述する保温膜の膜厚との関係から、30nm
〜200nm程度とすることが好ましい。次に、水素出
しのためにガラス基板1に450℃で2時間の熱処理を
加える。
ファスシリコン膜3を島状に加工する。本実施形態で
は、図中のチャネル領域に相当する断面部位における幅
が次第に狭くなる構造となるようにフォトリソグラフィ
及びドライエッチングによりパターニングする。このと
きオーバーエッチングを行なうようにする。
ファスシリコン膜3の全面(側面及び上面)を覆うよう
に、分離膜となるシリコン酸化膜4をPECVD法によ
り膜厚30nm程度となるように形成する。
VD法によりシリコン酸化膜4を介してアモルファスシ
リコン膜3を覆うようにアモルファスシリコン膜を膜厚
300nm程度に形成し、ニッケル(Ni)を利用した
金属誘起固相成長によりアモルファスシリコン膜を多結
晶シリコン膜5に変化させる。固相成長を誘起する金属
不純物にはNi以外のものを用いてもよい。このとき、
固相成長温度を570℃、熱処理時間を8時間とする。
この処理により、膜厚300nm程度のアモルファスシ
リコン膜は多結晶シリコン膜5に変化するが、分離膜で
あるシリコン酸化膜4に覆われたアモルファスシリコン
膜3はシリコン酸化膜4がNiの拡散を防止するため
に、アモルファスシリコンの状態に保たれる。
よりアモルファスシリコン膜3を覆うように当初から多
結晶シリコン膜5を形成するようにしてもよい。
である必要はなく、アモルファスシリコンのままであっ
てもよい。また、他の材料を用いて保温膜を構成しても
よい。
(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研
磨)法により、多結晶シリコン膜5を研磨して表面を平
坦化する。このとき、シリコン酸化膜4がCMPのスト
ッパーとして機能するため、シリコン酸化膜4上でCM
Pが停止して表面平坦化が実現される。
ファスシリコン膜3をシリコン酸化膜4を介して多結晶
シリコン膜5が保温膜として側面から囲む状態で、上面
からエネルギービームとしてエキシマレーザを照射し、
アモルファスシリコン膜3を結晶化させる。
3内の温度分布は図3のようになる。レーザ照射直後の
時刻t1ではアモルファスシリコン膜3と保温膜(多結
晶シリコン膜)5との温度差は僅少であるが、時刻
t2、t3と進むにつれ、アモルファスシリコン膜3の温
度低下率は保温膜5よりかなり大きくなる。これは、保
温膜5の膜厚がアモルファスシリコン膜3より厚いた
め、熱容量が大きいことに起因する。従って、保温膜5
はアモルファスシリコン膜3に比して冷却速度が遅く、
熱浴の役割を果たす。そのため、アモルファスシリコン
膜3においては、そのエッジ部位から内部へ向かう方向
に温度勾配が形成され、具体的にはエッジ部位付近が高
く、内部へ向かうほど低い温度分布となる。従って、図
4に示すように、アモルファスシリコン膜3のエッジ部
位では固化が遅れ、内部からエッジ部位ヘ向かう方法に
結晶化が進行する。
ャネル領域に相当する部位では、図5に示すように、前
記エッジ部位に沿った方向(長手方向)へ向かって固化
が進み、成長方向の制御された大粒径の結晶粒が形成さ
れるとともに、当該固化方向に沿って結晶粒界が形成さ
れる。即ち、若干の結晶粒界が電流方向に沿った方向の
みに形成され、電流方向と直交する方向には結晶粒界は
殆ど発生しないため、実質的に単結晶状態の半導体であ
る準単結晶シリコンの動作半導体膜11が形成されるこ
とになる。
シリコン膜3の温度分布を制御するために、アモルファ
スシリコン膜3の下部に位置するようにシリコン酸化膜
2内に絶縁材料からなる熱吸収体13を埋設してもよ
い。これにより、アモルファスシリコン膜3の温度低下
率が更に速くなり、大きな温度分布が形成されることに
なり、準単結晶化の確実性が担保される。
エッチングにより保温膜5を除去する。このとき、分離
膜として機能するシリコン酸化膜4が動作半導体膜11
と保温膜5との間に介在するために、シリコン酸化膜4
で囲まれた動作半導体膜11はエッチングされない。し
かる後、図2(d)に示すように、HFを用いたウェッ
トエッチングによりシリコン酸化膜4を剥離除去するこ
とにより、動作半導体膜11を完成させる。
し、パターニング形状の異なる種々の準単結晶シリコン
膜について説明する。
1)について述べる。サンプル作成方法は上述の手法と
ほぼ同様であるので省略する。
すように、中央部位、即ちチャネル領域となる部位にお
いて、幅が徐々に減少する形状となる島状にアモルファ
スシリコン膜3をパターニングする。なお、図7(b)
は、図7(a)の円C内を拡大した図である。
に示すように、上述の手法で述べたアモルファスシリコ
ン膜3の内部からエッジ部位へ向かうラテラル成長のメ
カニズムが形成される。図中のA点では、双方のエッジ
部位へ向かってラテラル成長することが可能である。そ
のためにA点で一つの結晶核が形成され、ラテラル成長
距離のほぼ2倍の領域で一つの単結晶粒が形成される。
幅がさらに狭くなる領域では、エッジ部位に存在する保
温膜5による保温効果が強くなるために、固化が遅れ
る。そのため、A点で形成された一つの単結晶粒が幅が
狭い領域に伝搬して、一つの単結晶粒が幅が徐々に狭く
なる部位に形成されてゆく。これは、図5に示した成長
メカニズムと類似する。
の2)について述べる。サンプル作成方法は上述の手法
とほぼ同様であるので省略する。
域となる部位で幅が徐々に減少するとともに、切り込み
状にくびれたネッキング部12を有する形状となる島状
にアモルファスシリコン膜3をパターニングする。な
お、図9は、上述の円C内に対応している。
0に示すように、ネッキング部12で一つの結晶粒が選
択されるために、単結晶粒を形成することができる。幅
が狭くなる領域にネッキング部12で形成された一つの
単結晶粒が広がり伝搬形成される性質は、変形例(その
1)のメカニズムと同様である。
の3)について述べる。サンプル作成方法は上述の手法
とほぼ同様であるので省略する。
グ部12を設けたアモルファスシリコン膜3のもう一つ
の例を示す。ここでは、チャネル領域となる部位の幅の
減少割合が変形例(その2)と比べて少なく、幅広とな
るようにパターニングされている。なお、図11は、上
述の円C内に対応している。
に示すようになり、ネッキング部12においてA点から
一つの結晶核が形成されて伝搬形成することにより、準
単結晶領域が大きく広がることになる。
用いて、TFTを製造する。なお、ここでは、nチャネ
ルTFTを製造する場合を例に説明する。図13〜図1
6は、本実施形態に係るTFTの製造方法を示す工程断
面図である。
基板21上にバッファとなるシリコン酸化膜22を介し
て上記の手法により形成された動作半導体膜11を用意
する。ここでは、変形例(その1)により形成された動
作半導体膜11を使用する。
半導体膜11上に膜厚120nm程度にゲート酸化膜と
なるシリコン酸化膜23をPECVD法により形成す
る。このとき、他の手法、例えばLPCVD(Low Pres
sure Chemical Vapor Deposition、減圧CVD)法又は
スパッタリング法等を利用しても良い。
300nm程度となるようにアルミニウム膜(又はアル
ミニウム合金膜)24をスパッタリング法により成膜形
成する。
ミニウム膜24をフォトリソグラフィ及びそれに続くド
ライエッチングにより電極形状にパターニングし、ゲー
ト電極24を形成する。このとき、図7(a)の円C内
に示す部位、即ち準単結晶粒が大きく成長して単結晶化
の著しい部位(チャネル領域)の上方にゲート電極24
が位置するように加工する。
ーニングされたゲート電極24をマスクとしてシリコン
酸化膜23をパターニングし、ゲート電極形状に倣った
ゲート酸化膜23を形成する。
ト電極24をマスクとして動作半導体膜11のゲート電
極24の両側部位にイオンドープする。具体的には、n
型不純物、ここではリン(P)を加速エネルギー10k
eV、ドーズ量5×1015/cm2の条件でイオンドー
プし、ソース/ドレイン領域を形成する。
ス/ドレイン領域のリンを活性化するためにエキシマレ
ーザ照射を行った後、図15(b)に示すように、全面
を覆うように膜厚300nm程度にSiNを堆積し、層
間絶縁膜25を形成する。
ト電極24上、動作半導体膜11のソース/ドレイン領
域上をそれぞれ露出させるコンタクトホール26を層間
絶縁膜25に開口形成する。
ンタクトホール26を埋め込むようにアルミニウム等の
金属膜27を形成した後、図16(c)に示すように、
金属膜27をパターニングし、それぞれコンタクトホー
ル26を通じてゲート電極24、動作半導体膜11のソ
ース/ドレイン領域と導通する配線27を形成する。
て、n型TFTを完成させる。具体的に当該n型TFT
を動作半導体膜11がチャネル長10μm程度、チャネ
ル幅30μm程度となるように製造し、電子移動度を測
定した結果、450cm2/Vsという高移動度が達成
された。
諸変形例によれば、動作半導体膜11の少なくともチャ
ネル領域を成長方向の制御された大粒径の結晶粒から構
成することにより、電流方向と直交する結晶粒界の発生
を抑止し、実質的に単結晶状態のシリコン、即ち準単結
晶シリコンからチャネル領域が構成されることになり、
準単結晶状態であるために必然的に高移動度の半導体装
置を実現することが可能となる。
形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態
と同様にTFTの構造及び製造方法について例示する
が、動作半導体膜の構造及び形成方法が異なる点で相違
する。なお、第1実施形態と同様の構成部材等について
は同符号を記して説明を省略する。
主要構成を示す概略平面図である。
の少なくともチャネル領域が円形大粒径のディスク状結
晶粒35からなる多結晶シリコン状態とされており、ソ
ース/ドレイン領域33、34には周縁部位にディスク
状結晶粒35が形成され、内部に微結晶シリコン36が
形成されて構成されている。ここで、チャネル領域の幅
は極めて狭く、幅方向ではほぼ1つのディスク状結晶粒
35により占められるため、チャネル領域が実質的に数
個の結晶粒として構成される。実際に形成された動作半
導体膜31を走査電子顕微鏡で観察した様子を図18に
示す。上述の1スク状結晶粒35及び微結晶シリコン3
6の構造が明示されている。このチャネル領域上にほぼ
直交するように帯状のゲート電極32が設けられるた
め、高移動度のTFTが実現することになる。
するには、先ず第1実施形態と同様に、図1(a)〜図
1(d)の各工程を経て、歪み点が600℃〜700℃
程度であり、可視光に対して透明なガラスからなる基板
1上にシリコン酸化膜2を介して膜厚100nm程度の
アモルファスシリコン膜41をパターン形成し、膜厚2
0nm程度の分離膜となるシリコン酸化膜4を介してア
モルファスシリコン膜を膜厚300nm程度に形成す
る。その後、ニッケル(Ni)を利用した金属誘起固相
成長(550℃、8時間)によりアモルファスシリコン
膜を多結晶シリコン膜に変化させ、保温膜42を形成す
る。
コンである必要はなく、アモルファスシリコンのままで
あってもよい。また、他の材料を用いて保温膜42を構
成してもよい。
によりアモルファスシリコン膜41の表面(上面及び側
面)が覆われた状態で、下面からエネルギービームとし
てエキシマレーザを照射し、アモルファスシリコン膜4
1を結晶化させる。この照射により保温膜42に当該保
温膜42が溶解されるエネルギーを加え、アモルファス
シリコン膜41の温度をシリコン結晶の融点1410℃
よりも高くする。保温膜42がアモルファスシリコン膜
41に比して厚いため、熱容量が大きく、冷却速度が遅
い。即ち、熱浴として作用することになる。これによ
り、アモルファスシリコン膜41の保温膜42に近接す
る領域では冷却速度が遅くなり、偶発的に形成された一
つの結晶核が十分に成長することができる。その結果、
図17のように、少なくともチャネル領域となる狭幅部
位が円形大粒径のディスク状結晶粒35から構成され、
ソース/ドレインとなる幅広部位が微結晶シリコン36
をディスク状結晶粒35で囲むように構成されてなる多
結晶状態に動作半導体膜31が形成される。ディスク状
結晶粒35は、結晶粒の半径をLとすると250nm<
Lであり、かつ、チャネル幅をWとすると、W<4Lで
ある円形の結晶粒である。
モルファスシリコン膜41の温度分布を制御するため
に、アモルファスシリコン膜41の下部に位置するよう
にシリコン酸化膜2内に絶縁材料からなる熱吸収体を埋
設してもよい。これにより、アモルファスシリコン膜4
1の温度低下率が更に速くなり、大きな温度分布が形成
されることになり、円形大粒径結晶化の確実性が担保さ
れる。
としてRIEにより保護膜42を除去した後、HFを用
いたウェットエッチングによりシリコン酸化膜4を除去
する。
を用いて、第1実施形態と同様の製造工程によりTFT
を構成した一例を図20に示す。
(c)に示すTFTと同様に、動作半導体膜11がチャ
ネル長10μm程度、チャネル幅30μm程度となるよ
うに製造して、電子移動度を測定した結果、450cm
2/Vsという高移動度が達成された。
ば、動作半導体膜31の少なくともチャネル領域を円形
大粒径のディスク状結晶粒35から構成することによ
り、高移動度の半導体装置を実現することができる。
よるシリコン薄膜の形成方法を図21乃至図31を用い
て説明する。図21乃至図24は、本実施形態によるシ
リコン薄膜の形成方法を示す工程断面図である。図25
は、シリコン層のパターニング形状を示す平面図であ
る。
上に、PECVD法により、膜厚400nmのシリコン
酸化膜より成るバッファ層112を形成する。
法により、膜厚150nmのアモルファスシリコン層よ
り成るシリコン層114を形成する。
これによりシリコン層114から水素を除去する(図2
1(a)参照)。
リコン層114をパターニングする(図21(b)参
照)。この際、シリコン層114を、図25に示すよう
な平面形状にパターニングする。
a、115bの間の領域115cにおいて、シリコン層
114の幅を変化させる。具体的には、領域115cの
シリコン層114のうち、紙面下側の領域117aでは
シリコン層114の幅を狭くし、中央の領域117bで
はシリコン層114の幅が徐々に広くなるようにし、紙
面上側の領域117cではシリコン層114の幅が広く
なるようにする。
コン層114をマスクとしてバッファ層112の表面を
エッチングし、バッファ層112に段差を形成する(図
21(c)参照)。
30nmのシリコン酸化膜より成る分離膜116を形成
する(図22(a)参照)。分離膜116は、シリコン
酸化膜に限定されるものではないが、シリコン層114
より融点が高い材料を用いることが望ましい。シリコン
層114を結晶化する際に分離膜116が溶解してしま
うと、シリコン層114と保温層118a(図23
(b)参照)とが一体になってしまうからである。ま
た、分離膜116は、保温層118aをエッチングする
際のエッチングストッパとして機能することが望まし
い。
250nmのアモルファスシリコン膜より成る保温層1
18を形成する。成膜条件は、例えば、SiH4ガスと
H2ガスとの流量比を2:98とし、成膜室内の温度を
例えば350℃とする。
nmのNi膜より成る不純物層120を形成する(図2
2(b)参照)。
不純物層220のNiを保温層118中に固相拡散す
る。これにより、Niを用いたアモルファスシリコンの
固相成長により、多結晶シリコン層より成る保温層11
8aが形成される(図23(a)参照)。
晶シリコンの状態になるが、分離膜116に覆われたシ
リコン層114は、分離膜116によりNiの拡散が防
止されるため、アモルファスシリコンの状態に保たれ
る。
の結晶状態をラマン散乱分光法により測定したグラフで
ある。図26の横軸はガラス基板面に対する相対的な位
置を示しており、左側の縦軸はラマン振動数を示してお
り、右側の縦軸は半値幅を示している。なお、結晶状態
の測定は、ガラス基板の裏面側から行った。
半値幅は小さくなっており、シリコン層114では半値
幅は大きくなっている。このことから、上記の熱処理に
より、保温層118aは多結晶シリコンの状態となり、
シリコン層114はアモルファスシリコンの状態に維持
されていることがわかる。
側、即ちバッファ層112が形成されている面の側か
ら、シリコン層114に、連続発振(Continuous Wav
e:CW)のレーザを照射し、シリコン層114を結晶
化する(図23(a)参照)。
るため、レーザがガラス基板110に吸収されると、ガ
ラス基板110が高温となり、ひいてはガラス基板11
0の変形を招いてしまう。そこで、本実施形態では、ガ
ラス基板110に対して透過率の高いレーザを用いるこ
とにより、ガラス基板110の変形を回避する。
する透過率との関係を示すグラフである。横軸はレーザ
の波長を示しており、縦軸はガラス基板に対するレーザ
の透過率を示している。実施例1乃至実施例3は、それ
ぞれ異なった材料から成るガラス基板を用いて測定した
ものである。
のいずれのガラス基板を用いた場合であっても、レーザ
の波長が400nm以上であれば高い透過率が得られて
いる。このことから、波長400nm以上のレーザを用
いれば、レーザがガラス基板に吸収されにくく、ガラス
基板が高温になるのを防止することができるため、ガラ
ス基板の変形を回避することができると考えられる。な
お、照射するレーザの波長は400nm以上に限定され
るものではなく、用いられるガラス基板の材料の特性に
応じて適切な波長とすればよい。
波長532nmのレーザを用いる。このような波長のレ
ーザとしては、例えば、Nd:YAG系の半導体レーザ
の第2高調波を用いることができる。
晶化のメカニズムについて図28を用いて説明する。図
28は、シリコン層の結晶化のメカニズムを示す平面図
である。
面上側に向かってレーザをスキャンさせていく。図中の
矢印は、レーザのスキャン方向を示している。
幅が狭くなっている領域117aのシリコン層114に
レーザが照射されると、シリコン層114には図29に
示すような温度勾配が形成される。図29は、レーザを
照射した際のシリコン層の温度勾配を示す概念図であ
る。
うなメカニズムにより形成される。
介して保温層118aに覆われているため、レーザを照
射すると、高温になって溶融するが、シリコン層114
の上方の領域の保温層118aは、シリコン層114に
よりレーザの到達が遮られるため高温になりにくい。
18aは、レーザが照射されるため、高温になる。しか
も、保温層118aは、厚く形成されているため、熱容
量が大きく、冷却速度も遅い。
118aは、シリコン層114に対して熱浴として機能
する一方、シリコン層114の上方の領域の保温層11
8aは、シリコン層114に対して冷却速度を速くする
ように機能する。このため、シリコン層114が冷却す
る過程では、シリコン層114の内部の温度は低くなる
一方、シリコン層114のエッジ部分は高温に保たれ
る。
コン層114のエッジ部分よりシリコン層114の内部
の方が温度が低いため、シリコン層114の内部から外
部に向かって、結晶の成長が進行する。
ーザをスキャンしている際に開始する場合もあるし、領
域117bの近傍までレーザをスキャンした際に開始す
る場合もある。
くなる領域117bに、レーザをスキャンしていくと、
結晶は更に成長していき、結晶粒界はシリコン層114
の外側に排除されていく。
と、結晶が引き継がれていき、シリコン層114の幅が
広くなっている領域では、単結晶シリコン114aが形
成される。
tive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法によ
り、分離膜116をエッチングストッパとして、保温層
118aをエッチングする。
り、分離膜116をエッチングする。
が形成されることとなる。
ン薄膜は、薄膜トランジスタのチャネル層として用いる
ことができる。
ン薄膜とゲート電極との位置関係を示す平面図である。
4a上に、ゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電
極130を形成する。このように構成すれば、単結晶シ
リコン114aがチャネルとなるので、電子移動度の高
い薄膜トランジスタを提供することが可能となる。
膜を用いた薄膜トランジスタの製造方法は、第4実施形
態で詳細に説明することとする。
されたシリコン薄膜の結晶状態について図31を用いて
説明する。図31は、本実施形態により形成されたシリ
コン薄膜の結晶状態を示す顕微鏡写真である。なお、こ
の顕微鏡写真は、SEM(Scanning Electron Microsco
py、走査型電子顕微鏡)法により観察したものである。
また、欠陥を明瞭化させるためにセコエッチングが行わ
れている。
領域から幅が広くなっている領域に向かって、結晶が大
きく成長しており、単結晶になっている。
ン層の幅の狭い領域から幅の広い領域に向かって、連続
発振のレーザをスキャンすることにより結晶成長するた
め、結晶を引き継ぐことができるとともに、結晶粒界を
シリコン層の外側に排除することができる。従って、本
実施形態によれば、単結晶シリコンを有するシリコン薄
膜を形成することができる。
変形例(その1)によるシリコン薄膜の形成方法を図3
2を用いて説明する。図32は、本変形例によるシリコ
ン薄膜の形成方法を示す平面図である。
は、保温層118aを全面に形成することなく、保温層
118aが、少なくとも領域115cを覆うように形成
されていることに主な特徴がある。
パルスレーザを照射する場合に比べて、保温層118a
に大きな熱量が蓄積される。
れている場合には、ガラス基板110が長時間に亘って
高温に保持され、ガラス基板110が変形してしまう虞
がある。
全面に形成することなく、少なくとも領域115cを覆
うように保温層118aを形成している。
15cを覆うように保温層118aを形成されていれ
ば、領域115cのシリコン層114を高温にして溶融
することができ、上記と同様に結晶成長することができ
るので、特段の問題はない。
薄膜の結晶状態について図33を用いて説明する。図3
3は、本変形例により形成されたシリコン薄膜の結晶状
態を示す顕微鏡写真である。
場合も、図31に示す第1実施形態により形成されたシ
リコン薄膜と同様に、幅が狭くなっている領域から幅が
広くなっている領域に向かって、結晶が大きく成長して
おり、単結晶になっている。
うように保温層118aを形成した場合であっても、単
結晶シリコン114aを形成することができる。
変形を防止することができ、ひいては良質な液晶表示装
置を提供することができる。
変形例(その2)によるシリコン薄膜の形成方法を図3
4を用いて説明する。図34は、本変形例によるシリコ
ン薄膜の形成方法を示す概念図である。
は、シリコン層114の幅が徐々に広くなる領域117
bに、切り込み状にくびれたネッキング部119が形成
されていることに主な特徴がある。
シリコン層114の幅が部分的に狭くなっているため、
結晶粒界121がブロックされる。
側の領域に、単結晶シリコン114aを確実に形成する
ことができる。
グ部を形成することにより結晶粒界をブロックすること
ができるので、より確実に単結晶シリコン114aを形
成することができる。
シリコン114aを、チャネルに用いれば、電子移動度
の高い薄膜トランジスタを提供することができる。
変形例(その3)によるシリコン薄膜の形成方法を図3
5を用いて説明する。図35は、本変形例によるシリコ
ン薄膜の形成方法を示す概念図である。
は、領域115cの中央部からソース/ドレインとなる
領域115aに達する領域で、シリコン層114の幅が
徐々に広くなるように形成されていることに主な特徴が
ある。
薄膜の形成方法では、シリコン層114の幅が徐々に広
くなる領域117bは、領域115cの中央部のみであ
ったが、本変形例では、領域115cの中央部から領域
115aに達する広い範囲でシリコン層114の幅が徐
々に広くなっている。
グした場合であっても、単結晶シリコン114aを形成
することが可能である。
ようにしてもよい。
変形例(その4)によるシリコン薄膜の形成方法を図3
6を用いて説明する。図36は、本変形例によるシリコ
ン薄膜の形成方法を示す概念図である。
は、領域115aから領域115bに達する領域115
cで、シリコン層114の幅が徐々に広くなるように形
成されていることに主な特徴がある。
薄膜の形成方法では、シリコン層114の幅が徐々に広
くなる領域117bは、領域115cの中央部のみであ
ったが、本変形例では、領域115bから領域115a
に達する広い範囲でシリコン層114の幅が徐々に広く
なっている。
グした場合であっても、単結晶シリコン114aを形成
することが可能である。
変形例(その5)によるシリコン薄膜の形成方法を図3
7を用いて説明する。図37は、本変形例によるシリコ
ン薄膜の形成方法を示す概念図である。
は、領域115cにおけるシリコン層114の幅をほぼ
均一に形成し、領域115cの一部にネッキング部11
9が形成されていることに主な特徴がある。
14にネッキング部119が形成されているため、領域
115cの幅をほぼ均一に形成した場合であっても、ネ
ッキング部119の紙面上方の領域において単結晶シリ
コン114aが形成される。即ち、図中の矢印の方向に
レーザをスキャンしていくと、ネッキング部119にお
いて結晶粒界がブロックされ、更にレーザをスキャンし
ていくと、ネッキング部119の紙面上方の領域におい
て、単結晶シリコン114aが形成される。
cの幅をほぼ均一に形成した場合であっても、ネッキン
グ部119を形成することにより、単結晶シリコン11
4aを形成することが可能となる。
シリコン114aを、チャネルに用いれば、電子移動度
の高い薄膜トランジスタを提供することができる。
ン薄膜とゲート電極との位置関係を示す平面図である。
4a上に、ゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電
極130を形成する。単結晶シリコン114aがチャネ
ルとなるので、電子移動度の高い薄膜トランジスタを提
供することが可能となる。
ンする場合には、ネッキング部119の紙面下方に単結
晶シリコン114aが形成されるので、ゲート電極13
0はネッキング部119の紙面下方に形成すればよい。
よる薄膜トランジスタの製造方法を図39乃至図42を
用いて説明する。図39乃至図42は、本実施形態によ
る薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図であ
る。図1乃至図38に示す第1乃至第3実施形態の構成
要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を
省略または簡潔にする。
方法は、第3実施形態により形成されたシリコン薄膜を
チャネル層に用いることに主な特徴がある。なお、ここ
では、n形の薄膜トランジスタを製造する場合を例に説
明する。
コン薄膜を、所望の形状にパターニングする(図39
(a)参照)。例えば、チャネル長を2μmとし、チャ
ネル幅を2μmとする。図39(a)の半導体層124
の紙面右側の部分は図25の領域115aに対応してお
り、半導体層124の紙面左側の部分は図25の領域1
15bに対応している。また、図39(a)の半導体層
124の中央の部分は図25の領域115cに対応して
いる。
120nmのシリコン酸化膜より成るゲート酸化膜12
6を形成する。なお、ゲート酸化膜126は、LPCV
D法、スパッタ法等を用いて形成してもよい(図36
(b)参照)。
00nmのアルミニウム層128を形成する(図36
(c)参照)。
ルミニウム層128をゲート電極130の形状にパター
ニングする(図37(a)参照)。ゲート電極130
は、第3実施形態で形成されたシリコン薄膜のうち、単
結晶シリコン114a上に形成する。これにより、単結
晶シリコン114aをチャネルに用いることができるの
で、電子移動度の高い薄膜トランジスタを提供すること
が可能となる。
ト酸化膜126をエッチングする(図37(b)参
照)。
導体層124に不純物イオンを注入する。不純物として
は、例えばリンを用いることができる。
ーザを照射し、半導体層124に導入された不純物を活
性化する。こうしてゲート電極130に自己整合でソー
ス/ドレイン拡散層132を形成する(図38(a)参
照)。
より成る層間絶縁膜134を形成する(図38(b)参
照)。
イン拡散層132、ゲート電極130に達するコンタク
トホール136をそれぞれ形成する(図39(a)参
照)。
膜厚200nmのAl膜、膜厚100nmのTi膜が積
層されて成る導電層を形成する。
電層をパターニングし、これにより導電層より成るゲー
ト電極138a及びソース/ドレイン電極138bを形
成する(図39(b)参照)。
スタが製造されることとなる。
された薄膜トランジスタの電子移動度を測定した。
sと高い値を得ることができた。
シリコンをチャネルに用いることができるので、電子移
動度の高い薄膜トランジスタを提供することができる。
限らず種々の変形が可能である。
体装置は、TFTを備えた周辺回路一体型の液晶ディス
プレイ(LCD、Liquid Crystal Display)やシステム
オンパネル、システムオンガラス、更にはSOI(Sili
con On Insulator)素子として適用することが可能であ
る。
4としてアモルファスシリコンを用いたが、アモルファ
スシリコンに限定されるものではなく、例えば多結晶シ
リコンを用いてもよい。
にNiを用いたが、Niに限定されるものではなく、N
i以外の金属不純物を用いてもよい。
モルファスシリコンの固相成長により、多結晶シリコン
より成る保温層118aを形成したが、かかる固相成長
に限定されるものではなく、気相成長により多結晶シリ
コンよりなる保温層を形成してもよい。また、保温層1
18aは、多結晶シリコンに限定されるものではなく、
アモルファスシリコンを用いてもよい。また、他の材料
を用いて保温層118aを構成してもよい。
側からレーザを照射したが、ガラス基板の上側からレー
ザを照射してもよい。この場合には、シリコン層114
の上方の保温層118aをCMP法等により除去すれば
よい。また、シリコン層114の上方の保温層118a
を除去しなくてもよい。
リコン酸化膜を用いたが、分離膜はシリコン酸化膜に限
定されるものではなく、例えばシリコン窒化膜等を用い
てもよい。
幅を変化させたが、必ずしもチャネル領域の幅を変化さ
せる必要はなく、例えば、チャネル幅が均一であっても
よい。
形成したが、必ずしもネッキング部を形成しなくてもよ
い。
膜型の半導体装置であって、前記動作半導体膜の少なく
ともチャネル領域が、電流方向に対して90°未満の傾
きを有する粒界のみを含む結晶状態である準単結晶状態
になっていることを特徴とする半導体装置。
形成された薄膜型の半導体装置であって、前記動作半導
体膜の少なくともチャネル領域が、円形の結晶粒で、前
記結晶粒の半径をLとすると250nm<Lであり、か
つ、チャネル幅をWとすると、W<4Lである円形大粒
径の結晶粒からなる多結晶状態になっていることを特徴
とする半導体装置。
置において、前記動作半導体膜は、前記チャネル領域が
その他の部位より幅狭に形成されていることを特徴とす
る半導体装置。
載の半導体装置において、前記動作半導体膜は、ソース
/ドレイン領域に、微粒径の結晶粒、及び、円形の結晶
粒で、前記結晶粒の半径をLとすると250nm<Lで
あり、かつ、チャネル幅をWとすると、W<4Lである
円形大粒径の結晶粒からなる部位を有することを特徴と
する半導体装置。
載の半導体装置において、前記チャネル領域には、幅狭
のくびれ部が形成されていることを特徴とする半導体装
置。
された半導体薄膜であって、少なくとも前記幅狭部位
が、電流方向に対して90°未満の傾きを有する粒界の
みを含む結晶状態である準単結晶状態になっていること
を特徴とする半導体薄膜。
形成された薄膜型の半導体装置の製造方法であって、前
記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程と、前記
半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の側面を前記分
離膜を介して保温膜で囲む工程と、前記半導体膜に対し
て上面からエネルギービームを照射して前記半導体膜を
結晶化し、前記動作半導体膜を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
造方法において、前記半導体膜の下部に熱吸収体を設
け、前記エネルギービームの照射を行なうことを特徴と
する半導体装置の製造方法。
造方法において、前記保温膜を前記半導体膜より厚く形
成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
が形成された薄膜型の半導体装置の製造方法であって、
前記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程と、前
記半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の全面を前記
分離膜を介して保温膜で覆う工程と、前記半導体膜に対
して前記絶縁基板の下面からエネルギービームを照射し
て前記半導体膜を結晶化し、前記動作半導体膜を形成す
る工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方
法。
に記載の半導体装置の製造方法において、エネルギービ
ーム照射前の前記半導体膜は、アモルファスシリコン又
は多結晶シリコンからなることを特徴とする半導体装置
の製造方法。
に記載の半導体装置の製造方法において、前記保温膜
は、半導体材料、金属材料、絶縁材料又はこれらの混合
物或いは化合物からなることを特徴とする半導体装置の
製造方法。
に記載の半導体装置の製造方法において、エキシマレー
ザを光源として、前記エネルギービームの照射を行なう
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
に記載の半導体装置の製造方法において、前記動作半導
体膜の前記チャネル領域をその他の部位より幅狭に形成
することを特徴とする半導体装置の製造方法。
に記載の半導体装置の製造方法において、前記チャネル
領域に幅狭のくびれ部を形成することを特徴とする半導
体装置の製造方法。
膜を形成する工程と、前記半導体膜を分離膜で覆い、前
記半導体膜の側面を前記分離膜を介して保温膜で囲む工
程と、前記半導体膜に対して上面からエネルギービーム
を照射して前記半導体膜を結晶化し、前記動作半導体膜
を形成する工程とを有することを特徴とする半導体薄膜
の形成方法。
膜を形成する工程と、前記半導体膜を分離膜で覆い、前
記半導体膜の全面を前記分離膜を介して保温膜で覆う工
程と、前記半導体膜に対して前記絶縁基板の下面からエ
ネルギービームを照射して前記半導体膜を結晶化し、前
記動作半導体膜を形成する工程とを有することを特徴と
する半導体薄膜の形成方法。
形成する工程と、前記シリコン層の少なくとも側面に保
温層を形成する工程と、前記シリコン層に連続発振する
エネルギービームを照射し、前記シリコン層を結晶化す
る工程とを有することを特徴とするシリコン薄膜の形成
方法。
膜の形成方法において、前記絶縁基板は、前記エネルギ
ービームを透過する基板であり、前記シリコン層を結晶
化する工程では、波長400nm以上のエネルギービー
ムを照射することを特徴とするシリコン薄膜の形成方
法。
膜の形成方法において、前記保温層を形成する工程で
は、前記シリコン層の上面にも前記保温層を形成し、前
記シリコン層を結晶化する工程では、前記絶縁基板の裏
側から前記エネルギービームを照射することを特徴とす
るシリコン薄膜の形成方法。
かに記載のシリコン薄膜の形成方法において、前記保温
層を形成する工程では、前記シリコン層の一部の領域の
近傍に選択的に前記保温層を形成することを特徴とする
シリコン薄膜の形成方法。
かに記載のシリコン薄膜の形成方法において、前記シリ
コン層を形成する工程では、前記シリコン層の一部の領
域で幅が変化するように前記シリコン層を形成すること
を特徴とするシリコン薄膜の形成方法。
かに記載のシリコン薄膜の形成方法において、前記シリ
コン層を形成する工程では、前記シリコン層の一部に切
り込みを形成することを特徴とするシリコン薄膜の形成
方法。
リコン薄膜の形成方法において、前記シリコン層を結晶
化する工程では、前記シリコン層の幅が狭くなっている
部分から前記シリコン層の幅が広くなっている部分に向
かう方向に、前記エネルギービームを走査することを特
徴とするシリコン薄膜の形成方法。
の影響が無視し得るほど小さい半導体薄膜から動作半導
体膜を形成し、極めて高い電子移動度とされた薄膜型の
半導体装置を実現することが可能となる。
狭い領域から幅の広い領域に向かって、連続発振のレー
ザをスキャンすることにより結晶成長するため、横方向
に成長した結晶を引き継ぐことができるとともに、結晶
欠陥をシリコン層の外側に排除することができる。従っ
て、本発明によれば、単結晶シリコンを有するシリコン
薄膜を形成することができ、このシリコン薄膜を用いて
電子移動度の高い半導体装置を提供することができる。
成方法を示す工程断面図(その1)である。
成方法を示す工程断面図(その2)である。
温度分布特性を示す模式図である。
ッジ部位ヘ向かう方法に結晶化が進行する様子を示す模
式図である。
ようなチャネル領域となる部位において、結晶粒界の発
生方向を示す概略平面図である。
熱吸収体が埋設された例を示す概略断面図である。
るアモルファスシリコン膜を示す概略平面図である。
る結晶成長のメカニズムを示す概略平面図である。
るアモルファスシリコン膜を示す概略平面図である。
よる結晶成長のメカニズムを示す概略平面図である。
よるアモルファスシリコン膜を示す概略平面図である。
よる結晶成長のメカニズムを示す概略平面図である。
法を示す工程断面図(その1)である。
法を示す工程断面図(その2)である。
法を示す工程断面図(その3)である。
法を示す工程断面図(その4)である。
要構成を示す概略平面図である。
す顕微鏡写真である。
を示す概略断面図である。
成を示す概略断面図である。
形成方法を示す工程断面図(その1)である。
形成方法を示す工程断面図(その2)である。
形成方法を示す工程断面図(その3)である。
形成方法を示す工程断面図(その4)である。
(その1)である。
ラマン散乱分光法により測定したグラフである。
の関係を示すグラフである。
図である。
を示す概念図である。
コン薄膜とゲート電極との位置関係を示す平面図であ
る。
コン薄膜の結晶状態を示す顕微鏡写真である。
よるシリコン薄膜の形成方法を示す平面図である。
より形成されたシリコン薄膜の結晶状態を示す顕微鏡写
真である。
よるシリコン薄膜の形成方法を示す概念図である。
よるシリコン薄膜の形成方法を示す概念図である。
よるシリコン薄膜の形成方法を示す概念図である。
よるシリコン薄膜の形成方法を示す概念図である。
より形成されたシリコン薄膜とゲート電極との位置関係
を示す平面図である。
タの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
タの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
タの製造方法を示す工程断面図(その3)である。
タの製造方法を示す工程断面図(その4)である。
Claims (13)
- 【請求項1】 絶縁基板上に動作半導体膜が形成された
薄膜型の半導体装置であって、 前記動作半導体膜の少なくともチャネル領域が、電流方
向に対して90°未満の傾きを有する粒界のみを含む結
晶状態である準単結晶状態になっていることを特徴とす
る半導体装置。 - 【請求項2】 絶縁基板上に動作半導体膜が形成された
薄膜型の半導体装置であって、 前記動作半導体膜の少なくともチャネル領域が、円形の
結晶粒で、前記結晶粒の半径をLとすると250nm<
Lであり、かつ、チャネル幅をWとすると、W<4Lで
ある円形大粒径の結晶粒からなる多結晶状態になってい
ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 絶縁基板上に動作半導体膜が形成された
薄膜型の半導体装置の製造方法であって、 前記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の側面を前
記分離膜を介して保温膜で囲む工程と、 前記半導体膜に対して上面からエネルギービームを照射
して前記半導体膜を結晶化し、前記動作半導体膜を形成
する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
おいて、 前記半導体膜の下部に熱吸収体を設け、前記エネルギー
ビームの照射を行なうことを特徴とする半導体装置の製
造方法。 - 【請求項5】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
おいて、 前記保温膜を前記半導体膜より厚く形成することを特徴
とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項6】 絶縁基板上に動作半導体膜が形成された
薄膜型の半導体装置の製造方法であって、 前記絶縁基板上に島状の半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜を分離膜で覆い、前記半導体膜の全面を前
記分離膜を介して保温膜で覆う工程と、 前記半導体膜に対して前記絶縁基板の下面からエネルギ
ービームを照射して前記半導体膜を結晶化し、前記動作
半導体膜を形成する工程とを有することを特徴とする半
導体装置の製造方法。 - 【請求項7】 絶縁基板上にシリコン層を形成する工程
と、 前記シリコン層の少なくとも側面に保温層を形成する工
程と、 前記シリコン層に連続発振するエネルギービームを照射
し、前記シリコン層を結晶化する工程とを有することを
特徴とするシリコン薄膜の形成方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のシリコン薄膜の形成方法
において、 前記絶縁基板は、前記エネルギービームを透過する基板
であり、 前記シリコン層を結晶化する工程では、波長400nm
以上のエネルギービームを照射することを特徴とするシ
リコン薄膜の形成方法。 - 【請求項9】 請求項8記載のシリコン薄膜の形成方法
において、 前記保温層を形成する工程では、前記シリコン層の上面
にも前記保温層を形成し、 前記シリコン層を結晶化する工程では、前記絶縁基板の
裏側から前記エネルギービームを照射することを特徴と
するシリコン薄膜の形成方法。 - 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1項に記載
のシリコン薄膜の形成方法において、 前記保温層を形成する工程では、前記シリコン層の一部
の領域の近傍に選択的に前記保温層を形成することを特
徴とするシリコン薄膜の形成方法。 - 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれか1項に記
載のシリコン薄膜の形成方法において、 前記シリコン層を形成する工程では、前記シリコン層の
一部の領域で幅が変化するように前記シリコン層を形成
することを特徴とするシリコン薄膜の形成方法。 - 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1項に記
載のシリコン薄膜の形成方法において、 前記シリコン層を形成する工程では、前記シリコン層の
一部に切り込みを形成することを特徴とするシリコン薄
膜の形成方法。 - 【請求項13】 請求項11又は12記載のシリコン薄
膜の形成方法において、 前記シリコン層を結晶化する工程では、前記シリコン層
の幅が狭くなっている部分から前記シリコン層の幅が広
くなっている部分に向かう方向に、前記エネルギービー
ムを走査することを特徴とするシリコン薄膜の形成方
法。
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