JP4584953B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、動作半導体膜を有する薄膜型の半導体装置の製造方法に関し、特に、動作半導体膜にソース/ドレインが形成され、チャネル領域上にゲート電極が形成されてなる薄膜トランジスタに適用して好適である。
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)は、極めて薄く微細な動作半導体膜に形成されるものであるため、近時の大面積化の要請を考慮して大画面の液晶パネル等への搭載が期待されている。
TFTの動作半導体膜としては、非晶質シリコン膜(a−Si膜)に比してキャリア移動度が高く熱的に安定なことから、多結晶シリコン膜の使用が検討されている。現在のところ、多結晶シリコン膜を用いた動作半導体膜の形成方法としては、以下に示す手法が利用されている。
(1)a−Si膜に600℃〜1100℃程度の熱処理を加えて結晶化し、多結晶シリコン膜を形成する方法が採用されている。この手法は、熱処理の初期段階に結晶の核を形成させ、これを成長させることにより結晶化を図る。
(2)a−Si膜をレーザのエネルギーを加えて熔融させ、冷却時に結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する。
(3)600℃以上の温度において化学気相成長法、または物理蒸着法により直接多結晶シリコン膜を形成する。
ここでは、ガラス基板上に半導体薄膜を形成する方法を例に採り、従来の技術の問題点を論ずる。基板材料にはガラスを利用するために、基板の温度は600℃以下に限定される。
(1)に述べた結晶成長方法では、600℃という熱処理温度を必要とするが、この温度はガラスにとって高温度で熱処理することに相当し、ガラスに変形が生じる。また、成長した結晶内には積層欠陥や双晶を多量に含んでおり、結晶性の良い多結晶シリコン膜の形成は望めない。
(3)に述べた結晶成長方法では、柱状結晶が形成され、結晶粒径も小さいために結晶性が十分ではなく、高い移動度を示す結晶を形成できない。
(2)に述べたレーザアニールを利用する方法では、基板の温度を上昇させないことを考慮して使用できるレーザはエキシマレーザに限定される。エキシマレーザを利用した場合には、溶融相を経由して結晶が成長されるため高品質な多結晶シリコン膜が得られる。しかし、高品質の多結晶シリコン膜が得られるエネルギー領域が非常に狭いという問題点がある。また、エキシマレーザを利用した場合には、表層のシリコン薄膜領域のみが溶融して高温度になるが、ガラス自身の温度は低い。そのためシリコン融液の冷却速度が大きくなる。
そのため、過冷却状態での融液成長となり、多量の結晶核が形成され、結晶粒径が小さい。通常、300nmから600nm程度の結晶粒径となる。結晶性が最も良いエキシマレーザを利用して多結晶シリコン薄膜を形成した場合、薄膜トランジスタの移動度は200cm2/Vs程度であり、単結晶シリコンの移動度600cm2/Vsと比較して遥かに小さい。この原因は、結晶粒径が小さく結晶粒界部分がキャリアの強い散乱体として作用するためである。
このように従来では、動作半導体膜を多結晶シリコン膜から構成するも、結晶粒界による移動度の低下を抑えることができず、高品質の動作半導体膜を確実に得ることが困難であるという深刻な問題がある。
そこで本発明は、結晶粒界の影響が無視し得るほど小さい半導体薄膜から動作半導体膜を形成し、極めて高い移動度を実現する薄膜型の半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板と、前記基板の上方にパターン形成された動作半導体膜とを備えてなる薄膜型の半導体装置の製造方法であって、前記基板の上方に前記動作半導体膜となる半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜を、幅広領域と幅狭領域とが連結され、且つ前記幅狭領域が前記動作半導体膜の長手方向と平行となる形状に加工する工程と、前記半導体膜を加工した後、前記幅狭領域の側部位を覆うように、分離膜を介して当該幅狭領域の保温膜を形成する工程と、ビームスポットの走査面を前記半導体膜の長手方向に直交する位置から傾斜させて前記半導体膜に対して前記幅広領域から前記幅狭領域へ向かって、時間に対して連続的にエネルギーを出力するCWレーザ光であるエネルギービームを照射し、前記半導体膜を結晶化する工程とを含む。
この場合、前記半導体膜にエネルギービームを照射するに際して、前記半導体膜の長手方向に沿って前記ビームスポットを走査することが好ましい。
上記の考察から、移動度の低下を引き起こす結晶粒界の発生を抑制することができれば、移動度は向上し、半導体素子の性能が向上する。このためには、動作半導体膜を粒径の大きい結晶粒から構成すればよく、完全な単結晶半導体であることが究極の姿である。
本発明の半導体装置の製造方法では、動作半導体膜が、幅広領域では結晶粒の大きいフローパターンの結晶状態、幅狭領域ではほぼ単結晶状態とされて構成される。ここで、幅狭領域にはフローパターンによる結晶粒界は実質的に存在せず、従って幅狭領域をチャネルとして用いれば、必然的に高移動度の半導体装置を実現できる。
本発明によれば、結晶粒界の影響が無視し得るほど小さい半導体薄膜から動作半導体膜を形成し、極めて高い移動度の薄膜型の半導体装置が実現する。
以下、本発明を適用した具体的な諸実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、半導体装置として薄膜トランジスタ(TFT)を例示し、その構成を製造方法とともに説明する。
−動作半導体膜の構造−
当該製造方法を述べるにあたって、先ず本発明の特徴であるTFTの動作半導体膜の構造について説明する。
本発明の特徴である動作半導体膜に要求される最重要ポイントは、当該動作半導体膜のチャネル部位をほぼ単結晶構造とすることである。種結晶が存在しない基板上にかかる構成の動作半導体膜を形成するには、以下のメカニズムを実現することが重要となる。
(1)1つの結晶粒を形成するためのメカニズム
(2)成長方向を制御するメカニズム
(3)成長中に他の結晶粒の発生を抑えるメカニズム
(1)について
1つの結晶粒を形成するには、余分な結晶粒界を単結晶を形成したい領域から排除すればよい。
(2)について
エキシマレーザ結晶化(ELC)は高速の溶融・凝固の過程による。結晶は融液シリコンと下地との界面で偶然に形成された結晶核から成長する。この結晶核の位置を制御することは極めて困難である。結晶核の数が少ない場合には、結晶粒径はシリコン膜厚よりもはるかに大きく、距離は短いながらもラテラル成長が生じていると見なすことができる。その結晶サイズは隣の結晶核から成長してきた結晶粒の衝突で決まる。このラテラル成長は人為的に制御されたものではなく自然現象による。これに対して、時間に対して連続的にエネルギーを出力するエネルギービーム、ここではCWレーザを利用した結晶化過程では、エネルギービームをスキャンすることによりフローパターンを形成し、成長方向をある程度の距離にわたって制御することが可能である。
(3)について
目的とする結晶粒以外の成長を抑制するには、半導体膜の温度勾配を制御すればよい。
チャネル領域を単結晶で形成するには、フローパターンの境界となる結晶粒界がチャネル領域に進入することを防止する必要がある。そこで本発明では、後述するように、前記(1)〜(3)のメカニズムを踏まえ、結晶粒界のチャネル領域への進入を防止するメカニズムを提起する。
−動作半導体膜の形成方法−
次に、動作半導体膜の形成方法について説明する。
[第1の形成方法]
初めに第1の形成方法について説明する。図1及び図2は、動作半導体膜の第1の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図1(a)に示すように、ガラス基板1上に膜厚400nm程度にバッファー層となるシリコン酸化膜2を形成した後、半導体膜として膜厚200nm程度に、ここではアモルファスシリコンからなる非晶質シリコン膜3をPECVD法で形成する。非晶質シリコン膜3の膜厚は、後述する保温膜の膜厚との関係から、400nm以下、好ましくは30nm〜200nm程度とする。次に、水素出しのためにガラス基板1に450℃で2時間の熱処理を加える。
続いて、図1(b)に示すように、非晶質シリコン膜3を島状に加工する。本実施形態では、図3に示すように、幅広領域3aと幅狭領域3bとを有し、幅狭領域3bが幅広領域3aに対して非対称に位置するように連結されてなる形状となるように、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングする。ここで、幅広領域3aと幅狭領域3bとの境界近傍がネッキング領域となる。
続いて、図1(c)に示すように、非晶質シリコン膜3の全面(側面及び上面)を覆うように、分離膜となるシリコン酸化膜4をPECVD法により膜厚50nm程度となるように形成する。
続いて、図1(d)に示すように、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜4を介して非晶質シリコン膜3を覆うように非晶質シリコン膜を膜厚250nm程度に形成し、ニッケル(Ni)を利用した金属誘起固相成長により非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜5に変化させる。固相成長を誘起する金属不純物にはNi以外のものを用いてもよい。このとき、固相成長温度を570℃、熱処理時間を8時間とする。この処理により、膜厚300nm程度の非晶質シリコン膜は多結晶シリコン膜5に変化するが、分離膜であるシリコン酸化膜4に覆われた非晶質シリコン膜3はシリコン酸化膜4がNiの拡散を防止するために、非晶質シリコンの状態に保たれる。
ここで、化学気相成長法又は物理蒸着法により非晶質シリコン膜3を覆うように当初から多結晶シリコン膜5を形成するようにしてもよい。また、アモルファス状のシリコンを利用しても好適である。
続いて、図2(a)及び図4に示すように、多結晶シリコン膜5を幅狭領域3bの側部位を覆う島状にパターニングし、続いて露出したシリコン酸化膜4をHF溶液を用いて除去する。このとき、幅狭領域3bの表面は側部位を除き露出している。
続いて、図2(b)に示すように、幅狭領域3bをシリコン酸化膜4を介して多結晶シリコン膜5が保温膜として側面から囲む状態で、上面からCWレーザ光、ここでは半導体励起(LD励起)の固体レーザ(DPSSレーザ)を照射し、非晶質シリコン膜3を結晶化させ、動作半導体膜11を形成する。
ここで一例として、上記の固体レーザは、波長が532nmの第2高調波を用いた半導体LD励起のNd:YVO4レーザであり、出力は10Wである。半導体LD励起の固体レーザは、そのエネルギービームの不安定性を示すノイズ(光ノイズ)が、10Hz〜2MHzの領域で0.1rms%以下、エネルギービームの出力不安定性が±1%/時間より小とされており、他のエネルギービームに比べて格段に優れている。
なお、CWレーザ光照射部位は基板表面側に限定したものではなく、裏面側から行っても良い。
CWレーザ光の照射方向(走査(スキャン)方向)としては、図5に示すように、面積の大きい幅広領域3aから面積の小さい幅狭領域3bへ向かって、幅狭領域3bの長手方向に平行に走査する。このとき、幅が急激に狭くなる部位であるネッキング領域がいわゆるフィルター効果を奏し、多くの結晶粒界がこの領域で消滅し、結晶粒界の幅狭領域3bへの進入が抑止されるために、単結晶シリコンが形成される。なお、CWレーザ光の照射に際して、幅狭領域3bに整合させて、連続的にエネルギーを出力するCWレーザ光をパルス変調にして照射するようにしても良い。
本形成方法におけるCWレーザ光照射による単結晶シリコン形成のメカニズムを以下で説明する。
この非晶質シリコン膜3は、幅狭領域3bの側部位のみが保温膜となる厚い多結晶シリコン膜5で覆われているために、側面の多結晶シリコン膜5が熱浴として作用する。その結果、幅狭領域3bの側面から結晶核が発生することはない。この場合、幅狭領域3bの中心部分から温度低下が進行して結晶化してゆくが、幅狭領域3bの側部位のみが多結晶シリコン膜5で選択的に覆われていることにより、当該側部位が最も温度低下し難くなり、効率的な結晶化が実現する。ネッキング領域で選択された単一結晶粒は、幅狭領域3bの結晶化の際における種結晶として作用する(図6(a))。CWレーザ光は幅狭領域3bに平行に走査されるので固液界面も幅狭領域3bに平行に移動する。結晶化はただ1つの種結晶から進行するために、幅狭領域3bには単結晶シリコンが形成されることになる(図6(b))。
幅広領域3aにおける結晶成長は、幅広領域3aのエッジにて結晶核が形成され、内部へ向かって成長が進行する。
そして、幅広領域3aでは、図7(a)に示すように、結晶粒径が5μm以上、即ちエキシマレーザ結晶化(ELC)による結晶粒径の10倍〜100倍の大きさに相当する大粒径の走査方向に流れるような形状(フローパターン)に結晶成長がなされる。このとき、結晶粒界は幅広領域3aの中心に向かって進行する。
実際にSEMにより観測した結果を図7(b)に示す。この画像ではセコエッチングを行い、結晶粒界を顕在化させた様子を示す。
ここで、本例との比較のため、幅狭領域3bを幅広領域3aに対して対称となるように形成した一例を図7(c)に示す。このように、幅広領域3aで形成されたフローパターンの結晶粒界は幅広領域3aの中心に向かって進行する傾向にあるので、幅広領域3aの中央部分に幅狭領域3bを設定すると、結晶粒界が幅狭領域3bに多量に進入する。この場合、幅狭領域3bにおける単結晶成長の可能性は極めて低くなる。
これに対して本例では、幅狭領域3bが幅広領域3aに対して非対称となるように形成されているため、結晶粒界は幅狭領域3bへ向かって斜めに走ることになり、幅狭領域3bの幅広領域3aとの境界部位では結晶粒界が幅狭領域3bの壁と衝突し消滅し、幅狭領域3bの内部まで進入することが抑止される。これにより幅狭領域3bは極めて単結晶状態になり易い。
また、CWレーザ光は面積の大きい幅広領域3aから面積の小さい幅狭領域3bへ向けて走査されるため、結晶粒は走査距離が長いほど大きく成長する傾向があることによる。大きな結晶粒が形成されると幅狭領域3bに結晶粒界が入りこむ確率も減少する。従って、幅狭領域3bの幅は結晶粒の幅よりも狭いことが望ましい。
また、幅狭領域3bにおいては、CWレーザ光による溶融の後の固化時に、中央部位で低温度、周辺部位で高温度に温度分布が形成される。このため、中央部位から周辺部位に向かって温度勾配が形成され、幅狭領域3bに結晶粒界が混入しても成長中に外に向かって逃げてゆく。即ち、走査距離が長くなれば欠陥部分は全て外部に逸れてゆき、これにより単結晶の形成が助長される。
以上のメカニズムにより、幅狭領域3bが単結晶化される。
続いて、図2(c)及び図8に示すように、形成された動作半導体膜11のシリコン酸化膜4及び多結晶シリコン膜5が存在しない部分をレジスト膜12で覆う。
そして、図2(d)に示すように、レジスト膜12をマスクとして多結晶シリコン膜5をドライエッチングして除去した後、レジスト膜12を灰化処理等により除去し、次いでシリコン酸化膜4をHF溶液により除去する。
以上により、動作半導体膜(シリコン島)11を完成させる。
完成した動作半導体膜11の結晶状態のSEM写真を図10に示す。
ここでは、欠陥を明瞭化させるためにセコエッテングを行っており、幅狭領域11bのみを残すマスクパターンを利用して幅狭領域11bの結晶性を調べた。そのために幅広領域11aの一部が消失している。この写真からも、幅狭領域11bが単結晶状態となっていることが確認される。
このようにして形成したシリコン島を利用して、図9に示すように、更に新たなパターニングにより、幅広領域11aに対して幅狭領域11bが対称となる形状のTFTの動作半導体膜11を形成しても良い。ここで、膜の剥離等の欠陥はシリコン島の周縁部位に発生しがちであるため、当該パターニングにより周縁部位を除去することで欠陥の無いより良好な動作半導体膜が形成される。
−変形例−
ここで、良好な結晶成長を考慮し、パターニング形状の異なる動作半導体膜を形成する変形例について説明する。
本例では、非晶質シリコン膜3を島状に加工するに際して、図11に示すように、幅狭領域3bに、後のレーザ光照射工程において幅広領域3aのフローパターンの結晶粒界の一部が差し掛かる一端部に切り欠き部13を形成しておく。これにより、フローパターンの結晶粒界の幅狭領域3b内への進入が更に抑止され、より確実な単結晶化が実現する。
[第2の形成方法]
次に、第2の形成方法について説明する。図12及び図13は、動作半導体膜の第1の形成方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図12(a)に示すように、ガラス基板1上に膜厚400nm程度にバッファー層となるシリコン酸化膜2を形成した後、半導体膜として膜厚200nm程度に、ここではアモルファスシリコンからなる非晶質シリコン膜31をPECVD法で形成する。非晶質シリコン膜31の膜厚は、保温膜の膜厚との関係から、400nm以下、好ましくは30nm〜200nm程度とする。次に、水素出しのためにガラス基板1に550℃で2時間の熱処理を加える。
続いて、図12(b)及び図14に示すように、非晶質シリコン膜31を、幅広領域31a及び幅狭領域31bを有し、幅狭領域31bが幅広領域31aに対して対称に位置するように連結されてなる形状となるように、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングする。ここで、幅広領域31aと幅狭領域31bとの境界近傍がネッキング領域となる。
続いて、図12(c)に示すように、非晶質シリコン膜31の全面(側面及び上面)を覆うように、分離膜となるシリコン酸化膜4をPECVD法により膜厚50nm程度となるように形成する。
続いて、図12(d)に示すように、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜4を介して非晶質シリコン膜31を覆うように非晶質シリコン膜を膜厚250nm程度に形成し、ニッケル(Ni)を利用した金属誘起固相成長により非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜5に変化させる。固相成長を誘起する金属不純物にはNi以外のものを用いてもよい。このとき、固相成長温度を570℃、熱処理時間を8時間とする。この処理により、膜厚300nm程度の非晶質シリコン膜は多結晶シリコン膜5に変化するが、分離膜であるシリコン酸化膜4に覆われた非晶質シリコン膜31はシリコン酸化膜4がNiの拡散を防止するために、非晶質シリコンの状態に保たれる。
ここで、化学気相成長法又は物理蒸着法により非晶質シリコン膜31を覆うように当初から多結晶シリコン膜5を形成するようにしてもよい。また、アモルファス状のシリコンを利用しても好適である。
続いて、図13(a)及び図15に示すように、多結晶シリコン膜5を幅狭領域31bの側部位を覆う島状にパターニングし、続いて露出したシリコン酸化膜4をHF溶液を用いて除去する。このとき、幅狭領域31bの表面は側部を除き露出している。
続いて、図13(b)に示すように、幅狭領域3bをシリコン酸化膜4を介して多結晶シリコン膜5が保温膜として側面から囲む状態で、上面からCWレーザ光、ここでは半導体励起(LD励起)の固体レーザ(DPSSレーザ)を照射し、非晶質シリコン膜31を結晶化させ、動作半導体膜32を形成する。
ここで一例として、上記の固体レーザ、ここではCWレーザは、波長が532nmの第2高調波を用いた半導体LD励起のNd:YVO4レーザであり、出力は10Wである。半導体LD励起の固体レーザは、そのエネルギービームの不安定性を示すノイズ(光ノイズ)が、10Hz〜2MHzの領域で0.1rms%以下、エネルギービームの出力不安定性が±1%/時間より小とされており、他のエネルギービームに比べて格段に優れている。
なお、CWレーザ光照射部位は基板表面側に限定したものではなく、裏面側から行っても良い。
本形成方法では、CWレーザ光を非晶質シリコン膜31に照射するに際して、図16に示すように、CWレーザ光のビームスポット41の走査面42を非晶質シリコン膜31の長手方向(図中、X軸で示す)に直交する位置(図中、Y軸で示す)から所定角度だけ傾斜させ(傾斜角φ)、非晶質シリコン膜31の長手方向に直交する方向(図中、Y軸及び矢印Mで示す)にビームスポット41を走査する。ここで、ビームスポット41としては、走査面42が帯形状又は楕円形状とされたものを用いることが好ましい。このとき、幅が急激に狭くなる部位はネッキング領域として作用するために、単結晶シリコンが形成される。
本形成方法におけるCWレーザ光照射による単結晶シリコン形成のメカニズムを以下で説明する。
図17に示すように、TFTのチャネルとなる幅狭領域31bを単結晶で形成するには、幅狭領域31bにおける結晶核の発生を抑止するとともに、幅広領域31aにおける面積の大きい領域Aで成長した結晶粒の境界となる結晶粒界が幅狭領域31bに侵入することを防止する必要がある。本形成方法では、幅狭領域31bの幅広領域31aとの境界部分に対してビームスポット41を傾斜させながらスキャン照射しており、結晶粒界はビームスポット41の走査面42の境界と直交する方向に形成されるために、結晶粒界がX軸方向に対してビームスポット41を傾斜させた割合だけ斜めに形成させる。このことにより、ある結晶核から成長した単一結晶粒の結晶粒界が幅狭領域31bに侵入しても、結晶粒界は幅狭領域31bへ向かって斜めに走ることになり、幅狭領域31bの幅広領域31aとの境界部位では結晶粒界が幅狭領域31bの壁と衝突して殆ど消滅するため、結晶粒界が幅狭領域31bの内部まで進入することが抑止される。これにより幅狭領域31bは極めて単結晶状態になり易い。
本形成方法の場合、前述した第1の形成方法と異なり、幅広領域3aと幅狭領域3bとの境界部位で結晶粒界が確実に斜めに進入する。即ち本形成方法によれば、幅狭領域31bの壁への結晶粒界の衝突を、言わば偶発性に依存することなく確実に惹起させることができる。
上記の説明内容を踏まえれば、ビームスポット41の走査面42の傾斜角φとしては、+15°〜+75°又は−75°〜−15°とすることが好ましい。+15°以下(−15°以上)であると、幅狭領域31bの壁への結晶粒界の衝突が困難となり、+75°以上(−75°以下)であると、幅狭領域31bの単結晶化率が低下するために、CWレーザ光の非晶質シリコン膜31への実効的な照射を確保することが困難となるからである。
また、非晶質シリコン膜31は、幅狭領域31bの側部位のみが保温膜となる厚い多結晶シリコン膜5で覆われているために、側面の多結晶シリコン膜5が熱容量の大きい熱浴として機能し、融液の冷却速度を小さくし、且つ非晶質シリコン膜31の温度分布を制御して、核形成位置及び結晶成長方向を制御する。この場合、幅狭領域31bの中心部分から温度低下が進行して結晶化してゆくが、幅狭領域31bの側部位のみが多結晶シリコン膜5で選択的に覆われていることにより、当該側部位が最も温度低下し難くなり、効率的な結晶化が実現する。その結果、幅狭領域31bの側壁から結晶核が発生することなく、確実に大粒径の結晶状態を実現することができる。
また、結晶粒はレーザ走査距離が長いほど大きく成長する傾向があることから、斜め方向に結晶成長させることは有益である。更に、第1の形成方法のように、幅狭領域31bを幅広領域31aに対して非対称に形成すること、並びに幅広領域31aを大きく形成することにより、更にレーザ走査距離を伸ばすことが可能となる。巨大結晶粒が形成されると幅狭領域31bに結晶粒界の入り込む確率もより減少する。
幅狭領域31bにおいては、CWレーザ光による溶融の後の固化時に、中央部位で低温度、周辺部位で高温度に温度分布が形成される。このため、中央部位から周辺部位に向かって温度勾配が形成され、幅狭領域31bに結晶粒界が混入しても成長中に外に向かって逃げてゆく。即ち、走査距離が長くなれば欠陥部分は全て外部に逸れてゆき、これにより単結晶の形成が助長される。
以上のメカニズムにより、幅狭領域31bが単結晶化される。
しかる後、第1の形成方法と同様に、図13(c)に示すように、形成された動作半導体膜32のシリコン酸化膜4及び多結晶シリコン膜5が存在しない部分をレジスト膜12で覆う。
そして、図13(d)に示すように、レジスト膜12をマスクとして多結晶シリコン膜5をドライエッチングして除去した後、レジスト膜12を灰化処理等により除去し、次いでシリコン酸化膜4をHF溶液により除去する。
以上により、動作半導体膜32(シリコン島)を完成させる。
完成した動作半導体膜32の結晶状態の光学顕微鏡による写真を図18に示す。
ここでは、ビームスポットに傾斜角φを付与して結晶化した時の一例として、傾斜角φ=45°としたものを例示する。幅狭領域には大きな結晶粒界は無く単一結晶粒となっていることが確認できる。また、幅狭領域の膜の干渉色にも大きな色の変化が見えないことから、平坦な膜が得られていることが判る。動作半導体膜の平坦性としては、表面粗さRaが7程度以下であれば充分に平坦であるとみなせる。実際、この幅狭領域の表面粗さRaをAFM観察像により調べたところ、Ra=6.1nmであった。
次に、図18の光学顕微鏡写真(傾斜角φ:45度)と同一領域の幅狭領域をTEMにより観察した結果を図19に示す。
電子回折像では転位などの無いきれいなパターンが見られ、5μm×20μmほどの幅狭領域には結晶粒界が全く見られず、単一結晶粒であることが判る。また、電子回折像からこの幅狭領域の単結晶状態は(110)配向であることが判る。また同様に、単結晶状態として(100)配向に制御することも可能である。実際、本発明者が幅狭領域の単結晶状態を調べたところ、傾斜角φが15°〜45°、好ましくは30°〜45°であれば(100)配向、傾斜角φが45°〜75°、好ましくは45°〜60°であれば(110)配向となり易い傾向にあることが判った。
以上のことから、本形成方法によれば、非晶質シリコン膜31の幅狭領域31bを結晶化するに際して、結晶性の優れた単一結晶粒の形成、及び結晶の配向性の制御が可能である。
このようにして形成したシリコン島を利用して、図20に示すように、更に新たなパターニングにより、幅広領域32a及び幅狭領域32bを有するTFTの動作半導体膜32を形成しても良い。ここで、膜の剥離等の欠陥はシリコン島の周縁部位に発生しがちであるため、当該パターニングにより周縁部位を除去することで欠陥の無い良好な動作半導体膜が形成される。
−変形例−
上述した第2の形成方法では、CWレーザ光を非晶質シリコン膜31に照射するに際して、ビームスポット41の走査面42を傾斜角φだけ傾斜させ非晶質シリコン膜31の長手方向に直交する方向にビームスポット41を走査する旨を開示したが、本変形例では、図21に示すように、ビームスポット41の走査面42を傾斜角φだけ傾斜させ、当該傾斜角φの方向(図中、矢印Nで示す)にビームスポット41を走査する。なお、本変形例では、ビームスポット41の走査方向のみが第2の形成方法と異なり、動作半導体膜32の形状や結晶化の態様及びそのメカニズム、及びCWレーザの構成やその使用態様(走査方向を除く)等については、第2の形成方法と同様である。
完成した動作半導体膜32の結晶状態の光学顕微鏡による写真を図22に示す。
ここでは、ビームスポットに傾斜角φを付与して結晶化した時の各例として、傾斜角φ及び走査方向=−45°、30°、45°、60°としたものをそれぞれ図22(a),(b),(c),(d)に例示する。各々の写真において、幅狭領域には大きな結晶粒界は無く単一結晶粒となっていることが確認できる。また、幅狭領域の膜の干渉色にも大きな色の変化が見えないことから、平坦な膜が得られていることが判る。
次に、図22の光学顕微鏡による写真(傾斜角φ及び走査方向=30°、45°、60°)と同一の幅狭領域をEBSD(Electron Back Scattered Diffraction)装置により観察したマッピング解析結果を図23に示す。図(a),(b),(c)がそれぞれ傾斜角φ及び走査方向=30°、45°、60°に対応している。各図中、結晶粒表面の方位が(100)に対してどの方向を示しているかを基本三角形の色で表している。
結晶方位の指標を示すIPF(Inverse Pole Figure)マップ解析では、幅狭領域の全域で大きな色変化は無く同一色で示されていることから、単一結晶粒であることが判る。また、EBSD装置における鮮明さの指標を示すIQ(Image Quality)マップ解析でも、幅狭領域の結晶粒を鮮明に確認できることから、幅狭領域では結晶粒界や表層歪の無い結晶性の非常に優れた結晶粒が形成されていることが判る。
また、同一の傾斜角φ及び走査方向によるレーザ走査で形成した幅狭領域の部分をそれぞれ任意に選択してEBSD解析したところ、同一の傾斜角φ及び走査方向では各々の結晶の配向性が(100)に比較的近いことが示された。このことから、傾斜角φ及び走査方向を調節することにより結晶の配向性をある程度制御可能であることが判る。具体的に、本発明者が幅狭領域の単結晶状態を調べたところ、傾斜角φが15°〜45°、好ましくは30°〜45°であれば(100)配向、傾斜角φが45°〜75°、好ましくは45°〜60°であれば(110)配向となり易い傾向にあることが判明した。
本変形例においても、第2の形成方法と同様に、幅狭領域31bの壁への結晶粒界の衝突を、言わば偶発性に依存することなく確実に惹起させることが可能であり、幅狭領域31bを確実に大粒径の単結晶状態とすることができる。
−TFTの作製−
上記の如く形成された動作半導体膜11又は32を用いて、TFT(nチャネルTFT)を製造する。図24〜図27は、本実施形態に係るTFTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。以下、第1の形成方法による動作半導体膜11を用いるものとして説明する。
先ず、図24(a)に示すように、ガラス基板21上にバッファーとなるシリコン酸化膜22を介して上記の手法により形成された動作半導体膜11を用意する。ここでは、動作半導体膜11の幅狭領域11bがチャネルとして機能することになる。
続いて、図24(b)に示すように、動作半導体膜11上に膜厚120nm程度にゲート酸化膜となるシリコン酸化膜23をPECVD法により形成する。このとき、他の手法、例えばLPCVD法又はスパッタリング法等を利用しても良い。
続いて、図24(c)に示すように、膜厚350nm程度となるようにアルミニウム膜(又はアルミニウム合金膜)24をスパッタリング法により成膜形成する。
続いて、図25(a)に示すように、アルミニウム膜24をフォトリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより電極形状にパターニングし、ゲート電極24を形成する。
続いて、図25(b)に示すように、パターニングされたゲート電極24をマスクとしてシリコン酸化膜23をパターニングし、ゲート電極24の形状に倣った形状のゲート酸化膜23を形成する。
続いて、図25(c)に示すように、ゲート電極24をマスクとして動作半導体膜11のゲート電極24の両側部位にイオンドープする。具体的には、n型不純物、ここではリン(P)を加速エネルギー10keV、ドーズ量5×1015/cm2の条件でイオンドープし、ソース/ドレイン領域を形成する。
続いて、図26(a)に示すように、ソース/ドレイン領域のリンを活性化するためにエキシマレーザ照射を行った後、図26(b)に示すように、全面を覆うように膜厚300nm程度にSiNを堆積し、層間絶縁膜25を形成する。
続いて、図27(a)に示すように、ゲート電極24上、動作半導体膜11のソース/ドレイン領域上をそれぞれ露出させる各コンタクトホール26を層間絶縁膜25に開口形成する。
続いて、図27(b)に示すように、各コンタクトホール26を埋め込むようにアルミニウム等の金属膜27を形成した後、図27(c)に示すように、金属膜27をパターニングし、それぞれコンタクトホール26を通じてゲート電極24、動作半導体膜11のソース/ドレイン領域と導通する配線27を形成する。
しかる後、全面を覆う保温膜の形成等を経て、n型TFTを完成させる。
実際に、本実施形態のn型TFTを、動作半導体膜11がチャネル長5μm程度、チャネル幅3μm程度となるように作製し、その移動度を測定した結果、560cm2/Vsという高移動度が達成された(図28(a))。なお、同様の手法によりp型TFTを作製して移動度を測定した結果、200cm2/Vsを実現した(図28(b))。
また、第2の形成方法による動作半導体膜32を用い、図24〜図27と同様にしてn型TFT(チャネル長5μm程度、チャネル幅3μm程度)を作製し、その移動度を測定した結果、580cm2/Vsという高移動度が達成された(図29(a))。なお、同様の手法によりp型TFTを作製して移動度を測定した結果、234cm2/Vsを実現した(図29(b))。
以上説明したように、本実施形態によれば、結晶粒界の影響が無視し得るほど小さい優れた動作半導体膜11又は32を形成し、極めて高い移動度のTFTを実現することができる。
なお、本実施形態では、半導体膜として非晶質シリコンを利用したが、非晶質シリコン以外に多結晶シリコンを利用しても良い。また、この多結晶シリコンは金属誘起固相成長で形成しても良い。また結晶化の際には、基板温度を上昇させて結晶品質を改良したり、熱歪みを緩和しても好適である。また、シリコンとゲルマニウムの混合物(化合物)を利用してもよい。
本実施形態で説明した半導体装置は、TFTを備えた周辺回路一体型の液晶ディスプレイ(LCD)やシステムオンパネル、システムオンガラス、更にはSOI素子として適用することが可能である。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)基板と、
前記基板の上方にパターン形成された動作半導体膜と
を含み、
前記動作半導体膜は、幅広領域と幅狭領域とが連結されてなる形状とされており、
前記幅広領域は、結晶粒の大きいフローパターンの状態であり、前記フローパターンの結晶粒界の方向が前記幅狭領域の長手方向と非平行であるとともに、
前記幅狭領域は、ほぼ単結晶状態であることを特徴とする半導体装置。
(付記2)前記幅狭領域がチャネルとして機能することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)前記幅狭領域は、前記フローパターンの前記結晶粒界の一部が差し掛かる一端部に切り欠きが形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)前記幅狭領域の幅は結晶粒の幅より狭いことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記5)基板と、
前記基板の上方にパターン形成された動作半導体膜と
を備えてなる薄膜型の半導体装置の製造方法であって、
前記基板の上方に前記動作半導体膜となる半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜を、幅広領域と幅狭領域とを有し、前記幅狭領域が前記幅広領域に対して非対称に位置するように連結されてなる形状に加工する工程と、
前記半導体膜を加工した後、前記幅狭領域の側部位を選択的に覆うように、分離膜を介して当該幅狭領域の保温膜を形成する工程と、
前記保温膜が形成された状態で、前記半導体膜に対して前記幅広領域から前記幅狭領域へ向かい前記幅狭領域の長手方向に沿ってエネルギービームを照射し、前記半導体膜を結晶化する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記6)前記半導体膜を加工するに際して、前記幅狭領域に切り欠きを形成することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)前記半導体膜を結晶化した後、前記半導体膜を前記幅狭領域が前記幅広領域に対して対称に位置する形状となるように前記半導体膜の周縁部位を除去し、前記動作半導体膜を形成することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)前記エネルギービームは、時間に対して連続的にエネルギーを出力するものであることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)時間に対する連続的にエネルギーを出力する前記エネルギービームがCWレーザ光であることを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)前記CWレーザ光が半導体励起の固体レーザ光であることを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)前記エネルギービームの出力不安定性が±1%/時間より小値であることを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)前記半導体膜を厚みが400nm以下となるように形成することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)前記幅狭領域を前記動作半導体膜のチャネルとなるように形成することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)前記幅狭領域をその幅が結晶粒の幅より狭くなるように形成することを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)前記ビームスポットは、帯形状又は楕円形状で前記走査面がほぼ平坦面とされたものであることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)基板と、前記基板の上方にパターン形成された動作半導体膜とを備えてなる薄膜型の半導体装置の製造方法であって、前記基板の上方に前記動作半導体膜となる半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜を、幅広領域と幅狭領域とが連結された形状に加工する工程と、前記半導体膜を加工した後、前記幅狭領域の側面から表面の一部を含む部位を選択的に覆うように、分離膜を介して当該幅狭領域の保温膜を形成する工程と、ビームスポットの走査面を前記半導体膜の長手方向に直交する位置から傾斜させて前記半導体膜に対して前記幅広領域から前記幅狭領域へ向かって、時間に対して連続的にエネルギーを出力するCWレーザ光であるエネルギービームを照射し、前記半導体膜を結晶化する工程とを含む。
(付記17)
前記半導体膜にエネルギービームを照射するに際して、前記半導体膜の長手方向に沿って前記ビームスポットを走査することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)前記ビームスポットの走査面の前記傾斜角度を+15°〜+75°又は−75°〜−15°とすることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)前記半導体膜を加工するに際して、前記幅狭領域に切り欠きを形成することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)前記半導体膜を結晶化した後、前記半導体膜を前記幅狭領域が前記幅広領域に対して対称に位置する形状となるように前記半導体膜の周縁部位を除去し、前記動作半導体膜を形成することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記21)前記CWレーザ光が半導体励起の固体レーザ光であることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記22)前記エネルギービームの出力不安定性が±1%/時間より小値であることを特徴とする16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記23)前記半導体膜を厚みが400nm以下となるように形成することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記24)前記幅狭領域を前記動作半導体膜のチャネルとなるように形成することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記25)前記幅狭領域をその幅が結晶粒の幅より狭くなるように形成することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記26)前記ビームスポットは、帯形状又は楕円形状で前記走査面がほぼ平坦面とされたものであることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記27)前記幅狭領域(チャネルとなる位置)に整合させて、連続的にエネルギーを出力する前記CWレーザ光をパルス変調にして照射することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
本実施形態の第1の形成方法において、動作半導体膜の形成方法を工程順に示す概略断面図である。 図1に引き続き、動作半導体膜の形成方法を工程順に示す概略断面図である。 加工された非晶質シリコン膜を示す概略平面図である。 保温膜が形成された非晶質シリコン膜の様子を示す概略平面図である。 CWレーザ光の照射方向を示す概略平面図である。 結晶成長の様子を示す概略平面図である。 結晶成長の様子を比較例とともに示す概略平面図である。 レジストで一部覆われた動作半導体膜を示す概略平面図である。 パターニングされた動作半導体膜を示す概略平面図である。 完成した動作半導体膜の結晶状態を表すSEM写真を示す図である。 第1の形成方法における変形例の非晶質シリコン膜の様子を示す概略平面図である。 本実施形態の第2の形成方法において、動作半導体膜の形成方法を工程順に示す概略断面図である。 図12に引き続き、動作半導体膜の形成方法を工程順に示す概略断面図である。 加工された非晶質シリコン膜を示す概略平面図である。 保温膜が形成された非晶質シリコン膜の様子を示す概略平面図である。 CWレーザ光の照射方向を示す概略平面図である。 結晶成長の様子を示す概略平面図である。 完成した動作半導体膜の結晶状態の光学顕微鏡による写真を示す図である。 図18の光学顕微鏡写真(傾斜角φ:45度)と同一領域の幅狭領域を表すTEM写真を示す図である。 TFTの動作半導体膜をパターン形成する様子を示す概略断面図である。 第2の形成方法における変形例における非晶質シリコン膜へのレーザ照射の様子を示す概略平面図である。 完成した動作半導体膜の結晶状態の光学顕微鏡写真を示す図である。 図22の光学顕微鏡による写真と同一の幅狭領域をEBSD装置により観察したマッピング解析結果を示す図である。 本実施形態に係るTFTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図24に引き続き、本実施形態に係るTFTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図25に引き続き、本実施形態に係るTFTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図26に引き続き、本実施形態に係るTFTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 第1の形成方法による動作半導体膜を用いたn型,p型TFTの移動度をそれぞれ示す特性図である。 第2の形成方法による動作半導体膜を用いたn型,p型TFTの移動度をそれぞれ示す特性図である。
符号の説明
1,21 ガラス基板
2,22 バッファーとなるシリコン酸化膜
3,31 非晶質シリコン膜
3a,11a,31a,32a 幅広領域
3b,11b,31b,32b 幅狭領域
4 分離膜となるシリコン酸化膜
5 保温膜となる多結晶シリコン膜
11,32 動作半導体膜
12 ネッキング部
13 熱吸収体
23 ゲート酸化膜(シリコン酸化膜)
24 ゲート電極(アルミニウム膜)
25 層間絶縁膜
26 コンタクトホール
27 配線(金属膜)
41 ビームスポット
42 走査面

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板の上方にパターン形成された動作半導体膜と
    を備えてなる薄膜型の半導体装置の製造方法であって、
    前記基板の上方に前記動作半導体膜となる半導体膜を形成する工程と、
    前記半導体膜を、幅広領域と幅狭領域とが連結され、且つ前記幅狭領域が前記動作半導体膜の長手方向と平行となる形状に加工する工程と、
    前記半導体膜を加工した後、前記幅狭領域の側部位を覆うように、分離膜を介して当該幅狭領域の保温膜を形成する工程と、
    ビームスポットの走査面を前記半導体膜の長手方向に直交する位置から傾斜させて前記半導体膜に対して前記幅広領域から前記幅狭領域へ向かって、時間に対して連続的にエネルギーを出力するCWレーザ光であるエネルギービームを照射し、前記半導体膜を結晶化する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記半導体膜にエネルギービームを照射するに際して、
    前記半導体膜の長手方向に沿って前記ビームスポットを走査することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ビームスポットは、前記走査面が帯形状又は楕円形状とされたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
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