JP3345363B2 - 多結晶シリコン薄膜の形成方法及び薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン薄膜の形成方法及び薄膜トランジスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン薄
膜の形成方法、薄膜トランジスタの製造方法、及び液晶
表示装置の製造方法に係り、特に、耐熱温度の低い基板
上に低温で多結晶シリコン薄膜を形成することができる
多結晶シリコン薄膜の形成方法、その多結晶シリコン薄
膜を用いた薄膜トランジスタの製造方法、及びその薄膜
トランジスタを用いた液晶表示装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、省電力、省スペース、応答速度の
速さ、表示の美しさ等の理由から、薄膜トランジスタ
(TFT、Thin Film Transistor)を画素用のスイッチ
ング素子として用いた液晶ディスプレイ(LCD、Liqu
id Crystal Display)が注目されている。
【0003】このような液晶ディスプレイには、一般に
ガラス基板が用いられ、ガラス基板上に薄膜トランジス
タが形成されている。かかる薄膜トランジスタのチャネ
ル層としては、多結晶シリコン薄膜が用いられているこ
とが多い。ガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を形成す
る方法としては、ガラス基板上にアモルファスシリコン
薄膜を形成し、この後、600℃、50時間程度の熱処
理を行うことによりアモルファスシリコン薄膜を結晶化
して、多結晶シリコン薄膜を形成する方法が従来より知
られている。これは、熱処理の初期段階に結晶の核を生
成し、その核を成長させることにより多結晶シリコン薄
膜を形成する技術である。
【0004】しかし、上記の多結晶シリコン薄膜の形成
方法では、600℃で50時間程度もの熱処理を行うこ
ととなるため、ガラス基板が変形してしまっていた。し
かも、こうして形成された多結晶シリコン薄膜の結晶粒
には欠陥や双晶が多かった。従って、このような方法で
は、電子移動度の高い良質な多結晶シリコン薄膜を形成
するのは困難であった。
【0005】また、ガラス基板上に、600℃以上の高
温においてCVD(Chemical VaporDeposition、化学気
相堆積)法により多結晶シリコン薄膜を形成する方法も
考えられるが、600℃以上の高温によりガラス基板が
変形してしまい、また、十分な結晶性を有する多結晶シ
リコン薄膜を形成することはできなかった。そこで、ガ
ラス基板上にアモルファスシリコン薄膜を形成し、この
アモルファスシリコン薄膜にレーザビームを照射するこ
とにより多結晶シリコン薄膜を形成する方法が提案され
ている。この方法によれば、レーザビームにより溶解さ
れたシリコンが固化する過程で、多結晶シリコン薄膜が
形成される。レーザビームにより短い時間でアモルファ
スシリコン薄膜が溶解されるので、ガラス基板が高温に
なってしまうことはなく、従ってガラス基板を変形する
ことなく多結晶シリコン薄膜が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
提案されている多結晶シリコン薄膜の形成方法では、シ
リコンが固化する速度が速いため、結晶粒径の大きい多
結晶シリコン薄膜を形成することができなかった。この
ため、かかる多結晶シリコン薄膜を薄膜トランジスタの
チャネル層として用いた場合には、電子移動度は150
cm2/Vs程度と極めて低かった。
【0007】本発明の目的は、低温で形成する場合であ
っても、高い電子移動度を得ることができる多結晶シリ
コン薄膜の形成方法、その多結晶シリコン薄膜を用いた
薄膜トランジスタ、及びその薄膜トランジスタを用いた
液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、基板上にシ
リコン層を形成する工程と、前記シリコン層上及び前記
シリコン層側面に保温層を形成する工程と、前記シリコ
ン層に短パルスレーザを照射し、前記シリコン層を結晶
化する工程とを有し、前記保温層を形成する工程では、
前記シリコン層上に開口部が形成された前記保温層を形
成することを特徴とする多結晶シリコン薄膜の形成方法
により達成される。これにより、シリコン層が保温層に
より覆われているので、シリコン層にレーザ照射が行わ
れた後におけるシリコン層の冷却速度を遅くすることが
でき、これにより粒径の大きい多結晶シリコン薄膜を形
成することができる。従って、電子移動度の高い多結晶
シリコン薄膜を形成することができる。
【0009】また、上記目的は、基板上にシリコン層を
形成する工程と、前記シリコン層上及び前記シリコン層
側面に保温層を形成する工程と、前記シリコン層に短パ
ルスレーザを照射し、前記シリコン層を結晶化してチャ
ネル層を形成する工程とを有し、前記シリコン層は、幅
が異なる領域を含んでなることを特徴とする薄膜トラン
ジスタの製造方法により達成される。これにより、シリ
コン層が、幅が異なる領域を含むので、結晶核の位置や
結晶核の数を制御することができ、高品質な多結晶シリ
コン薄膜を形成することができる。結晶粒径の大きい多
結晶シリコン薄膜をチャネル層として用いることができ
るので、電子移動度の高い薄膜トランジスタを提供する
ことができる。
【0010】また、上記の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記基板は前記短パルスレーザを透過する基
板であり、前記シリコン層を結晶化する工程では、前記
基板の前記保温層が形成されていない側の面から前記短
パルスレーザを照射することが望ましい。これにより、
保温層が形成されていない側の面から短パルスレーザを
照射することによりシリコン層を結晶化することができ
るので、簡便な工程で多結晶シリコン薄膜を形成するこ
とができる。
【0011】また、上記の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記シリコン層を結晶化する工程では、前記
基板を所定の温度に加熱しながら前記短パルスレーザを
前記シリコン層に照射することが望ましい。これによ
り、基板を加熱しながら短パルスレーザを照射するの
で、短パルスレーザを照射した後のシリコン層の冷却速
度を遅くすることができる。従って、粒径の大きい多結
晶シリコンが生成された多結晶シリコン薄膜を形成する
ことができる。
【0012】また、上記の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記保温層を形成する工程では、前記シリコ
ン層上に開口部が形成された前記保温層を形成すること
が望ましい。また、上記の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記シリコン層を形成する工程の後、前記保
温層を形成する工程の前に、前記シリコン層上に、前記
保温層とエッチング特性が異なる分離膜を形成する工程
を更に有することが望ましい。これにより、保温層とエ
ッチング特性が異なる分離膜を形成するので、分離膜を
エッチングストッパとして保温層をエッチングすること
ができる。
【0013】また、上記の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記シリコン層は、アモルファスシリコン
膜、多結晶シリコン膜、又は微結晶シリコン膜より成る
ことが望ましい。また、上記の薄膜トランジスタの製造
方法において、前記保温層は、アモルファスシリコン
層、多結晶シリコン層、金属層、金属を含むシリコン
層、又は不純物を含むシリコン層より成ることが望まし
い。
【0014】
【0015】また、上記目的は、基板上にシリコン層を
形成する工程と、前記シリコン層上及び前記シリコン層
側面に保温層を形成する工程と、前記シリコン層に短パ
ルスレーザを照射し、前記シリコン層を結晶化してトラ
ンジスタのチャネル層を形成する工程とを有し、前記シ
リコン層は、幅が異なる領域を含んでなることを特徴と
する液晶表示装置の製造方法により達成される。これに
より、良好な電気的特性を有する液晶表示装置を提供す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による多結晶シリコン薄膜の形成方法を図1乃至
図5を用いて説明する。図1乃至図3は、本実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法を示す工程断面図で
ある。図4は、レーザ照射後の各部の温度を示すグラフ
である。図5は、多結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す
概念図である。
【0017】まず、ガラス基板10上に、PECVD
(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition、プラ
ズマ化学気相堆積)法により、膜厚200nmのシリコ
ン酸化膜より成るバッファ層12を形成する。次に、バ
ッファ層12上に、PECVD法により、膜厚50nm
のアモルファスシリコン層より成るシリコン層14を形
成する。
【0018】次に、450℃、2時間の熱処理を行い、
これによりシリコン層14から水素を除去する(図1
(a)参照)。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、
シリコン層14を8μm×8μmの形状にパターニング
する(図1(b)参照)。次に、HF系のエッチング液
を用い、シリコン層14をマスクとしてバッファ層12
の表面をエッチングし、バッファ層12に段差を形成す
る(図1(c)参照)。
【0019】次に、全面に、PECVD法により、膜厚
30nmのシリコン酸化膜より成る分離膜16を形成す
る(図2(a)参照)。分離膜16には、シリコン層1
4より融点が高い材料を用いることが望ましい。シリコ
ン層14を結晶化する際に分離膜16が溶解してしまう
と、シリコン層14と保温層18(図2(b)参照)と
が一体になってしまうからである。また、分離膜16
は、保温層18をエッチングする際のエッチングストッ
パとして機能することが望ましい。
【0020】次に、全面に、PECVD法により、膜厚
300nmの多結晶シリコン膜より成る保温層18を形
成する(図2(b)参照)。成膜条件は、例えば、Si
4ガスとH2ガスとの流量比を2:98とし、成膜室内
の温度を550℃とすることができる。次に、室温に
て、ガラス基板10の下面側、即ちバッファ層12が形
成されていない面の側から、シリコン層14に短パルス
レーザを照射し、シリコン層14を結晶化する(図3
(a)参照)。短パルスレーザとは、短時間のパルスを
発生するレーザのことである。短パルスレーザとして
は、例えばエキシマレーザを用いることができる。パル
ス幅は、例えば30ns、パルス数は20回/秒とする
ことができる。短パルスレーザの照射方法としては、例
えばオーバラッピングスキャン照射法を用いることがで
きる。
【0021】図3(a)に示すように、本実施形態で
は、シリコン層14が保温層18により覆われている。
シリコン層14が保温層18に覆われているので、シリ
コン層14にレーザパルスが照射が行われた後における
シリコン層14の冷却速度が遅くなる。レーザ照射後の
各部の温度を図4を用いて説明する。図4において、t
1、t2、t3とは、それぞれレーザパルスの照射が終わ
ってからの時間を示している。図4において、t1とは
レーザパルスの照射が終了してからt1時間後の各部の
温度を示しており、t2とはレーザパルスの照射が終了
してからt2時間後の各部の温度を示しており、t3とは
レーザパルスの照射が終了してからt3時間後の各部の
温度を示している。t1よりt2の方が遅い時間であり、
2よりt3の方が遅い時間である。
【0022】シリコン層14が保温層18に覆われてい
るので、シリコン層14の端部近傍では冷却速度が遅
い。レーザパルスの照射を終了してからt2時間後の各
部の温度を比較してみると、シリコン層14の中央部で
はシリコン結晶の融点以下まで温度が下がってしまって
いるが、シリコン層14の端部近傍領域ではシリコン結
晶の融点より高い温度を維持している。このように、シ
リコン層14が保温層18により覆われているので、シ
リコン層14の端部近傍領域は冷却速度が遅くなる。換
言すれば、シリコン層14の端部近傍領域では、シリコ
ン結晶の融点以下に温度が下がるまでの時間が長いの
で、シリコン層14の内部で核が発生して横方向に結晶
が成長し、大きい結晶粒を生成することができる。
【0023】こうしてシリコン層14が結晶化され、多
結晶シリコン薄膜14aが生成される。次に、RIE
(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法
により、分離膜16をエッチングストッパとして、保温
層18をエッチングする。次に、HF系のウエットエッ
チングにより、分離膜16をエッチングする(図3
(b)参照)。
【0024】こうして、本実施形態により多結晶シリコ
ン薄膜14aが形成されることとなる。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について図5(a)を用いて説
明する。図5(a)は、本実施形態により形成された多
結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図である。図5
(a)は、シリコン層の端部近傍領域を拡大して示した
ものである。なお、多結晶シリコン薄膜の結晶状態は、
例えばTEM(Transmission Electron Microscopy、透
過型電子顕微鏡)法により観察することができる。
【0025】図5(a)の紙面左側は多結晶シリコン薄
膜14aの中央部側であり、紙面右側は多結晶シリコン
薄膜14aの端部側である。紙面左側、即ち、多結晶シ
リコン薄膜14aの中央部側では結晶粒径は小さく、微
小粒径の多結晶シリコン領域40aとなっている。紙面
右側、即ち、多結晶シリコン薄膜14aの端部から一定
距離離間した領域には大粒径のシリコン結晶40bが生
成されている。そして更に紙面右側、即ち、多結晶シリ
コン薄膜14aの端部近傍領域においては、横方向に成
長した大粒径のシリコン結晶40cが生成されている。
核形成は大粒径のシリコン結晶40bで行われ、横方向
成長によりシリコン結晶40cが生成されている。
【0026】このように、本実施形態によれば、シリコ
ン層が保温層により覆われているので、シリコン層にレ
ーザ照射が行われた後におけるシリコン層の冷却速度を
遅くすることができ、これにより粒径の大きい多結晶シ
リコン薄膜を形成することができる。 [第2実施形態]本発明の第2実施形態による多結晶シ
リコン薄膜の形成方法を図6乃至図8を用いて説明す
る。図6乃至図8は、本実施形態による多結晶シリコン
薄膜の形成方法を示す工程断面図である。図1乃至図5
に示す第1実施形態による多結晶シリコン薄膜の形成方
法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省
略または簡潔にする。
【0027】バッファ層12に段差を形成する工程まで
は、図1(a)乃至図1(c)に示す第1実施形態によ
る多結晶シリコン薄膜の形成方法と同様であるので説明
を省略する。次に、全面に、PECVD法により、膜厚
30nmのシリコン酸化膜より成る分離膜16を形成す
る(図6(a)参照)。
【0028】次に、全面に、PECVD法により、膜厚
300nmのアモルファスシリコン膜より成る保温層1
8を形成する。次に、全面に、スパッタ法により、膜厚
3nmのNi膜より成る不純物層20を形成する(図6
(b)参照)。次に、550℃、8時間の熱処理を行
い、不純物層20のNiを保温層18中に固相拡散す
る。これにより、Niを用いたアモルファスシリコンの
固相成長により、多結晶シリコン層より成る保温層18
aが形成される(図7(a)参照)。
【0029】次に、室温にて、ガラス基板10の下面側
から、シリコン層14に短パルスレーザを照射し、シリ
コン層14を結晶化する(図7(b)参照)。短パルス
レーザは、第1実施形態と同様に例えばエキシマレーザ
を用いることができる。また、パルス幅、パルス数等に
ついても第1実施形態と同様とすることができる。シリ
コン層14が保温層18aにより覆われているので、シ
リコン層14にレーザ照射が行われた後におけるシリコ
ン層14の冷却速度が遅くなる。シリコン層の端部近傍
領域において、シリコン層の温度がシリコン結晶の融点
以下に下がるまでの時間が長くなるので、シリコン層の
内部で核が発生し、結晶が横方向に成長するラテラル成
長が実現する。こうして、結晶が横方向に成長するの
で、大きい結晶粒を生成することができる。
【0030】こうしてシリコン層14が結晶化され、多
結晶シリコン薄膜14bが生成される。次に、RIE法
により、分離膜16をエッチングストッパとして、保温
層18aをエッチングする。次に、HF系のウエットエ
ッチングにより、分離膜16をエッチングする(図8参
照)。
【0031】こうして、本実施形態により多結晶シリコ
ン薄膜が形成されることとなる。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について説明する。本実施形態
により形成された多結晶シリコン薄膜14bは、図5
(a)と同様の結晶状態となっていた。
【0032】このように、本実施形態によれば、シリコ
ン層が保温層により覆われているので、シリコン層にレ
ーザ照射が行われた後におけるシリコン層の端部近傍領
域の冷却速度を遅くすることができる。シリコン層の端
部近傍領域において冷却速度が遅くなるので、シリコン
層の内部で核が発生し、結晶が横方向に成長する。これ
により、粒径の大きい多結晶シリコン薄膜を形成するこ
とが可能となる。
【0033】一方、比較例として、ガラス基板10の上
側、即ち、保温層18aの上側から短パルスレーザを照
射した場合について、シリコン層の結晶状態の評価を行
った。この結果、シリコン層の結晶粒径は小さく、微小
粒径の多結晶シリコンとなっていることがわかった。こ
れは、エキシマレーザが保温層18aにより吸収されて
しまい、シリコン層14の結晶化に必要とされる熱がシ
リコン層14に十分に伝わらないためと考えられる。
【0034】[第3実施形態]本発明の第3実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法を図9及び図10を
用いて説明する。図9は、本実施形態による多結晶シリ
コン薄膜の形成方法を示す工程断面図である。図10
は、レーザ照射後の各部の温度を示すグラフである。図
1乃至図8に示す第1又は第2実施形態による多結晶シ
リコン薄膜の形成方法と同一の構成要素には、同一の符
号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0035】本実施形態による多結晶シリコン薄膜の形
成方法は、保温層18aを形成する工程までは第2実施
形態による多結晶シリコン薄膜の形成方法と同様である
ので、説明を省略する。次に、ガラス基板10の温度を
300℃とし、ガラス基板10の下側から短パルスレー
ザを照射し、シリコン層14を結晶化する(図9(a)
参照)。なお、ガラスの歪みは約600℃〜700℃以
上で生じるので、ガラス基板10を300℃としても、
ガラス基板10が変形してしまうことはない。
【0036】レーザ照射後の各部の温度を図10を用い
て説明する。図10のグラフにおいて、破線はガラス基
板10の温度を室温とした場合、即ち第2実施形態の場
合の各部の温度を示しており、実線はガラス基板10の
温度を300℃とした場合、即ち本実施形態の場合の各
部の温度を示している。本実施形態ではガラス基板10
が300℃に加熱されているので、シリコン層14の各
部における冷却速度は遅い。t2時間後のシリコン層1
4の各部の温度を比較してみると、第2実施形態ではシ
リコン層14の中央部はシリコン結晶の融点以下まで温
度が下がってしまっているが、本実施形態ではシリコン
層14の全体がシリコン結晶の融点より高い温度を維持
している。このように本実施形態では、ガラス基板10
が300℃に加熱されているので、シリコン層14の冷
却速度が遅くなる。換言すれば、本実施形態では、シリ
コン結晶の融点以下にシリコン層14の温度が下がるま
での時間が第1及び第2実施形態より長くなるので、広
い範囲に亘って結晶が横方向に成長し、これにより大き
い粒径のシリコン結晶を生成することができる。
【0037】こうしてシリコン層14が結晶化され、多
結晶シリコン薄膜14cが生成される。次に、RIE法
により、分離膜16をエッチングストッパとして、保温
層18aをエッチングする。次に、HF系のウエットエ
ッチングにより、分離膜16をエッチングする(図9
(b)参照)。
【0038】こうして、本実施形態による多結晶シリコ
ン薄膜が形成される。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について図5(b)を用いて説
明する。図5(b)は、本実施形態により形成された多
結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図である。
【0039】図5(b)に示すように、本実施形態で
は、横方向に成長した大粒径の多結晶シリコン結晶40
cが生成されている領域が、図5(a)に示す第1及び
第2実施形態の場合より広くなっている。このように、
本実施形態によれば、ガラス基板を300℃に加熱して
レーザ照射を行うので、短パルスレーザを照射した後の
シリコン層の冷却速度を遅くすることができる。これに
より、シリコン層の内部で核が発生し、シリコン層の端
部に向かって広い範囲に亘って横方向に結晶が成長し、
粒径の大きい多結晶シリコンが生成された多結晶シリコ
ン薄膜を形成することができる。
【0040】[第4実施形態]本発明の第4実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法を図11を用いて説
明する。図11は、本実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図である。図1乃至図10
に示す第1乃至第3実施形態による多結晶シリコン薄膜
の形成方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して
説明を省略または簡潔にする。
【0041】本実施形態による多結晶シリコン薄膜の形
成方法は、ガラス基板10上に700nmと厚いバッフ
ァ層12を形成する点、バッファ層12上に100nm
と厚いシリコン層14を形成する点、ガラス基板10の
温度を500℃と高く設定して短パルスレーザを照射す
る点に特徴がある。まず、ガラス基板10上に、PEC
VD法により、膜厚700nmのシリコン酸化膜より成
るバッファ層12を形成する。バッファ層12の厚さを
700nmと第1乃至第3実施形態より厚く形成してい
るのは、レーザ照射後のシリコン層14の冷却速度を遅
くするためである。
【0042】次に、バッファ層上に、PECVD法によ
り、膜厚100nmのアモルファスシリコン層より成る
シリコン層14を形成する。シリコン層14の厚さを1
00nmと第1乃至第3実施形態より厚く形成している
のは、シリコン層14の熱容量を大きくしてシリコン層
14の冷却速度を遅くするためである。この後の保温層
18aを形成する工程までは第2実施形態と同様である
ので、説明を省略する。
【0043】次に、ガラス基板10の温度を500℃と
し、ガラス基板10の下側から短パルスレーザを照射
し、シリコン層14を結晶化する(図11(a)参
照)。なお、ガラスの歪みは約600℃〜700℃以上
で生じるので、ガラス基板10を500℃としても、ガ
ラス基板10が変形してしまうことはない。ガラス基板
が500℃と高く加熱されており、しかもシリコン層が
100nmと厚いので、シリコン層の冷却速度が遅くな
る。換言すれば、本実施形態では、シリコン結晶の融点
以下にシリコン層14の温度が下がるまでの時間を第1
乃至第3実施形態より長くすることができるので、より
広い範囲に亘って横方向成長が実現され、大きい粒径の
シリコン結晶を生成することができる。
【0044】こうしてシリコン層14が結晶化され、多
結晶シリコン薄膜14dが生成される。次に、RIE法
により、分離膜16をエッチングストッパとして、保温
層18aをエッチングする。次に、HF系のエッチング
液を用い、分離膜16をエッチングする(図11(b)
参照)。
【0045】こうして、本実施形態による多結晶シリコ
ン薄膜が形成されることとなる。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について図5(c)を用いて説
明する。図5(c)は、本実施形態により形成された多
結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図である。
【0046】図5(c)に示すように、本実施形態で
は、横方向に成長した大粒径の多結晶シリコン結晶40
cが生成されている領域が、図5(a)及び図5(b)
に示す第1乃至第3実施形態の場合より広くなってい
る。なお、本実施形態では、図5(a)及び図5(b)
で観測された大粒径の多結晶シリコン結晶40bは観測
されない。
【0047】このように、本実施形態によれば、シリコ
ン層を厚く形成し、ガラス基板を500℃に加熱してレ
ーザ照射を行うので、短パルスレーザを照射した後のシ
リコン層の冷却速度を第3実施形態の場合より更に遅く
することができる。これにより、シリコン層の内部で核
が発生し、シリコン層の端部に向かって広い範囲に亘っ
て結晶が横方向に成長するので、粒径の大きい多結晶シ
リコンが生成された多結晶シリコン薄膜を形成すること
ができる。
【0048】[第5実施形態]本発明の第5実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法を図12乃至図13
を用いて説明する。図12及び図13は、本実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法を示す工程断面図で
ある。図1乃至図11に示す第1乃至第4実施形態によ
る多結晶シリコン薄膜の形成方法と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0049】本実施形態による多結晶シリコン薄膜の形
成方法は、保温層18aに開口部22を形成することに
より、シリコン層14の各部の冷却速度を適宜設定する
ことに主な特徴がある。まず、保温層18aを形成する
工程までは、第4実施形態による多結晶シリコン薄膜の
形成方法と同様であるので説明を省略する。
【0050】次に、保温層18aに、表面から深さ20
0nmまで開口部22を形成する(図12(a)参
照)。開口部22の直径は、例えば1μmとすることが
できる。なお、開口部の形状や深さは、所望の冷却速度
でシリコン層14の各部が冷却されるよう適宜設定する
ことができる。次に、ガラス基板10の温度を500℃
とし、ガラス基板10の下側から短パルスレーザを照射
し、シリコン層14を結晶化する(図12(b)参
照)。シリコン層14上の保温層18aに開口部22が
形成されているため、保温層18aによる保温機能が弱
まり、開口部22の近傍のシリコン層14の冷却速度が
速くなる。一方、シリコン層14の端部近傍領域は、開
口部22から離間しているため、保温層18aが十分に
保温機能を有している。従って、シリコン層14の端部
近傍領域では、シリコン層14の冷却速度が遅い。これ
により、第1乃至第4実施形態の場合より更に広い領域
で、横方向に成長した大粒径の多結晶シリコン結晶が生
成される。
【0051】こうしてシリコン層14が結晶化され、多
結晶シリコン薄膜14eが生成される。次に、RIE法
により、分離膜16をエッチングストッパとして、保温
層18aをエッチングする。次に、HF系のエッチング
液を用い、分離膜16をエッチングする(図13参
照)。
【0052】こうして、本実施形態による多結晶シリコ
ン薄膜が形成されることとなる。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について図5(d)を用いて説
明する。図5(d)は、本実施形態により形成された多
結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図である。
【0053】図5(d)に示すように、本実施形態で
は、横方向に成長した大粒径の多結晶シリコン結晶40
cが生成されている領域が、図5(a)乃至図5(c)
に示す第1乃至第4実施形態の場合より広くなってい
る。なお、本実施形態では、図5(a)及び図5(b)
で観測された大粒径の多結晶シリコン結晶40bは観測
されない。
【0054】このように、本実施形態によれば、保温層
に開口部を形成することにより、シリコン層の中央部か
ら端部に向かって広い温度勾配が生じるので、広い範囲
に亘って粒径の大きい多結晶シリコン結晶が生成された
多結晶シリコン薄膜を形成することができる。 [第6実施形態]本発明の第6実施形態による多結晶シ
リコン薄膜の形成方法を図14及び図15を用いて説明
する。図14は、本実施形態による多結晶シリコン薄膜
の形成方法を示す平面図である。図15は、本実施形態
により形成された多結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す
概念図である。図1乃至図13に示す第1乃至第5実施
形態による多結晶シリコン薄膜の形成方法と同一の構成
要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔に
する。
【0055】本実施形態による多結晶シリコン薄膜の形
成方法は、図14に示すように、シリコン層14の平面
形状が長方形ではなく、一部の幅が狭くなっていること
に特徴がある。まず、保温層18aを形成する工程まで
は、第4実施形態による多結晶シリコン薄膜の形成方法
と同様であるので説明を省略する。但し、本実施形態に
よる多結晶シリコン薄膜の形成方法は、シリコン層14
をパターニングする際に図14に示すような平面形状に
シリコン層14をパターニングする点で、第4実施形態
と異なっている。即ち、本実施形態では、シリコン層1
4の一部の幅が狭くなっている。シリコン層14の紙面
左右方向の幅は例えば5μmとすることができる。ま
た、シリコン層14の紙面上下方向の長さは、幅の太い
ところで例えば5μmとすることができる。シリコン層
14の厚さは、第4実施形態と同様に例えば100nm
とすることができる。
【0056】次に、ガラス基板10の温度を500℃と
し、ガラス基板10の下面側から短パルスレーザを照射
する。これにより、シリコン層14が結晶化する。次
に、RIE法により、分離膜16をエッチングストッパ
として、保温層18aをエッチングする。次に、HF系
のエッチング液を用い、分離膜16をエッチングする。
【0057】こうして本実施形態による多結晶シリコン
薄膜が形成される。 (評価結果)次に、上記のようにして形成された多結晶
シリコン薄膜の結晶状態について図15を用いて説明す
る。図15に示すように、幅が広い領域における中央部
は、微小粒径の多結晶シリコン領域40aとなってい
る。
【0058】一方、幅が広い領域における端部近傍領域
は、端部に向かって広い領域で横方向に成長した大粒径
の多結晶シリコン結晶40cが生成されている。幅が広
い領域と幅が狭い領域との間の近傍では、シリコン層の
内部の一点からシリコン層の端部に向かって横方向に結
晶が成長しており、単結晶となっている。
【0059】幅が狭い領域では、保温層18aによる保
温効果が強いために、紙面下側に向かって横方向に結晶
が成長し、単結晶シリコン40dが生成されている。こ
のように、本実施形態によれば、一部の領域の幅が狭く
なるようにシリコン層がパターニングされているので、
幅が狭い領域のシリコン層に単結晶シリコンを生成する
ことができる。
【0060】[第7実施形態]本発明の第7実施形態に
よる薄膜トランジスタの製造方法を図16乃至図19を
用いて説明する。図16乃至図19は、本実施形態によ
る薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図であ
る。図1乃至図15に示す第1乃至第6実施形態による
多結晶シリコン薄膜の形成方法と同一の構成要素には、
同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0061】本実施形態による薄膜トランジスタの製造
方法は、第1乃至第6実施形態により形成された多結晶
シリコン薄膜を薄膜トランジスタのチャネル層として用
いることに主な特徴がある。まず、第1乃至第6実施形
態による多結晶シリコン薄膜の形成方法のいずれかによ
り多結晶シリコン薄膜を形成する。ここでは、例えば、
第4実施形態による多結晶シリコン薄膜の形成方法を用
いて、長さ3μm、幅5μmの多結晶シリコン薄膜14
eより成るチャネル層24を形成する(図16(a)参
照)。
【0062】次に、全面に、PECVD法により、膜厚
120nmのシリコン酸化膜より成るゲート酸化膜26
を形成する。なお、ゲート酸化膜26は、LP(Low Pr
essure、減圧)CVD法、スパッタ法等を用いて形成し
てもよい(図16(b)参照)。次に、全面に、スパッ
タ法により、膜厚300nmのアルミニウム層28を形
成する(図16(c)参照)。
【0063】次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ア
ルミニウム層28をゲート電極30の形状にパターニン
グする(図17(a)参照)。次に、ゲート電極30に
自己整合でゲート酸化膜26をエッチングする(図17
(b)参照)。次に、ゲート電極30に自己整合で、チ
ャネル層24に不純物イオンを注入する。不純物として
は、例えばリンを用いることができる。
【0064】次に、ガラス基板10上からエキシマレー
ザを照射し、チャネル層24に導入された不純物を活性
化する。こうしてゲート電極30に自己整合でソース/
ドレイン拡散層32を形成する(図18(a)参照)。
次に、全面に、膜厚300nmのSiN膜より成る層間
絶縁膜34を形成する(図18(b)参照)。
【0065】次に、層間絶縁膜34に、ソース/ドレイ
ン拡散層32、ゲート電極30に達するコンタクトホー
ル36をそれぞれ形成する。次に、全面に、膜厚100
nmのTi膜、膜厚200nmのAl膜、膜厚100n
mのTi膜が積層されて成る導電層を形成する。次に、
フォトリソグラフィ技術を用いて導電層をパターニング
し、これにより導電層より成るゲート電極38a及びソ
ース/ドレイン電極38bを形成する。
【0066】こうして、本実施形態による薄膜トランジ
スタが製造されることとなる。 (評価結果)次に、上記のようにして製造された薄膜ト
ランジスタの電子移動度を測定した。この結果、電子移
動度は300cm2/Vsと高い値を得ることができ
た。
【0067】このように、本実施形態によれば、上記の
ようにして形成された結晶粒径の大きい多結晶シリコン
薄膜をチャネル層として用いるので、電子移動度の高い
薄膜トランジスタを提供することができる。 [変形実施形態]本発明は上記実施形態に限らず種々の
変形が可能である。
【0068】例えば、上記実施形態ではシリコン層を覆
うように保温層を形成したが、保温層はシリコン層上の
一部にのみ形成してもよい。また、第7実施形態では、
薄膜トランジスタを製造する場合を例に説明したが、第
1乃至第6実施形態により形成された多結晶シリコン薄
膜はあらゆる用途に用いることができる。
【0069】また、第7実施形態により製造された薄膜
トランジスタは、あらゆる用途に用いることができる。
例えば、周辺回路一体型のTFT−LCDや、システム
オンパネル、システムオンガラス等に用いてもよい。ま
た、上記実施形態では、短パルスレーザとしてエキシマ
レーザを用いたが、エキシマレーザのみならずあらゆる
短パルスレーザを広く用いることができる。
【0070】また、上記実施形態では、分離膜をシリコ
ン層の上面及び側面に形成したが、分離膜を上面にのみ
形成してもよい。また、上記実施形態では、アモルファ
スシリコン層よりなるシリコン層を形成したが、アモル
ファスシリコン層のみならず例えば、多結晶シリコン
層、微結晶シリコン層等を用いてもよい。
【0071】また、上記実施形態では、分離膜としてシ
リコン酸化膜を用いたが、レーザ照射をした際に溶解す
ることのない膜であれば、シリコン酸化膜のみならず、
シリコン窒化膜、シリコンを含む絶縁膜等を用いてもよ
い。また、上記実施形態では、保温層として多結晶シリ
コン層を用いたが、これらに限定されるものではなく、
保温することができる膜であればあらゆる膜を用いても
よい。また、上記実施形態では、保温層を形成する際に
PECVD法を用いたが、PECVD法のみならず、他
のあらゆるCVD法を用いてもよい。また、PVD(Ph
ysical Vapor Deposition、物理蒸着)法を用いて保温
層を形成してもよい。
【0072】また、上記実施形態では、Niを用いた固
相成長により多結晶シリコン層より成る保温層を形成し
たが、Niのみならず他の金属触媒を用いてもよい。他
の金属触媒としては、例えば、Cu、Au、Pt、P
d、Al等のアモルファスシリコンの結晶化に効果のあ
る金属を用いることができる。また、複数種の金属触媒
を保温層内に導入してもよい。また、III族、V族の不
純物を適宜保温層に導入してもよい。
【0073】また、上記実施形態では、保温層として多
結晶シリコン層等を用いたが、金属を保温層に用いても
よい。また、上記実施形態では、分離膜を形成したが、
分離膜を形成せず、シリコン層上に、短パルスレーザを
照射しても溶解することのない第1の保温層を形成して
もよい。そして、更に第1の保温層上に第2の保温層を
形成してもよい。第2の保温層としてシリコン酸化膜や
シリコン窒化膜等を用いてもよい。
【0074】また、上記実施形態では、ガラス基板の裏
側からレーザ照射することによりシリコン層を結晶化し
たが、ガラス基板の上側、即ち保温層上からレーザ照射
することによりシリコン層を結晶化してもよい。この場
合、レーザ光を吸収しにくい保温層を用いることが望ま
しい。また、上記実施形態では、シリコン層の膜厚を5
0nmや100nmとしたが、シリコン層の膜厚はこれ
らに限定されるものではなく、適宜膜厚を設定すること
ができる。例えば、20nm以上300nm以下として
もよい。
【0075】また、第5実施形態では、シリコン層上の
保温層の一部に開口部を形成したが、所望の結晶性を有
するシリコン層を形成することができるよう、保温層の
形状適宜設定すればよい。また、第6実施形態では、図
14に示すようなシリコン層を形成したが、シリコン層
の形状はいかなる形状にしてもよい。例えば、幅が狭く
なっている領域において所望の結晶を成長することがで
きるよう、適宜幅が狭くなっている領域の形状を変化さ
せてもよい。
【0076】また、上記実施形態では、基板温度を室
温、300℃、500℃としてレーザ照射を行ったが、
基板が歪まない程度の温度範囲で適宜加熱してもよい。
また、上記実施形態では、ガラス基板は歪み点の高いガ
ラス基板を用いることが望ましく、例えば歪み点が60
0℃〜700℃程度の歪み点の高いガラス基板を用いる
ことができる。
【0077】また、上記実施形態では、ガラス基板を用
いたが、ガラス基板のみならず、例えば石英ガラス基板
等のレーザ光を透過できる基板を適宜用いてもよい。ま
た、バッファ層の厚さは、シリコン層に所望のシリコン
結晶が形成できるよう適宜設定してもよい。また、上記
実施形態では、バッファ層としてシリコン酸化膜を用い
たが、バッファ層はシリコン酸化膜に限定されるもので
はなく、例えばシリコン窒化膜等を用いてもよい。
【0078】また、シリコン層の形状は上記実施形態に
限定されるものではなく、所望の形状に適宜形成するこ
とが望ましい。また、シリコン層を結晶化して多結晶シ
リコン薄膜を形成した後、更に多結晶シリコン薄膜を所
望の形状にパターニングしてもよい。
【0079】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、シリコン
層が保温層により覆われているので、シリコン層にレー
ザ照射が行われた後におけるシリコン層の冷却速度を遅
くすることができ、これにより粒径の大きい多結晶シリ
コン薄膜を形成することができる。従って、高い電子移
動度を得ることができる多結晶シリコン薄膜を形成する
ことができる。
【0080】また、本発明によれば、ガラス基板の下面
側から短パルスレーザを照射するので、簡便な工程で多
結晶シリコン薄膜を形成することができる。また、本発
明によれば、基板を加熱しながら短パルスレーザを照射
するので、短パルスレーザを照射した後のシリコン層の
冷却速度を遅くすることができる。従って、シリコン層
の内部で核が発生して、シリコン層の端部に向かって結
晶が成長し、粒径の大きい多結晶シリコンが生成された
多結晶シリコン薄膜を形成することができる。
【0081】また、本発明によれば、結晶粒径の大きい
多結晶シリコン薄膜をチャネル層として用いることがで
きるので、電子移動度の高い薄膜トランジスタを提供す
ることができる。また、本発明によれば、電子移動度の
高い薄膜トランジスタを用いることにより、良好な電気
的特性を有する液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その1)である。
【図2】本発明の第1実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その2)である。
【図3】本発明の第1実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その3)である。
【図4】レーザ照射後の各部の温度を示すグラフであ
る。
【図5】多結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図で
ある。
【図6】本発明の第2実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その1)である。
【図7】本発明の第2実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その2)である。
【図8】本発明の第2実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図(その3)である。
【図9】本発明の第3実施形態による多結晶シリコン薄
膜の形成方法を示す工程断面図である。
【図10】レーザ照射後の各部の温度を示すグラフであ
る。
【図11】本発明の第4実施形態による多結晶シリコン
薄膜の形成方法を示す工程断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態による多結晶シリコン
薄膜の形成方法を示す工程断面図(その1)である。
【図13】本発明の第5実施形態による多結晶シリコン
薄膜の形成方法を示す工程断面図(その2)である。
【図14】本発明の第6実施形態による多結晶シリコン
薄膜の形成方法を示す平面図である。
【図15】多結晶シリコン薄膜の結晶状態を示す概念図
である。
【図16】本発明の第7実施形態による薄膜トランジス
タの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図17】本発明の第7実施形態による薄膜トランジス
タの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図18】本発明の第7実施形態による薄膜トランジス
タの製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図19】本発明の第7実施形態による薄膜トランジス
タの製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【符号の説明】
10…ガラス基板 12…バッファ層 14…シリコン層 14a…多結晶シリコン薄膜 14b…多結晶シリコン薄膜 14c…多結晶シリコン薄膜 14d…多結晶シリコン薄膜 14e…多結晶シリコン薄膜 16…分離膜 18…保温層 18a…保温層 20…不純物層 22…開口部 24…チャネル層 26…ゲート酸化膜 28…アルミニウム層 30…ゲート電極 32…ソース/ドレイン拡散層 34…層間絶縁膜 36…コンタクトホール 38a…ゲート電極 38b…ソース/ドレイン電極 40a…微小粒径の多結晶シリコン領域 40b…シリコン結晶 40c…シリコン結晶 40d…単結晶シリコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02F 1/1368 H01L 21/324 N H01L 21/324 G02F 1/136 500 21/336 H01L 29/78 627G 29/786 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にシリコン層を形成する工程と、 前記シリコン層上及び前記シリコン層側面に保温層を形
    成する工程と、 前記シリコン層に短パルスレーザを照射し、前記シリコ
    ン層を結晶化する工程とを有し、 前記保温層を形成する工程では、前記シリコン層上に開
    口部が形成された前記保温層を形成する ことを特徴とす
    る多結晶シリコン薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基板上にシリコン層を形成する工程と、 前記シリコン層上及び前記シリコン層側面に保温層を形
    成する工程と、 前記シリコン層に短パルスレーザを照射し、前記シリコ
    ン層を結晶化してチャネル層を形成する工程とを有し、 前記シリコン層は、幅が異なる領域を含んでなることを
    特徴とする薄膜トランジスタの製造方法
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜トランジスタの製造
    方法において、 前記基板は前記短パルスレーザを透過する基板であり、 前記シリコン層を結晶化する工程では、前記基板の前記
    保温層が形成されていない側の面から前記短パルスレー
    ザを照射することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
    方法
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の薄膜トランジスタ
    の製造方法において、 前記シリコン層を結晶化する工程では、前記基板を所定
    の温度に加熱しながら前記短パルスレーザを前記シリコ
    ン層に照射することを特徴とする薄膜トランジスタの製
    造方法
  5. 【請求項5】 請求項乃至のいずれか1項に記載の
    薄膜トランジスタの製造方法において、 前記保温層を形成する工程では、前記シリコン層上に開
    口部が形成された前記保温層を形成することを特徴とす
    薄膜トランジスタの製造方法
  6. 【請求項6】 請求項乃至のいずれか1項に記載の
    薄膜トランジスタの製造方法において、 前記シリコン層を形成する工程の後、前記保温層を形成
    する工程の前に、前記シリコン層上に、前記保温層とエ
    ッチング特性が異なる分離膜を形成する工程を更に有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法
  7. 【請求項7】 請求項乃至のいずれか1項に記載の
    薄膜トランジスタの製造方法において、 前記シリコン層は、アモルファスシリコン膜、多結晶シ
    リコン膜、又は微結晶シリコン膜より成ることを特徴と
    する薄膜トランジスタの製造方法
  8. 【請求項8】 請求項乃至のいずれか1項に記載の
    薄膜トランジスタの製造方法において、 前記保温層は、アモルファスシリコン層、多結晶シリコ
    ン層、金属層、金属を含むシリコン層、又は不純物を含
    むシリコン層より成ることを特徴とする薄膜トランジス
    タの製造方法
  9. 【請求項9】 基板上にシリコン層を形成する工程と、 前記シリコン層上及び前記シリコン層側面に保温層を形
    成する工程と、 前記シリコン層に短パルスレーザを照射し、前記シリコ
    ン層を結晶化してトランジスタのチャネル層を形成する
    工程とを有し、 前記シリコン層は、幅が異なる領域を含んでなる ことを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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